JP5375874B2 - モータ駆動装置 - Google Patents
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Description
さらに、直流電源とインバータとの間に回路遮断用の電源リレーとして半導体スイッチング素子を設ける場合には、一層、装置の大型化を招くこととなる。
ヒートシンクは、インバータ用半導体スイッチング素子およびモータリレー用半導体スイッチング素子が搭載され、発熱を受容可能である。
基板は、インバータ用半導体スイッチング素子およびモータリレー用半導体スイッチング素子のリード部が電気的に接続される。
また、本発明のモータ駆動装置は、当該モータ駆動装置の駆動を制御するための制御用電子部品を、「インバータ用半導体スイッチング素子およびモータリレー用半導体スイッチング素子が電気的に接続される基板」と同一の1枚の基板に設けている。
一般に、インバータ用半導体スイッチング素子等が実装される基板は「パワー基板」、インバータ用半導体スイッチング素子のオンオフ等を制御するマイコンやICが実装される基板は「制御基板」と呼ばれ区別される。このパワー基板と制御基板とを1枚の基板で構成することにより、例えば2枚の基板を積層配置する場合に比べ、モータ駆動装置の体格を小型にすることができる。
また、2n個のインバータ用半導体スイッチング素子のうち少なくともn個の前記インバータ用半導体スイッチング素子は、ヒートシンクの一方の端部から他方の端部に向かって第1搭載部と直交する方向に形成される第2搭載部に搭載される。
すなわち、第1搭載部と第2搭載部とは「T字形」の搭載部を構成する。例えばn=3の場合、3個のモータリレー用半導体スイッチング素子が第1搭載部に搭載され、6個のインバータ用半導体スイッチング素子のうち3個以上が第2搭載部に搭載される。
上記のn=3の例で言えば、6個のインバータ用半導体スイッチング素子のうち3個が第2搭載部の第1列に配置され、残り3個が第2搭載部の第2列に配置される。第1列および第2列に搭載されるインバータ用半導体スイッチング素子は、同じ方向を向いて並べられてもよく、或いは、長手方向の対称軸に対して略対称に配置されてもよい。
6個のインバータ用半導体スイッチング素子が3個ずつ2列に配列されることで、長手方向の長さを短縮し、モータ駆動装置の体格をさらに小型にすることができる。
例えば、バッテリ電源とインバータの上アームとの間に、寄生ダイオードの極性が互いに逆向きの2つの電源リレー用半導体スイッチング素子を直列に接続することで、異常時等の過電流からインバータ回路を保護することができる。
この場合、電源リレー用半導体スイッチング素子を第2搭載部の第1搭載部と反対側に配置することで、電源リレー、インバータ、モータリレー用の半導体スイッチング素子がこの順に並ぶこととなる。これにより、基板上の電流の流れを一方向とし、熱の滞留を防止することができる。
これにより、モータリレー用半導体スイッチング素子は、第1搭載部の傾斜面に当接し、基板に対して傾斜して配置されることとなる。仮に半導体スイッチング素子を基板に対して略垂直に配置しようとすると高さ方向の寸法が大きくなり、一方、基板に対して略平行に配置しようとすると基板面方向の寸法が大きくなる。そこで、半導体スイッチング素子を基板に対して傾斜させることで、モータ駆動装置の体格を全体的に効率よく小型にすることができる。
例えば、モータ端子は、基板からヒートシンクの第1搭載部の傾斜面に向かって立ち上がり、さらに第1搭載部の傾斜面から離れるようにL字状に折れ曲がる。これにより、第1搭載部に搭載されたモータリレー用半導体スイッチング素子と基板との間の略三角柱状のスペースを効率的に利用することができ、モータ駆動装置の体格を小型にすることができる。
請求項4に記載の発明における第1搭載部と同様、第2搭載部についてもインバータ用半導体スイッチング素子を基板に対して傾斜させることで、モータ駆動装置の体格を全体的に効率よく小型にすることができる。
これにより、第2搭載部の第1列と第2列とに搭載される半導体スイッチング素子のリード部同士が近接する。例えば、同じ相の上アームと下アームとの半導体スイッチング素子を第2搭載部の第1列と第2列との対応する位置に配置することにより、上下アーム間の配線距離を短縮し、配線インピーダンスを低減することができる。よって、電力ロスを低減することができる。
これにより、モータ駆動装置の入力側であるコネクタから出力側であるモータリレー用半導体スイッチング素子まで、基板上の電流の流れを一方向とし、熱の滞留を防止することができる。
また、コネクタおよびチョークコイルは、基板に設けられる部品の中で特に大きな部品である。そこで、コネクタおよびチョークコイルを、第2搭載部に対し第1搭載部とは反対側の空間に配置することで、スペースを効率的に利用することができ、モータ駆動装置の体格を小型にすることができる。
