JP5375555B2 - 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents
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Description
インクジェットヘッドの工法としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術が取り入れられている。これは半導体プロセスを利用した微細加工技術である。
たとえば、シリコン基板上にインクジェットヘッドに必要な液室、振動板、圧電素子、電極などの部品をエッチング、スパッタなどの加工方法により形成することができるが、これらの部品を小さく形成したり、それぞれの部品の配置に工夫を凝らすことにより、ヘッドとして小型に作りこむことができる。その結果、1枚のシリコン基板から多くのヘッドを作る(取り数を多くする)ことができ、小型化するほどにコストを下げることが出来る。
インクジェットヘッドの小型化に際しては、上記した各部品に加えて、インクジェットヘッドに設ける圧電素子を駆動する駆動ICを如何にコンパクトに実装するかということも大きな問題である。
図11に示すように、従来のインクジェットヘッドには、インクを吐出するノズル孔を備えたノズル基板201、圧電素子と振動板の撓み動作によって圧力を加えられてノズル孔から吐出されるインクが供給される液室が設けられた液室基板202、液室に対してインクを供給する液体供給基板203、フレーム基板204からなるヘッド本体200を有し、そのヘッド本体200に対し、液室基板202の圧電素子を駆動するための駆動IC205が接合されたFPC(フレキシブルプリント基板:Flexible Printed Circuit)206がハンダ接合、あるいはACF(異方性導電フィルム:Anisotropic Conductive Film)接合などにより、電気的に接合されているものがある。
この場合、ヘッドの動作に伴ってFPC206が揺動したり、FPC206とヘッド本体との接合部の強度に難があるなど、ハンドリングのしにくさがり、また、全体的にかさばって小型化に向かないという問題があった。
しかしながら、この場合、圧力室(圧力室、振動板、圧電素子はほぼ並列に形成されている)と、インク流路及び駆動ICが直列に並ぶため、それぞれの幅を足したインクジェットヘッドのヘッド幅はかなり大きくなってしまうという問題がある。
それに対し、液室と駆動ICの配置を並列にしたものがある(特許文献2、特許文献3)。詳しくは、特許文献2では、圧電素子が形成されている流路形成基板の圧電素子側に封止基板を設け、その上に駆動ICが接合されている。また、特許文献3は、ワイヤーボンディングの引き出し方向を外側としたものである。
このようにすることにより、液室が形成されている流路形成基板の幅は小さくすることが可能である。
このようなことを考慮すると、リザーバの幅はより大きく必要とされ、その結果ヘッド幅は小さくならず、コストが高くなってしまう問題がある。
本発明はかかる不具合を解消し、シリコン基板上でのヘッドの取り数を増加し、コストを大幅に低減し、なおかつ共通液室の大きさを十分大きく取ることにより、駆動周波数の低下を防ぐことを可能にしたインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
また、請求項2の発明は、少なくとも、複数のノズルを設けたノズル基板と、各ノズルに連通した複数の液室、各液室の一部を構成する振動板及び各液室に対応して該振動板と一体的に形成された複数の電気機械変換素子からなる液室基板と、各液室に液体を供給する液体供給基板と、を順次積層し、前記電気機械変換素子を駆動する駆動回路部材と、各電気機械変換素子とを配線部材を介して接合し、各電気機械変換素子に電圧を印加して前記電気機械変換素子及び前記振動板を撓ませることで前記液室に圧力を発生させる液滴吐出ヘッドにおいて、前記液体供給基板の前記液室基板を配置した側とは反対側に設けたフレーム基板上に、緩衝部材と、該緩衝部材を補強する薄板フレーム基板を順次積層し、前記薄板フレーム基板の上面に設けられたFPC上に前記駆動回路部材を搭載した液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項4の発明は、前記液体供給基板及び前記フレーム基板に跨って複数の前記液室に連通する共通液室を形成し、前記共通液室の前記液室との連通口に対向する面に凹所を形成するとともに、該凹所を覆い前記共通液室に発生する圧力を緩衝する緩衝部材を設けた請求項1に記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項5の発明は、前記液体供給基板、前記フレーム基板、記薄板フレーム基板及び前記FPCを貫通する開口部を設け、該開口部を通じて前記配線部材を配置できるようにした請求項2に記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項7の発明は、前記液体供給基板はガラス、またはシリコン基板から構成され請求項1乃至6の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項8の発明は、前記フレーム基板は樹脂である請求項1乃至7の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項9の発明は、前記配線部材はワイヤーボンディング接合である請求項1乃至8の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置を特徴とする。
