JP5375357B2 - 反応性ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、ホットメルト接着剤組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、衝撃強度をはじめとする機械的強度が極めて大きく、また、熱に安定であり、電気的特性や耐候性に優れ、透明度が高く、自由に着色可能であり、更に、寸法安定性にも優れていることから、機械部品、電気部品、電子部品、照明器具部品、家庭用品等に幅広く用いられている。
このようなポリカーボネート樹脂の接着やシールには、エチレン−酢酸ビニルコポリマー系やゴム系のホットメルト接着剤をアプリケーターに入れて溶融し、溶融した接着剤をポリカーボネート樹脂製品に塗布し、接着剤が粘着性を有する間に樹脂同士を貼り合わせる方法が一般に採用されている。
このようなポリカーボネート樹脂の接着やシールには、エチレン−酢酸ビニルコポリマー系やゴム系のホットメルト接着剤をアプリケーターに入れて溶融し、溶融した接着剤をポリカーボネート樹脂製品に塗布し、接着剤が粘着性を有する間に樹脂同士を貼り合わせる方法が一般に採用されている。
しかしながら、従来公知のホットメルト接着剤を用いてポリカーボネート樹脂同士またはこれと他の素材との接着やシールを行った場合は、その後に被着物を70℃以上に加熱すると、ポリカーボネート樹脂から水や炭酸ガス等の低分子量化合物が発生し、これがポリカーボネート樹脂とホットメルト接着剤との界面に気泡として滞留し、接着剤の接着力やシール力の低下を引き起こしていた。同様な現象は、アクリル樹脂の場合にも観察される。
このような問題に対して、本出願人は、特許文献1において、「ゴム、非晶質ポリオレフィンおよび樹脂系粘着付与剤を含有するホットメルト接着剤組成物100質量部に、酸化カルシウムを2〜30質量部配合したことを特徴とするホットメルト接着剤組成物。」を提案している。
本発明者は、特許文献1に記載のホットメルト接着剤組成物について検討したところ、200℃程度の高温で溶融させて塗布する場合には、接着付与剤としてシランカップリング剤を併用した場合であっても、ポリカーボネート樹脂等の極性の高い樹脂とホットメルト接着剤との界面ではく離する場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、200℃程度の高温で溶融させて塗布する場合でもポリカーボネート樹脂等の極性の高い樹脂を良好に接着することができる反応性ホットメルト接着剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ゴム成分に対し、架橋性シリル基含有有機重合体と1分子中にアルコキシシリル基を2個以上有する化合物とを配合することにより、200℃程度の高温で溶融させて塗布する場合でもポリカーボネート樹脂等の極性の高い樹脂を良好に接着することができることを見出し、本願発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(10)を提供する。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(10)を提供する。
(1)ゴム、架橋性シリル基含有有機重合体、および、1分子中にアルコキシシリル基を2個以上有する化合物を含有する反応性ホットメルト接着剤組成物。
(2)上記アルコキシシリル基を2個以上有する化合物の分子量が、350〜1000である上記(1)に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
(3)上記アルコキシシリル基を2個以上有する化合物が、アミノ基を有するアルコキシシランと、アミノ基と反応しうる有機基を有するアルコキシシランとの反応生成物である上記(1)または(2)に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
(4)上記ゴムが、ブチルゴムである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
(5)上記架橋性シリル基含有有機重合体が、アルコキシシリル化したアモルファスポリ−α−オレフィン重合体である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
(6)更に、熱可塑性エラストマーを含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
(7)上記熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(SEBS)および/またはポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−プロピレン)−block−ポリスチレン(SEPS)である上記(6)に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
(8)上記アミノ基を有するアルコキシシランが、3−アミノプロピルトリメトキシシランおよび/または3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランである上記(3)〜(7)のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
(9)上記アミノ基と反応しうる有機基を有するアルコキシシランが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種のトリアルコキシシランである上記(3)〜(8)のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
(10)自動車ランプレンズのシール用途に用いる上記(1)〜(9)のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
以下に説明するように、本発明によれば、200℃程度の高温で溶融させて塗布する場合でもポリカーボネート樹脂等の極性の高い樹脂を良好に接着することができる反応性ホットメルト接着剤組成物を提供することができる。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、ゴム、架橋性シリル基含有有機重合体、および、1分子中にアルコキシシリル基を2個以上有する化合物(以下、「多官能アルコキシシラン化合物」ともいう。)を含有する反応性ホットメルト接着剤組成物である。
