JP2004261696A - 排熱利用木質系バイオマス液化システムおよびエタノールの製造方法 - Google Patents

排熱利用木質系バイオマス液化システムおよびエタノールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設備費が安く、エネルギー効率の高い排熱利用木質系バイオマス液化システムおよびエタノールの製造方法を提供する。
【解決手段】水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システム1と、前記水蒸気タービン発電システム1の抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて冷媒を生成し低沸点媒体発電を行う冷熱・発電システム2と、前記冷熱・発電システム2から冷媒を供給されて空気を冷却し液体酸素と液体窒素を製造する空気分離システム3と、前記水蒸気タービン発電システム1から蒸気を供給され前記空気分離システム3から液体窒素を供給されて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行う木質系バイオマスエタノール製造システム4とを備えた構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気によってタービンを駆動して発電を行う水蒸気タービン発電システムの排熱を利用して冷媒生成、発電、空気分離、バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵およびエタノールの凍結分離と濃縮を行う廃熱利用木質系バイオマス液化システムおよびエタノールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動用手段としての自動車の利便性は高いが、地球環境保護と整合性をとる必要がある。そこで再生可能なバイオマスを原料にしたエタノールをレギュラーガソリンに5%混合した燃料は、既存のガソリン車のエンジンを交換することなく用いられるため、将来的には再生可能な重要なエネルギー資源となる。石油危機のあと穀物やサトウキビを原料としたエタノール醗酵技術の開発が行われ米国やブラジルでは商業的ベースで成立している。
【0003】
エタノール醗酵はサトウキビ等の糖質資源,穀物等の澱粉質資源,農林産廃棄物やポプラ等のセルロース系資源を原料として醗酵プロセスによりエタノールを生成するものである。農作物を原料としたエタノール醗酵は米国やブラジルで実用化されているが、本来食用に供されるものを用いているため、入手する原料価格がエタノール製造価格に非常に大きな影響を与えている。
【0004】
それに対して木質系バイオマスは資源量が豊富であり、食料資源との競合がなく安定して安価に供給される利点がある。我が国の木質系バイオマスとして統計上、年間5,000万トン以上の木質系廃材が産出されているが、そのうち約1,000万トンが経済的に利用可能であり、約500万トンはパルプ用のチップとしての需要があり、残りがエタノール醗酵用に利用可能である。
【0005】
木質系バイオマスの主成分は、約半分のセルロースと残りをほぼ二分するリグニンとヘミセルロースからなっている。エタノール醗酵を行うためにはセルロースを糖化する必要があるが、鎖状の束になったセルロースの周囲を覆っているリグニンとヘミセルロースを除去する必要がある。
【0006】
除去方法としては高温水蒸気を用いた蒸煮・爆砕法が用いられているが、この方法は高度にエネルギー消費型の処理法になっているために、腐朽菌で前処理を行って蒸煮・爆砕を行うことで消費エネルギーを軽減する技術開発が行われている。
【0007】
また無水アルコール製造のために使用する蒸留法は、エネルギー消費量の改善が重要な開発課題になっている。近年、抽出蒸留と減圧蒸留の併用や、ヒートポンプ,多重効用方式による蒸留法等を採用するなどして高効率化および省エネルギー化が進められているが、依然として濃縮コストが高いという問題がある。また、蒸留技術より省エネルギーであると考えられている浸透気化技術があるが、アルコール選択透過性が不十分であり、実用化が進んでいない。
【0008】
下記特許文献1では、バイオマスをアルコール醗酵させ、アルコール選択透過性膜を用いた膜蒸留分離装置や浸透気化膜装置を用いて15%以上にバイオマスアルコールを濃縮し、200℃以上で濃度90%以上の酸素と湿式酸化または超臨界水等の水媒体中の酸化により燃焼を行って高温炭酸ガスと水蒸気を発生させ、この高温炭酸ガスと水蒸気を用いてタービンを駆動させて発電を行うシステムが記載されている。
【0009】
特許文献2には、空気冷凍サイクルと循環流動層とで凍結融解粉末乾燥装置を構成し、空気を冷媒としたサイクルで直接接触による伝熱を可能とした脱水,微細化,粉末乾燥を行う方法および装置が記載されている。
特許文献3には、凍結濃縮装置の後に蒸気再圧縮濃縮装置を設け、省水・省エネルギーで濃縮と減容を可能にする溶媒分離濃縮方法が記載されている。
【0010】
特許文献4には、ガスタービン複合発電装置のボトミングに水・アンモニア混合媒体発電装置とアンモニア吸収式冷凍機を付設した電力・冷熱供給コンバインドシステムが記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−153745号公報
【特許文献2】
特開2002−120000号公報
【特許文献3】
特開2001−162267号公報
【特許文献4】
特開2001−73717号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
木質系バイオマスを原料としてエタノール醗酵を行う場合、前処理として原料の微細化を行う工程と、エタノール醗酵もろみからエタノールを分離し、分離したエタノール濃度を工業用レベルに上げる工程に多大のエネルギーを必要とし、安価に入手可能な材料原価の有利性を損なっているために、これらの工程の省エネルギー化が重要な技術課題である。
そこで本発明は、エネルギー効率の高い排熱利用木質系バイオマス液化システムおよびエタノールの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システムと、前記水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて冷媒を生成し水より沸点の低い媒体を作動媒体として発電を行う冷熱・発電システムと、前記冷熱・発電システムから冷媒を供給されて空気を冷却し液体酸素と液体窒素を製造する空気分離システムと、前記水蒸気タービン発電システムから蒸気を供給され前記空気分離システムから液体窒素を供給されて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行う木質系バイオマスエタノール製造システムとを備えた構成とする。
【0014】
請求項2の発明は、前記水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気が前記冷熱・発電システムにおける冷媒生成に用いられ、その後、前記木質系バイオマスエタノール製造システムにおけるエタノール醗酵に用いられる構成とする。
【0015】
請求項3の発明は、前記水蒸気タービン発電システムは、前記木質系バイオマスエタノール製造システムに設けられエタノール分離を行う分離装置で分離された木質系バイオマスチップの汚泥を燃焼させる蒸気発生装置を備えている構成とする。
【0016】
請求項4の発明は、前記水蒸気タービン発電システムは化石燃料を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させる蒸気発生装置を備え、前記空気分離システムは深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置を備え、前記水蒸気タービン発電システムの前記蒸気発生装置に前記空気分離システムから高圧酸素ガスおよび高圧炭酸ガスを導き、前記蒸気発生装置の燃焼排ガスを前記深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置に導き、純水と液体炭酸ガスにする構成とする。
【0017】
