以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る記録媒体搬送装置を備えた装置本体としての画像形成装置(複写機)の構成を示す側面断面図である。図2は、両面印刷用ユニットの構成を示す概略断面図である。図3は、反転ユニットに配設された一対の反転ローラの近傍の概略断面図である。
図1に示すように、画像形成装置1の筐体2の下部には記録媒体供給部としての給紙部3が配置されている。この給紙部3には、印刷に用いる記録媒体の一例としての用紙Pが積み重ねられた状態で収容されている。印刷時には、給紙部3から用紙Pが1枚ずつ分離されて後述の記録媒体搬送部としての用紙搬送路6へ送り出される。なお、給紙部3には、第1給紙カセット4a(記録媒体収容部)、第2給紙カセット4b及び第3給紙カセット4cが上から順に備えられている。また、記録媒体としては上述の用紙のほか、葉書、封筒、OHPシート、布、樹脂版、金属板、電子部品としての基板等が挙げられる。
これらの第1〜第3給紙カセット4a〜4cは、用紙の補給作業を容易にするためにそれぞれ独立して筐体2に対して、図1の紙面とは垂直な方向の手前側に引出し可能である。また、図1において筐体2の右側面の上部には手差し給紙部5が備えられている。第1〜第3給紙カセット4a〜4cに収容されている用紙Pとはサイズや厚さ等が異なる用紙に画像を形成する場合や、OHPシートのように屈曲した搬送経路を通過できない用紙に画像を形成する場合に、手差し給紙部5が使用される。
そして、筐体2内には、上記給紙部3又は手差し給紙部5から供給された用紙Pを後述する転写部11へ搬送する用紙搬送部6が設けられている。この用紙搬送部6の用紙搬送方向下流側であって、転写部11のすぐ上流側には、一対のレジストローラ7が配設されている。一対のレジストローラ7は、レジストローラの回転軸方向と用紙Pの搬送方向とが垂直になるように用紙Pの姿勢を矯正した後、用紙Pの搬送を一旦停止させる。次に、後述する画像形成部10におけるトナー像の形成と同期をとって、一対のレジストローラ7は転写部11に向けて用紙Pを送り出す。
また、筐体2の上方には画像形成装置1の一要素である原稿読取部8が配置されている。原稿読取部8には、主に原稿積載部8a、画像読取部8bと原稿排出部8cが設けられている。原稿積載部8aには、文字、図形、模様等の画像が描かれた複写対象の原稿を積載する。原稿の複写を行う場合には、原稿積載部8aに積載された原稿が1枚ずつ分離されて画像読取部8bの内部へ搬送される。原稿は画像読取部8b内を搬送されながら、図示しない画像読取センサで原稿の画像データが読み取られる。画像データが読取られた原稿は画像読取部8bから原稿排出部8cに排出される。
一対のレジストローラ7の用紙搬送方向下流側に画像形成部10及び転写部11が設けられている。また、画像形成部10の上方の筐体2の上部には、露光部9が配置されている。画像形成部10には主に感光体10a、帯電部10b、現像部10c、クリーニング部10dが配置されている。画像形成時には感光体10aが回転し、感光体10aの表面が帯電部10bによって一様に帯電される。そして、原稿読取部8によって読取られた原稿の画像データに対応したレーザ光が露光部9から感光体10aの表面に照射されることによって、感光体10aの表面に静電潜像が形成される。感光体10aの表面に形成された静電潜像は現像部10cから供給されたトナーによって現像される。そして、転写部11において、この感光体10aの表面に形成されたトナー像が前記一対のレジストローラ7によってトナー像の形成と同期をとって送られてきた用紙Pへ転写される。
転写部11の用紙搬送方向下流側には定着部12が備えられている。転写部11においてトナー像が転写された用紙Pは定着部12へ搬送される。定着部12に備えられた加熱ローラ12a及び加圧ローラ12bにより搬送されつつ加熱及び加圧されることによって、定着部12へ搬送された用紙Pにはトナー像が溶融定着される。そして、定着部12の下流側には、排出・分岐部13が備えられている。両面印刷を行わない場合には、定着部12から排出された用紙Pは排出・分岐部13から筐体2の左側面に設けられた記録媒体排出部としての用紙受けトレイ14に排出される。
