JP5377372B2 - ウレタン系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウレタン系樹脂粒子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、その製造工程において非反応性有機溶媒を用いないウレタン系樹脂粒子及びその製造方法に関する。
種々の用途に用いられるポリマー粒子には、ポリスチレン粒子、ナイロン粒子、(メタ)アクリル粒子、ポリウレタン粒子等の種類がある。これらの粒子の特性として、(メタ)アクリル粒子は硬いが脆い、ポリスチレン粒子は耐光性に優れない、ナイロン粒子は耐水性に劣る、ポリウレタン粒子は弾力性に優れるがイソシアネートを使用しているため耐光性に優れないということが知られており、問題となっていた。
このような問題を改善する従来技術としては、ポリウレタン−ポリ(メタ)アクリレート共重合体からなる(メタ)アクリルウレタン樹脂粒子が知られている(特許文献1)。この(メタ)アクリルウレタン樹脂粒子は、耐光性、弾力性、耐摩耗性、耐衝撃性、機械的強度が優れたものであり、プラスチック、塗料、接着剤、化粧品、光学フィルム等のフィラーとして用いることができる。例えば、塗料のフィラーとしてウレタン系樹脂粒子を用いた場合には、(メタ)アクリルウレタン樹脂粒子は触感改良剤、艶消し剤、意匠性付与着色剤などとして機能して、塗膜に柔らか味やソフト感等を与えることができる。
特許文献1による(メタ)アクリルウレタン樹脂粒子の製造方法は、セルロース系水溶性高分子を含む水中にトルエンのような非反応性有機溶媒に溶解、希釈したポリイソシアネートプレポリマーと(メタ)アクリレート単量体を混合し、粒子状に分散させて反応させることにより、球状粒子を得るものである。セルロース系水溶性高分子の種類、添加量等を調整することにより、ポリウレタンビーズの粒子径を調整することができるので、用途に応じて、適切な粒子径を持ったウレタン系樹脂粒子を製造することができる。
特開平4−185645号公報
しかし、特許文献1においては、末端にイソシアネート基を有するジイソシアネートとポリオールの反応物であるポリイソシアネートプレポリマーの粘度が高いため、予めトルエンのような非反応性有機溶媒に溶解、希釈して粘度を低下させるという調整工程が別途必要である。また、溶剤を回収する工程も必要となる。そのため、製造工程に調整工程及び溶剤回収工程という余分な工程が加わることとなり、生産性の低下及び生産コストの増加という課題が生じていた。また、得られたウレタン系樹脂粒子において、残留溶剤の影響により、変色や臭気等の品質劣化が生ずるという課題があった。
本発明の発明者等は、活性水素(メタ)アクリレート単量体を含むビニル単量体、多官能イソシアネートを含む組成物を水性媒体中で反応させることで、非反応性有機溶媒を実質的に含まないウレタン系樹脂粒子が得られることを見出すことで本発明に至った。
かくして本発明によれば、活性水素(メタ)アクリレート単量体を含むビニル単量体100重量部に対して、多官能イソシアネート5〜280重量部の割合で含む混合物由来の重合体成分を含み、非反応性有機溶媒を実質的に含まないことを特徴とするウレタン系樹脂粒子が提供される。
また、本発明によれば、活性水素(メタ)アクレート単量体を含むビニル単量体100重量部に対して、多官能イソシアネート5〜280重量部の割合で含む混合物、ラジカル重合開始剤及びウレタン硬化触媒とを含む重合性組成物を、懸濁安定剤の存在下かつ非反応性有機溶媒の不存在下、水性媒体中で重合を行うことでウレタン系樹脂粒子を得ることを特徴とするウレタン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
本発明によるウレタン系樹脂粒子は、適度な硬さ、弾力性及びソフトフィール性を兼ね備え、かつ残留溶剤による品質の劣化もないので、有機フィラーとして化粧品関係の添加剤、光学フィルム用添加剤、塗料、プラスチック、接着剤等の用途に好適に用いることができる。また、熱可塑性のタイプのウレタン系樹脂粒子は、ホットメルト接着剤として好適に用いることができる。
また、活性水素(メタ)アクリレート単量体が、分子内に1個以上のヒドロキシル基を有する場合、硬さ、弾力性及びソフトフィール性において更に優れたウレタン系樹脂粒子が得られる。
また、多官能イソシアネートが、分子内に3個以上のイソシアネート基を有する、ビュレット型、イソシアヌレート型又はアダクト型のイソシアネートである場合、硬さ、耐候性及びソフトフィール性において更に優れたウレタン系樹脂粒子が得られる。
また、ウレタン系樹脂粒子が、マトリックス相と前記マトリックス相中に存在する分散相とからなる相分離構造を有している場合、硬さ、弾力性及びソフトフィール性において更に優れたウレタン系樹脂粒子が得られる。
また、本発明によるウレタン系樹脂粒子の製造方法により、ポリイソシアネートプレポリマーを別途調する工程が必要なく、また、粘調なポリイソシアネートプレポリマーの粘度調整に使用される非反応性有機溶媒の回収工程という余分な工程を経ずに、低コストで生産性よくウレタン系樹脂粒子を製造することができる。
また、懸濁安定剤が、難水溶性無機塩である場合、更に低コストで生産性よくウレタン系樹脂粒子を製造することができる。
本発明の実施例1によるウレタン系樹脂粒子の断面のTEM像である。 本発明の実施例3によるウレタン系樹脂粒子の断面のTEM像である。 本発明の実施例5によるウレタン系樹脂粒子の断面のTEM像である。
本発明によるウレタン系樹脂粒子(以下、単に粒子ともいう)は、活性水素(メタ)アクリレート単量体を含むビニル単量体100重量部に対して、多官能イソシアネート5〜280重量部の割合で含む混合物由来の重合体成分を含んでいる。また、粒子は、非反応性有機溶媒を実質的に含まない。(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを示す。
