JP5371509B2 - 転写箔ラベル紙及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱を使用しないで箔の転写を基材に行って製造した転写箔ラベル紙、及びその製造方法に関するものである。
従来より、金色や銀色の光沢がある箔を貼り付けた(箔押しした)ラベル紙が製造されている。従来のこのような箔押し加工としては、ホットスタンピングマシンと呼ばれる専用の機械で、熱と圧とによって箔を転写する方法が一般的である。すなわち、箔製造時にあらかじめ塗工してある常温では接着性がなく、加熱(一般的に100〜150℃)することにより接着性が付与される接着剤でもって専用の箔押し機を用いて基材に箔を転写させるために、ほとんどの場合、印刷と箔押しとを別々に行っており、生産性が悪いものであった。また、基材に箔を転写させる際に加熱して加圧した状態で静止時間(0.5〜1秒)を必要とするものである。さらに、このようなホットスタンピングマシンは凹版や凸版等の金属版を温めるのに時間を要し、少ロット生産になるため生産効率が悪いという問題があった。
そこで、生産効率を向上させるために、紫外線硬化性の接着剤を用いた、いわゆるコールド転写と呼ばれる技術が提案されている。例えば特許文献1には、箔押しする部材の表面に、紫外線硬化性の接着剤を盛り上げて印刷し、接着剤に紫外線を照射して硬化させた接着剤の上に箔を載置し、箔を加圧することにより箔押しする方法が開示されている。この特許文献1に係る方法では、凹部を刻設した金属版を必要とせずに、箔押しを行うことができるものの、転写箔の接着強度維持のため、接着剤の塗工量を5g/m以上とすることが推奨されている。従って、接着剤が硬化するまでに時間がかかり、生産効率が悪く、また硬化が充分に行われていない場合、箔面に透明樹脂(紫外線硬化型ニス)やラミネートによる保護層を設ける必要がある場合があった。また、箔を転写する絵柄や図形等の模様によっては、塗工量が多すぎるため、所望とする模様から接着剤がはみ出てしまい、これにより転写箔も所望とする模様からはみ出てしまい、転写再現性に劣るというい問題もあった。さらに、接着剤の塗工量が多いと、被膜が硬くなるため、ラベル紙を折り曲げた時に、転写箔のヒビ割れが発生するという問題もあった。
また、例えば特許文献2には、透明シートの一方の面に、所望の絵柄、図形等に、紫外線硬化樹脂から成るインキを印刷して印刷部を形成し、前記透明シートの前記印刷部に重ねて箔押しする箔押し方法が開示されています。しかしながら、特許文献2に記載の方法は、熱圧着による技術であり、接着剤塗工を介した箔を転写する方法ではない。従って、金属版を温める必要があり、生産効率が低くなるという問題がある。
また、例えば特許文献3には、基材に箔を転写させるための紫外線硬化型粘着剤層を印刷塗工し、その紫外線硬化型粘着剤層を印刷塗工した基材に箔を重合し、熱を加えず圧力のみで紫外線硬化型粘着剤に対応する箔部分を基材に転写させ、紫外線硬化方粘着剤層の印刷塗工と箔の転写をインラインで一定速度で連続に行う、熱を使用しない箔転写方法が開示されている。しかしながら、特許文献3に記載の方法は、接着剤ではなく、粘着剤による箔を転写する方法に関するものである。従って、特許文献3の段落[0022]に記載されるように、加熱は不要であるが加圧が必要であったため、やはり生産効率が悪いという問題があった。また、引用文献3に記載の方法は、箔を転写する前に、紫外線を硬化して粘着剤を硬化させている。従って、箔を載せた後、樹脂を塗工する等により箔を保護し、箔の欠落を防止する必要があった。
特開平6−183125号公報 特開2007−8037号公報 特開2002−59694号公報
本発明は上述したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、接着剤の塗工量が少なくても、保護層を設けることなく接着強度を保持することができるとともに、優れた転写再現性を有する転写箔ラベル紙を提供するとともに、製造工程を簡略化した転写箔ラベル紙の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、基材と、紫外線硬化型接着剤層と、箔とを具備する転写箔ラベル紙であって、前記紫外線硬化型接着剤層は、ウレタンアクリレート樹脂と単官能特殊アクリレート樹脂とを、重量比が40〜60重量部:60〜40重量部となるように配合し、また、光重合開始剤を3〜15重量部含有する接着剤を塗工することにより形成されており、且つ前記接着剤は、粘度が400〜3000cpsで、インキユニットで0.5〜2.0g/m 塗工されることを特徴とする転写箔ラベル紙を提供することによって達成される。
