JP5371590B2 - 実装処理作業装置及び表示基板モジュール組立ライン - Google Patents

実装処理作業装置及び表示基板モジュール組立ライン Download PDF

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Description

本発明は、液晶やプラズマなどのFPD(Flat Panel Display)の表示基板の周辺に駆動ICの搭載やCOF(Chip on Film),FPC(Flexible Printed Circuit)などのいわゆるTAB(Tape Automated Bonding)接続および周辺基板(PCB、Printed Circuit Board)を実装する実装処理作業装置及び実装処理作業方法並びにそれ等から構成される表示基板モジュール組立ラインに関するものである。より具体的には、例えば、TABやICを搭載する処理作業に好適な基準ベースを有する実装処理作業装置及び実装処理作業方法並びに実装処理作業装置または実装処理作業方法に基づいて構成される表示基板モジュール組立装置の構成および方法に関するものである。
表示基板モジュール組立ラインは、液晶、プラズマなどのFPDの表示基板(以下、基本的には単に基板と略し、その他の基板、例えばPCBの場合はPCB基板と明記する)に、複数の処理作業工程を順次行なうことで、該基板の周辺に、駆動IC、TABおよびPCB基板などを実装する装置である。
例えば、処理工程の一例としては、(1)基板端部のTAB貼付け部を清掃する端子クリーニング工程、(2)清掃後の基板端部に異方性導電フィルム(ACF、Anisotropic Conductive Film)を貼付けるACF工程、(3)基板のACFを貼付けた位置に、TABやICを位置決めして搭載する搭載工程、(4)搭載したTABやICを加熱圧着することで、ACFにより固定する圧着工程、(5)TABの基板側と反対側に、予めACFを貼り付けたPCB基板を貼付け搭載するPCB工程(複数の工程からなる)などからなる。さらには、処理する基板の辺の数や処理するTABやICの数などで各処理装置の数や基板を回転する処理ユニットなどが必要となる。
このような一連の工程を経ることによって、基板上の電極とTABやIC等に設けた電極との間が熱圧着されことによって、ACF内部の導電性粒子は電気的な接続がなされる。またこのとき同時に、ACF基材樹脂の硬化により、基板とTABやIC等が機械的にも接着される。
前記のような表示モジュール組立工程において基板を処理位置にアライメント(位置決め)する際は、一般的に基板のアライメントマークなどを画像認識して位置決めを行なうが、このとき、基板に保持部材または支持部材との摺動等によるダメージを与えることなく精度よくアライメントすることが必要である。従来では、ダメージを与えないように基板を片持ちで保持して浮かせた状態でアライメントマークを画像認識していた。
また、一般的に、基板サイズの大型化や薄型化に伴い、ガラスや偏光板の貼り合せ等による反りが基板端部に発生しやすくなる。上記各工程、例えば、TABやICを搭載する搭載工程においては、部品を搭載する基板に反りがあると搭載時の圧力により、反った基板が搭載部の受け部材に倣って矯正されるため、その矯正される基板の動きが搭載ズレの要因となる。これらは、液晶基板の高性能化に伴ない、搭載部品の端子も狭ピッチ化が進み、位置ずれへの許容範囲も狭くなってきているため、部品搭載時などには基板をあらかじめ平面精度の高いベース面に直接固定しておくことが理想である。
処理時の基板の矯正に関する発明としては、特開平11-204579や特開平5-228755が挙げられるが、両者ともに、パネルの反りやたわみは矯正できるものの、基板をアライメントするための位置検出工程が基板矯正箇所に載置されていないため、基板の反りやたわみは矯正されていない状態で画像検出を行うことになる。この場合、アライメント時の基板位置検出手段で計測した基板位置と、反りやたわみ矯正後の基板位置には誤差が生じやすくなる。
また、仮に基板の反りやたわみを矯正した状態でアライメントを行ったとしても、基板の反りをたわみ矯正する支持部材とパネルとの間で摺動が発生するため、基板が傷ついてしまう可能性があり品質的に問題がある。
特開平11-204579 特開平5-228755
片持ち保持方式のアライメントでは、4(b)に示す状態でアライメントをしても、図13に示すように基板周辺の処理辺の撓みや反りにより画像認識時図の焦点ずれや、基板を基準ベースに載置する時にその反りや撓みによる位置ズレ誤差εが発生し、精度よくアライメントを実施することができない課題があることは上述の通りである。特に、この課題は基板の薄板化や搭載部品のファインピッチ化(接合端子の狭ピッチ化)に伴って重要なものになってきた。なお、反りには、図12に示すように上反りと下反りがあり両者に対応できるようにする必要がある。
