JP5377885B2 - セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック基板の製造方法に関し、特にウエハ検査用基板として好適に使用することが可能なセラミック基板の製造方法に関する。
近年、IC検査としてSiウエハ単位で検査を行うような要求が高くなっている。その際、Siウエハの大型化が進み、現在ではφ300mm(12インチ)のSiウエハに対しても検査を行うことが要求されるようになっている。これらのウエハを検査するに際しては、測定治具にウエハ上のパッドと接触するような接続端子を形成することが必要となる。
前記測定治具は、検査対象であるウエハに対して繰り返し接触して使用するものであるため、前記測定治具を構成する基板にも上述した繰り返しの測定に耐えうるような高強度のものが要求されている。かかる観点より、前記測定治具の基板としてはセラミック基板が使用されるようになってきている。しかしながら、通常の製造方法では、焼成時の収縮等によって、上述した接続端子を高精度に形成できるような寸法精度を有するセラミック基板を得ることが困難となっている。
寸法精度を高めるセラミック基板の製造方法としては、無収縮焼成技術が挙げられる。その中でも、前記セラミック基板を構成するグリーンシート積層体が焼成する温度では焼成しないような高い焼成温度の材料からなる拘束シートを前記グリーンシート積層体の上面及び下面に配置することによって、前記グリーンシート積層体の焼成時における平面方向の収縮を抑制し、目的とする前記セラミック基板の寸法精度を向上させる試みがなされている。
なお、上記無収縮焼成技術においては、上述のように平面方向の収縮は抑制されるものの、厚さ方向への収縮が顕著となる。
上記測定治具を作製するに際しては、上述のような工程を経ることによって作製されたセラミック基板の一方の主面上にウエハ検査用の接続端子を形成する。しかしながら、前記接続端子も、上述のような測定治具の繰り返し使用に伴って、検査対象であるウエハに対して繰り返し接触する必要が生じる。かかる観点から、前記接続端子の、前記セラミック基板に対する高密着強度及び高接続信頼性が要求される。
このような条件を満足するには、例えば上述のような無収縮焼成技術を用いて作製したセラミック基板の、前記拘束シートを除去した後の、前記接続端子が形成される面の状態を適切に制御することが要求される。
例えば、特許文献1では、上述のような無収縮焼成技術を用いてセラミック基板を作製した後、この基板の表面に研磨処理を施し、その表面粗さを所定の値とすることによって、前記セラミック基板の表面における接続端子の接続強度を向上させる技術が開示されている。
また、特許文献2では、粗研磨した際に発生する改質層を、遊離砥粒を用いて除去することで、表面に形成する接続導体との接続強度を向上させる技術が開示されている。さらに、特許文献3では、接続導体が形成される部分に組成の異なるセラミック基材を配置することによって、前記接続導体とセラミック基材との接合強度を向上させる技術が開示されている。
特許第2784527号 特開平5−75264号 特開2005−210030号
しかしながら、特許文献1及び2に開示されたような、セラミック基板の表面粗さを制御したり、改質層を除去したりするのみでは、前記セラミック基板の前記表面と接続端子との接続強度を十分に向上させることができなかった。また、特許文献3に開示されたように、単に組成の異なるセラミック部材を追加で形成した場合では、前記接続端子との接続強度を十分に向上させることができないでいた。さらに、特許文献3の方法では、元のセラミック基板と追加の前記セラミック部材との接続強度が低下し、その結果、前記セラミック基板と前記接続端子との接続強度が劣化してしまうという問題もあった。
本発明は、接続端子との密着性、すなわち接合強度に優れた、新規なセラミック基板を製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
結晶性のフィラーと、ガラスとを含む複数のグリーンシートを準備する工程と、
前記複数のグリーンシートの少なくとも一つの主面上において導体層を形成する工程と、前記複数のグリーンシートを積層してグリーンシート多層体を形成する工程と、
前記グリーンシート多層体の上面及び下面に、前記複数のグリーンシートそれぞれの焼成温度よりも高い焼成温度を有する材料で構成される拘束層を圧着する工程と、
前記拘束層が圧着した状態で、前記グリーンシート多層体を焼成してセラミック焼成体を得る工程と、
前記セラミック焼成体の、上面及び下面において残存する前記拘束層を除去する工程と、
