JP6827050B2 - フェノール化合物を含む無水脱色素組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚を明色化すること、皮膚色調を均一にすること、および/または色素過剰な領域を処置することを目的として、顔および/または身体の皮膚を処置するための、脱色素剤を含み高度に安定で局所的に施用可能な新規の化粧用および/または皮膚用組成物に関する。
皮膚を明色化する製品の消費者は、毎年10億ドルを超える金額を費やし、顔、手および身体に色調が均一な皮膚を追い求めている。このような個人にとって、皮膚の色素が過剰な領域の発生は、明らかに大きな関心事となる。色素が過剰な領域は、皮膚表面またはその近くに位置するケラチノサイトにおけるメラニンの集中によって引き起こされる。メラニン色素は、メラノソームとして知られる高度に特殊化した細胞小器官の中のメラノサイトにおいて産生される。メラノサイトは、皮膚の表皮の最下層、眼の虹彩、および毛髪を含む、身体全体のいくつかの場所で見出される。メラニン生成酵素が活性化され、アミノ酸チロシンを最終生成物であるメラニンの中間体へと転換すると、メラニンの生成が始まる。メラニンの実際の産生は、メラノソームで始まる。ヒトメラノソームの内部では、酵素の触媒作用を受ける一連の化学反応が、チロシンを2種類のメラニン、すなわち褐色または黒色のユーメラニンと赤色または黄色のフェオメラニンに変換する。
ヒトは、世界中の人種に分布する様々な皮膚色を有する。ヒトにおける表皮の着色は、細胞活動の複雑な組合せが行われる、表皮の基底部分に位置するメラノサイトによって制御される(Raper,H.S.、「The Anaerobic Oxidases」、Physiol.Rev.1928、8、245〜282;Mason,H.S.、「The Chemistry of Melanin.III.Mechanism of the Oxidation of Trihydroxyphenylalanine by Tyrosinase J.Biol.Chem.1948、172、83〜99;Cooksey,et al.、「Evidence of the Indirect Formation of the Catecholic Intermediate Substrate Responsible for the Autoactivation Kinetics of Tyrosinase」、J.Biol.Chem.1997、272、26226〜26235;Chang T.S.、「An Updated Tyrosinase Inhibitors」、Int.J.Mol.Sci.2009、10、2440〜2475)。主要な臨界律速段階であるチロシナーゼの触媒反応に加え、これらプロセスは、色素メラニンの合成および移動をもたらす。メラニンは、皮膚の色および色調に関わる他、日光傷害、例えば日焼け、光老化、光発がんに対する重要な生理的防御因子である。したがって、チロシナーゼは、医学的皮膚色素状態(障害)のための脱色素剤および化粧品の発見および開発の、認識されている分子標的である(Chang T.S.、「An Updated Tyrosinase Inhibitors」、Int.J.Mol.Sci.2009、10、2440〜2475)。
色素過剰、色素減少、および他の色素異常症は、非常に一般的なものであり、遺伝的特徴、生活および日常の労働環境、一部の医学的な状態、投薬、過剰な日光暴露等を含む様々な要因によって引き起こされる可能性がある。一般的な色素異常症としては、黒皮症(妊娠中または妊娠後に出現する暗色の斑点)、および肝斑(多くの場合、年齢と共に発症)が挙げられ、避妊薬の副作用として、ならびに/またはざ瘡、熱傷、咬傷および他の皮膚損傷の持続的な結果として生じ得る。同様に、日光暴露後の雀卵斑、肝斑および色素沈着は、年齢が増すと共に起こりやすくなり、増加し、軽減するのが難しくなるため、中年から高齢者の皮膚ケアに関するより懸念の多いおよび/またはより一般的な問題の一つである。炎症後色素過剰は、何らかの皮膚の炎症状態、例えば化学熱傷の後や、レーザ治療後に起こる場合がある。より鮮やかな/明るい皮膚を得るため、または有効かつ単純に色素異常症に対処するため、多くの組成物が製剤化されてきた。こうした組成物の使用は、医学的色素異常症の処置に限られず、一部の文化/市場においては、美容上の目的のために単にヒトの自然な健全な皮膚を変化させる、または美白することを目的として行われている。
皮膚の脱色素または色素減少のための数多くの薬剤および方法が化粧品市場において発見され、開発され、使用されてきた。最も一般的かつ効果的に採用されている色素減少剤としては、ヒドロキノン(HQ)である。しかしながら、HQは有効的である一方、がんとの因果関係は明確に確認されていないものの(D.E.Rollison et al.、Journal of Toxicology and Environmental Health、Part B、2006、9:413〜439)、有害な副作用がある(D.C.Topping,et al.、Food and Chemical Toxicology、45(2007)70〜78;J.C.English,et al.、Fundam.Appl.Toxicol.23(1994)391〜396;J.C.English,et al.、Fundam.Appl.Toxicol.23(1994)397〜406;R.Charlin,et al.、International Journal of Dermatology、2008、47、19〜23;Y.M.Olumide,et al.、International Journal of Dermatology、2008、47、344〜353;T.W.Tse、Journal of Dermatological Treatment 2010、21、272〜275;R.J.Bqatman,et al.、Journal of Toxicology and Environmental Health、1996、47:2、159〜172;R.Barale,et al.、Mutation Research、244(1990)15〜20;M.L.Robertson,et al.、Mutation Research、249(1991)201〜209;Q.Li,et al.、Toxicol.Appl.Pharmacol.1996、139、317〜323;G.C.Jagetia,et al.、Toxicology Letters、93(1997)205〜213;V.V.Subrahmanyam,et al.、Toxicology、62(1990)107〜116)。欧州連合や中国を含む世界の多くの地域では、ヒドロキノンは化粧品への使用が禁止されている。ヒドロキノンの使用に関する中国のFDA規制によれば、あらゆる化粧品中のヒドロキノンの最大許容濃度は、0.002%(20ppm)である。米国では今日までヒドロキノンを含有する化粧品の販売が許可されているものの、安全性の懸念も米国FDAによって表明されている。ヒドロキノンに代わる、より安全な代替物のための安定した製剤が必要とされている。
デオキシアルブチン(4−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ]フェノール)チロシナーゼ阻害剤の活性および効能は周知であり、文献で十分に立証されている。例えば、Hamed,et al.、J.Cosmet.Sci.54(4)2006 291〜308;およびBoissy,et al.、Experimental Dermatology 14(8)2005、601〜608参照。デオキシアルブチンは、ヒドロキノンよりも安全で、刺激が少ない。しかしながら、安定で褐色化しない局所用製剤を創出しようとする試みは、全て成功していない。デオキシアルブチンは、水溶液中では熱に対して不安定であり、酸に弱い化合物であって、分解してヒドロキノンになることが示されている(Chao−HsunYang,et al.、Int.J.Mol.Sci.2010、11、3977〜3987)。加水分解、酸化および熱に対する感受性が強いため、ヒドロキノンの生成につながることが知られている。米国特許出願公開第2013/0224137号明細書は、デオキシアルブチンを含む組成物について記載している。この場合、ヒドロキノンは、経時的に相当量が生成される。デオキシアルブチンを含有していた市販品、例えばPrevage MD(Allergan)は、一つには、これらのクリームはすぐに着色するという理由で、市場から撤退している。安定した無水局所用製剤を創出しようとする試みもまた、失敗している(Chih−Chien Lin,et al.、Int.J.Mol.Sci.2011、12、5946〜5954)。この研究の結果が示したところによれば、水が製剤中のデオキシアルブチンの分解を増加させて、シリコーン中ポリオール型オイルベースの無水エマルション系がデオキシアルブチンに対して比較的安定した環境を提供し、25℃および45℃でその分解を遅らせる。しかしながら、比較的有意な量のヒドロキノンの生成が、なお観察されている。
ビヒクルが脱色素剤の酸化および分解を遅らせ(例えば、デオキシアルブチンのヒドロキノンへの酸化および分解を遅らせ)、局所的施用、特に顔への施用に適し、かつ受け入れられる脱色素剤、例えばデオキシアルブチンの製剤は、当技術分野における著しい向上を示すものとなるであろう。
本発明は、局所用脱色素製剤についてこれまでに同定された多くの問題に対する解決策を提供する。本明細書に記載するのは、褐色化に対して耐性があり、室温で長期間保存しても安定状態を保つ、無水の物理的および化学的に安定した皮膚の明色化剤または脱色素剤の製剤である。様々な実施形態にて、本発明に係る製剤は、より高温に、数時間ではなく数カ月曝されても安定した状態を保つ。特に、本発明に係る製剤の例は、製剤中の脱色素剤の酸化および分解に対して耐性を有する。
様々な実施形態にて、本発明は、施用された皮膚を脱色素する、または皮膚色調を明色化するのに使用される化粧用または医薬用の皮膚用製剤を提供する。例示の実施形態にて、活性脱色素原材料は、式(I)
による構造を有する。式(I)にて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、およびR12は、独立してH、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、ハロゲン、CN、CF、アシル、−SONR1314、−NR1314、−OR13、−S(O)13、−C(O)R13、−COOR13、−CONR1314、−S(O)OR13、−OC(O)R13、−C(O)NR1314、−NR13C(O)R14、−NR13SO14、NR13C(O)NR1415、C(NR13)R10、および−NOから選択され、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、およびR12のうちの2つ以上は、それらが結合している原子と共に、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールから選択されるものである環系を形成する。
様々な実施形態にて、R13、R14、およびR15は、独立してH、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリールおよび置換または非置換ヘテロシクロアルキルから選択されるものであり、R13、R14、およびR15のうちの2つ以上は、それらが結合している原子と共に、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールから選択されるものである5〜7員環を形成する。
Mは、H、またはフェノールの塩の対イオン成分である。例示の対イオンは、本用語を本明細書にて論じる場合には、皮膚科学的に許容される塩に見出されるものである。
例示の実施形態にて、式(I)による活性剤は、デオキシアルブチンである。また、例示の実施形態にて、活性剤はデオキシアルブチンであり、製剤は、添加されたヒドロキノン、およびデオキシアルブチンのヒドロキノンへの分解によって生成されたヒドロキノンのいずれをも本質的に含まないものである。
様々な実施形態にて、製剤は本質的に無水である。
式(I)による活性剤は、本発明に係る製剤中にて、微細化された小粒子として存在するか、アルコールビヒクルに溶解している。式(I)による微細化された活性剤または活性剤のアルコールビヒクル溶液は、皮膚科学的に許容される無水担体、例えばゲル、ペースト、クリーム等に組み込まれる。
本発明により更に提供されるものは、本発明に係る製剤を利用して皮膚の色素沈着を変化させる方法である。例示する実施形態にて、方法は、本発明に係る組成物の有効量の局所的施用を含む。また様々な実施形態にて、局所的施用は、皮膚の色素沈着の変化を実現するために、処置期間中、十分な回数の施用が繰り返される。
本発明の他の実施形態、目的および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなる。
<序論>
本発明の目的の一つは、式(I)による小粒子または微細化された活性剤を局所用皮膚用製剤に組み込むことである。本発明の別の目的は、フェノール系活性剤、例えば、式(I)による活性剤を、活性剤が可溶であり選択した期間にわたって安定している無水アルコール系溶媒に溶解させることである。この溶液は次いで、局所用皮膚用製剤の製造プロセスに組み込まれる。本発明の別の目的は、ヒドロキノンの有意な形成を伴わずに長期安定性を有し、活性剤の最適な放出を可能にすると同時に、投与される対象者が良好な耐容性を示す、局所的施用のための無水の医薬用および化粧用組成物を提供することである。したがって、本発明は、フェノール誘導体を含む、とりわけ、局所的施用のための新規な無水の安定した組成物を提供する。
例示の実施形態にて、本発明は、式(I)の医薬活性剤を含む無水医薬用組成物を提供する。例示の製剤にて、フェノール誘導体は、小粒子に微細化され本発明に係る製剤の脂肪相に懸濁している。例示の製剤にて、組成物は、式(I)の活性剤のための溶媒である油性相と、活性剤のための溶媒ではない脂肪相とを含む。様々な製剤にて、活性成分は、油性混合物に懸濁した粒子の形態である。様々な製剤にて、活性成分は、油相(例えば、アルコール等の有機溶媒、または有機溶媒を含む混合物)に溶解しており、油相は、脂肪相と組み合わされている。
<定義>
本明細書にて使用されるパーセンテージと比は全て、組成物全体の重量を基準としたものであり、特に他の指定がない限り、測定は全て25℃でなされたものである。数値範囲は全て、それよりも狭い範囲を含み、記述された範囲の上限および下限は、明示的に記述されていない更なる範囲を創出するために交換可能である。
本発明に係る組成物は、必須成分と、本明細書に記載の任意選択的な原材料とを含む、本質的にそれらからまたはそれらからなることができる。本明細書にて使用される場合、「本質的に〜からなる」とは、組成物または成分が、追加の原材料を含んでもよいが、それは、追加の原材料が、特許請求される組成物または方法の基本的かつ新規な特性を実質的に変えない場合に限ることを意味している。
「フェノール系活性剤(phenolic active agent)」および「活性剤(active agent)」は、交換可能に使用され、これら用語が本明細書にて使用される場合、皮膚の色素沈着を低減させる、または変化させる活性を有するフェノール剤を指す。例えば、非限定的にポリフェノール、具体的には、(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノールを挙げることができ、その(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール塩が好ましくは使用される。「(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール塩((4-tetrahydro-pyran-2-yloxy)-phenol salts)」という用語は、とりわけ皮膚科学的に許容される塩基、例えばナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド等の鉱塩基と共に形成された塩を意味している。
例示の製剤にて、フェノール誘導体の量は、組成物の総重量に対して重量で0.01%〜20%、好ましくは重量で約0.05%〜約6%、より具体的には重量で0.1%〜6%である。
例示の製剤にて、フェノール誘導体の形態は、固体であるか、本発明に係る油性相(例えば、無水アルコール系溶媒)に溶解しているかのいずれかであり、油性相はそれ自体が製剤の脂肪相に分散、懸濁または溶解している。
本明細書にて使用される場合、「油性相(oily phase)」という用語は、活性剤が溶解している相を指す。油性相は、活性成分が可溶である1つまたは複数の有機溶媒を含んでもよい。油性相の例示の有機溶媒は、アルコール、ジオール、または複数のヒドロキシル基を有するアルコール、例えば、無水アルコールである。皮膚用調製物に使用するアルコールは当業者に公知であり、メタノール、エタノール、ならびに直鎖および分岐プロパノールおよびブタノールが挙げられるが、これに限定されない。
本明細書にて使用される場合、「脂肪相(fatty phase)」という用語は、活性成分が実質的に不溶である相を指す。脂肪相の成分としては、例えば、ゲル、膏薬、ペーストおよび軟膏に特徴的な流動性、外観および皮膚感触を付与する成分が挙げられる。
例示の製剤にて、フェノール誘導体の形態は、直径約0.01ミクロン(μm)〜約1,000ミクロン(μm)、例えば、直径約0.1μm〜約100μm、例えば、直径約0.2μm〜約50μmの範囲の粒径を有する固体である。
「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、特に明記しない限り、指定された数の炭素原子を有する(即ち、C〜C10は、炭素数1〜10を意味する)直鎖もしくは分岐鎖、もしくは環状の炭化水素ラジカル、またはそれらの組合せを意味し、完全飽和でも、単不飽和または多不飽和であってもよく、二価および多価ラジカルを含むこともできる。飽和炭化水素ラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル等の基、例えばn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの同族体および異性体などが挙げられるが、これに限定されない。不飽和アルキル基は、1つまたは複数の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニル、ならびに高級同族体および異性体が挙げられるが、これに限定されない。「アルキル」という用語は、特に断りのない限り、以下により詳細に定義するアルキルの誘導体、例えば「ヘテロアルキル」を含む意味もある。炭化水素基に限定されるアルキル基は、「ホモアルキル」と称される。
「アルキレン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、−CHCHCHCH−によって例示されるがこれに限定されないアルカンに由来する二価のラジカルを意味し、以下に「ヘテロアルキレン」と記載する基を更に含む。典型的には、アルキル(またはアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を有し、本発明では、10個以下の炭素原子を有する基が好適である。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は一般に、8個以下の炭素原子を有する短鎖のアルキルまたはアルキレン基である。
