JP6411859B2 - 畝状ダブルラッセル編地 - Google Patents

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Description

本発明は、畝状ダブルラッセル編地に関する。詳しくは、良好な保型性および耐スクラッチ性を有し、車両用内装材や家具などの表皮材として好適に用いられる畝状ダブルラッセル経編地に関する。
表裏の地組織とそれを連結する連結糸よりなるダブルラッセル編地は、その優れた反発性、クッション性、通気性などから、多岐の分野にわたって利用されている。衣料分野においては、一般衣料やスポーツ衣料、インナー衣料として利用され、また、内装材分野としては、自動車のシートや椅子、ベッドなどの表皮材、クッション材として広く利用されている。また、このダブルラッセル編地に、さらなる高級感のある意匠効果と機能性とを付与するものとして、表面に畝状凸部を形成する技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、表裏2枚の地組織とこれらを連結する連結糸からなるダブル・ラッシェル地において、表側に帯状細幅部を適宜の間隔をもって並列配設し、この帯状細幅部を連結糸で裏地組織部に連結して畝状凸部を形成した畝状ダブル・ラッシェル地とし、畝状凸部において連結糸を帯状細幅部の長手方向両端から裏地組織部に対し斜め方向に張り出し、コース方向(編地幅方向)断面において台形形状であることにより、上からの押圧力に対して畝状凸部の横ずれが生じず、また、帯状細幅部が編地内側に巻き込みコース方向断面において楕円形状を成していることによって、通気性とクッション性を両立できることが開示されている。
特許文献2には、表裏の少なくとも一方の面が経畝構造であるダブルラッセル地において、経畝部の組織が鎖編と挿入編からなり、且つ、鎖編は少なくとも異なる2組の筬から供給する2本の経糸で編成し、隣接する経畝間の所々で鎖編を編成する一方の筬の経糸が右隣の経畝と、他方の筬の経糸が左隣の経畝と結接構造を形成することにより、経畝部の編目列がひも状に収束せず、表面がフラットで外観が良好であり、地糸切れがない経畝構造のダブルラッセル地が開示されている。
しかしながら、特許文献1については、畝状凸部において連結糸を斜め方向に張り出し、コース方向断面において台形形状であるように編成しているため、畝と畝の間に連結糸が露出し意匠に制約を与えるという問題や、突起物によって露出された連結糸が引き出されやすく、いわゆる耐スクラッチ性が悪くなるという問題がある。
特許文献2については、畝部を形成する経糸を左右に移動させることによって接結構造を形成しているため、畝部を形成する組織が部分的に切り替わるため、切り替わり部分に凹凸が生じ畝部に段差ができ意匠性に影響したり、経糸が左右に移動することによる張力で畝部がゆがんだりする虞があり、さらに着座時の押圧力などによって畝状凸部が倒伏したり、湾曲したり、変形したりする虞がある。
特開2003−113562号公報 特開2004−232109号公報
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、着座時の押圧力などによって畝状凸部が倒伏したり、湾曲したり、変形したりすることがなく、耐スクラッチ性の良好な畝状ダブルラッセル編地を提供することを目的とする。
本発明の畝状ダブルラッセル編地は、表裏2枚の地組織とこれらを連結する連結糸とからなり、表地組織を連結糸で裏地組織に連結してなる畝状凸部と、裏地組織からなる凹部とを、交互に形成した畝状ダブルラッセル編地であって、凹部である裏地組織のシンカーループ面に挿入糸を編方向と同方向に畝状凸部に隣接して配設し、前記挿入糸の高さが0.1〜4.0mmの範囲であり、且つ、前記挿入糸の高さと畝状凸部の高さとの差が0.2〜6.0mmの範囲であるものである。
前記挿入糸のオモテ面における露出部の割合は、20〜90%であることが好ましい。
