JP5372475B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、圧縮機に戻すオイル量を調節して、圧縮機の効率を向上させることのできる空気調和装置を提供することにある。
上記構成によれば、圧縮機の回転数に応じて圧縮機に戻すオイル量を適正に調節できるので、圧縮機の効率を向上させることができる。
また、上記構成によれば、所定の圧縮機回転数において最も高い圧縮機効率に対応するオイル循環率になるように、圧縮機の回転数毎に圧縮機に戻すオイル量を適正に調節できるので、圧縮機の効率を向上させることができる。
上記構成によれば、所定の圧縮機回転数において圧縮機の動力効率及び体積効率の少なくともいずれかが最も高くなるオイル循環率になるように、圧縮機の回転数毎に圧縮機に戻すオイル量を適正に調節できるので、圧縮機の効率を向上させることができる。
上記構成によれば、圧縮機の温度及び圧力の少なくともいずれかに応じて、圧縮機に戻すオイル量をより適正に調節できるので、圧縮機の効率をより向上させることができる。
上記構成によれば、少量のオイルが圧縮機に常時戻されているので、電動弁の異常時においても、圧縮機を正常に駆動することができる。
上記構成によれば、エンジンの運転時に、圧縮機の回転数に応じて圧縮機に戻すオイル量を適正に調節できるので、圧縮機の効率を向上させることができる。
〔第一の実施の形態〕
図1は、本発明の第一の実施の形態に係るガスヒートポンプ(GHP)式空気調和装置における冷媒回路を示す回路図である。
空気調和装置10は、室外機11、複数台(例えば5台)の室内機12A〜12E、及び制御装置(弁開度制御手段)100を有し、室外機11の室外冷媒配管13と室内機12A〜12Eの各室内冷媒配管14A〜14Eとが連結されている。
さらに、室外冷媒配管13には、閉鎖弁25A、25Bが設けられている。室外冷媒配管13を流れる液冷媒をアキュムレータ16の手前に適宜供給するためのリキッド管26が設けられ、このリキッド管26にリキッド弁26Aが設けられている。これに加え、室外冷媒配管13には、圧力スイッチ81、高圧側の圧力センサ82、低圧側の圧力センサ83、及び温度センサ84が設けられている。圧力センサ83は、例えば圧縮機15の吸込側における冷媒の吸込圧力Pを検出するもので、温度センサ84は、例えば圧縮機15の吸込側における冷媒の吸込温度Tを検出するものである。
また、冷房運転時には、制御装置100は、室内膨張弁28A〜28Eのそれぞれの弁開度を空調負荷に応じて制御する。暖房運転時には、制御装置100は、室外膨張弁20及び室内膨張弁28A〜28Eのそれぞれの弁開度を空調負荷に応じて制御する。
燃料遮断弁33は、閉鎖型の燃料遮断弁機構を構成し、燃料遮断弁33が全閉または全開し、燃料ガスの漏れのない遮断と連通とを択一に実施する。
ゼロガバナ34は、燃料供給配管32内における当該ゼロガバナ34の前後の1次側燃料ガス圧力(一次圧a)と2次側燃料ガス圧力(二次圧b)とのうち、一次圧aの変動によっても二次圧bを一定の所定圧に調整して、ガスエンジン30の運転を安定化させる。
また、ガスエンジン30には、ガスエンジン30のエンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ85が設けられており、スロットル36は、ガスエンジン30の燃焼室へ供給される混合気の供給量を調整して、ガスエンジン30のエンジン回転数Neを制御する。
ガスエンジン30には、エンジンオイル供給装置39が接続されている。このエンジンオイル供給装置39は、オイル供給配管40にオイルレベルスイッチ41Aを内蔵した常時オイルパン41及びオイル供給ポンプ42が配設されたものであり、ガスエンジン30へエンジンオイルを適宜供給する。
また、冷却水配管44には、リザーブタンク50が配設されており、リザーブタンク50は、冷却水配管44内の冷却水が水漏れ等で減少すると、冷却水配管44の内圧が冷却水を重力により自動的に補充するように調整されている。
ここで、オイル循環率とは、圧縮機15の吸込冷媒に溶け込むオイル量と、このオイル量及び吸込冷媒中の冷媒量の合計量との比をいう。
なお、図2は、横軸にオイル循環率を示し、縦軸に両効率の変化率を示している。
圧縮機15には、所定の回転数において、圧縮機15の動力効率、体積効率が最大となる適正オイル循環率が存在する。図2に示す円M1は圧縮機15が低回転の時、円M2は圧縮機15が中回転の時、円M3は圧縮機15が高回転の時の適正オイル循環率を示している。動力効率の適正オイル循環率と、体積効率の適正オイル循環率とは近似しているため、図2では、両効率を1つの縦軸に示している。
適正オイル循環率と動力効率及び体積効率との関係は、円M1〜M3に示すように、圧縮機15の回転数に応じて変化しており、適正オイル循環率は、圧縮機15の回転数が高くなるほど低くなっている。
一方、圧縮機15でのオイル循環率が高くなるほど、圧縮機15で圧縮するオイル量が増えるので、圧縮機15の冷媒を圧縮する動力が増大し、その結果、圧縮機15の動力効率が低下する。また、圧縮機15の吸込側に戻される高温のオイル量が増加するので、圧縮機15に流入する冷媒が加熱されて冷媒の体積が膨張し、圧縮機15に流入する冷媒の密度が低下し、その結果、圧縮機15の体積効率が低下する。
本実施の形態では、図1に示すように、圧縮機15にオイルを戻すオイル戻し管23に電動弁23Aを設け、制御装置100によって電動弁23Aの弁開度を制御し、圧縮機15に戻すオイル量を調節することで、動力効率及び体積効率の少なくともいずれかが高くなるオイル循環率に調節している。