また、本発明の上記目的は、クロスカット式テープピック試験における残転写箔面積が95%以上であることを特徴とする転写箔ラベル紙を提供することによって、より効果的に達成される。
さらにまた、本発明の上記目的は、前記基材を供給する基材供給工程と、前記基材の少なくとも片面上に、前記接着剤を塗工する接着剤塗工工程と、前記接着剤の表面上に前記箔を載せる箔載置工程と、紫外線を照射して前記接着剤を硬化させて前記紫外線硬化型接着剤層を形成すると同時に、前記箔を転写する紫外線照射工程とを少なくとも有し、前記接着剤は、粘度が400〜3000cpsで、インキユニットで0.5〜2.0g/m 塗工され、及び前記接着剤の塗工スピードが20〜35m/分であり、前記各工程はこの順番に処理されることを特徴とする転写箔ラベル紙の製造方法を提供することによって、より効果的に達成される。

本発明に係る転写箔ラベル紙によれば、基材と、紫外線硬化型接着剤層と、箔とを少なくとも具備して構成し、ウレタンアクリレート樹脂と単官能特殊アクリレート樹脂とを、重量比が40〜60:60〜40となるように配合し、また、光重合開始剤を3〜15重量部含有した接着剤を塗工することによって紫外線硬化型接着剤層を形成したので、接着剤の塗工量を5g/m以下と少なくすることができる。また。接着剤の塗工量を少なくしても、保護層を設けることなく接着強度を維持することができるとともに、優れた転写再現性を有するようになる。
また、本発明に係る転写箔ラベル紙は、少なくとも基材供給工程と、接着剤塗工工程と、箔載置工程と、紫外線照射工程とを、この順番に具備することにより、紫外線を照射して接着剤を硬化させて紫外線硬化型接着剤層を形成すると同時に、箔を基材に転写することができるようになり、製造工程の簡略化を図ることができる。
本発明に係る転写箔ラベル紙の製造工程の一例を示す概略図である。
以下、本発明に係る転写箔ラベル紙及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内においてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
本発明に係る転写箔ラベル紙(以下、「本転写箔ラベル紙」という。)は、基材と、紫外線硬化型接着剤層と、箔とを具備して構成されている。
基材としては、パルプを主原料とするもの、例えば上質紙、アート紙、コート紙、片艶紙、含浸紙、板紙など公知の種々のものの中から、使用用途やニーズ等に応じて1種又は2種以上を適宜選択して用いられる。
これらの基材の原料パルプとしては、木材パルプ、あるいは非木材パルプが用いられていれば、特に限定されるものではなく、また1種又は2種以上を適宜選択して用いても良い。なお、木材パルプとしては、例えば通常用いられる針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)や、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプ、グランドパルプ(GP)、BCTMP、メカニカルパルプ(MP)等の機械パルプなどがあげられる。非木材パルプとしては、ケナフ、綿等があげられる。また、脱墨古紙パルプ(DIP)等の古紙パルプも使用できる。
また、本転写箔ラベル紙が、インモールド用のラベル紙として用いられる場合には、基材として、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のヒートシール性を有するものが用いられる。
このように、本転写箔ラベル紙は、基材を自由に選定できるため、色調や厚みなどのニーズに対応することが容易にできる。
本転写箔ラベル紙は、基材の上面に接着剤を塗工することにより紫外線硬化型接着剤層が設けられている。この紫外線硬化型接着剤層を形成する接着剤は、少なくともウレタンアクリレート樹脂と、単官能特殊アクリレート樹脂と、光重合開始剤とにより構成されている。また、ウレタンアクリレート樹脂と単官能特殊アクリレート樹脂とは、重量比が40〜60重量部:60〜40重量部となるように配合されており、光重合開始剤は3〜15重量部含有されている。