前記残存する拘束層を除去した後、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方を、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方に露出した前記フィラーの占有面積Srと、前記セラミック焼成体の内部であって前記セラミック焼成体を半分の厚さになるまで研磨して得られる研磨面における前記フィラーの占有面積Svとの比率Sr/Svが0.95〜1.05となるように研磨する工程と、
を具えることを特徴とする、セラミック基板の製造方法に関する。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を実施した。その結果、セラミック基板の表面と接続導体との密着性、すなわち接続強度は、前記セラミック基板の表面に露出しているフィラー成分の割合が極めて重要であることを見出した。
すなわち、本発明では、目的とするセラミック基板の寸法精度を高めるべく、無収縮焼成技術を採用しているが、この製造過程において、その表面に拘束層(拘束シート)を設けているので、前記拘束層と焼成前のグリーンシートとの組成差によって前記グリーンシート中のガラス成分が前記拘束層中へ拡散する。このことから、焼成後の状態においては、前記拘束層と得られたセラミック基板との界面付近では組成の変動が生じ、前記拘束層を除去した前記セラミック基板の厚さ方向においては、その表面から内方に向けてガラス分及びフィラー分の多い部分や少ない部分(不均一層)が発生してしまうことを見出した。
したがって、従来においては、上記のようなセラミック基板の表面に接続端子を形成する場合においては、実質的に上述した不均一層上に接続端子が形成されることになるので、前記不均一層の表面に露出したフィラー成分の割合に応じて、前記接続端子の接合強度が変動してしまう。
そこで、本発明では、上述した状況に鑑みて、結晶性のフィラーと、ガラスとを含む複数のグリーンシートを積層してなるグリーンシート多層体を、その上面及び下面に拘束層が圧着した状態で焼成してセラミック焼成体を得、前記拘束層を除去した後、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方を研磨し、研磨した前記上面及び前記下面の少なくとも一方に露出した前記フィラーの占有面積Srと、前記セラミック焼成体の内部であって前記セラミック焼成体を半分の厚さにまで研磨して得られる研磨面における前記フィラーの占有面積Svとの比率Sr/Svが0.95〜1.05となるようにしている。
この場合、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方と、前記セラミック焼成体の内部における前記フィラーの占有面積が実質的に同一であると判断できるので、上述した研磨によって前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方に存在する、上述した不均一層がほぼ完全に除去されたことが分かる。したがって、このような研磨処理を実施した後の前記セラミック焼成体をセラミック基板として用い、研磨処理した前記上面及び前記下面の少なくとも一方を接続端子の接合面として使用することによって、前記接合端子との接合強度に優れたセラミック基板を得ることができる。
なお、比率Sr/Svが0.95よりも小さい場合、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方におけるフィラーの占有面積が、前記セラミック焼成体内部のフィラーの占有面積よりも小さいことを示し、比率Sr/Svが1.05よりも大きい場合、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方におけるフィラーの占有面積が前記セラミック焼成体内部のフィラーの占有面積よりも小さいことを示している。すなわち、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方付近には、前記セラミック焼成体内部とフィラーやガラスの存在割合が異なる上述した不均一層が残存することを意味する。
なお、一般には、前記研磨の工程において、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方から、厚さ方向において50μm以上の深さまで研磨を実施することによって、上述した要件を満足するセラミック基板を得ることができる。
また、本発明では、上述のように、グリーンシート多層体を、その上面及び下面に拘束層を圧着した状態で焼成してセラミック焼成体を得、その後にセラミック基板を得るようにしている。すなわち、本発明においても、いわゆる無収縮焼成技術を用いてセラミック基板を得ている。したがって、従来同様に、前記セラミック基板の寸法精度を向上させることができる。