更に、画像形成部10から排出・分岐部13にかけての部分の下方であり且つ給紙部3の上方には、両面印刷用ユニット20が配設されている。この両面印刷用ユニット20には、図2に示すように、両面印刷用ユニット20に搬送された用紙を前記用紙搬送部6へと搬送するための反転搬送路(記録媒体搬送部)21、反転される用紙が一時収容される中間トレイ22及び用紙の搬送方向を反転させる一対の反転ローラ60等から構成される反転ユニット30が備えられている。
反転ユニット30は、図3に示すように、用紙Pを中間トレイ22へと搬入するための用紙搬送路である進入搬送路31及び用紙Pを中間トレイ22から排出するための用紙搬送路である排出搬送路32等を備えている。
進入搬送路31は、排出・分岐部13(図1参照)から両面印刷用ユニット20へ用紙Pを案内するために設けられている。進入搬送路31には、上側ガイド31a、下側ガイド31b及び一対の搬送ローラ34が備えられている。排出・分岐部13から両面印刷用ユニット20に向かう用紙Pは、上側ガイド31aと下側ガイド31bとの間の用紙搬送空間を通り、一対の搬送ローラ34によって一対の反転ローラ60へと搬送される。
排出搬送路32は、進入搬送路31における搬送ローラ34の下流側で進入搬送路31から分岐して、図3において左方に延びている。そして、排出搬送路32は、図2に示すように下方に延び、その下流端部には前述した反転搬送路21が連設されている。この排出搬送路32は、下側ガイド32a、上側ガイド32b等の複数のガイド部材と一対の搬送ローラ35とを備えている。また、反転搬送路21には、用紙を搬送する搬送ユニット(記録媒体搬送装置)40が配設されている。搬送ユニット40には、第1搬送ローラ43a及びその従動ローラ43bと、第2搬送ローラ(搬送ローラ)44a及びその従動ローラ44b等が設けられている。搬送ユニット40の詳細は後述する。
一対の反転ローラ60は、進入搬送路31から排出搬送路32が分岐する分岐箇所の用紙搬送方向下流側(図3において右側)に設けられている。一対の反転ローラ60のさらに下流側には、一方の面が印刷された用紙Pを一旦収容する一時収容部である前述した中間トレイ22が備えられている(図2参照)。そして、一対の反転ローラ60は、用紙Pを中間トレイ22に一旦収容した後、その回転方向を逆転させることで用紙の搬送方向を切り替える。つまり、用紙の搬送方向が一対の反転ローラ60によって逆転させる。
一対の反転ローラ60は、反転ローラ61と従動ローラ62とによって構成されている。従動ローラ62が反転ローラ61を下方から圧接することにより、用紙Pが挿通されるニップ部が従動ローラ62と反転ローラ61との間に形成される。反転ローラ61は、図示しないモータにより回転する。図3において時計方向と反時計方向とに反転ローラ61の回転方向を切り替えることにより用紙Pの搬送方向を切り替える。
そして、両面印刷を行う場合には、定着部12から排出された用紙Pが排出・分岐部13を通って両面印刷用ユニット20へ搬送される。両面印刷用ユニット20へ送られた用紙Pは、両面印刷用ユニット20に備えられた反転ユニット30によって一旦中間トレイ22へと搬送される。次に、用紙Pはその搬送方向が反転され反転経路21を経て再度用紙搬送部6に搬送される。そして、用紙Pは一対のレジストローラ7によって転写部11へ搬送される。
また、反転ユニット30においては、中間トレイ22への用紙Pの搬入と搬送方向を反転した用紙Pの中間トレイ22からの排出を同時に行う場合等には、従動ローラ62の反転ローラ61への圧接を解除する必要がある。かかる場合には、反転ユニット30に備えられた一対の反転ローラ60には、反転ローラ61に対して従動ローラ62を離接させる離接機構(図示せず)を設けることもできる。
図4は、本実施形態の搬送ユニット及び給紙カセットの周辺を示す部分斜視図であって、取手(後述の取手45)が開いた状態を示す図である。図5は、図4に示した給紙カセットを斜め後方から見た斜視図である。図6は、画像形成装置の筐体のフレーム構造体のみを示す斜視図である。図7は、図6のフレーム構造体から搬送ユニット及び給紙カセットを引き出した状態を示す斜視図である。図4〜図7において、図1〜図3と共通する部材には共通する符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、搬送ユニット40は、第1給紙カセット4aの内部上方に装着され、図4に矢印で示したX方向(用紙搬送方向)に用紙を搬送する。また、搬送ユニット40は、X方向と垂直方向であるY方向に筐体2に対して離脱し、Y方向と反対方向に筐体2に対して装着可能である。ここで、Y方向は、用紙の搬送方向と垂直な方向である。搬送ユニット40の離脱側(Y方向下流側)端部には、搬送ユニット40を取り出すための取手(取手部材)45及び手動でジャム処理するためのツマミ(ツマミ部材)46が設けられている。
