JP5377264B2 - 作業機用エンジン - Google Patents
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Description
また、近年では、環境問題や食糧問題の観点から、農作物の非食部分や、木材、古紙等の廃棄物系バイオマスであるセルロース系バイオマスを原料とするバイオマスエタノールが注目されている。こうしたセルロース系バイオマスを原料とするバイオマスエタノールの生成においては、前処理としてリグニンの分離除去が必要となる等、糖質系あるいはデンプン系バイオマスを原料とする場合と異なる処理が要求される。そのため、セルロース系バイオマスを原料とするバイオマスエタノールの生成には技術的課題もまだまだ多い。したがって、現在の生成技術により、セルロース系バイオマスを原料として生成されるバイオマスエタノール中には、その生成過程で分解されなかった物質、特にはセルロース類が見受けられる。
好適には、前記作業機用エンジンは、携帯式の作業機に用いられる、とよい。
好適には、前記気化器は、正圧と負圧とが交互作用して波動運動するダイヤフラムを備え、前記ダイヤフラムの波動運動により前記フューエルタンクから前記ポンプ室へ燃料を吸入する、とよい。
図1および図2に示すように、4サイクルエンジン1は、シリンダブロック2にピストン4を往復動自在に収容している。このシリンダブロック2の長手方向の一端側(図中上方)にはシリンダヘッド6が一体的に設けられており、これらシリンダブロック2、シリンダヘッド6およびピストン4の上面によって燃焼室8が形成される。
シリンダブロック2の長手方向の他端側(図中下方)には、オイルパン10が固定されており、シリンダブロック2とオイルパン10とによってクランクケース12が構成されている。
なお、クランクケース12の内部には、各機関を潤滑するための潤滑油を貯留する油溜室20が設けられている。この油溜室20は、図示のようにシリンダブロック2に形成された仕切壁2aによってクランク室14から仕切られ、密閉された空間となっている。これにより、刈払機のような携帯式の作業機において、使用の際に天地が逆になったり横向きになったりしても、油溜室20から潤滑油が飛散しないようにしている。
すでに説明したように、使用中に天地が逆になったり横向きになったりするおそれがあることを考慮し、本実施形態においては、いずれの方向でも使用できるように、気化器100をダイヤフラム式の構成としている。以下に、図3を用いて気化器100の構成について説明する。
さらに、ノズル134には、通路128に開口する孔134bが形成されており、この孔134bに連通する基端134cを、ダイヤフラム室118に臨ませている。なお、孔134bとダイヤフラム室118との間には、メインジェット136およびメインチェックバルブ138が設けられている。
より具体的には、フューエルタンク56は、断面を略コ字形に形成されており、クランクケース12を覆うように配置されている。フューエルタンク56において、気化器100と対面する部分にはキャップ嵌め込み孔58が形成されており、このキャップ嵌め込み孔58にキャップ60が嵌め込まれている。キャップ60は、戻り管202を圧入固定した状態で貫通させている。戻り管202は、一端を気化器100のオーバーフローパイプ142に圧入固定され、他端をフューエルタンク56内に位置させている。これにより、プライマポンプ140の操作によってダイヤフラム室118に吸い上げられた燃料は、オーバーフローパイプ142および戻り管202を介してフューエルタンク56に戻されることとなる。
また、筒体204a内には、2次フィルタ206と、この2次フィルタ206を蓋体204b側から筒体204a側に押し付けるスプリング208とが設けられている。2次フィルタ206の側面の面積は、吸入管200の開口面積よりも大きく、スプリング208の弾性力によって2次フィルタ206が吸入管200の開口部全面に押し付けられることにより、吸入される燃料が確実に2次フィルタ206を通過するようにしている。
すなわち、1次フィルタ64によって除去することができなかったセルロース類等の非分解物質を、2次フィルタ206によって除去することができる。