これ等基板の有する撓み、反りなどの姿勢がアライメントを精度良くできない大きな要因となってきた。
そこで、本発明の第1の目的は、基板の有する撓みや反りなどの姿勢によるアライメント精度の劣化を低減できる実装処理作業装置または実装処理作業方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、上記記載の実装処理作業装置または実装処理作業方法を有するライン構成とすることで、搭載部品の狭ピッチ対応の表示基板モジュール組立ラインを提供することである。
上記の第1の目的を達成するために、表示基板をアライメントするために、該基板の位置を画像により検出するための画像検出手段と、前記画像検出手段により位置検出した結果をもとに位置補正を行なう可動手段を具備したアライメント手段と、前記表示基板の周辺の処理辺に搭載部品を搭載する又は搭載するための処理作業を行なう処理作業台を有する実装処理作業装置において、前記アライメント時の前記処理辺の姿勢によるアライメント誤差を矯正する姿勢矯正手段と、前記処理作業時に前記処理作業台と共に前記表示基板を下から支える第1支持手段とを有することを第1の特徴とする。
また、上記第1の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記姿勢矯正手段は前記処理作業台と略平行し前記表示基板を下から支える基準ベースと、前記表示基板を前記基準ベースに保持した時に、前記基準ベースの基板保持面と前記基板表面との摺動摩擦を低減する摩擦低減手段とを有することを第2の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第2の特徴に加え、前記摩擦低減手段は前記表示基板を前記基板保持面から浮上させる浮上手段であることを第3の特徴とする。
また、上記第1の目的を達成するために、第3の特徴に加え、前記浮上手段は前記基板保持面に複数の溝部または/及びフロート孔を設け、前記溝部または前記フロート孔に正圧エアを送付する浮上エア制御システムを有することを第4の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記浮上手段は前記溝部を負圧にして前記表示基板を前記基準ベースに吸着保持させる浮上/吸着エア制御システムを有することを第5の特徴とする。
また、上記第1の目的を達成するために、第1又は第2の特徴に加え、前記姿勢矯正手段は前記処理辺における反りの角度を求める反り角度算出手段と、前記反り角度算出手段の算出結果に基づいて、前記反りを矯正する反り矯正手段とを有することを第6の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第6の特徴に加え、前記反り角度算出手段は前記反り角度を測定する反り角度測定手段を有し、前記反り姿勢矯正手段は前記アライメント時に前記表示基板を支持する第2支持手段の傾斜角度を調整する傾斜角度調整手段を有することを第7の特徴とする。
また、上記の第1の目的を達成するために、第7の特徴に加え、前記反り角度測定手段は前記処理辺の直角方向に異なる複数の位置における前記表示基板の垂直方向の変位を測定し、前記測定結果から前記反り角度を求める手段であることを第8の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第6の特徴に加え、前記反り角度算出手段は前記反り角度を予め統計的に求める統計的処理手段を有し、前記反り矯正手段は前記アライメント時に前記表示基板を支持する第2支持手段の傾斜角度を調整する傾斜角度調整手段を有することを第9の特徴とする。
また、上記第1の目的を達成するために、第7または第9の特徴に加え、前記第1支持手段は前記第2支持手段であることを第10の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第1または第2あるいは第6の特徴に加え、前記矯正手段は前記表示基板を下方に移動させて前記表示基板を前記基準ベースに押付ける押付手段を有することを第11の特徴とする。
また、上記の第1の目的を達成するために、第2または6あるいは第11の特徴に加え、前記第1支持手段は前記表示基板を両側で支持する両側支持部を有し、少なくとも前記両側支持部の一方を前記処理作業台に対し略平行な位置に移動させる手段を有することを第12の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、第12の特徴に加え、少なくとも前記両側支持部の一方をさらに前記処理作業台と直角方向に分割し、前記さらに分割した一方を前記処理作業台に対し前記直角方向に移動させる手段を有することを第13の特徴とする。
