JP5372451B2 - ループ材供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルトループを構成するループ材を縫製物本体に縫い付けるミシンの縫製位置に、ループ材を供給するループ材供給装置に関する。
従来より、例えば、パンツやスカートの腰部、さらにはコートの腰部や袖部等の種々の縫製物本体にベルトを挿通するためのベルトループを形成するために、ベルトループを構成する長尺のループ材を縫製物本体に縫い付けるミシンが用いられているとともに、このミシンの縫製位置に長尺状のループ材を供給するループ材供給装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このようなループ材供給装置は、ループ材を保持する挟持手段を有し、挟持手段によってループ材の所定の部分を挟持しながら、ループ材の縫製箇所をミシンの縫製位置に配置させたり、ループ材の非縫製箇所を縫製位置から退避させるように挟持手段を移動するようになっている。
たとえば、直線状の線閂タイプの縫い形状によってループ材を縫製物本体に縫い付ける場合、前述のループ材供給装置は、ループ材の長手方向の一端部近傍を挟持した状態の挟持手段を、ループ材の一端部をミシンの縫製位置に位置するように移動する。そして、ミシンの押さえが下降しループ材の一端部が押さえられると、ループ材供給装置は、挟持手段を縫製位置から離間する方向に移動して、ループ材を挟持した状態で待機する。
この状態で、ミシンは、ループ材および縫製物本体の縫製部分がミシンの縫製位置に位置するように、線閂タイプの縫い形状に合わせてループ材の幅方向に布搬送手段によって縫製物を搬送する布送り動作を行いながら、縫い針を上下動させてループ材を縫製物本体に縫い付ける。またジグザグ状の千鳥閂タイプの縫い形状によってループ材を縫製物本体に縫い付ける場合には、ミシンは布搬送手段によって縫製物本体をループ材の長手方向にジグザグに横振りしながら搬送する布送り動作を行いつつ、ループ材を縫製物本体に縫い付けるようになっている。
そして、ミシンによる縫い付け動作が終了すると、ループ材供給装置は、ループ材における次の縫製箇所が縫製位置に位置するようにループ材を挟持する挟持手段を移動する。
特開2007−117770号公報
しかし、前述のような従来のループ材供給装置によれば、ループ材を縫製物本体にミシンにより縫い付ける際に、縫製物本体は布搬送手段により縫い形状に合わせて搬送されるが、ループ材を挟持した挟持手段を停止した状態で待機させている。そのため、縫い付け動作中のミシンの布送り動作によって、ループ材の縫製物本体に縫い付けられた部分は縫製物本体とともに移動する際、挟持手段により挟持された部分は挟持された位置に留まるので、両部分の間でループ材にねじれが生じてしまうことがあった。特に、幅寸法が長いループ材を縫製物本体に縫い付ける場合には、布送り動作による縫製物本体およびループ材の移動距離も長いため、縫製物本体に縫い付けられた部分に引っ張られたループ材は、挟持手段に挟持されている挟持位置がずれてしまうことがあった。そして、このような状態でループ材の縫い付け動作を続行した場合には、ミシンの縫製位置にループ材の所定の縫製部分を配置させることができず、この結果、意図したベルトループの形状にループ材を縫い付けることができなかったり、また、各ベルトループによって形状が不均一になってしまい、縫製不良が発生してしまうおそれがあるという問題を有していた。
また、上述のようなループ材にねじれが発生した状態で、ループ材供給装置によってループ材における次の縫製部分が針落ち点に位置するように挟持手段を移動してループ材の一端部をZ形状となるように折り曲げると、ループ材の上下を合わせて重ねることができず、一方がはみ出したいわゆるドッグイヤーが発生してしまうおそれがあるという問題があった。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ミシンの布送り動作時にループ材における縫製物本体に縫い付けられた部分と挟持手段に挟持された部分との間においてねじれが発生してしまうことを防止し、これにより、ミシンによって形状が均一で高品質にベルトループを縫い付けることが可能なループ材供給装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係るループ材供給装置の特徴は、ベルトループを構成するループ材を挟持する挟持手段と、前記ループ材の各縫製箇所を縫製物本体に対して供給するために前記挟持手段を移動する移動手段と、少なくとも前記移動手段の駆動を制御する制御手段とを備えたベルトループ縫い付けミシンのループ材供給装置において、前記制御手段は、前記ミシンによって前記ループ材を縫製物本体に縫い付ける際に、前記ミシンが前記縫製物本体を縫い形状に合わせて搬送する布送り動作に同期して、前記縫製物本体の搬送に前記挟持手段が倣って移動するように、前記移動手段の駆動を制御する点にある。
