JP5375793B2 - 液処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、角型の基板に処理液を供給して、当該基板に対し液処理を行う液処理装置に関する。
従来、フォトマスクを製造するための角型の基板(以下、単に基板と記載する)に対してレジスト除去などの液処理を行う場合、前記基板を水平に保持すると共に基板の中心軸を回転軸として鉛直軸回りに回転させる基板保持部と、基板に処理液を吐出するノズルとを備えた液処理装置が用いられる。前記ノズルから回転する基板の中心に供給された処理液は、遠心力により基板の周縁部へと広げられる。また、この液処理装置には、基板から飛散した処理液をその内周面で受け止めて除去するために、基板の側方を囲むと共にその内部が排気されるカップが設けられている。
しかし、基板から飛散した処理液は、前記カップに当って跳ね返ったり、前記ノズルやノズルを支持するアームに付着した後に落下したりすることにより、基板に再付着するおそれがある。基板に再付着した処理液は、それ自体が異物となったり、ウォーターマークを発生させたりしてマスクの欠陥の原因となる。また、前記液処理装置では、ノズルから基板に吐出された処理液がミストとなって基板上に飛散する。このミスト化した処理液が基板に付着した場合もそれが異物となり、マスクの欠陥となってしまうので、このミストを基板の周囲から効率的に除去することが求められている。
特許文献1では、カップ内において角型基板の外側に当該角型基板の外縁に沿って設けられた液受け部材を備えた液処理装置について記載されており、前記液受け部材は基板と共に回転するように構成されている。しかし、この液処理装置では、ミスト化した処理液の問題については記載されておらず、上記の欠陥の発生を防ぐためには不十分である。また、特許文献2では基板の外方に設けられ、基板と共に回転可能なリング状のカップが上下に複数段に設けられた液処理装置について記載されている。しかし、特許文献2の液処理装置は、角型基板ではなくウエハの処理装置であり、また、上記のように遠心力により回転する基板から飛散した処理液の問題については記載されておらず、この問題を解決できるものではない。
特開平8−1064(図2、図3及び段落0019〜段落0022) 特開2010−40863(図1及び段落0040、段落0041)
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、液処理装置において、角型の基板から飛散する処理液が基板に付着することを防ぐことができる技術を提供することである。
本発明の液処理装置は、角型の基板を処理液により処理する液処理装置において、
前記基板を水平に保持する基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された基板を、鉛直軸回りに回転させる回転駆動機構と、
前記基板に処理液を供給する処理液供給機構と、
回転する基板の周縁部から外側上方へ飛散した処理液をその下面で受け止めて基板の外側方向へガイドするために、基板の辺に沿って形成されると共に外縁部が円形に形成され、前記基板保持部と共に回転する液受け部と、
前記液受け部を囲むように設けられ、その上縁部が当該液受け部との間に排気空間を形成するように液受け部の上方側に屈曲すると共にその内周縁が円形に形成され、前記基板保持部と共に回転する円筒状の回転カップと、
前記排気空間を介して前記液受け部の上方側の雰囲気を排気するための排気機構と、を備えたことを特徴とする。
前記液処理装置の具体的な態様としては、例えば以下の通りである。
(1)前記回転カップを囲むように設けられ、その上縁部が当該回転カップとの間に排気空間を形成するように回転カップの上縁部の上方側に屈曲する外側カップを備え、前記排気機構は、前記回転カップと外側カップとの間の排気空間を排気する。
(2)前記外側カップは円筒状に形成されている。
(3)前記液受け部は周方向に分割された分割片により構成され、各分割片を基板の液受け部の径方向に移動させる駆動機構を備える。
(4)基板を基板保持部に受け渡すときに前記分割片の内縁は基板の外縁より外側に位置し、基板の回転時に前記分割片の内縁は、基板の外縁より内側に位置する。
