JP5368891B2 - 滑り止め機能付きラッシェルレース編地及びその製造方法 - Google Patents
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Description
多様な柄と伸縮性を有し、薄手で透過効果があり、装飾性と機能性を併せ持つ素材として多用されている。
ところが、このような細くて強い合成繊維糸を用いることで、見た目に美しいすっきりとした編地は得られるものの肌との馴染みがなく滑りやすく、下着として使用した場合、ずり落ちなどの滑り現象が生じやすい問題があった。
滑り現象の少ないラッシェルレース編地を得るための策としては、例えば、特許文献1が提案されている。
この提案では主にストッキングのずり落ち防止策として、編地の肌に触れる側にパイル状にポリウレタン糸を突出させて、この突出したポリウレタン糸の摩擦力によりずり落ち防止機能を得ている。
しかし、このポリウレタン糸は、基布に編み込まれることなく単に挿入糸として挿入保持されているのみであり、編地組織に係止されていない。
そのため抜け出し易く、洗濯等により摩擦力を受けると糸がズルズルと大きく引き出されて弛み易い。
着用する際にも、指爪に引っ掛かってパイルの形状が乱雑になり、極端には使用に耐えなくなる。
また滑り落ち防止効果を低下させることとなる。
この伸縮性を有する柄入りラッシェルレース編地Rは、図5(A)と図5(B)(図5(B)は地組織部G「グランド部ともいう」の拡大説明図であり、理解を容易にするために地連結糸C3と弾性糸C4の一部を太線で示している)の説明図に示すように、一定の間隔をもって配された地鎖編C1とこれらを多様に連結する地連結糸C3とで構成される地組織部Gと、この地組織部G上に形成される柄部Pと、地鎖編C1に挿入保持される弾性糸C4とで構成されている。
この地鎖編C1の素材としては主に合繊長繊維やその加工糸が用いられることが多く、肌に対しては滑りやすい素材である。
地鎖編C1に綿などの紡績糸を用いる場合もあるが、滑り現象の解決策とはなりえない。
本発明は、従来のラッシェルレース編地が有していた上記のごとき問題点を解決するためになされたものであり、見た目に美しいレース地の特性や使い心地を消失することなく、極めて効果的な滑り止め機能を有する滑り止め機能付きラッシェルレース編地RVを提供することを目的とする。
このようにして得られる滑り止め機能付きラッシェルレース編地RVは、編地の美観、特性を維持しつつ、同時に滑り止め機能を確実に得ている。
加えて滑り止めニードルループN2はすべてのニードルループN1を覆うのではなく、適宜の間隔をもって配置されている場合には、一層、厚みの増加もなく、その薄さや透過効果等の繊細な外観を阻害しない。
また滑り止め効果の低下も生じない。
同時に、編地自体の伸縮性をも阻害しない。
また、滑り止めニードルループN2は、略半リング状の形態であるので滑り防止機能はいずれの方向にも同様な効果が発揮される。
また滑り止め機能糸T1を一定の伸張状態に保ち、これに可溶性糸をカバーリングし、可溶性糸の溶解除去後に前記滑り止め機能糸の伸張状態で編地裏面に突出させる場合は、伸張度を変えることにより、滑り止めニードルループN2の大きさや柔軟性を自在に調節することができ、滑り止め効果の調整が可能となる。
本発明の実施に使用されるラッシェルレース機は、図2の断面説明図に示すように編機前方から後方に向けて第1群から第5群のオサを擁する。
具体的には、第1群地オサL1、第2群地オサL2、第3群ジャカードオサL3、第4群柄用多枚オサL4、第5群弾性糸用オサL5の5群のオサである。
オサはオサに通した編成糸を制御して編地を形成する機能を有する。
第4群柄用多枚オサL4により柄糸P2と縁取り糸P1を地鎖編C1に挿入保持して柄部Pを形成し、第5群弾性糸用オサL5で弾性糸C4を地鎖編C1に挿入保持して伸縮性を付与する。
このように構成される従来の伸縮性を有する柄入りラッシェルレース編地Rに、第2群地オサL2によって滑り止め組織部C2が編み込まれ、滑り止め機能付きラッシェルレース編地RVが形成される。
同時に、滑り止め組織部C2が地鎖編C1に編込まれて、地鎖編C1のニードルループN1を滑り止め組織部C2の滑り止めニードルループN2が覆うように2重ループ構造Dが形成される。
なおニードルループとシンカーループは、編成された糸の形態をいう。