請求項5の発明は、前記水蒸気タービン発電システムに備えられる蒸気発生装置は原子力または地熱または太陽熱を利用する蒸気発生装置であり、前記木質系バイオマスエタノール製造システムに設けられエタノール分離を行う分離装置で分離された木質系バイオマスチップの汚泥を燃焼させて発電を行う廃棄物発電システムを備え、前記廃棄物発電システムの排気蒸気を前記木質系バイオマスエタノール製造システムの醗酵装置に導く構成とする。
【0018】
請求項6の発明は、前記廃棄物発電システムは木質系バイオマスチップの汚泥を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させる蒸気発生装置を備え、前記空気分離システムは深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置を備え、前記廃棄物発電システムの前記蒸気発生装置に前記空気分離システムから高圧酸素ガスおよび高圧炭酸ガスを導き、前記蒸気発生装置の燃焼排ガスを前記深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置に導き、純水と液体炭酸ガスにする構成とする。
【0019】
請求項7の発明は、前記木質系バイオマスエタノール製造システムの分離装置および濃縮装置の冷熱を回収して前記空気分離システムに設けられ液体窒素と熱媒体の熱交換を行う冷熱貯蔵・変換装置に移送するようにした構成とする。
【0020】
請求項8の発明は、前記空気分離システムに設けられ液体窒素と熱媒体の熱交換を行う冷熱貯蔵・変換装置の温熱を前記冷熱・発電システムに設けられ低沸点媒体によって水蒸気タービン発電システムから供給される蒸気の熱を回収する低沸点媒体熱回収装置に移送するようにした構成とする。
【0021】
請求項9の発明は、前記冷熱・発電システムに設けられ冷媒を生成する冷凍装置および低沸点媒体によって水蒸気タービン発電システムから供給される蒸気の熱を回収する低沸点媒体熱回収装置の冷却に海洋深層水を用いるようにした構成とする。
【0022】
請求項10の発明は、水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システムと、前記水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて冷媒を生成し水より沸点の低い媒体を作動媒体として発電を行う冷熱・発電システムと、前記冷熱・発電システムから冷媒を供給されて空気を冷却し冷凍空気,冷凍エタンまたは冷凍窒素を製造する冷凍気体製造システムと、前記水蒸気タービン発電システムから蒸気を供給され前記冷凍気体製造システムから冷凍空気,冷凍エタンまたは冷凍窒素を供給されて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行う木質系バイオマスエタノール製造システムとを備えた構成とする。
【0023】
請求項11の発明は、水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システムと、前記水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて水より沸点の低い媒体を作動媒体として発電を行う低沸点媒体発電システムと、海洋深層水によって冷凍空気,冷凍エタンまたは冷凍窒素を製造する冷凍気体製造システムと、前記水蒸気タービン発電システムから蒸気を供給され前記冷凍気体製造システムから冷凍気体を供給されて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行う木質系バイオマスエタノール製造システムとを備えた構成とする。
【0024】
請求項12の発明は、水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて低沸点媒体発電を行うとともに冷媒を生成し、前記冷媒を用いて空気を冷却して液体酸素と液体窒素を製造し、前記水蒸気タービン発電システムからの蒸気の熱と前記液体窒素の冷熱を用いて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行う構成とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1、図2を参照して説明する。
本実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システム1と、そのボトミングに付設され冷媒を生成するとともに低沸点媒体発電を行う冷熱・発電システム2と、その冷媒を利用して空気を冷却し液体酸素と液体窒素を製造する空気分離システム3と、水蒸気タービン発電システム1から供給される蒸気と空気分離システム3から供給される液体窒素を利用して木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離、エタノール濃縮を行う木質系バイオマスエタノール製造システム4から構成されている。
【0026】
水蒸気タービン発電システム1は、蒸気発生装置5,水蒸気タービン6および発電機7で構成されている。蒸気発生装置5は、水蒸気発生ボイラー,循環ポンプ等で構成される。冷熱・発電システム2は、低沸点媒体熱回収装置8,低沸点媒体タービン9,発電機10および冷凍装置11で構成されている。空気分離システム3は、深冷式空気分離装置12,冷熱貯蔵・変換装置15,液体酸素貯蔵槽13および液体窒素貯蔵槽14で構成されている。冷熱貯蔵・変換装置15は、図示されていない低温媒体貯蔵槽と温熱媒体貯蔵槽を備えている。木質系バイオマスエタノール製造システム4は、凍結粉砕装置18,醗酵装置17,分離装置19,濃縮装置20,汚泥貯蔵槽21,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。
【0027】
水蒸気タービン発電システム1の蒸気発生装置5のボイラーで発生した蒸気を水蒸気タービン6に導き、抽気した蒸気を冷熱・発電システム2の冷凍装置11に導く。水蒸気タービン6を駆動して排気された蒸気と、冷凍機11の排気蒸気とを冷熱・発電システム2の低沸点媒体熱回収装置8と木質系バイオマスエタノール製造システム4の醗酵装置17に導き、低沸点媒体熱回収装置8あるいは醗酵装置17において熱交換を行って復水した復水を水蒸気タービン発電システム1の蒸気発生装置5に還流させる。冷凍装置11で生成された冷媒は空気分離システム3の深冷式空気分離装置12に導かれて熱交換後に冷凍装置11に還流する。
【0028】
低沸点媒体熱回収装置8で発生した高濃度低沸点混合媒体蒸気が低沸点媒体タービン9に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機10で発電を行う。低沸点媒体タービン9の排気蒸気は低沸点媒体熱回収装置8に還流する。冷凍装置11と低沸点媒体熱回収装置8の作動媒体として水・アンモニア混合媒体が用いられる場合、冷凍装置11と低沸点媒体熱回収装置8の復液器が共用される構成としてもよい。
【0029】
空気分離システム3の深冷式空気分離装置12には冷熱・発電システム2の冷凍装置11で生成された冷媒が導かれる。深冷式空気分離装置12にはまた冷熱貯蔵・変換装置15から冷熱が導かれ熱交換後の温熱は冷熱貯蔵・変換装置15に還流する。
【0030】
深冷式空気分離装置12に原料空気16が供給され、液化分離された液体酸素と液体窒素が液体酸素貯蔵槽13,液体窒素貯蔵槽14に導かれて貯蔵される。液体窒素貯蔵槽14に貯蔵された液体窒素は、冷熱貯蔵・変換装置15、あるいは木質系バイオマスエタノール製造システム4の凍結粉砕装置18に導かれる。冷熱貯蔵・変換装置15で熱交換した窒素は、木質系バイオマスエタノール製造システム4の分離装置19の熱交換部に導かれる。
【0031】
木質系バイオマスエタノール製造システム4の凍結粉砕装置18には間伐材や製材廃材等をチップ化したバイオマスチップ24の投入を行い、空気分離システム3の液体窒素貯蔵槽14より導かれる液体窒素を用いて急速凍結し衝撃を加えて微粉化する。気化した窒素ガスは空気分離システム3の冷熱貯蔵・変換装置15に戻される。
【0032】
微粉化されたバイオマスチップは、冷熱貯蔵・変換装置15から導かれる温熱媒体と熱交換をして加温されて醗酵装置17に導かれ、熱交換を行った温熱媒体は冷熱貯蔵・変換装置15の冷媒貯蔵槽に還流する。
【0033】
醗酵装置17には水蒸気タービン発電システム1の水蒸気タービン6の排気蒸気、あるいは冷熱・発電システム2の冷凍装置11で熱交換を行った蒸気の分岐したものが熱交換部に導かれて、凍結粉砕装置18で微粉化されたバイオマスチップがエタノール醗酵菌で醗酵を行うのに最適な30℃程度の温度に加熱する。