本発明の液処理装置は、角型の基板の辺に沿って形成されると共に外縁部が円形に形成され、基板と共に回転する液受け部と、前記液受け部を囲むように設けられ、その上縁部が当該液受け部との間に排気空間を形成するように液受け部の上方側に屈曲すると共にその内周縁が円形に形成され、基板と共に回転する円筒状の回転カップと、を備えている。これにより回転カップの内外で排気流の淀みを抑え、周方向に均一性高く排気流を形成すると共に液受け部により受け止められた処理液を基板の外側方向へと排出することができる。従って、基板の周囲から効率良く処理液を排出できるので、当該処理液が基板に付着して欠陥が発生することを抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る液処理装置を構成する洗浄装置の縦断側面図である。 前記の洗浄装置の平面図である。 前記洗浄装置の斜視図である。 前記洗浄装置の基板の端部の側面の拡大図である。 前記洗浄理装置に形成される気流を示す説明図である。 前記洗浄装置を用いた洗浄処理時の基板端部周辺の処理液の挙動を示す説明図である。 前記洗浄装置を用いた洗浄処理時の基板端部周辺の処理液の挙動を示す説明図である。 前記洗浄装置を用いた洗浄処理時の基板端部周辺の処理液の挙動を示す説明図である。 前記洗浄装置の変形例を示す平面図である。 前記洗浄装置の縦断側面図である。 前記洗浄装置の平面図である。 前記洗浄装置の縦断側面図である。 洗浄装置の他の変形例を示す縦断側面図である。
本発明の液処理装置の実施形態である洗浄装置1について、縦断側面図である図1を夫々参照しながら説明する。この洗浄装置1は表面にレジスト膜が形成された角型の基板Bに洗浄液としてSPMを供給し、当該レジスト膜を剥離して基板Bを洗浄する。基板Bは、半導体ウエハに形成されたレジストに回路パターンを転写するために用いられるパターンマスクを製造するためのマスク基板である。また、前記SPMは、硫酸と過酸化水素水との混合液である。
洗浄装置1はチャンバ11を備えており、チャンバ11内には、当該チャンバ11の内側から外側へ鉛直下方に伸長した回転筒21と、基板Bを支持するための支持プレート31と、当該支持プレート31に支持される基板Bの側周を囲む複合カップ体41と、を備えている。
図2はチャンバ11内の平面図であり、この図2も参照しながら説明を続ける。回転筒21の上端には水平なフランジ22が設けられ、フランジ22の表面には基板Bの周方向に沿って4つの昇降ピン23が設けられている。基板Bの端部の表面側、裏面側には、夫々基板Bの外側に向かって下る下降傾斜面、当該基板Bの外側に向かって上る上昇傾斜面が形成されており、昇降ピン23は前記上昇傾斜面を支持して、基板Bの搬送機構(不図示)と、支持プレート31との間で基板Bを受け渡す役割を有する。また、フランジ22の下面にはフランジ22の周方向に間隔をおいて凹部24が設けられている。
チャンバ11の外側にはプーリ25が設けられ、このプーリ25とチャンバ11の外部に突出した回転筒21とにベルト26が巻き掛けられている。回転駆動機構27によりプーリ25が回転し、ベルト26を介して回転筒21が鉛直軸回りに回転する。図中28は支持台であり、回転筒21及び回転駆動機構27を支持し、昇降機構29により昇降する。これによって回転筒21が昇降し、前記搬送機構との間で基板Bの受け渡しが行えるようになっている。
回転筒21内には、ノズルシャフト12が設けられている。ノズルシャフト12はN2ガス供給機構13に接続されており、基板Bの裏面中央部にN2ガスを供給して、基板B表面に供給されたSPMが基板Bの裏面へ回り込むことを防ぐ役割を有する。また、図1中14は回転筒21の外周に設けられたベアリングである。
続いて、基板保持部である支持プレート31について説明する。支持プレート31は水平な円形のリング板状に形成されており、その内縁部32は前記フランジ22の下方に食い込むように形成されている。当該内縁部32の表面にはフランジ22の凹部24に対応した突部33が設けられ、回転筒21が下降したときに突部33は凹部24に係合し、回転筒21と共に支持プレート31が鉛直軸回りに回転する。回転筒21の上昇時には前記係合が解除される。
また、支持プレート31において前記内縁部32の外側の本体部30の表面には、上方へ向かう支持ピン34が設けられている。支持ピン34は下側が拡径され、基板Bの縁部を支持し、上側が当該基板Bの横方向の位置を規制する。基板Bは、支持ピン34を介してその中心が図1に鎖線で示す基板Bの回転軸Aと一致するように支持プレート31に載置される。
