JP5368153B2 - 感光性樹脂組成物及びそれを用いた回路基板 - Google Patents

感光性樹脂組成物及びそれを用いた回路基板 Download PDF

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Description

本発明は、光塩基発生剤を用いた新規な感光性樹脂組成物及びそれを用いた回路基板に関する。
ポリイミド樹脂は、高い絶縁性、耐熱耐寒性、高強度などの優れた特性に基づいて様々な分野で応用されている。近年、伸長著しいフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと省略する)においては、ポリイミドが基材、カバーレイとして用いられている。近年のIC実装技術の高度化や高密度化とあいまってFPCも配線の微細化が求められており、ポリイミドを用いたカバーレイにも高度な加工性が求められている。
FPCの製造においては、ポリイミド基材を機械的に打ち抜き、位置合わせを行って貼り合わせを行うので、位置合わせ精度を高くできないという問題があった。これを解決すべく、アクリレート樹脂やエポキシ樹脂を用いたソルダレジストフィルムをベースにした感光性フィルムの検討がなされてきたが、可撓性などの物性面でポリイミドには及ばなかった(例えば、特許文献1〜特許文献3)。
また、ポリアミド酸とアクリルモノマーまたはメタクリルモノマーとを配合したラジカル重合性の感光性樹脂組成物の提案があるが、この場合はポリアミド酸100質量部に対してアクリルモノマーを100質量部近く添加する必要があり、硬化後のフィルムの屈曲耐性、難燃性を損なう虞がある(例えば、特許文献4)。
また、感光基を側鎖に有するポリアミド酸エステルを用いた感光性樹脂組成物の提案もあるが、この場合は現像後に300℃〜450℃程度で高温キュアして側鎖の感光基を分解し、イミド化する必要がある(例えば、特許文献5)。さらにポリアミド酸エステルを用いた感光性樹脂組成物に光塩基発生剤を添加した提案もあるが、この場合も同様に、現像後に300℃〜450℃程度で高温キュアして側鎖の感光基を分解し、イミド化する必要がある(例えば、特許文献6)。これらの感光性ポリアミド酸エステルは、FPCのカバーレイとして用いる場合は高温でのキュアが回路基板を傷める懸念がある。
光塩基発生剤を用いた感光性ポリアミド酸としては、光塩基発生剤としてニトロベンジルカルバメートを用いたポジ型の感光性樹脂組成物(例えば、特許文献7)や、アシルオキシイミノ基を有する光塩基発生剤を用いたネガ型の感光性樹脂組成物の提案がある(例えば、特許文献8)。
しかしながら、従来知られている光塩基発生剤は、光分解性が必ずしも充分ではなく、また、光塩基発生剤を用いた感光性樹脂組成物フィルムの現像後の膜減りや耐薬品性は、実用性を満たしえるものではなかった。
特開昭56−6498号公報 特開昭61−243869号公報 特開平6−332171号公報 特公平3−44107号公報 特開2001−194783号公報 特許第4154955号公報 特許第3363580号公報 特開平6−295063号公報
本発明はかかる点に鑑みてなされるものであり、従来の感光性樹脂組成物では困難であった、現像後の膜減りを抑制し、200℃以下での低温キュアで、屈曲耐性、難燃性、耐薬品性を満たし得る感光性樹脂組成物を及びそれを用いた回路基板を提供することを目的とする。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポリアミド酸(A)と、光塩基発生剤(B)と、三重項増感剤及び/又は光ラジカル開始剤(C)と、光重合性化合物(D)と、を含有する感光性樹脂組成物であって、前記ポリアミド酸100質量部に対して、前記光塩基発生剤が1質量部〜10質量部、前記増感剤及び/又は前記光ラジカル開始剤が0.1質量部〜7質量部、前記重合性化合物が1質量部〜10質量部であることを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポリアミド酸と光塩基発生剤と三重項増感剤及び/又は光ラジカル開始剤と光重合性化合物と、を含有するため光塩基発生剤より発生する塩基の触媒作用によるポリアミド酸のイミド化と、光重合性化合物のラジカル重合と、により感光性樹脂組成物の露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を効果的に低下することができ、現像後の膜減りが少ないネガ型のフォトリソグラフィーが可能である。またイミド化によるアルカリ溶解性低下とラジカル重合によるアルカリ溶解性の低下を併用している為、光重合性化合物の添加量を低減でき、屈曲耐性、難燃性を損なうことがない。また現像後に残存するポリアミド酸は、フィルム中に存在する塩基触媒にてイミド化する為200℃以下での低温キュアが可能である。キュア後のフィルムは少量の光重合性化合物の架橋構造を含有する為、耐薬品性も良好である。これらの組成設計により、本発明によれば、従来の感光性樹脂組成物では困難であった、現像後の膜減りの抑制し、200℃以下での低温キュアで、屈曲耐性、難燃性、及び耐薬品性を満たし得る感光性樹脂組成物及びそれを用いた回路基板を提供することができる。