【0034】
醗酵装置17でエタノール醗酵を7日程度行ったもろみは分離装置19に移送され、空気分離システム3の冷熱貯蔵・変換装置15から導かれる冷凍窒素ガスでもろみを凍結させ、絞り機で3%程度の濃度のエチルアルコール溶液と汚泥に分離される。汚泥は汚泥貯蔵槽21に、エチルアルコール溶液は濃縮装置20に移送され、熱交換に用いられた低温窒素ガスも濃縮装置20に導かれる。
【0035】
濃縮装置20では、分離装置19より導かれた3%程度の濃度のエチルアルコール溶液を同じく分離装置19を経由した冷凍窒素ガスで凍結させて20%以上のエチルアルコール濃縮溶液と淡水氷に分離する。淡水氷は淡水化して純水貯蔵槽22に、濃縮エチルアルコール溶液はエチルアルコール貯蔵槽23に移送し、熱交換を行った常温の窒素ガス25は大気に放出される。
【0036】
図2は、本発明の第1の実施の形態の変形例であり、冷熱・発電システム2の冷凍装置11と低沸点媒体熱回収装置8の冷却に海洋深層水39を利用する排熱利用木質系バイオマス液化システムを示す。
【0037】
太平洋側の水深200mより年間を通じて約8℃、日本海側とオホーツク海側の水深200mより年間を通じて約2℃、の海洋深層水が取水可能で、この海洋深層水を冷熱・発電システム2の冷凍装置11と低沸点媒体熱回収装置8の冷却に用いる。
以上のような構成の本発明の第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは下記のように作用する。
【0038】
夜間の電力需要の少ない時に、水蒸気タービン発電システム1の水蒸気タービン6より水蒸気を抽気して冷熱・発電システム2の冷凍装置11に移送して冷媒を製造するのに用い、その排蒸気は低沸点沸点媒体熱回収装置8に導いて復水させて水蒸気タービン発電システム1の蒸気発生装置5に還流させる。
【0039】
冷熱・発電システム2の冷凍装置11で生成した冷媒を空気分離システム3の深冷式空気分離装置12に移送して原料空気16の冷却や、圧縮機で加圧されて高温になった空気の冷却に用いて冷凍装置11に還流させる。深冷式空気分離装置12で液化分離された液体酸素と液体窒素は液体酸素貯蔵槽13,液体窒素貯蔵槽14に貯蔵する。
【0040】
液体窒素貯蔵槽14に貯蔵された液体窒素の一部を木質系バイオマスエタノール製造システム4の冷凍粉砕装置18に導いてバイオマスチップ24の急速凍結を行うのに用いる。冷凍粉砕装置18において使用後の冷凍窒素ガスを空気分離システム3の冷熱貯蔵・変換装置15の冷熱貯蔵槽に導いて熱交換を行わせる。熱交換後の冷凍窒素ガスを木質系バイオマスエタノール製造システム4の分離装置19,濃縮装置20に導き、順次凍結分離、凍結濃縮の熱交換を行わせた後に常温の窒素ガス25として大気中に放出する。
【0041】
木質系バイオマスエタノール製造システム4の冷凍粉砕装置18で急速凍結されたバイオマスチップは衝撃を与えて粉砕し、粉砕されたバイオマスチップは、空気分離システム3の冷熱貯蔵・変換装置15より導かれる熱媒体が流れる熱交換部で加熱して醗酵装置17に移送される。冷凍粉砕装置18で熱交換を行った結果低温媒体となった熱媒体は冷熱貯蔵・変換装置15の低温媒体貯蔵槽に貯蔵される。
【0042】
冷熱貯蔵・変換装置15の低温媒体貯蔵槽に貯蔵された低温媒体は、深冷式空気分離装置12に移送されて圧縮原料空気16の冷却に用いられ、高温になった熱媒体は冷熱貯蔵・変換装置15に還流し、温熱媒体貯蔵槽に貯蔵される。
【0043】
木質系バイオマスエタノール製造システム4の醗酵装置17の熱交換部には水蒸気タービン発電システム1の水蒸気タービン6の排気蒸気および冷熱・発電システム2の冷凍装置11で熱交換を行った排気蒸気を分岐したものが導かれ、微粉化されたバイオマスチップやエタノール醗酵菌の入ったエタノール醗酵槽を30℃程度に加熱する。その復水は水蒸気タービン発電システム1の蒸気発生装置5に還流する。
【0044】
醗酵装置17で7日程度の間エタノール醗酵を行ったもろみは、分離装置19に移送され、空気分離システム3の冷熱貯蔵・変換装置15で熱交換を行った冷凍窒素ガスと熱交換を行って凍結され、絞り機で汚泥とエタノール水に分離される。汚泥は汚泥貯蔵槽21に移送されて貯蔵され、エタノール水は濃縮装置20に導かれる。
【0045】
濃縮装置20の熱交換部には分離装置19で凍結分離に用いられた冷凍窒素ガスが導かれてエタノール水と熱交換を行って20%程度のエタノールと氷に分離する。氷は淡水化して純水貯蔵槽22に貯蔵される。エタノールはエチルアルコール貯蔵槽23に貯蔵される。
【0046】
昼間の電力需要の多い時には、水蒸気タービン発電システム1の水蒸気タービン6より水蒸気を抽気して冷熱・発電システム2の冷凍装置11に移送して冷媒を製造することをせず、全水蒸気が水蒸気タービン6に導かれるようにし、水蒸気タービン6の排気の一部が木質系バイオマスエタノール製造システム4の醗酵装置17に導かれて熱交換を行って復水した復水が蒸気発生装置5に還流する。また、空気分離システム3の液体窒素貯蔵槽14に貯蔵された液体窒素を木質系バイオマスエタノール製造システム4の凍結粉砕装置18に導いてバイオマスチップ24を急速凍結するのに用いる。その他の作用は夜間の場合と同様である。
【0047】
夏期と冬期においては電力需要が大きく、春期と秋期においては電力需要が40%程度減少する。そのため春期と秋期においては昼間も冷媒製造および空気分離を行い、木質系バイオマスエタノール製造システム4におけるバイオマスチップ24の処理量、エタノール醗酵量を増大させて水蒸気タービン発電システム1の蒸気発生装置5を定格運転できるようにする。
上記のような構成によって上記のように作用する本発明の第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは下記のような効果を生じる。
【0048】
水蒸気タービン発電システム1と冷熱・発電システム2と空気分離システム3を組合せて熱エネルギーをカスケード利用することで液体酸素と液体窒素を低コストで製造することができる。液体窒素を利用して木質系バイオマスを凍結粉砕することによって木質系バイオマスエタノールの製造効率が向上し、凍結粉砕に利用した冷熱を回収して液体空気分離、エタノール醗酵もろみの凍結分離およびエタノールの凍結濃縮に用いることで木質系バイオマスよりエタノールを低コストで製造することができ、資源循環系のバイオマス利用による自動車等の交通機関の燃料が確保でき、地球環境保護に寄与することができる。
【0049】
電力需要の少ない夜間や、春期・秋期に空気を液化して液体酸素および液体窒素を製造することにより、液体酸素は、化石燃料等の炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼用として低コストで供給できる。液体窒素は木質系バイオマスチップの凍結粉砕に利用してエタノールを製造する量を増やすのに用いることで負荷平準化ができ、ピーク電力需要対応の設備を設ける必要が無くなる。
【0050】
冷熱・発電システム2の冷凍装置11および低沸点媒体熱回収装置8の復液器の冷却に低温度の海洋深層水39を用いることにより、低温の自然熱エネルギーを電力エネルギーとして回収することが可能となり、冷凍装置11の冷却に用いることで加熱蒸気温度を下げることができるようになり、冷媒生成の省エネルギーが達成できる。
【0051】
つぎに本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、図3に示すように、水蒸気タービン発電システム1と、冷熱・発電システム2と、空気分離システム3と、木質系バイオマスエタノール製造システム4とからなり、各システム1,2,3,4の装置構成は第1の実施の形態(図1)におけるものと同じである。
【0052】
本実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムにおいては、冷熱・発電システム2の冷凍装置11を加熱した蒸気の排気で木質系バイオマスエタノール製造システム4の醗酵装置17を加熱した後に低沸点媒体熱回収装置8に導く。
【0053】
冷熱・発電システム2の冷凍装置11の加熱用に導かれる水蒸気タービン発電システム1からの蒸気配管にはバイパス配管が設けられており、冷凍装置11内で熱交換を行わないようにすることができるようになっている。