また、上記第1の目的を達成するために、表示基板をアライメントし、前記表示基板の周辺の処理辺に搭載部品を搭載する又は搭載するための処理作業を行なう実装処理作業方法において、前記処理辺と略平行に設けられた基準ベースに前記表示基板を載置し、前記表示基板を前記基準ベースから浮上させ、その後前記アライメントすることを第14の特徴とする。
さらに、上記第1の目的を達成するために、表示基板をアライメントし、前記表示基板の周辺の処理辺に搭載部品を搭載する又は搭載するための処理作業を行なう実装処理作業方法において、前記処理辺における反り角度を算出し、前記反り角度に基づいて、前記表示基板の反りを矯正し、その後前記アライメントをすることを第15の特徴とする。
また、上記第1の目的を達成するために、第15の特徴に加え、前記反りを矯正後、前記処理辺と略平行に設けられた基準ベースに前記表示基板を載置し、前記表示基板を前記基準ベースから浮上させ、その後前記アライメントをすることを第16の特徴とする。
さらに、上記第1目的を達成するために、第14または第16の特徴に加え、前記浮上後、前記表示基板を前記基準ベースに押付け、その後前記アライメントすることを第17の特徴とする。
また、上記第1の目的を達成するために、表示基板をアライメントし、前記表示基板の周辺の処理辺に搭載部品を搭載する又は搭載するための処理作業を行なう実装処理作業方法において、前記処理辺と略平行に設けられた基準ベースに表示基板を押付け、その後前記処理作業を行なうことを第18の特徴とする。
さらに、上記第2目的を達成するために、第1乃至第13にいずれかに記載の処理作業装置と、前記実装処理作業装置と他の実装処理作業装置との間を順次表示基板を搬送する搬送装置とを有する表示基板モジュール組立ラインにおいて、前記搬送装置は前記表示基板を載置し搬送する基板搬送手段を有し、前記基板搬送手段は前記アライメント時の前記表示基板を支持する第1支持手段または第2支持手段の少なくとも一方を有することを第19の特徴とする。
最後に、上記第2目的を達成するために、第7乃至10のいずれかの記載の実装処理作業装置と、前記実装処理作業装置と他の実装処理作業装置との間を順次表示基板を搬送する搬送装置とを有する表示基板モジュール組立ラインにおいて、前記搬送装置は前記表示基板を載置し搬送する基板搬送手段を有し、前記基板搬送手段は前記第2支持手段を有することを第20の特徴とする。
本発明によれば、基板の有する撓みや反りなどの姿勢によるアライメント精度の劣化を低減できる実装処理作業装置または実装処理作業方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記記載の実装処理作業装置または実装処理作業方法を有するライン構成とすることで、搭載部品の狭ピッチ対応の表示基板モジュール組立ラインを提供することができる。
本発明の第1の実施形態である表示基板モジュール組立ラインを示す図である。 本発明の実施形態であるTAB/IC搭載処理作業装置のTAB/IC基板を搭載する搭載部と搬送装置2及び搬送装置の動作説明図である。 本発明の第1の実施形態の基本的な考え方と、本実施形態における処理フローを示した図である。図3(a)は搬送装置2によって、基板の反り、撓みを考慮しながら、搭載装置の基準ベースよりH分高い位置で基板を搬送した図である。図3(b)は基板を図3(a)に示した位置から降下させて基準ベース及び基板保持手段に載置した図である。図3(c)は図3(b)のアライメント終了後、基板Pを部品搭載処理作業装置の処理作業位置に移動させ、基板上の所定の位置に搭載部品を搭載する図である。 図3におけるA‐A断面図である。図4(a)は本実施形態の方法を示し、図4(b)は従来の方法を示した図である。 本発明の第1実施形態の基板を浮上/吸着する第1実施例の基準ベースの一部の上面図と横断面図である。 基板を浮上/吸着を可能とする第1実施例の浮上/吸着エア制御システムを模式的に示した図である。 本発明の第1実施形態の基板を浮上/吸着する第2実施例の基準ベースの一部の上面図と横断面図である。 基板を浮上/吸着を可能とする第2実施例の浮上/吸着エア制御システムを模式的に示した図である。 周辺に発生する反りを矯正して基板のアライメントする第2実施形態の第1実施例を示す図で、合わせてその処理フローを示した図である。 本発明の第2実施形態の第2実施例を示す図である。 第1実施形態乃至第3実施形態において、基板の様々なサイズあるいは同じ基板でも長辺側、短辺側に対応して、基板の撓み、反りの影響を排除する第4実施形態を示した図である。 本発明の基板周辺に発生する反りの課題を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図1から図12を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である表示基板モジュール組立ライン1を、図2は、その基板の搬送装置2の基本構成を示した図である。