この場合、特に、前記セラミック焼成体を得る工程において、前記グリーンシート多層体に対して上下方向から0.1MPa〜0.5MPaの圧力で加圧しながら焼成すれば、前記グリーンシート多層体の厚さが大きい場合においても、前記グリーンシート多層体の厚さ方向の略中心部における内側への収縮を抑制することができ、得られるセラミック焼成体、すなわちセラミック基板の寸法精度をさらに向上させることができる。
なお、本発明の一態様において、研磨後の前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方に露出した前記フィラーの占有面積Srの、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方の面積に対する割合を、0.30〜0.45とすることができる。
前記割合が0.45を超えると、前記セラミック焼成体中に占めるガラスの割合が減少してしまい、上述した加圧をしながら焼成を行う焼成処理においても、十分に緻密化ならびに収縮を抑制することができず、前記セラミック焼成体、すなわち前記セラミック基板の寸法精度を十分に向上させることができないばかりでなく、セラミック基板の機械的特性も低下してしまう場合がある。一方、前記割合が0.30よりも小さいと、表面に露出するフィラーの割合が小さくなってしまい、接続端子との密着強度が劣化してしまう場合がる。
したがって、本態様のように、研磨後の前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方に露出した前記フィラーの占有面積Srの、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方の面積に対する割合を、0.30〜0.45とすれば、得ようとするセラミック基板の寸法精度と、かかるセラミック基板への接続端子の密着強度とをバランスさせることができる。
以上説明したように、本発明によれば、接続端子との密着性、すなわち接続端子との接合強度に優れた、新規なセラミック基板を製造する方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1〜図6は、本発明のセラミック基板の製造方法の一例を示す工程図である。なお、図4は、図3の領域Aの部分、すなわちセラミック焼成体と拘束層との界面付近を拡大して示す図であり、図6は、前記拘束層を除去した後の、前記セラミック焼成体の表面付近を拡大して示す図である。また、以下に示す製造方法はあくまで一例であって、本発明は以下の方法に限定されるものではない。
最初に図1に示すように合計5つのグリーンシート111〜115を準備し、これらを順次に積層してグリーンシート多層体11を作製する。なお、グリーンシート112の主面には内部導体層112Aが形成されており、グリーンシート113の主面及び裏面にも、同じく内部導体層113Aが形成されている。また、グリーンシート114の主面にも同じく内部導体層114Aが形成されている。
また、グリーンシート112内には、内部導体層112A及び113Aを電気的に接続するビア導体層112Bが形成されており、グリーンシート114内には、内部導体層113A及び114Aを電気的に接続するビア導体層114Bが形成されている。さらに、グリーンシート111及び115内には、後に得るセラミック基板の外部導体層や接続端子等と内部導体層111A及び114A等とを電気的に接続するためのビア導体層111B及び115Bが形成されている。
なお、本例では、グリーンシートの数を5つにしているが、必要に応じて任意の数とすることができる。また、内部導体層及びビア導体層の形態並びに数についても必要に応じて任意に設定することができる。さらに、内部導体層及びビア導体層を形成すべきグリーンシートについても、任意の選択し、設定することができる。
グリーンシート111〜115は、結晶性のフィラーと、ガラスとを含む。
結晶性フィラーとしては、石英、アルミナ、酸化ジルコニウム、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシア、ジルコン酸カルシウム、珪酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム等を挙げることができる。特に結晶性に優れ、焼成時においても収縮せずに寸法精度を劣化させることがなく、また、Siウェハとの熱膨張挙動が近似するような特性を与え、また、最終的に得たセラミック基板の表面に形成する接続端子等との接続強度に優れる等の観点からムライトが好ましい。
