JP5368548B2 - ガラス容器形成機のためのネックリングおよび製造方法 - Google Patents

Description

本開示は、少なくとも１つのクロージャ取り付け特徴部を有するガラス容器のネック口部を成形するためのネックリングに関し、係るネックリングを製造するための方法に関する。

ガラス容器形成機においては、一般に容器は２つの段階で形成されるものである。第１の、ブランクモールド段階において、１つの投入量の、または１つの小滴の溶融ガラスはブランクモールド内でパリソンすなわち予備的形成物へと形成される。ネックリングは、ブランクモールドの近傍に配置され、容器ネック口部はネックリングに押し付けられて、最終的なサイズおよび形状へと形成される。次に、パリソンはネックリングにより吹込型へと移送される。この吹込型内において、容器本体は最終的なサイズおよび形状へと形成される。ネックリングは一般に、鋳造青銅のまたは鉄鋼構成物からなる２つの半円形のネックリング本体からなる。

溶融ガラスと接触して容器のネック口部のクロージャ取り付け特徴部（単数または複数）を形成するネックリングの部分におけるさらに正確な公差および耐摩耗性を獲得するために、予め作られた挿入物を組み立てて、ネックリング本体を予め成形することが提案されてきた。しかし、「中空ネック」変形と呼ばれる、第１の、ブランクモールド段階において形成されるガラス容器の特定の商業的変形を排除する必要がなおも存在する。なお、この「中空ネック」変形は、パリソン形成段階においてガラスネック口部エリアから熱が不十分に取り去られるときに生起するものである。本開示の全般的な目的は、このエリアにおけるひび割れまたは他の変形を低減するためにネック口部から熱を抜き出しネックリングとガイド板との間の温度勾配を最小にする際に良好な耐摩耗性が必要とされる、ネックリングにおいて良好な耐摩耗性を達成するネックリングと、その製造方法を提供することである。ネックリング本体は、形成される口部の非アタッチメントエリアにおいてガラスから急速な熱除去を提供する必要もある。それにより、中空ネック欠陥を排除することが可能となる。

本開示は、互いとは独立して、または互いに組み合わせて実施されうる、いくつかの態様を具体化する。

ガラス容器形成機のネックリングは、本開示の１つの態様によれば、２つの半環状バイメタル式のネックリング部分を備える。各ネックリング部分は、ニッケル、青銅または鉄鋼等の耐摩耗性構成物からなる挿入物と、挿入物が埋め込まれた、青銅または鉄鋼等の熱伝導性金属構成物からなる本体とを備える。このように、ネックリングのキャビティ表面は、容器ネック口部におけるクロージャ取り付け特徴部を成形するよう構成された、耐摩耗性挿入物により形成される第１部分と、クロージャ取り付け特徴部を含まない容器ネック口部分を成形するよう構成されたネックリング本体により形成される第２部分とを備える。キャビティ表面の第１部分における挿入物の材料が良好な耐摩耗性を提供する一方で、キャビティ表面の第２部分にさらされるネックリング本体材料は、成形された容器における中空ネック変形を低減または排除するために、溶融ガラスからの急速な熱の抜き取りを提供する。

本開示の別の態様によれば、ガラス容器形成機のネックリングの製造方法は、まず、ニッケル、青銅、または鉄鋼等の耐摩耗性材料製の別の予備的形成物として、口部取り付け特徴部形成部品を形成するステップと、次に、この特徴形成部品を、クロージャ取り付け特徴部を備えない容器ネック口部の部分をモールド形成するための表面を提供し、青銅または鉄鋼等の熱伝導性金属構成物からなる本体に埋め込むステップとを含む。

本開示、および、さらにその目的、特徴、利点、態様は、本開示の、例示的であるが、しかし現在のところ好適である実施形態を示す下記の詳細な説明、添付の請求項、および添付の図面からもっともよく理解される。

本開示の例示的な実施形態によるネックリングの斜視図である。 図１に示すネックリングにおける、ネックリング半体の正面図である。 ガラス容器のネック口部を形成する、図１に示す実施形態のネックリングの概略図である。 ネックリング本体のネックリング挿入物の実施形態を示すためにネックリング本体が部分的に断面図にされた状態における、図２に示すネックリング半体の斜視図である。

