JP2004137233A - 老化防止剤及びそれを用いた皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性が良好で優れた老化防止効果を有する老化防止剤及び皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を有効成分として含有する老化防止剤、及びそれを配合した皮膚外用剤である。
【選択図】 なし
【解決手段】アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を有効成分として含有する老化防止剤、及びそれを配合した皮膚外用剤である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アカバナ科(Onagraceae)(以下、科を示すラテン語表記は省略する)に属する植物の種子から得られた抽出物を有効成分として含む老化防止剤、細胞賦活剤及びそれを含む皮膚外用剤、特に、しわやたるみ等を改善する皮膚に対して優れた老化防止効果を有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の皮膚外用剤には、これらに所定の薬効を付与することを目的として種々の薬効成分が加えられている。例えば、マツヨイグサ属植物の種子抽出物を美白、美肌成分として含有する皮膚外用剤が提案されている(特許文献1参照)。また、ツキミソウ由来のポリフェノール化合物を薬効成分として含有する皮膚外用剤、ツキミソウの花弁または全草からの抽出物を薬効成分として含有する皮膚外用剤が提案されている(例えば、特許文献2〜5参照)。一方、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわやたるみ、張りや弾力性の低下等の皮膚の老化を予防、あるいは改善するために、例えば、ビタミンA、大豆抽出物、海藻抽出物等の細胞賦活剤等が加えられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−335497号
【特許文献2】
特開平7−17847号
【特許文献3】
特開平7−309770号
【特許文献4】
特開平7−196526号
【特許文献5】
特開2001−233725号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの細胞賦活効果等を有する成分では、老化防止効果が充分でなかったり、あるいは、製剤中で変質する等して所期の薬効が得られない場合があり、その改善が望まれていた。
本発明の課題は、良好な老化防止効果を有すると共に、保存安定性が良好で、皮膚外用剤等に安定的に配合可能な老化防止剤を提供すること、及び良好な老化防止効果を有すると共に、保存安定性が良好な皮膚外用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、優れた老化防止効果を有し、皮膚外用剤の薬効成分として使用することができる成分について鋭意検討を行った結果、アカバナ科、マツヨイグサ属の種子抽出物は高い細胞賦活効果を有し、老化防止剤として優れたものであることを見出した。そして、この抽出物は、老化防止剤として皮膚外用剤に配合できると共に、他の薬効成分と組み合せることにより、老化防止用の皮膚外用剤としてより優れた効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、前記課題を解決するため、アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を有効成分として含む老化防止剤を提供する。
【0007】
又、別の観点から、本発明によって、細胞賦活効果を有する上記老化防止剤;;コラゲナーゼ活性抑制効果を有する上記老化防止剤;上記老化防止剤を含有する皮膚外用剤;更に、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上を含有する前記皮膚外用剤;アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を供給することによって皮膚の老化を防止する方法;アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を供給することによって細胞を賦活させる方法;が提供される。
【0008】
なお、本明細書において、「老化防止剤」とは、生体細胞組織に対する老化防止作用を示す剤のことを意味するものとする。特に、皮膚用の「老化防止剤」とは、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚(頭皮、唇、粘膜を含む)のしわやたるみ、張りや弾力性の低下等の皮膚の老化を予防あるいは改善する等の老化防止作用を示す剤のことを意味するものとする。これらの作用を示す限り、老化防止作用を発現するメカニズムについては特に制限されない。本明細書においては、例えば、「細胞賦活」により老化防止作用を発現する細胞賦活剤も「老化防止剤」の範囲に含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の老化防止剤は、アカバナ科マツヨイグサ属の種子抽出物を有効成分として含む。
本発明に用いられるアカバナ科マツヨイグサ属には、イブニングプロムローズという別名で知られるメマツヨイグサ(Oenothera biennis)の他に、例えば、ツキミソウ(Oenothera tetraptera)、マツヨイグサ(Oenothera odorata;Oenothera stricta)、オオマツヨイグサ(Oenothera lamarckiana;Oenothera glazioviana)、コマツヨイグサ(Oenothera laciniata)、オエノテラ ドルムモンディイ(Oenothera drummondii)、オエノテラ カエスピトサ(Oenothera caespitosa)、オエノテラ フラウァ(Oenothera flava)等が挙げられる。これらの植物はかつて民間薬として鎮痛薬、緩和薬、収れん薬、傷薬、抗血液凝固剤として広く使用されてきた。
【0010】
前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物は、マツヨイグサ属植物の種子を適当な溶媒で抽出することによって得られる。抽出は、マツヨイグサ属植物の種子を低温ないし加温下で溶媒中に所定の時間浸漬することによって実施できる。
抽出溶媒としては特に限定されないが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級一価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;等の一種又は二種以上を用いることができる。
【0011】
前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物は、そのまま皮膚外用剤に配合してもよいし、適宜の期間そのまま放置し熟成させた後に用いることもできる。必要ならば、本発明の効果に影響のない範囲で、更に、濾過又はイオン交換樹脂等により、脱臭、脱色等の精製処理を施して用いることもできる。又、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用い、活性の高い画分を取り出して用いることもできる。
【0012】
前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物の好ましい抽出方法の例としては、濃度0〜100vol%の含水エチルアルコール、1,3−ブチレングリコール又はアセトンを用い、室温で、又は加温して1〜5日間抽出を行った後、濾過し、得られた濾液を更に一週間程放置して熟成させ、再び濾過を行う方法が挙げられる。但し、抽出法はこれに限定されるものではない。
【0013】
本発明の老化防止剤は、マツヨイグサ属植物の種子抽出物を有効成分として含む限りその形態については特に制限はない。液状、ペースト状、ゲル状等いずれの形態で用いることもできる。又は液状等の抽出物を、乾固させて固体状としたり、あるいはスプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。
【0014】
本発明の老化防止剤は、有効成分である前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物によって奏される、優れた老化防止効果を示す。本発明の老化防止剤は、特に加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわやたるみ、張りや弾力性の低下等の皮膚の老化を予防あるいは改善するという、皮膚に対する優れた老化防止効果を示す。この老化防止効果は、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物が示す細胞賦活効によってもたらされるものと推定される。
【0015】
本発明の皮膚外用剤における前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物(乾燥固形物)の含有量は、好ましくは0.0001〜10質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.001〜5%である。この範囲内であれば、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物を安定に配合することができ、かつ高い老化防止効果(例えば、細胞賦活効果)を発揮することができる。又、溶液として抽出物を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
【0016】
本発明の皮膚外用剤は、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物を老化防止剤(例えば、細胞賦活剤)として、常法に従い、種々の形態の基剤に配合して製剤化することにより調製できる。更に、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物を他の薬効剤の一種又は二種以上と組み合わせて配合することによって、老化防止効果をより高めた皮膚外用剤を調製することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態として、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物と、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上とを含有する皮膚外用剤が挙げられる。