次に、本発明のホットメルト接着剤組成物に用いられるゴム、架橋性シリル基含有有機重合体および多官能アルコキシシラン化合物について詳述する。
次に、本発明のホットメルト接着剤組成物に用いられるゴム、架橋性シリル基含有有機重合体および多官能アルコキシシラン化合物について詳述する。
<ゴム>
本発明のホットメルト接着剤組成物で用いるゴムは特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のジエン系ゴム;クロロスルフォン化ポリエチレン等の非ジエン系ゴム;等を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物で用いるゴムは特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のジエン系ゴム;クロロスルフォン化ポリエチレン等の非ジエン系ゴム;等を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ブチルゴムであるのが、本発明のホットメルト接着剤組成物の接着性(200℃程度の高温で溶融させて塗布する場合でもポリカーボネート樹脂等の極性の高い樹脂を良好に接着することができる接着性をいう。以下同様。)がより向上し、また、耐候性、耐水性、耐熱性、衝撃吸収性等も優れる理由から好ましい。
本発明のホットメルト接着剤組成物で好適に用いられるブチルゴムは特に限定されず、いわゆるブチルゴム(IIR)やハロゲン化ブチルゴム(例えば、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等)を使用することができる。
本発明においては、ブチルゴムとして、ムーニー粘度(ML1+8,100℃)が35〜55、比重が0.91〜0.93の一般的なものを使用することができる。
本発明においては、ブチルゴムとして、ムーニー粘度(ML1+8,100℃)が35〜55、比重が0.91〜0.93の一般的なものを使用することができる。
<架橋性シリル基含有有機重合体>
上記架橋性シリル基含有有機重合体は、以下に示す架橋性シリル基を末端または側鎖に少なくとも1個有する有機重合体である。
ここで、架橋性シリル基とは、例えば、ケイ素原子と結合した加水分解性基を有するケイ素含有基やシラノール基のように湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こす基のことであり、代表的なものを示すと、例えば、下記一般式(1)で表される基が挙げられる。
上記架橋性シリル基含有有機重合体は、以下に示す架橋性シリル基を末端または側鎖に少なくとも1個有する有機重合体である。
ここで、架橋性シリル基とは、例えば、ケイ素原子と結合した加水分解性基を有するケイ素含有基やシラノール基のように湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こす基のことであり、代表的なものを示すと、例えば、下記一般式(1)で表される基が挙げられる。
式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R3)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
ここで、R3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3は同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2をそれぞれ示す。
また、t個の下記一般式(2)で表される基におけるbは異なっていてもよい。tは0〜19の整数を示す。ただし、a+t×b≧1を満足するものとする。
ここで、R3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3は同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2をそれぞれ示す。
また、t個の下記一般式(2)で表される基におけるbは異なっていてもよい。tは0〜19の整数を示す。ただし、a+t×b≧1を満足するものとする。
上記Yで示される加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基であることが好ましく、加水分解性が穏やかで取り扱いやすいという理由からメトキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
架橋性シリル基の中で、下記一般式(3)で表される架橋性シリル基が、入手容易の点から好ましい。下記一般式(3)中、R2、Y、aは上述のR2、Y、aと同義である。
架橋性シリル基の中で、下記一般式(3)で表される架橋性シリル基が、入手容易の点から好ましい。下記一般式(3)中、R2、Y、aは上述のR2、Y、aと同義である。
上記一般式(1)におけるR1およびR2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;R3がメチル基やフェニル基などである(R3)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基;等が挙げられる。R1、R2、R3としてはメチル基が特に好ましい。
したがって、上記架橋性シリル基含有有機重合体は、末端または側鎖に、上記一般式(1)で表される架橋性シリル基を少なくとも1個有する有機重合体であれば特に限定されず、具体的には、例えば、シリル基含有ポリエーテル、シリル基含有ポリエステル、シリル基含有ビニル系重合体、シリル基含有ポリエステル変性ビニル系重合体、シリル基含有ジアリルフタレート系重合体、シリル基含有ジアリールフタレート系重合体、シリル基含有ポリイソブチレン、シリル基含有アタクチック−ポリプロピレン、シリル基含有エチレン・α−オレフィン系共重合体、シリル基含有アモルファスポリ−α−オレフィン(以下、「シリル化APAO」ともいう。)、これらの混合物およびこれらの共重合体(ブロック共重合体、グラフト共重合体)のシリル基含有有機重合体等が挙げられる。