本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、ポリアミド酸(A)と光塩基発生剤(B)と三重項増感剤及び/又は光ラジカル開始剤(C)と光重合性化合物(D)とを含有する感光性樹脂組成物であって、前記ポリアミド酸100質量部に対して、前記光塩基発生剤が1質量部〜10質量部、前記増感剤及び/又は光ラジカル開始剤が0.1質量部〜7質量部、前記重合性化合物が1質量部〜10質量部であることを特徴とする。
前記光塩基発生剤は、露光により分解し塩基を発生する為、前記ポリアミド酸のイミド化触媒として作用する。ポリアミド酸が有するカルボキシル基はイミド化に伴い減少し、露光部の極性が大きく変化する。例えば、従来公知であるキノンジアジドがカルボキシル基を発生し極性を変化させる感光性樹脂組成物では、キノンジアジドの添加量が20質量部〜30質量部以上必要であったが、本発明に係る光塩基発生剤は発生した塩基がイミド化触媒として作用する為、添加量は1質量部〜10質量部でよい。
前記増感剤及び/または光ラジカル開始剤は、同一の化合物が前記光塩基発生剤の露光による分解を促進する機能と、露光により分解しラジカルを発生する機能と、を同時に併せ持つ場合がある。その為、本発明に係る感光性樹脂組成物においては、少量の添加でもラジカルを発生させるには充分であるし、また光塩基発生剤の露光による分解を促進させるには7質量部以下で充分である為、0.1質量部〜7質量部でよい。
重合性化合物は、露光により発生したラジカルで重合可能な化合物が好ましい。その添加量は、本発明に係る感光性樹脂組成物によるフィルムの現像性、キュア後のフィルムの屈曲耐性、難燃性、耐薬品性の観点から1質量部〜10質量部が好ましい。添加量が少なすぎると、現像性、耐薬品性を損なうおそれがあり、添加量が多すぎると屈曲耐性、難燃性、を損なうおそれがある。
本発明に係るポリアミド酸について説明する。本発明に係るポリアミド酸について特に制限はなく、公知のポリアミド酸を用いることができる。ポリアミド酸は、例えば、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを原料として得ることができる。
本発明に係るポリアミド酸は、基板の低反り性の観点から特にジアミンとして式(1)で示されるジアミンを用いて合成することが好ましい。
Figure 0005368153
(式(1)中、Rは炭素数が1〜50の2価の有機基である。kは1〜50の数を表す。)
式(1)で表されるジアミンは両末端にo−、m−、p−アミノ安息香酸エステル基を持つジアミンであれば、特に限定はないが、両末端が、p−アミノ安息香酸エステル基のものがより好ましい。式(1)中、kは1〜50の数であり、より好ましくは、kは3〜25の数である。式(1)中、Rは炭素数1〜炭素数50の2価の有機基である。具体的には、Rは式(8)で表される2価の有機基であることが好ましい。
Figure 0005368153
式(1)で表されるジアミンの具体例としては、例えばポリテトラメチレンオキシド−ジ−o−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−m−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−o−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−m−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートなどが挙げられるが、これらに限定されない。ジアミンを2種以上、使用しても良い。好ましくは、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートである。
本発明に係るポリアミド酸は、式(1)で表されるジアミンを、全ジアミンに対して10モル%〜55モル%含むことが好ましい。より好ましくは15モル%〜50モル%である。式(1)で表されるジアミンの含有量が全ジアミンに対して15モル%以上であれば、低反り、低反発性に優れる。
式(1)で表されるジアミン以外に本発明で使用できる他のジアミンとしては例えば、例えば、式(3)に示すジアミンがアルカリ溶解性、低反り性の観点から好ましい。
Figure 0005368153
(式(3)中、Zは2価の有機基であり、式(4)に示す有機基から選ばれる。)
Figure 0005368153
(式(4)中pは3〜5の整数を表す。)
式(3)で表されるジアミンの具体例としては、例えば、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、である。
本発明に係るポリアミド酸は、式(3)で表されるジアミンを、全ジアミンに対して10モル%〜90モル%含むことが好ましい。より好ましくは20モル%〜85モル%である。式(3)で表わされるジアミンの含有量が全ジアミンに対して20モル%以上であれば、キュア後のフィルムの機械特性に優れる。
これらジアミン以外に本発明で使用できる他のジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、カルボキシル基を有するジアミン、水酸基を有するジアミン、シロキサン骨格を有するジアミン、などが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカンが挙げられる。