図1の装置は、基板Pを保持する基板保持手段12と、その基板を隣接する実装処理作業装置の位置まで搬送するための搬送アーム11Aからなる搬送装置によって、図中左から右に向かって基板を順次搬送しながら、基板の周辺部に各種処理作業を行ない、ICやTABなどの実装組立作業を行なうライン装置である。図1の装置は、まず、左側の基板長辺側の実装処理作業装置群13Lで基板長辺側の処理を行ない、基板長辺側の処理を行った後、基板を基板回転手段19で回転させ、同様な構成を有する基板短辺側の実装処理作業装置群13Sで基板短辺側の処理を行なう。基板長辺側13L及び基板短辺側13Sにおいて、以下同一装置、同一機能については同一符号を記す。
図1で示す基板長辺側、処理として、左から(1)基板端部のTAB貼付け部を清掃する端子クリーニング工程、(2)清掃後の基板端部に異方性導電フィルム(ACF)を貼付けるACF工程、(3)ACFを貼付けた位置に、基板配線と位置決めしてTABやICを搭載する搭載工程、(4)搭載したTABやICを加熱圧着することで、ACFにより固定する圧着工程を順次行ない、さらに基板長辺側の最後には周辺基板であるPCB基板を実装する処理作業を行なうように構成されている。
図中の14〜17は、長辺側、短辺側とも同一符号で示し、それぞれ、端子クリーニング処理作業装置14、ACF貼付処理作業装置15、部品搭載処理作業装置16,本圧着処理作業装置17及び基板回転手段19を示している。なお、PCB基板処理作業装置は割愛している。
図2は基板Pの搬送方向であるX方向から見たA−A断面図であり、部品搭載処理作業装置16のTAB/IC基板(他の搭載する部品をも総称して以下搭載部品3という)を搭載する搭載部16aと搬送装置2を示した図である。搭載部16aは基板Pを載置する基準ベース20と、他の位置で搭載部品3を吸着し、基準ベースの所定の位置にその搭載部品3を搭載する搭載ヘッド18とを有する。搭載ヘッド18は、例えば部品搭載処理作業装置16や他の搭載部品である半導体集積回路ICを搭載したフレキシブル基板COFを吸着保持する吸着ヘッド18a、搭載部品3を基板Pの搭載位置に搭載するために吸着ヘッドを昇降するシリンダ18b、シリンダを駆動するシリンダ駆動部18c、シリンダ駆動部を旋回させてIC基板を搬送するアーム18dを有する。さらに吸着ヘッド18aと対向して基板Pを挟む位置に処理作業台である下支え18eが設けてある。
一方、搬送装置2は、基板搬送手段11と基板保持手段12を有している。基板保持手段12は、図1に示すように基板両側に設けた両側支持部12Aと両側支持部を連結し実装処理作業装置側に設けられた連結保持部12Bを有する。基板の処理作業箇所である基準ベース20へ基板Pが搬送されてくると、前記両側支持部12Aと連結保持部12Bは、基板の撓みを減少して基板Pを載置することができる。一方、基板搬送手段11は前記両側支持部12Aの間を上下する搬送アーム11Aと、図2(a)(b)に示すように基板Pを前記基板保持手段11に載置又は離間するために前記搬送アーム11Aを昇降させる基板搬送アーム昇降部11Bと、搬送アーム11をガイドレール11C上で搬送方向に移動させるスライダ11Dと、後述する基板の反り角度を制御する反り角度補正部11θと、及びY方向移動部11Eとを有する。
このような本実施形態の搬送装置2によれば、基板Pを基準ベース上に直接搬送できるので、搬送後、基板Pを基準ベースに移動させるステップが必要なく、処理時間の短縮を図ることでできる。
このような構造における搬送方法を、図1に示す基板PをACF貼付処理作業装置15から部品搭載処理作業装置16に搬送する場合を例に説明する。搬送アーム11は、ACF貼付処理作業装置15の場所で、図2(a)に示すように基板Pを搬送アーム11Aにより保持し、基板搬送部材昇降手段11Bにより上昇させ、基板Pを両側支持部12A、連結保持部12Bから離間させる。その後、基板Pを上昇保持したままで、スライダ11Dにより基板Pを部品搭載処理作業装置16の位置まで搬送する。このとき、搬送アーム11Aは、2つの基板保持手段12間を移動する。部品搭載処理作業装置16では、基板Pを下降させ、基板保持手段12に載置(図2(b))し、搬送アーム11Aを基板Pから離間させる。そして、基板Pは部品搭載処理作業装置16で搭載作業が処理される。この搭載作業中に、搬送アームは、基板を保持していない姿勢を保持し、次の基板を搬送するためにACF貼付処理作業装置15まで戻る。上記一連動作は、組立ライン1に作業中のすべての基板Pに対して同期して行なわれるので、全ての基板が同期して搬送され、処理が行なわれることになる。