また、より大きな共通液室を備えることができ、各液室へのインク供給量をより多くすることにより、ヘッドの駆動周波数を向上、確保できると同時に、クロストークを緩和することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成図である。
図2は、図1のインクジェットヘッドの透過概略図である。
図3は、図2のA−A線における断面図であり、主に圧電素子と液室の周辺の構成を詳細に説明する図である。
図1に示すように、本実施形態に係るインクジェットヘッドは、複数のノズル2を設けたノズル基板1に、各ノズル2に連通した複数の液室3を設けた液室基板12、液室3にインク供給溝6を介してインクを供給するための共通液室8を設けた液体供給基板7、及び外部に設けたインクタンクから共通液室8にインクを供給するためのインク導入路34を設けたフレーム基板9、が順次積層された構成となっている。
すなわち、フレーム基板9は、液体供給基板7と接合する液室基板12の配置側と反対側に設けられている。
図3に示すように、液室基板12は、液室3の一部を構成する振動板16と、振動板16と一体的に形成された電気機械変換素子(圧電素子)18を有している。なお、複数の液室3は側壁33により個別に区切られている。
図1に示すように、本実施形態にあっては圧電素子18を駆動する駆動回路部材(駆動IC)11を、ヘッド本体のフレーム基板9に直接設置している。
駆動IC11と圧電素子18とを配線部材10を介して接合し、圧電素子18に電圧を印加し、液室3に圧力を発生させる。
詳しくは、駆動IC11に入力された画像信号は各圧電素子18に電圧を印加し、一体形成されている振動板16を変形させる。変形した振動板16は液室3内に充填されているインクに圧力を発生させ、ノズル2からインクを吐出し、記録紙に対し画像を記録する。
液室基板12はシリコン基板で構成され、片面に下電極13がスパッタなどで成膜され、その上に圧電素子18が形成される。圧電素子18は所定の長さ、幅にパターニングされる。その上に絶縁層17が必要部に成膜され、さらに圧電素子18上に上電極14が成膜される。さらに上電極14の電極取り出し用部には金などで形成されたパッド15(図1、図2を参照)が形成されている。
次に、液室基板12には、ガラス、またはシリコン基板で構成された液体供給基板7が接合される。液体供給基板に7はインク供給溝6、共通液室8、液室基板12上のパッド15を露出するための切り欠き部32(図2)があらかじめエッチングなどで形成されている。
液室基板12は、液体供給基板7を土台として、所定の厚さまで薄く加工、研磨される。本実施例では100μm以下が好ましい厚さである。
次いで、液室基板12にノズル基板1を接合し、液体供給基板7の、液室基板12の接合面とは逆側の面にフレーム基板9を接合する。
フレーム基板9には少なくとも列(液室3が並ぶ方向)あたり1個のインク導入路34が設けられている。
その後、駆動IC11をフレーム基板9に接合後、配線部材10によってパッド15とワイヤーボンディング接合する。これらノズル基板1、フレーム基板9、駆動IC11の接合、あるいはワイヤーボンディングの順序は適宜変更が可能である。
図示はしていないが、フレーム基板9には、駆動IC11の端子に相当する位置に電極がパターニングされており、適宜な手段の配線部材により信号、電力の入力が可能となっている。
駆動IC11のフレーム基板への接合は、より接合長さ(幅)を短くするため、ワイヤーボンディングが好適である。また、接合温度が比較的低い接合方法としてもワイヤーボンディング接合は好ましい方法である。また、図1に示すように接合対象同士(配線箇所)に段差があるような場合の接合方法としてもワイヤーボンディングが最適である。
なお、フレーム基板9はガラス基板で構成することが出来るが、よりコストダウンをするために、樹脂で構成することが好ましい。ただし、駆動IC11の接合時かなりの高温がかかるため、特に液晶ポリマーやPPS、エポキシ樹脂などの耐熱樹脂がより好ましい。
ただし、図1乃至3に示す実施形態と同様に機能する構成については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図4は、第2の実施形態のインクジェットヘッドの概略構成図である。
図5は、図4のインクジェットヘッドの透過概略図である。