カルボキシル基を有するジアミンとしては、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジアミノ安息香酸が挙げられる。
水酸基を有するジアミンとしては、1,2−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ジアミノ−6−ヒドロキシベンゼン、1,5−ジアミノ−6−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン、1,2−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、4−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、3−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、2−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)メタン、4−[(2,4−ジアミノ−5−ピリミジニル)メチル]フェノール、p−(3,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)フェノール、ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ジフルオロメタンが挙げられる。これらのカルボキシル基または水酸基を有するジアミンはアルカリ溶解性向上の観点から用いることができる。
シロキサン骨格を有するジアミンとしては、α,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサンなどが挙げられる。これらジアミンは単独、又は組み合わせて用いることができる。
本発明に係るポリアミド酸は、基板の低反り性の観点から酸二無水物として特に式(2)で示される酸二無水物を用いることが好ましい。
Figure 0005368153
(式(2)中lは1〜20の数を表す。mは2〜50の整数を表す。)
式(2)で表される酸二無水物の具体例としては、例えば、エチレングリコール−ビス−無水トリメリット酸エステル、1,3−プロパンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル、ブタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル、ペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル、ヘプタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル、デカンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステルが挙げられる。これらは、2種以上混合して用いることも好ましい。好ましくは、エチレングリコール−ビス−無水トリメリット酸エステル、ペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル、デカンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステルである。より好ましくは、エチレングリコール−ビス−無水トリメリット酸エステルとペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステルとの組み合わせ、又は、エチレングリコール−ビス−無水トリメリット酸エステルとデカンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステルとの組み合わせである。
本発明に使用する酸二無水物として、式(2)以外の他の酸二無水物を用いることもでき、中でも、オキシジフタル酸二無水物が現像性を改善する観点から好ましい。
これらの酸二無水物以外に本発明で使用できる他の酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物が挙げられる。
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては例えば、1,5−シクロオクタジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,6−トリカルボン酸−2,3:5,6−二無水物、1−カルボキシメチル−2,3,5−シクロペンタントリカルボン酸−2,6:3,5−二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物)スルホンが挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、などが挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物成分は、単独又は組み合わせて用いることができる。