図1、図2に示す表示基板モジュール組立ライン、部品搭載処理作業装置及び搬送装置は一実施形態であって、特に、どのような実装処理作業装置を連ねる必要があるかは、組立作業を行なう表示基板モジュール構成に依存することは言うまでもない。
以下、本発明の特徴である基準ベース20を前述した部品搭載処理作業装置16に適用した例を説明する。
部品搭載処理作業では2つのアライメント作業がある。その第1は、基板Pが部品搭載処理作業装置16に搬入されたときに、基板の両端に設けた基板アライメントマークにより基板全体のアライメントである。第2に、基板の1辺にあるTAB/IC搭載部品の複数の搭載位置において、搭載部品3と搭載位置に設けたそれぞれのアライメントマークによるアライメント作業である。本発明は、部品搭載処理作業装置や他の実装処理作業装置に共通である第1のアライメントに関するものである。
まず、以下、本発明の一つの特徴である基準ベースの基板保持面の摩擦を低減し、その摺動により、基板表面にダメージを与えることなく精度よくアライメントすることができる第1の実施形態を図3から図8を用いて説明する。
図3は本実施形態の基本的な考え方と、本実施形態における処理フローを示した図で、図4は図3(a)におけるB−B断面図である。
図3(a)は、搬送手段2によって、基板Pの反り、撓みを考慮しながら、部品搭載処理作業装置の基準ベース20よりH分高い位置で基板を搬送して、直接基板Pを基準ベース20上に搬送した図である。図3では理解しやすくするため基板Pは輪郭を実線で示すに留め、面内を透明に示すことで搬送固定の機構部を表記した。
図3(b)は、図3(a)に示した位置から、図2に示す搬送アーム昇降部11Bによって搬送アーム11Aを降下させて、基板Pを基準ベース20及び基板保持手段12に載置した図である。基板保持手段12は、両側に両側支持部12A(本実施形態では第1支持手段を構成)を有し、それらを基準ベース20側で連結する連結保持部12Bとで構成されているので、基準ベース20と共に安定して基板Pを保持可能である。このとき、搬送アーム11Aの幅は基板保持手段12の構成部品である連結保持部12Bと両側支持部12Aから形作られる凹み形状の幅より小さい。このため、搬送アーム11Aは、基板保持手段12に基板Pを移し変えたのち、下方に降下することで、基板保持手段12の下側を潜り抜けられるようになる。
基準ベース20及び搬送保持手段12に載置された基板は、その基板辺の両端に設けられた基板アライメントマークMを撮像手段である2台の撮像カメラ21a、21bで撮像し、その撮像結果に基づいて搬送アーム11Aを調節してアライメントを行なう。後述するようにそのアライメント動作時に過大な摺動を生じないよう、例えば基準ベース20の表面に設けた溝から若干の圧縮空気を噴出する摩擦低減手段で、摺動摩擦を軽減する。図3(c)は、図3(b)のアライメント終了後、基板Pを部品搭載処理作業装置の処理作業位置に移動させ、基板上の所定の位置に搭載部品を搭載することを示している。
以下、第1の実施形態の第1の実施例を図3から図6を用いて説明する。
図3に示すように、基準ベース20の基板保持面20aには田型の基板吸着溝20bが複数設けられている。基板Pが基準ベース上にくると、基板吸着溝20bから流動体、例えば気体を流し、基板Pを微小浮上させ、浮上させた状態で基板Pのアライメントを行なう。アライメントは図3(b)で説明した方法で行なう。しかし、前述では、基板の姿勢を搬送アーム11Aで調整したが、両側支持部あるいは基準ベースにアライメントに必要な自由度を持たせて調整してもよい。その結果、図4(a)に示すように、本実施形態では、基板に傷をつけることなく安定して基板辺を保持できるので、図4(b)の示すように従来技術で生じる基板端部による撓みを解消した状態でアライメントができるので、撮像カメラにより焦点ボケや位置ズレεのない、精度良いアライメントが可能となる。