この請求項1に記載の発明によれば、制御手段は、挟持手段によってループ材が保持されている状態でミシンによる縫製が行われる際に、布送り動作に同期して縫製物本体の搬送動作に倣って挟持手段が移動するように、移動手段を駆動するように制御することができるので、ミシンによって縫製物本体の布送り動作が行われた際に、縫製物本体の移動に倣って挟持手段も移動する。これにより、ループ材における挟持手段に挟持された挟持部分と縫製物本体に縫い付けられた部分との間でねじれが発生してしまうことを確実に防止することができる。これにより、挟持手段におけるループ材の挟持位置にずれが発生してしまうことも防止することができる。
また、請求項2に記載の発明に係るループ材供給装置の特徴は、請求項1に記載のループ材供給装置において、前記移動手段は、前記挟持手段によって挟持された前記ループ材の長手方向に直交する幅方向と同一のX方向に、前記挟持手段を移動するX方向移動手段と、前記長手方向と同一のY方向に、前記挟持手段を移動するY方向移動手段とを備えた点にある。
この請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、布送り動作に同期して縫製物本体の搬送動作に倣って挟持手段が移動するように、X方向移動手段およびY方向移動手段を駆動するように制御することができるので、ミシンによって縫製物本体の布送り動作が行われた際に、縫製物本体の移動に倣って挟持手段も移動する。これにより、ループ材をその幅方向に直線状の線閂タイプの縫い形状によって縫製する場合だけでなく、ジグザグ状の千鳥タイプの縫い形状によって縫製する場合であっても、ループ材における挟持手段に保持された部分と縫製物本体に縫い付けられた部分との間でねじれが発生してしまうことを確実に防止することができる。これにより、挟持手段におけるループ材の挟持位置にずれが発生してしまうことも防止することができる。
以上述べたように、本発明に係るループ材供給装置によれば、ループ材における縫製物に縫い付けられた部分と挟持手段による挟持部分と押さえによる押さえ部分との間でねじれが発生し、挟持手段によるループ材の挟持位置がずれることを防止することができる。これにより、本発明に係るループ材供給装置がずれることは、意図したベルトループ形状にループ材を縫い付けることができ、いわゆるドッグイヤーの発生等を確実に防止することができ、このループ材供給装置によってループ材をミシンに供給することにより、ミシンによって形状が均一で高品質にベルトループを縫い付けることが可能となる。
以下、本発明に係るループ材供給装置の一実施形態を図1から図8を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るループ材供給装置およびこのループ材供給装置によって供給されるループ材を縫製物本体に縫い付けるミシンを示す斜視図であり、図2は、図1のループ材供給装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るループ材供給装置1は、ミシン2にベルトループを構成するループ材20を供給するためにループ材20を挟持する挟持手段3を有している。また、ミシン2は、縫製物本体21を移動するための布搬送手段30を有している。
図3に示すように、挟持手段3は、ループ材20の上面に当接する第1挟持部材5と、ループ材20の下面に当接する第2挟持部材6とを備え、第1挟持部材5および第2挟持部材6を近接させることによりループ材20を挟持するようになっている。
挟持手段3には、第1挟持部材5と第2挟持部材6とを相互に接離する方向に駆動する駆動手段としてエアシリンダ9が取り付けられている。エアシリンダ9のシリンダ本体9aは、第1挟持部材5に取り付けられており、エアシリンダ9のシリンダロッド9bの先端部は、第2挟持部材6の一端部が固着されたフレーム部材7の上面に取り付けられている。そして、ループ材供給装置1およびミシン2の各部の駆動を制御するCPUを備えた制御手段17は、シリンダロッド9bを駆動して、両挟持手段3、4を接離させることにより、ループ材20を挟持、開放するようになっている。