(第1実施形態)
図1に示すように、「モータ駆動装置」としてのECU3は、例えば車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング装置に適用される。
モータAssy8は、モータ部80および回転角センサ85を含む。モータ部80は、巻線が巻回されるステータ、及び、巻線への通電によって発生する回転磁界を受けて回転するロータ等から構成される三相ブラシレスモータである。
回転角センサ85は、モータ部80のロータの回転角を検出する。本実施形態では、回転角センサ85はレゾルバであり、ロータと一体に回転するシャフト(回転軸)の回転角によってコイルに生成される誘起電圧の変化に基づいてロータの回転角を検出する。
ECU3には、トルクセンサ93からの操舵トルク信号やCAN(Controller Area Network)バス94からの車速信号がCANインタフェース回路を経由して入力される。
まず、ECU3の電気回路の構成について、図2、図3を参照して説明する。図3は、図2におけるインバータ回路400の中のブリッジ回路440の模式図である。図2に示すように、ECU3のパワー電源は、バッテリ7からパワーIGラインを経由して供給され、制御電源は、バッテリ7からIGラインを経由して供給される。
以下、電源リレー用MOS431、432を総括して「電源リレー用MOS43」と記す。電源リレー用MOS43は、特許請求の範囲に記載の「電源リレー用半導体スイッチング素子」に相当する。「MOS」は、電界効果トランジスタの一種であるMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)の略称である。
マイコン70は、操舵アシストトルクに関する各種入力信号に基づいてインバータ回路400を制御する。例えば、トルクセンサ93で検出された操舵トルクの信号がトルクセンサ回路73を経由して入力され、CANバス94からの車速信号がCANインタフェース回路74を経由して入力される。また、モータAssy8内の回転角センサ85で検出された回転角信号が回転角センサ回路75を経由して入力される。
以下、3個のモータリレー用MOSを総括して「モータリレー用MOS45」と記す。モータリレー用MOS45は、特許請求の範囲に記載の「モータリレー用半導体スイッチング素子」に相当する。
図4に示すように、ECU3は、モータAssy8の軸方向に略平行に取り付けられる。モータAssy8は、ブラシレスモータ部80と回転角センサ85とから構成される。
ECU3は、プレートサブAssy101、制御及びパワー基板30、コネクタ35および固定樹脂部材50から構成される。プレートサブAssy101は、複数のMOS43、44、45がヒートシンク201に搭載されたサブAssyである。
コネクタ35は、制御及びパワー基板30に取り付けられ、直流電源および各種信号線が接続される。
固定樹脂部材50は、制御及びパワー基板30とモータ部80とを接続する3本のモータ端子51を一体にモールドしたものである。
プレートサブAssy101は、ヒートシンク201に、2個の電源リレー用MOS43、6個のインバータ用MOS44および3個のモータリレー用MOS45からなる計11個のMOSが搭載されたものである。
ヒートシンク201は、アルミニウム等の熱伝導性材料により形成され、MOS43、44、45の発熱を受容する機能と、ECU3の外郭を形成するハウジングとしての機能とを兼ねる。
ヒートシンク201の底面である基準面21は、制御及びパワー基板30と略平行に形成される。また、図5(a)において、ヒートシンク201の左端は、「モータ端子51側の端部22」であり、ヒートシンク201の右端は、「コネクタ35側の端部29」である。端部22および端部29は、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「ヒートシンクの一方の端部」および「他方の端部」に相当する。
ここで、モータリレー用MOS45は、絶縁放熱シート47に当接する面が露出電極となっており、ねじ48で締結されることによって、露出電極が絶縁放熱シート47に密着する。これにより、モータリレー用MOS45とヒートシンク201との絶縁を確保しつつ、モータリレー用MOS45の発熱が絶縁放熱シート47を介してヒートシンク201に放出される。よって、モータリレー用MOS45の温度上昇による故障や誤動作を防止することができる。
モータリレー用MOS45のドレイン、ソース、ゲートの各リード部46は、基準面21に対して略垂直方向に曲げられ、制御及びパワー基板30のスルーホール33(図7参照)に挿入されてはんだ付けされる。
第2搭載部25は、「互いに平行な2列の搭載部」である第1列251および第2列252から構成される。第2搭載部25の第1列251および第2列252は、第1搭載部24と略直交する対称軸xに対して対称であって、対称軸xに近づくに従って高くなるように傾斜している。すなわち、第2搭載部25は、山形の断面形状を呈する。
