JP5369739B2 - 通信制御プログラム、通信制御装置及びナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
なお、以下の説明では、ナビゲーション装置1と通信を行う対象を車両として説明を行うが、実際には車両に搭載された通信端末が対象となる。
無線通信部20は、制御部50からの指示に従い、制御部50から受け取った信号を変調し、アンテナ10を介して宛先となる通信端末や路側通信装置へと送信する。また、無線通信部20は、アンテナ10を介して受信した信号を復調し、制御部50へと出力する。
また、制御部50は、走行中に周辺車両や路側通信装置と無線通信を行って、周辺車両の位置情報や速度情報を取得する。例えば、路側通信装置は、周辺車両と無線通信を行って、周辺車両の位置情報や速度情報を収集する。路側通信装置は、収集した情報を各周辺車両に通知する。制御部50は、取得した周辺車両の位置や速度を、ディスプレイ70に表示したり、スピーカ80から音声出力し、ドライバに通知する。ドライバは、ディスプレイ70を参照したり音声案内を聞くことで、周辺車両の位置を認識し、車両を走行させることができる。なお、制御部50の処理の詳細については後述する。
制御部50は、位置情報、速度情報取得部521と、車両位置特定部522と、速度ベクトル算出部523と、通信対象車両特定部524と、送信電力決定部525とを備える。
車両位置特定部522は、GPS信号や地図データに基づいて自車両の現在位置を特定する。また、光ビーコンや電波ビーコン等の路側通信装置から通信装置の位置情報を取得できた場合には、GPS信号に基づいて算出した位置情報を、通信装置から取得した位置情報に基づいて補正する。
また、車両位置特定部522は、路車間通信により路側通信装置から取得した位置情報に基づいて各周辺車両の現在位置を特定する。又、車両位置特定部522は、車車間通信により周辺車両から直接取得した位置情報を用いて周辺車両の現在位置を特定してもよい。車両位置特定部522は、特定した自車両や周辺車両の位置情報をRAM53に記録する。
速度ベクトル算出部523は、まず、車両位置特定部522で複数回算出した自車両の位置情報から自車両の速度ベクトルの方向を求める。車両位置特定部522は、所定時間ごとに自車両の位置情報を算出しているので、速度ベクトル算出部523は、所定時間ごとに算出される自車両の位置情報の差を求めることで、速度ベクトルの方向を算出する。また、速度ベクトルの大きさは、位置情報、速度情報取得部521で車速センサ2から取得した車速情報(速度情報)の示す速さが速度ベクトルの大きさとなる。また、速度ベクトル算出部523は、自車両と同様に各周辺車両の速度ベクトルの方向と大きさを求める。また、速度ベクトルはGPS信号に基づいて決定しても良い。
通信対象車両特定部524は、まず、自車両の速度ベクトルと各周辺車両の速度ベクトルとに基づいて、車両の進行方向が自車両と同一方向にある周辺車両が存在するか否かを判定する。通信対象車両特定部524は、自車両の速度ベクトルと周辺車両の速度ベクトルとのなす角度を計算して、計算した角度が、例えば、10°よりも小さい周辺車両を検出する。図4を参照しながら、通信対象車両特定部524の処理について具体的に説明する。図4には、自車両の位置情報(O(X0,Y0))及び速度ベクトルv0(ベクトル量)と、周辺車両の位置情報Pk(Xk,Yk)及び速度ベクトルvk(ベクトル量)とを示す。なお、kは周辺車両を特定する変数であって、任意の自然数である。
通信対象車両特定部524は、速度ベクトル算出部523で速度ベクトルを算出した周辺車両ごとに以下に示す式(1)を計算し、車両の進行方向が自車両と同一方向にある周辺車両が存在するか否かを判定する。なお、GPS情報等により、速度ベクトルの方向を角度として取得出来る場合は、式(1)の左辺を角度差の絶対値としても良い。
通信対象車両特定部524は、進行方向が自車両と同一方向にある周辺車両について以下に示す式(2)を計算し、式(2)を満たす周辺車両が存在するか否かを判定する。
次に、通信対象車両特定部524は、自車両に最も近い周辺車両を自車両の前方及び後方でそれぞれ求めると、これらの周辺車両のうち自車両から遠く離れたほうの周辺車両を特定する。特定した周辺車両を車車間通信の送信電力を設定する対象車両(以下、ターケット車両と呼ぶ)に設定する。