図中35は、支持プレート31の下方空間を内側領域36と外側領域37に区画する壁部であり、壁部35は支持プレート31とわずかに離間している。外側領域37には排気口38が開口しており、排気口38は真空ポンプなどにより構成される排気機構39に接続されている。排気口38には排気と排液とが共に流入し、排気機構39に至るまでの流路中に設けられた分離機構(不図示)により排液が分離されるようになっている。
また、支持プレート31の端部には周方向に間隔をおいて後述の液受け部43を支持する複数の支持部42が上方に向かい突設されている。支持部42及び支持プレート31は、SPMに対して高い耐腐食性を得るために、例えばPCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)または石英により構成される。
続いて、複合カップ体41について図3の斜視図も参照して説明する。複合カップ体41は、液受け部43と、回転カップ51と、外側カップ61とにより構成されている。液受け部43は板状に形成され、支持プレート31と対向するように設けられており、支持プレート31に載置された基板Bの辺に沿って形成されている。図2に示すように液受け部43は、基板Bと相似形の角型開口部44を備えている。角型開口部44は、基板Bを受け渡す際に基板Bが液受け部43に干渉しないように、基板Bよりも若干大きく形成されている。また、回転カップ51内の気流を周方向に均一性高く形成するために、液受け部43の外縁は円形であり、回転カップ51との距離は周方向の各部で均一に構成されている。支持プレート31と液受け部43との間は、排気空間45として構成され、前記排気口38が開口した外側領域37に連通している。
液受け部43は、その内縁から水平に外側に向かう内側部46と、内側部46の外縁から下方に傾斜する傾斜部47と、傾斜部47の外縁から外側に水平に向かう外側部48とにより構成されている。外側部48には前記支持部42が接続されており、この支持部42によって、支持プレート31の回転時に液受け部43も回転する。後述のように内側部46は基板Bの処理時に基板Bの端部から外側上方へ飛散した処理液は、内側部46の下面にトラップされる。このように処理液をトラップするために内側部46は基板Bの外周に、その下面が基板Bよりも高い位置に設けられている。図4にはより詳細に支持プレート31に載置された基板Bと、液受け部43との位置関係を示している。図中の鎖線15は基板Bの表面から面方向に伸びた延長線であり、図中の鎖線の矢印16は液滴の動線を示している。この矢印16と鎖線15とのなす角θは45°であり、この例では前記矢印16を遮るように前記内側部46が設けられている。
内側部46にトラップされた処理液は、遠心力により当該内側部46、傾斜部47及び外側部48の下面にガイドされて、液受け部43の外側へと除去される。このように処理液の除去を速やかに行うために液受け部43は高い疎水性を有する材質、例えばPCTFEにより構成されている。
回転カップ51は円筒状に形成され、基板Bの回転軸Aの軸回りに設けられている。支持プレート31及び液受け部43の外側を囲むように形成された垂直円筒部52を備えており、この垂直円筒部52の上縁から液受け部43の上方へ、内側方向に斜めに伸び出した傾斜部53が設けられている。傾斜部53の内周面及び外周面に付着した処理液は、傾斜部53を伝わって垂直円筒部52にガイドされ、垂直円筒部52により当該垂直円筒部52の下方へとさらにガイドされる。傾斜部53の先端に囲まれる領域は、前記回転軸Aを中心とする円形開口部54として形成されており、基板Bの支持プレート31への受け渡しを妨げないように、前記傾斜部53の先端は液受け部43の内縁よりも外側に位置している。
前記傾斜部53と液受け部43との間は前記外側領域37及び排気空間45に連通する排気空間55として構成されており、この排気空間55には周方向に間隔をおいて複数の支持部56が設けられている。支持部56により、液受け部43に回転カップ51が支持されると共に、回転カップ51が基板B及び液受け部43と共に回転軸A回りに回転する。回転カップ51は、基板Bの処理時に当該回転カップ51に付着するミスト化した処理液(以下ミストという)を弾いて効率良く除去するために、液受け部43と同様に疎水性の高い材質、例えばPCTFEにより構成されている。