一方、第1給紙カセット4aもY方向に筐体2に対して離脱し、Y方向と反対方向に筐体2に対して装着可能である。詳しくは、第1給紙カセット4aを筐体2に対して引き出した後、搬送ユニット40を筐体2に対して引き出し及び装着する。すなわち、搬送ユニット40を筐体2に装着した後に、第1給紙カセット4aを筐体2に装着する。また、図5に示すように、第1給紙カセット4aの離脱側の端部4aaには、搬送ユニット40に設けられたツマミ46を押圧するための押圧部55が設けられている。
この押圧部55は、第1給紙カセット4aの離脱側の端部4aaの内側に突出して設けられている。また、押圧部55は第1給紙カセット4aを筐体2に装着したときにツマミ46を押圧可能な位置に設けられ、またツマミ46を押圧可能な大きさを有している。具体的には、押圧部55はほぼ2cm角で高さが約1cmの硬質ゴムで構成されている。しかし、押圧部55の材質や形状は、かかる構成に特に限定されない。また、第1給紙カセット4aには、一対のレール部材56が設けられている。
図4に示すように、搬送ユニット40は、主としてユニット本体(本体部)41とその上面を覆う開閉カバー42とで構成されている。ユニット本体41には、主に、第1搬送ローラ43a、第2搬送ローラ44a、取手45及びツマミ46が設けられている。開閉カバー42には、第1搬送ローラ43a、第2搬送ローラ44aにそれぞれ対向する従動ローラ43b、44bが設けられている。
ユニット本体41には、用紙搬送方向上流側から順に第1搬送ローラ43a及び第2搬送ローラ44aが配置されている。第1搬送ローラ43a及び第2搬送ローラ44aは装置(画像形成装置1、図1参照)本体に設けられた駆動モータ(図示せず)と連結され、該駆動モータが回転することによって回転する。また、後述する図7に示すように、ユニット本体40には、一対のレール部材57が設けられている。
図6に示すように、筐体2のフレーム構造体2aには第1給紙カセット4aを筐体2に対して装着または離脱可能に支持するための一対のガイドレール58と、搬送ユニット40を筐体2に対して装着または離脱可能に支持するための一対のガイドレール59が設けられている。
図7に示すように、一対のガイドレール58には、第1給紙カセット4aに設けられた一対のレール部材56(図5参照)が係合する。また、一対のガイドレール58に対して一対のレール部材56がスライド移動することができる。このことによって、第1給紙カセット4aは、図7に示すように筐体2に対して引き出されたり、引き出した第1給紙カセット4aを筐体2に対して装着することができる。
一対のガイドレール59には、図7に示すように、搬送ユニット40に設けられた一対のレール部材57が係合する。また、一対のガイドレール59に対して一対のレール部材57がスライド移動することができる。このことによって、搬送ユニット40は、図7に示すように筐体2に対して引き出されたり、引き出した搬送ユニット40を筐体2に対して装着することができる。
図8は、図4の取手及び後述のツマミの周辺を示す部分斜視図である。図9は、取手を搬送ユニットから取り出して示した図であって、図9(a)は取手を上側から見た図であり、図9(b)は取手を裏側から見た図である。図10は、図8の取手及びツマミ周辺を裏側から見た図である。なお、図10ではツマミ46が収納側及び離脱側に移動する状態を併せて示したが(図10の実線矢印)、ツマミ46の移動動作の詳細は、図11〜図13に示す。
図11は、図8の取手及びツマミ周辺を搬送ユニットの裏側から見た、ツマミが突出した状態を示す図である。図12は、図8の取手及びツマミ周辺を搬送ユニットの裏側から見た、ツマミが途中まで収納された状態を示す図である。図13は、図8の取手及びツマミ周辺を搬送ユニットの裏側から見た、ツマミが収納された状態を示す図である。図14は、ツマミを搬送ローラの軸に組み付ける工程を説明するための分解図であって、図14(a)は分解斜視図であり、図14(b)は取手移動部材のAA’矢視断面図である。