このように、ウレタンアクリレート樹脂と単官能特殊アクリレート樹脂とを、重量比が40〜60重量部:60〜40重量部となるように配合することにより、インキユニットで0.5〜2.0g/mと低塗工量で塗工しても、基材に箔を転写して接着可能な樹脂成分とすることができる。なお、ウレタンアクリレート樹脂の重量比が40重量部未満であると、箔を転写することが難しくなる。一方、60重量部を超えると、箔が紫外線硬化型接着剤層と接着はするが、密着しなくなるため、箔が基材から剥がれてしまう可能性がある。また、単官能特殊アクリレート樹脂の重量比が40重量部未満であると、箔が紫外線硬化型接着剤層と接着はするが、密着しなくなるため、箔が基材から剥がれてしまう可能性がある。一方、60重量部を超えると、箔を転写することが難しくなる。
なお、ウレタンアクリレート樹脂としては、例えばダイマー酸(DUA)とジオールとで合成されたポリエステル骨格を有するウレタンジアクリレート、ポリグリコール骨格でも、末端にヒドロアビエチルアルコールを付加させたウレタンアクリレート等を用いることができる。また、本願でいう単官能特殊アクリレート樹脂とは、官能性の単官能アクリレート及び架橋性の単官能アクリレートを言い、このような単官能特殊アクリレート樹脂としては、例えばω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー(n≒1.4)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートが用いられる。
また、接着剤には光重合開始剤が3〜15重量部含有されている。これにより、上記樹脂が配合された接着剤を紫外線により硬化させることができる。なお、光重合開始剤の含有量が3重量部未満であると、接着剤が硬化するまでに時間がかかるという問題がある。また、硬化が不十分となり、基材と箔の接着力、密着性が低下するおそれがある。一方、15重量部を超えても、接着強度と、転写再現性の向上効果は頭打ちとなり、製造コストが増大する。なお、このような光重合開始剤としては、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4モノフォリノフェニル)−ブタノン−1や、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン系等、種々のものを用いることができる。これらの中でも、α−アミノアルキルフェノン系は速乾性があり、作業性が良くなるので特に好適である。
また、接着剤の粘度は400〜3000cpsに調整されていることが好ましい。上述したように、本転写箔ラベル紙に塗工される接着剤は、無溶媒の紫外線硬化型の接着剤であり、紫外線硬化型接着剤層の上に箔を載せた後に、紫外線を照射して乾燥させて、接着剤を硬化させると同時に箔を転写させる。従って、従来のホットスタンプによる方法と比較すると熱融着工程が不要な分、環境負荷を小さくすることができるとともに、従来の箔転写方法と比較すると、箔を載せた後に、箔の欠落防止のためのラミネート加工等による保護層が不要となる。
なお、接着剤の粘度が400cps未満であると、接着剤の粘度が低すぎるため、基材の表面上に塗工することが難しくなる。また、仮に塗工することができたとしても、粘度が低いため、接着剤が広がりやすく、接着剤を塗工する予定箇所からはみ出し、箔の転写再現性が低下する。さらに、接着剤を塗工する予定箇所からはみ出してしまうことにより、本願の所望とする接着剤の塗工量(0.5〜2.0g/m)を満たすことができなくなり、箔が剥がれやすくなるおそれがある。一方、粘度が3000cpsを超えると、接着剤を基材上に塗工することはできるが、接着剤の粘度が高すぎるため、接着剤が広がり難い。従って、接着剤が点塗工になり易いため、本転写箔ラベル紙のように接着剤の塗工量を減らすと、箔を転写する部分全体に接着剤を塗工することが難しくなり、この結果、箔の接着強度が低下し、箔が基材から剥がれるという問題が生じる。