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)という用語は、その従来の意味で使用され、それぞれ酸素原子、アミノ基、または硫黄原子を介して分子の残部に結合したアルキル基を指している。
「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体で、または別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、明記された数の炭素原子と、O、N、SiおよびSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子からなる安定した直鎖もしくは分岐鎖、もしくは環状炭化水素ラジカル、またはそれらの組合せを意味し、ここで、窒素および硫黄原子は任意選択的に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択的に四級化されていてもよい。ヘテロ原子(複数可)であるO、NおよびSおよびSiは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置またはアルキル基が分子の残部に結合している位置に配置されてもよい。例としては、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−Si(CH、−CH−CH=N−OCH、および−CH=CH−N(CH)−CHが挙げられるが、これに限定されない。最大2個のヘテロ原子は、例えば−CH−NH−OCHおよび−CH−O−Si(CHのように、連続していてもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、−CH−CH−S−CH−CH−および−CH−S−CH−CH−NH−CH−によって例示されるがそれに限定されないヘテロアルキルに由来する二価のラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は、鎖末端の一方または両方を占めることができる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等)。更にまた、アルキレンおよびヘテロアルキレン連結基の場合、連結基の向きは、連結基の式が書かれている方向によって暗示されない。例えば、式−COR’−は、−C(O)OR’と−OC(O)R’の両方を表している。
「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」という用語は、それ自体で、または別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、それぞれ「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環状形態を表す。加えて、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は、複素環が分子の残部に結合している位置を占めることができる。シクロアルキルとしては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル等が挙げられるが、これに限定されない。ヘテロシクロアルキルとしては、例えば、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル等が挙げられるが、これに限定されない。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。加えて、「フルオロアルキル」等の用語は、モノフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキルを含むことを意図している。
「アリール」という用語は、単独で、または他の用語と組み合わせて使用される場合(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、特に明記しない限り、芳香族置換基を意味し、この基は、単環、または共に縮合もしくは共有結合した多環(最大3環)とすることができる。「ヘテロアリール」は、少なくとも1個のヘテロ原子環員を有するアリール基である。典型的には、環はそれぞれ、N、O、およびSから選択される0〜4個のヘテロ原子を含有し、ここで、窒素および硫黄原子は任意選択的に酸化されていてもよく、窒素原子(複数可)は任意選択的に四級化されていてもよい。「ヘテロアリール」基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。アリール基およびヘテロアリール基の非限定的例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンゾイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、および6−キノリルが挙げられる。上記アリール環系のそれぞれについての置換基は、以下に記載する許容される置換基の群から選択される。「アリールアルキル」という用語は、アリール基がアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等)、またはヘテロアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピル等)に結合しているラジカルを含む意味である。
このような用語(例えば、「アルキル」「ヘテロアルキル」および「アリール」)のそれぞれは、示されたラジカル置換形態および非置換形態の両方を含む意味である。各タイプのラジカルについての好適な置換基を、以下に記載する。
アルキルおよびヘテロアルキルラジカル(多くの場合アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、およびヘテロシクロアルケニルと呼ばれる基を含む)についての置換基は、総称して「アルキル基置換基」と呼ばれ、0から(2m’+1)までの数の範囲で、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’,−NR’’C(O)R’,−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’,−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’,−NRSOR’、−CNおよび−NOから選択されるがこれに限定されない様々な基のうちの1つまたは複数とすることができる。ここで、m’は、このようなラジカル中の炭素原子の総数である。R’、R’’、R’’’およびR’’’’は、それぞれ好ましくは独立して水素、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリール、例えば、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール、置換もしくは非置換アルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指す。例えば、本発明に係る化合物が2個以上のR基を含む場合、R基のそれぞれは独立して選択され、R’、R’’、R’’’およびR’’’’基のそれぞれは、これらの基が2個以上存在する場合同様である。R’とR’’が同じ窒素原子に結合している場合、それらは窒素原子と組み合わさって5、6、または7員環を形成することができる。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを含むがこれに限定されない意味である。置換基についての上記考察から、当業者は理解することであるが、「アルキル」という用語は、水素基以外の基、例えばハロアルキル(例えば、−CFおよび−CHCF)およびアシル(例えば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCH等)と結合した炭素原子を含む基を含む意味である。
アルキルラジカルについて説明した置換基と同様に、アリール基およびヘテロアリール基についての置換基は、総称して「アリール基置換基」と呼ばれる。置換基は、0から芳香族環系上の開放原子価(open valence)の総数までの数の範囲で、例えば、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CNおよび−NO、−R’、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C〜C)アルコキシ、ならびにフルオロ(C〜C)アルキルから選択され、ここで、R’、R’’、R’’’およびR’’’’は、好ましくは独立して水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールから選択される。例えば、本発明に係る化合物が2個以上のR基を含む場合、R基のそれぞれは独立して選択され、R’、R’’、R’’’およびR’’’’基のそれぞれは、これらの基が2個以上存在する場合同様である。
アリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、任意選択的に、式−T−C(O−(CH−U−の置換基で置き換えられていてもよい。ここで、TおよびUは独立して−NH−、−O−、−CH−または単結合であり、下付き文字qは、0〜2の整数である。あるいは、アリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、任意選択的に式−A−(CH−B−の置換基で置き換えられていてもよい。ここで、AおよびBは独立して−CH−、−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−または単結合であり、rは1〜3の整数である。そうして形成された新たな環の単結合の1つは、二重結合で置き換えられていてもよい。あるいは、アリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、任意選択的に、式−(CH−X−(CH−の置換基で置き換えられていてもよい。ここで、sおよびtは独立して0〜3の整数であり、Xは−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、または−S(O)NR’−である。−NR’−および−S(O)NR’−における置換基R’は、水素または非置換(C〜C)アルキルから選択されるものである。
「皮膚科学的に許容される塩(dermatologically)」という用語は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的毒性のない酸または塩基を用いて調製される活性化合物の塩を含む。本発明に係る化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、そうした化合物の中性形態を、直接、または適切な不活性溶媒中のいずれかで十分な量の所望の塩基と接触させることにより塩基付加塩を得ることができる。皮膚科学的に許容される塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウムの塩、または同様の塩が挙げられる。本発明に係る化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、そうした化合物の中性形態を、直接、または適切な不活性溶媒中のいずれかで十分な量の所望の酸と接触させることにより酸付加塩を得ることができる。皮膚科学的に許容される酸付加塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸のような無機酸に由来するもの、および酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的毒性のない有機酸に由来する塩が挙げられる。アミノ酸の塩、例えばアルギン酸塩など、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸(galactunoric adid)のような有機酸の塩も含まれる(例えばBerge,et al.、Journal of Pharmaceutical Science、66:1〜19(1977)参照)。本発明に係る、ある種の特定の化合物は、その化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれにも変換できるようにする塩基性官能基と酸性官能基の両方を含有するものである。
前述のように、前記式(I)によるある種の活性剤は、塩基性官能基、例えばアミノまたはアルキルアミノを含有してもよく、したがって、医薬的に許容される酸と共に皮膚科学的に許容される塩を形成することができる。この点において「皮膚科学的に許容される塩」という用語は、本発明に係る化合物の比較的毒性のない無機および有機酸付加塩を指す。これら塩は、投与ビヒクルまたは剤形の製造プロセスにおいてin situで、または遊離塩基形態の本発明に係る精製された化合物を適切な有機または無機酸と別々に反応させ、そうして形成された塩を続く精製時に単離することにより、調製することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、アスコルビン酸塩、パルミチン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、グルコヘプトン酸塩、サリチル酸塩(salicyclate)、スルファニル酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、シュウ酸塩、イソチオン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩などが挙げられる。例えば、Berge,et al.(1977)「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.66:1〜19参照。
このような化合物の中性形態は、好ましくは、塩を塩基または酸と接触させ、従来の方法で親化合物を単離することによって再生させる。化合物の親形態は、特定の物性、例えば極性溶媒中の溶解度が様々な塩形態とは異なるが、それ以外は、塩は、本発明の目的に関しては、化合物の親形態と同等である。
塩形態に加えて、本発明はプロドラッグの形態である化合物も提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理的条件下で容易に化学変化を受けて、本発明に係る化合物をもたらす化合物である。加えて、プロドラッグは、ex vivo環境において化学的または生化学的な方法によって本発明に係る化合物に変換することもできる。例えば、プロドラッグは、経皮貼布リザーバ中に適切な酵素または化学試薬と共に配置して、本発明に係る化合物にゆっくりと変換させることができる。
本発明に係る製剤に使用するある種の活性剤は、非溶媒和形態でも、溶媒和形態でも存在することができるが、一般には水和形態ではないことが好適である。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲に包含される。本発明で使用するある種の化合物は、複数の結晶形態または非晶質形態で存在することができる。一般に、全ての物理的形態は、本発明が企図する使用にとっては同等であり、本発明の範囲内に含まれるものとする。「化合物、または化合物の皮膚科学的に許容される塩もしくは溶媒和物」は、塩および溶媒和物の両方である材料を包含するという点で、「または」の包括的な意味を意図している。
本発明で使用するある種の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し、ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体および個々の異性体は、本発明の範囲に包含される。光学的に活性な(R)異性体および(S)異性体を、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製してもよく、従来の技法を用いて分割してもよい。本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的非対称の中心を含有する場合、別に規定しない限り、化合物は、E幾何異性体およびZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性型も含まれることが意図される。
本明細書で使用される、ラセミ化合物、アンビスケールミック(ambiscalemic)化合物およびスケールミック(scalemic)化合物、または鏡像異性的に純粋な化合物の図的表現は、Maehr、J.Chem.Ed.、62:114〜120(1985)から採用した。実線および破線のくさび形は、キラル要素の絶対配置を示すのに用いられる。波線は、これが表す結合がもたらし得るいずれの立体化学的な意味合いも否定することを示している。太い実線および破線は、提示する相対配置を示す幾何学的記述であるが、絶対的立体化学を意味するものではなく、くさび状の輪郭線および点線または破線は、絶対配置が確定できない鏡像異性的に純粋な化合物を表す。
本発明で使用する化合物はまた、そのような化合物を構成する原子のうちの1つまたは複数において、非天然の比率の原子の同位体を含有することもある。例えば、化合物を、例えば重水素(H)、トリチウム(H)、ヨウ素125(125I)、または炭素13(13C)もしくは炭素14(14C)などの同位体を用いて標識してもよい。放射性であっても、またはそうでなくても、本発明に係る化合物の全ての同位体変種が、本発明の範囲に包含されるものとする。
「施用する(apply)」または「施用(application)」という用語は、組成物に関して使用する場合、本発明に係る皮膚用製剤を哺乳類の皮膚表面、例えば表皮に施用または塗布することを意味する。
「皮膚科学的に許容される」という用語は、本明細書にて使用される場合、記載された組成物または成分が、過度の毒性、非相溶性、不安定さ、アレルギー反応等がなく、ヒトの皮膚組織に接触させて使用することに適することを意味する。
「有効量(effective amount)」という用語は、本明細書にて使用される場合、例えば色素沈着を軽減するといった正の利益を有意に誘発するのに十分な化合物または組成物の量を意味する。
「炎症後色素減少(post-inflammatory hypopigmentation)」という用語は、本明細書にて使用される場合、一過性の炎症事象に対する反応としての急性から慢性の色素沈着の減少を指す。
「色素減少斑(hypopigmented spot)」という用語は、本明細書にて使用される場合、メラニンの限局性および慢性または全身性の産生不足により、色素沈着が皮膚の隣接領域よりも少ない皮膚の所定の領域を指す。