本発明の実施形態として、マツヨイグサ属植物の種子抽出物と組み合わせて用いられる薬効剤は、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤から選ばれるものであるが、具体的な薬効剤としては、それぞれ以下に示すものが例示される。なお、以下の具体例において、「誘導体」には形成可能なエステルや塩が含まれる。又、二種以上の薬効を有するものについては、各薬効剤の具体例として重複して例示した。また、抽出物の具体例においては、括弧内は植物の別名、生薬名等を示す。
【0018】
(細胞賦活剤)
細胞賦活剤としては、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体;デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸−L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸−L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミドやニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、リボ核酸及びその塩、デオキシリボ核酸及びその塩、α−及びγ−リノレン酸、キサンチン及びその誘導体(カフェイン等)、アミノ酸及びその誘導体(セリン、グルタミン酸、テアニン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸等)、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体、エイコサペンタエン酸及びその誘導体、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アーモンド抽出物、アスパラガス抽出物、アンズ(キョウニン)抽出物、イチョウ抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オオムギ(バクガ)抽出物、キウイ抽出物、キュウリ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、大豆抽出物、ナツメ(タイソウ)抽出物、ツボクサ抽出物、トウガラシ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トマト抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ヒノキチオール、ブクリョウ抽出物、ブドウ種子油、ブナノキ抽出物、ブナの芽抽出物、モモ抽出物、ユーカリ抽出物、ユリ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、麦芽根抽出物、動物由来抽出物(イカスミ等軟体動物抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、魚肉抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物、胎盤抽出物、血清除蛋白抽出物、ラクトフェリン又はその分解物等)、酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)、霊芝抽出物等が挙げられる。
【0019】
これらの細胞賦活剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、クエン酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸、ニンジン抽出物、血清除蛋白抽出物、酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)、霊芝抽出物が挙げられる。
【0020】
(抗酸化剤)
又、抗酸化剤としては、ビタミンE及びその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、リノール酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、クエルセチン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸−L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸−L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンD及びその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等)、ルチン、チオタウリン、タウリン、ハイドロキノン及びその誘導体、ヒスチジン、カテキン及びその誘導体、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、グルタチオン及びその誘導体、没食子酸及びその誘導体、コレステロール及びその誘導体、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ブドウ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、レタス抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物、海藻抽出物、霊芝抽出物、卵殻膜抽出物、胎盤抽出物、羅漢果抽出物等が挙げられる。
【0021】
これらの抗酸化剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ルチン、ヤシャジツ抽出物、ユキノシタ抽出物、マイカイカ抽出物、スーパーオキサイドディスムターゼ、イチョウ抽出物、グルタチオン及びその誘導体、ヒスチジン、マンニトール、カロチノイドが挙げられる。
【0022】
抗炎症剤としては、コンドロイチン硫酸及びその誘導体、アラントイン、アルニカ抽出物、オトギリソウ抽出物、オウバク抽出物、カンゾウ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シラカバ抽出物、トウキンセンカ抽出物、ニワトコ抽出物、ホオウ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、レンゲソウ抽出物、グリチルリチン酸及びその誘導体又はそれらの塩、グリチルレチン酸及びその誘導体又はそれらの塩、アロエ抽出物、シソ抽出物、ヨモギ抽出物、カワラヨモギ抽出物、カミツレ抽出物が挙げられる。
【0023】
これらの抗炎症剤のうち特に好ましいものとしては、グリチルリチン酸及びその誘導体又はそれらの塩、グリチルレチン酸及びその誘導体又はそれらの塩が挙げられる。
【0024】
(保湿剤)
保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、タンパク質、その誘導体及びその加水分解物並びにそれらの塩(コラーゲン、エラスチン、ケラチン等)、ムコ多糖及びその誘導体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)、アミノ酸及びその誘導体(ヒスチジン、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アルギニン、ピロリドンカルボン酸等)、糖類(ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、蔗糖及びその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等)、D−パンテノール及びその誘導体、糖脂質、セラミド、温泉水、アマチャ抽出物、アーモンド抽出物、アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、オウレン抽出物、オトギリソウ抽出物、オドリコソウ抽出物、オノニス抽出物、カミツレ抽出物、カラスムギ抽出物、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、キイチゴ抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クインスシード(マルメロ)抽出物、クララ(クジン)抽出物、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレソン抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゴボウ抽出物、コムギ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、サイシン抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、サルビア(セージ)抽出物、サンザシ抽出物、ジオウ抽出物、シソ抽出物、シモツケ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウガ抽出物、ショウブ抽出物、シラカバ抽出物、ハッカ(ペパーミント、ミドリハッカ、スペアミント等)抽出物、ゼニアオイ(ウスベニタチアオイ)抽出物、センキュウ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、タチジャコウソウ(タイム)抽出物、ツバキ抽出物、トウキ抽出物、トウチュウカソウ抽出物、ドクダミ抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ハトムギ(ヨクイニン)抽出物、ハマメリス(ウイッチヘーゼル)抽出物、バラ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒマワリ抽出物、フキタンポポ抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ブドウ抽出物、プルーン(スモモ)抽出物、ヘチマ抽出物、ボダイジュ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マロニエ抽出物、ムクロジ抽出物、ムチン、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユリ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、リンドウ(リュウタン)抽出物、リン脂質及びその誘導体(大豆、卵黄等由来)、レンゲソウ抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、茶(烏龍茶、緑茶、紅茶等)抽出物、尿素、羅漢果抽出物、海藻抽出物(コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、ホンダワラ、ジャイアントケルプ等の褐藻類;テングサ、オオキリンサイ、キリンサイ、ツノマタ、スギノリ、ウスバノリ、アサクサノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、オゴノリ、カイメンソウ、イギス、エゴノリ等の紅藻類;クロレラ、アオノリ、ドナリエラ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ、タマジュズモ、ヒトエグサ、アオミドロ等の緑藻類;スピルリナ等の藍藻類等)等が挙げられる。