これらのうち、シリル化APAOであるのが、本発明のホットメルト接着剤組成物を混練して調製する際の温度(200℃程度)で溶融しやすく、かつ、熱安定性もあるため配合が容易であるという理由から好ましい。
ここで、シリル化前のアモルファスポリ−α−オレフィン重合体としては、具体的には、例えば、アタクチックポリプロピレン、アタクチックポリブテン−1などのホモポリマーまたはコポリマー;エチレン、プロピレン、ブチレンなどのコポリマーまたはターポリマー;等が挙げられる。
これらのうち、エチレン、プロピレンおよびブチレンのターポリマー(ランダム共重合体)であるのが、非晶体であるため好ましい。
これらのうち、エチレン、プロピレンおよびブチレンのターポリマー(ランダム共重合体)であるのが、非晶体であるため好ましい。
また、アモルファスポリ−α−オレフィン重合体をシリル化する方法は特に限定されず、遊離基開始剤等が挙げられる。
ここで、遊離基開始剤としては、特開2005−68423号公報に記載された種々の化合物が挙げられる。
ここで、遊離基開始剤としては、特開2005−68423号公報に記載された種々の化合物が挙げられる。
本発明においては、上記架橋性シリル基含有有機重合体の含有量は、上記ゴム100質量部に対して1〜200質量部であるのが好ましく、5〜100質量部であるのがより好ましく、10〜50質量部であるのが更に好ましい。
上記架橋性シリル基含有有機重合体の含有量のこの範囲であると、本発明のホットメルト接着剤組成物の硬化後の接着強度、特に熱時の接着強度が良好となる。
上記架橋性シリル基含有有機重合体の含有量のこの範囲であると、本発明のホットメルト接着剤組成物の硬化後の接着強度、特に熱時の接着強度が良好となる。
上記架橋性シリル基含有有機重合体としては市販品を用いることができ、その具体例としては、シリル化APAO(ベストプラスト206、数平均分子量:10600、重量平均分子量:38000、190℃粘度:5±1Pa・s、エボニックデグサ社製)等が挙げられる。
<多官能アルコキシシラン化合物>
本発明のホットメルト接着剤組成物で用いる多官能アルコキシシラン化合物は、1分子中にアルコキシシリル基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
ここで、アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好適に挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤組成物で用いる多官能アルコキシシラン化合物は、1分子中にアルコキシシリル基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
ここで、アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好適に挙げられる。
本発明においては、本発明のホットメルト接着剤組成物の接着性がより向上する理由から、上記多官能アルコキシシラン化合物の分子量は、350〜1000であるのが好ましく、350〜700であるのがより好ましい。
また、本発明においては、本発明のホットメルト接着剤組成物の接着性がより向上する理由から、上記多官能アルコキシシラン化合物が、アミノ基を有するアルコキシシランと、アミノ基と反応しうる有機基を有するアルコキシシランとの反応生成物であるのが好ましい。
ここで、いずれのアルコキシシランについても、アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
ここで、いずれのアルコキシシランについても、アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
上記アミノ基を有するアルコキシシランは、アミノ基とアルコキシシリル基とを有する化合物であれば特に限定されず、その具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルエチルジエトキシシラン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランであるのが、入手が容易である理由から好ましい。
一方、上記アミノ基と反応しうる有機基を有するアルコキシシランは、例えば、エポキシシラン、メタクリルシラン、アクリルシラン、イソシアネートシラン等が挙げられる。
エポキシシランとしては、具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メタクリルシランとしては、具体的には、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アクリルシランとしては、具体的には、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネートシランとしては、具体的には、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのアルコキシシランは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシシランとしては、具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
メタクリルシランとしては、具体的には、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アクリルシランとしては、具体的には、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネートシランとしては、具体的には、例えば、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのアルコキシシランは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランであるのが、入手が容易である理由から好ましい。
次いで、上述したアミノ基を有するアルコキシシランと、上述したアミノ基と反応しうる有機基を有するアルコキシシランとの反応は、前者のアミノ基と後者の有機基(例えば、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基等)とを反応させることによって行う。