制御部50内のRAM53には、図6に示すテーブルが記録されており、送信電力決定部525は、図6に示すテーブルを参照して送信電力を決定する。図6に示すテーブルには、送信電力の距離に応じた減衰量が記録されている。送信電力決定部525は、ターゲット車両までの距離に基づいて送信電力の減衰量を求める。送信電力決定部525は、求めた送信電力の減衰量を最大送信電力から減算した値を送信電力に設定する。送信電力決定部525で決定した送信電力は、入出力インターフェース54を介して無線通信部20に通知される。
また、図5(B)や図5(C)に示すような自車両のいずれか一方の側にだけ周辺車両が存在する場合や、図5(D)に示すように自車両の前方、後方いずれにも周辺車両が存在しない場合には、送信電力の制限は行わない。この場合、制御部50は、車車間通信の送信電力を最大送信電力に設定し、自車両の位置情報等を自車両周辺に送信する。また、自車両の前後に周辺車両が存在する場合であって、自車両から遠いほうの周辺車両と自車両との距離が所定距離よりも離れている場合には、制御部50は、送信電力の制限は行わず、最大送信電力に設定する。送信電力を低く設定して通信を行っていると、周辺車両が自車両からの電波を受信できる範囲が狭くなる。例えば、図5(B)に示す自車両の前方にだけ周辺車両が存在した場合、前方の周辺車両は、自車両からの無線電波を継続して受信できているが、自車両に後方から近づいて来る周辺車両は、自車両に接近しなければ電波を受信できない。従って、後方車両のドライバは、自車両の認識に遅れが出ることになる。
制御部50は、電源オンで起動すると(ステップS1)、まず、GPS衛星から送信され、GPS情報受信部40で受信したGPS信号を複数回入力する(ステップS2)。また、制御部50は、車速センサ2で測定された自車両の車速情報(速度情報)を複数回入力する(ステップS2)。次に、制御部50は、車車間通信や路車間通信により通知自車両の周辺に存在する周辺車両の位置情報と速度情報とを複数回入力する(ステップS3)。
また、速度が1km/h以下の周辺車両が存在する場合には(ステップS8/YES)、制御部50は、この周辺車両の速度ベクトルの前回値がRAM53に保存されているか否かを判定する(ステップS9)。速度ベクトルの前回値がRAM53に保存されている場合には(ステップS9/YES)、制御部50は、RAM53に保存された速度ベクトルの前回値を、ステップS8で検出した周辺車両の速度ベクトルに設定する(ステップS10)。ステップS8で検出した車両の速度ベクトルは、0km/h判定の閾値である、1km/hに設定しても良い。また、速度ベクトルの前回値がRAM53に保存されていない場合には(ステップS9/NO)、ステップS8で検出した周辺車両の速度ベクトルを無効に設定する(ステップS11)。すなわち、制御部50は、進行方向が特定出来ない周辺車両を車車間通信の対象車両から除外する。
自車両の前方と後方にそれぞれ1台以上の周辺車両が存在すると判定した場合(ステップS13/YES)、制御部50は、自車両の前方と後方とに位置する周辺車両のそれぞれについて、自車両と最も距離の近い周辺車両を特定する(ステップS15)。制御部50は、ステップS2で取得した自車両の位置情報と、ステップS3で取得した周辺車両の位置情報とから自車両と最も距離の近い周辺車両を自車両の前方と後方でそれぞれ求める。
[変形例1]
これ以外に、例えば、図9に示すように自車両の現在位置に基づいて、前後左右の所定範囲を検出エリアとして設定し、この検出エリア内に周辺車両が存在するか否かを判定してもよい。
制御部50は、自車両の現在位置をGPS信号等を用いて特定すると、特定した現在位置に基づいて検出エリアを設定する。例えば、現在位置に、所定値を加算又は減算して、図9に示す検出エリアの4隅となるP、Q、R、Sの座標を特定し、検出エリアを特定する。次に、制御部50は、この検出エリア内に周辺車両が存在するか否かを周辺車両の位置情報から特定する。周辺車両が検出エリア内に存在すると判定すると、制御部50は、上述した式(2)を使用して、自車両の前方と後方にそれぞれ1台以上の周辺車両が存在するか否かを判定する。
このような処理方法であっても、自車両の前方と後方に周辺車両が1台以上存在するか否かを精度よく特定することができる。
[変形例2]