図15は、取手が開いた状態を示す模式図であって、図15(a)は、図10及び図11のAA’矢視断面図であり、図15(b)は、図15(a)を上側から見た平面図である。図16は、取手が収納された状態を示す模式図であって、図16(a)は、図10及び図11のAA’矢視断面図であり、図16(b)は、図16(a)を上側から見た平面図である。図17は、本実施形態の搬送ユニット周辺を示す図であり、取手が収納された状態を示す部分斜視図である。図8〜図17において、図1〜図7と共通する部材には共通する符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、取手45は、ユニット本体41の離脱側の外壁面にピン51によって回転可能に支持されている。ピン51は、取手45の回転軸として機能しており、その他例えば、ピン51に代えてビス等を用いることもできる。
取手45を搬送ユニット40から取り出して示した図である図9に示すように、取手45は、用紙搬送方向に垂直な方向の断面が略コの字状の板状部材で構成された背面板45aと、背面板45aの用紙搬送方向両端の開口を塞ぐための平坦な板状部材で構成された両側板45bとで構成されている。背面板45aと一対の側板45bとにより開口部45cが形成されている。
後述する図17に示すように取手が搬送ユニット40に収納された状態(開口部45cがユニット本体41の前側板65に対面している状態)からピン51を中心に取手45が下方に回転(移動)すると開口部45cが上方に開口し(図8参照)、図8の状態から取手45が上方に回転すると、開口部45cが前側板65と対向する(図17参照)ようになっている。
また、図9に示すように、取手45には、ピン51を挿入するための開口52が設けられている。取手45には図10〜図13に示すように、図9において右側の側板45b側の背面板45aの端部には、ツマミ46側に突出する当接部45dが設けられている。当接部45dは、取手45が下方に移動して略水平になった状態(開いた状態、第2の位置)から後述する第1の位置に取手45が移動する過程において、常に後述する取手移動部材47が当接する。
また、後述する図16(a)に示すように、取手45が上方に移動して起立したとき(閉じた状態)、取手45の当接部45dの下面はユニット本体41に設けられた取手移動規制部53と当接して取手45の移動が規制される。なお、図15(a)及び図16(a)に示すように、取手可動規制部53の上面、つまり取手45の当接部45dと当接する面は、当接部45dを保持すやすいように傾斜面となっている。取手45が起立したとき、当接部45dの上面には後述の取手移動部材47が当接している(図16(a)参照)。そして、取手45はユニット本体41に収納されるようになっている(第1の位置)。
これにより、取手45は、略水平となる開いた位置(図8参照)から起立した閉じた位置(図17参照)まで開閉(移動)することができる。また、取手45は背面板45aに重心が位置するため、負荷が無ければ自重によって下方にピン51の周りを回転して開くようになっている。つまり、作業者が取手45を掴んで、搬送ユニット40を筐体2から引き出すことが可能となる。
また、図10〜図13に示すように、図面において取手45のX方向下流側にはツマミ46が設けられている。ツマミ46は円柱状であり、図10を詳しく示す図11〜図13に示すように、ツマミ46の内側端面にツマミ46より小径の円筒状の支持部46aが設けられている。支持部46aは、第2搬送ローラ44aの回転軸44aaに引き出し方向(Y方向)に沿って移動可能に嵌め込まれて連結されると共に、ツマミ46を回転させると回転軸44aaも回転するようになっており、ツマミ46を手動で回転させてジャム処理等を行うことができる。
ツマミ46の支持部46aに隣接して可動部材としての板状部材で構成された取手移動部材47が設けられている。取手移動部材47はツマミ46の支持部46aが当接する位置で、第2搬送ローラ44aの回転軸44aaに嵌め込まれている。また、取手移動部材47の上部の収納側(Y方向上流側)面には傾斜部47a(図14参照)が設けられているので、取手45の当接部45dを押圧し易くなっている。
ここで、図14(a)を参照して、ツマミ46と取手移動部材47を第2搬送ローラ44aの回転軸44aaへの組み付け方法を説明する。回転軸44aaのツマミ46を取り付ける先端部にはDカット部44abが設けられている。まず回転軸44aaをDカット部44abから図11〜図13に図示されている後述のツマミ戻しバネ50に挿入する。