本発明に係るポリアミド酸は主鎖中及び/又は末端に重合性基を持つポリアミド酸を用いてもよい。ポリアミド酸の主鎖中の重合性基は特に制限はないが例えば、式(5)で表される化合物を用いて導入することができる。本発明に係るポリアミド酸は式(5)で表される化合物を、全酸二無水物に対して3モル%〜20モル%含むことが好ましい。より好ましくは5モル%〜10モル%である。式(5)で表わされる化合物の含有量が全酸二無水物に対して5モル%〜10モル%であれば、低反り、低反発性、機械物性に優れる。
Figure 0005368153
ポリアミド酸の末端の重合性基は特に制限はないが、例えば、式(6)で表される化合物を用いて導入することができる。式(6)で表される化合物がアミンの場合は、ポリアミド酸の酸無水物末端と反応させることで導入することができる。式(6)で表される化合物が酸クロライドの場合はポリアミド酸のアミン末端と反応させることで導入することができる。式(6)で表される化合物が酸無水物の場合はポリアミド酸のアミン末端と反応させることで導入することができる。式(6)で表される化合物は、ポリアミド酸の全ジアミンと全酸二無水物の合計に対して3モル%〜30モル%含むことが好ましい。より好ましくは、5モル%〜10モル%である。式(6)で表わされる化合物の含有量が全ジアミンと全酸二無水物の合計に対して5モル%〜10モル%であれば、低反り、低反発性、機械物性に優れる。これら式(6)で表される化合物はそれぞれ単独、又は組み合わせて用いることができる。
Figure 0005368153
(式(6)中Rはフェニル基もしくは水素であり、Rは式(7)から選ばれる2価の有機基であり、Rはそれぞれ独立に水素またはメチル基でありそれぞれ同じでも異なっていても良い。)
Figure 0005368153
本発明に係るポリアミド酸は、上記ジアミンと上記テトラカルボン酸二無水物とを任意の溶媒中にて混合することにより合成し、ポリアミド酸溶液を得ることができる。本発明に係るポリアミド酸の製造方法は、公知方法を含め、ポリアミド酸を製造可能な方法が全て適用できる。中でも、有機溶媒中で反応を行うことが好ましい。このような反応において用いられる溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、フェノール、クレゾールなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
この反応における反応原料の濃度は、通常、2質量%〜50質量%、好ましくは5質量%〜40質量%である。
反応温度は、通常、80℃以下、好ましくは70℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。また、反応時間は反応原料の種類、溶媒の種類及び反応温度によって異なるが、通常0.5時間〜24時間で十分である。このような重縮合反応により、本発明に係るポリアミド酸が製造される。
反応させる酸二無水物とジアミンとのモル比は、0.8〜1.2の範囲内である。この範囲内の場合、分子量を上げることができ、伸度などにも優れる。好ましくは0.9〜1.1である。
本発明に係るポリアミド酸は、分子量の異なる少なくとも2種以上のポリアミド酸を混合したものを用いることができる。混合して用いることのできるポリアミド酸は、それぞれ重量平均分子量で3万以上のポリアミド酸と、3万未満のポリアミド酸と、であることが好ましい。重量平均分子量は例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリスチレン(東ソー社製)を用いて作成し、測定することができる。
重量平均分子量が3万以上のポリアミド酸はフィルムを作成した際の製膜性に優れ、分子量3万未満のポリアミド酸は、現像する際のアルカリ溶解性に優れる。本発明に係るポリアミド酸は、分子量の異なる少なくとも2種以上のポリアミド酸を混合したものを用いることにより、これらのそれぞれの特徴を活かし、製膜性とアルカリ溶解性に優れる。
次に本発明に係る光塩基発生剤について説明する。本発明に係る光塩基発生剤について特に制限はなく、公知の光塩基発生剤を用いることができる。公知の光塩基発生剤としては、例えば、アシルオキシイミノ基を有する化合物(以下、アシルオキシイミノ化合物と表記)、カルバモイルオキシム化合物、カルバモイルヒドロキシルアミン化合物、カルバミン酸化合物、ホルムアミド化合物、アセトアミド化合物、カルバメート化合物、ベンジルカルバメート化合物、ニトロベンジルカルバメート化合物、スルホンアミド化合物、イミダゾール誘導体化合物、アミンイミド化合物、ピリジン誘導体化合物、α−アミノアセトフェノン誘導体化合物、4級アンモニウム塩誘導体化合物、α−ラクトン環誘導体化合物、アミンイミド化合物、フタルイミド誘導体化合物などを用いることができる。なかでも比較的アミンの発生効率が高いアシルオキシイミノ化合物が好ましい。アシルオキシイミノ化合物のなかでもラジカル開裂後の再カップリング効率が良い、アシルオキシイミノ基を環構造内に有する環状化合物が好ましい。
アシルオキシイミノ化合物とは、例えば、式(9)〜式(11)で表される化合物である。
Figure 0005368153
(式(9)中、RおよびRは芳香族基またはアルキル基を表し、それぞれ同じでも異なっていてもよく、少なくとも1つは芳香族基である。Rは水素または芳香族基を表す。nは0〜4の整数を表す。)
Figure 0005368153