ここにいう所要の間隔とは、1コースから5コース程度の間隔をいうが必要に応じて適宜変化させ得るもので、このコース数は限定されない。
図1(A)の実体模式図、図1(B)の断面模式図では、滑り止め組織部C2が、地鎖編C1の3コース(1,2,3)をあけて、つまり3コース飛び(図3の組織図におけるC23)を示している。
つまり、本実施の形態における3コース飛びの場合、図1(A)の実体模式図において、連結部S2は小さな二つの連結部S21、S22となり浮かび上がりが小さくなる。
これを次の繰り返しでも同様に行うことで連結部S2の浮上がり回避される。
飛び数が大きい場合には、挿入保持数を増やすこととなる。
必要に応じてはすべてのシンカーループS1に挿入保持することも当然可能である。
3コース飛びの滑り止め組織部C2が編み込まれた滑り止め機能付きラッシェルレース編地RVの編地裏面Bは図4(A)に示すように滑り止めニードルループN2は3コース飛びに横一列に配される。
ここで、編地の使用箇所等に応じて滑り止めニードルループN2の分布箇所、分布密度は変えて良く、必要に応じては編地裏全面に配することもあり得る。
本発明の滑り止め機能付きラッシェルレース編地RVにおける滑り止めニードルループN2は、最終的にはポリウレタン糸のような柔軟で伸縮自在の滑り止め機能糸を使って形成された状態となっている。
しかし、本編地を編成する時点では、滑り止め機能糸が直接編み込まれるのではなく、滑り止め機能糸に水溶性ビニロンのような可溶性糸を巻き付けた水溶性滑り止め機能カバーリング糸Tの形態で編み込まれる。
尚、本発明における滑り止めニードルループN2については、滑り止め機能カバーリング糸Tの形態で編み込まれて形成されたものも、その後、可溶性糸T2を除去して滑り止め機能糸のみとなったものもいずれも滑り止めニードルループN2と言うこととする。
何故なら、編成原理上、編目を形成するためには既に形成されている編目から新しい編目を引き出す必要があるが、伸縮性を有する糸が弛緩した状態では、微少の負荷で伸びてしまい編目の引き出しが困難となるからである。
しかし、このように負荷をかけて編成された場合、伸縮性を有する糸は編成後、収縮してしまって編地に食い込むような現象が生じる。
これでは、滑り止め組織部C2の滑り止めニードルループN2は、地鎖編C1のニードルループN1を覆うことができず、滑り防止機能は発揮されることはない。
この滑り止め機能カバーリング糸Tは、図1(C)に示すように、滑り止め機能糸T1と可溶性糸T2で構成され、滑り止め機能糸T1には柔軟で伸縮自在、しかも滑り止め効果を有する素材、例えばポリウレタン糸が用いられる。
また可溶性糸T2には、常温では一定の強度を有し、処理により溶解除去が可能な素材、例えば水溶性ビニロン糸が用いられる。
滑り止め機能カバーリング糸Tの形態で編成(糸で編地を編むこと)すれば、ポリウレタン糸のような滑り止め機能糸T1の伸びは可溶性糸T2である水溶性ビニロン糸T2の存在により阻止され、通常の編成糸と同様に編成することができる。
そのため、この滑り止め機能糸T1が地鎖編C1のニードルループN1の表面を覆い、いわばその滑り止めニードルループN2が編地裏面B側に突出した形態となる。
伸縮性を有する柄入りラッシェルレース編地を例えば下着に使用する場合には、編地裏面B側を内側に使用するので、使用者の肌には本編地における突出した滑り止めニードルループN2の表面が接することとなり滑り防止機能を発揮する。
なお、地組織部Gの地鎖編C1に挿入保持された弾性糸C4が縮むことにより、ニードルループN2がより突出して撓むため滑り防止機能がより向上する。
この場合、滑り止め機能糸をいわゆる芯糸という。
そのため、滑り止め機能カバーリング糸Tに張力を加えても可溶性糸が抵抗して支えるため滑り止め機能糸(ポリウレタン糸)T1は伸張することはなく、編成の際は、そのままの状態で編み込まれていく。
編み終わった後は、例えば、水に浸漬すること等によりカバー糸T2が除去されて滑り止めニードルループN2は定常状態にある滑り止め機能糸(ポリウレタン糸)T1のみとなる。
その結果、滑り止め機能糸が縮むようなことがなくニードルループN1を覆うこととなる。
つまり、前記カバーリング形成加工時に設定された滑り止め機能糸(ポリウレタン糸)T1の定常状態が、すなわち編成後の滑り止めニードルループN2の状態そのものとなる。