更に、皮膚表面のシーリングによる保湿(エモリエント)剤として、ホホバ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ(ルリジサ)油、カカオ脂、シア脂等が挙げられる。
これらの保湿剤を配合することにより、より高い老化防止効果を発揮することができる。
【0025】
これらの保湿剤のうち、特に好ましいものとしては、アミノ酸及びその誘導体、リン脂質及びその誘導体、グリセリン、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。
【0026】
(紫外線防止剤)
紫外線防止剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン及びその誘導体(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等)、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。特に酸化チタンや酸化亜鉛等の無機粉体は、微粒子のものを用いるとより高い効果が発揮される。
【0027】
これらの紫外線防止剤のうち、特に好ましいものとしては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルへキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛が挙げられる。
【0028】
本発明の皮膚外用剤における上記他の薬効剤の配合量は、薬効剤の種類により相違するが、以下に示す範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、マツヨイグサ属植物の種子抽出物と組み合わせた場合、製剤及び製剤中のマツヨイグサ属植物の種子抽出物の経時安定性に影響を及ぼすことがなく、より高い本発明の老化防止効果を発揮させることができる。
【0029】
即ち、本発明の皮膚外用剤における他の細胞賦活剤の配合量は、好ましくは0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜5%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた細胞賦活効果を示し、しわやたるみを改善する等皮膚に対する優れた老化防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0030】
本発明の皮膚外用剤における抗酸化剤の配合量は、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた抗酸化効果を発揮し、活性酸素等による皮膚真皮へのダメージを予防し、より優れた老化防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0031】
本発明の皮膚外用剤における保湿剤の配合量としては、0.00001〜25%の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001〜20%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた保湿効果を発揮し、乾燥などによるしわの形成を抑制し、より優れた老化防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0032】
本発明の皮膚外用剤における紫外線防止剤の配合量としては、好ましくは0.001〜30%、より好ましくは0.01〜25%の範囲である。この範囲であればより優れた紫外線防止効果を発揮し、紫外線によるしわやたるみを予防することにより、より優れた老化防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0033】
これらの他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0034】
本発明の皮膚外用剤の配合形態の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の、いずれの形態の化粧料であっても外用医薬品等であってもよい。
【0035】
又、本発明の皮膚外用剤には、前記成分以外に、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等に通常使用される各種の成分、即ち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。これらの中から、具体的なものを以下に例示する(植物名の後の括弧内は、植物の別名、生薬名等を記載した)。
【0036】
アルコールとしては、必須成分と重複しない範囲で、溶解、清涼感、防腐、保湿等の目的で、エチルアルコール等の一価アルコール又は多価アルコールを用いることができる。
【0037】
油剤は、使用性、使用感を良くするものとして、その由来、性状は問わず使用することができる。例えば流動パラフィン、スクワラン、トリグリセライド油、エステル油、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール、シリコン油、フッ素系油、各種ワックス等である。
【0038】
界面活性剤は、油剤等の乳化や可溶化等の為に用いられ、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤を用いることができる。
【0039】
増粘剤としては、必須成分と重複しない範囲で、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物等、化学合成品又は天然物由来に関わらず用いることが可能である。又、これらの成分を系の粘度調整だけでなく、ゲル化、保湿、皮膜形成等の為等に用いることもできる。
【0040】
粉体としては、形状や粒子の大きさ、多孔性の有無、結晶構造等を問わず、使用性や使用感を良くする為に、複合化や表面処理を行なったものでもよい。タルク、マイカ、セリサイト、無水ケイ酸等の無機粉体、ナイロンパウダー等の有機粉体、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、酸化鉄、カーボンブラック、群青等の無機顔料、タール色素及びそのレーキ、天然色素等が用途に応じて用いられる。
【0041】
系中の成分の品質劣化を防ぐ為に、EDTA等のキレート剤、乳酸−乳酸ナトリウム等のバッファーによるpH調整剤を用いることもできる。
【0042】
抗菌剤及び殺菌剤としては、ニキビ等を予防、改善する目的で、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が用いられる。
【0043】
美白剤は、メラニンの生成を抑制して、肌のくすみ、シミ、ソバカス又は老人性色素斑及び肝斑等の色素沈着の予防及び改善、肌の透明感を改善する目的で用いられる。例としては、センプクカ抽出物、アガロース、オリゴサッカライド、システイン及びその誘導体、アセロラ抽出物、イブキトラノオ抽出物、エイジツ抽出物、エゾウコギ抽出物、エンドウ豆抽出物等のエンドセリン拮抗薬、カムカム抽出物、オレンジ抽出物、コーヒー抽出物、リノール酸及びリノール酸を含有する植物油、ゴカヒ抽出物、コメ抽出物、コメヌカ抽出物、シラユリ抽出物、ブラックカラント抽出物、ホウセンカ抽出物、糖蜜抽出物等が挙げられる。
【0044】
血行促進剤は、皮膚の血流を促すことによってしわや弾力性の低下を予防する目的で用いられ、トウガラシチンキ、γ―オリザノール等が挙げられ、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。これらを配合することにより、更に高い老化防止効果が発揮できる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
【0046】
(例1:メマツヨイグサ種子抽出物の製造)
下記試験例および実施例においてはアカバナ科マツヨイグサ属の種子抽出物として新日本薬業株式会社より販売されているメマツヨイグサ種子抽出物(NZP社製、商品名オセラン)を1%の濃度となるよう50vol%含水エチルアルコール、50vol%含水1,3−ブチレングリコールに溶解し、メマツヨイグサ種子抽出物の含水エチルアルコール溶液と含水1,3−ブチレングリコール溶液の2種を得た。
(例2:ツキミソウ種子抽出物及びマツヨイグサ種子抽出物の製造)
例1と同様にアカバナ科マツヨイグサ属の種子抽出物としてツキミソウ(Oenothera tetraptera)、マツヨイグサ(Oenothetra odorata)の種子抽出物から固形分が1%となるように50vol%含水エチルアルコール、50vol%含水1,3−ブチレングリコールに溶解しそれぞれ2種の溶液を得た。
【0047】
(例3:細胞培養による細胞賦活試験)
ヒト新生児由来の線維芽細胞NB1RGBを使用した。24穴プレートに培地を適量とり、線維芽細胞NB1RGBを播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて静置した。翌日、例1で得たメマツヨイグサ種子抽出物の、50vol%含水エチルアルコール溶液及び50vol%含水1,3−ブチレングリコール溶液について、それぞれ最終濃度が0(対照)、500、1000、2000μg/mLとなるように検体調製液を添加し混和した。培養4日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、細胞をリン酸緩衝液にて洗浄した後回収し、各検体調製液で生育させた線維芽細胞NB1RGBの細胞数を対照と比較した細胞増殖率として評価した。
【0048】
(評価基準)
各検体調製液を添加して生育させた細胞数を対照の細胞数と比較し、その細胞増殖率を指標として細胞賦活効果を評価した。又、細胞数は、血球計算盤を用いてカウントした。これらの結果を表1に示した。
【0049】
(結果)
【表1】
【0050】
