[第1の実施形態]
以下においては、本発明の第1の実施形態に係る遊技機1についての説明をする。
[1−1.遊技機の外観構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊技機1の概観を示す斜視図である。遊技機1は、前面が開口した箱状の本体2と本体2の前面に配置した前面扉3から構成されている。本体2と前面扉3とは片側で蝶番により固定され開閉できるようになっている。前面扉3は、遊技者が遊技を行うためのボタン類が配置された操作部OP、リール可変表示装置RLの図柄を視認させるためのリール窓20や遊技を進行するための情報が表示される表示器類が配置されたパネル表示部DP、遊技を進行するための情報が表示される表示器類や電飾装置が配置された演出表示部TP及び受皿部BPから構成されている。
操作部OPには、メダル投入口10、ベットボタン11、スタートレバー12、左ストップボタン13a、中ストップボタン13b、右ストップボタン13c、精算ボタン14、が設けられている。操作部OPの上面右側にメダル投入口10が配置され、上面左側にベットボタン11が配置されている。遊技機1の遊技は、メダル投入操作又はベットボタン操作、再遊技賞の入賞に伴う自動ベット処理により開始できる。ベットボタン11の下部位置の前面側には、リールR1〜R3の回転を行うためのスタートレバー12が配置され、その右側には左リールR1の回転を停止させるための左ストップボタン13a、中リールR2の回転を停止させるための中ストップボタン13b及び右リールR3の回転を停止させるための右ストップボタン13cが配置される。
スタートレバー12の左側には、貯留装置に記憶されたクレジットを精算してメダル受皿40にメダルを払い出すための精算ボタン14が配置されている。この精算ボタン14は遊技をやめる場合に使用されるものであり、操作の頻度が低いことや遊技中に誤って操作しないよう、上記一連の操作の流れから外れる位置に配置してある。
パネル表示部DPには、リール窓20、遊技ガイド表示器22及び遊技価値情報表示部23が設けられている。遊技価値情報表示部23は、クレジット数表示器23a、配当数表示器23c及び獲得枚数表示器23bから構成される。リール窓20は、1つのリールにつき、3個の連続した図柄をのぞむ透明アクリル板からなり、遊技者は3つのリールで9個分の図柄を、リール窓20を通して目視することができる。
本実施形態における遊技機1は、リール窓20の中段表示位置に水平の入賞ラインL1を有している。すなわち、左リールR1における上段表示位置をU1、中段表示位置をM1、下段表示位置をD1、中リールR2における上段表示位置をU2、中段表示位置をM2、下段表示位置をD2、右リールR3における上段表示位置をU3、中段表示位置をM3、下段表示位置をD3、とした場合に、入賞ラインL1は、各リールR1〜R3における中段表示位置M1−M2−M3に対応している。
また、リール窓20の右側には、入賞した役に応じて点灯する表示部やゲーム状態に応じて点灯するLEDなどの複数のLEDが配置された遊技ガイド表示器22が設けられている。さらにリール窓20の下側には、貯留装置に蓄えられたクレジット数を表示するクレジット数表示器23a、入賞した場合に付与された配当数を表示する配当数表示器23c、及び所定ゲーム中に付与された配当数を累積して獲得枚数の表示を行う獲得枚数表示器23bから構成される遊技価値情報表示部23を有している。
演出表示部TPには、遊技の進行状態を画像で表示する液晶ディスプレイなどで構成される表示器30、ゲーム状態に応じて色彩や点灯パターンを変化させてゲーム状態を表示する電飾LED31及びゲーム状態に応じて変化させるBGMやボタン操作に応じた操作音、ガイド音声を出力するスピーカ32が設けられている。
受皿部BPには、メダル払出装置が駆動されてメダル払出口40aから排出された遊技メダルを貯めるメダル受皿40が設けられており、メダル受皿40の左側には灰皿41が設けられている。
[1−2.リール可変表示装置の構成]
図2は、遊技機1のリール可変表示装置RLの構造を示す説明図である。図2(a)は、リール可変表示装置RL全体の構造を示し、リール可変表示装置の内部を表すために右リールR3が取り外された状態を示したものである。図2(b)は、右リールR3の詳細の構造を示す。
リールR1〜R3は、軸部から放射線状に延びた複数のスポーク部と環状の枠を有する透明なABS樹脂等からなるリール枠56a〜56cに、21個の各種の図柄(図柄番号PN=1〜21)が印刷されているリール帯58a〜58cが、リール枠56a〜56cの周面に貼り付けられて構成される。リールR1〜R3はリール可変表示装置RLのケース体50の上下に設けられた、それぞれのリールに対応したガイドレール51a〜51cに沿って挿入され、ケース体50内に収容される。図2(b)を使って、リールR3の説明をするが、リールR1〜R2も同一の構造である。リールR3は、ステッピングモータ54cに固定され回転するようになっている。リールR3の回転には、400ステップのパルスの供給で1回転するステッピングモータ54cを使用し、所定のパルスを供給することで所定の図柄をリール窓20に表示させることができる。さらにLED(図示せず)を設置したバックライト装置53cを設け、リール帯58cの内側から光を照射できるようになっている。このように、リール帯58cの内側からバックライト装置53cによって光を照射することで、遊技者にリール帯58c上の図柄を目立たせることができる。
またスポーク部の一つに検知板57cを取り付け、リール位置検出センサ55cによって、リールR3が1回転するごとに1パルスのリール位置検出信号155cを出力できるようになっている。このリール位置検出信号155cを検知してから10ステップ進めたときに、図柄番号PN=1がリール窓20の中央の入賞ラインL1上に位置するように検知板57cとリール帯58cとの位置が設定してある。
リールR3、リールR3が固定されたステッピングモータ54c、バックライト装置53c及びリール位置検出センサ55cをベース板52cに固定することで一つのユニット構成としている。また、リール可変表示装置RLは、ベース板52cをリール可変表示装置RLのケース体50に設けられたガイドレール51cに沿って挿入してケース体50内に収容するようになっている。ステッピングモータ54c、バックライト装置53c、検知板57c、リール位置検出センサ55cおよびリール位置検出信号155cは、図示していないが、リールR1では、ステッピングモータ54a、バックライト装置53a、検知板57a、リール位置検出センサ55aおよびリール位置検出信号155aにそれぞれ対応し、リールR2では、ステッピングモータ54b、バックライト装置53b、検知板57b、リール位置検出センサ55bおよびリール位置検出信号155bにそれぞれ対応する。