アライメント後は、図3(c)に示すように基板を浮上させた状態で、部品搭載処理作業装置の処理作業位置に設けた基板下支えベース18eの位置まで搬送アーム11Aで移動させる。図3(c)では、図2に示す搬送アーム昇降部11Bによって搬送アーム11Aを降下させて、下支えベース18e、基準ベース20及び基板保持手段12に載置する。このとき、基準ベース20における基板の浮上を解除し、逆に基板上の基板吸着溝20bにより基板を吸引し、基板Pを基準ベース20に確りと吸着する。その後は、部品搭載処理作業装置は処理作業を行なうと共に、搬送アーム11Aは、図2で説明したように次に処理すべき基板を取りに行く。本実施形態では、処理作業時に処理作業台と下支えベース18e共に基板を下から支える第1支持手段は基板保持手段12で構成している。
図5、図6に上記の基板を浮上/吸着する摩擦低減手段の第1の実施例を示す。図5は基準ベース20の一部を示す上面図と横断面図であり、図6は基板を浮上/吸着を可能とする浮上/吸着エア制御システム25Aを模式的に示した図である。基準ベース20の上面には田型の基板吸着溝20bが複数設けられている。なお、この基板吸着溝の形状は、一例であり、他にも王型や三型、回型などの形状があげられるが、基準ベース上において、広範囲で基板を吸着することが、基板を確実に保持するうえで重要であり、その吸着溝で発生する吸着圧で、基板に貼られた偏光板が基板から引き離される作用があってはならないことは、表示基板製作上重要であることは言うまでもない。
本実施例では、図6に示すように正圧エア源25a1、負圧エア源25a2を選択し、基板吸着溝20bに正圧エアをかけて基板Pを基準ベース20から浮上させ、基板吸着溝20bに負圧エアをかけて基板Pを基準ベース20に吸着させる。なお、25bは安定して排気、吸気するためのレギレータ、25cは正圧エア源25a1、負圧エア源25a2を選択するそれぞれの系統に設けたソレノイド弁、25d1は各系統で正常に正負圧が得られているかをチェックする圧力スイッチ、25eは基板吸着溝20bの直前に設けられた空気の逆流を防止するチェック弁、25fは配管系及び30はこれ等を制御する制御装置である。
図7、図8に上記の基板を浮上/吸着する摩擦低減手段の第2の実施例を示す。図7は基準ベース20の一部を示す上面図と横断面図であり、図8は基板を浮上/吸着を可能とする浮上/吸着エア制御システム25Bを模式的に示した図である。基準ベース20の上面には田型の吸着固定用の基板吸着溝20bと、浮上用のエアフロート孔20cが一つ置きにそれぞれ複数設けられている。第2の実施例では、図8に示すように基板吸着溝20bを負圧にすることで基板を吸着固定し、エアフロート孔20cに正圧をかけることによって基板を浮上させる。エア源25a、レギレータ25b等は図6と同じである。
以上に示した本実施形態によれば、実装処理作業装置で基板全体をアライメントする場合に、基板を浮かせ、基準ベース上に平坦に安定して保持することで、基板に摺動によるダメージを与えることなく、また精度よく基板のアライメントをすることができる。
上記実施形態では、基板を浮上させるアライメントを実施したが、基準ベース20の基板の載置面に基板を滑り易くする低摩擦材料(摩擦低減手段)を設けることで、浮上の実施例と同様な効果を奏することができる。
次に、基板に偏光板などを貼り合わせすることにより発生する基板端部の反りの影響をなくす反り矯正をし、精度良くアライメントのできる第2実施形態を説明する。また、図13に示すように上反り、下反りがあり、それら反りがあると基板と基準ベース20の間に隙間でき、第1の実施形態においても安定した吸着できない場合も存在する。
図9は上記第2実施形態の第1実施例を示す図である。本実施例では、基準ベース20の搬送側に変位センサ23を設け、基板をY方向に移動させながら、基板端部におけるY方向にDy離れた2点の位置のZ方向の位置を測定し(Step1,及びStep2)、その2点Z方向の偏差δzを求め、式(1)により反り角度θを求めその反り角度θに基づいて、搬送アーム11A(本実施形態では第2支持手段を構成)の反り角度(反り姿勢)を矯正し、第1の実施形態に基づき、撮像カメラ21より基板のアライメントをする(Step3)。その後、基板を微小浮上させながら、部品搭載処理作業装置16の下支えベース18e位置まで移動し、載置し、処理作業を行なう(Step4)。
θ=tan−1δz/Dy (1)
2点としては、アライメント時に基板Pを基準ベース20に載置した時、反り角度θ及びZ方向の偏差δzを直接得ることができる位置として、Y1を基板合わせマークに、Y2を前記載置時における基準ベース20の搬送側端部の位置を選ぶのが望ましい。その場合Dy=δyとすると式(2)となる。
θδ=tan−1δz/δy (2)
これらの場合、搬送アームθδを傾けるとき、Y2の位置はZ方向に反りに応じて移動するので、反りにおける搬送アーム11Aと基準ベース20との高さギャップによって搬送アームのZ方向の位置も調整する。