ここで、上記反応の条件は、アミノ基と反応する有機基の種類により異なるため特に限定されない。例えば、アミノ基とエポキシ基とを反応させる場合は、当量比(エポキシ基/アミノ基)が0.5〜3であるのが好ましく、温度が室温〜100℃であるのが好ましい。また、アミノ基とビニル基、メタクリル基、アクリル基またはイソシアネート基とを反応させる場合は、当量比(これらの官能基/アミノ基)が0.5〜3であるのが好ましく、温度が室温〜150℃であるのが好ましい。
ここで、上記反応の条件は、アミノ基と反応する有機基の種類により異なるため特に限定されない。例えば、アミノ基とエポキシ基とを反応させる場合は、当量比(エポキシ基/アミノ基)が0.5〜3であるのが好ましく、温度が室温〜100℃であるのが好ましい。また、アミノ基とビニル基、メタクリル基、アクリル基またはイソシアネート基とを反応させる場合は、当量比(これらの官能基/アミノ基)が0.5〜3であるのが好ましく、温度が室温〜150℃であるのが好ましい。
上記反応による反応生成物である多官能アルコキシシラン化合物としては、具体的には、例えば、上記で例示したアミノ基を有するアルコキシシランとアミノ基と反応しうる有機基を有するアルコキシシランとの全ての組み合わせによる反応生成物が挙げられる。
これらの組み合わせのうち、それぞれ好適例として記載した、3−アミノプロピルトリメトキシシランまたは3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランと、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランまたは3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランとの反応生成物であるのが好ましい。
これらの組み合わせのうち、それぞれ好適例として記載した、3−アミノプロピルトリメトキシシランまたは3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランと、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランまたは3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランとの反応生成物であるのが好ましい。
本発明においては、このような多官能アルコキシシラン化合物を含有することにより、本発明のホットメルト接着剤組成物の接着性が良好となる。
これは、上記多官能アルコキシシラン化合物が、シランカップリング剤等として従来公知のシラン化合物に比べて融点が高く、本発明のホットメルト接着剤組成物を混練して調製する際(減圧脱泡過程)の温度(200℃程度)で揮発せず、また、接着性が得られるためであると考えられる。
これは、上記多官能アルコキシシラン化合物が、シランカップリング剤等として従来公知のシラン化合物に比べて融点が高く、本発明のホットメルト接着剤組成物を混練して調製する際(減圧脱泡過程)の温度(200℃程度)で揮発せず、また、接着性が得られるためであると考えられる。
また、本発明においては、上記多官能アルコキシシラン化合物の含有量は、本発明のホットメルト接着剤組成物の接着性がより向上する理由から、上記ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であるのが好ましく、0.5〜5質量部であるのがより好ましく、0.5〜2質量部であるのが更に好ましい。
<熱可塑性エラストマー>
本発明のホットメルト接着剤組成物は、吐出作業性を向上させる観点から、更に熱可塑性エラストマーを含有するのが好ましい。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、塩化ビニル系、オレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリスチレン系、シリコーン系、フッ素系、ウレタン系等のエラストマー樹脂が挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、吐出作業性を向上させる観点から、更に熱可塑性エラストマーを含有するのが好ましい。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、塩化ビニル系、オレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリスチレン系、シリコーン系、フッ素系、ウレタン系等のエラストマー樹脂が挙げられる。
これらのうち、相溶性と軟化温度が適当となる理由から、ポリスチレン系エラストマーが好ましく、具体的には、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体(SBS)、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−プロピレン)−block−ポリスチレン(SEPS)、ポリスチレン−ビニル−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体(SHIVS)、ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−水素添加ポリイソプレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソブチレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体(SIBS)、ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリイソプレン−ポリスチレン共重合体等が好適に例示される。
なかでも、SIS、SEBS、SEPSが好ましい。なお、本発明においては、SIS、SEBS、SEPSはメルトフローレート(MFR:200℃、荷重5.0kg)が5〜100の一般的なものを使用することができる。