前記挿入糸が露出部と隠蔽部を有し、オモテ面における挿入糸の露出部1個当たりの長さ(コース数)は、2〜48ループであることが好ましい。
前記挿入糸のオモテ面における隠蔽部が、裏地組織を形成する編糸が形成するシンカーループとニードルループの間に挟まれていることが好ましい。
前記挿入糸は畝状凸部を形成する連結糸の最端部から1〜2ウエルの範囲に配設されることが好ましい。
前記裏地組織の編組織は、シンカーループ面側にデンビ編組織またはコード編組織を用いることが好ましい。
本発明によれば、着座時の押圧力などによって畝状凸部が倒伏したり、湾曲したり、変形したりすることがなく、耐スクラッチ性の良好な畝状ダブルラッセル編地を提供することができる。
一実施形態に係る畝状ダブルラッセル編地の斜視断面概略図である。 一実施形態に係る畝状ダブルラッセル編地の断面摸式図である。 一実施形態に係る畝状ダブルラッセル編地に押圧力が加わった時の断面摸式図である。 ダブルラッセル編機の主要部を示す概略図である。 耐スクラッチ性の測定サンプルを説明する図である。 実施例1の組織図である。 実施例10の組織図である。 実施例11の組織図である。 実施例12の組織図である。
本発明の畝状ダブルラッセル地10は、図1のように、表裏2枚の編地をなす地組織(表地組織1、裏地組織2ともいう)と、これらを連結する連結糸3とからなり、表地組織1を連結糸3で裏地組織2に連結してなる畝状凸部4と、裏地組織2からなる凹部とを、交互に形成した畝状ダブルラッセル編地であって、凹部である裏地組織2のシンカーループ面に挿入糸5を編方向と同方向に畝状凸部4に隣接して配設し、前記挿入糸5の高さH1が0.1〜4.0mmの範囲であり、且つ、前記挿入糸5の高さH1と畝状凸部4の高さH2との差H3が0.2〜6.0mmの範囲であることを特徴とする。
このことにより、例えば図3に示すように、使用時の押圧力により畝状凸部4の連結糸3が倒伏や湾曲しようとしても、編方向と同方向に畝状凸部4に隣接して配設された挿入糸5が連結糸3を抑えることによって連結糸3の倒伏や湾曲を防ぎ、畝状凸部4の保型性を向上させる。
本発明において、挿入糸5の高さH1とは、図2に示すように、凹部である裏地組織2のシンカーループ面から挿入糸5の上部までの高さをいう。また、畝状凸部4の高さH2とは、表地組織1のニードルループ面から裏地組織2のシンカーループ面までの高さをいう。
裏地組織2のシンカーループ面に編方向と同方向に畝状凸部4に隣接して挿入糸5を配設し、且つ、前記挿入糸5の高さH1が0.1〜4.0mmの範囲であることにより、使用時の押圧力による連結糸3の倒伏や湾曲を防ぎ、畝状凸部4の保型性を向上させる。挿入糸5の高さH1は、好ましくは0.2〜3.0mmである。
また、挿入糸5の高さH1と畝状凸部4の高さH2との差H3は0.2〜6.0mmの範囲である。挿入糸5の高さH1と畝状凸部4の高さH2との差H3が上記範囲にあることにより、押圧力による連結糸3の倒伏や湾曲を防ぎ、畝状凸部4の保型性を向上させる。さらに、挿入糸5により連結糸3の突出が防止されるため、耐スクラッチ性を向上させる。挿入糸5の高さH1と畝状凸部4の高さH2との差H3は、好ましくは0.5〜5.0mmである。
本発明の畝状ダブルラッセル編地10は、例えば、図4に示すように、編機幅方向に整列して前後に間隔をおいて配置された前後2列のニードル列を有し、且つ該ニードル列の上方に6枚の筬L1〜L6を有するダブルラッセル機を用いて編成することができる。
例えば、筬L1、L2に導糸された編糸A1、A2を地糸としてニードルN1により表裏の一方の地組織である表地組織1、すなわち畝状に突出した所謂畝状凸部4を構成する畝状の表地組織1を編成し、筬L4、L6に導糸された編糸A4、A6を地糸として、筬L5に導糸された編糸A5を挿入糸5としてニードルN2により他方の地組織である裏地組織2を編成し、筬L3に導糸された編糸A3を連結糸3として前記両ニードルN1、N2により前記表地組織1、裏地組織2に順次編み込み、前記表地組織1、裏地組織2を連結する。図中のB1〜B6は編糸供給用のビーム、G1〜G6は各筬L1〜L6のガイド、M1、M2は針釜を指す。