そして、フレーム部材7に連結された連結台8は、挟持手段3におけるミシン2に対向する側と反対側に配置された支持台15に支持されており、挟持手段3は、連結台8を介して支持台15に上下方向に移動可能に支持されている。
挟持手段3の側方には、挟持手段3に対して並列して配置された一対の支持部25aを備えるフォーク部材25が設けられており、両支持部25aは、自身の軸方向と直交する方向に並列配置されている。フォーク部材25の基部はフォーク取り付け台27に回転可能に支持されている。また、フォーク部材25は、フォーク取り付け台27を介してフォーク部材25を回転させるための回転駆動手段28aおよびフォーク部材25を挟持手段3と独立してX方向に往復動させるためのX方向駆動手段28bに連結されている。フォーク取り付け台27には、回転駆動手段28aおよびX方向駆動手段28bの側方において軸方向がX方向に伸びるガイド軸29が挿通されており、フォーク部材25は、ガイド軸29に案内されながらX方向に往復動するようになっている。
そして、フォーク取り付け台27を介してフォーク部材25に連結される回転駆動手段28aおよびX方向駆動手段28b、およびガイド軸29は、連結台8によって一体に支持されている。これにより、支持台15は、連結台8を介してフォーク部材25および挟持手段3を一体に支持するようになっている。
また、図4に示すように、ループ材供給装置1は、挟持手段3によって挟持された状態のループ材20の長手方向に直交する幅方向と同一のX方向に挟持手段3を移動するX方向移動手段11と、ミシン2の縫製位置に配置されたループ材20の長手方向と同一のY方向に挟持手段3を移動するY方向移動手段12と、挟持手段3を上下方向に移動するZ方向移動手段13とを有している。これにより、制御手段17は、各移動手段11、12、13の駆動によって、ループ材20を、ミシン2におけるの縫製位置に供給したり、ループ材20の非縫製部分を縫製位置から退避させるように挟持手段3を移動するようになっている。
Y方向移動手段12は、無端環状のY方向搬送ベルト12aを有しており、Y方向搬送ベルト12aは、Y方向に相互に所定の間隙をもって同一の高さ位置に配置された駆動プーリ12bおよび従動プーリ12cに掛け渡されている。駆動プーリ12bは、プーリ側ギア12dに固着されており、プーリ側ギア12dはY方向駆動モータ12eの図示しないモータ軸に固着されたモータ側ギア12gに噛合されている。そして、この駆動プーリ12bは、Y方向駆動モータ12eの駆動によって正逆両方向に回転するようになっており、これにより、Y方向搬送ベルト12aは、Y方向に沿って正逆両方向に回転するようになっている。
駆動プーリ12bは、Y方向駆動モータ12eが装着された第1支持台12hに軸支され、従動プーリ12cは、第2支持台12iに軸支されており、第1支持台12hおよび第2支持台12iはともにループ材供給装置1の基台16に固定されている。
Y方向移動手段12の上方には、X方向移動手段11がY方向搬送ベルト12aを跨ぐように設けられている。X方向移動手段11は、無端環状のX方向搬送ベルト11aを有しており、X方向搬送ベルト11aは、相互に所定の間隙をもって同一の高さ位置に配置された駆動プーリ11bおよび従動プーリ11cに掛け渡されている。駆動プーリ11bは、図示しないプーリ側ギアに固着されており、プーリ側ギアはX方向駆動モータ11dの図示しないモータ軸に固着されたモータ側ギアに噛合されている。そして、この駆動プーリ11bは、X方向駆動モータ11dの駆動によって正逆両方向に回転するようになっており、これにより、X方向搬送ベルト11aは、X方向に沿って正逆両方向に回転するようになっている。
駆動プーリ11bは、X方向駆動モータ11dが装着された第1支持台11eに軸支されており、また、従動プーリ11cは、第2支持台11fに軸支されている。第2支持台11fは、X方向搬送ベルト11aの側方に延設されて第1支持台11eに連結されており、X方向移動手段11の下方に設けられ、相互に所定の間隙をもってY方向に平行して配置された一対のガイドレール11gに装着されている。
また、第2支持台11fにおけるX方向搬送ベルト11aの側方に延設された部分の一部は、Y方向搬送ベルト12aの一部に固着されており、X方向移動手段11は、Y方向駆動モータ12eのY方向搬送ベルト12aの回転により、両ガイドレール11gに案内されながら、一体としてY方向に移動可能とされている。