(式(10)中、Rは芳香族基またはアルキル基を表す。Xは脂環式基またはアリーレン基を表し、またはなくてもよい。Xがアリーレン基でない場合、Rは芳香族基を表す。nは0〜4の整数を表す。)
Figure 0005368153
(式(11)中、Xは、連結基Yを有するアリーレン基であり、nは0〜4の整数を表す。Rは連結基Yを有する芳香族基またはアルキル基であり、Yは2価の有機基である。Xで表されるアリーレン基は置換基を有していてもよい。)
アシルオキシイミノ化合物は、アシルオキシイミノ基を1分子中に2以上有する化合物、を用いることができる。アシルオキシイミノ基を1分子中に2以上有する化合物とは多官能カルボン酸を複数のオキシム化合物により縮合したアシルオキシイミノ化合物でもよいし、一分子内にカルボキシル基とオキシム基を有する化合物を2分子以上で縮合したアシルオキシイミノ化合物でも良い。アシルオキシイミノ基を1分子中に2以上有する化合物とは例えば式(12)で表される化合物である。
Figure 0005368153
(式(12)中、Xは4価の有機基であり、nは0〜4の整数を表し、Rは芳香族基またはアルキル基を表す。)
またはRまたはRまたはRで表される芳香族基とは、例えば、フェニル基やナフチル基などである。これらは置換基を有していても良い。芳香族基が有していても良い置換基とは例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、フェノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基などが挙げられる。これら置換基はポリマーワニスへの溶解性向上に寄与する。
またはRまたはRで表されるアルキル基とは例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、フェノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基などが挙げられる。
で表される連結基Yを有する芳香族基とは、例えば、フェニル基やナフチル基などである。これらは置換基を有していても良い。芳香族基が有していても良い置換基とは例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、フェノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基などが挙げられる。これら置換基はポリマーワニスへの溶解性向上に寄与する。
で表される連結基Yを有するアルキル基とは例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、フェノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基などが挙げられる。
で表されるアリーレン基とは特に制限はないが、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、などが挙げられる。
で表される連結基Yを有するアリーレン基とは特に制限はないが、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、などが挙げられる。
で表される4価の有機基とは例えば、4価の環状炭化水素が挙げられる。4価の環状炭化水素は、脂環でも芳香環でもよい。脂環は、4価の6員環〜9員環が熱安定性の点から好ましい。芳香環は、4価のベンゼン環、4価のナフタレン環などが挙げられる。これらの基は光吸収の観点から好ましい。
式(10)〜(12)で表される化合物のnは0〜4の整数であれば特に制限はないが、化合物の安定性と光分解性の観点から、アシルオキシイミノ基を含む環構造が7員環〜9員環であることが好ましい。脱炭酸後6員環を形成可能な為、特に好ましくは8員環である。
式(9)で表される化合物とは例えば、式(13)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005368153
式(10)で表される化合物とは例えば、式(14)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005368153
(式(14)中、Rは芳香族基またはアルキル基を表す。)
式(11)で表される化合物とは例えば、式(15)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005368153
(式(15)中、qは1〜2の整数を表す。)
式(12)で表される化合物とは例えば、式(16)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0005368153
(式(16)中Rは芳香族基またはアルキル基を表す。)
感光性樹脂組成物における光塩基発生剤の量は、感光性や硬化後の樹脂の機械的特性を考慮して、ポリアミド酸100質量部に対して1質量部〜10質量部配合することが好ましい。より好ましくは2質量部〜7質量部である。
次に本発明に係る三重項増感剤と光ラジカル開始剤について説明する。本発明感光性樹脂組成物において(C)成分は、光塩基発生剤の光増感剤としても光ラジカル開始剤としても作用する。光増感剤を含むと、光塩基発生剤の分解が促進でき、露光量の低減に効果がある。