本発明の畝状ダブルラッセル編地10を編成するにおいて、畝状凸部4を形成する表地組織1は、前記のように筬L1、L2に導糸された編糸A1、A2を用いて編成する。この際、編糸A1、A2は、所望の幅、間隔の畝状凸部4に応じて、1in1out(1本糸入れ、1本糸抜き)、2in1out(2本糸入れ、1本糸抜き)などと適宜糸抜きして配列する。表地組織1の編組織は、特に限定されず、鎖編組織、デンビ編組織、コード編組織、挿入組織等、従来公知の編組織を用いることができ、求められる意匠や風合いに応じて適宜選択すればよい。
畝状凸部4の幅(ウエル数)は、2〜44ループであることが好ましく、より好ましくは3〜40ループである。畝状凸部4の幅(ウエル数)が2ループ以上であることにより、畝状凸部4の保型性を向上させることができる。畝状凸部4の幅(ウエル数)が44ループ以下であることにより、挿入糸5を配設することで得られる連結糸3の倒伏や湾曲を防止する効果を得ることができる。さらに、挿入糸5により連結糸3の突出が防止されるため、耐スクラッチ性を向上させることができる。
畝状ダブルラッセル編地10に占める畝状凸部4の割合は、25〜90%であることが好ましく、より好ましくは30〜85%である。畝状凸部4の割合が25%以上であることにより、畝状凸部4の面積が少なくなく、畝状凸部4自体の保型性が向上するため押圧力が加わった場合でも畝状凸部4の保型性を維持することができる。畝状凸部4の割合が90%以下であることにより、挿入糸5を配設することで得られる連結糸3の倒伏や湾曲を防止する効果が得られる。さらに、挿入糸5により連結糸3の突出が防止されるため、耐スクラッチ性を向上させることができる。なお、畝状ダブルラッセル編地10に占める畝状凸部4の割合は、以下の式によって算出される。
畝状ダブルラッセル編地に占める畝状凸部の割合(%)=A÷B×100
A:ヨコ方向25.4mm間における畝状凸部のウエル数
B:ウエル密度
畝状ダブルラッセル編地10に占める畝状凸部4の高さH2は、1.5〜10mmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜8.0mmである。畝状凸部4の高さH2が1.5mm以上であることにより、挿入糸5を配設することで得られる連結糸3の倒伏や湾曲を防止する効果が得られるだけでなく、耐スクラッチ性を向上させることができる。10mm以下であることにより、畝状凸部4の保型性が向上する。
一方、他方の地組織である裏地組織2については、前記のように筬L4、L6に導糸された編糸A4、A6を用いて編成する。この裏地組織2の編組織は、特に限定されず、表地組織1と同様の従来公知の編組織を用いることができる。好ましくは、挿入糸5を裏地組織2に隠蔽しやすいという観点から、シンカーループ面側にデンビ編組織またはコード編組織を用い、これに公知の編組織(コード編組織、アトラス編組織、挿入組織など)を組み合わせるのがよい。
さらに、畝状ダブルラッセル編地10の凹部にあたる裏地組織2のシンカーループ面には、前記筬L5に導糸された編糸A5を用いてなる挿入糸5を編方向と同方向に畝状凸部4に隣接して配設する。意匠性、及び、挿入糸5の高さH1および挿入糸5のオモテ面における露出部の割合を調節しやすいという観点から、挿入糸5が露出部および隠蔽部を有していることが好ましい。すなわち、編糸A5(挿入糸5)は、筬L4による編糸A4のアンダーラップと同方向に同針数分アンダーラップして編成されることにより、シンカーループを跨いで、裏地組織2のシンカーループ面(畝状ダブルラッセル編地10の凹部)に浮き出ている露出部を形成し、筬L4による編糸A4のアンダーラップと同方向に同針数分アンダーラップせずに編成されることにより、編糸A4、A6の形成するシンカーループとニードルループの間に挟まれている隠蔽部を形成することができる。また、上記以外に、L4に挿入糸5、L5、L6に裏地組織2を形成する編糸を導糸して、挿入糸5がオーバーラップして編成されることにより裏地組織2に編成係止される隠蔽部と、挿入糸5がオーバーラップせずに編成されることにより裏地組織2のシンカーループ面に浮き出ている露出部とを形成することもできる。