すなわち滑り止め機能糸T1を芯糸として、該滑り止め機能糸T1を一定の伸張状態に保ち、これに可溶性糸をカバーリングする。
これで滑り止め機能糸T1は伸張状態に固定される。
その後、可溶性糸を溶解除去して前記滑り止め機能糸T1の伸張状態で編地裏面に突出させる。
そして、滑り止め機能糸の0〜5%程度の伸張状態の範囲では、ニードルループN2が突出して滑り止め効果を発揮すること、そして伸張状態が小さい程、溶解後はニードルループN2が突出し易く滑り止め効果が大きいことが実験から分かっている。
滑り止め機能糸の伸張度を変えることにより、滑り止めニードルループN2の大きさや柔軟性を自在に調節することができ、滑り止め効果の調整が可能となるのである。
この滑り止め効果の調整ができることは、ラッシェルレース編地の製造方法としては極めて有用であることが理解されよう。
何故ならば、ラッシェルレース編地においては、使用対象によって期待する滑り止め効果の度合いが異なっており、これに的確に対応することができるからである。
ここで伸張度は、負荷を与えない無伸張状態での滑り止め機能糸(ポリウレタン糸)T1に比して伸びた度合いをいう。
なお、先述した定常状態とは負荷を与えない無伸張状態をいう。
滑り止め機能カバーリング糸Tにおいて芯糸となる滑り止め機能糸(ポリウレタン糸)T1が例えば3%の伸張状態であれば、滑り止め機能付きラッシェルレース編地RVのカバーリングされた可溶性糸(水溶性ビニロン糸)T2を除去した後の滑り止め機能糸(ポリウレタン糸)T1の伸張状態も3%に近い値が得られる。
滑り止め機能糸T1にはポリウレタン糸(マルチフィラメント)を用いるが摩擦性の観点から、78dtex〜310dtexの範囲の太さが適度である。
中でも155dtex〜235dtexの範囲が最適である。
可溶性糸T2には水溶性ビニロン糸を用いるが31dtex〜75dtexの範囲の太さが適度である。
中でも31dtex〜44dtexの範囲が最適である。
本実施の形態では、後者を採用し、図1(C)に示すように、1本の滑り止め機能糸に2本の可溶性糸T21、T22をダブルカバーリングした滑り止め機能カバーリング糸Tを用いている。
この場合は、下糸として可溶性糸T21をカバーリングし、その上に上糸として可溶性糸T22をカバーリングする。
また下糸と上糸とは撚り方向が逆の方が好ましい。
中でも下撚り数は600t/m近傍、上撚り数は450t/m近傍が最適である。
この時、上寄り数は下撚り数を超えないことが望ましい。
このカバーリング撚り数は、上記の範囲が好ましいが、可溶性糸T2の太さ等の諸条件によって決定されるもので、場合によっては上記の範囲に入らないこともある。
本実施の形態ではダブルカバーリングを採用しているがシングルカバーリングの場合には上記の下撚り数の範囲を適用する。
図1(A)の実体模式図、図1(B)の断面模式図では、滑り止め組織部C2が、地鎖編C1の3コース(1,2,3)をあけて、つまり3コース飛びの実施の形態を示している。
そして、所要の間隔をもって形成される滑り止めニードルループN2を連結する連結部S2は、その間にある地鎖編C1のニードルループN1の内、ほぼ中間部に位置するニードルループN1のシンカーループS1に挿入保持される(これらの組織図は図3のC23として示す)。
間隔が大きい時には挿入保持数を増やすこととなる。
必要に応じてすべてのシンカーループS1に挿入保持することも可能である。
挿入保持することで連結部S2の編地表面への浮遊を防止できる。
これらの種類には、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アセテート、レーヨン、綿、絹などが挙げられる。
また、上述したように、滑り止め機能カバーリング糸Tの素材に関しては、好ましくは、芯糸となる滑り止め機能糸としてポリウレタン糸、該ポリウレタン糸にカバーリングする可溶性糸として水溶性ビニロンがあげられる。
滑り止め機能糸としては染色可能であることが重要である。
地鎖編C1と同色に染色可能でなければ、滑り止め機能糸が目立ち、製品として美観上問題となるからである。
本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1においてはラッシェル機として、カール・マイヤー製の超多枚オサラッシェル機(24ゲージ)を使用した。オサの設定は前記最良の実施形態と同様にして編成した。