[2.遊技機の電気的構成]
図3は、遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。遊技機1は、遊技の主たる制御を行うメイン制御基板100A、表示器30に対して表示制御を行い画像表示するサブ制御基板100Bを備えている。メイン制御基板100Aは、CPU(centralprocessingunit)101、クロック発生回路a102、クロック発生回路b103、ROM(read-onlymemory)104、RAM(random-accessmemory)105、データ送出回路106、入出力ポート107から構成されている。なお、CPU101としてROMやRAMを内蔵しているものを採用することができる。その場合には、外付けのROM104、RAM105は不要となる。
CPU101は、ROM104に格納されたプログラムを、クロック発生回路a102で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU101は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路a102の周期とは異なるクロック発生回路b103で発生したINTR信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR信号の間隔は、例えば、2ミリ秒である。CPU101はプログラムの実行に応じて、各種フラグや各種カウンタ又は各種遊技情報をRAM105に保存する。外部から供給される電源が遮断した場合でも、RAM105は電池により記憶情報が保持されており、その後電源が復帰した場合には、電源断発生の直前の状態から再開する。また、CPU101は、実行するプログラムに応じて、時計部108を参照して時刻情報を取得し、さらに、入出力ポート107を介して各種ボタン、センサの状態を読み取って各種モータ等を駆動する。
ベット操作指示信号111a〜111c、開始操作指示信号112、停止操作指示信号113a〜113c及び精算操作指示信号114は、それぞれ操作部OPに設けられたベットボタン11、スタートレバー12、ストップボタン13a〜13c、精算ボタン14が遊技者に操作されたことに応じて検知される信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。表示制御信号123a〜123cは、それぞれパネル表示部DPに設けられたクレジット数表示器23a、獲得枚数表示器23b、配当数表示器23cに表示するための表示信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。リール位置検出信号155a〜155cはそれぞれリール可変表示装置RLのそれぞれのリールに対応し、リールが1回転するたびに1回検出する信号であり入出力ポート107を介してCPU101に送られる。リール駆動信号154a〜154cは、それぞれリール可変表示装置RLのそれぞれのリールR1〜R3を駆動するステッピングモータ駆動信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。このリール駆動信号154a〜154cによってステッピングモータに対する制御を行うことにより、各リールR1〜R3の回転制御の開始や停止制御を実行することができる。
メダル投入信号160は、投入された遊技メダルをメダル投入口10から通ずる前面扉3の内部に設けられたメダル検出装置に設けられたメダルを検出するセンサの信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。また、メダルブロック信号161はメダル検出装置に設けられたソレノイドを駆動する信号であり入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。メダル払出信号162はメダル払出装置のメダル放出部に設けられたメダルを検出するセンサ信号であり、入出力ポート107を介してCPU101に送られる。また、払出駆動信号163はメダル払出装置に設けられたモータを駆動する信号であり、入出力ポート107を介してCPU101より駆動される。
CPU101は、データ送出回路106を介してサブ制御基板100Bへ各種コマンドを出力する。サブ制御基板100Bは、CPU(centralprocessingunit)191、クロック発生回路c192、クロック発生回路d193、ROM(read-onlymemory)194、RAM(random-accessmemory)195、データ入力回路196及びグラフィックLSIとその周辺回路からなる表示回路197を備えている。このCPU191は、ROM194に格納されたプログラムを、クロック発生回路c192で発生したCLK信号のタイミングに基づいて読み出し、プログラムを逐次実行する。CPU191は、電源が投入されるとあらかじめ定められたアドレスからメインプログラムを実行し、クロック発生回路c192の周期とは異なるクロック発生回路d193で発生したINTR1信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。ここで、INTR1信号の間隔は、例えば、2ミリ秒とする。CPU191は、プログラムの実行に応じて、各種フラグや各種カウンタ又は各種遊技情報をRAM195に保存する。また、メイン制御基板100Aのデータ送出回路からのデータ送出タイミングに同期して送出されるストローブ信号に基づいてINTR2信号を発生させ、このINTR2信号のタイミングで、あらかじめ定められたアドレスから始まる割込みプログラムを実行する。
サブ制御基板100Bは、メイン制御基板100Aより各種コマンドを受信して、遊技に伴う演出画像を表示器30に表示させる指示を表示回路197に出力する。また、サブ制御基板100Bは、遊技ガイド表示器22、電飾LED31による電飾装置の点灯制御や、リール可変表示装置RLに設けられたバックライト装置53a〜53cの点灯制御、及びBGMなどのサウンドをスピーカ32から出力する音制御を行う。