「皮膚色調剤(skin tone agent)」という用語は、本明細書にて使用される場合、メラニン生成シグナル、メラニンの合成、メラノサイトとケラチノサイトとの間でのメラニンの全身輸送、および/またはメラニン分解を調節する本発明に係る組成物を指す。皮膚色調剤は、色素沈着を増進する美容用薬剤として作用することにより、不均一な皮膚色調の外観を改善することができる。
「皮膚色調(skin tone)」という用語は、本明細書にて使用される場合、一過性ではなく全身性のメラニン合成によってもたらされる、皮膚におけるメラニンの全体的な外観を指す。皮膚色調は、典型的には皮膚のより広い範囲にわたり特徴付けられる。その領域は、理想的には100mm未満であってもよいが、より広い領域、例えば顔の皮膚の全体、または任意の顔の皮膚表面も想定される。皮膚色調は、画像分析により測定することができる。例えば、全体的な明るさは、L*a*b*色空間内のL*座標により測定することができる(国際照明委員会)。発色団マッピング、例えばメラニンマッピングおよびメラニン濃度は、全体的な皮膚色調の指標として使用することができる。発色団マップデータから平均メラニンを計算することができる。加えて、皮膚色調の均一性はメラニン均一性から判定することができ、メラニン均一性も発色団マップデータから計算することができる。適切な発色団マッピング技法は、以下の実施例にて検討する。
「顔の皮膚表面(facial skin surface)」という用語は、本明細書にて使用される場合、額、眼窩周囲、頬、口周囲、頤および鼻の皮膚表面のうちの1つまたは複数を指す。
「無水組成物(anhydrous composition)」または「無水製剤(anhydrous formulation)」という用語は、交換可能に使用され、組成物の総重量に対して重量で約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満または約0.5%未満の量の水を含む組成物を指す。様々な実施形態にて、製剤は多成分の混合物であり、各成分は、組成物の総重量に対して重量で約0.01%を超える水を加えない。
例示の実施形態にて、「無水組成物」の定義が有効である。この定義において、組成物は、式Iによる活性剤の分解生成物の水媒介形成を引き起こさない量の水を含有する。例示の実施形態にて、分解生成物は、キノン、例えばヒドロキノンである。
本発明は、その好適な一態様にて、無水組成物は、カールフィッシャー滴定またはカールフィッシャー技法によって検出可能な十分な水を含有しない。
「安定した組成物(stable composition)」という用語は、化学的および物理的に安定した組成物を意味している。
「化学的安定性(chemical stability)」という用語は、とりわけ、約4〜約40℃の温度で経時的に活性剤の分解が観察されないことを意味する。例示の分解生成物は、ヒドロキノンである。例示の実施形態にて、式Iによる活性剤はデオキシアルブチンであり、この薬剤は、保存中に有意にヒドロキノンに変換されない。例示の実施形態にて、製剤を25℃で少なくとも約30日間、少なくとも約45日間、少なくとも約60日間、少なくとも約90日間またはそれ以上の期間保存している間に、約1ppm以下、約5ppm以下、約10ppm以下、約15ppm以下、約20ppm以下、約25ppm以下、約50ppm以下、約100ppm以下または約200ppm以下の活性剤が分解する。例示の実施形態にて、式Iによる活性剤はデオキシアルブチンであり、分解生成物はヒドロキノンである。
「物理的安定性(physical stability)」という用語は、製剤が保存中に相分離しないことを意味する。更に、「物理的安定性」という用語は、とりわけ、組成物が巨視的外観、特に色、または顕微鏡像において有意な変化を示さず、約4〜約40℃の温度で少なくとも約7日間、少なくとも約30日間、少なくとも約45日間、少なくとも約60日間、少なくとも約90日間またはそれ以上の期間、経時的に粘度の有意な変化を示さないことを意味する。例示の製剤は、室温を超える温度で上記の時間保存すると、淡黄色の色調を呈する。
本開示全体を通し、「室温(room temperature)」という用語は約20℃〜約30℃の温度を意味している。
「皮膚科学的に許容される担体(dermatologically acceptable carrier)」(「担体(carrier)」と称することもある)は、この用語が本明細書にて使用される場合、本発明に係る組成物の組成のための成分を指す。「皮膚科学的に許容される担体」という表現は、本明細書にて使用される場合、担体がケラチン質組織に対する局所的施用に適し、良好な美的特性を有し、組成物中の皮膚色調剤と相溶性があり、安全性または毒性に関するいかなる不合理な懸念も生じないことを意味する。適切な担体は、生成物の所望の形態を得るために選択される。更に、成分の溶解性または分散性が、担体の形態および特性を決定し得る。一実施形態にて、担体は、重量で組成物の約50wt%〜約99wt%、約60wt%〜約98wt%、約70wt%〜約98wt%、あるいは、約80wt%〜約95wt%のレベルで存在する。別の実施形態にて、担体は、皮膚ケア組成物中に約2wt%〜約50wt%、例えば、約25wt%〜約50wt%のレベルで存在し、施用時に適切な担体希釈剤で希釈してもよい。
担体は、多種多様な形態とすることができる。非限定的例としては、単純な溶液(例えば、有機溶媒またはオイルをベースとする)、エマルション、および固体形態(例えば、ゲル、スティック、流動性固体、または非晶質材料)が挙げられる。ある種の実施形態にて、皮膚科学的に許容される担体は、エマルションの形態である。本発明に係る油性相は、シリコーンオイル、炭化水素オイル、エステル、エーテル等の非シリコーンオイル、およびそれらの混合物を含んでもよい。
皮膚科学的に許容される担体に使用し得る許容される担体としては、アルコール、例えばエタノール、プロパノールおよびイソプロパノールが挙げられるが、これに限定されない。例示の実施形態にて、こうした担体は「油性相」であり、任意選択的に、アルコールのみを含む。
エマルションは、乳化剤を更に含んでもよい。組成物は、担体を十分に乳化させるために任意適切なパーセンテージの乳化剤を含んでもよい。適切な重量範囲は、組成物の重量に基づいて約0.1wt%〜約10wt%、または約0.2wt%〜約5wt%の乳化剤を含む。乳化剤は非イオン性、アニオン性またはカチオン性であってもよい。適切な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号明細書、米国特許第4,421,769号明細書、およびMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers、North American Edition、317〜324ページ(1986)に開示されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。適切なエマルションは、生成物の所望の形態に応じて、広範囲の粘度を有することができる。
「オイル(oil)」という用語は、多様なオイルを含む。適切なオイルは、例えば、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C〜C22脂肪酸と直鎖もしくは分岐C〜C22脂肪アルコールとのエステル、および/または分岐C〜C13カルボン酸と直鎖もしくは分岐C〜C22脂肪アルコールとのエステルであり、例えば、ペトロラタム、ソルビトール、ヒアルロン酸、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシルおよびエルカ酸エルシルなどである。更に、直鎖C〜C22脂肪酸と分岐アルコール、特に2−エチルヘキサノールとのエステル、C18〜C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐C〜C22脂肪アルコールとのエステル、特にリンゴ酸ジオクチル、直鎖および/または分岐脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオールなど)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C〜C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C〜C18脂肪酸に基づく液体モノ/ジ/トリグリセリド混合物、C〜C22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C〜C12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルコールまたは2〜10個の炭素原子と2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル、植物オイル、分岐第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分岐C〜C22脂肪アルコール炭酸エステル、例えば、炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標)CC)など、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベ炭酸エステル、安息香酸と直鎖および/または分岐C〜C22アルコールとのエステル(例えばFinsolv(登録商標)TN)、アルキル基1個当たり6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐、対称または非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)など、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーンオイル(シクロメチコン、とりわけシリコンメチコン種)、ならびに/あるいは脂肪族またはナフテン系炭化水素、例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサンなども適切である。更に、Cetiol(登録商標)Sensoft(Cognis GmbH)の商品名で市販されている製品である2−プロピルヘプタノールとn−オクタン酸とのエステルも適切である。炭化水素、例えばウンデカンおよびトリデカンのも適切である。アルカン、例えばINCIココナツ/パーム/パーム核オイルアルカン(BiosynthesisからVegelight 1214として市販)も適切である。
他のオイルとしては、植物オイル、例えばヒマシ油、甘扁桃油、オリーブオイル、ホホバ(simmondsia chinensis)、またはゴマ油;シリコーンオイル、例えばシクロメチコン、ジメチコン、カプリリルメチコン;鉱油、例えばイソヘキサデカン;ポリイソブテン;水素化ポリイソブテン;軽油;およびプロピルパラベンが挙げられる。
例示のオイルとしては、トリグリセリド、例えばカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、または誘導体、例えばPEG−8カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;エステル、例えばミリスチン酸オクタドデシル、C12〜C15アルキル安息香酸エステル;イソノナン酸セテアリル;アジピン酸ジイソプロピル;イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸アスコルビル;パルミチン酸イソプロピル;ネオペンタン酸オクタドデシル;ステアリン酸スクロース;ベヘン酸グリセリル;イソステアリン酸イソプロピル;アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、プロパンジオール;ジプロピレングリコール;グリセリン;ブチレングリコール;エトキシジグリコール;エーテルおよび誘導体、例えばPPG−15ステアリルエーテル;PPG−14ブチルエーテル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
当業者には明らかなように、上記の成分のそれぞれは、任意選択的に、本発明に係る製剤の脂肪相に含まれる。更に、各成分は、別の成分、または任意の組合せの2種以上の他の成分と組み合わせることができる。
本発明に係る組成物の脂肪相は、所望の粘度に応じて少なくとも1種の脂溶性ゲル化剤または増粘剤を更に含んでもよい。具体的には、これらの化合物は、本発明にて「粘度調節剤」として使用される。
本発明にて、「脂溶性増粘剤またはゲル化剤(lipophilic thickeners or gelling agents)」という用語は、とりわけ、ワックス、水素化オイルおよび脂肪酸エステル、シリカ誘導体(例えば、シリカジメチルシリラート)から選択される化合物を意味する。
「ワックス(wax)」という用語は一般に、室温(25℃)で固体であり、可逆的固体/液体状態変化を示し、融点が30℃以上200℃以下、とりわけ120℃以下の脂溶性化合物を意味する。使用し得るワックスとして、カルナウバワックス、微晶質ワックス、Cerabeil blancheの名称でBarlocherが販売する蜜ろう、ベヘン酸グリセリル、その誘導体、例えばモノベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、トリベヘニン、またはそれらの混合物、例えばCompritol 888の名称でGattefosseが販売するもの、またはカンデリラワックスを挙げることができる。「水素化オイル(hydrogenated oil)」という用語は、直鎖または分岐C〜C32脂肪鎖を含有する動物または植物オイルの接触水素化によって得られるオイルを意味する。こうしたオイルの中で、とりわけ、水素化ホホバオイル、異性化ホホバオイル、例えば商業参照名Iso−Jojoba−50(登録商標)でDesert Whale社が製造または販売する部分水素化トランス異性化ホホバオイル、水素化ヒマワリオイル、とりわけCutina HRの名称でCognisが販売する水素化ヒマシ油、とりわけCremophor ELの名称でBASFが販売するポリオキシエチレン化ヒマシ油、水素化ココナツオイル、および水素化ラノリンオイルを挙げることができ、水素化ヒマシ油が好ましくは使用される。使用し得る脂肪酸エステルとして、とりわけMedilanの名称でCrodaが販売するラノリン、Gelucireの名称でGattefosseが販売するグリセロールの脂肪酸エステル、Akosoft 36の名称でKarlshamnsが販売する水素化ココナツグリセリド、またはそれぞれHydrineもしくはMonosteolの名称でGattefosseが販売するモノステアリン酸ジエチレングリコールもしくはモノステアリン酸プロピレングリコールを挙げることができる。本発明に係る組成物における脂溶性増粘剤またはゲル化剤の量は、組成物の総重量に対して一般に重量で約1%〜約40%であり、好ましくは約5%〜約30%である。
「バター(butter)」という用語は一般に、植物またはハーブからの抽出物、例えばココアバター、コクムバター、マンゴーバター、サルバター、シアバター、アロエベラバター、レモンバター、ストロベリーバター、サツマバター、オリーブバター、ビタミンEバター、モリンガバター、グレープフルーツバターを意味する。本発明に係る組成物におけるバターの量は、組成物の総重量に対して一般に重量で約1%〜約40%、好ましくは約2%〜約30%である。
本発明に係る組成物は、エラストマを含有してもよい。「エラストマ(elastomer)」という用語は、任意のポリオルガノシロキサンエラストマ、即ち、粘弾性特性を有する任意の化学的に架橋したシロキサンポリマ、とりわけ好ましくは、例えばDow Corningが販売するElastomer 10を意味する。本発明に係る組成物における高分子量エラストマの量は、組成物の総重量に対して重量で約0%〜約40%であり、優先的には約0〜約20%である。
任意選択的に、本発明に係る組成物は、少なくとももう1種の界面活性剤および/または少なくとも1種の結合剤を更に含んでもよい。
使用される例示の界面活性剤は、好ましくは非イオン性界面活性剤であり、例えば、ある種の構成成分、例えばグリコールを組成物の油性相に組み込むことを容易にするために使用されるが、それに限らない。
本発明に使用され得る界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、および脂溶性界面活性剤が挙げられる。
「脂溶性界面活性剤(lipophilic surfactant)」という用語は、具体的には、ポリオキシエチレン化ヒマシ油誘導体、例えばPEG−35ヒマシ油、脂肪酸エステルのポリオキシエチレン化誘導体、例えばPEG−8カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを意味している。
界面活性剤は、例えば、グリセロールの、および任意選択的にポリエチレングリコールのエステル、例えば、Arlacel 165の名称でUniqemaが販売するステアリン酸グリセリルとPEG−100ステアリン酸エステルの混合物、Gelot 64の名称でGattefosseが販売するステアリン酸グリセリルとPEG−75ステアリン酸エステルの混合物、Cutina GMSVの名称でCognisが販売するステアリン酸グリセリル;乳化ワックス、例えば、Polawax NFの名称でCrodaが販売する自己乳化ワックスまたはApifilの名称でGattefosseが販売するPEG−8蜜ろう;Tween 80の名称でUniqemaが販売するポリソルベート80;BASFからとりわけ商品名Cremophor ELで販売されているポリオキシエチレン化ヒマシ油またはSedefos 75の名称でGattefosseが販売するステアリン酸グリセリルとPEG−2ステアリン酸エステルの混合物であってもよい。本発明に係る組成物における界面活性剤の量は、重量で約0.1%〜約10%、好ましくは重量で約1%〜約10%である。
陰イオン界面活性剤の典型例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホナート、アルカンスルホナート、オレフィンスルホナート、アルキルエーテルスルホナート、グリセロールエーテルスルホナート、α−メチルエステルスルホナート、スルホ脂肪酸、アルキルスルファート、アルキルエーテルスルファート、グリセロールエーテルスルファート、脂肪酸エーテルスルファート、ヒドロキシ混合エーテルスルファート、モノグリセリド(エーテル)スルファート、脂肪酸アミド(エーテル)スルファート、モノおよびジアルキルスルホスクシナート、モノおよびジアルキルスルホスクシナマート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオナート、脂肪酸サルコシナート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えばラクチル酸アシル、酒石酸アシル、グルタミン酸アシルおよびアスパラギン酸アシル塩など、アルキルオリゴグルコシドスルファート、タンパク質脂肪酸縮合物(特にコムギベースの植物生成物)、ならびにアルキル(エーテル)ホスファートである。陰イオン界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、それらは従来の同族体分布を有することができるが、同族体分布が狭いことが好ましい。非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルおよび混合ホルマール、任意選択的に部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドおよびグルコロン酸(glucoronic acid)誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特にコムギベースの植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベートならびにアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有する場合、それらは従来の同族体分布を有することができるが、同族体分布が狭いことが好ましい。