ガラスは、少なくともSiOを含み、さらに、Al、B、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の酸化物成分を含有するもの、例えば、SiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系(MはCa、Sr、Mg、BaまたはZn)等のホウケイ酸ガラス;アルカリ珪酸ガラス;Ba系ガラス;Pb系ガラス;Bi系ガラス等が挙げられる。
なお、グリーンシート111〜115を作製するに際しては、上述した結晶性フィラーとガラスとを、所定のバインダ及び必要に応じて溶剤、可塑剤等を混合してセラミックスラリーとした後、ドクターブレード法、圧延法、プレス法等の手法によって作製する。
また、ビア導体層112B等を形成する場合は、上述のようにして形成したグリーンシートに対して孔あけ加工を実施した後、所定の導体を充填することによって形成する。なお、内部導体層112A等は、上述のようにして形成したグリーンシートに対してスクリーン印刷、メッキ等を施すことによって形成する。
内部導体層112A及びビア導体層112B等は、Ag,Au,Ag/Pt及びAg/Pdからなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。これらの金属は電気的良導体であるとともに化学的に安定であるため、以下に説明する焼成の工程を経ても安定に存在することができ、導体層としての機能を失うことがない。
次いで、図2に示すように、グリーンシート多層体11の上面及び下面に一対の拘束層12を形成する。この拘束層12は、以下に示す焼成工程において焼成されないように、前記グリーンシートの焼成温度よりも高い焼成温度を有する材料で構成する。例えば、アルミナ、ムライトもしくはマグネシアから構成する。
次いで、図2に示す状態でグリーンシート多層体11を焼成する。焼成雰囲気は、大気中とするが、不活性ガスや窒素ガス雰囲気を用いても問題無く、焼成温度は800〜1000℃とすることができる。なお、焼成時間は数分から数十分のオーダである。すると、グリーンシート多層体11は焼成されて、図3に示すようなセラミック焼成体13となる。なお、本例では、グリーンシート多層体11を拘束層12で圧着して焼成しており、いわゆる無収縮焼成技術を用いてグリーンシート多層体11を焼成するようにしているので、セラミック焼成体13、しいては最終的に得るセラミック基板の寸法精度を向上させることができる。
なお、上記焼成工程において、グリーンシート多層体11は、上下方向から拘束層12を介して0.1MPa〜0.5MPaの圧力Pで加圧しながら焼成することができる。この場合、グリーンシート多層体12の厚さ方向の略中心部における矢印で示すような内側への収縮を抑制することができ、セラミック焼成体13、すなわちセラミック基板の寸法精度をさらに向上させることができる。
なお、図3に示すようなセラミック焼成体13を得た際には、図4に拡大して示すように、グリーンシート115と拘束層12との界面には不均一層116が形成される。この不均一層116は、上述した焼成工程において、グリーンシート115から拘束層12に向けてグリーンシート115内のガラスが拡散及び浸透して形成されたものである。したがって、不均一層116内には、ガラス分の多い部分及び少ない部分が存在して不均一となる。また、上述したガラスの拡散及び浸透に伴って結晶性フィラーも移動し、不均一層116内では、前記ガラスの分布が不均一になることに依存して、前記結晶性フィラーの分布も不均一となる。
このため、本例では、図5に示すように拘束層12を除去した後に、セラミック焼成体13の上面を研磨する。この研磨は、図6において実線で示すような領域まで行い、上述した不均一層116を除去するようにする。
不均一層116を除去すれば、セラミック焼成体13の表層部分が露出するようになるので、露出した前記フィラーの占有面積Srと、セラミック焼成体13の内部における前記フィラーの占有面積Svとの比率Sr/Svは0.95〜1.05なる関係を満足するようになる。したがって、研磨後のセラミック焼成体をセラミック基板とすれば、前記研磨面に接続端子を形成した際に、表面に露出したフィラーの存在によって前記接続端子は前記セラミック基板に対して高い接合強度を呈するようになる。
結果として、接続端子との密着性、すなわち接合強度に優れた、新規なセラミック基板を得ることができる。
なお、比率Sr/Svが0.95よりも小さい場合、セラミック焼成体13の表面におけるフィラーの占有面積が、セラミック焼成体13内部のフィラーの占有面積よりも小さいことを示し、比率Sr/Svが1.05よりも大きい場合、セラミック焼成体13の前記表面におけるフィラーの占有面積がセラミック焼成体13内部のフィラーの占有面積よりも小さいことを示している。すなわち、このような場合は、上述した不均一層116が残存することを意味する。