[3.遊技機1について]
本実施形態の遊技機1は、リールが回転駆動をしている時間に関する駆動時間情報を生成し、当該駆動時間情報に基づいてリールの回転駆動の開始を決定するタイミングを変化させるものとなっている。これにより、遊技者による操作態様に応じてリールの回転駆動の時間を調整でき、遊技機の消費電力の節約に寄与できることとなる。
また、本実施形態の遊技機1の入賞ラインは、表示窓20の中段表示位置における水平の入賞ラインL1のみとなっており、さらに、サブ制御基板100Bにおける画像や音声の制御により、押し順小役を入賞させる停止操作順序やタイミングなどを報知するAT(アシストタイム)機能を有している。
ここで、「AT機能」とは、ストップボタン13a〜13cの操作に応じて有効ライン上に停止する図柄の組合せが異なるように設定された役が当選したときに、遊技者にとって有利となる操作態様を報知する「AT遊技(報知ゲーム)」を実行する機能のことをいい、AT遊技が実行されている状態をAT状態とも言う。本実施形態におけるAT状態では、内部当選の結果に応じて、サブ制御基板100Bによる画像や音声の制御により遊技者にとって有利となる押し順の報知が行われる。
[3−1.図柄の配置について]
次に図4は、本実施形態の遊技機1におけるリール帯58a〜58cに印刷された図柄の配置を示す説明図である。左、中、右のそれぞれのリールには21個の図柄が等間隔で配置して印刷されている。400ステップのパルスの供給で1回転するステッピングモータ54a〜54cを使用しているので、21個の図柄を配置すると図柄の間隔は19ステップとなる。また、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから10ステップ進めたときに、図柄番号PN=1がリール窓20の中段の入賞ラインL1上に位置するようにしているため、リール位置検出信号155a〜155cを検知してから29ステップ進めれば図柄番号PN=2がリール窓の中段に位置し、48ステップ進めれば図柄番号PN=3がリール窓の中段に位置し、390ステップ進めれば図柄番号PN=21がリール窓の中段に位置することになる。390ステップより先に進めると、再びリール位置検出信号155a〜155cが検知される。これによりリール位置検出信号155a〜155cが検知されたタイミングを基点にして、進めるステップ数により所定の図柄をリール窓の中段に位置させることができる。
[3−2.役の種類と役抽選テーブルについて]
次に、図5を用いて、遊技機1において成立する役の種類と、通常ゲーム状態における役抽選テーブルについて説明する。
図5(a)は役の種類を説明するための図であり、特別役と、再遊技役と小役1〜3の主要な図柄の組合せと、その払い出し枚数等を示すものとなっている。本実施形態における入賞役のうち、特別役1(BB1(ビッグボーナス1))および特別役2(BB2(ビックボーナス2))は、それぞれ、「赤セブン−赤セブン−赤セブン」および「青セブン−青セブン−青セブン」の図柄の組合せで構成され、ボーナス遊技状態に移行する役とされている。また、特別役3(RB(レギュラーボーナス))は、「赤セブン−赤セブン−青セブン」の図柄の組合せで構成され、こちらもボーナス遊技状態に移行する役とされている。また、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく遊技が可能となる役とされており、小役は、入賞により所定数のメダルが払い出される役である。なお、役の種類は、図5(a)のように限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」および「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞により特別遊技であるボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役である。ビックボーナスやレギュラーボーナスについては、フラグの持越しが行われ、BB1等に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(メイン制御基板100AのRAM105の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1等に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次ゲーム以降であっても各特別役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に揃う状態にある。
また、「小役1」、「小役2」、「小役3」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役であり、それぞれ、遊技機1における「ベル」「スイカ」「チェリー」に対応する。図5(a)の「チェリー」における「ANY」は、有効ラインにおける中リールの図柄がどのような図柄であってもよいことを示す許容図柄となっている。
図5(b)は、遊技機1における所定のゲーム状態で設定される役抽選テーブルを説明するための図であり、各抽選対象1〜13が内部当選する確率(抽選確率)は、それぞれに関連付けられた抽選値を65536で除した値に対応する。また、小役1A〜1G(ベル)は、いずれの押し順が入力されても入賞するように停止制御される小役1Aと、左ストップボタン13aを第1停止とする場合(すなわち、左・中・右または左・右・中の押し順の場合)にベルが入賞する小役1B、1Cと、中・右ストップボタン13b〜13cを第1停止とする場合(すなわち、中・右・左、中・左・右、右・左・中、右・中・左の押し順の場合)にベルが入賞する小役1D〜1Gとなっている。押し順小役となる小役1B〜小役1Gが内部当選した際に、ベルを入賞することができない押し順を入力した場合には、配当のない「ベルこぼし目(ベルの取りこぼし目)」が表示される。
[3−3.遊技機の機能的構成]
図6は、本実施形態における遊技機1の機能的構成を示す図であり、メイン制御基板100Aと、サブ制御基板100Bを主として実現される。同図で示されるように、メイン制御基板100Aは、内部抽選部ILと、リール制御部RCと、入賞判定処理部WJと、RAM105とを含み、さらに、駆動時間情報生成部TGと、起点遊技情報取得部IGと、最終遊技情報生成部EGとを含んで構成される。サブ制御基板100Bは、演出制御部PCと、報知ゲーム抽選部ALと、RAM195を含んで構成される。