なかでも、SIS、SEBS、SEPSが好ましい。なお、本発明においては、SIS、SEBS、SEPSはメルトフローレート(MFR:200℃、荷重5.0kg)が5〜100の一般的なものを使用することができる。
本発明においては、上記熱可塑性エラストマーの含有量は、上記ゴム100質量部に対して5〜100質量部であるのが好ましく、10〜50質量部であるのがより好ましい。
上記熱可塑性エラストマーの含有量のこの範囲であると、本発明のホットメルト接着剤組成物の高温下での吐出作業性がより良好となる。
上記熱可塑性エラストマーの含有量のこの範囲であると、本発明のホットメルト接着剤組成物の高温下での吐出作業性がより良好となる。
上記熱可塑性エラストマーとしては市販品を用いることができ、その具体例としては、SEPS(商品名:セプトン2063、クラレ社製)、SEBS(商品名:タフテックH−1141、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
<他のポリマー>
本発明のホットメルト接着剤組成物は、上述したゴム、架橋性シリル基含有有機重合体、多官能アルコキシシラン化合物および熱可塑性エラストマー以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、他のポリマーを含有することができる。
他のポリマーとしては、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、低密度ポリエチレン等が挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、上述したゴム、架橋性シリル基含有有機重合体、多官能アルコキシシラン化合物および熱可塑性エラストマー以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、他のポリマーを含有することができる。
他のポリマーとしては、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、低密度ポリエチレン等が挙げられる。
<触媒>
本発明のホットメルト接着剤組成物は、硬化性を良好に確保できる理由から、更に触媒を含有するのが好ましい。
上記触媒としては、錫触媒であるのが好ましく、その具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、硬化性を良好に確保できる理由から、更に触媒を含有するのが好ましい。
上記触媒としては、錫触媒であるのが好ましく、その具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記触媒の含有量は、上記ゴム100質量部に対して、0.07〜7.0質量部であるのが好ましく、0.1〜1.5質量部であるのがより好ましい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、顔料(染料)、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、安定剤、溶剤等が挙げられる。
充填剤としては、各種形状のものを使用することができる。具体的には、例えば、炭酸カルシウム;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー等の有機または無機充填剤;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;黒鉛、金属粉末、タルク、ゼオライト、けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;塩化ビニルペーストレジン;ガラスバルーン、アクリロニトリル樹脂バルーン;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
上記充填剤の含有量は、上記ブチルゴム100質量部に対して、100〜400質量部であるのが好ましく、150〜300質量部であるのがより好ましい。
上記充填剤の含有量は、上記ブチルゴム100質量部に対して、100〜400質量部であるのが好ましく、150〜300質量部であるのがより好ましい。
可塑剤または軟化剤としては、具体的には、例えば、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジベンジル;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジペンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル;パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル、液状ポリブテン等の石油系軟化剤が挙げられる。
このような可塑剤または軟化剤の含有量は、上記ブチルゴム100質量部に対して、80質量部以下であるのが好ましい。
このような可塑剤または軟化剤の含有量は、上記ブチルゴム100質量部に対して、80質量部以下であるのが好ましい。
粘着付与剤としては、具体的には、例えば、ロジンエステル、重合ロジンエステル、変性ロジン等のロジン系樹脂;テルペンフェノール、芳香族テルペン等のテルペン系樹脂;テルペン系樹脂を水素添加した水添テルペン系樹脂;フェノール樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。
このような粘着付与剤の含有量は、上記ブチルゴム100質量部に対して、50〜200質量部であるのが好ましい。
このような粘着付与剤の含有量は、上記ブチルゴム100質量部に対して、50〜200質量部であるのが好ましい。
顔料(染料)としては、具体的には、例えば、二酸化チタン、チタンホワイト、酸化亜鉛、カーボンブラック、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料が挙げられる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、具体的には、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物等が挙げられる。
本発明のホットメルト接着剤組成物においては、これらの各種添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