陽イオン界面活性剤の典型例は、第四級アンモニウム化合物、例えばジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、およびエステルクワット、特に四級化脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩などである。両性および双性イオン性界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオナート、アミノグリシナート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。指定の界面活性剤は、専らそのためだけに知られている化合物である。特に適切な穏やかな、即ち、特に皮膚に適合する界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルファート、モノグリセリドスルファート、モノおよび/もしくはジアルキルスルホスクシナート、脂肪酸イセチオナート、脂肪酸サルコシナート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α−オレフィンスルホナート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンホアセタール、ならびに/または好ましくはコムギタンパク質をベースとするタンパク質脂肪酸縮合物である。
当業者には明らかなように、上記した成分の各々は、任意選択的に、本発明に係る製剤の脂肪相に含まれる。更に、各成分は、別の成分、または任意の組合せの2種以上の他の成分と組み合わせることができる。
本発明に係る例示の製剤は、活性剤のための溶媒である少なくとも1種の油性相を含む。製剤は、活性剤のための溶媒ではない少なくとも1種の脂肪相を更に含んでもよい。例示の製剤は、活性剤のための溶媒である油性相と、活性剤のための溶媒ではない脂肪相とを含む。あるいは、組成物は、活性剤のための溶媒である油性相のみを含む。本発明に係る組成物における溶媒脂肪相の量は一般に、組成物の総重量に対して重量で約1%〜約99%、例えば、約5%〜約98%である。
<実施形態の例>
様々な実施形態にて、本発明は、皮膚科学的に許容される担体中のジヒドロキシベンゼンのモノエーテルと、任意選択的に少なくとも1種の追加の活性剤を含む、本質的に無水の組成物を提供する。
例示の実施形態にて、本発明は、施用された皮膚を脱色素する、または皮膚色調を明色化するのに使用される化粧用または医薬用の皮膚用製剤を提供する。例示の実施形態にて、活性脱色素原材料は、式(I)
による構造を有する。
式(I)にて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、およびR12は、独立してH、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、ハロゲン、CN、CF、アシル、−SONR1314、−NR1314、−OR13、−S(O)13、−C(O)R13、−COOR13、−CONR1314、−S(O)OR13、−OC(O)R13、−C(O)NR1314、−NR13C(O)R14、−NR13SO14、NR13C(O)NR1415、C(NR13)R10、および−NOから選択され、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、およびR12のうちの2つ以上は、それらが結合している原子と共に、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールから選択されるものである環系を形成する。
様々な実施形態にて、R13、R14、およびR15は、独立してH、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリールおよび置換または非置換ヘテロシクロアルキルから選択されるものであり、R13、R14、およびR15のうちの2つ以上は、それらが結合している原子と共に、任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリールおよび置換または非置換ヘテロアリールから選択されるものである5〜7員環を形成する。
Mは、H、またはフェノールの塩の対イオン成分である。例示の対イオンは、本用語を本明細書にて論じる場合には、皮膚科学的に許容される塩に見出されるものである。
例示の実施形態にて、式(I)による活性剤は、デオキシアルブチンである。例示の実施形態にて、活性剤はデオキシアルブチンであり、製剤は、添加されたヒドロキノン、およびデオキシアルブチンのヒドロキノンへの分解によって生成されたヒドロキノンのいずれをも本質的に含まない。
様々な実施形態にて、製剤は本質的に無水であり、式(I)による活性剤が溶解しているアルコール油性相を含む。アルコール油性相は、皮膚科学的に許容される担体(例えば、脂肪相)、例えばゲル、ペースト、クリーム等に組み込まれる。様々な実施形態にて、担体は、1つまたは複数の有機シリコン化合物を含む。油性相は、懸濁、分散、乳化等によって脂肪相に組み込まれる。例示の実施形態にて、活性剤は脂肪相に実質的に不溶である。
本発明に係る製剤は、pHが約3.0〜約10の範囲であり、25℃で標準水素電極を用いた組成物の直接pH測定を行うことにより測定してもよい。したがって、皮膚ケア組成物のpHは、例えば約6〜約9の範囲内であってもよい。本発明に係る本質的に無水の製剤の例は、pHが約8以下である。
本発明に係る組成物の無水の性質は、フェノール誘導体(例えば、式(I))の不安定さ、特に水性媒体中での水による加水分解および酸化を回避することを可能とする。例示の実施形態にて、式Iによる活性剤はデオキシアルブチンであり、そのヒドロキノンへの分解は、製剤の無水の性質によって遅延または防止される。
例示の実施形態にて、全製剤の約0.01重量%以下が分解した活性剤である。様々な実施形態にて、製剤の約0.02%以下が分解した活性剤である。例示の実施形態にて、活性剤はデオキシアルブチンであり、分解生成物はヒドロキノンである。
例示の実施形態にて、式(I)の活性剤の分解生成物はヒドロキノンであり、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した場合、ヒドロキノンは保存後に製剤中に約20ppm未満の量で存在する。例示のHPLC法は、ヒドロキノンの場合、例えば、「Hygenic Standard for Cosmetics,Chinese Food and Drug Administration、2007 Edition、215〜220である。
本発明に係る製剤は、例えば、以下に検討する2種以上の成分を任意の組合せで含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、結合、皮膜形成、および粘度制御に有効な成分(例えば、ポリイソブテン(H300))を約5wt%〜約15wt%、例えば約10wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、皮膚軟化剤、溶媒、および芳香剤として有効な成分、例えばイソドデカンを約20wt%〜約30wt%、例えば約24wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、皮膚軟化剤、毛髪コンディショナ、皮膚コンディショナ、および溶媒として有効な成分(例えば、シクロペンタシロキサン)を約20wt%〜約30wt%、例えば約24wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、調節剤として有効な成分、例えばPPG−14ブチルエーテルを約6wt%〜約9wt%、例えば約7wt%、例えば約7.3wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、溶媒および芳香特性を有する皮膚軟化剤、マスキング、皮膚調節剤として有効な成分、例えばカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを約5wt%〜約15wt%、例えば10wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、防腐剤として機能する成分、例えばベンジルアルコールを約0.1wt%〜約1wt%、例えば約0.50wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、抗酸化剤および調節剤として機能する成分、例えば酢酸トコフェリルを約0.01wt%〜約0.1wt%、例えば0.05wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、皮膚調節特性を有する成分、例えばカプリリルメチコンを約4wt%〜約10wt%、例えば約7wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、凝固防止、消泡、皮膚軟化、エマルション安定化、および粘度制御特性を有する成分、例えばシリカジメチルシリラートを約1wt%〜約5wt%、例えば約3wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、1つまたは複数の独立して選択される抗酸化剤、例えばBHT、パルミチン酸アスコルビル、およびそれらの組合せを、それぞれ約0.05wt%〜約0.15wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、皮膚科学的に活性のある脱色素剤、例えばテトラヒドロピラニルオキシフェノールを約1wt%〜約10wt%、例えば約6wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、消泡、溶媒、粘度制御、および芳香特性を有する成分、例えばイソプロピルアルコールを約5wt%〜約10wt%の量で含む。例示の実施形態にて、本発明に係る製剤は、芳香剤を約0.1wt%〜約0.3wt%の量で含む。
本発明に係る製剤は、例えば、成分を表1に記載する量で含む。
本発明は、その一態様にて、
皮膚用活性剤としての式(I)による化合物、および活性剤のための少なくとも1種の溶媒を含む活性相;
少なくとも1種の脂肪相増粘剤、例えばベヘン酸グリセリルおよび誘導体、および任意選択的な追加の脂溶性増粘剤、および/もしくは少なくとも1種のオイル、および/もしくは少なくとも1種の脂溶性界面活性剤を含有する非活性相;ならびに/または
少なくとも1種のオイル、および/もしくは少なくとも1種の脂溶性皮膚軟化剤、および/もしくは結合剤、および/もしくは何らかの任意選択的な添加剤
を含む組成物である。
本発明は、その別の一態様にて、
皮膚用活性剤としての式(I)による化合物、および活性剤のための少なくとも1種の溶媒を含む活性相;
少なくとも1種の脂肪相増粘剤、例えばベヘン酸グリセリルおよび誘導体、および任意選択的な追加の脂溶性増粘剤、および/または少なくとも1種のオイル、および/または少なくとも1種の脂溶性界面活性剤、および/または結合剤、および/または何らかの任意選択的な添加剤、ポリオルガノシロキサンエラストマを含有する非活性相
を含む組成物である。
本発明に係る組成物は、活性剤のための溶媒または溶媒の混合物を含む。溶媒(複数可)は、例えばアルコールであり、アルコール溶媒の最大で約20%(組成物の総重量に対して重量で)を構成し、例えば、イソプロパノール、エタノール、プロパンジオール、ジプロピレングリコールである。本発明に係る組成物にて、この量の溶媒は、存在するオイルおよび他の担体要素との組合せで、活性剤の所望の濃度を溶解させ、物理的および化学的に安定した調製物を得るのに十分である。例示のアルコールは本質的に無水である。
例示の実施形態にて、本発明に係る組成物は、全重量に対して重量基準で、
例えば式Iによるフェノール誘導体タイプの少なくとも1種の医薬活性剤を約0.01%〜約20%;
溶媒油性相および/または脂溶性界面活性剤を約0.05%〜約99%;
追加の脂溶性ゲル化剤または増粘剤を約0〜約50%;
添加剤を約0〜約20%
含む。
様々な実施形態にて、本発明に係る組成物は、全重量に対して重量基準で、
ポリフェノールタイプの少なくとも1種のフェノール誘導体を約0.05%〜約6%;
溶媒油性相および/または脂溶性界面活性剤を約1%〜約50%;
追加の脂溶性ゲル化剤または増粘剤を約1%〜約40%;
界面活性剤を約0〜約20%;
結合剤(複数可)を約0〜約30%;
添加剤を約0〜約10%
含む。
様々な実施形態にて、本発明に係る組成物は、全重量に対して重量基準で、
溶媒油性相および/または脂溶性界面活性剤を約1%〜約50%;
ベヘン酸グリセリルを約10%〜約25%;
界面活性剤を約0〜約10%;
結合剤(複数可)を約0〜約20%;
添加剤を約0〜約10%
含む。
本発明に係る無水組成物は、当業者が組成物の特定の使用、例えば、本明細書では、皮膚科学的に許容される塩に適合させる様々な公知のガレヌス製剤形態としてもよい。
局所的経路を介して、組成物を局所投与に通常用いられる任意のガレヌス製剤形態としてもよい。局所用組成物の非限定的例としては、米国薬局方(USP32−NF27−Chap<1151>−Pharmaceutical Dosage Forms)もしくはヨーロッパ薬局方(Edition 6.3 in the chapter:Preparations semi−solides pour application cutanee [Semi−solid preparations for cutaneous application])に記載されている組成物、またはアメリカ食品医薬品局(FDA)のディシジョンツリー(CDER Data Standards Manual Definitions for topical dosage Forms)に定義されている組成物を挙げることができる。したがって、本発明に係る組成物は、液体、半固体、ペースト状または固体形態、より詳細には、軟膏、油性溶液、2相ローションであってもよいローションタイプの分散物、セラム、無水または脂溶性ゲル、粉末、含浸パッド、合成洗剤、ワイプ、スプレー、ムース、スティック、シャンプー、湿布、洗浄ベース、液体または半液体の粘稠性を有するオイルイングリコールまたはグリコールインオイルタイプのエマルション、マイクロエマルション、半液体または固体の白色または着色クリームタイプの懸濁液またはエマルション、ゲルまたはポマード、マイクロスフィアもしくはナノスフィアまたは脂質もしくは高分子ベシクルの懸濁液、あるいはマイクロカプセル、マイクロ粒子またはナノ粒子、あるいは制御放出のための高分子またはゲル状パッチの形態であってもよい。
本発明は、その例示の一態様にて、組成物は、軟膏タイプの無水の医薬用または化粧用組成物である。FDAは、軟膏を、ビヒクルとしての20%未満の水と揮発性化合物、および50%を超える炭化水素、ワックスまたはポリオールを含む半固体組成物と定義している。ある場合には、揮発性物質の含有量が高く、そうした組成物は、クリームと呼ばれることがある(アメリカ食品医薬品局(FDA)のディシジョンツリー)。米国薬局方は、軟膏を、ベースが炭化水素ベースまたは吸収剤ベースまたは水洗性ベースまたは水溶性ベースという4つのクラスに属し得るビヒクルである生成物と定義している。ヨーロッパ薬局方は、軟膏を、液体または固体が分散していてもよい単相組成物と定義している。
本発明に係る軟膏は、優先的には、室温では粘度が高く、ワセリン以外の疎水性化合物を組成物の総重量に対して重量で約80%〜約98%含む組成物である。こうした化合物は、例えば、単独または混合物としての液体オイルから選択され、前記オイルは、考えられるものとしては炭化水素、エステル、植物オイルおよび/またはシリコーンオイルであり、これらは揮発性または非揮発性であり、室温で固体の脂溶性化合物、例えばワックス、バターまたは脂肪酸エステルなどによりゲル化されていてもよい。
本発明に係る製剤は、当該技術分野において承認されている任意の方法によって特性評価され得る。任意選択的に、最終生成物を特性評価するために流動閾値の測定を行ってもよい。流動閾値の測定のため、SVDIN測定用スピンドルを備えるVT550Haakeレオメータを使用した。
流動曲線は、0〜100s−1の負荷速度で25℃にて作成される。粘度の値は、4s−1、20s−1、100s−1(γ)でのせん断値で与えられる。「流動閾値(flow threshold)」(パスカル単位で表示するτ)という用語は、ファンデルワールスタイプの凝集力に打ち勝って流動を引き起こすのに必要とする力(最小せん断応力)を意味する。
<添加剤>
前述のように、本発明に係る製剤は、例示の製剤中に、記載した成分以外に1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。乳化剤。例えば、約2〜約30wt%のエチレンオキシドおよび/または約0〜約5wt%のプロピレンオキシドが、8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、アルキル基中に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノール、およびアルキルラジカル中に8〜22個の炭素原子を有するアルキルアミンに付加した付加生成物;アルキル(アルケニル)ラジカル中に8〜22個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、ならびにそのエトキシ化類似体;1〜15wt%のエチレンオキシドがヒマシ油および/または水素化ヒマシ油に付加した付加生成物;15〜60wt%のエチレンオキシドがヒマシ油および/または水素化ヒマシ油に付加した付加生成物;グリセロールおよび/またはソルビタンと12〜22個の炭素原子を有する不飽和直鎖または飽和分岐脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、ならびにこれらと1〜30wt%のエチレンオキシドとの付加物;ポリグリセロール(平均自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、12〜22個の炭素原子を有する飽和および/もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐の脂肪酸ならびに/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、ならびにそれらと1〜30wt%のエチレンオキシドとの付加物;ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、ならびに/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールの混合エステル、モノ、ジおよびトリアルキルホスファート、ならびにモノ、ジおよび/またはトリPEGアルキルホスファートおよびそれらの塩;羊毛ワックスアルコール;ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテルコポリマおよび対応する誘導体;ブロックコポリマ、例えばポリエチレングリコール−30ジポリヒドロキシステアラート;ポリマ乳化剤、例えばGoodrichのPemulenグレード(TR−1、TR−2);ポリアルキレングリコールおよび炭酸グリセロールの群のうちの少なくとも1種に由来する非イオン発生性界面活性剤。