[3−3−1.メイン制御基板100Aの機能的構成]
メイン制御基板100Aは、ROM104にあらかじめ記憶されているメインプログラムや割込プログラムを実行することにより、遊技機1で実行されるゲーム全体を制御する。メイン制御基板100AのCPU101は、遊技者によるベットボタンの操作、遊技者による遊技媒体の投入、スタートレバー(開始操作部)12の操作などの入力を受け付けると、内部抽選部ILに内部抽選を行わせるとともに、リール駆動信号154a〜154cを生成して各リールR1〜R3の回転を制御する。
この際、遊技者によるスタートレバー12の入力が、ウェイト期間の終了よりも早いタイミングとなる場合には、リール駆動信号154a〜154cの生成が遅延されて、ウェイト期間の終了時までリールの回転駆動が待機するようになっている。そして、リールの回転駆動の開始後、各ストップボタン13a〜13c(停止操作部)から、停止操作指示信号113a〜113cが順次出力されると、各リールの停止制御が実行される。
内部抽選部ILは、乱数を発生させるための乱数発生器を含んで構成されて、開始操作指示信号112を検知したタイミングで、一定の範囲の数値、例えば、0〜65535の範囲で1つの乱数値を発生する。そしてさらに内部抽選部ILは、現在のゲーム状態に応じた役抽選テーブルを選択する。内部抽選部ILは、乱数発生器で発生した乱数値を選択された役抽選テーブルに照らし合せることにより、乱数値の数値範囲に対応する抽選対象を内部抽選の結果を示す情報として導出する。内部抽選の結果は、RAM105だけでなくRAM195における内部抽選結果記憶領域に、内部抽選の結果に対応する当選フラグが記録される。この当選フラグは、演出テーブルの決定だけでなく、AT遊技に関する抽選や、AT遊技の抽選条件の設定の際などに参照される。
リール制御部RCは、遊技者の操作や内部抽選の結果に従って、リールR1〜R3の駆動制御を行う機能ブロックであり、回転開始制御部RSと、回転開始時決定部WPと、停止制御部SCを含んで構成される。
回転開始制御部RSは、遊技者によるスタートレバー12の入力後、リール駆動信号154a〜154cを出力し、各リールの回転を開始する回転開始制御を実行する。
また、回転開始時決定部WPは、回転開始制御部RSによるリールの回転駆動を開始するタイミングを決定する。本実施形態における回転開始時決定部WPは、待機制御部WPaと、待機期間変更部WPbをさらに含んで構成されて、ウェイト期間の終了時にリールの回転駆動が許可されるようになっている。遊技機1では、遊技者が短時間に多くの遊技メダルを消費することを防ぐために一遊技に要する経過時間が計測されており、一遊技の最小消費時間となるウェイト期間を原則的に4.1秒(基準待機期間)として、1分間に15ゲーム以上実行できないようにしている。
すなわち、待機制御部WPaは、直前の遊技における予め定められた時点(具体的には、待機制御部WPaにより各リールの回転駆動が許可された時点、各リールが定速回転駆動するようになった時点、或いは、リール駆動信号154a〜154cが出力された時点等)を基準として4.1秒のウェイト期間が終了するまで、回転開始制御部RSによるリール駆動信号の出力を待機させるように制御する。そして、回転開始時決定部WPは、ウェイト期間の終了後、回転開始制御部RSにリール駆動信号154a〜154cを出力させる。待機期間変更部WPbについては、駆動時間情報生成部TGの説明後に述べることとする。
停止制御部SCは、内部抽選の結果に基づいて各リールの停止制御テーブルを選択し、選択された停止制御テーブルと、ストップボタン13a〜13cが押下されるタイミングとに基づいて、有効ライン上に図柄を停止する停止制御を実行する。また停止制御部SCは自動停止部ASを有して構成されて、自動停止部ASは、3つのリールR1〜R3が一定回転速度に到達したことを検出した時点等から予め定められた自動停止時間が経過した際に、遊技者による停止操作が入力されなかったリールを自動的に停止させる。
また、入賞判定処理部WJは、全リールの図柄が停止された後、有効ライン上に停止された図柄の組合せに基づいて入賞したか否かを判定する。
ここで特に、駆動時間情報生成部TGは、遊技者の操作によって開始・停止されるリールの駆動時間に関する駆動時間情報を生成し、生成した駆動時間情報をRAM105に記録させるものとなっている。本実施形態における駆動時間情報生成部TGは、特定の遊技者が継続的に遊技を実行している期間における、リールが回転駆動している期間の割合を導出することで駆動時間情報を生成するものとなっており、遊技継続期間導出部TGaと、回転時間蓄積部TGbと、回転比率情報生成部TGcとを含んで構成される。なお、リールが回転駆動している期間は、リールR1〜R3のうちの少なくとも1つが回転している期間であるのが望ましいが、例えば、リールR1〜R3のうちの全てが回転している期間であってもよい。
まず、遊技継続期間導出部TGaは、遊技者による継続的な遊技の実行期間(遊技継続期間)についての情報を導くものとなっており、当該情報は、起点遊技情報生成部IGおよび最終遊技情報生成部EGによって生成される起点遊技情報と最終遊技情報によって導かれる。具体的には、起点遊技情報生成部IGは、時計部108を参照することにより、遊技継続期間を導く起点となる一遊技の開始時点を示す起点遊技情報を生成する。また、最終遊技情報生成部EGも同様に、時計部108を参照することにより、当該遊技者によって最後に実行された一遊技の終了時点を示す最終遊技情報を生成する。なお、起点遊技情報は、一定期間(例えば5分)遊技が開始されなかった場合に、遊技者が遊技を辞めたと判断してリセットするようにしてもよいし、あるいは、遊技者による遊技の継続にかかわらず一定期間(例えば30分)が経過するごとにリセットをするようにしてもよい。また、最終遊技情報は、一遊技が実行される毎に更新されて、起点遊技情報とともにRAM105において保持される。
次に、回転時間蓄積部TGbは、リールの回転駆動している期間の合計値を一遊技が実行される毎に更新して、遊技者によるリールの回転時間を蓄積するものとなっている。具体的には、回転時間蓄積部TGbは、各リールの回転駆動が開始されて全リールが停止するまでの期間を一遊技毎に計測し、当該遊技者による遊技継続期間内における回転時間の合計値を求めるものとなっている。なお、回転時間の合計値は、起点遊技情報がリセットされる際にリセットされる。