本発明のホットメルト接着剤組成物を製造する方法は、特に限定されないが、上述したゴム、架橋性シリル基含有有機重合体および多官能アルコキシシラン化合物ならびに各種添加剤(熱可塑性エラストマー、他のポリマー、触媒を含む。)をロール、ニーダー、押出し機、万能かくはん機等により混合する方法等が挙げられる。
また、本発明のホットメルト接着剤組成物は、構成成分を順次添加し、混合して調製するのが一般的であるが、種々の成分を同時にまたは段階的に配合し、混合して調製することもできる。必要に応じ、加熱や脱気を行なうのがよい。
また、本発明のホットメルト接着剤組成物は、構成成分を順次添加し、混合して調製するのが一般的であるが、種々の成分を同時にまたは段階的に配合し、混合して調製することもできる。必要に応じ、加熱や脱気を行なうのがよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、プラスチック全般に使用可能であるが、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂のように、加熱または乾燥により極性の高いプラスチック製品に適用した場合に、最も有効である。
本発明のホットメルト接着剤組成物のポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等のプラスチック製品への適用、すなわち、接着剤組成物の加熱溶融、接着剤組成物のプラスチック製品への塗布、塗布された接着剤組成物の架橋硬化、硬化生成物の冷却等の手段、条件は、特に限定されることはなく、一般的な手段、条件が採用される。
本発明のホットメルト接着剤組成物のポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等のプラスチック製品への適用、すなわち、接着剤組成物の加熱溶融、接着剤組成物のプラスチック製品への塗布、塗布された接着剤組成物の架橋硬化、硬化生成物の冷却等の手段、条件は、特に限定されることはなく、一般的な手段、条件が採用される。
本発明のホットメルト接着剤組成物が適用されるポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等のプラスチック製品の形状、大きさ、用途は特に限定されない。例えば、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂をレンズ材とする自動車照明灯具の製造の際に、レンズとハウジングを接着、シールするのに本発明のホットメルト接着剤組成物が用いられる。得られた自動車照明灯具は、樹脂に由来する気泡が滞留しないので、接着力を長時間保持することができ、灯具の耐久性が良好である。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜5)
以下に示すゴム、充填剤、熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤ならびに架橋性シリル基含有有機重合体、接着付与剤および触媒をこの順で第1表に示す配合比率(質量比)でニーダーに入れ、190℃に加熱し、溶融し、3時間混合した。その後、混合物を冷却して、ホットメルト接着剤組成物を得た。
(実施例1〜2、比較例1〜5)
以下に示すゴム、充填剤、熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤ならびに架橋性シリル基含有有機重合体、接着付与剤および触媒をこの順で第1表に示す配合比率(質量比)でニーダーに入れ、190℃に加熱し、溶融し、3時間混合した。その後、混合物を冷却して、ホットメルト接着剤組成物を得た。
得られた各ホットメルト接着剤組成物の接着性の評価を以下に示す方法により実施した。その結果を第1表に示す。
<接着性>
得られた各ホットメルト接着剤組成物を190℃に加熱し、溶融したものを接着剤層に適用した。
具体的には、ポリカーボネート樹脂板(幅25mm、長さ100mm、厚さ3mm)とポリプロピレン板(幅25mm、長さ100mm、厚さ3mm)とを、幅25mm、長さ12.5mm、厚さ1mmの接着剤層で接着し、試験体を作製した。
得られた試験体を40℃、95%相対湿度の恒温恒湿オーブン内で1週間硬化させた後、JIS K6850:1999の「引張せん断接着強さ試験」に準じて、引張速度50mm/分でせん断した際の接着面の凝集破壊(CF)率を測定した。
得られた各ホットメルト接着剤組成物を190℃に加熱し、溶融したものを接着剤層に適用した。
具体的には、ポリカーボネート樹脂板(幅25mm、長さ100mm、厚さ3mm)とポリプロピレン板(幅25mm、長さ100mm、厚さ3mm)とを、幅25mm、長さ12.5mm、厚さ1mmの接着剤層で接着し、試験体を作製した。
得られた試験体を40℃、95%相対湿度の恒温恒湿オーブン内で1週間硬化させた後、JIS K6850:1999の「引張せん断接着強さ試験」に準じて、引張速度50mm/分でせん断した際の接着面の凝集破壊(CF)率を測定した。
上記第1表に示される各成分は、以下のとおりである。
・ゴム1:ブチルゴム(PB402、LANXESS社製)
・ゴム2:EPDM(EPT0045、三井化学社製)
・充填剤:タルク(C99、富士タルク社製)
・熱可塑性エラストマー:SEBS(タフテックH−1141、旭化成ケミカルズ社製)
・粘着付与剤:脂肪族系炭化水素樹脂(エスコレッツ1315、トーネックス社製)
・可塑剤:ポリブテン(HV−100、新日本石油社製)
・老化防止剤:ヒンダードフェノール系(イルガノックス1010、チバ・ジャパン社製)
・架橋性シリル基含有有機重合体:シリル化APAO(ベストプラスト206、数平均分子量:10600、重量平均分子量:38000、190℃粘度:5±1Pa・s、エボニックデグサ社製)
・触媒:ジ−n−ブチルスズジラウリン酸塩(Stann−BL、三共有機合成社製)
・ゴム1:ブチルゴム(PB402、LANXESS社製)
・ゴム2:EPDM(EPT0045、三井化学社製)
・充填剤:タルク(C99、富士タルク社製)
・熱可塑性エラストマー:SEBS(タフテックH−1141、旭化成ケミカルズ社製)
・粘着付与剤:脂肪族系炭化水素樹脂(エスコレッツ1315、トーネックス社製)