活性水素(メタ)アクリレート単量体とは、分子内に1個以上の活性水素を有する(メタ)アクリレート単量体のことをいう。粒子は通常懸濁重合により得られるが、本発明において、活性水素(メタ)アクリレート単量体は重合系で希釈溶剤としても働く。そのため、比較的粘稠の多官能イソシアネートと混合することで、単量体混合物の粘度調整ができる。その結果、重合時における単量体混合物の懸濁液の粘度が高くなることによる、取り扱い難さを解消することができる。従って、本発明においてトルエン等の非反応性有機溶媒は用いられない。
なお、非反応性有機溶媒の非反応とは、ビニル単量体、多官能イソシアネートに含まれるビニル基やイソシアネート基との重合性を有しないという意味である。具体的な非反応性有機溶媒としては、例えば、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、イソオクタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル等が挙げられる。
活性水素(メタ)アクリレート単量体としては、分子内に1個以上の活性水素を有するものであれば特に限定されるものではない。ここで活性水素とは、ヒドロキシル基、アミノ基(1級又は2級)、カルボキシル基等のイソシアネート基と反応し得る水素原子を意味する。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類又は2−アミノエチル(メタ)アクリレート等の−NH2又は−NH基を含有した(メタ)アクリル酸アミノエステル類、メタクリル酸、アクリル酸等のカルボキシル基を含有した(メタ)アクリル酸類等が挙げられる。
また、ビニル単量体には、活性水素(メタ)アクリレート単量体の他に、活性水素非含有(メタ)アクリレート単量体が用いられてもよい。活性水素非含有(メタ)アクリレート単量体とは、分子内にイソシアネート基と反応し得る水素原子(活性水素)を与える基を含まない(メタ)アクリレート単量体のことを言う。
活性水素非含有(メタ)アクリレート単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル単量体における活性水素(メタ)アクリレート単量体の割合は、ビニル単量体100重量部中の5〜95重量部が好ましい。より好ましくは、10〜90重量部である。
(メタ)アクリレート単量体以外の他のビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタリン塩、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等のスチレン及びその誘導体が挙げられる。
また、他のビニル単量体として、2つ以上の官能基をもつ単量体を使用してもよい。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシビバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系多官能単量体、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びこれらの誘導体である芳香族多官能ビニル単量体が挙げられる。これらの単量体は2種以上組み合わせて用いることもできる。
耐候性に優れることから、活性水素非含有(メタ)アクリレート単量体が好ましい。
多官能イソシアネートとしては、特に制限されるものではないが、芳香族、鎖状脂肪族又は脂環式の2官能イソシアネート、3官能以上のイソシアネート等が挙げられる。
2官能イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルー4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル等が挙げられる。これらのうち、1種のみで用いても、又は2種以上を併用してもよい。
3官能以上のイソシアネートとしては、一般的に使用されるジイソシアネートを3量体化したイソシアヌレート型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネートや、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ポリメリックMDI(ジフェニルメタン・ジ・イソシアネート)等が挙げられる。これらのうち、1種のみで用いても、又は2種以上を併用してもよい。
粒子には、活性水素(メタ)アクリレート単量体を含むビニル単量体100重量部に対して、多官能イソシアネート5〜280重量部の割合で含む混合物由来の重合体成分が含まれる。混合物に含まれる多官能イソシアネートの量は、10〜280重量部であることが好ましく、15〜250重量部であることが、より好ましい。単量体混合物に含まれる多官能イソシアネートが5重量部未満の場合、ウレタンの触感が得られない場合がある。一方、280重量部より多い場合、粒子の耐溶剤性が低くなる場合があり、また、ウレタン系樹脂粒子が一次粒子として得られ難い場合がある。
なお、粒子中のビニル単量体及び多官能イソシアネート混合物由来の重合体成分の含有量と、対応する単量体の使用量とは、ほぼ一致している。
本発明においては、ウレタン系樹脂粒子の製造工程に希釈のための非反応性有機溶媒を用いないので、得られるウレタン系樹脂粒子は実質的に非反応性有機溶媒を含まない。仮に、非反応性有機溶媒が含まれる場合、それはウレタン系樹脂粒子製造のために調達する原料(の製造時に用いられたもの)に由来するものであると考えられる。なお、得られる粒子が実質的に非反応性有機溶媒を含まないことは、ヘッドスペースサンプラ付ガスクロマトグラフ(HTA社製:ヘッドスペースオートサンプラHT200H、島津製作所社製:ガスクロマトグラフGC−18A)による非反応性有機溶媒の濃度測定値が、(検出限界値である)1ppm以下であることにより示される。
ウレタン系樹脂粒子を得るための重合性組成物を重合する方法としては、公知の重合方法、例えば懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等を用いることができる。以下懸濁重合法によるウレタン系樹脂粒子の製造方法の一例について説明するが、本発明は、この製造方法のみに限定されるものではない。