なお、一般には、前記研磨の工程において、セラミック焼成体13の、図6に示す表面から、厚さ方向において50μm以上の深さまで研磨を実施すれば、図中実線で示す深さまで研磨が達するようになるので、上述した要件を満足するセラミック基板を得ることができる。
また、研磨後のセラミック焼成体13の表面におけるフィラーの占有面積Srの、セラミック焼成体13の表面全体の面積に対する割合は、0.30〜0.45であることが好ましい。
前記割合が0.45を超えると、セラミック焼成体13中に占めるガラスの割合が減少してしまい、上述した加圧をしながら焼成を行う焼成処理においても、十分に緻密化ならびに収縮を抑制することができず、セラミック焼成体13、すなわち目的とするセラミック基板の寸法精度を十分に向上させることができないばかりでなく、セラミック基板の機械的特性も低下してしまう場合がある。一方、前記割合が0.30よりも小さいと、表面に露出するフィラーの割合が小さくなってしまい、接続端子との密着強度が劣化してしまう場合がある。
したがって、上述のように、研磨後のセラミック焼成体13の表面におけるフィラーの占有面積Srの、セラミック焼成体13の表面全体の面積に対する割合を、0.30〜0.45とすれば、得ようとするセラミック基板の寸法精度と、かかるセラミック基板への接続端子の密着強度とをバランスさせることができる。
なお、上記例では、セラミック焼成体13の上面部分に着目し、かかる部分に形成される不均一層116及び研磨工程について説明したが、セラミック焼成体13の下面部分も同様である。
(グリーンシートの作製)
SiO,Al,B及びZnOを主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末とムライト粉末とを、重量比で50:50、総量で1kgとなるようにしてアルミナ製のポットに入れ、さらにアクリル樹脂バインダ120g、溶剤(MEK)及び可塑剤(DOP)を前記ポットに入れて、5時間混合し、セラミックスラリーを得た。次いで、このセラミックスラリーからドクターブレード法により厚み0.15mmのグリーンシートを得た。なお、前記ムライト粉末の平均粒径は3μmであり、比表面積は3m/gであった。
(拘束層の作製)
前記ホウケイ酸系ガラス粉末及びムライト粉末に代えてアルミナ粉末を用いた以外は、上記グリーンシートの作製方法と同様にして厚さ0.3mmの拘束層を得た。
(セラミック基板の作製)
上述のようにして得たグリーンシートに孔あけ加工を施すとともに導体を充填し、ビア導体層を形成するとともに、各グリーンシート上に内部導体層を形成して、図1に示すようなグリーンシート多層体を得た。次いで、このようにして得たグリーンシート多層体の上面及び下面に、図2に示すようにして上述の拘束層を圧着し、0.2MPaの圧力を負荷しながら、850℃で30分間焼成し、図3に示すようなセラミック焼成体を得た。
次いで、上記拘束層を除去した後、#400のアルミナ砥粒を用い、ラップ研磨機により、図5及び6に示すように、厚さ方向に所定量の深さに研磨処理を実施した後、ダイヤモンド研磨(粒径10μm以下)で、上記セラミック焼成体の両面を研磨し、目的とするセラミック基板を得た。
(セラミック基板の評価)
上述のようにして得たセラミック基板の、アルミナ砥粒による研磨面上に、スパッタ、メッキ及び露光現像処理を行うことによって導体層を形成し、この導体層の接合強度を調べた。なお、接合強度は、スパッタ法およびメッキ法を用いて作製した薄膜を露光現像処理することにより□100μm×t40μmのパッドを作製し、そのパッドの側方より高さ10μmの高さにてシェアテスター(DAGE4000)を用いてシェア強度を測定した。得られた強度とパッドの接着面積(10000μm)から接合強度を導出した。
また、セラミック焼成体(セラミック基板)のアルミナ砥粒による研磨面に露出したフィラーの占有面積Srは、10%濃度の硫酸に室温で30分間浸漬し、電子顕微鏡(倍率2000倍)で観察して導出した。なお、前記観察に際しては得られた画像に対して2値化処理を実施した。また、セラミック焼成体(セラミック基板)の内部におけるフィラーの占有面積Svは、前記セラミック焼成体(セラミック基板)を#400のアルミナ砥粒及び粒径5μmのダイヤモンド砥粒を用いて厚さが半分になるまで研磨し、得られた研磨面を10%濃度の硫酸に室温で30分間浸漬し、電子顕微鏡(倍率2000倍)で観察して導出した。
なお、導出に際しては、5箇所の観察結果の平均値を上記Sr及びSvとした。