上述した接着剤は、基材の表面に、インキユニットで0.5〜2.0g/m塗工されることが好ましい。このように、本転写箔ラベル紙は、接着剤の塗工量を少なくすることができるので、硬化にかかる時間を短縮することができ、生産効率を向上させることができるとともに、製造コストを低下させることもできる。また、インキユニットで印刷することができる、すなわちオンラインで接着剤を塗工することができ、箔を転写させることができるので、製造工程を簡略化させることもできる。また、接着剤の塗工量を少なくすることにより、微細な文字や模様等も、エッジが切れることなく箔を転写させることができる。すなわち、優れた箔転写再現性を有するようになる。
なお、接着剤の塗工量が0.5g/m未満であると、接着強度が低いため、箔が基材に転写することが難しくなるとともに、転写した箔も、基材から剥がれ易くなる。一方、接着剤の塗工量が2.0g/mを超えると、硬化に時間がかかり、硬化が不完全になるため接着強度が足りず、箔が基材から剥がれることがあることに加え、接着剤が所望とする箇所(箔を転写する絵柄や図形等の形)からはみ出るため、箔の転写再現性が低下するおそれがある。
上記の接着剤を用い、0.5〜2.0g/m塗工して紫外線硬化型接着剤層が形成された本転写箔ラベル紙は、クロスカット式テープピック試験に準じて測定した残転写箔面積を95%以上とすることができる。すなわち、まず、転写箔の表面に、カッターを用いて、互いに30度の角度で交わるように一辺の長さが40mmの切り傷をX状につける。この交差する2本の切り傷の上から接着部分の長さが約50mmとなるようにセロハンテープ(登録商標)を貼り付け、セロハンテープ(登録商標)上をこすって転写箔の表面にテープを完全に付着させる。テープを付着させてから30秒後に、テープの一方の端を持って転写箔の表面に対して垂直に保ち、瞬間的に引き剥がす。その後、テープを剥がした時の転写箔のXカット部のはがれの状態、すなわち転写箔ラベル紙に残っている転写箔の面積(これを「残転写箔面積」という。)を測定したものである。残転写箔面積が95%未満であると、本願の所望とする接着強度を保持できておらず、箔が基材から剥がれ落ち易くなる。
また、本転写箔ラベル紙は、接着剤を塗工する版を網点状にすることで、従来のホットスタンプによる技術では難しかった箔のグラデーション(濃淡)を表現することもできるようになる。さらに、本転写箔ラベル紙は、箔転写後に機械設備上で印刷可能である。すなわち、印刷適正を有する転写箔材であれば、箔面にグラデーション印刷を施すことができ、これにより色付きで輝度のある濃淡を表現できる。
以上に詳述したように、基材と、紫外線硬化型接着剤層と、箔とを具備して構成される転写箔ラベル紙の紫外線硬化型接着剤層を、ウレタンアクリレート樹脂と単官能特殊アクリレート樹脂とを、重量比が40〜60重量部:60〜40重量部となるように配合し、また、光重合開始剤を3〜15重量部含有する接着剤により形成することで、接着剤をインキユニットで塗工することができ、また従来は5g/m以上必要であった接着剤の塗工量を0.5〜2.0g/mと低減することができる。また、本転写箔ラベル紙は、このように接着剤の塗工量を少なくしても、クロスカット式テープピック試験における残転写箔面積が95%以上とすることができ、優れた接着強度を有するので、ラミネート等の保護層を設ける必要がなくなることに加え、接着剤が所望とする絵柄や図形等からはみ出ることがなくなり、また優れた転写再現性を有する。
なお、上述した本転写箔ラベル紙は、予め粘着剤が加工されたタック紙、インモールドラベル用途などの単体基材を上紙とすることができる。また、箔の厚さは特に規定しないが、紫外線照射を遮断しない15μm程度が好適である。
上述した本転写箔ラベル紙は、一連の製造工程で製造することができる。図1に本転写箔ラベル紙の好適な製造方法の一例を示す。図示するように、本転写箔ラベル紙を製造する方法は、少なくとも基材1を供給する基材供給工程(図示せず)と、基材1の少なくとも片面上に、インキユニット2を用いて上述した接着剤を塗工する接着剤塗工工程と、箔繰り出し軸3にセットされた箔4を、接着剤の表面上に載置する箔載置工程と、紫外線ランプ5を用いて紫外線を照射して、接着剤を硬化させて紫外線硬化型接着剤層を形成すると同時に、箔4を基材1に転写する紫外線照射工程とを少なくとも有し、各工程がこの順番に処理される。これにより、オンマシン(オンライン)で一連の操作で行うことができる。なお、必要のない残された箔4は箔カスとして箔カス軸6に巻き取られる。また、基材供給工程と、接着剤塗工工程との間に、基材1に印刷を施す印刷工程を設けても良い。