活性水素(メタ)アクレート単量体を含むビニル単量体、多官能イソシアネート、ラジカル重合開始剤、ウレタン硬化触媒及び任意に他の単量体を添加、混合することにより重合性組成物が得られる。得られた重合性組成物は、水系分散媒に懸濁される。ここで、重合性組成物100重量部に対して、水系分散媒は100〜2000重量部使用するのが好ましい。なお、水系分散媒としては、水、又は水と水溶性溶媒(例えば、低級アルコール)との混合物が挙げられる。
懸濁安定剤は、重合性組成物の添加前に水系分散媒へ添加することが好ましい。懸濁重合は、水系分散媒を、例えば40〜100℃、好ましくは45〜90℃の温度に加熱することにより行うことができる。懸濁重合が完了した後、得られたウレタン系樹脂粒子を水系分散媒中より分離、洗浄、乾燥した後、必要に応じて分級工程を経て、所望粒径のウレタン系樹脂粒子を得ることができる。
懸濁安定剤としては、目的とするウレタン系樹脂粒子が得られるものであれば何ら制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール等の高分子型安定剤、第三リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等の難水溶性無機塩が挙げられる。なかでも、重合終了後に系のpHを調整することにより容易に溶解し、除去可能な無機塩を用いるのがよい。例えば、第三リン酸カルシウムや複分解生成法によるピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウムを使用すると、目的とするウレタン系樹脂粒子をより安定的に得ることができるため好ましい。
懸濁安定剤は、得られるウレタン系樹脂粒子の粒子径が所定の大きさになるようにその組成や使用量を適宜調節して使用される。懸濁安定剤の添加量は、重合性組成物100重量部に対して、0.05〜30重量部が好ましい。より好ましくは0.1〜20重量部である。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の添加量は、活性水素(メタ)アクリレート単量体を含むビニル単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましい。特に、0.3〜5重量部が好ましい。
ウレタン硬化触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、DBU[1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7]、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBUギ酸塩等のDBU系、モノアミン(トリエチルアミン等)、ジアミン(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等)、トリアミン(テトラメチルグアニジン等)、環状アミン(トリエチレンジアミン等)、アルコールアミン(ジメチルアミノメタノール等)、エーテルアミン[ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等]等のアミン系、Sn系(ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等)、Pb系(オクチル酸鉛等)、Zn系(オクチル酸亜鉛等)、Ti系(オクチル酸チタン、チタンテトラブトキシド、チタンアセチルアセトンキレート等)、Zr系(ステアリル酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムアセチルアセトンキレート等)等の有機金属化合物、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等のイミダゾール系が挙げられる。
ウレタン硬化触媒の添加量は、多官能イソシアネート100重量部に対して0.001〜50重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.01〜10重量部である。添加量が0.001重量部未満だと、付加反応を促進できない場合がある。一方、50重量部を超えると、後の(懸濁重合等の)重合工程において容易に重合反応を制御できなくなるため、粒子径を容易に調整できない場合がある。
水系分散媒には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤が添加されてもよい。界面活性剤の添加量は、重合性組成物100重量部に対して、0.002〜10重量部が好ましい。より好ましくは0.005〜5重量部である。
アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
また、上記重合工程において水系での乳化粒子の発生を抑えるために、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤が用いられてもよい。
重合完了後、ウレタン系樹脂粒子は、必要に応じて遠心分離されて水性媒体が除去され、水及び/又は溶剤で洗浄された後、乾燥、単離される。本発明で行われる懸濁重合により、得られるウレタン系樹脂粒子の水系分散媒からの単離方法は、特に限定されるものではないが、公知の方法として例えば、スプレードライヤーに代表される噴霧乾燥法、ドラムドライヤーに代表される加熱された回転ドラムに付着させて乾燥する方法又は凍結乾燥法が挙げられる。
得られるウレタン系樹脂粒子は、適度な硬さ、弾力性及びソフトフィール性を兼ね備え、また希釈溶剤として非反応性有機溶媒を使用しないので品質の劣化もない。このような粒子は、有機フィラーとして化粧品関係の添加剤、塗料、プラスチック、接着剤等の用途に好適に用いることができる。また、熱可塑性のタイプのウレタン系樹脂粒子は、ホットメルト接着剤として好適に用いることができる。
