JP5371947B2 - 風味が豊かで保存性のよいバターの製造方法及びバター - Google Patents

風味が豊かで保存性のよいバターの製造方法及びバター Download PDF

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本発明は風味が豊かで保存性のよいバターの製造方法及びバターに関する。バターは一般に、原料のクリームを乳酸発酵させるか否かによって発酵バターと非発酵バターに分けられ、また製造中に食塩を加えるか否かによって有塩バター(加塩バター)と食塩不使用バターに分けられる。本発明は、非発酵で食塩不使用のバターに分けられるけれども、そのような従来のバターよりも風味が豊かで保存性のよい新規のバターの製造方法及びバターに関する。
従来、バターの製造方法として、非発酵で食塩不使用のバターの製造方法(例えば、特許文献1〜3参照)の他に、発酵バターの製造方法(例えば、特許文献4参照)や有塩バターの製造方法(例えば、特許文献5参照)等、各種が知られている。しかし、非発酵で食塩不使用のバターには、風味が乏しく、保存性が悪いという問題があり、また発酵バターには、その製造が面倒で、保存性が悪く、風味が劣化し易いという問題があって、更に有塩バターには、用途が制限されるという問題がある。
特開平07−264979号公報 特開2007−020429号公報 特開2010−081835号公報 特開2005−110647号公報 特開2001−204285号公報
本発明が解決しようとする課題は、比較的容易に製造でき、しかも風味が豊かで保存性のよい新規のバターを得ることができる方法及びそのようなバターを提供する処にある。
前記の課題を解決する本発明は、バター原料のクリーム100g当たり、醸造酢を酸度2.5容量%の醸造酢換算で10〜80mlとなるよう加えてチャーニングした後、水洗いし、ワーキングすることを特徴とする風味が豊かで保存性のよいバターの製造方法に係る。また本発明は、かかる製造方法によって得られるバターに係る。
本発明に係るバターの製造方法(以下、単に本発明の製造方法という)でも、醸造酢を用いることを除き、バター原料のクリームをチャーニングした後、水洗いし、ワーキングする。バター原料のクリームは、市販品を用いることもできる。かかるクリームは一般に、乳から遠心分離等で乳脂肪を通常は30〜40%程度に濃縮してクリームとし、このクリームを加熱して脂肪分解酵素を失活させ、冷却したものであるが、更に一定時間エージングして脂肪球を安定な結晶に調整したものが好ましい。またチャーニングは、バター原料のクリームをチャーン容器で撹拌して脂肪球を凝集させ、バター粒にする操作であり、水洗いは、チャーニングで分離した水溶性成分(バターミルク)を水洗して取除く操作であって、ワーキングは、バター粒を練り上げてなめらかなバターにする操作である。バター原料のクリーム、チャーニング、水洗い及びワーキングは、従来からバターの製造において一般に使用され、また行なわれていることであり、したがってこの限りでは、本発明の製造方法も、従来のバター、なかでも非発酵で食塩不使用のバターの製造方法と異なるところはない。
本発明の製造方法では、バター原料のクリームに醸造酢を加えてチャーニングする。チャーニングの前に醸造酢を加えることが肝要であり、例えばチャーニングの後やワーキングの前又は後で醸造酢を加えても、所期のバターを得ることはできない。バター原料のクリームに加える醸造酢の種類等は、食用の酢であれば、特に制限されない。
バター原料のクリームに加える醸造酢の量は、バター原料のクリーム100g当たり、酸度(酢酸濃度)2.5容量%の醸造酢換算で、10〜80mlとなるように加えるが、15〜40mlとなるように加えるのが好ましい。醸造酢の加える量が、余りにも少ないと、効果の発現が不充分になり、逆に余りにも多いと、得られるバターの酸味が気になるようになる。醸造酢の加える量は、前記の範囲内で、より風味が豊かで保存性のよいバターを得ることができる。
前記したように、チャーニング、水洗い及びワーキングそれ自体は、従来のバターの製造と同様に行なうことができる。これらの操作全体を通じて、温度(雰囲気温度及び品温)は13℃以下で行なうのが好ましく、10℃以下で行なうのがより好ましい。水洗により、チャーニングの前に加えた醸造酢由来の酢酸は、その殆どが、水溶性成分(バターミルク)と共に取除かれる。
本発明に係るバターは、以上説明した本発明の製造方法によって得られるものである。かかるバターは、比較的容易に製造でき、しかも風味が豊かで保存性がよいため、従来のバターと同様に使用できるだけでなく、その利用範囲も広い。
本発明によると、比較的容易に製造でき、しかも風味が豊かで保存性のよい新規のバターを得ることができる。
以下、本発明の構成及び効果をより明らかにするため、実施例及び比較例を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。
試験区分1(バターの製造)
・実施例1
バター原料のクリーム(市販品)100g当たり、醸造酢(内堀醸造社製の商品名飲むふじりんごの酢)を、酸度2.5容量%の醸造酢換算で15mlの割合となるよう加え、チャーン容器で25分間撹拌した(チャーニング)。この間、分離したバターミルクは適宜排出した。生成したバター粒に10℃以下に冷却した水を、元の生クリーム100g当たり200mlの割合となるよう加え、5分間撹拌して、水を排出した。かくしてチャーニングし、水洗いしたバター粒を15分間練り上げて(ワーキング)、実施例1のバターを製造した。製造中、雰囲気温度及び品温等は13℃以下に保持した。