図１は、２つの半環状ネックリング部分１２および１４を含む、ガラス容器形成機のための環状ネックリング１０を示す。図１は、上述したように、容器ネック口部を形成し、容器パリソンをブランクモールドステーションから吹込型ステーションへと移送するための、当接する部分１２および１４を示す。図３がネックリング部分１２を示す一方で、図２および図４はネックリング部分１４をより詳細に示す。ネックリング部分１２および１４は、実質的には互いの鏡像である。ネックリング１２および１４の示された形状は、例示的なものである。

ネックリング部分１２および１４は、関連する半環状ネックリング本体１６および１８を備える。ネックリング本体１６および１８は、好ましくは、青銅または鉄鋼等の構成物からなる、ニアネットシェイプの、ダイ成形された、粉末金属構成物またはインベストメント鋳造物である。ネックリング部分１２および１４のそれぞれはまた、関連する半環状挿入物２０および２２を備える。挿入物２０および２２は、好ましくは、予め形成され、関連するネックリング本体１６および１８にインサート成形される。挿入物２０および２２は、容器ネック口部上に雄ねじ山部分を形成するための内側螺旋状凹部２４または王冠口部を形成するための内側溝等の、クロージャ取り付け特徴部（単数または複数）を容器ネック口部上に形成する内部表面を有する。挿入物２０および２２はまた、好ましくは、ネックリング本体が挿入物のまわりに形成される際にネックリング本体に埋め込まれる、または固定される、外側タグまたは耳２６および２８（図４）を有する。予め形成された挿入物は次に、形成されたネックリング本体の所定位置に堅く保持される。挿入物２０および２２は、好ましくは例えばニッケル、青銅、または鉄鋼等のネックリング本体１６および１８の金属とは異なる、適切な金属から鋳造または機械加工されてもよい。

挿入物２０および２２をインベストメント鋳造し、次に、これらの予め作られた挿入物を、ネックリング部分１２および１４を形成するネックリング本体１６および１８にインベストメント鋳造することが現時点では好ましい。次に、インベストメント鋳造部分は、所望の寸法に機械加工することが可能である。別の方法は、挿入物をインベストメント鋳造またはダイ成形し、次にこれらの予め作られた挿入物を、本体１６および１８が挿入物のまわりに形成されるダイに配置することである。第３の選択は、１つのステップでネックリング部分１２および１４を形成することである。ただし、ここにおいて、挿入物および本体のための粉末はダイ内に配置され、その部分が圧縮され焼結される。

挿入物２０および２２の内表面が、口部取り付け特徴部が形成される箇所においてのみ、この例では、雄ねじ山部分が容器ネック口部上に形成される箇所においてのみ、ガラス接触キャビティ表面を形成する点に、特に図面において注意すべきである。したがって、各ネックリング半体のガラス接触表面は、挿入物２０または２２の内表面により形成される第１部分３０または３２と、挿入物２０および２２を除くネックリング本体１６または１８の内表面により形成される第２部分３４または３６とを備える。つまり、各ネックリング半体のガラス接触キャビティ面は、クロージャ取り付け特徴部（単数または複数）を容器ネック口部上に成形するために挿入物により形成される第１表面部分３０または３２と、容器ネック口部の、クロージャ取り付け特徴部（単数または複数）を除く部分を成形するためにネックリング本体により形成される第２部分３４または３６を備える。この構成は、各ネックリング半体が、ガラス容器製造のパリソン形成段階において望まれる最適な性能を有することを可能にする。クロージャ取り付け特徴部（単数または複数）を提供する成形表面３０および３２に用いられる材料は、取り付け特徴部がシャープに画成されるよう、良好な耐摩耗性を提供する。一方、表面３４および３６を形成する本体１６および１８に用いられる材料は、容器ネック口部エリアにおけるガラス材料から急速な熱の抜き取りを提供するよう、選択される。そのため、ネック口部エリアにおいて溶融ガラスが凝固する際に溶融ガラスから熱が不十分に取り去られるときに生起する、以前に述べた「中空ネック」変形製品問題が低減または排除される。挿入物２０および２２の耐摩耗性材料もまた、ネックリング半体とネックリング部分の関連するガイド板との間の温度勾配を最小にする。それにより、このエリアにおけるひび割れ変形が低減される。