上記の製造方法又はその他の製造方法により得られるウレタン系樹脂粒子は、粒子内でビニル重合体からなる相とウレタン系重合体からなる相との相分離構造を有する。この構造には、粒子内で主体となるマトリックス相とマトリックス相内に存在する分散相からなる海島構造、地層のような交差積層状構造等がある。ビニル重合体とウレタン系重合体は、それぞれマトリックス相と分散相に成り得る。また、それぞれの相は、重合体単独であっても、少量のもう一方の重合体成分との混合体であってもよい。マトリックス相及び分散相からなる海島構造の形態としては、マトリックス相内に分散相が球状に存在するもの(図1、図2)や不定形状のもの(図3)等がある。
分散相の平均最長径(r)は、(r)<ウレタン系樹脂粒子の平均粒子径(R)の範囲となる。なお、最長径とは、分散相が球状ではなく不定形状をしている場合、分散相が九十九折状等の重ね合わさった形状をしている場合(重ね合わさる相の端部から反対側端部までの距離が粒子径を超える場合)等においては、分散相の輪郭面上の2点間で、その2点間を結ぶ直線距離が最大となる長さを示す。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、平均粒子径の測定方法、粒子断面の観察方法、粒子内における分散相の最長径の測定方法、粒子の強度(S10強度)測定方法、含まれる非反応性有機溶媒の測定方法について説明する。
(平均粒子径の測定方法)
ウレタン系樹脂粒子0.1gとノニオン系界面活性剤(花王社製:レオドールTW−L120)0.3%水溶液10mlを試験管に投入する。これをタッチミキサー(ヤマト科学社製:TOUCHMIXER MT−31)及び超音波洗浄器(ULTRASONIC CLEANER VS−150)を用いて予備分散させる。これを本体備え付けのISOTONII(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く撹拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次に、コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製:測定装置)本体にアパチャーをセットし、Current、Gain、Polarityをアパチャーサイズに合わせた所定の条件で測定を行う。測定中は気泡が入らない程度にビーカー内を緩く撹拌しておき、樹脂粒子を10万個測定した点で測定を終了する。体積加重の平均径(体積%モードの算術平均径:体積メヂアン径)を樹脂粒子の平均粒子径として算出する。使用するアパチャーの細孔径サイズは、100μmのものを用いる。
(粒子断面の観察方法)
エポキシ樹脂にウレタン系樹脂粒子を埋設した後、エポキシ樹脂を硬化させて、粒子含有エポキシ樹脂片を作製する。この粒子含有エポキシ樹脂片に四酸化ルテニウム染色を施したうえで、超薄切片を作製して透過型電子顕微鏡(日立製作所社製:H−7600)にて断面を観察し、相分離構造の有無及びその形状について観察する。
(粒子内における分散相の平均最長径(r)の測定方法)
分散相の平均最長径(r)は、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製:H−7600)を用い、倍率500〜10000倍で任意のウレタン系樹脂粒子の断面を観察し、分散相の最長径を20個測定して、これらを平均した値を算出する。
(粒子の強度(S10強度)測定方法)
微小圧縮試験機(島津製作所社製:MCTM200)により、粒子が10%変位した時点における圧縮強度を測定する。測定手順及び測定条件は、以下のとおりとする。
先ず、樹脂粒子をエタノール中に分散させた後、鏡面仕上げした鋼製試料台に塗布乾燥させ、測定用試料を調する。
次に、室温20℃、相対湿度65%の環境下、MCTM200に付属の光学顕微鏡により、独立した1個の粒子を選び出す。この時、選び出す粒子の条件は、MCTM200の粒子測定用カーソルで、粒子径が9〜11μmの範囲内のものであり、この範囲外の粒子は測定には用いないこととする。
次に、選び出した粒子の頂点に試験用圧子を以下の負荷速度で降下させ、徐々に加重をかけて、最大で荷重1gまで加えることで、先に測定した粒子径から10%変位した時点の荷重から圧縮強度(強度)を求める。実施例および比較例に際して、各々6回の測定を行い、最大値及び最小値の2つのデータを除いた、残り4つの測定データの平均値を、各実施例及び比較例のS10強度とする。
試験温度:20℃
相対湿度:65%
試験用圧子:平面50(直径50μmの平面圧子)
試験種類:圧縮試験(MODE1)
試験荷重:1.00gf
負荷速度:0.072500gf/sec
変位フルスケール:10μm
(含まれる非反応性有機溶媒の測定方法)
20mlバイヤル管中に、ウレタン系樹脂0.1gと125ppmジエチルベンゼン入りジメチルホルムアミド溶液1mlを加え、24時間放置した。その後、バイヤル管をヘッドスペースサンプラ(HTA社製:HT200H)に設置し、90℃で加熱を1時間行った。バイヤル管中の空気層2mlをガスクロマトグラフ(島津製作所社製:GC−18A)に注入し、含まれる非反応性有機溶媒(トルエン等)を定量する。
測定装置:ヘッドスペースサンプラ付ガスクロマトグラフ(HTA社製:ヘッドスペースオートサンプラHT200H、島津製作所社製:ガスクロマトグラフGC−18A)
使用カラム:ZB−WAX(0.25μm×0.25mmΦ×30m)(phenomenex社製)
検出器:PID
測定条件:カラム温度(60℃で3分間、20℃/分で100℃まで昇温、40℃/分で220℃まで昇温、220℃で30秒間)、注入口温度(150℃)、検出器温度(250℃)、カラム流量(1.6ml/min(ヘリウムガスを使用))
(実施例1)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(活性水素(メタ)アクリレート単量体)10重量部に、アクリル酸ブチル(活性水素非含有(メタ)アクリレート単量体)90重量部、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を100重量部、開始剤としてアゾビスバレロニトリルを1重量部、ウレタン硬化触媒として有機ジルコニウム化合物(マツモトファインケミカル社製:ZC−700)を0.03重量部添加して重合性組成物とした。水相としてイオン交換水500重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.05重量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム15重量部添加した。