そして、回転比率情報生成部TGcは、回転時間蓄積部TGbおよび遊技継続期間導出部TGaによって取得される情報に基づいて、遊技継続期間に対する回転時間の合計値の比率に関する情報(回転比率情報)を、駆動時間情報として生成する。具体的には、本実施形態における回転比率情報は、当該遊技者による回転時間の合計値を、遊技者による継続的な遊技の実行期間によって除した値により導かれる。
ここで特に、回転開始時決定部WPにおける待機期間変更部WPbは、駆動時間情報生成部TGによって生成される駆動時間情報に基づいて、ウェイト期間の長さを変更し、これにより、リールの回転駆動の開始を許可するタイミングを変更するようにしている。
上述したように、遊技機1では、単位時間当りに実行される遊技が所定の回数以下となるように、ウェイト期間を原則的に4.1秒として初期設定しているが、待機期間変更部WPbにより、駆動時間情報にしたがって、ウェイト期間が4.1秒よりも長くなるように変更される。
具体的には、待機期間変更部WPbは、回転比率情報が所定の閾値を越える場合(駆動時間情報が予め定められた基準を満たす場合)に、4.1秒よりも長くなるようにその後の1又は複数の遊技におけるウェイト期間を設定する。遊技者が不必要に遅いペースで遊技を実行したり、空回しを行うような場合には、リールが回転している期間が長くなって遊技機1の消費電力が大きくなる傾向にある。このような場合には、遊技継続期間に対する回転時間の合計値の割合(回転比率情報)が閾値を超える可能性が高くなり、待機期間変更部WPbは、待機期間が長くなるように設定することで遊技機1における消費電力を節約することができる。
[3−3−2.サブ制御基板100Bの機能的構成]
次に、サブ制御基板100Bの機能的構成について説明をする。サブ制御基板100Bは、メイン制御基板100Aの下位に属する制御基板であって、メイン制御基板100Aから信号や情報が伝達されるものの、サブ制御基板100Bからメイン制御基板100Aには信号や情報を入力することができないようになっている。
報知ゲーム抽選部ALは、報知ゲームの将来的付与を確定する抽選処理を行う機能ブロックである。報知ゲーム抽選部ALにおいて実行される抽選処理は、サブ制御基板100Bにおいて別途管理されるゲーム状態に応じた抽選条件によって実行される。また、サブ制御基板100Bにおいて管理されるゲーム状態は、メイン制御基板100Aの内部抽選の結果により、所定の確率で遷移が発生するようになっている。
演出制御部PCは、ROM194に記録された演出パターンの中から出力する演出パターンを決定して、表示器30に出力する。演出制御部PCが、例えば、内部抽選の結果に応じた演出を実行する場合には、RAM195に記録された内部抽選の結果に対応するフラグを参照してROM194に記録された演出テーブルを選択し、当該演出テーブルに基づく抽選により選択される演出パターンをセットし、セットされた演出パターンを表示器30に表示する。
また、本実施形態における演出制御部PCは、ウェイト変更演出部WPPと、報知ゲーム実行部APを含んで構成される。
ウェイト変更演出部WPPは、待機期間変更部WPbによって待機期間が4.1秒よりも長い期間に設定された場合に、内部抽選の結果等にかかわらず、その旨を知らしめるような演出パターンを選択して実行する。具体的には、回転開始時決定部WPが、ウェイト期間を5秒間に変更することを決定した場合に、ウェイト変更演出部WPPは、「リールの回転時間が長くなったために、ペナルティとしてウェイト期間を5秒間にして節電します」等の節電を促す演出を、ウェイト期間が変更されて、ウェイト期間の経過前に開始操作が入力された遊技において実行する。このような演出が表示されることで、空回し等を実行して不要に電力を消費した遊技者は、次回からの遊技において節電を意識した遊技を実行するようになる。
報知ゲーム実行部APは、報知ゲーム抽選部ALの抽選処理による報知ゲームの将来的な付与の確定後、所定の条件を満足した場合に複数の遊技にわたって報知ゲームを実行し、当該複数の遊技において報知ゲーム用の演出パターンを表示器30に表示させる。なお、報知ゲームの実行中は、RAM195においてAT遊技中のフラグが立てられて、例えば、小役1B〜1Gのような押し順小役の内部当選時において、遊技者にとって有利となる操作順序を報知する演出パターンが実行される。
なお、本実施形態においては、ウェイト期間が変更された場合に、ウェイト変更演出部WPPによって節電を促す旨の表示が実行されるが、かかる表示を実行せずに、ウェイト期間が4.1秒よりも長く5秒以下となるように複数の遊技にわたって設定してもよい。このように、演出を行わずにウェイト期間をわずかに長くすることで、遊技者に与える違和感を少なくしつつ消費電力を節約することが可能になる。
[4.リールの回転態様と消費電力の関係について]
次に、図7を用いて、リールの回転態様と消費電力の関係について説明をする。図7は、リールが回転駆動している期間と、出力されているリール駆動信号の関係を概略的に示す図である。具体的には、図7(a)は、遊技者が比較的遅いペースで遊技を消化して、リールを回転駆動させている様子を示す図であり、図7(b)は、4.1秒のウェイト期間が経過する前に遊技者が各リールを停止して、次の遊技の開始操作を入力している様子を示す図となっている。また、図7(c)は、消費電力が大きくなる比較的遅いペースで遊技された後に、待機期間変更部WPbによってウェイト期間が5.0秒に設定された場合の様子を示す図である。
図7の各図においては、横軸が経過時間を、縦軸がパルス信号の出力を示しており、リールの回転駆動期間中は、パルス信号が出力されて電力を消費している状態となっている。また、横軸における各矢印は、遊技者が開始操作部12に入力を行ったタイミングを示しており、各図の場合における消費電力は、パルス信号の出力の積分値に対応する。
ここで、図7(a)のようなペースで遊技を消化すると、リールの回転駆動期間が長くなって消費電力が大きくなる傾向にある。そこで図7(c)のように、ウェイト期間が5.0秒に変更されると、今まで遅いペースで遊技を実行していた遊技者がペースを速くしたとしても、ウェイト期間の変化による違和感が小さい。このように、ウェイト期間が4.1秒よりも長い期間に変更されることでリールが停止している期間の比率が増大し、節電に繋がることとなる。