次に取手移動部材47に設けられた支持部47bに設けられた円筒状の貫通孔47cに回転軸44aaを挿入して、回転軸44aaに取手移動部材47を取り付ける。さらにツマミ46の支持部46aに設けられた貫通孔46bに回転軸44aaを挿入して、回転軸44aaにツマミ46を取り付ける。
ここで、貫通孔46bの内径は、回転軸44aaに沿って取手移動部材47ががたつかずにスムーズに移動できる程度の大きさとなっている。また、貫通孔46bの形状は回転軸44aaのDカット部44abと相似のDカット形状である。さらに、貫通孔46bの内径も、回転軸44aaに沿ってツマミ46ががたつかずにスムーズに移動できる程度の大きさとなっている。
ここで、回転軸44aaのDカット部44abの先端には不図示のネジ穴が設けられている。また、ツマミ46の支持部46aのツマミ46側にはネジの軸が通る開口が設けられた不図示の閉鎖部が設けられている。ネジとしてDカット部44abの先端に設けられたネジ孔にネジの軸の長さの半分が挿入できるネジを用いる。つまり、ネジの全長の半分の長さがDカット部44ab先端から突出しており、かかるネジの突出部分に相当するネジの半分の長さだけツマミ46が移動可能なようになっている。
なお、ネジは図14に示した一点鎖線Vに沿って回転軸44aaのDカット部44abに挿入される。なお、ツマミ46が図14においてネジを挿入するのと逆方向に移動した場合には、ネジの頭部に支持部46aの閉鎖部が当接するので、ツマミ46の移動が規制され、ツマミ46が回転軸44aaから脱落することはない。
次に、図16に示すように、ツマミ46がユニット本体41に収納される収納側に移動すると、つまり、Y方向と反対方向にツマミ46が移動すると、取手移動部材47がユニット本体41に突設された第1移動規制部48と当接することにより、ツマミ46の収納側への移動が規制される。一方、ツマミ46がユニット41から引き出される引き出し側(Y方向)に移動すると、取手移動部材47がユニット本体41に突設された第2移動規制部49と当接することにより、ツマミ46の引き出し側への移動が規制されるようになっている。
このように、ツマミ46は、第1移動規制部48から第2移動規制部49の間の距離を移動することができる。また、取手移動部材47は、取手移動部材47が第2移動規制部49に当接したときには、取手45の当接部45dよりも引き出し側(Y方向側)に位置する(図15(b)参照)。取手移動部材47が第1移動規制部48に当接したときには取手45の当接部45dを収納側に押圧できる(図16(b)参照)。
また、取手移動部材47は、第2搬送ローラ44aの回転軸44aaの周囲に巻かれた付勢部材としてのコイルバネで構成されたツマミ戻しバネ50によって搬送ユニット40の引き出し側(図15及び16の実線矢印方向)に付勢されている。ツマミ戻しバネ50は回転軸44aaの周囲に巻かれた状態で取手移動部材47とユニット本体41に設けられたバネ保持壁64との間に挿入されている(図11〜図13参照)。
そして、第1給紙カセット4aが筐体2に装着されていない状態では、図15に示すようにツマミ46は押圧部55(図5、図16参照)に押圧されていないので、取手移動部材47はツマミ戻しバネ50に付勢されて第2移動規制部49に当接するまで移動する(図15の白抜き矢印)。取手移動部材47の移動に伴って、ツマミ46も移動し、ツマミ46はユニット本体41から搬送ユニット40の引き出し側に突出する(図8参照)。これにより、作業者が容易にツマミ46を手動で回転できるので、容易にジャム処理等を行うことができる。
取手45がユニット本体41に収納されている第1の位置に位置している状態で、第1給紙カセット4aが筐体2から引き抜かれて、ツマミ46に対する押圧部55の押圧が解除されると、取手移動部材47はツマミ戻しバネ50に付勢されることで、取手移動部材47は第2移動規制部49に当接するまで移動する。このとき、取手46の当接部45dに対する取手移動部材47による押圧が一旦解除されるので、取手46は重力の作用によってビス51の周りを回転する。
そして、再び第2移動規制部49に当接して停止した取手移動部材47に取手46の当接部45dが当接する。詳述すると、取手移動部材47の第2移動規制部49と当接している面と反対側の取手移動部材47の面に取手46の当接部45dが当接する(図15(b)参照)。これにより、ユーザ等の作業者が取手45を容易に把持することができるため、搬送ユニット40を容易に筐体2から引き出すことができ、ツマミ46の手動回転だけでは処理が不可能なジャム処理等を行うことができる。
