JP5374334B2 - 硬化体 - Google Patents
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Description
このような耐熱性材料として、例えば特許文献1には、セメントと特定の多孔性骨材を含む耐熱ブロックが記載されている。
すなわち、本発明の硬化体は、下記の特徴を有するものである。
上記(C)が、平均粒子径0.2μm以上2μm以下の金属酸化物及び/または金属酸化物の前駆体(C−1)、並びに平均粒子径2μm超10μm以下の金属酸化物及び/または金属酸化物の前駆体(C−2)を含むことを特徴とする硬化体。
本発明における水硬性無機結合材(以下、単に「(A)成分」ともいう)としては、例えば、セメント、石膏、等が挙げられる。この中でも本発明では、セメントが好適に使用される。
セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメントのほか、アルミナセメント、超速硬セメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、ポルトランドセメントが好ましい。より具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントの少なくとも1種が好ましいものとして挙げられる。
本発明における軽量骨材(以下、単に「(B)成分」ともいう)とは、天然鉱物の発泡または膨張した物質である膨張パーライト、膨張頁石、膨張バーミキュライト(ヒル石)、軽石、シラスバルーン等の他、シリカゲルを発泡させたもの、各種スラグを造粒して発泡させたもの、粘土粉体を造粒して発泡させたもの等の人工軽量骨材等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。この中でも、特に膨張パーライト及び/または膨張バーミキュライトを含むことが好ましい。(B)成分は、かさ比重が0.05〜0.15であることが好ましい。このような範囲である場合、優れた断熱性を発揮することができる。また、(B)成分の平均粒径は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜10mm程度である。
本発明における金属酸化物及び/または金属酸化物の前駆体(以下、単に「(C)成分」ともいう)は、硬化体の耐熱性を向上させるものである。
金属酸化物としては、特に限定されないが、例えば、亜鉛、鉄、銅、錫、バリウム、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、インジウム等の酸化物、またそれらの複合酸化物等が挙げられる。本発明では特に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等が好ましい。
金属酸化物の前駆体としては、硬化体が高温に晒された際に、酸化反応等により上記の金属酸化物を生成するものであれば特に限定されず、例えば、亜鉛、鉄、銅、錫、バリウム、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、インジウム等の各種金属、またはそれら金属の水酸化物、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、塩化物塩、ホウ酸塩、または上記金属の複合化合物等が挙げられる。本発明では特に、上記金属の水酸化物、硫酸塩、ホウ酸塩等が好ましい。
本発明における繊維状物質(以下、単に「(D)成分」ともいう)は、融点1000℃以上のものであり、硬化体に優れた耐熱性、耐久性を付与するものである。
(D)成分としては、例えば、ロックウール、セラミック繊維等の人工鉱物繊維、珪酸塩鉱物等の天然鉱物繊維が挙げられ、これらは1種又は2種以上を混合して使用できる。本発明では特に、ザクロ石、カンラン石等のネソ珪酸塩;異極鉱、ローソン石等のソロ珪酸塩;緑柱石や電気石等のシクロ珪酸塩;輝石類、珪灰石、角閃石、ゾノトラ石等のイノ珪酸塩;雲母類、滑石、緑泥石類等のフィロ珪酸塩;長石類、沸石類等のテクト珪酸塩;等の珪酸塩鉱物が好ましく、中でも、輝石類、珪灰石、角閃石、ゾノトラ石等のイノ珪酸塩が好ましい。
また、硬化体組成物を乾燥させる際には、通常常温で行えばよい。
・ポルトランドセメント
・膨張パーライト:かさ比重0.07
・ヒル石:かさ比重0.12
・酸化チタン1:平均粒子径1μm
・酸化チタン2:平均粒子径0.3μm
・酸化チタン3:平均粒子径0.1μm
・水酸化アルミニウム1:平均粒子径6μm
・水酸化アルミニウム2:平均粒子径50μm
・珪灰石:平均繊維長300μm、融点1540℃、アスペクト比約30
・ガラス繊維:平均繊維長1200μm、融点(軟化点)約730〜950℃、アスペクト比約200
・パルプ繊維:平均繊維長2000μm、アスペクト比50
・メチルセルロース
・酢酸ビニル系エマルション
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを60重量部、ヒル石を60重量部、酸化チタン1を50重量部、水酸化アルミニウム1を650重量部、珪灰石を50重量部、酢酸ビニル系エマルションを25重量部、メチルセルロース5重量部、及び水を1000重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物1を作製した。
硬化体組成物1を100×100×5mmの型枠に充填し、23℃下で7日間乾燥後、脱型し硬化体1を得た。
得られた硬化体1において以下の耐熱性試験を行った結果、A判定であった。
硬化体1から高さ25mmの位置に600℃のヒーターを設置して、硬化体1を10分間加熱した後、試験体の裏面温度を測定した。試験結果を、表1に示す。評価基準は、以下の通りである。
A:裏面温度400℃未満
B:裏面温度400℃以上425℃未満
C:裏面温度425℃以上450℃未満