回転カップ51を上記のように円筒形に形成している理由を説明すると、基板Bを処理する際には、円形開口部54から回転カップ51内に供給されたエアが、基板Bの中心側から外方側に向かって流れる排気流を形成する。開口部が角型であり、且つ筒内が角型に形成された回転カップを用いる場合に比べて、上記の回転カップ51の構成によれば、円形開口部54から回転カップ51内に、当該回転カップ51の周方向に均一性高くエアを導入することができ、且つ、筒内において角部における気流の淀みが発生しないので、上記の基板Bの中心側から外方側に向かう排気流を効率よく流すことができる。また、外形が角型のカップを用いる場合に比べて、回転カップ51の外周では角部が無いため周方向に均一性高く排気流を形成できるので、回転カップ51の外側においても排気流を効率良く流すことができる。従って、排気流と共に流れるミストを効率良く回転カップ51の周囲から除去することができる。なお、回転カップ51の外形、開口部及び内部空間の形状は正円であることに限られず、楕円であっても本発明の権利範囲に含まれる。
続いて外側カップ61について説明する。外側カップ61は円筒状に形成され、基板Bの回転軸Aの軸回りにチャンバ11に固定されて設けられている。外側カップ61は、回転カップ51の垂直円筒部52の外側に設けられる垂直円筒部62を備えている。垂直円筒部62の上端は内方側へと屈曲し、回転カップ51の傾斜部53上方に形成された内突部63を構成している。内突部63に囲まれる領域は円形の開口部64として形成されている。
内突部63の下面は、付着した処理液が垂直円筒部62へ案内されて除去されるように外側方向に向かって下る傾斜面65として構成されている。この内突部63は、例えばPCTFEにより構成されており、処理液の除去を速やかに行うために、より疎水性の高い材質を用いて構成してもよい。内突部63と、回転カップ51との間は前記外側領域37に連通した排気空間66として構成されている。この外側カップ61は、基板Bの処理時に浮遊するミストを、当該排気空間66を介して吸引して除去する役割を有する。
垂直円筒部62の下端には、当該垂直円筒部62から外側領域37を内側方向に突出した第1の規制部67と、第1の規制部67からさらに内側方向に突出すると共に下方側に屈曲した第2の規制部68とが設けられている。これら第1の規制部67及び第2の規制部68は、外側領域37における排気流の流れを規制する。
チャンバ11内にはノズル71が設けられている。図2に示すようにノズル71は当該ノズル71を支持するアーム72の一端に接続されており、アーム72の他端は駆動機構73に接続されている。この駆動機構73はガイドレール74に沿って水平方向に移動自在に構成されており、駆動機構73の移動により前記基板の回転中心上と複合カップ体41の外側の待機部75との間で移動自在に構成されている。ノズル71は、硫酸供給機構76と過酸化水素水供給機構77とに接続されており、これら供給機構76及び77から供給された硫酸及び過酸化水素は、例えばミキシングバルブなどを備えた混合部78にて混合されてSPMを生成し、ノズル71からSPMが基板Bに供給される。なお、アーム72の基端は複合カップ体41の外側に設けられた鉛直軸回りに回転する回転軸に接続され、この回転軸が回転することでノズル71が当該回転軸回りに回動して、基板Bの回転中心上と前記待機部75との間で移動自在に構成されていてもよい。
図2に示すように、チャンバ11の側面にはチャンバ11内に基板Bを搬送するための搬送口81が形成されている。図2中82は、搬送口81を開閉するシャッタであり、基板Bの受け渡しを行う際に搬送口82を開放し、この受け渡し時以外は搬送口81を閉鎖する。また、搬送口81の上方側には図1に示すように清浄なエアの導入口83が形成され、導入口83はチャンバ11内の上方側に設けられた空間84に連通している。空間84の下方には多数の通気口85を面方向に備えた仕切り板86が設けられ、通気口85から前記エアが下方に向けて供給される。