・可塑剤:ポリブテン(HV−100、新日本石油社製)
・老化防止剤:ヒンダードフェノール系(イルガノックス1010、チバ・ジャパン社製)
・架橋性シリル基含有有機重合体:シリル化APAO(ベストプラスト206、数平均分子量:10600、重量平均分子量:38000、190℃粘度:5±1Pa・s、エボニックデグサ社製)
・触媒:ジ−n−ブチルスズジラウリン酸塩(Stann−BL、三共有機合成社製)
・アミノシラン1:3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学社製)
・アミノシラン2:3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−603、信越化学社製)
・メタクリルシラン:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学社製)
・エポキシシラン:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学社製)
・アミノシラン2:3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−603、信越化学社製)
・メタクリルシラン:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学社製)
・エポキシシラン:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学社製)
・多官能アルコキシシラン化合物1:3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学社製)9g(0.05mol)と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学社製)23.6g(0.1mol)とを、50℃で96時間反応させたものを用いた。
なお、得られた反応物について1H−NMR解析を行い、下記構造式で表される多官能アルコキシシラン化合物1であることを確認した。
なお、得られた反応物について1H−NMR解析を行い、下記構造式で表される多官能アルコキシシラン化合物1であることを確認した。
・多官能アルコキシシラン化合物2:3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学社製)17.9g(0.1mol)と、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学社製)23.4g(0.1mol)とを、80℃で96時間反応させたものを用いた。
なお、得られた反応物について1H−NMR解析を行い、下記構造式で表される多官能アルコキシシラン化合物2であることを確認した。
なお、得られた反応物について1H−NMR解析を行い、下記構造式で表される多官能アルコキシシラン化合物2であることを確認した。
第1表から明らかなように、接着付与剤として、トリメトキシシリル基を1個有するシラン化合物を単独または併用した場合(比較例1〜5)は、CF率は100%に到達せず、接着性に劣ることが分かった。
これに対し、接着付与剤として、トリメトキシシリル基を2個有するシラン化合物を用いた場合(実施例1〜2)は、CF率はいずれも100%になり、接着性に優れることが分かった。
これに対し、接着付与剤として、トリメトキシシリル基を2個有するシラン化合物を用いた場合(実施例1〜2)は、CF率はいずれも100%になり、接着性に優れることが分かった。
Claims (10)
- ゴム、架橋性シリル基含有有機重合体、および、1分子中にアルコキシシリル基を2個以上有する化合物を含有する反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記アルコキシシリル基を2個以上有する化合物の分子量が、350〜1000である請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記アルコキシシリル基を2個以上有する化合物が、アミノ基を有するアルコキシシランと、アミノ基と反応しうる有機基を有するアルコキシシランとの反応生成物である請求項1または2に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記ゴムが、ブチルゴムである請求項1〜3のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記架橋性シリル基含有有機重合体が、アルコキシシリル化したアモルファスポリ−α−オレフィン重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 更に、熱可塑性エラストマーを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン(SEBS)および/またはポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−プロピレン)−block−ポリスチレン(SEPS)である請求項6に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記アミノ基を有するアルコキシシランが、3−アミノプロピルトリメトキシシランおよび/または3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランである請求項3〜7のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 前記アミノ基と反応しうる有機基を有するアルコキシシランが、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種のトリアルコキシシランである請求項3〜8のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
- 自動車ランプレンズのシール用途に用いる請求項1〜9のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
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