エチレンオキシド付加生成物。エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、またはヒマシ油に付加した付加生成物は、公知の市販製品である。これらは、同族体混合物であり、その平均アルコキシ化度は、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、付加反応を行う基質との、物質量の比に相当する。エチレンオキシドがグリセロールに付加した付加生成物のC12/18脂肪酸モノおよびジエステルは、化粧用調製物のための再脂化剤として知られている。
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド。アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、その調製および使用は、先行技術から公知である。これらは特に、グルコースまたはオリゴ糖を8〜18個の炭素原子を有する第一級アルコールと反応させることによって調製される。グリコシドラジカルに関し、環状糖ラジカルが脂肪アルコールにグリコシド結合しているモノグリコシド、および好ましくは最大約8のオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドの両方が適切である。ここで、オリゴマー化度は統計学的平均値であり、この値は、こうした工業グレードの製品に一般的な同族体分布に基づいている。
部分グリセリド。適切な部分グリセリドの典型例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、および調製プロセスの微量生成物として少量のトリグリセリドを更に含み得るそれらの工業グレードの混合物である。約1〜約30wt%、好ましくは約5〜約10wt%のエチレンオキシドが前記部分グリセリドに付加した付加生成物も、同様に適切である。
ソルビタンエステル。適切なソルビタンエステルは、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノエルカ酸ソルビタン、セスキエルカ酸ソルビタン、ジエルカ酸ソルビタン、トリエルカ酸ソルビタン、モノリシノール酸ソルビタン、セスキリシノール酸ソルビタン、ジリシノール酸ソルビタン、トリリシノール酸ソルビタン、モノヒドロキシステアリン酸ソルビタン、セスキヒドロキシステアリン酸ソルビタン、ジヒドロキシステアリン酸ソルビタン、トリヒドロキシステアリン酸ソルビタン、モノ酒石酸ソルビタン、セスキ酒石酸ソルビタン、ジ酒石酸ソルビタン、トリ酒石酸ソルビタン、モノクエン酸ソルビタン、セスキクエン酸ソルビタン、ジクエン酸ソルビタン、トリクエン酸ソルビタン、モノマレイン酸ソルビタン、セスキマレイン酸ソルビタン、ジマレイン酸ソルビタン、トリマレイン酸ソルビタン、およびこれらの工業グレードの混合物である。1〜30wt%、好ましくは5〜10wt%のエチレンオキシドが前記ソルビタンエステルに付加した付加生成物も、同様に適切である。
ポリグリセロールエステル。適切なポリグリセロールエステルの典型例は、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアラート(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセロール−3ジイソステアラート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル−4イソステアラート(Isolan(登録商標)GI 34)、ポリグリセリル−3オレアート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3ジイソステアラート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアラート(Tego Care(登録商標)450)、ポリグリセリル−3蜜ろう(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル−4カプラート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル−3セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル−3ジステアラート(Cremophor(登録商標)GS 32)およびポリグリセリルポリリシノレアート(Admul(登録商標)WOL 1403)、ポリグリセリルダイマラートイソステアラート、およびこれらの混合物である。更なる適切なポリオールエステルの例は、任意選択的に1〜30wt%のエチレンオキシドと反応させた、トリメチロールプロパンまたはペンタエリトリトールとラウリン酸、ココナツ脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノ、ジおよびトリエステルである。
アニオン性乳化剤。典型的なアニオン性乳化剤は、12〜22個の炭素原子を有する脂肪族脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸など、および12〜22個の炭素原子を有するジカルボン酸、例えばアゼライン酸またはセバシン酸などである。
両性およびカチオン性乳化剤。更に、双性イオン性界面活性剤を乳化剤として使用することができる。「双性イオン性界面活性剤(zwitterionic surfactants)」という用語は、少なくとも1つの第四級アンモニウム基と少なくとも1つのカルボキシラートと1つのスルホナート基を分子中に有する表面活性化合物を指す。特に適切な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシナート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシナート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシナート、例えばココアシルアミノプロピル−ジメチルアンモニウムグリシナート、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンであって、いずれの場合もアルキルまたはアシル基中に8〜18個の炭素原子を有するもの、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシナートである。特に好ましくは、CTFA名コカミドプロピルベタインの名称で公知の脂肪酸アミド誘導体である。両性界面活性剤も同様に適切な乳化剤である。また、「両性界面活性剤(ampholytic surfactants)」という用語は、C8/18アルキルまたはアシル基とは別に、少なくとも1つの遊離のアミノ基と少なくとも1つの−COOHまたは−SOH基を分子中に含有し、内部塩を形成することができる表面活性化合物を意味する。適切な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルアミノプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸であって、いずれの場合もアルキル基中に約8〜18個の炭素原子を有する。特に好適な両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオナート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオナートおよびC12/18アシルサルコシンである。最後に、カチオン性界面活性剤も乳化剤として適切であり、エステルクワットタイプのもの、好ましくはメチル四級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の脂肪またはワックスを更に含む。
脂肪の典型例は、グリセリド、即ち、本質的に高級脂肪酸の混合グリセロールエステルからなる固体または液体の植物または動物生成物であり、適切なワックスは、とりわけ天然ワックス、例えばカンデリラワックス、カルナウバワックス、木ロウ、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマワックス、コメ胚油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリーワックス、モンタンワックス、蜜ろう、シェラックワックス、鯨ろう、ラノリン(羊毛ワックス)、尾羽脂、セレシン、オゾケライト(地ろう)、ペトロラタム、パラフィンワックス、微晶質ワックス等;化学修飾したワックス(硬ワックス)、例えばモンタンエステルワックス、サゾールワックス、水素化ホホバワックスなど、ならびに合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスなどである。脂肪に加え、適切な添加剤は、脂肪様の物質、例えばレシチンおよびリン脂質である。レシチンという用語は、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって生成するグリセロリン脂質を意味すると当業者に理解される。したがって、レシチンは、専門家の世界ではホスファチジルコリン(PC)と称されることも多い。天然レシチンの例として挙げられるのはケファリンであり、これは、ホスファチジン酸とも称され、1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体を構成する。対照的に、リン脂質は、リン酸とグリセロールとのモノエステル、好ましくはジエステル(リン酸グリセロール)を意味すると通常は理解されており、これは、一般に脂肪に分類されている。加えて、スフィンゴシンまたはスフィンゴ脂質も適切である。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の真珠光沢ワックスを更に含む。
適切な真珠光沢ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、具体的にはエチレングリコールジステアラート;脂肪酸アルカノールアミド、具体的にはココナツ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、具体的にはステアリン酸モノグリセリド;多塩基性で、任意選択的にヒドロキシ置換された、カルボン酸と、6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、具体的には酒石酸の長鎖エステル;合計して少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪物質、例えば脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪炭酸塩など、具体的にはラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸、12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子と2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールによる12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの開環生成物、ならびにこれらの混合物である。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の粘稠性調節剤および/または増粘剤を更に含む。
適切な粘稠性調節剤は、12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を有する第一級脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、および部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシドおよび/または同一鎖長の脂肪酸N−メチルグルカミドおよび/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアラートとの組合せが好ましい。適切な増粘剤は、例えば、Aerosilグレード(親水性シリカ)、多糖類、特にキサンタンガム、グアルガム、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ならびに比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノモノおよびジエステル、ポリアクリラート(例えば、Goodrich製のCarbopols(登録商標)およびPemulenグレード;Sigma製のSynthalens(登録商標);Kelco製のKeltrolグレード;Seppic製のSepigelグレード;Allied Colloids製のSalcareグレード)、ポリアクリルアミド、ポリマ、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンである。ベントナイト、例えばシクロペンタシロキサンとジステアルジモニウムヘクトライトとプロピレンカーボネートとの混合物であるBentone(登録商標)Gel VS 5PC(Rheox製)なども、特に有効であることがわかっている。界面活性剤、例えばエトキシ化脂肪酸グリセリドなど、脂肪酸とポリオール、例えばペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパンなどとのエステル、同族体分布が狭い脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、ならびに、電解質、例えば塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムも適切である。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の過脂肪剤を更に含む。
使用できる過脂肪剤は、例えばラノリンおよびレシチン、ならびにポリエトキシ化またはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、および泡安定剤としても役立つ脂肪酸アルカノールアミドなどの物質である。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の安定剤を更に含む。
使用できる安定剤は、脂肪酸の金属塩であり、例えばマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛のステアリン酸塩またはリシノール酸塩などである。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種のポリマを更に含む。
適切なカチオン性ポリマは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えばPolymer JR400(登録商標)の名称でAmercholより入手可能な四級化ヒドロキシエチルセルロースなど、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマ、四級化ビニルピロリドン−ビニルイミダゾールポリマ、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)など、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)など、四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマ、例えばアモジメチコンなど、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシ−プロピルジエチレントリアミンとのコポリマ(Cartaretins(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸と塩化ジメチルジアリルアンモニウムとのコポリマ(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ポリアミノポリアミドおよびその架橋水溶性ポリマ、カチオン性キチン誘導体、例えば、任意選択的に微結晶分散した四級化キトサンなど、ジハロアルキル、例えばジブロモブタンなどとビスジアルキルアミン、例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパンなどとの縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えば、Celanese製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16など、四級化アンモニウム塩ポリマ、例えば、Miranol製のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1などである。
適切なアニオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマは、例えば、酢酸ビニル−クロトン酸コポリマ、ビニルピロリドン−アクリル酸ビニルコポリマ、酢酸ビニル−マレイン酸ブチル−アクリル酸イソボルニルコポリマ、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマおよびそのエステル、未架橋のポリアクリル酸およびポリオールで架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−アクリレートコポリマ、オクチルアクリルアミド−メチルメタクリラート−tert−ブチルアミノエチルメタクリラート−2−ヒドロキシプロピルメタクリラートコポリマ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマ、ビニルピロリドン−ジメチルアミノエチルメタクリラート−ビニルカプロラクタムターポリマ、ならびに任意選択的に誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンである。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種のシリコーン化合物を更に含む。シリコーン化合物は、例えば、シメチコンおよびシロキサン(例えば、カプリリルメチコン、シクロメチコン、PEG−10ジメチコン、シクロペンタシロキサン)である。