[5.遊技機の動作について]
次に、遊技機1の全体動作の詳細を説明する。CPU101は、電源投入後初期化処理を行い、図8に示すフローチャートの処理を実行する。
[5−1.一遊技の流れ]
図8は、本実施形態の遊技機1における一遊技の流れの内容を示すフローチャートである。まずCPU101は、メダル投入信号160による投入ベット操作、又はベットボタン11の押下による貯留ベット操作が行われたか否かを判定し、いずれかの信号を検出するまで待機する(S100)。CPU101は、いずれかの信号を検知した場合は次に進み、開始操作指示信号112に基づいてスタートレバー操作が行われたか否かを判定し、信号を検出するまで待機する(S101)。CPU101は、開始操作指示信号112を検出した場合は、ベット操作を禁止する(S102)。具体的には、メダルブロック信号161によりメダルセレクタ装置のソレノイドをOFFにし、メダルセレクタ装置の通過経路を切替えて、遊技メダルがメダル投入口10から投入された場合でもメダル受皿40に排出する。また、ベット操作指示信号111a〜111cも受け付けないようにする。
次に内部抽選部ILは、0000HからFFFFHの範囲で10ナノ秒毎に順次インクリメントし、約1.6ミリ秒で1巡回するするカウンタ回路から入出力ポート107を介してカウンタ値を取得し乱数値とする(S103)。次にRAM105に記録されたゲーム状態を示すフラグを参照して、ゲーム状態に応じた役抽選テーブルを選択する(S104)。そして内部抽選部ILは、選択した役抽選テーブルを使用して、役抽選テーブル上の抽選対象となる役ごとに設定されたどの数値の範囲に取得した乱数値が属するかの判定を行い、当選フラグをセットする(S105)。次にステップS105で設定された当選フラグに基づき、リール制御部RCは、リールの停止制御で参照する停止制御テーブルを準備する(S106)。停止制御テーブルについては後述する。
次にS107aでは、CPU101は、駆動時間情報に基づいてリールの回転駆動を開始するタイミングを決定し、S107bでは、S107aで決定された所定のタイミングが経過しているか否かを判断する。本実施形態におけるS107bでは、ウェイト期間を経過しているか否かが判断され、CPU101は、一遊技の経過時間を示す2ミリ秒毎に0までカウントダウンするタイマ値を参照して、タイマ値が0に到達した場合には、4.1秒に相当するウェイト期間の初期値(「2050」)あるいは、待機期間変更手段WPbによって変更されたウェイト期間に設定し直す。したがって、ステップS101でスタートレバーが操作されても、直前の遊技における各リールの回転駆動が許可された時点等から未だウェイト期間が経過していない場合(NOの場合)には、リール駆動信号154a〜154cを出力せずに待機状態とする。そして待機期間の終了後、CPU101は、リール駆動信号154a〜154cを出力して、ステッピングモータを順次又は同時に駆動して3つのリールを回転させる(S108)。
次にCPU101は、10ステップの加速期間を経て3つのリールR1〜R3を全て一定回転速度に移行させる。3つのリールR1〜R3が一定回転速度に到達したことを検出し、この検出時点から自動停止時間が経過するまでの残り時間の計測を開始するとともにストップボタン13a〜13cの受け付けができることを知らせるためにストップボタンに内蔵したLEDを点灯させる。
そして、リール制御部RCは、3つのリールR1〜R3を停止させるリール停止処理を行う(S109)。リール停止処理では、遊技者によるストップボタン13a〜13cの入力がされて停止操作指示信号113a〜113cが検出された場合には、ステップS106で選択した停止制御テーブルと、ストップボタンの操作タイミングで得られたリール上の図柄位置とに基づいて、有効ラインL1上に停止させる図柄番号PNを決定し、全ての巻線相を同時に励磁する全相励磁によってブレーキ力を与えて、全相励磁を開始してから15ステップ相当分の惰性で回転して停止させるリール停止処理をそれぞれのリールに対して行う。また、その一方で、停止操作が行われなかったリールを自動的に停止させる。またS109においては、全リールの回転が停止されることとなるから、後述する駆動時間情報生成部の処理(図10(a)を参照)において全リールの停止タイミングが取得されて、駆動時間情報が新たに生成(更新)される。新たに生成(更新)された駆動時間情報は、次の一遊技におけるS107aにおいて参照される。
次にCPU101は、全てのリールが停止した場合、有効な入賞ライン上に役が成立して入賞したかを判定し(S110)、入賞している場合には役ごとに設定した遊技価値を付与する。次にCPU101は、ゲーム終了判定処理を行い(S111)、続いて、当選フラグクリア処理を行う(S112)。S112では、そのゲームで成立した当選フラグがフラグの持ち越しできる特別役であれば、入賞した場合にだけ当選フラグをクリアし、入賞せずに取りこぼした場合には当選フラグをクリアせずそのままとする。一方、そのゲームで成立した当選フラグがフラグの持ち越しできない小役賞であれば、入賞したか、入賞しないで取りこぼしたかにかかわらずその当選フラグをクリアする。
次にCPU101は、再遊技賞に入賞したかを判定し(S113)、入賞したと判定した場合は、自動ベット処理を行い(S100a)、ステップS101に戻る。入賞していないと判定した場合は、ステップS102で行ったベット操作の禁止を解除し(S114)、遊技メダルの投入又はベットボタン11の入力の受け付けを行えるようにし、次のゲームの開始に備えるため、ステップS100へ戻る。
[5−2.駆動時間情報の生成、および、待機期間変更部の処理について]
次に、図9は、起点遊技情報生成部IGによる処理と、最終遊技情報生成部EGによる処理の流れを説明するフローチャートであり、図10は、駆動時間情報生成部TGの処理と、待機期間変更部WPbの処理の流れを説明するフローチャートである。
図9(a)で示されるように、起点遊技情報生成部IGは、S1011において遊技者によって開始操作が入力された後、S1012において起点遊技情報が既に存在するか否か判断をする。起点遊技情報が存在しない場合には、S1013に進み、時計部108を参照して開始操作が入力された直後の時刻を起点遊技情報として生成する。また、起点遊技情報が存在する場合には、S1014に進み、直前の遊技から一定時間以上経過していない場合には、そのまま起点遊技情報を保持する(S1015)。一方、S1014において、直前の遊技から一定時間以上経過していると判断される場合には、遊技機1の遊技者が異なる遊技者に変わったものと判断し、S1013に進んで、起点遊技情報を新たに生成する。