この洗浄装置1による基板Bの処理工程について説明する。搬送機構により、基板Bがチャンバ11内に搬送され、上昇した回転筒21の昇降ピン23が基板Bの裏面の端部を支持する。然る後、回転筒21が下降し、基板Bが支持プレート31に受け渡され、ノズル71が複合カップ体41の外側から基板Bの回転中心上に移動すると共に予め設定された排気量で排気口38から排気が行われる。続いて支持プレート31、液受け部43及び回転カップ51が回転し、ノズル71から前記回転中心にSPMが吐出され、基板Bの回転中心から遠心力により基板Bの周縁部へと広げられる。また、ノズルシャフト12からは基板Bの裏面に向けてN2ガスが吐出される。
図5では点線の矢印で、このときに複合カップ体41の周囲に形成される排気流を示している。既述のように回転カップ51内に流れ込んだエアは回転カップ51の中央部から端部へと速やかに流れて排気されると共に、回転カップ51の内外で周方向に均一性高く気流が形成される。また、処理液(SPM)Lが基板Bに衝突し、処理液から生じたミストがこの排気流に乗って排気口38へと向かう。ここで、基板Bの端部付近の処理液及びミストの挙動について、図6〜図8を参照しながら説明する。これらの各図中で点線の矢印は排気の流れを示している。基板Bの端部では、遠心力により処理液Lの盛り上がりが生じ、この盛り上がりから、基板Bの外側上方へ向けて液滴Dが飛散する(図6)。また、ミストMが液受け部43、回転カップ51及び外側カップ61の表面に衝突して付着する。
飛散した前記液滴Dは液受け部43にトラップされて付着する(図7)。このように液受け部43に付着した液滴Dについては、排気流から受ける圧力と回転する液受け部43の遠心力の作用を受け、図中実線の矢印で示すように液受け部43を外側へと伝わり、液受け部43の外端から回転カップ51の垂直円筒部52へ振り切られる。そして、排気流から受ける圧力と重力とによりこの垂直円筒部52を下方へ流れ落ちた後(図8)、排気口38へと伝わって当該排気口38から除去される。また、液受け部43及び回転カップ51に付着したミストMは、前記遠心力の作用と、排気流から受ける圧力とにより図8に実線の矢印で示すように外方へ弾かれ、排気流に乗って排気口38から速やかに除去される。
処理液Lの供給開始から予め設定された時間が経過し、基板B表面のレジスト膜が除去されると、SPMの供給が停止し、ノズル71が複合カップ体41の外側に退避する。基板Bの回転速度が上昇し、基板Bに残留したSPMが除去された後、基板Bの回転が停止する。その後、回転筒21が上昇して基板Bが支持プレート31から押し上げられ、チャンバ11内に進入した搬送機構に受け渡されると、搬送機構が基板Bを洗浄装置1の外部へと搬送する。
この洗浄装置1によれば、基板Bの辺に沿って形成された液受け部43と、液受け部43を囲み、その周面で受けた処理液を垂直円筒部52にガイドする傾斜部53を備えた回転カップ51とが設けられ、これら液受け部43及び回転カップ51が基板Bと共に基板の中心軸回りに回転する。回転カップ51の内外で、回転カップ51の回転中心から外方に向かう排気流が、周方向に均一性高く形成され、排気流に淀みが生じることが抑えられると共に遠心力により回転カップ51に付着するミスト化した処理液を弾くことができるので、前記処理液を効率良く除去することができる。また、液受け部43により基板Bから飛散した処理液をトラップして基板Bの外側方向へと除去することができる。従って、処理液が基板Bに付着して欠陥が発生することを抑えることができる。
また、この洗浄装置1では外側カップ61が設けられているため、回転カップ51よりも高く舞い上がったミストを外側カップ61と回転カップ51との間から吸引して除去することができる。従って、より確実に処理液が基板Bに付着することを抑えることができる。
続いて、洗浄装置1の変形例について説明する。この変形例では図9に示すように液受け部43及び回転カップ51が周方向に2つに分割されている。これら液受け部43及び回転カップ51の各分割片を第1の分割部91、第2の分割部92と呼ぶことにする。図10は、このように構成された複合カップ体41の縦断側面図である。第1の分割部91、第2の分割部92の各々における液受け部43は支持部42を介して支持プレート31上に設けられた駆動機構94に接続されている。