表1の結果から明らかな如く、本発明において皮膚外用剤に用いられるマツヨイグサ属植物の種子抽出物は、ヒト新生児由来の線維芽細胞NB1RGBに対して高い細胞賦活効果を有していることが認められた。従って、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物を肌に適用することにより、極めて優れた老化防止効果を発揮し、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわ、たるみ等を効果的に改善することができる。
【0051】
(例4:クリーム)
下記表2に示す組成の各クリームを以下の製法により各々調製した。
成分(1)〜(6)及び(9)を混合し、加熱して70℃に維持した混合物に、70℃に維持した成分(11)を加えて乳化した。この乳化物に、成分(7)、(8)及び(10)を加えた後、冷却してクリームを得た。
【0052】
(試験方法)
被験クリーム1品につき35〜59才の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布によるしわ改善効果を以下の基準によって評価し、各評価基準に該当する人数を表2に示した。
【0053】
(評価基準)
<評価> <内 容>
有 効 肌のしわが目立たなくなった。
やや有効 肌のしわがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化なし。
【0054】
(組成及び結果)
【表2】
【0055】
表2に示した結果から、マツヨイグサ属植物の種子抽出物を含有する本発明品は、これらを皮膚に適用することにより、肌のしわを改善することができ、張りのある美しい肌とする効果があることが明らかとなった。
【0056】
(例5:クリーム)
表3に示す組成の各クリームを下記製法により各々調製した。成分(1)〜(6)及び(9)〜(13)を混合し、加熱して70℃に維持した混合物に、70℃に維持した成分(15)を加えて乳化した。この乳化物に、成分(7)、(8)及び(14)を加えた後、冷却してクリームを得た。
このメマツヨイグサ種子抽出物の50vol%1,3−ブチレングリコール溶液と、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、保湿剤又は紫外線防止剤とを含む各クリームのしわ改善効果を評価し、各評価基準に該当する人数を表3に示した。
なお、試験方法と評価基準は、例4と同様に行なった。
【0057】
(組成及び結果)
【表3】
【0058】
表3の結果に示されるように、メマツヨイグサ種子抽出物の50vol%1,3−ブチレングリコール溶液を配合した本発明品2のクリームは、これらを皮膚に適用することにより、肌のしわを改善することができ、張りのある美しい肌とすることが明らかであるが、更に、上記マツヨイグサ属植物の種子抽出物と細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、保湿剤、紫外線防止剤を併用して配合したクリームを皮膚に適用することにより、各々を単独で配合したクリームを適用した場合に比べてより優れた肌のしわ改善効果を発揮し、張りのある美しい肌とすることが明らかとなった。
【0059】
(例6:化粧水)
下記成分(1)〜(8)を混合溶解した溶液と、下記成分(9)〜(12)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0060】
(例7:化粧水)
下記成分(1)〜(7)を混合溶解した溶液と、下記成分(8)〜(11)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0061】
(例8:乳液)
下記成分(13)〜(17)を加熱混合し、70℃に維持した混合物に、下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物を加えて混合し、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(18)〜(23)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0062】
(例9:乳液)
下記成分(13)〜(17)を加熱混合し、70℃に維持した混合物に、下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物を加えて混合し、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(18)〜(23)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0063】
(例10:乳液)
下記成分(13)〜(17)を加熱混合し、70℃に維持した混合物に、下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物を加えて混合し、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(18)〜(22)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0064】
例6〜10は、いずれも経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けや加齢等による肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れた化粧水及び乳液であった。
【0065】
(例11:軟膏)
下記成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に維持した混合物を、下記成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に維持した混合物に徐々に加えた。この混合物を冷却しながら成分(7)の残部で溶解した(8)〜(10)を加え、軟膏を得た。
【0066】
(例12:軟膏)
下記成分(4)、(5)及び(6)の一部を加熱混合し、75℃に維持した混合物を、下記成分(1)〜(3)を加熱混合し、75℃に維持した混合物に徐々に加えた。この混合物を冷却しながら、成分(6)の残部で溶解した(7)〜(11)を加え、軟膏を得た。
【0067】
例11及び12は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れた軟膏であった。
【0068】
(例13:パック)
下記成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解した溶液に、下記成分(7)及び(8)を混合して溶解した溶液を加えて、混合した。この混合液を冷却した後、成分(9)〜(11)を均一に分散して、パックを得た。
【0069】
(例14:パック)
下記成分(1)〜(7)を混合し、70℃に加熱して溶解した溶液に、下記成分(8)及び(9)を混合して溶解した溶液を加え、混合した。この混合液を冷却した後、成分(10)〜(13)を均一に分散して、パックを得た。
【0070】
例13及び14は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れたパックであった。
【0071】
(例15:リキッドファンデーション)
下記成分(1)〜(7)を加熱し混合溶解した溶液に、成分(13)〜(18)を加え、均一に混合し、70℃に維持した。この混合物を、下記成分(8)〜(12)を均一に溶解し、70℃に維持した混合物に添加して、均一に乳化した。この乳化物を、冷却後、成分(19)〜(22)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0072】
(例16:リキッドファンデーション)
下記成分(1)〜(9)及び(24)を混合溶解した溶液に、成分(15)〜(22)を加え、均一に混合し、70℃に維持した。この混合物を、下記成分(10)〜(14)及び(25)を均一に溶解し、70℃に維持した混合物に添加して、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(23)及び(26)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0073】
(例17:油性ファンデーション)
下記成分(1)〜(7)及び(13)〜(17)を80℃で加熱溶解した溶液に、成分(8)〜(12)を加えて均一に混合し、冷却固化して油性ファンデーションを得た。
【0074】
(例18:日焼け止め乳液)
下記成分(1)〜(12)を混合分散した混合物に、下記成分(13)〜(16)を混合溶解した溶液を添加して、均一に乳化した。この乳化物に、成分(17)及び(18)を添加して日焼け止め乳液を得た。
【0075】
(例19:日焼け止め乳液)
下記成分(1)〜(12)を混合分散した混合物に、下記成分(13)〜(16)を混合溶解した溶液を添加して、均一に乳化した。この乳化物に成分(17)〜(19)を添加して、日焼け止め乳液を得た。
【0076】
例15〜19は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けや加齢等による肌のしわやたるみを改善する、老化防止効果に優れたリキッドファンデーション、油性ファンデーション及び日焼け止め乳液であった。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明は、アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を有効成分として含むことにより、優れた老化防止効果(優れた細胞賦活効果)を奏する、老化防止剤及び細胞賦活剤である。本発明の老化防止剤(例えば、細胞賦活剤)を含有する皮膚外用剤は、しわに対し高い改善効果を発揮し、日焼けや加齢等による肌のしわやたるみ等の改善に有効なものである。
又、更に、アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物と、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤、紫外線防止剤等の薬効成分とを配合した本発明の皮膚外用剤は、より優れた老化防止効果を有するものである。