次に、上記の搬送アーム11Aの反り角度を矯正する反り角度矯正部11θの構成を図9Step2の図を用いて説明する。Step2の図に示す構成は、解り易くするために図2の反り角度矯正部11θを拡大して示している。反り角度矯正部11θはY方向移動部11Yの上に搭載され、上面に反りの有するカム11θa、カムをY方向の移動をガイドするリニアガイド11θb、リニアガイド移動させるボールネジ11θc、ボールネジ11を駆動するモータ11θd、カム上を移動するカムフォロア11θe、カムフォロアをカム押付けるに押付板11θf、ガタを無くすために回転軸11θgを中心にカムをカムフォロアに押付けるバネ11θh及び搬送アーム11Aとの結合部11θiから構成させる。このような機構によって、ガタがなく精度良く基板の反り角度を矯正できる。
なお、反りには、上反り、下反りがあり、反り角度矯正部11θの調整範囲として両者に対応できるように設ける。
図10は第2実施形態である反り矯正の第2実施例を示したものである。反り角度は、基板Pの大きさ、厚さ、偏光板などに依存し、場合によっては、統計的に事前に求めることができる。勿論、多少のばらつきは存在するが、それは表示基板の許容応力内で十分なマージンをもっているため問題にならない。 第2実施例は、このような場合に対応するもので、搬送アーム11Aの反り角度θを事前にセットする方法である。第1実施例では、カム11θa及ぶカムフォロア11θeで反り角度を設定したが、第2実施例では、Y方向移動機構部11Yと結合部11θiとの間に反り角度調整板11θmを設け、角度調整板には、回転軸11θgと調整孔11θnを設けている。そして、調整孔をネジ止めして反り角度調整を行なう。さらに、反り角度調整板の下部に微調整ネジ11θpを設け、微調整する。
上記実施例では、反り角度に必要な機構を搬送アーム11Aに設けたが、両側支持部12Aや基準ベース20等に設けてもよい。
以上、第2実施形態において、基板の有する反りを矯正して、基板のアライメントをすることができるので、基板を精度良くアライメントをすることができる。
また、本実施形態において、基板の有する反りを矯正することにより、基板と基準ベースの隙間を解消し、安定して基板を基準ベースに吸着させて、信頼性の高い処理作業を行なうことができる。
次に、基板浮上によるアライメント、あるいはそり矯正によるアライメント後の処理作業を確実にする第3の実施形態を説明する。図4(b)に示すようなアライメント時、基板Pを基準ベース20に載置するが、そのときに基準ベースの搬送方向(紙面に垂直方向)に基板が波打ち、あるいは一部に小さな凸部が生じる場合がある。その場合、基板を基板搬送アーム昇降部11Bに下げて、基板Pを基準ベース20に押付け基板Pの平坦度を確保する押付手段を設け、アライメント精度を向上させる。
また、アライメント後、基板を処理作業台である下支えベース18e位置まで移動するが、その際に基準ベース20と基板Pとの間に隙間が発生する場合がある。そこで、図3(c)や図9ステップ4において、前記押付手段は、処理作業前に基板搬送アーム昇降部11Bにより基板Pをやや下げ、基板Pを基準ベース20に押付けて、その隙間を解消して、基板を安定して吸着固定し、処理作業を確実に行なうようにする。
図11は、第1実施形態乃至第3実施形態において、基板の様々なサイズあるいは同じ基板でもでも長辺側、短辺側に対応して、基板の搬送(X)方向の基板の撓み、反りの影響を排除する第4実施形態を示した図である。
図3においては、基板保持手段12は、両側に設けられた両側支持部12Aとそれらを基準ベース20側で連結する連結保持部12Bとで構成されていることを説明した。本実施形態では、両側支持部12Aをそれぞれ装置側保持部12Aaと搬送外側保持部12Abに分割し、装置側保持部12Aaを搬送(X)方向に、搬送外側保持部12Abを搬送方向と直交(Y)方向にそれぞれ移動可能としたものである。
なお、部品搭載処理作業装置16では、基板を安定して保持できるので基準ベース20で確実に基板を固定でき、基板の1辺にあるTAB/IC搭載部品の複数の搭載位置で行なう第2のアライメント作業においても、精度良くアライメントをすることができる。
図11(a)(b)はそれぞれ短辺側実装処理作業装置、長辺側実装処理作業装置に適用したときの図を示し、装置側保持部12Aaと搬送外側保持部12Abの移動をエアシリンダ12Acで行なう第1実施例を示した図である。
図11(c)(d)は、図11(a)(b)と同様に示した図で、装置側保持部12Aaと搬送外側保持部12Abの移動をモータ12Aeとボールネジ12Adで行なう第2実施例を示した図である。