適切なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ならびにアミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシドおよび/またはアルキル修飾シリコーン化合物であり、これらは、室温で液体または樹脂形態のいずれかであり得る。シメチコンも適切であり、これは、平均鎖長200〜300のジメチルシロキサン単位を有するジメチコンと水素化シリケートの混合物である。
本発明に係る組成物への使用に適したシリコーンエラストマとしては、白金族触媒の存在下で、SiH含有ジオルガノシロキサンと末端オレフィン不飽和のオルガノポリシロキサンまたはアルファ−オメガジエン炭化水素を反応させることにより、付加反応硬化によって形成されるものが挙げられる。こうしたエラストマは、他の反応方法、例えばヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンと、SiH含有ジオルガノポリシロキサンもしくはアルファオメガジエンとの脱水素反応を経由した、有機スズ化合物の存在下におけるオルガノポリシロキサン組成物の縮合硬化;または有機スズ化合物もしくはチタン酸エステルの存在下、ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンと加水分解性オルガノシロキサンとの縮合反応を用いたオルガノポリシロキサン組成物の縮合硬化;有機過酸化物触媒の存在下で熱硬化するオルガノポリシロキサン組成物の過酸化物硬化により形成されてもよい。
適切であり得るエラストマの一つのタイプは、各分子中に少なくとも2個の低級アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンまたはアルファ−オメガジエン;および少なくとも2個のケイ素が結合した水素原子を各分子中に有するオルガノポリシロキサン;および白金系触媒の付加反応硬化により調製される。ビニルなどの低級アルケニル基は、分子中のいずれの位置に存在してもよいが、分子の片末端または両末端の末端オレフィン不飽和が好適である。この成分の分子構造は、直鎖、分岐直鎖、環状または網状であってもよい。このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマ、ジメチルビニルシロキシ−末端ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ−末端ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサンコポリマ、ジメチルビニルシロキシ−末端ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマ、トリメチルシロキシ−末端ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマ、トリメチルシロキシ−末端ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマ、ジメチルビニルシロキシ−末端メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、およびジメチルビニルシロキシ−末端ジメチルシロキサン−メチル(3,3,−トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマ、デカジエン、オクタジエン、ヘプタジエン、ヘキサジエン、ペンタジエン、またはテトラジエン、またはトリジエンが挙げられる。
本発明に係る組成物への使用に適したシリコーンエラストマの例は、粉末形態であってもよく、あるいは溶媒、例えば揮発性もしくは不揮発性シリコーン、またはパラフィン系炭化水素やエステルなどのシリコーン相溶性ビヒクル中に分散または可溶化してもよい。シリコーンエラストマ粉末の例としては、Shin−Etsu製KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−103、KSP−104、KSP−105のようなビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマ、フルオロ−シリコーンエラストマであるShin−Etsu製KSP−200のようなフルオロアルキル基を含有するハイブリッドシリコーン粉末、およびフェニル基を含有するハイブリッドシリコーン粉末、例えばフェニル置換シリコーンエラストマであるShin−Etsu製KSP−300;ならびにDow Corning製のDC9506が挙げられる。シリコーン相溶性ビヒクルに分散させたシリコーンエラストマ粉末の例としては、Dow Corning Corporationの商品名9040もしくは9041、GE Siliconesの商品名SFE839、またはShin−Etsu Siliconesの商品名KSG−15、KSG−16、KSG−18を含む種々のサプライヤーにより供給されるジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマが挙げられる。KSG−15は、CTFA名がシクロペンタシロキサン/ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマである。KSG−18は、INCI名がフェニルトリメチコン/ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマである。シリコーンエラストマは、Grant IndustriesよりGransilの商標で購入することもできる。長鎖アルキル置換を有するシリコーンエラストマ、例えばShin Etsuより商品名KSG−31、KSG−32、KSG−41、KSG−42、KSG−43およびKSG−44として供給されているラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマも適切である。本発明に有用な架橋オルガノポリシロキサンエラストマおよびこれらの製造プロセスは米国特許第4,970,252号明細書;米国特許第5,760,116号明細書;米国特許第5,654,362号明細書;および日本国特許出願JP61−18708に詳細に述べられており、このそれぞれは、参照により全体が本明細書に組み込まれる。シリコーンエラストマは、優れた「感触」を組成物に与え、化粧品製剤中で非常に安定であり、かつ比較的安価であることから、本発明に係る組成物に組み込むことが特に望ましい。
1つまたは複数のシリコーンガムもまた、油相構造剤としての使用に適する。「ガム(gum)」という用語は、ガム様の質感を有するシリコーンを提供するのに十分な重合度を有するシリコーンポリマを意味する。ある場合には、ガムを形成するシリコーンポリマは、架橋されていてもよい。シリコーンガムは、典型的には25℃で約500,000〜1億cst、好ましくは約600,000〜2000万、より好ましくは約600,000〜1200万cstの範囲の粘度を有する。本明細書で言及する全ての範囲は、全ての部分範囲、例えば550,000;925,000;350万を含む。
このようなシリコーンガムは、Wacker−ChemieまたはDow Corningなどを含む様々なシリコーン製造業者から、純粋な形態で購入することができる。こうしたシリコーンガムとしては、Wacker−Belsil社から商品名CM3092、Wacker−Belsil1000またはWacker−Belsil DM 3096で販売されているものが挙げられる。ジメチコノールとも呼ばれる、XがOHであるシリコーンガムは、Dow Corning Corporationから商品名1401で入手可能である。シリコーンガムは、シリコーン相溶性ビヒクル、例えば揮発性または不揮発性シリコーン中の溶液または分散物の形態で購入することもできる。こうした混合物の一例は、Barnet SiliconesからINCI名ジメチコンを有する商品名HL−88で購入することができる。
別のタイプの油相構造剤には、室温で半固体または固体の、典型的にはアルキルシリコーンワックスと呼ばれるシリコーンワックスが含まれる。「アルキルシリコーンワックス(alkyl silicone wax)」という用語は、シロキサンに半固体または固体の特性を付与する置換長鎖アルキル(例えばC16〜30)を有するポリジメチルシロキサンを意味する。こうしたシリコーンワックスの例としては、DeGussa Care&Surface Specialtiesから商品名Abil Wax9800またはDow Corningから商品名2503で購入できるステアリルジメチコンが挙げられる。別の例は、Gransil Industriesから商品名Gransil A−18で購入できるビスステアリルジメチコン、またはベヘニルジメチコン、ベヘノキシジメチコンである。
様々なタイプの高分子化合物、例えばポリアミドまたはシリコーンポリアミドも、油相構造剤として適切である。シリコーンポリアミドという用語は、シリコーンモノマーとアミド基を含有するモノマーで構成されるポリマを意味する。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種のUV光防御フィルタを更に含む。
UV光防御因子は、例えば、室温で液体または結晶質であり、紫外線を吸収して吸収したエネルギーをそれよりも波長の長い放射、例えば熱の形態で再度放出することができる有機物質(光防御フィルタ)を意味するものと理解すべきである。UVBフィルタは、油溶性または水溶性とすることができる。油溶性物質の例は、3−ベンジリデンカンファーまたは3−ベンジリデンノルカンファーおよびその誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)カンファー;4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾアート、2−オクチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾアートおよびアミル4−(ジメチルアミノ)ベンゾアート;ケイ皮酸のエステル、好ましくは2−エチルヘキシル4−メトキシシンナマート、プロピル4−メトキシシンナマート、イソアミル4−メトキシシンナマート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−フェニル−シンナマート(オクトクリレン);サリチル酸のエステル、好ましくは2−エチルヘキシルサリチラート、4−イソプロピルベンジルサリチラート、ホモメチルサリチラート;ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ−フェノン;ベンザルマロン酸のエステル、好ましくはジ−2−エチルヘキシル4−メトキシベンザルマロナート;トリアジン誘導体、例えば、2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンおよびオクチルトリアゾンまたはジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB)など;プロパン−1,3−ジオン、例えば1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンなど;ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体である。
適切な水溶性物質は、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸ならびにそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルコアンモニウムの塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニル−イデン)スルホン酸など、ならびにその塩である。
適切な典型的なUV−Aフィルタは、特にベンゾイルメタンの誘導体、例えば1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、およびエナミン化合物などである。UV−AおよびUV−Bフィルタは、当然ながら混合物の形で使用することもできる。特に好ましい組合せは、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば4−tert−ブチル−4’−メトキシジ−ベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)および2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−フェニルシンナマート(オクトクリレン)と、ケイ皮酸のエステル、好ましくは2−エチルヘキシル4−メトキシシンナマートおよび/またはプロピル4−メトキシシンナマートおよび/またはイソアミル4−メトキシシンナマートとの組合せからなる。有利には、こうした組合せは、水溶性フィルタ、例えば2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸など、ならびにそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルコアンモニウムの塩と組み合わされる。
このような可溶性物質だけでなく、不溶性遮光顔料、即ち微分散金属酸化物または塩も、この目的に適している。適切な金属酸化物の例は、特に、酸化亜鉛および二酸化チタン、ならびに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物およびそれらの混合物である。使用し得る塩は、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛である。酸化物および塩は、皮膚ケアおよび皮膚保護エマルション、ならびに装飾用化粧品の形態で使用される。ここで、粒子は、平均粒径が100nm未満、好ましくは5と50nmの間、特に15と30nmの間とすべきである。粒子は球形の形状とすることができるが、楕円形状または球形の形態から何らかの形で逸脱した形状の粒子を使用することも可能である。顔料は、表面処理、即ち親水性化または疎水性化することもできる。典型例は、被覆二酸化チタン、例えば二酸化チタンT805(Degussa)またはEusolex(登録商標)T2000(Merck)などである。適切な疎水性コーティング剤は、ここでは主にシリコーンであり、具体的には、この場合トリアルコキシオクチルシランまたはシメチコンである。日焼け防止製品では、いわゆるミクロまたはナノ顔料の使用が好ましい。微粉化酸化亜鉛の使用が好ましい。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の生体活性原材料および/または抗酸化剤を更に含む。
生体活性原材料は、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール塩、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、精油、植物抽出物、例えばプルーン抽出物、バンバラナッツ抽出物など、ならびにビタミン複合体を意味するものと理解される。
酸化防止剤は、UV放射が皮膚を通過すると引き起こされる光化学反応連鎖を妨げる。その典型例は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびその誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンならびにそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)ならびにそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに極低耐性用量(例えばpmol〜μmol/kg)でのスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)、更には(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールならびにその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、Mgリン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体(パルミチン酸ビタミンA)、ならびにガムベンゾインのコニフェリル安息香酸エステル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアシン酸(nordihydroguaiacic acid)、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロ−フェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドディスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば酸化スチルベン、トランス酸化スチルベン)ならびに本発明に係る適切な前記活性原材料の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖類、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の抗菌剤および/または防腐剤を更に含む。
適切な抗菌剤は、原理上はグラム陽性菌に対して有効な全ての物質であり、例えば4−ヒドロキシ安息香酸ならびにその塩およびエステル、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバマート、クロルヘキシジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗菌芳香物質、チモール、タイムオイル、オイゲノール、丁子油、メントール、ミントオイル、ファルネソール、フェノキシエタノール、モノカプリン酸グリセロール、モノカプリル酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール(GML)、モノカプリン酸ジグリセロール(DMC)、サリチル酸N−アルキルアミド、例えばN−オクチルサリチルアミドまたはN−デシルサリチルアミドなど、である。
適切な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、およびSurfacins(登録商標)の名称で公知の銀錯体、ならびに化粧品指令(Cosmetics Directive)の別表6、パートAおよびBに挙げられている他のクラスのものである。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の皮膜形成剤を更に含む。
皮膜形成剤は、通常、例えば、キトサン、微晶質キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマ、アクリル酸系のポリマ、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩、ならびに同様の化合物である。