従って、本発明の皮膚外用剤は、老化防止を目的とする化粧品や医薬品等として有利に利用することができるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アカバナ科(Onagraceae)(以下、科を示すラテン語表記は省略する)に属する植物の種子から得られた抽出物を有効成分として含む老化防止剤、細胞賦活剤及びそれを含む皮膚外用剤、特に、しわやたるみ等を改善する皮膚に対して優れた老化防止効果を有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の皮膚外用剤には、これらに所定の薬効を付与することを目的として種々の薬効成分が加えられている。例えば、マツヨイグサ属植物の種子抽出物を美白、美肌成分として含有する皮膚外用剤が提案されている(特許文献1参照)。また、ツキミソウ由来のポリフェノール化合物を薬効成分として含有する皮膚外用剤、ツキミソウの花弁または全草からの抽出物を薬効成分として含有する皮膚外用剤が提案されている(例えば、特許文献2〜5参照)。一方、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわやたるみ、張りや弾力性の低下等の皮膚の老化を予防、あるいは改善するために、例えば、ビタミンA、大豆抽出物、海藻抽出物等の細胞賦活剤等が加えられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−335497号
【特許文献2】
特開平7−17847号
【特許文献3】
特開平7−309770号
【特許文献4】
特開平7−196526号
【特許文献5】
特開2001−233725号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの細胞賦活効果等を有する成分では、老化防止効果が充分でなかったり、あるいは、製剤中で変質する等して所期の薬効が得られない場合があり、その改善が望まれていた。
本発明の課題は、良好な老化防止効果を有すると共に、保存安定性が良好で、皮膚外用剤等に安定的に配合可能な老化防止剤を提供すること、及び良好な老化防止効果を有すると共に、保存安定性が良好な皮膚外用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、優れた老化防止効果を有し、皮膚外用剤の薬効成分として使用することができる成分について鋭意検討を行った結果、アカバナ科、マツヨイグサ属の種子抽出物は高い細胞賦活効果を有し、老化防止剤として優れたものであることを見出した。そして、この抽出物は、老化防止剤として皮膚外用剤に配合できると共に、他の薬効成分と組み合せることにより、老化防止用の皮膚外用剤としてより優れた効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、前記課題を解決するため、アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を有効成分として含む老化防止剤を提供する。
【0007】
又、別の観点から、本発明によって、細胞賦活効果を有する上記老化防止剤;;コラゲナーゼ活性抑制効果を有する上記老化防止剤;上記老化防止剤を含有する皮膚外用剤;更に、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上を含有する前記皮膚外用剤;アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を供給することによって皮膚の老化を防止する方法;アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を供給することによって細胞を賦活させる方法;が提供される。
【0008】
なお、本明細書において、「老化防止剤」とは、生体細胞組織に対する老化防止作用を示す剤のことを意味するものとする。特に、皮膚用の「老化防止剤」とは、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚(頭皮、唇、粘膜を含む)のしわやたるみ、張りや弾力性の低下等の皮膚の老化を予防あるいは改善する等の老化防止作用を示す剤のことを意味するものとする。これらの作用を示す限り、老化防止作用を発現するメカニズムについては特に制限されない。本明細書においては、例えば、「細胞賦活」により老化防止作用を発現する細胞賦活剤も「老化防止剤」の範囲に含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の老化防止剤は、アカバナ科マツヨイグサ属の種子抽出物を有効成分として含む。
本発明に用いられるアカバナ科マツヨイグサ属には、イブニングプロムローズという別名で知られるメマツヨイグサ(Oenothera biennis)の他に、例えば、ツキミソウ(Oenothera tetraptera)、マツヨイグサ(Oenothera odorata;Oenothera stricta)、オオマツヨイグサ(Oenothera lamarckiana;Oenothera glazioviana)、コマツヨイグサ(Oenothera laciniata)、オエノテラ ドルムモンディイ(Oenothera drummondii)、オエノテラ カエスピトサ(Oenothera caespitosa)、オエノテラ フラウァ(Oenothera flava)等が挙げられる。これらの植物はかつて民間薬として鎮痛薬、緩和薬、収れん薬、傷薬、抗血液凝固剤として広く使用されてきた。
【0010】
前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物は、マツヨイグサ属植物の種子を適当な溶媒で抽出することによって得られる。抽出は、マツヨイグサ属植物の種子を低温ないし加温下で溶媒中に所定の時間浸漬することによって実施できる。
抽出溶媒としては特に限定されないが、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール等の低級一価アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール;アセトン等のケトン類;エチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;等の一種又は二種以上を用いることができる。
【0011】
前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物は、そのまま皮膚外用剤に配合してもよいし、適宜の期間そのまま放置し熟成させた後に用いることもできる。必要ならば、本発明の効果に影響のない範囲で、更に、濾過又はイオン交換樹脂等により、脱臭、脱色等の精製処理を施して用いることもできる。又、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用い、活性の高い画分を取り出して用いることもできる。
【0012】
前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物の好ましい抽出方法の例としては、濃度0〜100vol%の含水エチルアルコール、1,3−ブチレングリコール又はアセトンを用い、室温で、又は加温して1〜5日間抽出を行った後、濾過し、得られた濾液を更に一週間程放置して熟成させ、再び濾過を行う方法が挙げられる。但し、抽出法はこれに限定されるものではない。
【0013】
本発明の老化防止剤は、マツヨイグサ属植物の種子抽出物を有効成分として含む限りその形態については特に制限はない。液状、ペースト状、ゲル状等いずれの形態で用いることもできる。又は液状等の抽出物を、乾固させて固体状としたり、あるいはスプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。
【0014】
本発明の老化防止剤は、有効成分である前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物によって奏される、優れた老化防止効果を示す。本発明の老化防止剤は、特に加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわやたるみ、張りや弾力性の低下等の皮膚の老化を予防あるいは改善するという、皮膚に対する優れた老化防止効果を示す。この老化防止効果は、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物が示す細胞賦活効によってもたらされるものと推定される。
【0015】
本発明の皮膚外用剤における前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物(乾燥固形物)の含有量は、好ましくは0.0001〜10質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.001〜5%である。この範囲内であれば、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物を安定に配合することができ、かつ高い老化防止効果(例えば、細胞賦活効果)を発揮することができる。又、溶液として抽出物を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
【0016】
本発明の皮膚外用剤は、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物を老化防止剤(例えば、細胞賦活剤)として、常法に従い、種々の形態の基剤に配合して製剤化することにより調製できる。更に、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物を他の薬効剤の一種又は二種以上と組み合わせて配合することによって、老化防止効果をより高めた皮膚外用剤を調製することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態として、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物と、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上とを含有する皮膚外用剤が挙げられる。
本発明の実施形態として、マツヨイグサ属植物の種子抽出物と組み合わせて用いられる薬効剤は、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤から選ばれるものであるが、具体的な薬効剤としては、それぞれ以下に示すものが例示される。なお、以下の具体例において、「誘導体」には形成可能なエステルや塩が含まれる。又、二種以上の薬効を有するものについては、各薬効剤の具体例として重複して例示した。また、抽出物の具体例においては、括弧内は植物の別名、生薬名等を示す。
【0018】
(細胞賦活剤)