【0054】
この第2の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、夏期・冬期の夜間で電力需要の少ない時や、春期・秋期のピーク電力需要の少ない季節においては第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様に作用するが、そのほかに下記のように作用する。
【0055】
夏期・冬期のピーク電力需要の発生する昼間においては、水蒸気タービン発電システム1の水蒸気タービン6より抽気した蒸気で、冷熱・発電システム2の冷凍装置11に導かれたものは冷凍装置11内のバイパス配管を経由させて、熱交換を行わせずに木質系バイオマスエタノール製造システム4の醗酵装置17に導いて熱交換を行わせ、その排気を冷熱・発電システム2の低沸点媒体熱回収装置8に導いて熱交換を行わせ、復水を水蒸気タービン発電システム1の蒸気発生装置5に還流させる。
【0056】
この第2の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様の効果が得られるが、そのほかに、醗酵装置17でのエタノール醗酵の最適温度が低沸点媒体熱回収装置8の最適温度より高いエタノール醗酵菌を用いる場合には最適なシステムである。
【0057】
つぎに本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは図4に示すように、水蒸気タービン発電システム1aと、そのボトミングに付設された冷熱・発電システム2と、その冷媒を利用する空気分離システム3と、液体窒素を凍結粉砕・分離・濃縮に利用する木質系バイオマスエタノール製造システム4aから構成されている。
【0058】
水蒸気タービン発電システム1aは、化石燃料蒸気発生装置5,水蒸気タービン6および発電機7で構成されている。蒸気発生装置31は、水蒸気発生ボイラー,循環ポンプ等で構成される。冷熱・発電システム2は、低沸点媒体熱回収装置8,低沸点媒体タービン9,発電機10および冷凍装置11で構成されている。空気分離システム3は、深冷式空気分離装置12,冷熱貯蔵・変換装置15,液体酸素貯蔵槽13および液体窒素貯蔵槽14で構成されている。冷熱貯蔵・変換装置15は、図示されていない低温媒体貯蔵槽と温熱媒体貯蔵槽を備えている。木質系バイオマスエタノール製造システム4aは、凍結粉砕装置18,醗酵装置17,分離装置19,濃縮装置20,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。
【0059】
水蒸気タービン発電システム1aに備えられた化石燃料の蒸気発生装置31は、石油,石炭,可燃廃棄物,バイオマス等を燃料とし、木質系バイオマスエタノール製造システム4aで発生する汚泥も燃料とする。
【0060】
木質系バイオマスエタノール製造システム4aの分離装置19で分離された汚泥は真空蒸発させて脱水したものを水蒸気タービン発電システム1aの化石燃料蒸気発生装置31に移送してボイラーの燃料の一部として燃焼させる。
【0061】
この第3の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムの作用効果は、第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様であるが、そのほかに下記のような作用効果を有する。すなわち、木質系バイオマスエタノール製造システム4aの分離装置19で分離された汚泥を真空蒸発させて脱水したものを化石燃料蒸気発生装置31のボイラーで使用する燃料の一部として利用する。したがって汚泥の資源化ができ、汚泥の最終処分の問題が解決する。
【0062】
つぎに本発明の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは図5に示すように、水蒸気タービン発電システム1bと、冷熱・発電システム2と、空気分離システム3と、木質系バイオマスエタノール製造システム4および廃棄物発電システム35から構成されている。
【0063】
水蒸気タービン発電システム1bは、原子力等を利用する蒸気発生装置32,水蒸気タービン6および発電機7で構成されている。蒸気発生装置32は、水蒸気発生ボイラー,循環ポンプ等で構成されている。冷熱・発電システム2は、低沸点媒体熱回収装置8,低沸点媒体タービン9,発電機10および冷凍装置11で構成されている。空気分離システム3は、深冷式空気分離装置12,冷熱貯蔵・変換装置15,液体酸素貯蔵槽13および液体窒素貯蔵槽14で構成されている。冷熱貯蔵・変換装置15は、図示されていない低温媒体貯蔵槽と温熱媒体貯蔵槽を備えている。木質系バイオマスエタノール製造システム4aは、凍結粉砕装置18,醗酵装置17,分離装置19,濃縮装置20,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。廃棄物発電システム35は、汚泥燃焼蒸気発生装置36,水蒸気タービン37および発電機38で構成されている。
【0064】
この第4の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、水蒸気タービン発電システム1bの蒸気発生装置が、原子力、太陽光、地熱等を利用し酸素燃焼を用いない蒸気発生装置32であり、廃棄物発電システム35を設けて木質系バイオマスエタノール製造システム4aの分離装置19で分離された汚泥を燃料として用いるようにしたシステムである。
【0065】
木質系バイオマスエタノール製造システム4aの分離装置19で分離された汚泥の乾燥したものが汚泥燃焼蒸気発生装置36の燃料として供給され、発生した蒸気が水蒸気タービン37に導かれてこれを駆動し、同軸に結合された発電機38で発電を行う。水蒸気タービン37の排気水蒸気は木質系バイオマスエタノール製造システム4aの醗酵装置17に導かれて熱交換を行い、復水が汚泥燃焼蒸気発生装置36のボイラーに還流する。また、水蒸気タービン37の排気水蒸気を分岐して冷熱・発電システム2の低沸点媒体熱回収装置8に導いて熱交換を行って復水したものを汚泥燃焼蒸気発生装置36に還流させる構成であってもよい。
【0066】
この第4の実施の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムによれば、第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様の作用効果が得られるほかに、下記のような作用効果が得られる。すなわち、木質系バイオマスエタノール製造システム4aの分離装置19で分離された汚泥を真空蒸発させて脱水したものを汚泥燃焼蒸気発生装置36のボイラーで使用する燃料の一部として利用する。したがって、廃棄物発電システム35で用いることにより汚泥の資源化ができ、発電・醗酵のための加熱に利用でき、汚泥の最終処分の問題の解決と同時に発電によるエネルギー回収,醗酵のための加熱による熱エネルギー回収等の省エネルギーが実現される。
【0067】
つぎに本発明の第5の実施の形態を説明する。第5の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、図6に示すように、水蒸気タービン発電システム1cと、冷熱・発電システム2と、空気分離システム3aと、木質系バイオマスエタノール製造システム4aから構成されている。
【0068】
水蒸気タービン発電システム1cは、炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼化石燃料蒸気発生装置42,水蒸気タービン6および発電機7で構成されている。蒸気発生装置42は、水蒸気発生ボイラー,循環ポンプ等で構成される。冷熱・発電システム2は、低沸点媒体熱回収装置8,低沸点媒体タービン9,発電機10および冷凍装置11で構成されている。空気分離システム3aは、深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置46,冷熱貯蔵・変換装置45,液体酸素貯蔵槽13,液体窒素貯蔵槽14および炭酸ガス貯蔵槽44で構成されている。冷熱貯蔵・変換装置45は、図示されていない低温媒体貯蔵槽と温熱媒体貯蔵槽を備えている。木質系バイオマスエタノール製造システム4aは、凍結粉砕装置18,醗酵装置17,分離装置19,濃縮装置20,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。