さらに、X方向搬送ベルト11aには、挟持手段3およびフォーク部材25を支持する支持台15が連結部材19を介して固着されており、支持台15には、軸方向がX方向に配置され両端部が第1支持台11eおよび第2支持台11fにそれぞれ支持されたガイド棒11hが挿通されている。そして、支持台15は、X方向搬送ベルト11aの回転によって、ガイド棒11hに案内されながらX方向に往復移動するようになっている。これにより、制御手段17は、X方向駆動モータ11dを駆動し、X方向搬送ベルト11aを回転させることにより、X方向搬送ベルト11aに連結された挟持手段3およびフォーク部材25をX方向に移動するようになっている。また、制御手段17は、Y方向駆動モータ12eを駆動し、Y方向搬送ベルト12aを回転させることによりY方向搬送ベルト12aに連結されたX方向移動手段をY方向へ移動させ、挟持手段3およびフォーク部材25を、支持台15を介してY方向に移動するようになっている。
そして、制御手段17は、X方向移動手段11の駆動により、ループ材20をループ材20の供給源からミシン2の縫製位置に供給するように挟持手段3をミシン2に対して接離する方向に移動するようになっている。
また、制御手段17は、Y方向移動手段12の駆動により、ループ材20が縫製物本体21に縫い付けられて所定のベルトループ形状となるように、ベルトループ形状に応じてループ材20における所定の縫製部分をミシン2の縫製位置に供給する方向に、挟持手段3を移動するようになっている。
さらにまた、Z方向移動手段13は、Z方向駆動シリンダ(図示せず)を備えており、Z方向駆動シリンダにおける図示しないシリンダロッドの先端は、挟持手段3およびフォーク部材25を支持する支持台15に上下方向に移動可能に軸支された連結台8に連結されている。そして、制御手段17は、Z方向移動手段13のシリンダロッドの伸縮動作によって連結台8を上下方向に移動することにより、挟持手段3を上下方向に移動するようになっている。
さらに、制御手段17は、ループ材供給装置1の各動作のプログラム等を記憶する記憶手段18を備えている。
制御手段17は、記憶手段18に記憶されたプログラムに基づき、ループ材20における縫製部分をミシン2の縫製位置に供給するように各移動手段11、12、13を駆動して挟持手段3を移動するようになっている。
続いて、ミシン2によって図5に示すような一端部20aがZ字状に折曲され他端部20bがU字状に折曲されるようにループ材20を千鳥閂タイプの縫い形状によって縫製物本体21に縫い付ける場合について図6から図11を用いて説明する。なお、図7に示すフローチャート内において、工程(ST1)から(ST10)は挟持手段3およびフォーク部材25の動作を示し、工程(ST11)から(ST18)は布搬送手段30、押さえ23、ミシンの縫製動作を示す。また、(ST1)から(ST10)と(ST11)から(ST18)の横に並んだ工程は、同時に行われることを意味する。
まず、制御手段17は、X方向移動手段11を駆動することにより、図6(a)および図7に示すように、ループ材20の長手方向の一端部20aの近傍を挟持した状態の挟持手段3を、ループ材20の一端部20aがミシン2の縫製位置に位置するように移動する(ST1)。
続いて、ミシン2の押さえ23が下降して、押さえ23によってループ材20の一端部20aが押さえられると(ST11)、制御手段17は、図6(b)に示すように、Y方向移動手段12およびZ方向移動手段13の駆動し、挟持手段3を縫製位置から離間し、この間に、挟持手段3によるループ材20の挟持位置がループ材20の一端部20aから他端部20bの近傍に移動する(ST2)。
そして、ミシン2による千鳥閂タイプの縫い形状の縫製が開始されると、ミシン2は、縫い針を上下動するとともに、図8に示すように、縫製物本体21を搬送するための布搬送手段30としての縫製物本体21が載置された載置台31を、縫製を開始する基準位置から縫い形状に合わせて移動する(図8に示す矢印D)ことによって、縫製物本体21を搬送する(ST12)。これにより、ミシン2はループ材20の一端部20aを千鳥閂タイプの縫い形状によって縫製物本体21に縫い付けた後、載置台31および押さえ23を基準位置に戻すように移動する。