・実施例2
クリーム100g当たり、醸造酢を、酸度2.5容量%の醸造酢換算で40mlの割合となるよう加えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のバターを製造した。
・実施例3
クリーム100g当たり、醸造酢を、酸度2.5容量%の醸造酢換算で80mlの割合となるよう加えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のバターを製造した。
・比較例1
醸造酢を加えなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1のバター(非発酵で食塩不使用のバター)を製造した。
・比較例2
醸造酢を加えず、また水洗い後でワーキング前に、食塩を1.5質量%となるよう加えたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2のバター(有塩バター)を製造した。
・比較例3
市販の発酵バターをそのまま比較例3のバター(発酵バター)とした。
・比較例4
醸造酢を、チャーニングの後で水洗いの前に加えたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4のバターを製造した。
・比較例5
醸造酢を、水洗いの後でワーキングの前に加えたこと以外は実施例1と同様にして、比較例5のバターを製造した。
・比較例6
醸造酢を、ワーキングの後に加えて更に5分間練り上げたこと以外は実施例1と同様にして、比較例6のバターを製造した。
試験区分2(官能評価)
男性10名及び女性10名の合計20名の評価員により、試験区分1で製造した比較例1のバターと他の各例のバターとを2点比較し、どちらの酸味を強く感じるか、またどちらの風味が豊かであるか、更にどちらがバターとして好ましいかを選択させ、他の各例のバターを選択した人数を表1にまとめて示した。表1の結果からも明らかなように、実施例1〜3の本発明に係るバターは、酸味を強く感じることのない全体として調和のとれた、風味が豊かで好ましいものと評価された。
Figure 0005371947
表1において、
*:1%の危険率で有意であることを示す。
**:0.1%の危険率で有意であることを示す。
比較例4〜6の風味:酸味を強く感じ、全体の調和がとれていないので、評価しなかった。
試験区分3(香気成分の測定)
試験区分1で製造した各例のバターについて、ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフィー(Agilent Technologies 7890A GC System)により、香気成分のピークの総面積を求め、比較例1の総面積に対する面積比を求めて、結果を表2にまとめて示した。但し、比較例4〜6のバターについては、前記したように、酸味を強く感じ、全体の調和がとれていないので、測定しなかった。表2の結果からも明らかなように、実施例1〜3の本発明に係るバターは、香気成分が比較例1のバター(非発酵で食塩不使用のバター)の10倍以上あり、比較例3のバター(発酵バター)に匹敵するものであった。
Figure 0005371947
試験区分4(保存性の評価その1)
試験区分1で製造した各例のバターについて、冷蔵庫(5〜10℃)に保存したときの一般生菌数(1g当たりのコロニー数)の変化を求め、結果を表3にまとめて示した。但し、比較例3〜6のバターについては、前記したように、酸味を感じ、全体の調和がとれていないので、測定しなかった。表3の結果からも明らかなように、実施例1〜3の本発明に係るバターは、保存性が比較例1のバター(非発酵で食塩不使用のバター)よりもはるかに優れ、比較例2のバター(有塩バター)よりも優れている。



Figure 0005371947
試験区分5(保存性の評価その2)
試験区分1で製造した各例のバターを生地に使用して作ったスコーンを、室温下に放置したときのカビの発生状況を観察した。実施例1〜3の本発明に係るバターは3週間経過するまでカビの発生はなく、4週間経過後でもカビはスコーンのごく一部にしか観察されなかったが、比較例1〜3のバターは数日経過でカビが発生し、スコーン全体に著しく増殖した。このことからも明らかなように、実施例1〜3の本発明に係るバターは保存性、なかでも静菌性に優れている。

Claims (4)

  1. バター原料のクリーム100g当たり、醸造酢を酸度2.5容量%の醸造酢換算で10〜80mlとなるよう加えてチャーニングした後、水洗いし、ワーキングすることを特徴とする風味が豊かで保存性のよいバターの製造方法。
  2. クリーム100g当たり、醸造酢を酸度2.5容量%の醸造酢換算で15〜40mlとなるよう加える請求項1記載の風味が豊かで保存性のよいバターの製造方法。
  3. チャーニング、水洗い及びワーキングを10℃以下で行なう請求項1又は2記載の風味が豊かで保存性のよいバターの製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか一つの項記載の風味が豊かで保存性のよいバターの製造方法によって得られるバター。
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