【0069】
空気分離システム3aの液体酸素貯蔵槽13と液体炭酸ガス貯蔵槽44に貯蔵された液体酸素および液体炭酸ガスが冷熱貯蔵・変換装置45に導かれて加圧後に熱交換を行って水蒸気タービン発電システム1cの炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼化石燃料蒸気発生装置42に導かれ、化石燃料の炭酸ガス雰囲気中での酸素燃焼に用いられる。この燃焼によって発生した水蒸気と炭酸ガスで構成される排ガスを空気分離システム3aの深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置46に導いて除湿をした後に炭酸ガスを液化回収して液体炭酸ガス貯蔵槽44に貯蔵する。
【0070】
この第5の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムによれば、第3の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様の作用効果が得られるほかに、下記のような作用効果が得られる。すなわち、液体酸素貯蔵槽13,液体炭酸ガス貯蔵槽44に貯蔵された液体酸素,液体炭酸ガスが冷熱貯蔵・変換装置45に導かれて加圧後に、貯蔵された温熱媒体と熱交換を行って加熱され、水蒸気タービン発電システム1cの炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼化石燃料蒸気発生装置42に導かれ、化石燃料,汚泥等を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させ水蒸気を製造するのに用いられる。水蒸気製造に用いられた排ガスは、水蒸気と炭酸ガスで構成されている。この排ガスを空気分離システム3aの深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置46に導いて水蒸気を分離後、炭酸ガスを液化回収して液体炭酸ガス貯蔵槽44に貯蔵する。
【0071】
したがって、この第5の実施の形態によれば、化石燃料および汚泥を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させることにより炭酸ガスを100%回収することのできる資源循環系システムを構築することができる。
【0072】
つぎに本発明の第6の実施の形態を説明する。この実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、図7に示すように、水蒸気タービン発電システム1bと、冷熱・発電システム2と、空気分離システム3aと、木質系バイオマスエタノール製造システム4aおよび廃棄物発電システム47から構成されている。
【0073】
水蒸気タービン発電システム1bは、原子力等を利用する蒸気発生装置32,水蒸気タービン6および発電機7で構成されている。冷熱・発電システム2は、低沸点媒体熱回収装置8,低沸点媒体タービン9,発電機10および冷凍装置11で構成されている。空気分離システム3aは、深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置46,液体酸素貯蔵槽13,液体窒素貯蔵槽14,液体炭酸ガス貯蔵槽44および冷熱貯蔵・変換装置45で構成されている。冷熱貯蔵・変換装置45は、図示されていない低温媒体貯蔵槽と温熱媒体貯蔵槽を備えている。木質系バイオマスエタノール製造システム4aは、凍結粉砕装置18,醗酵装置17,分離装置19,濃縮装置20,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。廃棄物発電システム47は、炭酸ガス雰囲気中汚泥酸素燃焼蒸気発生装置48,水蒸気タービン37および発電機38で構成されている。
【0074】
空気分離システム3aの液体酸素貯蔵槽13および液体炭酸ガス貯蔵槽44に貯蔵された液体酸素および液体炭酸ガスが冷熱貯蔵・変換装置45に導かれて加圧後に、貯蔵された温熱媒体と熱交換を行って加熱され、廃棄物発電システム47の炭酸ガス雰囲気中汚泥酸素燃焼蒸気発生装置48に導かれ、汚泥を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させる。発生した水蒸気と炭酸ガスで構成される排ガスを空気分離システム3aの深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置46に導いて除湿した後に炭酸ガスを液化回収して液体炭酸ガス貯蔵槽44に貯蔵する。
【0075】
この第6の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムによれば、第4の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様の作用効果が得られるほかに、下記のような作用効果が得られる。すなわち、液体酸素貯蔵槽13および液体炭酸ガス貯蔵槽44に貯蔵された液体酸素および液体炭酸ガスが冷熱貯蔵・変換装置45に導かれて加圧後に貯蔵された温熱媒体と熱交換を行って加熱され、廃棄物発電システム47の炭酸ガス雰囲気中汚泥酸素燃焼蒸気発生装置48に導かれ、汚泥を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させ水蒸気を製造するのに用いられる。水蒸気製造に用いられた排ガスは、水蒸気と炭酸ガスで構成されている。この排ガスを空気分離システム3aの深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置46に導いて水蒸気を分離後、炭酸ガスを液化回収して液体炭酸ガス貯蔵槽44に貯蔵する。
【0076】
したがって、この第6の実施の形態によれば、汚泥を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させることにより炭酸ガスを100%回収することのできる木質系バイオマス資源循環システムを構築することができる。
【0077】
つぎに本発明の第7の実施の形態を説明する。この実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、図8に示すように、水蒸気タービン発電システム1と、冷熱・発電システム2と、空気分離システム3bと、木質系バイオマスエタノール製造システム4bから構成されている。
【0078】
水蒸気タービン発電システム1は、蒸気発生装置5,水蒸気タービン6および発電機7で構成されている。冷熱・発電システム2は、低沸点媒体熱回収装置8,低沸点媒体タービン9,発電機10および冷凍装置11で構成されている。空気分離システム3bは、深冷式空気分離装置12,冷熱貯蔵・変換装置61,液体酸素貯蔵槽13および液体窒素貯蔵槽14で構成されている。冷熱貯蔵・変換装置61は、図示されていない低温媒体貯蔵槽と温熱媒体貯蔵槽を備えている。木質系バイオマスエタノール製造システム4bは、凍結粉砕装置18,醗酵装置17,分離装置62,濃縮装置63,汚泥貯蔵槽21,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。
【0079】
この第7の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様に作用するほかに、下記のように作用する。
【0080】
空気分離システム3bの冷熱貯蔵・変換装置61の温熱媒体貯蔵槽に貯蔵する温熱媒体を木質系バイオマスエタノール製造システム4bの分離装置62と濃縮装置63へ移送し、分離装置62で凍結分離された低温の汚泥と熱交換をし、常温となった汚泥を汚泥貯蔵槽21に移送して貯蔵する。また、濃縮装置63で凍結濃縮で分離された淡水氷と熱交換をして常温水を純水貯蔵槽22に移送して貯蔵する。そして、分離装置62および濃縮装置63で熱交換を行って低温媒体となった温熱媒体を冷熱貯蔵・変換装置61の低温媒体貯蔵槽に移送して貯蔵する。
【0081】
この第7の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムによれば、第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様の効果が得られるほかに、木質系バイオマスエタノール製造システム4bの分離装置62,濃縮装置63で分離された低温汚泥と氷の低温熱エネルギーを回収することのできる省エネルギー型のシステムが提供される。