グランドGの地鎖編C1にナイロンフィラメント糸(33dtex)、地連結糸C3にナイロンフィラメント糸(44dtex)、柄部Pの縁取り糸P1にナイロンウーリー糸(310dtex)、柄糸P2にナイロンウーリー糸(122dtex)とレーヨンフィラメント糸(167dtex)を用いた。
弾性糸C4としてポリウレタン糸(235dtex)を用いた。
尚、これらの糸はマルチフィラメントを使った。
以上の各糸を使って伸縮性を有する柄入りラッシェルレース編地Rを形成し、これに滑り止め機能カバーリング糸Tを滑り止め組織部C2として編み込み、滑り止め機能付きラッシェルレース編地RVが形成される。
そして、図4(A)の編地裏面説明図に示すように滑り止め組織部C2を地鎖編C1すべてのウエールに編み込むのではなく1ウエール間隔とした。
つまり、ウエールW1をあけてウエールW2に編み込んだ。
この結果、図4(A)の編地裏面説明図に示すように、編地裏面Bの滑り止めニードルループN2の配列は、2個のニードルループN1を挟んで横一列に、しかも1ウエール間隔に配された状態となる。
水溶性ビニロンT2として下糸T21と上糸T22の2本を用いてダブルカバーリングする。
下撚り数は600t/mとする。
上撚り数は450t/mとする。
そして、ポリウレタン糸T1は、5%の伸張状態でカバーリングする。
本実施例では、他の設定は実施例1と同様として、滑り止め組織部C2を図3の組織説明図にC23として示すように3コース飛びとし、これを図4(C)に示すようにウエールごとに2コースずらすこととする。
このようにすることで編地裏面Bの滑り止めニードルループN2の配列は、図4(D)の編地裏面説明図に示すように千鳥状の配列となり、滑り止めニードルループN2は、より均一に分散され目立たない分布となる。
本実施例では、他の設定は実施例1と同様として、滑り止め組織部C2を、図3の組織説明図にC24として示すように、滑り止めニードルループN2を2個連続して形成(図3では理解を助けるために滑り止めニードルループN2の箇所を矢印で示す)した滑り止めニードルループ群N3とする。
そして、この滑り止めニードルループ群N3を地鎖編C1の2コースをあけて、つまり2コース飛びで繰り返し形成する。
このようにすれば図4(E)の編地裏面説明図に示すように、滑り止めニードルループ群N3の配列は、2個のニードルループN1を挟んで横一列に配された状態となる。
このことでより強固な滑り防止機能が発揮される。
本実施例では、他の設定は実施例1と同様として、滑り止め組織部C2を、図3の組織説明図にC25として示すように、滑り止めニードルループN2を4個連続して形成した滑り止めニードルループ群N3として、これを4コース飛びで繰り返し形成する。
そして、これをウエールごとに4コースずらすこととする。
このようにすることで編地裏面Bの滑り止めニードルループ群N3は、図4(F)の編地裏面説明図に示すように縦長の滑り止めニードルループ群NLが千鳥状に配列され、更に強固な滑り防止機能を発揮する。
例えば、第1群地オサL1から第5群弾性糸用オサL5に他のオサ群を付加させて編地に変化を付与すること、或いはそれぞれのオサ群内においてオサを増加させること等は当然可能であるし、第2群地オサL2のオサを増加させて、滑り止めニードルループN2の連続数や飛び数、そしてその配置、糸使いに変化を持たせることも可能である。
更には、滑り止め組織部C2をデンビー組織やコード組織のように他のウエールにまたがって形成される組織とすることも当然可能である。
また、滑り止め機能カバーリング糸Tを編み込んだ後、可溶性糸T2を除去した状態での滑り止めニードルループN2は、図1(B)の断面模式図に示すように地鎖編C1のニードルループN1とで二重ループ構造を形成するが、この重ループ構造は、必ずしも滑り止めニードルループN2がニードルループN1より離れて突出した状態のみならず、極力接近した状態であることも含む。
また、本発明で使用する各糸は、通常マルチフィラメンが使用される。
C1…地鎖編
C2…滑り止め組織部
C21…滑り止め組織部の組織
C22…滑り止め組織部の組織
C23…滑り止め組織部の組織
C24…滑り止め組織部の組織
C25…滑り止め組織部の組織
C3…地連結糸
C4…弾性糸
F…編地表面
G…地組織部(グランド部)