表1に、セラミック焼成体(セラミック基板)におけるフィラーの占有面積Srと、占有面積Svとの比率Sr/Sv、並びに前記導体層の接合強度の測定値を示す。
Figure 0005377885
表1から明らかなように、本発明にしたがって、セラミック焼成体(セラミック基板)におけるフィラーの占有面積Srと、占有面積Svとの比率Sr/Svが、0.95〜1.05の範囲にある場合(実施例1〜4)は、得られたセラミック基板と導体層との接合強度は15mg/μm以上と高く、ばらつきも小さい。
一方、比率Sr/Svが0.88及び1.10の場合(比較例1及び2)は、接合強度が15mg/μm以上の場合となる場合があるが、ばらつきが大きく、安定性及び信頼性に劣ることが分かる。また、Srが0.5の場合(比較例3)は、上述した焼成条件では緻密化せず、目的とするセラミック基板を得ることができなかった。
以上、本発明を具体例を挙げながら詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
本発明のセラミック基板の製造方法の一例を示す工程図である。 同じく、本発明のセラミック基板の製造方法の一例を示す工程図である。 同じく、本発明のセラミック基板の製造方法の一例を示す工程図である。 同じく、本発明のセラミック基板の製造方法の一例を示す工程図である。 同じく、本発明のセラミック基板の製造方法の一例を示す工程図である。 同じく、本発明のセラミック基板の製造方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
11 グリーンシート多層体
111〜115 グリーンシート
12 拘束層
13 セラミック焼成体
116 不均一層

Claims (6)

  1. 結晶性のフィラーと、ガラスとを含む複数のグリーンシートを準備する工程と、
    前記複数のグリーンシートの少なくとも一つの主面上において導体層を形成する工程と、前記複数のグリーンシートを積層してグリーンシート多層体を形成する工程と、
    前記グリーンシート多層体の上面及び下面に、前記複数のグリーンシートそれぞれの焼成温度よりも高い焼成温度を有する材料で構成される拘束層を圧着する工程と、
    前記拘束層が圧着した状態で、前記グリーンシート多層体を焼成してセラミック焼成体を得る工程と、
    前記セラミック焼成体の、上面及び下面において残存する前記拘束層を除去する工程と、
    前記残存する拘束層を除去した後、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方を、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方に露出した前記フィラーの占有面積Srと、前記セラミック焼成体の内部であって前記セラミック焼成体を半分の厚さになるまで研磨して得られる研磨面における前記フィラーの占有面積Svとの比率Sr/Svが0.95〜1.05となるように研磨する工程と、
    を具えることを特徴とする、セラミック基板の製造方法。
  2. 研磨後の前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方に露出した前記フィラーの占有面積Srの、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方の面積に対する割合が、0.30〜0.45であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック基板の製造方法。
  3. 前記研磨する工程において、前記セラミック焼成体の前記上面及び前記下面の少なくとも一方から、厚さ方向において50μm以上の深さまで研磨を実施することを特徴とする、請求項1又は2に記載のセラミック基板の製造方法。
  4. 前記フィラーはムライトであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のセラミック基板の製造方法。
  5. 前記導体層は、Ag,Au,Ag/Pt及びAg/Pdからなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載のセラミック基板の製造方法。
  6. 前記セラミック焼成体を得る工程において、前記グリーンシート多層体に対して上下方向から0.1MPa〜0.5MPaの圧力で加圧しながら焼成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のセラミック基板の製造方法。
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