また、第2搭載部の第1列251と第2列252とに搭載される各3個のインバータ用MOS44、及び各1個の電源リレー用MOS43は、いずれもリード部46が向かい合うように近接して配置される。
また、インバータ用MOS44および電源リレー用MOS43は、モータリレー用MOS45と同様、各リード部46が基準面21に対して略垂直方向に曲げられ、制御及びパワー基板30のスルーホール33(図7参照)に挿入されてはんだ付けされる。
また、ヒートシンク201の第2搭載部25とコネクタ挿通穴28との間の空間は、チョークコイル41を収容するためのチョークコイル収容部27を構成する。
次に、ECU3の作動を説明する。
ECU3のマイコン70は、操舵トルク、車速、モータ回転角の入力信号、及びモータ電流検出信号等に基づき、インバータ回路400のプリドライバ76を介して、インバータ用MOS44のオンオフを制御する。これにより、インバータ回路400は、バッテリ7から電源リレー用MOS43を経由して供給される直流電流を三相交流電流に変換し、モータリレー用MOS45を経由して、モータAssy8のモータ部80に供給する。
モータAssy8の回転出力は、減速ギア89を経由してステアリングシャフト92に伝達され、運転者の操舵をアシストする。
電源リレー用MOS43、インバータ用MOS44、モータリレー用MOS45のオンオフ動作による発熱は、絶縁放熱シート47を介してヒートシンク201に放出される。
(1)略矩形状のヒートシンク201において第1搭載部24と第2搭載部25とがT字形に形成され、3個のモータリレー用MOS45が第1搭載部24に搭載される。
ここで、比較例のプレートサブAssy109について図9を参照して説明する。比較例では、ヒートシンク209に、第1実施形態の第1搭載部24に相当する短手方向の搭載部が形成されていない。そして、計11個のMOS45、44、43は、長手方向の2列の搭載部に6個と5個に分かれて搭載されている。その結果、ヒートシンク209の長手方向の長さL9は、第1実施形態のヒートシンク201の長手方向の長さL1に比べてΔLだけ長くなり、プレートサブAssy109全体の体格が大きくなる。
言い換えれば、第1実施形態は、第1搭載部24と第2搭載部25とをT字形に形成することにより、プレートサブAssy101の体格、ひいてはECU3の体格を小型にすることができる。
(3)電源リレー用MOS43は、第2搭載部25のコネクタ35側に配置され、コネクタ35からモータ端子51に向かって、電源リレー用MOS43、インバータ用MOS44、モータリレー用MOS45がこの順に並ぶ。これにより、制御及びパワー基板30上の電流の流れを一方向とし、熱の滞留を防止することができる。
(5)第2搭載部25は、基準面21に対して傾斜して形成される。そして、コネクタ35と第2搭載部25との間の空間(チョークコイル収容部27)にチョークコイル41を配置することで、スペースを効率的に利用することができ、ECU3の体格を小型にすることができる。
(7)インバータ用MOS44等のパワー部品とマイコン70等の制御部品とが1枚の制御及びパワー基板30に実装されているため、例えば、パワー基板と制御基板との2枚の基板が積層配置される場合に比べ、ECU3の体格を小型にすることができる。
本発明の第2実施形態によるモータ駆動装置について図8(a)を参照して説明する。以下の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態のプレートサブAssy102では、ヒートシンク202の第2搭載部25に6個のインバータ用MOS44が搭載され、第2搭載部25のコネクタ35側に、電源リレー用MOS43に代えて、機械式の電源リレー43Rが配置される。
このように、電源リレーは、機械式のリレーであってもよい。この場合も、電源リレー43Rはコネクタ35に隣接して配置されるため、制御及びパワー基板30上でのパワーIGラインの電流の流れ方向を一方向とし、熱の滞留を防止することができる。
本発明の第3実施形態によるモータ駆動装置について図8(b)を参照して説明する。
第3実施形態のプレートサブAssy103では、ヒートシンク203の第1搭載部24に3個のモータリレー用MOS45が搭載される。また、第2搭載部25に6個のインバータ用MOS44のうち3個が1列に配置され、そのコネクタ35側に2個の電源リレー用MOS43が配置される。そして、第1搭載部24と第2搭載部25との間で第1搭載部24と短手方向の軸に対して略対称に形成される第3搭載部26に、残り3個のインバータ用MOS44が搭載される。
この実施形態では、モータリレー用MOS45に近接して配置される3個のインバータ用MOS44について、モータリレー用MOS45との配線距離を短縮し、配線インピーダンスを低減することができる。よって、電力ロスを低減することができる。