図11(e)(f)は、図11(a)(b)と同様に示した図で、装置側保持部12Aaと搬送外側保持部12Abの移動をスライドガイド12Af上を手動で移動させ、ネジ12Agで固定する第3実施例を示した図である。
図11(g)は、2辺及び3辺対応できるようにしたもので、図11(c)において搬送外側保持部12Abを左右に移動できるようにした第4実施例を示した図である。
以上の第1乃至第3実施例において、両側の装置側保持部12Aaと搬送外側保持部12Abを移動可能としたが片側だけでもよい。
また、以上の第1乃至第3実施例において、両側の装置側保持部12Aaを装置、即ち処理作業台に沿って異動させたが、装置から離れて斜め方向に処理作業台からほぼ平行な位置に移動させてもよい。
以上説明した第4実施形態によれば、基板サイズあるいは基板の載置の仕方(長辺側または短辺側)に応じて、アライメントする基板の両サイドの撓みを、あるいは反りの影響を排除できので、基板のアライメントを精度良く行なうことができる。
また、第4実施形態によれば、部品搭載処理作業装置16のように、基板の位置だけではなく、基板の辺でさらにアライメントを必要とする処理作業において、基板を安定して保持できるので基準ベース20で確実に基板を固定でき、精度良くアライメントをすることができる。
本第1から第4の少なくとも一つの実施形態を行なう実装処理作業方法または実装処理作業装置を有するラインとすることで、アライメントが確実に行なわれるので、歩留まりの高い表示基板モジュール組立ラインを提供できる。
1:表示基板モジュール組立ライン 2:搬送装置
3:搭載部品 11:基板搬送手段
11A:搬送アーム 11θ:反り角度矯正部
12:基板保持手段 12a:両側支持部
12b:連結保持部
13L:基板長辺側の実装処理作業装置群
13S:基板短辺側の実装処理作業装置群
14:端子クリーニング処理作業装置 15:ACF貼付け処理作業装置
16:部品搭載処理作業装置 16a:搭載部
17:本圧着処理作業装置
18a:部品搭載処理作業装置16の吸着ヘッド
18e:部品搭載処理作業装置16の下支えベース(処理作業台)
20:基準ベース 20a:基板保持面
20b:基板吸着溝 20c:エアフロート孔
21:撮像カメラ
25A:第1実施例の浮上/吸着エア制御システム
25B:第1実施例の浮上/吸着エア制御システム
30:制御装置 P:基板(表示基板)
M:基板アライメントマーク。

Claims (5)

  1. 表示基板の両端に設けられたアライメントマークにより該基板全体のアライメントを行うアライメント手段と、前記表示基板の周辺の処理辺に搭載部品を搭載する又は搭載するための処理作業を行なう処理作業台と、前記処理作業時に前記処理作業台と共に前記表示基板を下から支える第1支持手段と、を有する実装処理作業装置において、
    前記アライメント手段は、前記処理作業台と略平行し前記表示基板を下から支え、前記表示基板を保持する基板保持面を有する基準ベースと、前記表示基板を該基準ベースに保持した時に、前記表示基板を前記基板保持面から浮上させ、前記表示基板表面との摺動摩擦を低減する浮上手段と、前記表示基板を該基準ベースに保持した時に、前記アライメントマークの画像を検出する画像検出手段と、前記画像検出手段の検出した結果に基づいて、前記アライメントを行い、前記基板保持面から浮上している前記表示基板の姿勢を矯正する表示基板駆動手段と、を備える、
    ことを特徴とする実装処理作業装置。
  2. 前記表示基板駆動手段は、前記表示基板を前記基準ベースに載置する手段であることを特徴とする請求項1に記載の実装処理作業装置
  3. 前記浮上手段は前記基板保持面に複数の溝部または/及びフロート孔を設け、前記溝部または前記フロート孔に正圧エアを送付する浮上エア制御システムを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の実装処理作業装置。
  4. 前記浮上手段は前記溝部を負圧にし、前記表示基板を前記基準ベースに吸着させる浮上/吸着エア制御システムを有することを特徴とする請求項に記載の実装処理作業装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の実装処理作業装置と、前記実装処理作業装置と他の実装処理作業装置との間を順次表示基板を搬送する搬送装置とを有する表示基板モジュール組立ラインにおいて、
    前記搬送装置は前記表示基板を載置し搬送する基板搬送手段を有し、前記基板搬送手段は前記アライメント時に前記表示基板を支持する前記第1支持手段有することを特徴とする表示基板モジュール組立ライン。
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