細胞賦活剤としては、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体;デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸−L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸−L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミドやニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、リボ核酸及びその塩、デオキシリボ核酸及びその塩、α−及びγ−リノレン酸、キサンチン及びその誘導体(カフェイン等)、アミノ酸及びその誘導体(セリン、グルタミン酸、テアニン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸等)、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体、エイコサペンタエン酸及びその誘導体、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アーモンド抽出物、アスパラガス抽出物、アンズ(キョウニン)抽出物、イチョウ抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オオムギ(バクガ)抽出物、キウイ抽出物、キュウリ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、大豆抽出物、ナツメ(タイソウ)抽出物、ツボクサ抽出物、トウガラシ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トマト抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ヒノキチオール、ブクリョウ抽出物、ブドウ種子油、ブナノキ抽出物、ブナの芽抽出物、モモ抽出物、ユーカリ抽出物、ユリ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、麦芽根抽出物、動物由来抽出物(イカスミ等軟体動物抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、魚肉抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物、胎盤抽出物、血清除蛋白抽出物、ラクトフェリン又はその分解物等)、酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)、霊芝抽出物等が挙げられる。
【0019】
これらの細胞賦活剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、クエン酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸、ニンジン抽出物、血清除蛋白抽出物、酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物(乳酸菌、ビフィズス菌等由来)、霊芝抽出物が挙げられる。
【0020】
(抗酸化剤)
又、抗酸化剤としては、ビタミンE及びその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、リノール酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、クエルセチン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸−L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸−L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンD及びその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等)、ルチン、チオタウリン、タウリン、ハイドロキノン及びその誘導体、ヒスチジン、カテキン及びその誘導体、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、グルタチオン及びその誘導体、没食子酸及びその誘導体、コレステロール及びその誘導体、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ブドウ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、レタス抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物、海藻抽出物、霊芝抽出物、卵殻膜抽出物、胎盤抽出物、羅漢果抽出物等が挙げられる。
【0021】
これらの抗酸化剤のうち、特に好ましいものとしては、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ルチン、ヤシャジツ抽出物、ユキノシタ抽出物、マイカイカ抽出物、スーパーオキサイドディスムターゼ、イチョウ抽出物、グルタチオン及びその誘導体、ヒスチジン、マンニトール、カロチノイドが挙げられる。
【0022】
抗炎症剤としては、コンドロイチン硫酸及びその誘導体、アラントイン、アルニカ抽出物、オトギリソウ抽出物、オウバク抽出物、カンゾウ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シラカバ抽出物、トウキンセンカ抽出物、ニワトコ抽出物、ホオウ抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、レンゲソウ抽出物、グリチルリチン酸及びその誘導体又はそれらの塩、グリチルレチン酸及びその誘導体又はそれらの塩、アロエ抽出物、シソ抽出物、ヨモギ抽出物、カワラヨモギ抽出物、カミツレ抽出物が挙げられる。
【0023】
これらの抗炎症剤のうち特に好ましいものとしては、グリチルリチン酸及びその誘導体又はそれらの塩、グリチルレチン酸及びその誘導体又はそれらの塩が挙げられる。
【0024】
(保湿剤)
保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、タンパク質、その誘導体及びその加水分解物並びにそれらの塩(コラーゲン、エラスチン、ケラチン等)、ムコ多糖及びその誘導体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)、アミノ酸及びその誘導体(ヒスチジン、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アルギニン、ピロリドンカルボン酸等)、糖類(ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、蔗糖及びその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等)、D−パンテノール及びその誘導体、糖脂質、セラミド、温泉水、アマチャ抽出物、アーモンド抽出物、アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、オウレン抽出物、オトギリソウ抽出物、オドリコソウ抽出物、オノニス抽出物、カミツレ抽出物、カラスムギ抽出物、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、キイチゴ抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クインスシード(マルメロ)抽出物、クララ(クジン)抽出物、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレソン抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゴボウ抽出物、コムギ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、サイシン抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、サルビア(セージ)抽出物、サンザシ抽出物、ジオウ抽出物、シソ抽出物、シモツケ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウガ抽出物、ショウブ抽出物、シラカバ抽出物、ハッカ(ペパーミント、ミドリハッカ、スペアミント等)抽出物、ゼニアオイ(ウスベニタチアオイ)抽出物、センキュウ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、タチジャコウソウ(タイム)抽出物、ツバキ抽出物、トウキ抽出物、トウチュウカソウ抽出物、ドクダミ抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ハトムギ(ヨクイニン)抽出物、ハマメリス(ウイッチヘーゼル)抽出物、バラ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒマワリ抽出物、フキタンポポ抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ブドウ抽出物、プルーン(スモモ)抽出物、ヘチマ抽出物、ボダイジュ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マロニエ抽出物、ムクロジ抽出物、ムチン、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユリ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、リンドウ(リュウタン)抽出物、リン脂質及びその誘導体(大豆、卵黄等由来)、レンゲソウ抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、茶(烏龍茶、緑茶、紅茶等)抽出物、尿素、羅漢果抽出物、海藻抽出物(コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、ホンダワラ、ジャイアントケルプ等の褐藻類;テングサ、オオキリンサイ、キリンサイ、ツノマタ、スギノリ、ウスバノリ、アサクサノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、オゴノリ、カイメンソウ、イギス、エゴノリ等の紅藻類;クロレラ、アオノリ、ドナリエラ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ、タマジュズモ、ヒトエグサ、アオミドロ等の緑藻類;スピルリナ等の藍藻類等)等が挙げられる。