なお本発明において、「オモテ面」とは、図2に示すように、畝状ダブルラッセル地10において畝状凸部4が形成されている面をいう。
挿入糸5は、編方向と同方向に畝状凸部4に隣接して配設されるため、畝状凸部4に合わせて適宜糸抜きして配列される。その際、押圧力による連結糸3の倒伏や湾曲を抑制するという観点から、挿入糸5は連結糸3の最端部から1〜2ウエルの範囲に配設されることが好ましい。ここで、連結糸3の最端部とは、畝状凸部4の両端に配される部分のことをいう。さらに、連結糸3の最端部から1ウエルとは、連結糸3の隣に配設されることをいう。
また、一つの畝状凸部4に対する挿入糸5の配設本数は、特に限定されず、少なくとも1本以上であればよい。例えば、畝状凸部4の一方の連結糸3の最端部(畝状凸部4の片側)に挿入糸5を1本配設してもよいし、畝状凸部4の両方の連結糸3の最端部(畝状凸部4の両側)に各々2本ずつ(連結糸3の最端部から1ウエル、2ウエルに各1本ずつ連続して)配設してもよい。
また、挿入糸5のオモテ面における露出部の割合は、20〜90%であることが好ましく、より好ましくは30〜80%である。挿入糸5のオモテ面における露出部の割合が20%以上であることにより、押圧力による連結糸3の倒伏や湾曲を十分に抑制できる。90%以下であることにより、突起物で引っかかれた場合でも挿入糸5が突起物に引っ掛かりにくく、引き出されることを防ぐことができる。なお、挿入糸5のオモテ面における露出部の割合は、以下の式によって算出される。
挿入糸のオモテ面における露出部の割合(%)=C÷D×100
C:タテ方向25.4mm間におけるオモテ面における露出部のコース数
D:コース密度
挿入糸5のオモテ面における露出部1個当たりの長さ(コース数)は、2〜48ループであることが好ましく、より好ましくは4〜24ループである。オモテ面における露出部1個当たりの長さが2ループ以上であることにより、押圧力による連結糸3の倒伏や湾曲を十分に抑制できる。48ループ以下であることにより、突起物で引っかかれた場合でも挿入糸5が突起物に引っ掛かりにくく、引き出されることを防ぐことができるため、耐スクラッチ性に優れる。
挿入糸5の高さH1は、0.1〜4.0mmである。挿入糸5の高さH1が0.1mm以上であることにより、押圧力による連結糸3の倒伏や湾曲を十分に抑制できる。挿入糸5の高さH1が4.0mm以下であることにより、突起物で引っかかれた場合でも挿入糸5が引っ掛かりにくく、引き出されることを防ぐことができるため、耐スクラッチ性に優れる。挿入糸5の高さH1は、0.2〜3.0mmであることがより好ましい。
本発明において用いられる繊維の素材は、特に限定されるものではなく、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維など、従来公知の繊維を用途に応じて適宜選択することが可能であるが、物性に優れるという観点から、合成繊維が好ましく、ポリエステルがより好ましい。
本発明において用いられる糸条の形態は特に限定されるものでなく、紡績糸、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸、加工糸など従来公知の形態の糸条を用途に応じて適宜選択することが可能である。なかでも、表裏地組織1、2に用いられる糸としては、風合いの観点からマルチフィラメント糸が好ましい。一方、連結糸3の糸条の形態としては、保型性の観点からモノフィラメント糸が、風合いの観点からはマルチフィラメント糸、特にはマルチフィラメントの加工糸が好ましい。