このとき、制御手段17は、布搬送手段30の布送り動作に同期して縫製物本体21の搬送動作に挟持手段3が倣って移動するように、X方向移動手段11のX方向駆動モータ11dを駆動してX方向搬送ベルト11aを回転させると同時に、Y方向移動手段12のY方向駆動モータ12eを駆動してY方向搬送ベルト12aを回転させる制御を行う。これにより、制御手段17は、挟持手段3を支持する支持台15を、Y方向およびX方向に移動することにより、挟持手段3を布搬送手段30に倣って千鳥閂タイプの縫い形状であるジグザグ状(図8に示す矢印E)に移動する(ST3)。その後、制御手段17は、挟持手段3を、載置台31および押さえ23の基準位置への移動と同様に基準位置に移動する。
次に、ミシン2によるループ材20の一端部20aの縫い付け(第1の縫製)が終了すると、ミシン2は、押さえ23を上昇した後、ループ材20の一端部20aよりも少しループ材20の長手方向における中央側である一端部20aの近傍がミシン2の縫製位置に位置するように、ループ材20が縫い付けられた縫製物本体21を載置台31によって搬送する(ST13)。このとき、ループ材供給装置1の制御手段17は、図6(c)に示すように、Y方向移動手段11を駆動して、ループ材供給装置1は他端部20bを挟持した挟持手段3を右方向(図6(C)に示す矢印Bの方向)に、第1の縫製による縫い目(第1の縫い目)を越えて移動させる(図6(c))。これにより、ループ材20は、第1の縫い目を覆うようにU字状に折り返される。(ST4)。
さらに、図6(d)に示すように、ミシン2の押さえ23が下降して、押さえ23によってループ材20が押さえられると(ST14)、制御手段17は、ミシン2の載置台31上に挟持手段3を下降し、ループ材20を縫製物本体21に重ねる(ST5)。そして、再度、ミシン2が縫い針を上下動するとともに、載置台31、押さえ23を縫製する縫い形状に合わせて移動することにより(図8に示す矢印D)、縫製物本体21を搬送すると(ST15)、制御手段17は、前述と同様に、X方向移動手段11およびY方向移動手段12の駆動を制御することにより、載置台31、押さえ23の布送り動作に同期して縫製物本体21の搬送動作に倣って挟持手段3を移動する(図8に示す矢印E)(ST6)。そして、ミシン2はループ材20を縫製物本体21に縫い付けた後(第2の縫製)、載置台31および押さえ23を基準位置に戻すように移動する。これとともに、制御手段17は、挟持手段3を基準位置に移動する。
続いて、第2の縫製が終了すると、ミシン2は、押さえ23を上昇し、ループ材20の他端部20bの近傍が縫製位置に位置するようにループ材20が縫い付けられた縫製物本体21を載置台31によって搬送する(ST16)。このとき、ループ材供給装置1の制御手段17は、Y方向移動手段11およびZ方向移動手段13の駆動を制御して、図6(e)に示すように、挟持手段3を再び一端部20aの左上の方向(図6(e)に示す矢印C方向)へ移動する。このとき、ループ材20は、第2の縫い目を覆うように折り返され、一端部20aはZ字状に折曲される(ST7)。これと同時に、挟持手段3によるループ材20の挟持位置がループ材20の他端部20bに移動する。
そして、制御手段17は、図6(f)に示すように、X方向駆動手段28bの駆動によってフォーク部材25の両支持部25aがループ材20を上下に挟むように位置するようにX方向に移動した後、回転駆動手段28aの駆動によってフォーク部材25を図6(g)に示すようにループ材20の他端部20bがU字状に折曲されるように回転する(ST8)。このときに、挟持手段3によるループ材20の他端部20bの挟持が外れる。
そして、制御手段17は、図6(h)に示すように、X方向駆動手段28bを駆動してフォーク部材25をループ材20から抜き取る(ST9)。続いて、ミシン2は押さえ23を下降してループ材20の他端部20bを押さえていた後(ST17)、載置台31を縫製する縫い形状に合わせて移動するとともに押さえ23を移動することにより縫製物本体21を搬送しながら縫製物本体21にループ材20を縫い付ける縫製をおこなう(第3の縫製)(ST18)。この縫製動作中、制御手段17は、次のループ材20の供給動作に備えるため、X方向移動手段11およびY方向移動手段12の駆動によって次のループ材20を挟持する位置に挟持手段3を移動する(ST10)。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば、ループ材供給装置1の制御手段17は、挟持手段3によってループ材20が挟持されている状態でミシン2による縫製が行われる際に、載置台31の布送り動作に同期して縫製物本体21の搬送動作に挟持手段3が倣って移動するように、X方向移動手段11およびY方向移動手段12を駆動するように制御する。これにより、ミシン2によって縫製物本体21の布送り動作が行われた際に、縫製物本体21の移動に倣って挟持手段3も移動するので、ループ材20における挟持手段3に挟持された挟持部分と縫製物本体21に縫い付けられた部分との間でねじれが発生してしまうことを確実に防止することができる。これにより、挟持手段3におけるループ材20の挟持位置にずれが発生してしまうことも防止することができる。