これ以外に、自車両の前後に周辺車両が存在する場合であって、自車両と周辺車両との距離が所定値(例えば、10m)以下に近づいた場合には、車車間通信による無線通信を行わないように設定してもよい。例えば、自車両の前後両方の周辺車両との距離が所定値(例えば、10m)以下に近づいた場合には、車車間通信による無線通信を行わない。なお、自車両と周辺車両との距離は、自車両又は周辺車両の速度情報に基づいて変更可能である。例えば、自車両に近づいてくる周辺車両の速度が30km/hよりも小さくなった場合には、自車両と周辺車両との距離が10m以下で車車間通信を中止する。また、周辺車両の速度が30〜45km/hであった場合には、自車両と周辺車両との距離が30m以下で車車間通信を中止する。
[変形例3]
[変形例4]
[変形例5]
このような制御を行うことで、道幅に応じて最適な制御を行うことができる。
2 車速センサ
10、30 アンテナ
20 無線通信部
40 GPS情報受信部
50 制御部
60 記憶部
70 ディスプレイ
80 スピーカ
90 操作部
Claims (6)
- 移動体に搭載された、車車間通信に利用可能な通信機の通信制御プログラムであって、
コンピュータに、
自通信機の位置情報と速度情報とを取得するステップと、
他の通信機から、該他の通信機の位置情報と速度情報とを取得するステップと、
取得した前記位置情報と前記速度情報とに基づいて、前記自通信機と前記他の通信機との移動方向と速さとを示す速度ベクトルをそれぞれ算出するステップと、
速度ベクトルの向きが、前記自通信機の速度ベクトルの向きと所定範囲内で同一方向にある他の通信機のうち、前記自通信機を搭載した自移動体の進行方向前方で一番近い第1の通信機と、前記自移動体の進行方向後方で一番近い第2の通信機とを特定するステップと、
前記自通信機の位置情報と、前記第1の通信機と前記第2の通信機との位置情報とに基づいて、前記第1の通信機と前記第2の通信機のうち前記自通信機からの距離が遠いほうの通信機を特定するステップと、
特定した距離が遠いほうの通信機と前記自通信機との距離に基づいて、車車間通信に使用する送信電力を決定するステップと、を実行させ、
前記送信電力は、前記特定した通信機と前記自通信機との距離に応じて連続的に変化する電力である通信制御プログラム。 - 前記自通信機と、前記特定した距離が遠いほうの通信機との距離が所定距離よりも離れている場合に、前記送信電力を所定の値に設定するステップを有する請求項1記載の通信制御プログラム。
- 前記第1の通信機と前記第2の通信機とが特定され、前記自移動体の前後に他の移動体が存在する場合には、前記第2の通信機を搭載した他の移動体の速度と、前記他の移動体との距離に応じて、前記車車間通信を停止することを特徴とする請求項1記載の通信制御プログラム。
- 前記自通信機の位置情報と、地図データを記憶した記憶手段から取得した前記地図データとに基づいて、前記自移動体が移動中の道路幅を判定するステップと、
前記自移動体の速度ベクトルと、前記他の通信機の速度ベクトルとのなす角度により、前記自通信機と前記他の通信機とが同一の方向に移動しているか否かを判定するステップと、
前記判定した道路幅に応じて、同一の方向に移動していると判定される前記なす角度を変更するステップと、
を有することを特徴とする請求項1記載の通信制御プログラム。 - 移動体に搭載された、車車間通信に利用可能な通信機の通信制御装置であって、
自通信機の位置情報と速度情報とを取得する第1取得手段と、
他の通信機から、該他の通信機の位置情報と速度情報とを取得する第2取得手段と、
取得した前記位置情報と前記速度情報とに基づいて、前記自通信機と前記他の通信機との移動方向と速さと示す速度ベクトルをそれぞれ算出する算出手段と、
速度ベクトルの向きが、前記自通信機の速度ベクトルの向きと所定範囲内で同一方向にある他の通信機のうち、前記自通信機を搭載した自移動体の進行方向前方で一番近い第1の通信機と、前記自移動体の進行方向後方で一番近い第2の通信機とを特定する第1特定手段と、
前記自通信機の位置情報と、前記第1の通信機と前記第2の通信機との位置情報とに基づいて、前記第1の通信機と前記第2の通信機のうち前記自通信機からの距離が遠いほうの通信機を特定する第2特定手段と、
特定した距離が遠いほうの通信機と前記自通信機との距離に基づいて、車車間通信に使用する送信電力を決定する送信電力決定手段とを備え、
前記送信電力は、前記特定した通信機と前記自通信機との距離に応じて連続的に変化する電力である通信制御装置。 - 請求項5記載の通信制御装置を備えたナビゲーション装置。
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