本発明において表裏地組織1、2及び連結糸3に用いられる糸条の繊度は特に限定されるものでないが、33〜660dtexであることが好ましく、より好ましくは56〜440dtexである。糸条の繊度が33dtex以上であることにより、ダブルラッセル編地の物性を維持することができる。糸条の繊度が660dtex以下であることにより、編成が容易にでき、ダブルラッセル編地の風合いを維持することができる。
本発明において挿入糸5に用いられる糸条の繊度は特に限定されるものでないが、56〜660dtexであることが好ましく、より好ましくは84〜440dtexである。糸条の繊度が56dtex以上であることにより、押圧力による連結糸3の倒伏や湾曲を充分に抑制できる。糸条の繊度が660dtex以下であることにより、編成が容易にできる。
ここで、連結糸3の繊度に対する挿入糸5の繊度の割合は、12〜3000%であることが好ましく、より好ましくは254〜1344%である。12%以上であることにより、押圧力による連結糸3の倒伏や湾曲を充分に抑制できる。3000%以下であることにより、風合いが粗硬になることを防ぐことができる。
また、糸条がマルチフィラメント糸である場合の単糸繊度も特に限定されるものではないが、0.3〜3dtexであることが好ましい。単糸繊度が0.3dtex以上であることにより、ダブルラッセル編地の物性が損なわれることを防ぐことができる。単糸繊度が3dtex以下であることにより、ダブルラッセル編地の風合いが損なわれることを防ぐことができる。
また、本発明の畝状ダブルラッセル編地10の密度は、14〜36ウエル/25.4mm、16〜60コース/25.4mmであることが好ましい。密度が下限値以上であることにより、畝状凸部4の保型性が悪くなることを防ぐことができる。密度が上限値以下であることにより、風合いが粗硬になることを防ぐことができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における各評価は、以下の方法に従った。
[畝状凸部の保型性]
試験片に、直径7cmの円柱形の5kgの錘をのせて、温度80℃湿度80%RHの環境下で24時間経過した後、錘を除去して、温度30℃湿度60%RHの環境下で8時間経過したときの試験片の状態と、錘をのせていない試験片の状態と比較し、下記の基準に従って、評価した。
4:畝状凸部の高さと挿入糸の高さの差の変化、および湾曲がほとんど見られない
3:畝状凸部の高さと挿入糸の高さの差の変化、および湾曲がわずかに見られる
2:畝状凸部の高さと挿入糸の高さの差の変化、および湾曲が見られる
1:畝状凸部の高さと挿入糸の高さの差の変化、および湾曲が大きく見られ、試験片の表面に凹凸形状が賦型されている
[耐スクラッチ性]
幅50mm、長さ220mmの試験片を縦・横方向から各3枚採取し、図5に示す形状にカットした。次に畝状の表地組織を上にして、摩擦試験機I形(クロックメーター:安田精機製作所製)の試験片台上に固定した。
摩擦子の先端に25mm四方の面ファスナー(YKKクロックロンADNマッシュルームタイプ:YKK製)を貼り付け、摩擦子荷重を200gfとして、試験片上100mmの間を毎分30回往復の速度で、6往復摩擦し、試験片の状態を確認した。試験片の状態は、目視にて確認し、以下の基準に従って判定した。
5級:全く外観に変化がなく、糸抜けがない。
4級:わずかに外観に変化が認められるが、糸抜けがない。
3級:明らかに外観変化が認められ、ループが発生している(糸が抜けかかった状態)。
2級:外観変化がやや著しく、糸抜けがある。
1級:外観変化が著しく、糸抜けがある。
[実施例1]