【0082】
つぎに本発明の第8の実施の形態を説明する。この実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、図9に示すように、水蒸気タービン発電システム1と、冷熱・発電システム2aと、空気分離システム3cと、木質系バイオマスエタノール製造システム4から構成されている。
【0083】
水蒸気タービン発電システム1は、蒸気発生装置5,水蒸気タービン6および発電機7で構成されている。冷熱・発電システム2aは、低沸点媒体熱回収装置53,低沸点媒体タービン9,発電機10および冷凍装置11で構成されている。空気分離システム3cは、深冷式空気分離装置12,冷熱貯蔵・変換装置66,液体酸素貯蔵槽13および液体窒素貯蔵槽14で構成されている。冷熱貯蔵・変換装置66は、図示されていない低温媒体貯蔵槽と温熱媒体貯蔵槽を備えている。木質系バイオマスエタノール製造システム4は、凍結粉砕装置18,醗酵装置17,分離装置19,濃縮装置20,汚泥貯蔵槽21,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。
【0084】
この第8の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様の作用効果を生じるほかに、下記のような作用効果を生じる。すなわち、空気分離システム3cの冷熱貯蔵・変換装置66の温熱媒体貯蔵槽に貯蔵した温熱媒体を冷熱・発電システム2aの低沸点媒体熱回収装置53に移送して加熱装置で熱交換を行って低温媒体とし、この低温媒体を冷熱貯蔵・変換装置66の低温媒体貯蔵槽に移送して貯蔵する。
【0085】
したがって、空気分離システム3cで発生する温熱を冷熱・発電システム2aによって回収して電気エネルギーに変換する省エネルギーシステムを提供することができる。
【0086】
つぎに本発明の第9の実施の形態を説明する。この実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、図10に示すように、水蒸気タービン発電システム1と、そのボトミングに付設された冷熱・発電システム2aと、その冷媒を利用する冷凍気体製造システム49と、冷凍空気を凍結粉砕・分離・濃縮に利用する木質系バイオマスエタノール製造システム4cから構成されている。
【0087】
冷凍気体製造システム49は、冷凍気体製造装置50と冷熱貯蔵・変換装置51で構成されている。木質系バイオマスエタノール製造システム4cは、凍結粉砕装置55,醗酵装置17,分離装置19,濃縮装置20,汚泥貯蔵槽21,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。
【0088】
冷凍気体製造装置50には冷熱・発電システム2aの冷凍装置11で生成された冷媒が導かれ熱交換後は還流する。また冷熱貯蔵・変換装置51から冷媒が導かれ熱交換後還流する。冷凍気体製造装置50では、木質系バイオマスエタノール製造システム4cの濃縮装置20で熱交換を行って還流した空気が、圧縮機で圧縮された後に冷媒で冷却され、断熱膨張で冷凍空気が製造される。この冷凍空気は木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55に移送される。もちろん、冷凍空気に代えて冷凍エタンや冷凍窒素を製造することも可能である。
【0089】
冷熱貯蔵・変換装置51の温熱媒体貯蔵槽に貯蔵される温熱媒体が木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55の熱交換部に導かれ、粉砕されたバイオマスチップと熱交換をして低温媒体になったものが冷熱貯蔵・変換装置51の低温媒体貯蔵槽に還流する。
【0090】
凍結粉砕装置55には間伐材や製材廃材等をチップ化したバイオマスチップ24が投入され、冷凍気体製造システム49の冷凍気体製造装置50より冷凍空気を導いて急速凍結を行って微粉化を行う。微細化したバイオマスチップの冷熱を冷熱貯蔵・変換装置51からの温熱媒体と熱交換を行って回収し、熱媒体を冷凍気体製造システム49の冷熱貯蔵・変換装置51に還流させる。
【0091】
微粉化され加温されたバイオマスチップは、醗酵装置17に導かれる。醗酵装置17には水蒸気タービン発電システム1の水蒸気タービン6の排気蒸気,あるいは冷熱・発電システム2aの冷凍装置11で熱交換を行った蒸気の分岐したものが導かれて、凍結粉砕装置55で微粉化されたバイオマスチップがエタノール醗酵菌で醗酵を行うのに最適な30℃程度の温度に加熱する。
【0092】
醗酵装置17でエタノール醗酵を行ったもろみを分離装置19に移送し、凍結粉砕装置55を経由した冷凍空気でもろみを凍結させ、絞り機で3%程度の濃度のエチルアルコール溶液と汚泥に分離し、汚泥は汚泥貯蔵槽21に貯蔵する。エチルアルコール溶液は濃縮装置20に移送し、熱交換に用いられた冷凍空気も濃縮装置20の熱交換部に導かれる。
【0093】
濃縮装置20では、分離装置19より導かれた3%程度の濃度のエチルアルコール溶液を、同じく分離装置19を経由した冷凍空気を熱交換部に導いて熱交換を行って凍結させて、20%以上のエチルアルコール濃縮溶液と淡水氷に分離する。淡水氷は淡水化して純水貯蔵槽22に貯蔵し、濃縮エチルアルコール溶液はエチルアルコール貯蔵槽23に移送する。熱交換を行った冷凍空気は冷凍気体製造システム49の冷凍気体製造装置50に還流する。
【0094】
この第9の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは第8の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様に作用するほか、下記のように作用する。
【0095】
電力需要の少ない夜間や、ピーク電力需要が少ない春期・秋期の昼間において、冷凍気体製造システム49の冷凍気体製造装置50では、木質系バイオマスエタノール製造システム4cの濃縮装置20から還流してきた空気を圧縮機で圧縮し、高温になった圧縮空気を冷熱・発電システム2aの冷凍装置11で製造した冷媒や、冷熱貯蔵・変換装置51の低温冷媒貯蔵槽に貯蔵された熱媒体を用いて冷却し、冷却された高圧空気を断熱膨張させて冷凍空気を製造する。
【0096】
この冷凍空気を木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55に移送して間伐材や製材廃材等をチップ化したバイオマスチップ24を急速凍結し、衝撃を加えて微粉化を行う。微細化したバイオマスチップの冷熱を冷熱貯蔵・変換装置51から導いた熱媒体で回収し、冷熱媒体を冷凍気体製造システム49の冷熱貯蔵・変換装置51に貯蔵する。常温になった微細化バイオマスチップを木質系バイオマスエタノール製造システム4cの醗酵装置17に移送する。凍結粉砕装置55で急速凍結に用いた冷凍空気は分離装置19や濃縮装置20の熱交換部に導かれ凍結分離や凍結濃縮のための熱交換を行った後で冷凍気体製造装置50に還流する。
【0097】
夏期や冬期の電力需要の多い昼間においては、木質系バイオマスエタノール製造システム4cの濃縮装置20から冷凍気体製造システム49の冷凍気体製造装置50に還流してきた空気を圧縮機で圧縮し、高温になった圧縮空気を冷熱貯蔵・変換装置51の低温冷媒貯蔵槽に貯蔵された熱媒体を用いて冷却する。
【0098】
この第9の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムにおいては、第8の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様の効果が得られるほかに、木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55での急速凍結に液体窒素を使う代わりに冷凍空気を使うので省エネルギーを実現することができる。
【0099】
つぎに本発明の第10の実施の形態を説明する。この実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは、図11に示すように、水蒸気タービン発電システム1と、低沸点媒体発電システム57と、冷凍気体製造システム58と、木質系バイオマスエタノール製造システム4cとから構成される。
【0100】