第2の実施形態の、第1の実施形態との大きな違いは、液室基板12に形成されている圧電素子18と駆動IC11を接合するため、フレーム基板9、液体供給基板7それぞれの中央部に開口部25、24を設け、液室基板12の中央部からワイヤーボンディングにより、パッド15と駆動IC11とを接合するようにした点にある。そのため、液室基板12の液室3、流体抵抗部4、インク導入路5、インク供給溝6の位置が図1の配置と逆になっている。
また、ノズル基板1、液室基板12、液体供給基板7の端部外周には印刷時の紙の接触、シール性確保などでノズルカバー27が接合されている。
圧電素子18及び液室3の周辺の構成は図1及び図3に示すものと同様である。
図1に示すようにヘッドの外側にそれぞれボンディング用のパッドを設けるとそれぞれの必要幅(2倍)がヘッド幅に加算される。しかし、中央部に設ければ、ボンディング幅は兼用できるところがあり、単純に2倍にはならず必要幅を節約できることになり、より幅の小さいヘッド構成となる。
図4に示すように、液体供給基板7の中央部には開口部24が設けられ、液室基板12上に一体的に設けられている圧電素子18上にある上電極14(図3を参照)の延長部にパッド15が設けられている。また、液体供給基板7に接合されているフレーム基板9の中央部にも開口部25が設けられている。
フレーム基板9の液体供給基板7との接合面には共通液室23が設けられ、液体供給基板7の共通液室8と合わせてヘッドの共通液室として機能するようにしてある。
フレーム基板9の液体供給基板7との接合面の反対側には大きな凹部26が形成され、この凹部26の底面にFPC31が配設されており、駆動IC11はFPC31上に接合されている。
なお、FPC31にもフレーム基板9の開口25に対応した開口を設けているため、上述した液室基板12中央部のパッド15と駆動IC11とのワイヤーボンディングを妨げることがない。
このように、フレーム基板9上への駆動IC11の接合方法として、直接フレーム基板9上に駆動IC11を接合するのではなく、フレーム基板9上に配設したFPC31上に駆動IC11搭載することにより、コストダウンを図ることが出来る。これは、直接駆動ICを接合する場合、フレーム基板上に電極や接合するためのバンプなどを形成することや、フレーム基板から外部に電極を引き出すために同様のFPC31などが必要となるためである。
さらに、フレーム基板9の液体供給基板7との接合面で、共通液室8の一部の面を形成することでヘッド幅の極小化をすることが出来る。
一般的にはクロストークは伝達してくる圧力を緩衝する効果を期待してダイヤフラムが設けられている。
本実施形態では、フレーム基板9に設けた共通液室23の一面には空間(凹部)21が設けられ、その空間21を密閉するようにSUS(Stainless Steel)の薄板22が接合されて空間21を密閉している。この薄板22が、液体を伝達してくる圧力を緩衝する圧力波の緩衝部材29として機能するダイヤフラムとなり、クロストークを低減できる。
図6は、第3の実施形態のインクジェットヘッドの概略構成図である。
図6に示す構成は、図4に示す第2の実施形態の構成をさらに変形したものである。
第2の実施形態との大きな違いは、液体供給基板7の上面に共通液室8の側壁を形成するフレーム基板9を接合し、フレーム基板9の上面に緩衝部材29を接合することで共通液室8を形成した点にある。
緩衝部材29の上部には薄板フレーム基板30が接合されており、その薄板フレーム基板30の一部には開口部21が形成され緩衝部材29が液体を伝わってくる圧力波を吸収しやすくしている。また、薄板フレーム基板30の上面にはFPC31が設けられ駆動IC11が接合されている。
さらに、薄板フレーム基板30には、薄板フレーム基板30に接合され駆動IC11を保護する保護フレーム35が接合されている。
液室基板12に形成されている圧電素子18と駆動IC11を接合するため、液体供給基板7を貫通する開口部24、フレーム基板9、緩衝部材29、薄板フレーム基板30、FPC31の中央部を貫通する開口部25を設け、この貫通口を通じて、パッド15と駆動IC11を配線部材19によってワイヤーボンディングで接合する。
図1のように外側にそれぞれボンディング用のパッドを設けるとそれぞれの必要幅(2倍)がヘッド幅に加算されるが、中央部に設けることでボンディング幅は兼用できるところがあり、単純に2倍にはならず、必要幅を節約できることになり、より幅の小さいヘッド構成となる。
少なくとも必要不可欠な中央部のワイヤーボンディングを組み付けるための開口部24、25、液体供給基板7とフレーム基板9を接合するための接合代を形成し、比較的かさばる駆動IC11を安価なプレス加工品で作れる薄板フレーム基板30に搭載することにより、微細加工技術で製作する液体供給基板7の寸法を極限まで小さくすることが出来る。
また共通液室8の上部に、極薄の緩衝部材29と薄板フレーム基板30、FPC31、駆動IC11を段積み構造としていることで、駆動IC11の発熱を共通液室8内に充填されているインクによって冷却される効果を得ることも可能である。