D:裏面温度450℃以上
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを60重量部、ヒル石を60重量部、酸化チタン1を50重量部、水酸化アルミニウム1を650重量部、珪灰石を25重量部、ガラス繊維を25重量部、酢酸ビニル系エマルションを25重量部、メチルセルロース5重量部、及び水を1000重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物2を作製した。
試験例1と同様にして硬化体2を作製した。得られた硬化体2において、試験例1と同様に耐熱性試験を実施した結果、A判定であった。
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを60重量部、ヒル石を60重量部、酸化チタン1を10重量部、水酸化アルミニウム1を700重量部、珪灰石を25重量部、ガラス繊維を15重量部、酢酸ビニル系エマルションを25重量部、メチルセルロース5重量部、及び水を1000重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物3を作製した。
試験例1と同様にして硬化体3を作製した。得られた硬化体3において、試験例1と同様に耐熱性試験を実施した結果、A判定であった。
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを60重量部、ヒル石を60重量部、酸化チタン1を350重量部、水酸化アルミニウム1を350重量部、珪灰石を10重量部、ガラス繊維を15重量部、酢酸ビニル系エマルションを50重量部、メチルセルロース5重量部、及び水を1000重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物4を作製した。
試験例1と同様にして硬化体4を作製した。得られた硬化体4において、試験例1と同様に耐熱性試験を実施した結果、A判定であった。
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを60重量部、ヒル石を60重量部、酸化チタン2を50重量部、水酸化アルミニウム1を650重量部、珪灰石を25重量部、ガラス繊維を25重量部、酢酸ビニル系エマルションを25重量部、メチルセルロース5重量部に適量の水を加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物5を作製した。
試験例1と同様にして硬化体5を作製した。得られた硬化体5において、試験例1と同様に耐熱性試験を実施した結果、B判定であった。
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを100重量部、ヒル石を100重量部、酸化チタン1を15重量部、水酸化アルミニウム1を150重量部、珪灰石を13重量部、ガラス繊維を8重量部、酢酸ビニル系エマルションを13重量部、メチルセルロース8重量部、及び水を500重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物6を作製した。
試験例1と同様にして硬化体6を作製した。得られた硬化体6において、試験例1と同様に耐熱性試験を実施した結果、C判定であった。
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを60重量部、ヒル石を60重量部、酸化チタン3を50重量部、水酸化アルミニウム1を650重量部、珪灰石を25重量部、ガラス繊維を25重量部、酢酸ビニル系エマルションを25重量部、メチルセルロース5重量部、及び水を1000重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物7を作製した。
試験例1と同様にして硬化体7を作製した。得られた硬化体7において、試験例1と同様に耐熱性試験を実施した結果、D判定であった。
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを100重量部、ヒル石を100重量部、酸化チタン3を15重量部、水酸化アルミニウム2を150重量部、珪灰石を12.5重量部、ガラス繊維を7.5重量部、酢酸ビニル系エマルションを12.5重量部、メチルセルロース2.5重量部、及び水を500重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物8を作製した。
試験例1と同様にして硬化体8を作製した。得られた硬化体7において、試験例1と同様に耐熱性試験を実施した結果、D判定であった。
ポルトランドセメント100重量部に対して、膨張パーライトを60重量部、ヒル石を60重量部、酸化チタン1を50重量部、水酸化アルミニウム1を650重量部、ガラス繊維を25重量部、パルプ繊維を25重量部、酢酸ビニル系エマルションを25重量部、メチルセルロース5重量部、及び水を1000重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の硬化体組成物8を作製した。
得られた硬化体8において、試験例1と同様に耐熱性試験を実施した結果、D判定であった。また、耐熱性試験後の硬化体は、亀裂が生じていた。
Claims (1)
- (A)水硬性無機結合材100重量部に対して、(B)軽量骨材10〜300重量部、(C)少なくとも2種以上の金属酸化物及び/または金属酸化物の前駆体100〜1200重量部、(D)融点1000℃以上の繊維状物質5〜100重量部、を構成成分とし、
上記(C)が、平均粒子径0.2μm以上2μm以下の金属酸化物及び/または金属酸化物の前駆体(C−1)、並びに平均粒子径2μm超10μm以下の金属酸化物及び/または金属酸化物の前駆体(C−2)を含むことを特徴とする硬化体。
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