水蒸気タービン発電システム1の構成と動作は第1の実施の形態(図1)におけると同じであり、木質系バイオマスエタノール製造システム4cの構成と動作は第9の実施の形態(図10)におけると同じである。低沸点媒体発電システム57は、低沸点媒体熱回収装置53と、低沸点媒体タービン9と発電機10で構成されている。
【0101】
冷凍気体製造システム58は、冷凍気体製造装置59と冷熱貯蔵・変換装置51で構成されている。冷凍気体製造装置59には海洋深層水39が導かれ熱交換後は海に放流される。また冷熱貯蔵・変換装置51に貯蔵された冷媒が導かれ熱交換後還流する。
【0102】
冷凍気体製造装置59では木質系バイオマスエタノール製造システム4cの濃縮装置20で熱交換を行って還流した空気が、圧縮機で圧縮された後に冷熱貯蔵・変換装置51からの冷媒で冷却され、断熱膨張を行って冷却空気が製造され、冷凍空気は木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55に移送される。冷熱貯蔵・変換装置51に貯蔵された温熱媒体が木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55の熱交換部に移送され、粉砕されたバイオマスチップと熱交換をして低温媒体になったものが低温媒体貯蔵槽に還流して貯蔵される。
【0103】
この第10の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは第9の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様に作用するほかに、下記のように作用する。
【0104】
冷凍気体製造システム58の冷凍気体製造装置59では木質系バイオマスエタノール製造システム4cの濃縮装置20から還流してきた空気を圧縮機で圧縮し、高温になった圧縮空気を低温の海洋深層水39や、冷熱貯蔵・変換装置51の低温冷媒貯蔵槽に貯蔵された熱媒体を用いて冷却する。冷却された高圧空気を断熱膨張させて冷凍空気を製造し、この冷凍空気を木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55に移送して間伐材や製材廃材等をチップ化したバイオマスチップ24を急速凍結し、衝撃を加えて微粉化を行う。
【0105】
微細化されたバイオマスチップの冷熱を冷熱貯蔵・変換装置51の温熱媒体貯蔵槽からの熱媒体で回収し、冷凍気体製造システム58の冷熱貯蔵・変換装置51の冷熱媒体貯蔵槽に貯蔵する。常温になったバイオマスチップを木質系バイオマスエタノール製造システム54の醗酵装置17に移送する。凍結粉砕装置55で急速凍結に用いた冷凍空気は分離装置19や濃縮装置20の熱交換部に導かれ、エタノールの凍結分離や凍結濃縮のための熱交換を行った後で冷凍気体製造装置59に還流する。
【0106】
この第10の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムによれば、第9の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムと同様の効果が得られるほかに、年間を通じて2℃〜7℃程度の低温の海洋深層水が取水できるために、冷凍機を用いること無く冷凍空気を製造することができ、木質系バイオマスよりエタノールを省エネルギーで製造することができる。
【0107】
つぎに本発明の第11の実施の形態を説明する。この実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムは図12に示すように、冷凍気体製造システム58と木質系バイオマスエタノール製造システム4cとからなる。木質系バイオマスエタノール製造システム4cは、凍結粉砕装置55,醗酵装置17,分離装置19,濃縮装置20,汚泥貯蔵槽21,純水貯蔵槽22およびエタノール貯蔵槽23で構成されている。
【0108】
冷凍気体製造システム58は、冷凍気体製造装置59と冷熱貯蔵・変換装置51で構成される。冷凍気体製造装置59には海洋深層水39が導かれ熱交換後は海に放流される。また冷熱貯蔵・変換装置51に貯蔵された冷媒が導かれ熱交換後還流する。冷凍気体製造装置59では木質系バイオマスエタノール製造システム4cの濃縮装置20で熱交換を行って還流した空気が、圧縮機で圧縮された後に冷熱貯蔵・変換装置51からの冷媒で冷却され、断熱膨張で冷凍空気が製造される。この冷凍空気は木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55に移送される。冷熱貯蔵・変換装置51に貯蔵された温熱媒体が木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55の熱交換部に移送され、粉砕されたバイオマスチップを醗酵適温の30℃程度になるように熱交換をし、低温媒体になった熱媒体が冷熱貯蔵・変換装置51の低温媒体貯蔵槽に還流する。
【0109】
冷凍気体製造システム58の冷凍気体製造装置59では木質系バイオマスエタノール製造システム4cの濃縮装置20から還流してきた空気を圧縮機で圧縮し、高温になった圧縮空気を低温の海洋深層水39や、冷熱貯蔵・変換装置51の低温冷媒貯蔵槽から供給される熱媒体を用いて冷却する。冷却された高圧空気を断熱膨張させて冷凍空気を製造し、この冷凍空気を木質系バイオマスエタノール製造システム4cの凍結粉砕装置55に移送して間伐材や製材廃材等をチップ化したバイオマスチップ24を急速凍結し、衝撃を加えて微粉化を行う。微細化したバイオマスチップの冷熱を冷熱貯蔵・変換装置51からの熱媒体で回収し、低温になった媒体を冷凍気体製造システム58の冷熱貯蔵・変換装置51に移送して貯蔵する。
【0110】
醗酵適温の30℃程度になった微細化したバイオマスチップを木質系バイオマスエタノール製造システム4cの醗酵装置17に移送する。凍結粉砕装置55で急速凍結に用いた冷凍空気は分離装置19や濃縮装置20の熱交換部に導かれエタノール凍結分離や凍結濃縮のための熱交換を行った後で冷凍気体製造装置59に還流する。
【0111】
この第11の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムによれば、年間を通じて2℃〜7℃程度の低温の海洋深層水39が取水できるために、冷凍機を用いること無く冷却空気を製造し、同時に発生する温熱をエタノール醗酵のための加熱に用いることで、木質系バイオマスよりエタノールを省エネルギーで製造することができる。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、エネルギー効率の高い排熱利用木質系バイオマス液化システムおよびエタノールの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の排熱利用木質系バイオマス液化システムの構成および物質の流れを示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す図。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す図。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す図。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す図。
【図7】本発明の第6の実施の形態を示す図。
【図8】本発明の第7の実施の形態を示す図。
【図9】本発明の第8の実施の形態を示す図。
【図10】本発明の第9の実施の形態を示す図。
【図11】本発明の第10の実施の形態を示す図。