さらに言えば、接着剤の塗工スピードは20〜35m/分であると、より好ましい。塗工スピードが20m/分未満の低速であると、特に基材1がパルプ基材、非パルプ基材である場合に、接着剤が基材1に浸透しやすくなり、本願の所望とする接着剤の塗工量に至らないため、接着強度が不足するおそれがある。なお、塗工スピードが20m/分未満の低速で接着剤を塗工する必要がある場合は、転写面積(接着剤を塗工する部分の面積)や接着強度を考慮して、接着剤の塗工量を多くする、または基材1に目止め層を設けることが好ましい。一方、接着剤の塗工スピードを35m/分を超える高速であると、紫外線の照射時間が短くなり、接着剤の硬化反応が不完全になるため、接着強度が低下するおそれがある。
このように、本転写箔ラベル紙は、一連の製造工程で、さらに製造工程を簡略化して製造することができるので、短時間で製造することが可能となり、生産効率が向上するとともに、製造コストを低減させることができる。
以下、本発明に係る転写箔ラベル紙の効果を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に対する品質を評価する試験を行った。なお、本実施例において、配合、濃度等を示す数値は、固形分又は有効成分の重量基準の数値である。また、本実施例で示す基材、薬品等は一例にすぎず、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではなく、適宜選択可能であることはいうまでもない。
本発明に係る13種類の転写箔ラベル紙(これを「実施例1」ないし「実施例13」とする。)と、これらの実施例1ないし実施例13とを比較検討するために、4種類の転写箔ラベル紙(これを「比較例1」ないし「比較例4」とする)と、1種類のホットスタンプで製造したラベル紙(これを「比較例5」とする)を、表1に示すような構成で作製した。
Figure 0005371509
<実施例1>
ウレタンアクリレート樹脂として、東亞合成株式会社製の「アロンニックスM−1210」を50重量部、単官能特殊アクリレート樹脂として、東亞合成株式会社製の「アロンニックスM−5700」を50重量部、光重合開始剤として、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製の「イルガキュア369」を5重量部配合し、温度が25℃のときに測定した粘度が1200cpsである接着剤を作製した。
また、基材として市販のタック紙(エリエールタック印刷株式会社製、商品名「SPG85S」)を用い、箔として銀色で厚さが15μmのものを用いた。
基材供給工程から供給された基材上に、接着剤塗工工程で接着剤を1g/m塗工した後、箔載置工程でこの接着剤の表面上に箔を載置し、その後、紫外線照射工程で紫外線を照射し、接着剤を硬化させて紫外線硬化型接着剤層を形成するとともに、箔を基材に転写して、転写箔ラベル紙(実施例1)を得た。
(実施例2〜13、及び比較例1〜5)
表1に示す条件以外は、実施例1と同様にして得た転写箔ラベル紙、またはホットスタンプ箔ラベル紙である。なお、比較例4は、接着剤として市販の紫外線硬化型樹脂を用い、また比較例5はホットスタンプにより製造した箔ラベル紙である。
これらの全実施例及び比較例について残転写箔面積等の品質評価を行った結果は表1に示すとおりであった。なお、これらの評価試験はJIS−P8111に準拠して温度23±1℃、湿度50±2%の環境条件の下で行った。
表1中の「残転写箔面積(%)」とは、転写箔の基材からの剥がれ易さを評価したもので、その評価方法は以下の通りである。すなわち、まず、各試料の転写箔の表面に、カッターを用いて、互いに30度の角度で交わるように一辺の長さが40mmの切り傷をX状につける。この交差する2本の切り傷の上から接着部分の長さが約50mmとなるようにセロハンテープ(登録商標)を貼り付け、セロハンテープ(登録商標)上をこすって転写箔の表面にテープを完全に付着させる。テープを付着させてから30秒後に、テープの一方の端を持って転写箔の表面に対して垂直に保ち、瞬間的に引き剥がす。その後、テープを剥がした時の転写箔のXカット部のはがれの状態、すなわち各試料である転写箔ラベル紙に残っている転写箔の面積を測定したものである。