図3は、電動弁23Aの弁開度設定処理の手順を示すフローチャートである。以下の説明において、電動弁23Aの最大弁開度が480stepの場合を例に説明する。
制御装置100は、ガスエンジン30が運転(完爆)状態か否か判別する(ステップS1)。ガスエンジン30が完爆状態でない場合(ステップS1:No)、制御装置100は、弁開度H2を最大弁開度である480stepに設定し(ステップS2)、処理をステップS1に戻す。
Nc=Ne×P・・・(1)
このように、既存のエンジン回転数センサ85で検出したエンジン回転数Neに基づいて圧縮機回転数Ncを算出することにより、圧縮機15の回転数を検出するセンサ等を設ける必要がないので、部品点数を削減することができる。
所定の圧縮機回転数において最も高い圧縮機効率に対応するオイル循環率になる電動弁開度と圧縮機回転数との対応関係を示す情報は、予め実験等によって取得されており、制御装置100は、この情報に基づいて、算出した圧縮機回転数Ncに対応する初期弁開度Dを特定する。例えば、圧縮機回転数Ncが0〜1000rpmのとき、初期弁開度Dは、最大弁開度の480stepに設定され、圧縮機回転数Ncが1000rpm〜1200rpmのとき、初期弁開度Dは、390stepに設定される。そして、圧縮機回転数Ncが高くなるほど初期弁開度Dも小さく設定され、圧縮機回転数Ncが3400rpm〜3600rpmのとき、初期弁開度Dは10stepに設定される。
H1=D×T/T0・・・(2)
H2=H1×P/P0・・・(3)
次に、第二の実施の形態を説明する。
第一の実施の形態における空気調和装置10では、冷媒高圧側と冷媒低圧側との間にオイル戻し管23が設けられていたが、第二の実施の形態に係るガスヒートポンプ(GHP)式空気調和装置200では、オイル戻し管23に並行して常時オイル戻し管123が設けられている。
但し、空気調和装置200は、常時オイル戻し管123を備える以外は、第一の実施の形態で説明した空気調和装置10と略同様の構成を有するため、ここでは、空気調和装置10と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
常時オイル戻し管123は、オイル戻し管23に並行して、オイルセパレータ17と圧縮機15の吸込側との間に設けられており、オイルセパレータ17で取り除いたオイルを圧縮機15の吸込側に戻すためのものである。常時オイル戻し管123は、キャピラリーチューブ123Aを有しており、圧縮機15に戻すオイルに流路抵抗を掛けて、圧縮機15内の潤滑に必要な分のオイル量だけを圧縮機15に供給するように構成されている。
これにより、圧縮機15の吸込側には少量のオイルが常に供給されているので、例えば電動弁23Aが閉じて固着し、オイル戻し管123から圧縮機15にオイルが供給されないという異常時においても、圧縮機15内の摺動磨耗等を防止して、圧縮機15を正常に駆動することができる。
例えば、上記実施の形態では、本発明をガスヒートポンプ(GHP)式の空気調和装置10、200に適用する場合を説明したが、これに限らず、本発明を他の空気調和装置等に適用してもよい。
15 圧縮機
17 オイルセパレータ
23 オイル戻し管
23A 電動弁
30 ガスエンジン(エンジン)
100 制御装置(弁開度制御手段)
123 常時オイル戻し管
123A キャピラリーチューブ
200 空気調和装置
83 圧力センサ
84 温度センサ
85 エンジン回転数センサ
Claims (5)
- 圧縮機とオイルセパレータとを有し、このオイルセパレータで分離したオイルを前記圧縮機に戻すオイル戻し管を備えた空気調和装置において、
前記オイル戻し管に電動弁を設け、
前記電動弁の弁開度を制御する弁開度制御手段を備え、
前記圧縮機は、前記圧縮機の回転数に応じて変化する、当該圧縮機の効率が最大となる適正オイル循環率を有し、
前記適正オイル循環率と圧縮機の効率との関係から取得した、適正オイル循環率になる電動弁開度と圧縮機の回転数との対応関係を示す情報を備え、
前記弁開度制御手段は、前記圧縮機の回転数を取得し、前記情報に基づき、取得した圧縮機の回転数に対応する電動弁開度を特定し、この特定した電動弁開度となるように前記電動弁の弁開度を制御することを特徴とする空気調和装置。 - 前記圧縮機の効率が、動力効率及び体積効率の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記弁開度制御手段により制御される前記電動弁の弁開度が、前記圧縮機の温度及び圧力の少なくともいずれかによって補正されることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和装置。
- 前記オイル戻し管に並行して配置され、キャピラリーチューブを有し、前記オイルセパレータで分離したオイルを前記圧縮機に戻す常時オイル戻し管を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空気調和装置。
- 前記圧縮機がエンジンによって駆動され、
前記エンジンの運転時に、前記電動弁の弁開度を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の空気調和装置。
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