次に、最終遊技情報は、図9(b)で示されるように、まず、S1091において遊技者によって各リールに停止操作が入力された後、S1092において、時計部108を参照することによって全リールの回転駆動が停止した時刻が取得されて、当該時刻が最終遊技情報としてRAM105に記録される。
図10(a)は、駆動時間情報を生成する処理の様子を示す図であり、まず、S201及びS202において、リールが回転駆動を開始するタイミングと全てのリールが停止するタイミングを時計部108における時刻情報を参照することによって取得する。次に、S203では、これらの2つのタイミングに対応する時刻情報からリールが回転駆動した時間を求めて、当該時間を、以前に実行された遊技におけるリールの駆動時間の合計値に対して加算する。
すなわちS203では、遊技者が継続的に実行した複数の遊技におけるリールの駆動時間の合計値が求められることになる。その後S204では、図9(a)および図9(b)の処理で生成された起点遊技情報と最終遊技情報とに基づいて、遊技継続期間が導出される。S205では、S203で求められたリールの駆動時間の合計値と、S204で求められた遊技継続期間とに基づいて、回転比率情報が駆動時間情報として生成(更新)される。
図10(b)は、待機期間変更部WPbにおける処理について説明するためのフローチャートである。上述の図10(a)の駆動時間情報生成部TGの処理、および、図10(b)における待機期間変更部WPbの処理は、一遊技が実行される毎に実行されるものとなっている。すなわち、待機期間変更部WPbは、直前の遊技において回転比率情報が更新された後、回転状態の比率が所定の基準を満たしているか否かを判断する(S301)。回転状態の比率が閾値を超えて、基準を満たしている場合には、以降の複数遊技において、待機期間が初期設定された期間よりも長くなるように設定する(S302)。
[4−3.サブ制御基板100Bの処理]
次に、図11を用いて、メイン制御基板100Aからのコマンドを受信した際のサブ制御基板100Bの処理について説明する。なお図11は、サブ制御基板100Bが実行する処理のフローチャートとなっている。
S1501では、メイン制御基板100Aから受信した未処理コマンドがあるか否かを判定する。あればS1502に進む。なければ終了する。
S1502では、S1501で未処理コマンドと判定したコマンドが何のコマンドかを解析するコマンド解析を行う。
S1503では、内部抽選コマンドを受信したか否かを判定する。内部抽選コマンドを受信した場合はS1504に進み、内部抽選コマンドでなければS1507に進む。
S1504では、AT抽選処理を行う。詳しくは後述する。
S1505では、演出セット処理を行う。この処理では、例えば、内部抽選コマンドを受信した場合に、RAM195に記録された内部抽選の当選フラグに対応する演出抽選テーブルを選択することにより、演出抽選を実行して、内部抽選の結果に基づく演出をセットする。また、本実施形態の遊技機1では、待機期間変更部WPbによってウェイト期間が変更された場合に、内部抽選の結果に関わらず、上述したような節電を促すような演出を実行する。
S1506では内部当選コマンドに基づくその他の処理を実行する。
S1507では停止ボタン受付コマンドを受信したか否かを判定する。停止ボタン受付コマンドを受信した場合はS1508に進み、そうでなければS1509に進む。
S1508では停止コマンド受付時処理を実行する。
S1509では他のコマンドに応じたその他の処理を実行する。他のコマンドとは、たとえばデモ画面を表示させるデモコマンドをメイン制御基板100Aから受信した場合にデモ画面を表示したり、払出画面を表示させる払出コマンドをメイン制御基板100Aから受信した場合に払出画面を表示したりする。
[その他]
なお、本実施形態においては、駆動時間情報が予め定められた基準を満たした後の1又は複数の遊技においてウェイト期間を長くするように変更しているが、例えば、小役の内部当選や入賞を契機とし、小役が入賞等した次の遊技におけるウェイト期間を長くしてリールの回転駆動の開始を遅らせるようにしても良い。このような小役の入賞を契機としてウェイト期間を長くすることで、遊技者の違和感が少なくなる。
また、本実施形態においては、遊技継続期間内におけるリールの回転時間の比率を導くことにより駆動時間情報を生成しているが、例えば、直前の一遊技におけるリールの回転時間に基づいて、その次の遊技におけるウェイト期間を変更するようにしても良い。このようにすることで、直前の一遊技において消費電力が大きくなった場合に、その直後の一遊技において消費電力を節約することができる。
なお、本実施形態においては、遊技継続期間内における遊技の回転時間を蓄積して、リールの回転駆動している期間の合計値を求めているが、例えば、内部抽選手段ILによる内部抽選の結果により目押しが不要となる場合(具体的には、停止操作手段に入力される停止操作のタイミングや順序に有効ライン上に役が停止しないように制御される不当選の場合、押し順小役や再遊技役が当選した場合等)に、リールの回転駆動している期間の合計値を更新して駆動時間情報を生成してもよい。またこの場合に、特別役1の当選フラグが立った状態での遊技等については、回転時間を蓄積しないようにしても良いし、遊技継続期間から除外されるようにしても良い。
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態に係る遊技機1について説明をする。第1の実施形態における遊技機1では、回転開始時決定手段WPが待機期間変更部WPbを有し、駆動時間情報に基づいてウェイト期間が変更されるようになっているが、第2の実施形態における遊技機1では、回転開始時決定手段WPが遅延制御部WPcを有し、駆動時間情報に基づいて、リールの回転駆動が開始するタイミングを遅延させるようになっている。以下においては、第2の実施形態と第1の実施形態の差異を中心にして説明し、第1の実施形態と同様となる構成については説明を省略するものとする。
図12は、第2の実施形態における遊技機1の機能的構成を示す図である。図12で示されるように、回転開始時決定部WPは、遅延制御部WPcを含み、演出制御部PCは、遅延制御演出部WPLを含んで構成される。