この水相中に重合性組成物を入れてホモジナイザーにて6000rpmで10分間攪拌を行った。その後、窒素雰囲気下55℃で3時間、その後、100℃に昇温して2時間、反応を行った。その後、塩酸を加え、ピロリン酸マグネシウムを溶解させ、固液分離、洗浄、乾燥することにより目的の粒子が得られた。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は10μmであった。粒子の断面のTEM像は図1のとおりとなっており、粒子内に相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が球状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ2.6μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は0.48kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(実施例2)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを11重量部、アクリル酸ブチルを89重量部、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を50重量部とすること以外は実施例1と同様の方法により粒子を得た。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は11μmであった。粒子内には相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が球状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ1.7μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は0.53kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(実施例3)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを10重量部、アクリル酸ブチルを90重量部、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を25重量部とすること以外は実施例1と同様の方法で粒子を得た。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は11μmであった。粒子の断面のTEM像は図2のとおりとなっており、粒子内に相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が粒状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ1.8μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は0.67kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(実施例4)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを80重量部、アクリル酸ブチルを20重量部、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を90重量部とすること以外は実施例1と同様の方法で粒子を得た。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は10μmであった。粒子内には相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が球状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ0.7μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は1.4kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(実施例5)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを50重量部、アクリル酸ブチルを50重量部、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を100重量部とすること以外は実施例1と同様の方法で粒子を得た。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は10μmであった。粒子の断面のTEM像は図3のとおりとなっており、粒子内に相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が島状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ3.4μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は1.0kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(実施例6)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを50重量部、メタクリル酸メチル(活性水素非含有(メタ)アクリレート単量体)を50重量、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を100重量部とすること以外は実施例1と同様の方法で粒子を得た。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は11μmであった。粒子内には相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が島状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ3.1μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は2.8kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(実施例7)