また、「耐摩擦性」とは、箔の基材からの剥がれ易さを評価したもので、基材に転写された転写箔の表面を硬貨で3往復(3kg荷重)擦った際の擦り跡における箔の欠落を20人が目視評価したものである。なお、その評価基準は下記の通りとした。
◎:20人全員が擦り跡に箔の欠落がないとした。
○:18〜19人が擦り跡に箔の欠落がないとしたが、1〜2人は擦り跡の一部の箔が欠落しているとした。
△:15〜17人は擦り跡に箔の欠落がないとしたが、2〜5人は擦り跡の一部の箔が欠落しているとした。
×:6人以上が擦り跡に箔が欠落しているとした。
「はみ出し」とは、転写箔の再現性を評価したもので、各試料に塗工された接着剤が潰れて転写箔がはみ出していないかを20人が目視評価したものである。なお、その評価基準は下記の通りとした。
◎:20人全員が肉眼、拡大鏡で見て、転写箔がはみ出していないとした。
○:18〜19人が肉眼、拡大鏡で見て、転写箔のはみ出しはないが、1〜2人は拡大鏡で見るとはみ出しがあるとした。
△:15〜17人が肉眼、拡大鏡で見て、転写箔のはみ出しはないが、3〜5人は拡大鏡で見るとはみ出しがあるとした。
×:6人以上が肉眼で見える転写箔のはみ出しがあるとした。
「白抜け」とは、各試料の転写箔の白抜けを20人が目視評価したもので、その評価基準は下記の通りとした。
◎:20人全員が肉眼、拡大鏡で見て、転写箔の抜けがなく、基材が見えないとした。
○:18〜19人が肉眼、拡大鏡で見て、転写箔の抜けはないとしたが、1〜2人は拡大鏡で見ると転写箔の抜けがあるとした。
△:15〜17人が肉眼、拡大鏡で見て、転写箔の抜けはないとしたが、3〜5人は拡大鏡で見ると転写箔の抜けがあるとした。
×:6人以上が肉眼でも見える転写箔の抜けがあり、基材が見えるとした。
さらにまた、「ひび割れ」とは、各試料である転写箔ラベル紙を、箔が転写された面が内側となるように二つ折りに折り畳んで開いた後、折り目にできたひび割れを20人が目視評価したもので、その評価基準は下記の通りとした。
◎:20人全員が肉眼、拡大鏡で見て、折り目にひび割れが発生していないとした。
○:18〜19人が肉眼、拡大鏡で見て、ひび割れはないとしたが、1〜2人は拡大鏡で見るとひび割れがあるとした。
△:15〜17人が肉眼、拡大鏡で見て、ひび割れはないとしたが、3〜5人は拡大鏡で見るとひび割れがあるとした。
×:6人以上が肉眼でも分かるひび割れが発生しているとした。
表1から、本発明に係る転写箔ラベル紙、すなわち実施例1〜実施例13に係るラベル紙であると、接着剤の塗工量が少なくても、保護層を設けることなく接着強度を保持し、基材から箔が剥がれ落ちることがないとともに、優れた転写再現性を有することが分かる。
1 基材
2 インキユニット
3 箔繰り出し軸
4 箔
5 紫外線ランプ
6 箔カス軸

Claims (3)

  1. 基材と、紫外線硬化型接着剤層と、箔とを具備する転写箔ラベル紙であって、
    前記紫外線硬化型接着剤層は、ウレタンアクリレート樹脂と単官能特殊アクリレート樹脂とを、重量比が40〜60重量部:60〜40重量部となるように配合し、また、光重合開始剤を3〜15重量部含有する接着剤を塗工することにより形成されており、且つ前記接着剤は、粘度が400〜3000cpsで、インキユニットで0.5〜2.0g/m 塗工されることを特徴とする転写箔ラベル紙。
  2. クロスカット式テープピック試験における残転写箔面積が95%以上であることを特徴
    とする請求項1に記載の転写箔ラベル紙。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の転写箔ラベル紙の製造方法であって、
    前記基材を供給する基材供給工程と、
    前記基材の少なくとも片面上に、前記接着剤を塗工する接着剤塗工工程と、
    前記接着剤の表面上に前記箔を載せる箔載置工程と、
    紫外線を照射して前記接着剤を硬化させて前記紫外線硬化型接着剤層を形成すると同時に、前記箔を転写する紫外線照射工程とを少なくとも有し、
    前記接着剤は、粘度が400〜3000cpsで、インキユニットで0.5〜2.0g/m 塗工され、及び前記接着剤の塗工スピードが20〜35m/分であり、
    前記各工程はこの順番に処理されることを特徴とする転写箔ラベル紙の製造方法。
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