気化器100においては、理論空燃費を実現するために、メインジェット136やノズル134の径を詳細に設計する必要があるが、こうした部位にセルロース類等の非分解物質が付着し続けると径が小さくなってしまい、理論空燃費を実現できなくなってしまう。本実施形態のように、不純物の付着によって影響が及ぼされる部位よりも上流側に2次フィルタ206を設けることにより、こうした特段の問題が生じるのを防ぐことが可能となる。
しかしながら、上記のように交換や洗浄の頻度が高くなるおそれがある2次フィルタ206を、気化器本体102やフューエルタンク56等、他の部品の内部に設けてしまうと、その交換作業や洗浄作業が煩雑になってしまう。本実施形態のように、フューエルタンク56の外方であって、しかも、気化器本体102の外方に着脱容易に2次フィルタ206を設ければ、交換作業や洗浄作業が容易となり、上記のような煩雑さを解消することができる。
また、本発明を適用可能な作業機は、クランクシャフト16に接続されて、クランクシャフト16の回転動力によって作動するもの全てが含まれる。
また、本実施形態におけるフューエルタンク56や気化器100、あるいはピストン4やクランクシャフト16といった燃焼系や駆動系等の各構成部品の形状や配置等は一例に過ぎず、本実施形態の構成に限定されるものではない。
また、本実施形態は、バイオマスエタノールを燃料として用いた場合に特に有利な作用効果をもたらすものであって、ガソリン等の他の燃料を用いることを妨げるものではない。また、本実施形態の作用効果は、バイオマスエタノールの原料によって限定されることはない。
また、本実施形態においては、2次フィルタ206を金属鋼線によって構成したが、濾過孔の大きさ等、バイオエタノールの生成過程で分解されずに残留してしまう物質を除去することができるものであれば、その材質や形状等は特に限定されない。
また、本実施形態においては、特に1次フィルタ64と2次フィルタ206との関係について説明したが、フィルタは2つに限らず、3つ以上設けることとしても構わない。いずれにしても、多段階にフィルタを設けた場合には、非分解物質を、少なくとも上流側から2つ目以降の1つまたは2以上のフィルタによって除去することができればよい。
8 燃焼室
16 クランクシャフト
56 フューエルタンク
64 1次フィルタ
100 気化器
206 2次フィルタ
Claims (4)
- 混合気を吸入して爆発させる燃焼室と、
前記燃焼室で発生する爆発圧力によって往復動するピストンと、
前記ピストンに連係され、前記ピストンの往復運動を回転運動に変換して出力するクランクシャフトと、
バイオマスエタノールが含まれる燃料を貯留するフューエルタンクと、
前記フューエルタンクから導かれた燃料を空気に混合して前記混合気を生成する気化器と、
前記フューエルタンクから前記混合気が生成されるまでの燃料の流通過程に設けられ、燃料中に混入する不純物を段階的に除去する1次フィルタおよび2次フィルタと、
前記フューエルタンクの燃料を前記気化器に供給する吸入通路と、
を備え、
前記気化器は、前記フューエルタンクから燃料を吸入するために作動するポンプ室を備え、前記吸入通路が前記ポンプ室に連通し、
前記1次フィルタが前記フューエルタンク内において、前記吸入通路の端部に配置され、
前記2次フィルタが、前記吸入通路における前記ポンプ室の上流側に配置され、
少なくとも前記2次フィルタは、前記バイオマスエタノールの生成過程で分解されずに残留した物質を除去可能であり、
前記2次フィルタが、微細な濾過孔が形成され、かつ、燃料の流通方向に立体的に繊維体が入り組む金属繊維からなる、
作業機用エンジン。 - 前記2次フィルタは、前記吸入通路において前記フューエルタンクの外方に位置する部分に設けられる請求項1記載の作業機用エンジン。
- 携帯式の作業機に用いられる、
請求項1または2記載の作業機用エンジン。 - 前記気化器は、
正圧と負圧とが交互作用して波動運動するダイヤフラムを備え、前記ダイヤフラムの波動運動により前記フューエルタンクから前記ポンプ室へ燃料を吸入する、
請求項1から3のいずれか一項記載の作業機用エンジン。
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