3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネートをビュレット型ポリイソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM 24A−100)50重量部に変更すること以外は実施例1と同様の方法で粒子を得た。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は10μmであった。粒子内には相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が球状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ1.7μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は0.7kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(実施例8)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを30重量部、アクリル酸ブチルを70重量部、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を100重量部とすること以外は実施例1と同様の方法で粒子を得た。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は9μmであった。粒子内には相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が球状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ1.6μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は0.67kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(実施例9)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを40重量部、アクリル酸ブチルを60重量部、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を7重量部とすること以外は実施例1と同様の方法で粒子を得た。
得られたウレタン系樹脂粒子の粒子径は10μmであった。粒子内には相分離構造が確認され、マトリックス相(連続相)中に分散相が球状に存在していた。分散相の最長径を測定したところ1.1μmであった。ウレタン系樹脂粒子のS10強度は0.51kgf/mm2であった。また、ウレタン系樹脂粒子の非反応性有機溶媒の残留濃度を測定したところ1ppm以下であった。
(比較例1)
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを40重量部、アクリル酸ブチルを60重量部、3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)を300重量部とすること以外は実施例1と同様の方法で粒子を得ようと試みたが、未反応の多官能イソシアネートが多量に残存し、一次粒子として得られなかった。
実施例1〜9及び比較例1の結果について、表1にまとめて示す。
AB:アクリル酸ブチル(活性水素非含有アクリレート)
HPA:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(活性水素含有メタクリレート)
MMA:メタクリル酸メチル(活性水素非含有メタクリレート)
ABN−V:アゾビスバレロニトリル
TPA−100:3官能のイソシアヌレート型多官能イソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM TPA−100)
24A100:ビュレット型ポリイソシアネート(旭化成社製 デュラネートTM 24A−100)
比較例1の評価は、活性水素(メタ)アクリレート単量体を含むビニル単量体100重量部に対して、多官能イソシアネートを280重量部より多く使用したことが原因だと考えられる。

Claims (4)

  1. 活性水素(メタ)アクレート単量体を含むビニル単量体100重量部に対して、多官能イソシアネート5〜280重量部の割合で含む混合物、ラジカル重合開始剤及びウレタン硬化触媒とを含む重合性組成物を、懸濁安定剤の存在下かつ非反応性有機溶媒の不存在下、水性媒体中で重合を行うことでウレタン系樹脂粒子を得ることを特徴とするウレタン系樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記活性水素(メタ)アクリレート単量体が、分子内に1個以上のヒドロキシル基を有する請求項1に記載のウレタン系樹脂粒子の製造方法
  3. 前記多官能イソシアネートが、分子内に3個以上のイソシアネート基を有する、ビュレット型、イソシアヌレート型又はアダクト型のイソシアネートである請求項1又は2に記載のウレタン系樹脂粒子の製造方法
  4. 前記ウレタン系樹脂粒子が、マトリックス相と前記マトリックス相中に存在する分散相とからなる相分離構造を有している請求項1〜3のいずれか1つに記載のウレタン系樹脂粒子の製造方法
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