本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種の膨潤剤を更に含む。
水相のための膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土鉱物物質、ペムレン(Pemulen)、およびアルキル修飾されたカルボポール(Carbopol)グレード(Goodrich)であってもよい。他の適切なポリマおよび膨潤剤は、R.LochheadによるCosm.Toil.108、95(1993)における概説に見られる。本発明の一実施形態にて、化粧用組成物は、少なくとも1種のヒドロトロープ剤を更に含む。
流動挙動を改善するために、ヒドロトロープ剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールなどを使用することも可能である。ここで適切なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。また、ポリオールは、更なる官能基、特にアミノ基を含むこともでき、または、窒素で修飾することもできる。典型例は、グリセロール;アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および平均分子量が100〜1000ダルトンのポリエチレングリコールなど;自己縮合度が1.5〜10の工業グレードのオリゴグリセロール混合物、例えばジグリセロール含量が40〜50重量%の工業グレードのジグリセロール混合物など;メチロール化合物、例えば、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトール;低級アルキルグルコシド、特にアルキルラジカル中に1〜8個の炭素原子を有するもの、例えばメチルおよびブチルグルコシドなど;5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトールなど、5〜12個の炭素原子を有する糖、例えばグルコースまたはスクロースなど;アミノ糖、例えばグルカミンなど;ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオールである。
組成物は、少なくとも1種の結合剤を含んでもよい。使用し得る結合剤として、Brenntagが販売するステアリン酸マグネシウム、Roquetteが販売するトウモロコシデンプン、WCDが販売するタルク、Crodaが販売するコレステロール、またはDegussaが販売するシリカを挙げることができる。結合剤は、重量で0.1%と30%の間、好ましくは重量で1%と20%の間の量で使用してもよい。
添加剤の中で、挙げることができる更なる例には、単独でまたは組み合わせて採用されるものとして、ビタミン、例えばビタミンPP、ビタミンC、ビタミンE、またはナイアシンアミド;鎮静薬または抗刺激剤、例えばBertek Pharmaceuticals社が商品名Polyolprepolymer−2で販売するPPG−12/SMDIコポリマ、またはグリチルレチン酸もしくはその誘導体、例えばCognisが販売するエノキソロン;挙げることができる例として、糖類および誘導体、グリコール、グリセロールおよびソルビトール;レシチンおよびコレステロールを含む、湿潤剤または保湿剤;保存剤、例えばClariantがNipagin Mの名称で販売するメチルパラベン、ClariantがNipasolの名称で販売するプロピルパラベン、またはClariantがPhenoxetolの名称で販売するフェノキシエタノール;酸または塩基、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、水酸化ナトリウムおよびジイソプロパノールアミン;前記調製物に特定の特性を与えるための他の添加剤が含まれる。
これら例示した添加剤のそれぞれは、本発明に係る製剤にて、任意の組合せで、油性相、脂肪相に存在することができる、または相間に分布させることができる。
こうして得られた組成物の医薬としての使用も本発明の対象である。
具体的には、組成物は、色素過剰障害、例えば黒皮症、肝斑、黒子、老年性黒子、白斑、雀卵斑、擦過傷、熱傷、瘢痕、皮膚病または接触アレルギーに起因する炎症後色素過剰;母斑、遺伝的に決定された色素沈着過剰、代謝性もしくは薬物誘発性色素過剰、メラノーマ、または任意の他の色素過剰病変の処置および防止を意図した医薬を調製するために使用し得る。
本発明に係る組成物は更に、化粧品分野、特に、皮膚および外皮の光誘発性または経年老化を防止するおよび/またはそれらに対抗するために太陽光の有害な影響を予防することに用途がある。
本発明は更に、少なくとも1種の脱色素剤を含む組成物を皮膚および/またはその外皮に施用することを特徴とする、皮膚を美しくする、および/またはその表面外観を向上させるための非治療的美容処理プロセスに関する。
本発明に係る無水組成物は、相を混合する公知の標準的なプロセスを用いて当業者により得られる。
調製プロセスは、
活性剤をその脂肪性溶媒に、必要な場合には加熱によって組み込むことによって活性相を調製すること;
非活性相(複数可)を調製すること;
活性相と非活性相とを撹拌により混和すること;
というステップを含んでもよい。
<処置方法>
様々な処置、施用、調節、または改善方法が、前述の組成物を利用し得る。その一実施形態にて、方法は、組成物による改善のための色素過剰斑を特定するステップを含む。色素過剰斑は、ユーザまたは第三者、例えば皮膚科医、メーキャップ専門科、もしくは他のケア提供者が特定してもよい。特定は、皮膚を目視して、サイズおよび/または色に基づき処置が必要な色素過剰斑を探すことにより行ってもよい。特定は更に、市販の撮像装置、例えばSIAscope(登録商標)V(Astron Clinica,Ltd.、UKから入手可能)またはVISIA(登録商標)Complexion Analysisシステム(Canfield Scientific,Inc.、Fairfield、N.J.から入手可能)によって行ってもよい。両装置は、皮膚の画像を収集して色素過剰斑を特定することができる。場合によっては、方法は、組成物による処置のための複数の色素過剰斑を特定するステップを含む。
色素過剰斑の特定は、身体のいずれの皮膚表面において行われてもよい。最も関心の高い皮膚表面は、典型的には衣服によって覆われていない部分、例えば顔の皮膚表面、手および腕の皮膚表面、足および脚の皮膚表面、ならびに頸部および胸部の皮膚表面となる傾向にある。特に、色素過剰斑の特定は、額、口周囲、頤、眼窩周囲、鼻、および/または頬の皮膚表面を含む顔の皮膚表面におけるものとなり得る。
方法は、予め特定された色素過剰斑または複数の色素過剰斑に組成物を施用するステップを含んでもよい。多くの投薬計画が、組成物の色素過剰斑への施用のために存在する。組成物は、処置期間中、少なくとも1日1回、1日2回、または1日当たりより頻繁に施用してもよい。1日2回施用する場合、1回目と2回目の施用は、少なくとも1〜約12時間間隔を空ける。典型的には、組成物は、午前および/または就寝前の晩に施用してもよい。
処置期間は、理想的には色素過剰斑における改善を実現するための十分な時間である。改善は、色素過剰斑のサイズの検出可能な低下、色素過剰斑の白色化、色素過剰斑のメラニンの減少、または皮膚色調の均一化であってもよい。処置期間は、少なくとも約1週間であってもよい。処置期間は、約4週間または約8週間続いてもよい。ある種の実施形態にて、処置期間は、数カ月(即ち、3〜12カ月)または数年に及ぶ。一実施形態にて、組成物は、少なくとも約4週間または少なくとも約8週間の処置期間中、少なくとも1日1回、色素過剰斑(複数可)に施用される。一実施形態にて、組成物は、少なくとも約4週間または少なくとも約8週間の処置期間中、1日2回、色素過剰斑(複数可)に施用される。
更に別の実施形態にて、方法は、投薬計画に従って皮膚ケア組成物を施用するステップを含み、前記投薬計画は、(a)皮膚を清浄にして、清浄皮膚表面を形成すること;(b)本発明に係る組成物を清浄皮膚表面に局所的に施用することを含む。本発明に係る組成物は、毎日、毎週、または様々な投薬計画で使用されてもよい。組成物は、1日2回以上、例えば夜および午前中に使用してもよい。組成物は、特定の日に1日当たり2回以上使用してもよく、1週当たり数回のみ使用してもよい。組成物は、1日当たり3回、1日当たり2回、1日当たり1回、1週当たり6回、1週当たり5回、1週当たり4回、1週当たり3回、1週当たり2回、または1週当たり1回使用してもよい。一部の実施形態にて、組成物は、1週当たり4回、5回、6回または7回使用される。
色素過剰斑に組成物を施用するステップは、限局化された施用によって達成してもよい。組成物の施用への言及において、「限局化された(localized)」、「限局的な(local)」、または「限局的に(locally)」という用語は、組成物が、処置を必要としない皮膚表面への送達を最小化しながら、標的領域(例えば色素過剰斑)に送達されることを意味する。組成物は、色素過剰斑に施用して軽く揉み込んでもよい。限局化された施用は、組成物の妥当な量が、色素過剰斑に隣接する領域に施用されることを許容する(即ち、組成物は、何らかの広がりなしに色素過剰斑の境界内に施用されることも、とどまることも起こりにくい)ことが認識される。組成物または皮膚科学的に許容される担体の形態は、限局化された施用を容易にするように選択すべきである。本発明のある種の実施形態が、組成物を色素過剰斑に限局的に施用することを企図する一方で、本発明に係る組成物は、1つまたは複数の顔の皮膚表面により全体的にまたは広く施用されて、これらの顔の皮膚領域内における色素過剰斑の出現を抑制し得ることが理解される。
一部の実施形態にて、組成物は、限局化された施用および全体的な施用に適切な様々なアプリケータによって送達してもよい。このようなアプリケータとしては、ドロッパー、アプリケータ棒、綿棒、または他の任意適切な装置を挙げることができる。他の適切なアプリケータには、Shya Hsin Plastic Works,Inc.、台湾から入手可能なSH−0127ペンアプリケータ、およびSwabPlus,Inc.、中国から入手可能なXpress Tipまたは液体充填綿棒のいずれかが含まれる。アプリケータは、おおよその直径が約2mmと約10mmの間の色素過剰斑に組成物を容易に施用し、約1と約50μL/cmの間、または約1と約5μL/cmの間の組成物用量を実現するように構成してもよい。別の実施形態にて、組成物は、1つまたは複数の色素過剰斑に、より一般的には1つまたは複数の顔の皮膚表面に同時に(即ち、30分間未満、またはより典型的には5分未満の期間にわたって)施用される。
本明細書に記載の一部の方法では、本発明に係る組成物をアプリケータで施用することが企図されるが、アプリケータを必要とせずに、本発明に係る組成物を、人の指を用いることで、または他の従来の方法で直接施用することもできることが理解される。
皮膚表面、特に顔の皮膚表面への全体的な施用の場合、第1または第2の組成物の用量は、施用当たり(即ち、皮膚表面への1回の施用当たり)約1と約50μL/cmの間であってもよい。
適切な方法は、前述のステップのいずれか1つまたは複数を含んでもよい。前述のステップは全て、単一の色素過剰斑および複数の色素過剰斑の両方の施用、処置、調節、および/または改善に適用可能である。同様に、以下に続く例示の方法は、単一の色素過剰斑と、複数の色素過剰斑のいずれにも適用可能である。
色素過剰斑の外観を改善する適切な方法の一つは、式Iによる化合物の有効量を含む本発明に係る組成物を皮膚表面上の色素過剰斑に局所的に施用するステップを含み、組成物は、色素過剰斑の外観を改善するのに十分な期間施用される。色素過剰斑の外観を改善する別の適切な方法は、皮膚表面上の色素過剰斑を特定するステップ、式Iによる化合物の有効量を含む組成物を施用するステップを含み、組成物は、色素過剰斑の外観を改善するのに十分な期間施用される。
別の適切な方法は、炎症後色素減少の外観を改善するためのものである。方法は、皮膚表面上の炎症後色素減少の領域を特定するステップ、およびその領域に、抗炎症効果も提供する本発明に係る組成物を施用するステップを含んでもよい。前記組成物の有効量を、炎症後色素減少の領域の外観を改善するために十分な期間、少なくとも毎日施用してもよい。皮膚ケア組成物は、日焼け防止活性成分、追加の皮膚色調剤、またはそれらの組合せを更に含んでもよい。
以下の製剤例は、本発明に係る例示の組成物を示すが、その範囲を限定するものではない。構成成分の量は、組成物の総重量に対する重量パーセントで表示される。
流動閾値の測定のため、SVDIN測定用スピンドルを備えるVT550Haakeレオメータを使用した。
流動曲線は、0〜100s−1の負荷速度で25℃にて作成される。粘度の値は、4s−1、20s−1、100s−1(γ)でのせん断値で与えられる。「流動閾値」(パスカル単位で表示するτ)という用語は、ファンデルワールスタイプの凝集力に打ち勝って流動を引き起こすのに必要とする力(最小せん断応力)を意味する。
[実施例1]
<手順>:
1.溶液A:機械的撹拌を備えた250mL丸底フラスコに、10gのイソドデカン、10gのPPG−14ブチルエーテル、10gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、8gのイソノナン酸イソノニル、0.5gのベンジルアルコール、および0.05gの酢酸トコフェリルを入れた。混合物を室温で20分間撹拌し、清澄溶液を得た。
2.溶液B:磁気撹拌を備えた25mL丸底フラスコに、0.2gのBHT、6gの(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール、および6gのエタノールを入れた。混合物を室温で1時間撹拌し、清澄溶液を得た。
3.溶液Bを溶液Aに添加して溶液Cを得た。混合物Cを20分間撹拌した。次いで、エタノールのほとんどを減圧下での回転蒸発によって除去した。
4.溶液Cに、7gのカプリリルメチコン、10gのPEG−10ジメチコン、および39gのシクロペンタシロキサンを添加した。混合物を30分間撹拌し、無色の透明な調合物を得た。
[実施例2]
<手順>:
1.溶液A:機械的撹拌を備えた500mL丸底フラスコに、40gのイソドデカン、50gのPPG−14ブチルエーテル、50gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、40gのイソノナン酸イソノニル、2.5gのベンジルアルコール、および0.25gの酢酸トコフェリルを入れた。混合物を室温で20分間撹拌し、清澄溶液を得た。
2.溶液B:機械的撹拌を備えた100mL丸底フラスコに、1gのBHT、30gの(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール、および30gのイソプロピルアルコールを入れた。混合物を室温で1時間撹拌し、清澄無色の溶液を得た。
3.溶液Bを溶液Aに添加して溶液Cを得た。混合物Cを20分間撹拌した。
4.溶液Cに、35gのカプリリルメチコン、50gのPEG−10ジメチコン、および180gのシクロペンタシロキサンを添加した。混合物を30分間撹拌し、無色の調合物を得た。
[実施例3]
<手順>
1.溶液A:磁気撹拌を備えた50mL丸底フラスコに、5gのPPG−14ブチルエーテル、2.5gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、2.5gのイソノナン酸イソノニル、および2gのカプリリルメチコンを入れた。混合物を室温で20分間撹拌し、清澄無色の溶液を得た。
2.溶液B:磁気撹拌を備えた20mLガラスボトルに、0.05gのBHT、2.5gの(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール、3gのエタノール、および1滴のトリエタノールアミンを入れた。混合物を室温で1時間撹拌し、清澄無色の溶液を得た。
3.溶液Bを溶液Aに添加して溶液Cを生成した。混合物を20分間撹拌した。次いで、エタノールのほとんどを減圧下でロータリーエバポレーターを使用して除去した。
4.溶液Cに10gのシクロメチコンを添加した。混合物を30分間撹拌すると、無色透明な調合物が得られた。
[実施例4]
<手順>
1.溶液A:磁気撹拌を備えた25mL丸底フラスコに、1.6gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、1gのイソノナン酸イソノニル、1gのパルミチン酸イソプロピル、および1gの軽油、0.4gの酢酸トコフェリル、2gのセトステアリルアルコール、0.14gのBHT、0.1gのベンジルアルコール、6gのポリイソブテン、および2gのElskerベビーオイルを入れた。混合物を70℃に加温して20分間撹拌し、清澄無色の溶液を得、次いで30℃に冷却した。
2.溶液B:磁気撹拌を備えた25mL丸底フラスコに、2gの(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール、および2gのエタノールを入れた。混合物を室温で30分間撹拌し、無色透明な溶液を得た。
3.溶液Bを溶液Aに添加して溶液Cを得た。混合物Cを20分間撹拌し、無色透明な調合物を得た。
[実施例5]
<手順>
1.溶液A:磁気撹拌を備えた25mL丸底フラスコに、8.4gのElskerベビーオイル、および0.06gのBHTを入れた。混合物を室温で40分間撹拌し、清澄な無色透明溶液を得た。
2.溶液B:磁気撹拌を備えた25mL丸底フラスコに、0.6gの(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール、および0.6gのエタノールを入れた。混合物を室温で30分間撹拌し、清澄な無色透明溶液を得た。
3.溶液Bを溶液Aに添加して溶液Cを得た。混合物Cを20分間撹拌し、無色透明な調合物を得た。
[実施例6]
<手順>
1.ゲル混合物A:機械的撹拌と窒素保護を備えた1L反応器に、129gのVersagel M750、6gのイソステアリン酸イソプロピル、および10gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、および16gのパルミチン酸イソプロピル、および14gのイソヘキサデカンおよび0.6gのベンジルアルコールを入れた。混合物を80℃に加温し、その温度で40分間撹拌し、無色透明ゲルを得、次いで30℃に冷却した。
2.溶液B:機械的撹拌を備えた100mL丸底フラスコに、0.4gのBHT、20gの(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール、および24gのエタノール、および3滴のトリエタノールアミンを入れた。混合物を室温で30分間撹拌し、清澄無色の溶液を得た。
3.溶液BをゲルAに添加してゲルCを生成した。混合物Cを30分間撹拌し、続いてエタノールのほとんどを減圧下でロータリーエバポレーターを用いて除去し、乳状ゲルを得た。
参考例7]
<手順>
1.混合物A:機械的撹拌と窒素保護を備えた50mL三つ口フラスコに、20gの水、4.4gの(4−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−フェノール、4.4gのエタノール、および20gのβ−CDを入れた。混合物を室温にて一晩撹拌した。pH値を乳酸およびトリエタノールアミンで8.8に調節した。