【図12】本発明の第11の実施の形態を示す図。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c…水蒸気タービン発電システム、2,2a…冷熱・発電システム、3,3a,3b,3c…空気分離システム、4,4a,4b,4c…木質系バイオマスエタノール製造システム、5…蒸気発生装置、6…水蒸気タービン、7…発電機、8…低沸点媒体熱回収装置、9…低沸点媒体タービン、10…発電機、11…冷凍装置、12…深冷式空気分離装置、13…液体酸素貯蔵槽、14…液体窒素貯蔵槽、15…冷熱貯蔵・変換装置、16…空気、17…醗酵装置、18…凍結粉砕装置、19…分離装置、20…濃縮装置、21…汚泥貯蔵槽、22…純水貯蔵槽、23…エチルアルコール貯蔵槽、24…バイオマスチップ、25…窒素ガス、31…化石燃料蒸気発生装置、32…原子力等を利用する蒸気発生装置、34…木質系バイオマスエタノール製造システム、35…廃棄物発電システム、36…汚泥燃焼蒸気発生装置、37…水蒸気タービン、38…発電機、39…海洋深層水、40…冷熱・発電システム、42…炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼化石燃料蒸気発生装置、44…炭酸ガス貯蔵槽、45…冷熱貯蔵・変換装置、46…深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置、47…廃棄物発電システム、48…炭酸ガス雰囲気中汚泥酸素燃焼蒸気発生装置、49…冷凍気体製造システム、50…冷凍気体製造装置、51…冷熱貯蔵・変換装置、53…低沸点媒体熱回収装置、55…凍結粉砕装置、57…低沸点媒体発電システム、58…冷凍気体製造システム、59…冷凍気体製造装置、61…冷熱貯蔵・変換装置、66…冷熱貯蔵・変換装置。

Claims (12)

  1. 水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システムと、前記水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて冷媒を生成し水より沸点の低い媒体を作動媒体として発電を行う冷熱・発電システムと、前記冷熱・発電システムから冷媒を供給されて空気を冷却し液体酸素と液体窒素を製造する空気分離システムと、前記水蒸気タービン発電システムから蒸気を供給され前記空気分離システムから液体窒素を供給されて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行う木質系バイオマスエタノール製造システムとを備えたことを特徴とする排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  2. 前記水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気が前記冷熱・発電システムにおける冷媒生成に用いられ、その後、前記木質系バイオマスエタノール製造システムにおけるエタノール醗酵に用いられることを特徴とする請求項1記載の排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  3. 前記水蒸気タービン発電システムは、前記木質系バイオマスエタノール製造システムに設けられエタノール分離を行う分離装置で分離された木質系バイオマスチップの汚泥を燃焼させる蒸気発生装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  4. 前記水蒸気タービン発電システムは化石燃料を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させる蒸気発生装置を備え、前記空気分離システムは深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置を備え、前記水蒸気タービン発電システムの前記蒸気発生装置に前記空気分離システムから高圧酸素ガスおよび高圧炭酸ガスを導き、前記蒸気発生装置の燃焼排ガスを前記深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置に導き、純水と液体炭酸ガスにすることを特徴とする請求項1記載の排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  5. 前記水蒸気タービン発電システムに備えられる蒸気発生装置は原子力または地熱または太陽熱を利用する蒸気発生装置であり、前記木質系バイオマスエタノール製造システムに設けられエタノール分離を行う分離装置で分離された木質系バイオマスチップの汚泥を燃焼させて発電を行う廃棄物発電システムを備え、前記廃棄物発電システムの排気蒸気を前記木質系バイオマスエタノール製造システムの醗酵装置に導くことを特徴とする請求項1記載の排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  6. 前記廃棄物発電システムは木質系バイオマスチップの汚泥を炭酸ガス雰囲気中酸素燃焼させる蒸気発生装置を備え、前記空気分離システムは深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置を備え、前記廃棄物発電システムの前記蒸気発生装置に前記空気分離システムから高圧酸素ガスおよび高圧炭酸ガスを導き、前記蒸気発生装置の燃焼排ガスを前記深冷式空気分離・炭酸ガス液化装置に導き、純水と液体炭酸ガスにすることを特徴とする請求項5記載の排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  7. 前記木質系バイオマスエタノール製造システムの分離装置および濃縮装置の冷熱を回収して前記空気分離システムに設けられ液体窒素と熱媒体の熱交換を行う冷熱貯蔵・変換装置に移送するようにしたことを特徴とする請求項1記載の排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  8. 前記空気分離システムに設けられ液体窒素と熱媒体の熱交換を行う冷熱貯蔵・変換装置の温熱を前記冷熱・発電システムに設けられ低沸点媒体によって水蒸気タービン発電システムから供給される蒸気の熱を回収する低沸点媒体熱回収装置に移送するようにしたことを特徴とする請求項1記載の排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  9. 前記冷熱・発電システムに設けられ冷媒を生成する冷凍装置および低沸点媒体によって水蒸気タービン発電システムから供給される蒸気の熱を回収する低沸点媒体熱回収装置の冷却に海洋深層水を用いるようにしたことを特徴とする請求項1記載の排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  10. 水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システムと、前記水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて冷媒を生成し水より沸点の低い媒体を作動媒体として発電を行う冷熱・発電システムと、前記冷熱・発電システムから冷媒を供給されて空気を冷却し冷凍空気,冷凍エタンまたは冷凍窒素を製造する冷凍気体製造システムと、前記水蒸気タービン発電システムから蒸気を供給され前記冷凍気体製造システムから冷凍空気,冷凍エタンまたは冷凍窒素を供給されて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行う木質系バイオマスエタノール製造システムとを備えたことを特徴とする排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  11. 水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システムと、前記水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて水より沸点の低い媒体を作動媒体として発電を行う低沸点媒体発電システムと、海洋深層水によって冷凍空気,冷凍エタンまたは冷凍窒素を製造する冷凍気体製造システムと、前記水蒸気タービン発電システムから蒸気を供給され前記冷凍気体製造システムから冷凍気体を供給されて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行う木質系バイオマスエタノール製造システムとを備えたことを特徴とする排熱利用木質系バイオマス液化システム。
  12. 水蒸気を発生して発電を行う水蒸気タービン発電システムの抽気蒸気または排気蒸気のエネルギーを用いて低沸点媒体発電を行うとともに冷媒を生成し、前記冷媒を用いて空気を冷却して液体酸素と液体窒素を製造し、前記水蒸気タービン発電システムからの蒸気の熱と前記液体窒素の冷熱を用いて木質系バイオマスチップの凍結粉砕、エタノール醗酵、エタノール分離およびエタノール濃縮を行うことを特徴とするエタノールの製造方法。
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