一方、搬送ユニット40を装置筐体2の内部に装着した後、第1給紙カセット4aを筐体2に装着すると、図16に示すように、ツマミ46は、第1給紙カセット4aの移動に伴った押圧部55の移動(一点鎖線矢印)により収納側(図16の右側)に押圧される。そして、取手移動部材47が第1移動規制部48と当接するまでツマミ戻しバネ50の付勢力(実線矢印)に抗してツマミ46は収納側に移動する(図16の白抜き矢印)。これにより、図17に示すようにツマミ46はユニット本体41に収納される。
上記のようなツマミ46の収納動作により、図16に示すように、取手移動部材47が取手45の当接部45dを収納側に押圧する。取手移動部材47に押圧されると取手45はピン51(図8参照)を中心に上方に可動する(点線矢印)。これにより、図17に示すように取手45は搬送ユニット40の本体部41に収納される。
なお、取手45は、搬送ユニット40の本体部41に完全に収納される必要はない。つまり、取手45が開いた状態である第2の位置に位置している時の画像形成装置1の底面方向への取手45の投影面積よりも取手45が閉じた状態である第1の位置に位置している時の画像形成装置1の底面方向への取手45の投影面積のほうが小さくなるように取手45が構成及び配置されていればよい。
上記構成により、ツマミ46が搬送ユニット40に収納されていないときには取手45を自動的に開けることができ、ツマミ46が収納されると取手45を自動的に閉じることができる。このように、ツマミ46の収納動作及び引き出し動作に連動して取手45が回動することにより、ツマミ46を搬送ユニット40に収納するときには取手45も搬送ユニット40に収納することができ、ツマミ46を手動回転させるときには取手45も把持可能となる。
これにより、ジャム処理等の搬送ユニット40に係わる作業を行う必要がある場合に、第1給紙カセット4aを図4に示すY方向に引き出すと、ツマミ46及び取手45を搬送ユニット40の引き出し側に自動的に突出させることができる。一方、装置本体を作動させるときには、第1給紙カセット4aを図4に示すY方向と反対の方向に移動させて筐体2に収納することで、ツマミ46及び取手45を自動的に搬送ユニット40に収納することができる。
従って、搬送ユニット40を小型化することができ、他の構成部材の設計の自由度を大きくすることができる。また、上記に伴って画像形成装置1の筐体2を小型化することも可能になる。例えば図4に示すように第1給紙カセット4aの端部4aaにおける用紙搬送方向中央部を搬送ユニット40側に突出させるような構成とすることもできる。
また、複数の装置本体に共通して使用する際にも各装置本体の設計の自由度を大きくすることができる。また、取手45やツマミ46を取り外すことなく収納することができるため、必要時に素早くジャム処置等を行うことができる。また、取手45やツマミ46の取り付け取り外し、これらの紛失に注意するといった煩わしい作業を伴わないため、ユーザフレンドリーとなり、作業性を向上させることができる。
ここでは、ツマミ46に接して取手45の当接部45dを押圧する取手移動部材47を設け、ツマミ46を引き出し側に付勢するツマミ戻しバネ50を設けると共に、ツマミ46を第1給紙カセット4aに設けられた押圧部55に押圧される構成とした。これにより、ツマミ46が搬送ユニット40に収納されると共に取手45が搬送ユニット40に収納され、ツマミ46に対する押圧部55による押圧が解除されることにより、ツマミ46が手動回転可能な位置に移動すると共に取手45を作業者が把持可能な位置に可動することができる。
従って、ツマミ46の押圧及び押圧解除という簡単な動作でツマミ46及び取手45の収納と、ツマミ46の手動回転及び取手45の把持とが可能となる。特に、ここでは第1給紙カセット4aの装着及び離脱によりツマミ46を押圧及び押圧解除することとしたため、より一層簡単にツマミ46及び取手45の収納と、ツマミ45の手動回転及び取手45の把持とが可能となる。また、搬送ユニット40を第1給紙カセット4a内に配置することができるため、装置本体もより小型化することができる。
しかし、搬送ユニット40の配置は、装置本体の用紙搬送路であれば、特に限定されるものではなく、例えば、用紙搬送路6に配置したり、第1給紙カセット4aの外側に配置したり、反転搬送路21以外の搬送部にも適用することもできる。かかる場合、押圧部55の配置も、ツマミ46を押圧できれば特に限定されず、例えば装置本体の側面カバーの内面に設けることもできる。