2.混合物B:機械的撹拌器を備え、窒素保護下にある250mL三つ口フラスコに、15gの水、および0.15gのアクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマを入れた。混合物を75℃に加温しその温度で20分間撹拌した。次いで、0.04gのEDTAジナトリウム、0.2gのクロルフェネシン、および1gのブチレングリコールを混合物に順に添加し、得られた混合物をよく撹拌した。
3.混合物C:機械的撹拌と窒素保護を備えた50mL三つ口フラスコに、0.05gの酢酸トコフェリル、5gのPPG−14ブチルエーテル、2.2gのセチルアルコール、1.2gのステアリルアルコール、0.22gのBHT、1.5gのSteareth−21、および0.8gのSteareth−2を入れた。混合物を75℃に加温し、30分間撹拌して成分を溶解させた。
4.混合物Cを加熱下で混合物Bに添加し、混合物Dを得た。混合物Dを30分間撹拌し、60℃に冷却した。混合物のpHをトリエタノールアミンで7.98に調節した後、混合物を55℃に冷却した。
5.混合物Aを、55℃に加熱し、混合物Dに添加し、得られた混合物をよく撹拌してから45℃に冷却した。混合物に、0.2gのメタ重亜硫酸ナトリウム、0.14gのリン酸アスコルビルマグネシウム、0.7gのポリアミノプロピルビグアニド、および1.4gのジメチコンを添加した。得られた混合物を40分間撹拌し、次いで、35℃に冷却した。0.7gのベンジルアルコールを添加した後、混合物を30分間撹拌し、30℃に冷却し、乳状粘性クリームを得た。
6.調合物をガラスボトルに入れ、窒素保護下4℃で保存した。
[実施例8]
<手順>
1.機械的撹拌を備えた500mL反応器中、窒素ガスブランケット下、69.00gのイソドデカンの溶液に、室温で27.00gのポリイソブテン(H300)を添加した。混合物を清澄液体になるまで撹拌し、21gのPPG−14ブチルエーテル、30gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、1.5gのベンジルアルコール、0.15gの酢酸トコフェリル、21gのカプリリルメチコンおよび9gのヒュームドシリカをそれぞれ混合物に添加した。混合物を室温で5分間撹拌し、窒素ガスブランケット下、室温で清澄液体になるまで均質化した。
2.3gのセチルアルコール、3gのステアリルアルコール、0.6gのBHTをそれぞれ相Aに添加した。得られた混合物を均質になるまで70℃に加熱し、窒素ブランケット下室温に冷却した。96gのシクロペンタシロキサンおよび0.45gのトリエタノールアミンを混合物に添加し、混合物を撹拌して無色の液体を得た。
3.微細化されたテトラヒドロピラニルオキシフェノールを窒素雰囲気下で相Bに添加した。混合物を撹拌し、均質化して最終の生成物を乳状液体として得た。最終生成物のpHがpH=7.8と8.0の間であることを確認し、必要な場合にはトリエタノールアミンまたは乳酸で調節した。
参考例9]
<手順>
1.混合物A:機械的撹拌および窒素保護を備えた50mL三つ口フラスコに、20gの水および12.5gのβ−シクロデキストリンを入れた。混合物を撹拌し、pH値を乳酸およびトリエタノールアミンで8.56に調節した。混合物に、4.4gのテトラヒドロピラニルオキシフェノールを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。
2.混合物B:機械的撹拌器を備え、窒素保護下にある250mL三つ口フラスコに、22.5gの水および0.15gのアクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマを入れた。混合物を75℃に加温し、20分間撹拌した。混合物に、0.04gのEDTAジナトリウム、0.2gのクロルフェネシン、および1gのブチレングリコールを順に添加し、混合物をよく撹拌した。
3.混合物C:機械的撹拌および窒素保護を備えた50mL三つ口フラスコに、0.05gの酢酸トコフェリル、5gのPPG−14ブチルエーテル、2.2gのセチルアルコール、1.2gのステアリルアルコール、0.16gのBHT、1.5gのSteareth−21および0.8gのSteareth−2を入れた。混合物を75℃に加温し、成分が溶解するまで30分間撹拌した。
4.混合物Cを加熱下で混合物Bに添加して混合物Dを生成した。混合物Dを30分間撹拌してから60℃に冷却した。混合物のpHをトリエタノールアミンで7.73に調節してから55℃に冷却した。
5.混合物Aを55℃に加熱し、撹拌しながら混合物Dに添加してから45℃に冷却した。混合物に、0.12gのメタ重亜硫酸ナトリウム、0.08gのリン酸アスコルビルマグネシウム、0.4gのポリアミノプロピルビグアニド、および0.7gのジメチコンを添加した。混合物を55℃で40分間撹拌してから、35℃に冷却した。上記の混合物に、0.2gのベンジルアルコールを添加し、得られた混合物を30分間撹拌した。混合物を30℃に冷却した後、混合物のpHをトリエタノールアミンで7.98に調節し、乳状粘性クリームを得た。
6.調合物をガラスボトルに移し、窒素保護下4℃で保存した。
参考例10]
<手順>
1.溶液A:機械的撹拌器を備えた1L真空反応器に、184.5gのTransgel 110、12gのイソステアリン酸イソプロピル、12gのジメチコンおよび0.9gのベンジルアルコールを入れた。混合物を80℃まで加熱し、窒素保護下80℃で1時間撹拌して乳状白色ゲルを生成してから30℃に冷却した。
2.溶液B:機械的撹拌を備えた100mL丸底フラスコに、0.6gのBHT、18gのテトラヒドロピラニルオキシフェノール、および22gのエタノールを入れた。混合物を室温で30分間撹拌し、清澄無色の溶液を得た。
3.溶液Bを溶液Aに30℃で添加し、20分間撹拌した。真空ポンプを用いて減圧下でエタノールを除去し、乳状白色ゲルを生成した。乳状白色ゲルに、シクロペンタシロキサンを添加した。得られた混合物を激しく撹拌して乳状白色ゲルを形成した。
参考例11]
<手順>
1.溶液A:機械的撹拌を備えた100mL丸底フラスコに、32.24gのTransgel 110、1.5gのイソステアリン酸イソプロピル、6gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、および0.5gのベンジルアルコールを入れた。混合物を90℃まで加熱し、90℃で1時間撹拌して乳状白色ゲルを得てから40℃に冷却した。
2.溶液B:磁気撹拌を備えた25mL丸底フラスコに、0.1gのBHT、5gのテトラヒドロピラニルオキシフェノール、および5gのエタノールを入れた。混合物を室温で30分間撹拌し、清澄無色の粘性溶液を得た。
3.溶液Bを溶液Aに40℃で添加し、40℃で20分間撹拌して不透明なゲルを生成してから室温に冷却した。
4.調合物をガラスボトルに移し、窒素保護下4℃で保存した。
[実施例12]
<手順>
1.相A
機械的撹拌を備えた250mL丸底フラスコにおいて、窒素ガスブランケット下、24.00gのイソドデカンの溶液に、10.00gのポリイソブテン(H300)を室温で添加した。混合物を清澄液体になるまで撹拌した。
2.相B
相Aに、24.00gのシクロペンタシロキサン、7.30gのPPG−14ブチルエーテル、10.00gのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、0.50gのベンジルアルコール、0.05gの酢酸トコフェリル、および7.00gのカプリリルメチコンを添加した。得られた混合物を、窒素ガスブランケット下、室温で清澄液体になるまで撹拌した。
3.相C
相Bに、3.00gのヒュームドシリカを添加した。得られた混合物を撹拌し、窒素ブランケット下、室温で清澄液体になるまで均質化した。
4.相D
機械的撹拌器を備えた別の50mL丸底フラスコに、窒素ブランケット下、0.2gのBHT、6.00gのテトラヒドロピラニルオキシフェノール、8.00gのイソプロピルアルコール、および0.2gの芳香剤を添加した。混合物を清澄溶液になるまで撹拌した。
5.相E
相Dを窒素ガスブランケット下、相Cに添加した。混合物を撹拌して最終生成物を清澄液体として得た。
6.相F
生成物を窒素ブランケット下、ボトルに充填した。
本明細書に記載の実施例および実施形態は例示のみを目的としたものであり、様々な変形または変更がその観点から当業者に示唆され、本出願の趣旨および視野、ならびに添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることが理解される。本明細書に引用される、出版物、特許、および特許出願は全て、あらゆる目的のために、引用することによりその全てが本明細書に組み込まれるものとする。
なお、本願の出願当初の特許請求の範囲は以下の通りである。
[請求項1]
施用された皮膚を脱色素する、もしくは皮膚色調を明色化するのに用いられる無水の化粧用または医薬用の皮膚用製剤であって、式(I)
(式中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、ならびにR 12 は、それぞれ独立してH、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、ハロゲン、CN、CF 、アシル、−SO NR 13 14 、−NR 13 14 、−OR 13 、−S(O) 13 、−C(O)R 13 、−COOR 13 、−CONR 13 14 、−S(O) OR 13 、−OC(O)R 13 、−C(O)NR 13 14 、−NR 13 C(O)R 14 、−NR 13 SO 14 、NR 13 C(O)NR 14 15 、C(NR 13 )R 10 、および−NO から選択されるものであり、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 、ならびにR 12 のうちの2つ以上は、それらが結合している原子と共に任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールから選択されるものである環系を形成し;
13 、R 14 、ならびにR 15 は、それぞれ独立してH、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、ならびに置換または非置換ヘテロシクロアルキルから選択されるものであり、R 13 、R 14 、ならびにR 15 のうちの2つ以上は、それらが結合している原子と共に任意選択的に結合して、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールから選択されるものである5〜7員環を形成し;
Mは、H、またはフェノールの塩の対イオン成分である)
による構造を有する活性脱色素剤を含む、製剤。
[請求項2]
式(I)による前記化合物がデオキシアルブチンである、請求項1に記載の製剤。
[請求項3]
式(I)による前記化合物が、デオキシアルブチンであり、前記製剤が、添加されたヒドロキノン、および前記デオキシアルブチンのヒドロキノンへの分解によって生成されたヒドロキノンのいずれをも本質的に含まない、請求項1または2に記載の製剤。
[請求項4]
式(I)による前記活性剤のための溶媒である油性相を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製剤。
[請求項5]
式(I)による前記活性剤が溶解しているアルコール油性相を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製剤。
[請求項6]
前記油性相が、式(I)による前記活性剤が溶解しているアルコール油性相を含み、前記油性相が、皮膚科学的に許容される担体、例えばゲル、ペースト、またはクリームに組み込まれており、前記皮膚科学的に許容される担体が有機ケイ素化合物を含む、請求項4に記載の製剤。
[請求項7]
式(I)による前記活性剤が溶解しているアルコール油性相を含み、前記アルコール油性相が、皮膚科学的に許容される担体、例えばゲル、ペースト、およびクリームに組み込まれている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製剤。
[請求項8]
式(I)による前記活性剤が溶解しているアルコール油性相を含み、前記アルコール油性相が、皮膚科学的に許容される担体、例えばゲル、ペースト、およびクリームに組み込まれており、前記皮膚科学的に許容される担体が有機ケイ素化合物を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製剤。
[請求項9]
式(I)による前記化合物が、粒子状固体として前記製剤に組み込まれている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製剤。
[請求項10]
前記粒子状固体の粒径が直径約0.01μm〜約1,000μmである、請求項9に記載の製剤。
[請求項11]
前記粒子状固体の粒径が直径約0.1μm〜約100μmである、請求項10に記載の製剤。
[請求項12]
前記粒子状固体の粒径が直径約0.2μm〜約50μmである、請求項10に記載の製剤。
[請求項13]
前記活性剤がデオキシアルブチンである、請求項9〜12のいずれか一項に記載の製剤。
[請求項14]
前記活性剤が少なくとも部分的に溶解している脂肪相を更に含む、請求項1に記載の製剤。
[請求項15]
前記活性剤がデオキシアルブチンである、請求項14に記載の製剤。
[請求項16]
皮膚を明色化または脱色素する方法であって、処置を要する皮膚に、請求項1〜15のいずれか一項に記載の製剤の治療的有効量を局所的に施用することを含む、方法。

Claims (25)

  1. 施用された皮膚を脱色素する、もしくは皮膚色調を明色化するのに用いられる無水の化粧用または医薬用の皮膚用製剤であって、
    活性脱色素剤であるデオキシアルブチンと、
    前記活性脱色素が不溶である脂肪相と、
    前記活性脱色素が溶解されて、前記製剤の総重量に対して1重量%〜20重量%の油性相であって、エタノールおよび/またはイソプロパノールからなる油性相と
    を含み、
    前記製剤が、前記製剤の総重量に対して0.5重量%未満の水を含み、
    40℃で60日間保存された前記製剤が、添加されたヒドロキノンおよび前記デオキシアルブチンのヒドロキノンへの分解によって生成されたヒドロキノンのいずれかを20ppm未満で含む、製剤。
  2. 前記脂肪相が、皮膚科学的に許容される担体であり、前記油性相が、前記皮膚科学的に許容される担体に組み込まれている、請求項1に記載の製剤。
  3. 前記皮膚科学的に許容される担体が、ゲル、ペースト、軟膏、またはクリームである、請求項2に記載の製剤。
  4. 前記脂肪相が、皮膚科学的に許容される担体であり、前記油性相が、前記皮膚科学的に許容される担体に組み込まれており、前記皮膚科学的に許容される担体が、有機ケイ素化合物を含む、請求項1に記載の製剤。
  5. 前記皮膚科学的に許容される担体が、ゲル、ペースト、軟膏、またはクリームである、請求項4に記載の製剤。
  6. 前記製剤の総重量に対して0.01%重量以下の水を含む、請求項1に記載の製剤。
  7. 施用された皮膚を脱色素する、もしくは皮膚色調を明色化するのに用いられる無水の化粧用または医薬用の皮膚用製剤であって、
    活性脱色素剤であるデオキシアルブチンと、
    前記活性脱色素が不溶である脂肪相と、
    前記活性脱色素が溶解されて、前記製剤の総重量に対して1重量%〜20重量%の油性相と
    を含み、
    前記製剤が、前記製剤の総重量に対して0.5重量%未満の水を含み、
    前記デオキシアルブチンのみが、前記製剤中の前記活性脱色素であり、
    40℃で60日間保存された前記製剤が、添加されたヒドロキノンおよび前記デオキシアルブチンのヒドロキノンへの分解によって生成されたヒドロキノンのいずれかを20ppm未満で含む、製剤。
  8. 前記製剤の総重量に対して0.01%重量以下の水を含む、請求項7に記載の製剤。
  9. 前記油性相が、アルコール油性相である、請求項7に記載の製剤。
  10. 前記脂肪相が、皮膚科学的に許容される担体であり、前記油性相が、前記皮膚科学的に許容される担体に組み込まれており、前記皮膚科学的に許容される担体が有機ケイ素化合物を含む、請求項9に記載の製剤。
  11. 前記皮膚科学的に許容される担体が、ゲル、ペースト、軟膏、またはクリームである、請求項10に記載の製剤。
  12. 前記油性相が、アルコール油性相であり、前記脂肪相が、皮膚科学的に許容される担体であり、前記アルコール油性相が、前記皮膚科学的に許容される担体に組み込まれている、請求項7に記載の製剤。
  13. 前記皮膚科学的に許容される担体が、ゲル、ペースト、軟膏、またはクリームである、請求項12に記載の製剤。
  14. 前記油性相が、アルコール油性相であり、前記脂肪相が、皮膚科学的に許容される担体であり、前記アルコール油性相が、皮膚科学的に許容される担体に組み込まれており、前記皮膚科学的に許容される担体が有機ケイ素化合物を含む、請求項7に記載の製剤。
  15. 前記皮膚科学的に許容される担体が、ゲル、ペースト、軟膏、またはクリームである、請求項14に記載の製剤。
  16. 施用された皮膚を脱色素する、もしくは皮膚色調を明色化するのに用いられる無水の化粧用または医薬用の皮膚用製剤であって、
    活性脱色素剤であるデオキシアルブチンと、
    前記活性脱色素が不溶である脂肪相と
    を含み、
    前記活性脱色素が、前記活性脱色素からなる粒子状個体として懸濁されており、
    前記製剤が、前記製剤の総重量に対して0.5重量%未満の水を含み、
    40℃で60日間保存された前記製剤が、添加されたヒドロキノンおよび前記デオキシアルブチンのヒドロキノンへの分解によって生成されたヒドロキノンのいずれかを20ppm未満で含む、製剤。
  17. 前記製剤の総重量に対して0.01%重量以下の水を含む、請求項16に記載の製剤。
  18. 前記脂肪相が、皮膚科学的に許容される担体であるか、前記皮膚科学的に許容される担体に組み込まれている、請求項16に記載の製剤。
  19. 前記皮膚科学的に許容される担体が有機ケイ素化合物を含む、請求項18に記載の製剤。
  20. 前記皮膚科学的に許容される担体が、ゲル、ペースト、軟膏、またはクリームである、請求項18に記載の製剤。
  21. 前記粒子状固体の粒径が直径0.01μm〜1,000μmである、請求項16に記載の製剤。
  22. 前記粒子状固体の粒径が直径0.1μm〜100μmである、請求項21に記載の製剤。
  23. 前記粒子状固体の粒径が直径0.2μm〜50μmである、請求項22に記載の製剤。
  24. 前記デオキシアルブチンのみが、前記製剤中の前記活性脱色素である、請求項16に記載の製剤。
  25. 皮膚を明色化または脱色素するために処置を要する皮膚に有効な量で局所的に施用される請求項1〜24のいずれか一項に記載の製剤。
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