更に、皮膚表面のシーリングによる保湿(エモリエント)剤として、ホホバ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ(ルリジサ)油、カカオ脂、シア脂等が挙げられる。
これらの保湿剤を配合することにより、より高い老化防止効果を発揮することができる。
【0025】
これらの保湿剤のうち、特に好ましいものとしては、アミノ酸及びその誘導体、リン脂質及びその誘導体、グリセリン、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。
【0026】
(紫外線防止剤)
紫外線防止剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン及びその誘導体(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等)、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。特に酸化チタンや酸化亜鉛等の無機粉体は、微粒子のものを用いるとより高い効果が発揮される。
【0027】
これらの紫外線防止剤のうち、特に好ましいものとしては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルへキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛が挙げられる。
【0028】
本発明の皮膚外用剤における上記他の薬効剤の配合量は、薬効剤の種類により相違するが、以下に示す範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、マツヨイグサ属植物の種子抽出物と組み合わせた場合、製剤及び製剤中のマツヨイグサ属植物の種子抽出物の経時安定性に影響を及ぼすことがなく、より高い本発明の老化防止効果を発揮させることができる。
【0029】
即ち、本発明の皮膚外用剤における他の細胞賦活剤の配合量は、好ましくは0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜5%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた細胞賦活効果を示し、しわやたるみを改善する等皮膚に対する優れた老化防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0030】
本発明の皮膚外用剤における抗酸化剤の配合量は、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた抗酸化効果を発揮し、活性酸素等による皮膚真皮へのダメージを予防し、より優れた老化防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0031】
本発明の皮膚外用剤における保湿剤の配合量としては、0.00001〜25%の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001〜20%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた保湿効果を発揮し、乾燥などによるしわの形成を抑制し、より優れた老化防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0032】
本発明の皮膚外用剤における紫外線防止剤の配合量としては、好ましくは0.001〜30%、より好ましくは0.01〜25%の範囲である。この範囲であればより優れた紫外線防止効果を発揮し、紫外線によるしわやたるみを予防することにより、より優れた老化防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0033】
これらの他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0034】
本発明の皮膚外用剤の配合形態の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の、いずれの形態の化粧料であっても外用医薬品等であってもよい。
【0035】
又、本発明の皮膚外用剤には、前記成分以外に、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等に通常使用される各種の成分、即ち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。これらの中から、具体的なものを以下に例示する(植物名の後の括弧内は、植物の別名、生薬名等を記載した)。
【0036】
アルコールとしては、必須成分と重複しない範囲で、溶解、清涼感、防腐、保湿等の目的で、エチルアルコール等の一価アルコール又は多価アルコールを用いることができる。
【0037】
油剤は、使用性、使用感を良くするものとして、その由来、性状は問わず使用することができる。例えば流動パラフィン、スクワラン、トリグリセライド油、エステル油、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール、シリコン油、フッ素系油、各種ワックス等である。
【0038】
界面活性剤は、油剤等の乳化や可溶化等の為に用いられ、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性の界面活性剤を用いることができる。
【0039】
増粘剤としては、必須成分と重複しない範囲で、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物等、化学合成品又は天然物由来に関わらず用いることが可能である。又、これらの成分を系の粘度調整だけでなく、ゲル化、保湿、皮膜形成等の為等に用いることもできる。
【0040】
粉体としては、形状や粒子の大きさ、多孔性の有無、結晶構造等を問わず、使用性や使用感を良くする為に、複合化や表面処理を行なったものでもよい。タルク、マイカ、セリサイト、無水ケイ酸等の無機粉体、ナイロンパウダー等の有機粉体、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、酸化鉄、カーボンブラック、群青等の無機顔料、タール色素及びそのレーキ、天然色素等が用途に応じて用いられる。
【0041】
系中の成分の品質劣化を防ぐ為に、EDTA等のキレート剤、乳酸−乳酸ナトリウム等のバッファーによるpH調整剤を用いることもできる。
【0042】
抗菌剤及び殺菌剤としては、ニキビ等を予防、改善する目的で、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が用いられる。
【0043】
美白剤は、メラニンの生成を抑制して、肌のくすみ、シミ、ソバカス又は老人性色素斑及び肝斑等の色素沈着の予防及び改善、肌の透明感を改善する目的で用いられる。例としては、センプクカ抽出物、アガロース、オリゴサッカライド、システイン及びその誘導体、アセロラ抽出物、イブキトラノオ抽出物、エイジツ抽出物、エゾウコギ抽出物、エンドウ豆抽出物等のエンドセリン拮抗薬、カムカム抽出物、オレンジ抽出物、コーヒー抽出物、リノール酸及びリノール酸を含有する植物油、ゴカヒ抽出物、コメ抽出物、コメヌカ抽出物、シラユリ抽出物、ブラックカラント抽出物、ホウセンカ抽出物、糖蜜抽出物等が挙げられる。
【0044】
血行促進剤は、皮膚の血流を促すことによってしわや弾力性の低下を予防する目的で用いられ、トウガラシチンキ、γ―オリザノール等が挙げられ、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。これらを配合することにより、更に高い老化防止効果が発揮できる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
【0046】
(例1:メマツヨイグサ種子抽出物の製造)
下記試験例および実施例においてはアカバナ科マツヨイグサ属の種子抽出物として新日本薬業株式会社より販売されているメマツヨイグサ種子抽出物(NZP社製、商品名オセラン)を1%の濃度となるよう50vol%含水エチルアルコール、50vol%含水1,3−ブチレングリコールに溶解し、メマツヨイグサ種子抽出物の含水エチルアルコール溶液と含水1,3−ブチレングリコール溶液の2種を得た。
(例2:ツキミソウ種子抽出物及びマツヨイグサ種子抽出物の製造)
例1と同様にアカバナ科マツヨイグサ属の種子抽出物としてツキミソウ(Oenothera tetraptera)、マツヨイグサ(Oenothetra odorata)の種子抽出物から固形分が1%となるように50vol%含水エチルアルコール、50vol%含水1,3−ブチレングリコールに溶解しそれぞれ2種の溶液を得た。
【0047】
(例3:細胞培養による細胞賦活試験)
ヒト新生児由来の線維芽細胞NB1RGBを使用した。24穴プレートに培地を適量とり、線維芽細胞NB1RGBを播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて静置した。翌日、例1で得たメマツヨイグサ種子抽出物の、50vol%含水エチルアルコール溶液及び50vol%含水1,3−ブチレングリコール溶液について、それぞれ最終濃度が0(対照)、500、1000、2000μg/mLとなるように検体調製液を添加し混和した。培養4日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、細胞をリン酸緩衝液にて洗浄した後回収し、各検体調製液で生育させた線維芽細胞NB1RGBの細胞数を対照と比較した細胞増殖率として評価した。
【0048】
(評価基準)
各検体調製液を添加して生育させた細胞数を対照の細胞数と比較し、その細胞増殖率を指標として細胞賦活効果を評価した。又、細胞数は、血球計算盤を用いてカウントした。これらの結果を表1に示した。
【0049】
(結果)
【表1】
【0050】
表1の結果から明らかな如く、本発明において皮膚外用剤に用いられるマツヨイグサ属植物の種子抽出物は、ヒト新生児由来の線維芽細胞NB1RGBに対して高い細胞賦活効果を有していることが認められた。従って、前記マツヨイグサ属植物の種子抽出物を肌に適用することにより、極めて優れた老化防止効果を発揮し、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のしわ、たるみ等を効果的に改善することができる。
【0051】
(例4:クリーム)
下記表2に示す組成の各クリームを以下の製法により各々調製した。