ネックリング部分１２および１４を形成するための粉末冶金の使用は、現行の技術に対して著しいコスト削減を提供する。挿入物２０および２２は、予め作られて、本体１６および１８内に固定されてもよい。または、部分１２および１４は、単一操作で形成されてもよい。さらに、粉末金属は、ネックリング本体における様々な金属または金属合金の使用を可能にする。

以上、ガラス容器形成機のためのネックリング構成と、２つの部分を有するネックリングを作る方法を開示してきた。例示的な実施形態に関して本開示を提供し、様々な変更例または変化例を説明してきた。前記の説明および図面に鑑みて、当業者は、他の変更例および変化例が可能であることを容易に理解できるであろう。

Claims (7)

1. 少なくとも１つのクロージャ取付け特徴部を備えるガラス容器ネック口部を成形するためのネックリングであって、
   各々が実質的に、耐摩耗性金属からなるネックリング挿入物（２０、２２）と、前記耐摩耗性金属と異なる熱伝導性金属からなるネックリング本体（１６、１８）と、からなる、２つの半環状ネックリング部分（１２、１４）を備えるネックリングにおいて、
   各々のネックリング本体は、前記ネックリング挿入物が前記ネックリング本体に埋め込まれるよう、前記関連するネックリング挿入物のまわりに形成され、
   前記ネックリング部分の各々は、ガラス接触キャビティ表面を有し、前記ガラス接触キャビティ表面は、前記少なくとも１つのクロージャ取付け特徴部を前記容器ネック口部上に成形するための前記挿入物により形成される第１表面部分（３０、３２）を備え、前記クロージャ取付け特徴部は前記第１表面部分のみによって形成され、
   前記ガラス接触キャビティ表面は更に、容器ネック口部の、前記少なくとも１つのクロージャ取付け特徴部を除く部分を成形するための、前記本体により形成され且つ前記第１表面部分よりも大きい、第２表面部分（３４、３６）を備える、
   ことを特徴とするネックリング。
2. 前記ネックリング挿入物（２０、２２）の各々は、前記挿入物を前記本体に固定するために、前記関連するネックリング本体に埋め込まれて固定される突出耳（２６、２８）を有する、請求項１に記載のネックリング。
3. 前記ネックリング挿入物（２０、２２）は、ニッケル、青銅、または鉄鋼からなり、前記ネックリング本体（１６、１８）は青銅または鉄鋼からなる、請求項１に記載のネックリング。
4. 前記挿入物（２０、２２）はニッケルからなり、前記ネックリング本体（１６、１８）は焼結された青銅からなる、請求項３に記載のネックリング。
5. 少なくとも１つのクロージャ取付け特徴部を含むガラス容器ネック口部を成形するためのネックリングを製造するための方法であって、
   （ａ）各々が、耐摩耗性金属からなるネックリング挿入物（２０、２２）と、前記耐摩耗性金属と異なる熱伝導性金属からなるネックリング本体（１６、１８）と、から実質的になる、２つの半環状ネックリング部分（１２、１４）を提供するステップと、
   （ｂ）前記ステップ（ａ）の前に、前記ネックリング挿入物（２０、２２）を別々のプリフォームとして形成するステップと、
   （ｃ）前記ステップ（ａ）の間に、前記ネックリング本体（１６、１８）を前記ネックリング挿入物のプリフォームのまわりに形成し、それにより前記挿入物を前記本体に埋め込むステップと、
   （ｄ）前記挿入物上に、前記少なくとも１つのクロージャ取付け特徴部を前記ネック口部上に成形するための第１のモールドキャビティ表面部分（３０、３２）であって、前記クロージャ取付け特徴部は、前記第１のモールドキャビティ表面部分のみによって形成されるものである、前記第１のモールドキャビティ表面部分を提供するステップと、
   （ｅ）ネック口部の、少なくとも１つのクロージャ取付け特徴部を除く部分を成形するための、前記第１のモールドキャビティ表面部分よりも大きい第２のモールドキャビティ表面部分（３４、３６）を前記本体上に形成するステップと、
   を含む、方法。
6. 前記挿入物のプリフォームは、前記ステップ（ｃ）において、前記本体に埋め込まれて固定される突出耳（２６、２８）を有するよう作られる、請求項５に記載の方法。
7. 前記挿入物（２０、２２）はニッケル、青銅、または鉄鋼から形成され、前記本体（１６、１８）は青銅または鉄鋼から形成される、請求項５または請求項６に記載の方法。

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