クロストーク低減方法のひとつとして、共通液室の容積を大きくすることや緩衝部材29の面積を大きくする方法がある。本実施形態においては、ヘッド幅を極小化しても比較的広い面積の圧力緩衝部が形成できるようにフレーム基板9の上面全体に緩衝部材29を設け伝達してくる圧力を緩衝し、クロストークを低減する構造としている。
さらに薄板フレーム基板30の一部に比較的広い面積の開口部21を開けることで緩衝部材29の可動面積が広くなりクロストークの低減が可能となる構成にする為、緩衝機能を持つ緩衝部材29と緩衝部を形成する薄板フレーム基板30を、共通液室8を形成するフレーム基板9の上面に設置した。
また、ノズル基板1、液室基板12、液体供給基板7の外周端にはノズルカバー27が設けられている。
シリアルプリンタに搭載する場合、たとえば、C、M、Y、Bkインクを供給した4個のヘッドを、図7(a)に示すようにヘッドの横幅方向に並べて主走査方向に走査するキャリッジに搭載し、副走査である紙送りとヘッドを搭載したキャリッジの主走査をすると同時に、送られてくる画像信号により各ヘッドからインクを吐出し画像を紙などに記録することができる。
よく知られているようにシリアルプリンタの横寸法は少なくとも、紙幅とヘッドユニット(この場合4個のヘッド)の幅の2倍が必要になる。したがって、ヘッドの横幅寸法がシリアルプリンタの小型化の重要な要因となっている。本発明のインクジェットヘッドを使用することにより、より小型のシリアルプリンタを作ることができ、同時にコストダウンも可能となる。
また、シリアルプリンタだけではなく、図7(b)に示すように、本発明のヘッドを紙幅方向に一列に並べて、紙送りのみで記録するいわゆるライン型ヘッドを構成できる。
このラインヘッドは紙幅方向に垂直方向に非常に幅が狭いラインヘッドが構成できるため、4色のラインヘッドを構成した場合、紙送り方向のヘッド幅は非常に小さくなり、ラインプリンタそのものも小型化ができ、同時にコストダウンが可能となる。
インクカートリッジについて図8を参照して説明する。このインクカートリッジ50は、ノズル孔2等を有する上述した実施の形態の何れかのインクジェットヘッド61と、このインクジェットヘッド61に対してインクを供給するインクタンク62とを一体化したものである。
特に、図7(a)に示したような、シリアルプリンタに搭載可能なインクカートリッジである。
このように、インクタンク一体型のヘッドの場合、ヘッドの低コスト化、信頼性向上は、直ちにインクカートリッジ全体の低コスト化、信頼性向上に繋がるので、上述したように低コスト化、高信頼性化、製造不良低減することで、インクカートリッジの歩留まり、信頼性が向上し、ヘッド一体型インクカートリッジの低コスト化を図れる。
インクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例について図9及び図10を参照して説明する。
このインクジェット記録装置は、記録装置本体81の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ93、このキャリッジ93に搭載した本発明を実施したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部82等を収納している。
装置本体81の下方部には前方側から多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)84を抜き差し自在に装着することができる。また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができ、給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
このキャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなるヘッド94の複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ93にはヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95を交換可能に装着している。
インクカートリッジ95は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有している。この多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクを僅かな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド94を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト100を張装し、このタイミングベルト100をキャリッジ93に固定しており、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。
キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ104から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材109を設けている。