成分(1)〜(6)及び(9)を混合し、加熱して70℃に維持した混合物に、70℃に維持した成分(11)を加えて乳化した。この乳化物に、成分(7)、(8)及び(10)を加えた後、冷却してクリームを得た。
【0052】
(試験方法)
被験クリーム1品につき35〜59才の女性15名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布によるしわ改善効果を以下の基準によって評価し、各評価基準に該当する人数を表2に示した。
【0053】
(評価基準)
<評価> <内 容>
有 効 肌のしわが目立たなくなった。
やや有効 肌のしわがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化なし。
【0054】
(組成及び結果)
【表2】
【0055】
表2に示した結果から、マツヨイグサ属植物の種子抽出物を含有する本発明品は、これらを皮膚に適用することにより、肌のしわを改善することができ、張りのある美しい肌とする効果があることが明らかとなった。
【0056】
(例5:クリーム)
表3に示す組成の各クリームを下記製法により各々調製した。成分(1)〜(6)及び(9)〜(13)を混合し、加熱して70℃に維持した混合物に、70℃に維持した成分(15)を加えて乳化した。この乳化物に、成分(7)、(8)及び(14)を加えた後、冷却してクリームを得た。
このメマツヨイグサ種子抽出物の50vol%1,3−ブチレングリコール溶液と、細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、保湿剤又は紫外線防止剤とを含む各クリームのしわ改善効果を評価し、各評価基準に該当する人数を表3に示した。
なお、試験方法と評価基準は、例4と同様に行なった。
【0057】
(組成及び結果)
【表3】
【0058】
表3の結果に示されるように、メマツヨイグサ種子抽出物の50vol%1,3−ブチレングリコール溶液を配合した本発明品2のクリームは、これらを皮膚に適用することにより、肌のしわを改善することができ、張りのある美しい肌とすることが明らかであるが、更に、上記マツヨイグサ属植物の種子抽出物と細胞賦活剤、抗炎症剤、抗酸化剤、保湿剤、紫外線防止剤を併用して配合したクリームを皮膚に適用することにより、各々を単独で配合したクリームを適用した場合に比べてより優れた肌のしわ改善効果を発揮し、張りのある美しい肌とすることが明らかとなった。
【0059】
(例6:化粧水)
下記成分(1)〜(8)を混合溶解した溶液と、下記成分(9)〜(12)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0060】
(例7:化粧水)
下記成分(1)〜(7)を混合溶解した溶液と、下記成分(8)〜(11)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0061】
(例8:乳液)
下記成分(13)〜(17)を加熱混合し、70℃に維持した混合物に、下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物を加えて混合し、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(18)〜(23)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0062】
(例9:乳液)
下記成分(13)〜(17)を加熱混合し、70℃に維持した混合物に、下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物を加えて混合し、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(18)〜(23)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0063】
(例10:乳液)
下記成分(13)〜(17)を加熱混合し、70℃に維持した混合物に、下記成分(1)〜(12)を加熱混合し、70℃に維持した混合物を加えて混合し、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(18)〜(22)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0064】
例6〜10は、いずれも経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けや加齢等による肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れた化粧水及び乳液であった。
【0065】
(例11:軟膏)
下記成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に維持した混合物を、下記成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に維持した混合物に徐々に加えた。この混合物を冷却しながら成分(7)の残部で溶解した(8)〜(10)を加え、軟膏を得た。
【0066】
(例12:軟膏)
下記成分(4)、(5)及び(6)の一部を加熱混合し、75℃に維持した混合物を、下記成分(1)〜(3)を加熱混合し、75℃に維持した混合物に徐々に加えた。この混合物を冷却しながら、成分(6)の残部で溶解した(7)〜(11)を加え、軟膏を得た。
【0067】
例11及び12は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れた軟膏であった。
【0068】
(例13:パック)
下記成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解した溶液に、下記成分(7)及び(8)を混合して溶解した溶液を加えて、混合した。この混合液を冷却した後、成分(9)〜(11)を均一に分散して、パックを得た。
【0069】
(例14:パック)
下記成分(1)〜(7)を混合し、70℃に加熱して溶解した溶液に、下記成分(8)及び(9)を混合して溶解した溶液を加え、混合した。この混合液を冷却した後、成分(10)〜(13)を均一に分散して、パックを得た。
【0070】
例13及び14は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしわやたるみを改善し、張りのある美しい肌にする、老化防止効果に優れたパックであった。
【0071】
(例15:リキッドファンデーション)
下記成分(1)〜(7)を加熱し混合溶解した溶液に、成分(13)〜(18)を加え、均一に混合し、70℃に維持した。この混合物を、下記成分(8)〜(12)を均一に溶解し、70℃に維持した混合物に添加して、均一に乳化した。この乳化物を、冷却後、成分(19)〜(22)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0072】
(例16:リキッドファンデーション)
下記成分(1)〜(9)及び(24)を混合溶解した溶液に、成分(15)〜(22)を加え、均一に混合し、70℃に維持した。この混合物を、下記成分(10)〜(14)及び(25)を均一に溶解し、70℃に維持した混合物に添加して、均一に乳化した。この乳化物を冷却後、成分(23)及び(26)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0073】
(例17:油性ファンデーション)
下記成分(1)〜(7)及び(13)〜(17)を80℃で加熱溶解した溶液に、成分(8)〜(12)を加えて均一に混合し、冷却固化して油性ファンデーションを得た。
【0074】
(例18:日焼け止め乳液)
下記成分(1)〜(12)を混合分散した混合物に、下記成分(13)〜(16)を混合溶解した溶液を添加して、均一に乳化した。この乳化物に、成分(17)及び(18)を添加して日焼け止め乳液を得た。
【0075】
(例19:日焼け止め乳液)
下記成分(1)〜(12)を混合分散した混合物に、下記成分(13)〜(16)を混合溶解した溶液を添加して、均一に乳化した。この乳化物に成分(17)〜(19)を添加して、日焼け止め乳液を得た。
【0076】
例15〜19は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けや加齢等による肌のしわやたるみを改善する、老化防止効果に優れたリキッドファンデーション、油性ファンデーション及び日焼け止め乳液であった。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明は、アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物を有効成分として含むことにより、優れた老化防止効果(優れた細胞賦活効果)を奏する、老化防止剤及び細胞賦活剤である。本発明の老化防止剤(例えば、細胞賦活剤)を含有する皮膚外用剤は、しわに対し高い改善効果を発揮し、日焼けや加齢等による肌のしわやたるみ等の改善に有効なものである。
又、更に、アカバナ科マツヨイグサ属植物の種子抽出物と、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤、紫外線防止剤等の薬効成分とを配合した本発明の皮膚外用剤は、より優れた老化防止効果を有するものである。
従って、本発明の皮膚外用剤は、老化防止を目的とする化粧品や医薬品等として有利に利用することができるものである。
Claims (7)
- アカバナ科(Onagraceae)マツヨイグサ属(Oenothera)植物の種子抽出物を有効成分として含む老化防止剤。
- 細胞賦活剤である請求項1に記載の老化防止剤。
- 前記植物が、アカバナ科(Onagraceae)マツヨイグサ属(Oenothera)メマツヨイグサ(Oenothera biennis)である請求項1又は2に記載の老化防止剤。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の老化防止剤を含む皮膚外用剤。
- 更に、他の細胞賦活剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤及び紫外線防止剤から選ばれる薬効剤の一種又は二種以上を含有する請求項4に記載の皮膚外用剤。
- アカバナ科(Onagraceae)マツヨイグサ属(Oenothera)植物の種子抽出物を供給することによって皮膚の老化を防止する方法。
- アカバナ科(Onagraceae)マツヨイグサ属(Oenothera)植物の種子抽出物を供給することによって細胞を賦活させる方法。
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