また、ここでは取手45を、ピン51を中心に自重で開くように形成することにより、取手45を開ける方向に加圧するための部材が不要となり、より簡単な構成で取手45を開けることができる。しかし、その他、取手45が開く方向にコイルバネ等の付勢部材により加圧することによってさらに取手45開け易くすることもできる。
また、ここでは取手移動部材47に傾斜部47aを形成したため、当接部45dとの干渉を防止して部材の損傷を防止し、取手45の開閉を容易にすることができる。しかし、取手移動部材47や当接部45dの形状等は、ツマミ46に連動して取手45の可動を可能にできれば、装置構成等に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではない。また、傾斜部47aを設けない構成とすることも勿論可能である。
その他、当接部45dを設けずに、ツマミ46の取手移動部材47により取手45の背面板45aのピン51側端部を取手移動部材47により直接押圧する構成とすることもできる。また、ツマミ戻しバネ50も、ツマミ46を引き出し側に付勢可能であれば特に限定されず、その他例えば引張りバネにより引き出し側から取手移動部材47を引っ張る構成とすることもできる。また、押圧部55も必須構成要素ではなく、手動で押圧する構成とすることもできる。また、ツマミ46を押し込んだとき、取手移動部材47と係合し、ツマミ46を引き出すときには係合を解除可能な係合部をユニット本体41に設けることもできる。
また、取手45の移動は、上記したような開閉動作が可能であれば特に限定されず、取手移動部材47の移動も、上記したような回転軸44aに沿った移動が可能であれば、特に限定さない。
次に、本発明の第2実施形態に係る用紙搬送装置について説明する。図18は、本発明の第2実施形態に係る搬送ユニットに用いられる取手が開いた状態を示す模式図であって、図18(a)は、図10及び図11のAA’矢視断面図であり、図18(b)は、図18(a)を上側から見た平面図である。図19は、本実施形態の搬送ユニットに用いられる取手が収納された状態を示す模式図であって、図19(a)は、図10及び図11のAA’矢視断面図であり、図19(b)は、図19(a)を上側から見た平面図である。図16及び図17と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、第1取手移動規制部材48a及び第2取手移動部材49bを、ツマミ46を挟んで取手45とは反対側に配置した。また、取手移動部材47のY方向と反対側から見た断面を略矩形状とし、取手移動部材47において下側端部(図18(a)及び19(a)の下側)且つツマミ46側(図18(b)及び図19(b)の上側)に傾斜部47aを形成した。また、支持部46aが取手移動部材47を貫通することとした。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。なお、搬送ユニット40には、取手45を閉じたとき(図19(a)参照)、取手45の背面板45aにおけるピン51と反対側(図19(a)の上側)の端部と当接することにより取手45の移動を規制可能な規制部材等を設けることもできる。また、支持部46a及び取手移動部材47は、上記第1実施形態のように取手移動部材47を挟んで互いに隣接していても、第2実施形態に例示するように一方が他方を貫通していてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、ここでは画像形成装置として複写機を例に挙げて説明したが、複写機やファクシミリ等の他の画像形成装置にも本発明が適用できるのはもちろんである。また上記実施形態では電子写真方式を用いた画像形成装置を例示したが、これに限らず、本発明はインクジェット方式や熱転写方式等他の画像形成方式を適用した画像形成装置に適用可能であり、さらに単に用紙を搬送する装置や画像形成された用紙等を後処理する装置等にも広く適用可能である。
本発明は、さらに画像形成装置本体1の筐体2から引き出し可能に構成された用紙搬送ユニットであれば適用可能である。ツマミを押圧する押圧部55は当該用紙搬送ユニットの取り出し方向を覆う画像形成装置1の外装カバーに設ける構成を採用することもできる。