この印写受け部材109の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ111、拍車112を設け、さらに用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ113及び拍車114と、排紙経路を形成するガイド部材115、116とを配設している。
記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83を排紙する。
キャリッジ93は、印字待機中には、回復装置117側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド94の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去されて吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(図示せず)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
なお、上記実施の形態においては、液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、インクジェットヘッド以外の液滴吐出ヘッドとして、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド(スポッタ)などの他の液滴吐出ヘッドにも適用できる。
Claims (10)
- 少なくとも、複数のノズルを設けたノズル基板と、各ノズルに連通した複数の液室、各液室の一部を構成する振動板及び各液室に対応して該振動板と一体的に形成された複数の電気機械変換素子からなる液室基板と、各液室に液体を供給する液体供給基板と、を順次積層し、前記電気機械変換素子を駆動する駆動回路部材と、各電気機械変換素子とを配線部材を介して接合し、各電気機械変換素子に電圧を印加して前記電気機械変換素子及び前記振動板を撓ませることで前記液室に圧力を発生させる液滴吐出ヘッドにおいて、
前記液体供給基板の前記液室基板を配置した側とは反対側にフレーム基板を設け、前記フレーム基板に配置したFPC上に前記駆動回路部材を搭載したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 少なくとも、複数のノズルを設けたノズル基板と、各ノズルに連通した複数の液室、各液室の一部を構成する振動板及び各液室に対応して該振動板と一体的に形成された複数の電気機械変換素子からなる液室基板と、各液室に液体を供給する液体供給基板と、を順次積層し、前記電気機械変換素子を駆動する駆動回路部材と、各電気機械変換素子とを配線部材を介して接合し、各電気機械変換素子に電圧を印加して前記電気機械変換素子及び前記振動板を撓ませることで前記液室に圧力を発生させる液滴吐出ヘッドにおいて、
前記液体供給基板の前記液室基板を配置した側とは反対側に設けたフレーム基板上に、緩衝部材と、該緩衝部材を補強する薄板フレーム基板を順次積層し、前記薄板フレーム基板の上面に設けられたFPC上に前記駆動回路部材を搭載したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記液体供給基板、前記フレーム基板及び前記FPCを貫通する開口部を設け、該開口部を通して前記配線部材を配置できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記液体供給基板及び前記フレーム基板に跨って複数の前記液室に連通する共通液室を形成し、前記共通液室の前記液室との連通口に対向する面に凹所を形成するとともに、該凹所を覆い前記共通液室に発生する圧力を緩衝する緩衝部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記液体供給基板、前記フレーム基板、記薄板フレーム基板及び前記FPCを貫通する開口部を設け、該開口部を通じて前記配線部材を配置できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記薄板フレーム基板は金属であることを特徴とする請求項2又は5に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記液体供給基板はガラス、またはシリコン基板から構成されことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記フレーム基板は樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記配線部材はワイヤーボンディング接合であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
- 請求項1乃至9の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
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