遅延制御部WPcは、駆動時間情報に基づいて遅延期間を設定し、これにより、リールの回転駆動を開始するタイミングを変更する。遅延期間中は、ウェイト期間が終了して回転駆動が許可された場合であっても、リールの回転駆動が開始されないようになっており、回転開始制御部RSからのリール駆動信号の出力が遅延されることとなる。すなわち遅延期間が開始するタイミングは、ウェイト期間が終了する前にスタートレバー12(開始操作手段)に開始操作が入力された場合には、ウェイト期間が終了するタイミングとなり、ウェイト期間の終了後に開始操作手段が入力された場合には開始操作手段が入力されたタイミングとなる。
遊技者が不必要に遅いペースで遊技を実行する場合等、リールの駆動時間が所定の基準を超えて長くなる場合には、例えば、閾値を超えた次の遊技において、例えば5秒間の遅延期間を設定することで遊技機1における消費電力を節約することができる。
遅延制御演出部WPLは、遅延制御部WPcによってリールの回転駆動が遅延された場合に、「リールの回転時間が長くなったために、ペナルティとしてリールの回転を5秒間停止して節電します」等といった旨の節電を促す演出を実行する。このような演出が表示されることで、空回し等を実行して電力を不要に消費した遊技者は、次回からの遊技において節電を意識した遊技を実行するようになる。
なお、本実施形態の遅延期間としては5秒としているが、上記のような節電を促す演出を伴う場合には、3秒以上10秒以下としてもよい。また、遅延期間を設定する遊技を1回のみとし、遅延期間を例えば15秒間として上記のような演出を実行してもよい。また、上記のような演出を行わず、例えば0.1秒以上1秒以下となるような短い遅延期間を複数の遊技にわたって設定するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者に与える違和感を少なくしつつ消費電力を節約することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る遊技機1について説明をする。第1〜第2の実施形態では、遊技継続期間内におけるリールの回転時間の比率を導くことにより駆動時間情報を生成しているが、第3の実施形態においては、遊技継続期間内における空回しの回数(すなわち自動停止の回数)に基づいて、駆動時間情報を生成するようになっている。
図13は、第3の実施形態における遊技機1の機能的構成を示す図である。同図で示されるように、第3の実施形態における駆動時間情報生成部TGは、自動停止回数蓄積部TGdを含んで構成されている。自動停止回数蓄積部TGdは、予め定められた自動停止時間が経過してリールが自動的に停止した回数をRAM105に記憶し、駆動時間情報生成部TGは、遊技継続期間内の自動停止の頻度を示す情報を駆動時間情報として生成する。
回転開始時決定部WPは、自動停止の回数が所定の頻度を超える場合(例えば、60分の遊技継続期間内に2回以上の頻度で自動停止が生じることが確定した場合)にウェイト期間を変更し、これにより、単位時間あたりに実行される遊技の頻度を少なくして節電を行うようにしている。なお、ウェイト期間を変更する代わりに、上述の遅延期間を設定するようにしても良い。
なお、第3の実施形態においては、自動停止部ASによる自動停止の回数を蓄積するようにしているが、所定期間内(例えば1分以内)にストップボタンが停止されなかった回数を蓄積し、その回数が所定の頻度を超過するような場合に、ウェイト期間を変更したり、遅延期間を設定するようにしても良い。また遊技者による遊技継続期間にかかわらず、リールが自動停止された遊技の後の1又は複数の遊技において、ウェイト期間を変更するようにしても良いし、遅延期間を設定するようにしても良い。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係る遊技機1について説明をする。第1の実施形態では、ウェイト期間が4.1秒に初期設定され、遊技者がリールを回転させる態様に応じて、ウェイト期間が4.1秒よりも長く変更されるようになっている。しかしながら第4の実施形態においては、ウェイト期間が4.1秒よりも長い期間で初期設定され(例えば4.3秒以上5.0秒以下)、遊技者が速いペースで遊技を消化する場合に、ウェイト期間が短くなるように変更されるようになっている。このような点で、第4の実施形態は第1の実施形態と相違しているが、他の点については同様となっている。以下においては、第1の実施形態との差異を中心にして説明をし、同様となる点については説明を省略するものとする。
図14は、第4の実施形態における遊技機1の機能的構成を示す図である。同図で示されるように、第4の実施形態における駆動時間情報生成部TGは、待機制御回数蓄積部TGeを含んで構成されている。待機制御回数蓄積部TGeは、ウェイト期間の終了前に開始操作が入力された遊技の回数をRAM105に記憶し、待機期間変更部WPbは、RAM105に記録された遊技の回数に基づいて、待機期間を例えば4.1秒に設定し、初期設定された待機期間よりも短くなるように変更する。
また、具体的には、待機制御回数蓄積部TGeは、ウェイト期間内に開始操作が入力された連続する遊技数をRAM105に記録し、待機期間変更部WPbは、連続する3回以上の遊技においてウェイト期間内に開始操作が入力された場合に、その直後の10回の遊技においてウェイト期間を4.1秒に設定する。第4の実施形態の遊技機1は、比較的遅いペースで遊技を消化してウェイト期間内に開始操作を入力することが少ない遊技者に対しては、違和感を少なくしつつ消費電力を節約でき、早いペースで遊技を消化してウェイト期間内に開始操作の入力が多い遊技者に対しても、初期設定のウェイト期間が4.1秒よりも長いことによって生じる不満を少なくしつつ、消費電力を節約することができる。
なお、待機期間変更部WPbとしては、ウェイト期間内に開始操作が入力される連続する遊技数が多くなるに従って、段階的に4.1秒の待機期間に近づくように設定しても良い。また、第1の実施形態の場合と同様に、遊技継続期間導出部TGaや起点遊技情報生成部IG、最終遊技情報生成部EGを含み、待機期間変更部WPbが、遊技継続期間内の遊技における待機制御回数の頻度に基づいて、待機期間を短くするように変更しても良い。
なお本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。