L1…第1群地オサ
L2…第2群地オサ
L3…第3群ジャカードオサ
L4…第4群柄用多枚オサ
L5…第5群弾性糸用オサ
N1…ニードルループ
N2…滑り止めニードルループ
N3…滑り止めニードルループ群
P…柄部
P1…縁取り糸
P2…柄糸
R…伸縮性を有する柄入りラッシェルレース編地
RV…滑り止め機能付きラッシェルレース編地
S1…シンカーループ
S2…連結部
S21…連結部
S22…連結部
T…滑り止め機能カバーリング糸
T1…滑り止め機能糸(ポリウレタン糸)
T2…可溶性糸(水溶性ビニロン)
T21…下糸
T22…上糸
D…2重ループ構造
W1…ウエール
W2…ウエール
Claims (9)
- 滑り止め機能カバーリング糸を、一定の間隔に配列された地鎖編とこれらの地鎖編を連結する地連結糸と地鎖編に挿入保持される弾性糸で形成される地組織部、の地鎖編に、滑り止めニードルループと該滑り止めニードルループを互いに連結する連結部とで構成される滑り止め組織部として、滑り止めニードルループが地鎖編のニードルループを覆うように2重ループ構造に編み込んでなり、前記滑り止め機能カバーリング糸が、柔軟で伸縮自在の滑り止め機能糸に可溶性糸をカバーリングして得られた糸であり、該可溶性糸のみが溶解除去された状態で滑り止め機能糸が編地裏面に突出していることを特徴とする滑り止め機能付きラッシェルレース編地。
- 滑り止め組織部の滑り止めニードルループが所定の間隔をもって地組織部に編み込まれ、同時に滑り止めニードルループを互いに連結する連結部が、前記間隔内にある地鎖編のニードルループの内、適宜選択されたニードルループのシンカーループに挿入保持されていることを特徴とする請求項1記載の滑り止め機能付きラッシェルレース編地。
- 一定の間隔に配列された地鎖編の内、すべての、又は選択されたウエールの地鎖編に滑り止め組織部が編み込まれ、その滑り止め組織部の滑り止めニードルループが編地裏面に一定の間隔をもってコース方向1列に配列され、または千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1又は2記載の滑り止め機能付きラッシェルレース編地。
- 滑り止め組織部の滑り止めニードルループが複数個連続して形成された滑り止めニードルループ群であることを特徴とする請求項1、2、又は3記載のラッシェルレース編地。
- 滑り止め機能カバーリング糸が、ポリウレタン糸に、水溶性ビニロンを、シングルカバーリング、またはダブルカバーリングして構成されていることを特徴とする請求項1記載の滑り止め機能付きラッシェルレース編地。
- ポリウレタン糸が78dtex〜310dtexの太さであり、水溶性ビニロンが31dtexの太さであり、カバーリング撚り数が、シングルカバーリングの場合には400〜600t/mであり、ダブルカバーリングの場合には下撚り数が400〜600t/m、上撚り数300〜500t/mで、しかも下撚り数≧上撚り数の範囲でカバーリングされていることを特徴とする請求項5記載の滑り止め機能付きラッシェルレース編地。
- 柔軟で伸縮性を有する滑り止め機能糸T1に溶解除去可能な可溶性糸をカバーリングして滑り止め機能カバーリング糸を形成し、該滑り止め機能カバーリング糸を、一定の間隔に配列された地鎖編とこれらの地鎖編を連結する地連結糸と地鎖編に挿入保持される弾性糸で形成される地組織部、の地鎖編に、滑り止めニードルループと該滑り止めニードルループを互いに連結する連結部とで構成される滑り止め組織部として、滑り止めニードルループが地鎖編のニードルループを覆うように2重ループ構造に編み込み、その後、前記滑り止め機能カバーリング糸の可溶性糸のみを溶解除去して、滑り止め機能糸を編地裏面に突出させることを特徴とする滑り止め機能付きラッシェルレース編地の製造方法。
- H滑り止め機能糸T1を一定の伸張状態に保ち、これに可溶性糸をカバーリングし、その後、可溶性糸のみ溶解除去し前記滑り止め機能糸T1の伸張状態で編地裏面に突出させることを特徴とする請求項7記載の滑り止め機能付きラッシェルレース編地の製造方法。
- 滑り止め機能糸T1の伸張状態が、無伸張状態に比して0%〜5%の伸張状態であることを特徴とする請求項8記載の滑り止め機能付きラッシェルレース編地の製造方法。
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