(ア)本発明のモータ駆動装置は、三相の交流モータに限らず、四相以上の多相交流モータに適用されてもよい。
(イ)第2搭載部が基準面に対して傾斜する2列の搭載部から構成される場合、第1列と第2列とが同方向に傾斜し、断面形状がのこぎり状となるように形成されてもよい。
(ウ)(削除)
(カ)上記実施形態では、車両の電動パワーステアリング装置に適用されるECUについて説明したが、本発明のモータ駆動装置は、他の用途のモータに適用されてもよい。
2 ・・・モータユニット駆動装置、
3 ・・・ECU(モータ駆動装置)、
8 ・・・モータAssy、
201、202、203・・・ヒートシンク、
21 ・・・基準面、
22 ・・・端部(一方の端部)、
24 ・・・第1搭載部、
25 ・・・第2搭載部、
251 ・・・(第2搭載部の)第1列、
252 ・・・(第2搭載部の)第2列、
29 ・・・端部(他方の端部)、
30 ・・・制御及びパワー基板(基板)、
35 ・・・コネクタ、
400 ・・・インバータ回路、
43 ・・・電源リレー用MOS(電源リレー用半導体スイッチング素子)、
44 ・・・インバータ用MOS(インバータ用半導体スイッチング素子)、
45 ・・・モータリレー用MOS(モータリレー用半導体スイッチング素子)、
46 ・・・リード部、
51 ・・・モータ端子、
80 ・・・モータ部。
Claims (8)
- 直流電流をn相交流電流(nは3以上の自然数)に変換してn相交流モータを駆動するモータ駆動装置であって、
インバータ回路の上下アームを構成する2n個のインバータ用半導体スイッチング素子と、
前記インバータ回路の出力側に設けられ、モータへの電流供給経路を遮断可能なn個のモータリレー用半導体スイッチング素子と、
前記インバータ用半導体スイッチング素子および前記モータリレー用半導体スイッチング素子が搭載され、発熱を受容可能なヒートシンクと、
前記インバータ用半導体スイッチング素子および前記モータリレー用半導体スイッチング素子のリード部が電気的に接続される基板と、
を備え、
当該モータ駆動装置の駆動を制御するための制御用電子部品を1枚の前記基板に設けており、
n個の前記モータリレー用半導体スイッチング素子は、前記ヒートシンクの一方の端部に沿って形成される第1搭載部に搭載され、
2n個の前記インバータ用半導体スイッチング素子のうち少なくともn個の前記インバータ用半導体スイッチング素子は、前記ヒートシンクの一方の端部から他方の端部に向かって前記第1搭載部と直交する方向に形成される第2搭載部に搭載され、
前記第1搭載部および前記第2搭載部は、T字形を呈していることを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記ヒートシンクの前記第2搭載部は互いに平行な2列の搭載部から構成され、
2n個の前記インバータ用半導体スイッチング素子は、n個ずつ2列に配置されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 直流電源から前記インバータ回路への電流供給経路を遮断可能な電源リレー用半導体スイッチング素子を備え、
当該電源リレー用半導体スイッチング素子は、前記第2搭載部の前記第1搭載部と反対側に搭載され、リード部が前記基板に電気的に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動装置。 - 前記ヒートシンクの前記第1搭載部は、前記ヒートシンクの前記基板と平行な基準面に対して傾斜して形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
- 前記モータリレー用半導体スイッチング素子を前記基板に投影する空間内に、前記基板とモータとを接続するモータ端子が設けられることを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクの前記第2搭載部は、前記ヒートシンクの前記基板と平行な基準面に対して傾斜して形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
- 前記ヒートシンクの前記第2搭載部は、互いに隣接する側が相対的に高くなるように前記基準面に対して傾斜して形成される2列の搭載部から構成されることを特徴とする請求項6に記載のモータ駆動装置。
- 前記基板の前記第1搭載部と反対側の端部に、直流電源が供給されるコネクタを備え、
前記基板の当該コネクタと前記第2搭載部との間に、前記電源リレー用半導体スイッチング素子の電源側に接続されノイズを平滑化するチョークコイルを備えることを特徴とする請求項6または7に記載のモータ駆動装置。
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