28ゲージのダブルラッセル編機(RD6DPLM−77E−28G、カールマイヤー社製)を用いて、図6に示すように、筬L1に167dtex/48fのポリエステルマルチフィラメント加工糸を2in6out(2本糸入れ、6本糸抜きで配列)で導糸し挿入組織で、筬L2に167dtex/48fのマルチフィラメント加工糸を6in2outで導糸し鎖編組織で表地組織を編成し、筬L3に連結糸84dtex/24fのマルチフィラメント加工糸を6in2outで導糸して表裏地組織を連結するよう編成し、筬L4に110dtex/36fのマルチフィラメント加工糸をフルセットで導糸しデンビ編組織で、筬L−6に167dtex/48fのマルチフィラメント加工糸をフルセットで導糸し3針間アンダーラップのコード編組織で裏地組織を編成した。筬L5には330dtex/144fのマルチフィラメント加工糸を2in4outで導糸し、1コースを変位せず(オーバーラップもアンダーラップもせず)、1コースを筬L4と筬L6とともにオーバーラップ、4コースを筬L4と同数(1針間)アンダーラップ、を繰り返し単位として編成した。筬L5の編糸は筬L4のシンカーループを跨いで4コースを筬L4のシンカーループ上面に露出し、2コースを隠蔽(1コースはシンカーループとニードルループに挟まれ、1コースは編成係止)した。露出した挿入糸の高さは1.0mmであった。
得られた編地を190℃で1分間プレセットしたのち、130℃で染色、乾燥し、150℃で1分間仕上げセットして、仕上がり34コース/25.4mm、30ウエル/25.4mmで畝状凸部高さ4.0mm、編地厚み5.0mmの畝状ダブルラッセル編地を作製した。編成条件および得られた畝状ダブルラッセル編地の評価結果を表1に示した。
[実施例2〜14および比較例1〜4]
表1〜2および図6〜8に従い、実施例1と同様の手順で、畝状ダブルラッセル編地を得た。得られた畝状ダブルラッセル編地の評価結果を、表1〜2に示す。
[比較例5]
裏地組織に挿入糸を配設せずに編成した以外は、実施例1と同様な手順で、畝状ダブルラッセル編地を得た。得られた畝状ダブルラッセル編地の評価結果を、表2に示す。
Figure 0006411859
Figure 0006411859
1 表地組織(畝状の地組織)
2 裏地組織(非畝状の地組織)
3 連結糸
4 畝状凸部
5 挿入糸

Claims (6)

  1. 表裏2枚の地組織とこれらを連結する連結糸とからなり、表地組織を連結糸で裏地組織に連結してなる畝状凸部と、裏地組織からなる凹部とを、交互に形成した畝状ダブルラッセル編地であって、凹部である裏地組織のシンカーループ面に挿入糸を編方向と同方向に畝状凸部に隣接して配設し、前記挿入糸の高さが0.1〜4.0mmの範囲であり、且つ、前記挿入糸の高さと畝状凸部の高さとの差が0.2〜6.0mmの範囲である、畝状ダブルラッセル編地。
  2. 前記挿入糸のオモテ面における露出部の割合が20〜90%である、請求項1に記載の畝状ダブルラッセル編地。
  3. 前記挿入糸が露出部と隠蔽部を有し、オモテ面における挿入糸の露出部1個当たりの長さ(コース数)が2〜48ループである、請求項1または2に記載の畝状ダブルラッセル編地。
  4. 前記挿入糸のオモテ面における隠蔽部が、裏地組織を形成する編糸が形成するシンカーループとニードルループの間に挟まれている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の畝状ダブルラッセル編地。
  5. 前記挿入糸が畝状凸部を形成する連結糸の最端部から1〜2ウエルの範囲に配設されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の畝状ダブルラッセル編地。
  6. 前記裏地組織のシンカーループ面側の編組織がデンビ編組織またはコード編組織である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の畝状ダブルラッセル編地。
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