各図9、図10は基板Bを支持プレート31に受け渡す際の第1の分割部91及び第2の分割部92の位置を示している。これら図9及び図10の状態から駆動機構94が、支持部42を介して第1の分割部91、第2の分割部92を、これら分割部91、92の径方向に沿って基板Bの回転中心へ向けて移動させることで、図11のように第1の分割部91及び第2の分割部92を合わせて、先の実施形態と同様の液受け部43及び回転カップ51を形成することができる。このとき、図12の縦断側面図に示すように、液受け部43の内縁は、基板Bの辺よりも内側に位置するように構成される。このように液受け部43及び回転カップ51が構成されることにより、基板Bの受け渡し時に基板Bが液受け部43に干渉せず、且つ基板Bの処理時にはより確実に基板Bから飛散した処理液をトラップすることができる。なお、この例では液受け部43及び回転カップ51を分割しているが、液受け部43だけが分割された構造としてもよい。また、これら液受け部43及び回転カップ51の分割数としては2つに限られず、より多く分割してもよい。
基板に供給する処理液は、SPMに限られない。例えば、上記の実施形態のようにレジストを除去する目的で洗浄装置1を使用する場合、有機溶剤、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、アセトン、アルコールを用いてもよいし、アンモニアと過酸化水素との混合液体(APM)などアルカリ水溶液を用いてもよいし、オゾン水などの酸化力を有する薬液など種々の薬液が利用可能である。
ところで、液受け部43により受け止められた処理液は、液受け部43の外方に振り切られて排出されることに限られない。図13に示した例では液受け部43を支持する支持部42が基板Bの全周を囲むようにリング状に形成されている。そして、支持プレート31には下方へ向けて排出口95が設けられており、液受け部43に受け止められた液受け部43は、当該液受け部43、支持部42を順に伝わって、この排出口95から排出される。
A 回転軸
B 基板
1 洗浄装置
21 回転筒
31 支持プレート
37 外側領域
38 排気口
39 排気手段
41 複合カップ体
43 液受け部
44 角型開口部
51 回転カップ
52 円筒部
53 傾斜部
54 円形開口部
55 排気空間
61 外側カップ

Claims (5)

  1. 角型の基板を処理液により処理する液処理装置において、
    前記基板を水平に保持する基板保持部と、
    前記基板保持部によって保持された基板を、鉛直軸回りに回転させる回転駆動機構と、
    前記基板に処理液を供給する処理液供給機構と、
    回転する基板の周縁部から外側上方へ飛散した処理液をその下面で受け止めて基板の外側方向へ排出するために、基板の辺に沿って形成されると共に外縁部が円形に形成され、前記基板保持部と共に回転する液受け部と、
    前記液受け部を囲むように設けられ、その上縁部が当該液受け部との間に排気空間を形成するように液受け部の上方側に屈曲すると共にその内周縁が円形に形成され、前記基板保持部と共に回転する円筒状の回転カップと、
    前記排気空間を介して前記液受け部の上方側の雰囲気を排気するための排気機構と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
  2. 前記回転カップを囲むように設けられ、その上縁部が当該回転カップとの間に排気空間を形成するように回転カップの上縁部の上方側に屈曲する外側カップを備え、
    前記排気機構は、前記回転カップと外側カップとの間の排気空間を排気することを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
  3. 前記外側カップは円筒状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の液処理装置。
  4. 前記液受け部は周方向に分割された分割片により構成され、各分割片を基板の液受け部の径方向に移動させる駆動機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の液処理装置。
  5. 基板を基板保持部に受け渡すときに前記分割片の内縁は基板の外縁より外側に位置し、基板の回転時に前記分割片の内縁は、基板の外縁より内側に位置することを特徴とする請求項4記載の液処理装置。
JP2010231675A 2010-10-14 2010-10-14 液処理装置 Active JP5375793B2 (ja)

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