したがって、ループ材供給装置1は、ループ材20における挟持手段3による挟持部分と縫製物本体21に縫い付けられた部分との間でねじれが発生したり、挟持手段3によるループ材20の挟持位置のずれを防止することにより、意図したベルトループ形状にループ材20を縫い付けることができ、いわゆるドッグイヤーの発生等を確実に防止することができる。これにより、ループ材供給装置1によってループ材20をミシン2に供給することによって、ミシン2により形状が均一で高品質にベルトループを縫い付けることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
たとえば、本実施形態においては、ループ材20を千鳥閂タイプの縫い形状によって縫製物本体21に縫い付ける場合を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば、図9に示すような線閂タイプの縫い形状や種々の縫い形状によって縫製物本体21に縫い付ける場合に適用することができる。ここで、直線状の線閂タイプの縫い形状によってループ材20を縫製物本体21に縫い付ける場合には、図10に示すように、制御手段17は、布送り動作に同期して縫製物本体21のX方向に直線状の搬送動作(図10に示す矢印F)と同様に挟持手段3を移動するように(図10に示す矢印G)、X方向移動手段11の駆動を制御すればよい。
本発明に係るループ材供給装置およびこのループ材供給装置によって供給されるループ材を縫製物本体に縫い付けるミシンの一実施形態を示す斜視図 図1に示すループ材供給装置の構成を示すブロック図 図1のループ材供給装置における挟持手段を示す側面図 図1のループ材供給装置を示す拡大斜視図 図1のループ材供給装置によって供給されたループ材によって縫い付けられたベルトループの一例を示す斜視図 (a)〜(h)は、図1のループ材供給装置におけるループ材の各供給工程を示す概略側面図 図1のループ材供給装置によってループ材を供給しながらミシンによってループ材を縫製物本体に縫い付ける工程を示すフローチャート 図1のループ材供給装置およびミシンの要部を示す斜視図 図1のループ材供給装置によって供給されたループ材によって縫い付けられたベルトループの他の例を示す斜視図 本発明に係るループ材供給装置およびミシンの要部の他の実施形態を示す斜視図
符号の説明
1 ループ材供給装置
2 ミシン
3 挟持手段
7 フレーム部材
11 X方向移動手段
11aX方向搬送ベルト
11d X方向駆動モータ
12 Y方向移動手段
12a Y方向搬送ベルト
12e Y方向駆動モータ
13 Z方向移動手段
17 制御手段
18 記憶手段
20 ループ材
21 縫製物本体
23 押さえ
25 フォーク部材

Claims (2)

  1. ベルトループを構成するループ材を挟持する挟持手段と、
    前記ループ材の各縫製箇所を縫製物本体に対して供給するために前記挟持手段を移動する移動手段と、
    少なくとも前記移動手段の駆動を制御する制御手段とを備えたベルトループ縫い付けミシンのループ材供給装置において、
    前記制御手段は、前記ミシンによって前記ループ材を縫製物本体に縫い付ける際に、前記ミシンが前記縫製物本体を縫い形状に合わせて搬送する布送り動作に同期して、前記縫製物本体の搬送に前記挟持手段が倣って移動するように、前記移動手段の駆動を制御することを特徴とするループ材供給装置。
  2. 前記移動手段は、前記挟持手段によって挟持された前記ループ材の長手方向に直交する幅方向と同一のX方向に、前記挟持手段を移動するX方向移動手段と、
    前記長手方向と同一のY方向に、前記挟持手段を移動するY方向移動手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のループ材供給装置。
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