(C)成分は従来公知の三重項増感剤と従来公知の光ラジカル開始剤を用いることができる。また(C)成分は従来公知の三重項増感剤であって、水素引き抜き型の光ラジカル開始剤としても作用する場合は、従来公知の水素供与体とを組み合わせて(C)成分として用いることができる。
三重項増感剤とは例えば、芳香族炭化水素、芳香族ニトロ化合物、芳香族ケトン、芳香族アミノ化合物、フェノール性化合物、キノン化合物、アントラセン化合物、フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物、アクリジン化合物、キサンテン化合物などが挙げられる。なかでも芳香族ケトンが好ましく、具体的には例えば、ベンゾフェノン類、ケトクマリン類、チオキサントン類、アントラキノン類などが好ましい。
光ラジカル開始剤とは例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ベンジル、ジフェニルジスルフィド、フェナンスレンキノン、リボフラビンテトラブチレート、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンザル)−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−フェニルジエタノールアミン、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノ−1,3−ジフェニルプロパンジオン、1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。なかでもオキシムエステル型の光ラジカル開始剤が光感度の観点から好ましい。
(C)成分として三重項増感剤と水素供与体とを組み合わせて用いる場合、三重項増感剤は例えば、芳香族ケトンが好ましい。芳香族ケトンとは、例えば、ベンゾフェノン類、ケトクマリン類、チオキサントン類、アントラキノン類などが挙げられる。なかでも好ましくはチオキサントン類であり、具体的には、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、などである。
水素供与体は例えば、ミヒラーズケトン類、ジアルキルアミノ安息香酸エステル類が好ましい。なかでもチオキサントン類とジアルキルアミノ安息香酸エステル類の組み合わせが光増感作用とラジカル発生効率の観点より好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明に係る感光性樹脂組成物においては、現像時の膜減り改善、キュア後のフィルム機械物性の観点から、ポリアミド酸100質量部に対して、増感剤及び/又は光ラジカル開始剤が0.1質量部〜7質量部、が好ましい。更に好ましくは1質量部〜5質量部である。
次に本発明に係る光重合性化合物について説明する。光重合性化合物は特に制限はなく、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニル化合物、ビニルエーテル化合物、アクリル化合物、メタクリル化合物、などを用いることができる。なかでもラジカル重合性を有する光重合性化合物が好ましく、硬化速度の観点からアクリル基または、メタクリル基のいずれかの重合性基を有する化合物であることが好ましい。
アクリル基または、メタクリル基を有する化合物は特に制限はなく、従来公知のアクリル基または、メタクリル基を有する化合物を用いることができる。フィルムにした際の難燃性の観点から、窒素原子やリン原子を有する、アクリル基または、メタクリル基を有する化合物も用いることができる。
好ましくは、フィルム作成時に溶剤を乾燥除去する際に飛散し難いように、光重合性化合物が、光重合性化合物の分子量が250以上800以下である化合物、であることが好ましい。例えばポリエチレングリコールジアクリレートであれば、エチレングリコール部分の繰り返し単位が3量体から15量体の範囲であるものが挙げられる。例えばポリエチレングリコールジメタクリレートであれば、エチレングリコール部分の繰り返し単位が3量体から11量体の範囲であるものが挙げられる。
また、好ましくは、重合した後の架橋密度の観点から、光重合性化合物の分子量を該光重合性化合物が1分子中に有している重合性基の数で除した値が100以上270以下である化合物、である。例えばポリエチレングリコールジアクリレートであれば、エチレングリコール部分の繰り返し単位が2量体から9量体の範囲であるものが挙げられるが、分子量の観点から3量体から7量体の範囲であるものが好ましい。例えばポリエチレングリコールジメタクリレートであれば、エチレングリコール部分の繰り返し単位が2量体から7量体の範囲であるものが挙げられるが、分子量の観点から3量体から7量体の範囲であるものが好ましい。
さらに好ましくは、反応性および重合した後の架橋密度の観点から重合性基を1分子中に3以上有する化合物、である。このような重合性化合物とは例えば、トリアクリレート化合物、テトラアクリレート化合物、ペンタアクリレート化合物、ヘキサアクリレート化合物、トリメタクリレート化合物、テトラメタクリレート化合物、ペンタメタクリレート化合物、ヘキサメタクリレート化合物、などが挙げられる。
さらに好ましくは、分子量が250以上800以下で、且つ光重合性化合物の分子量を該光重合性化合物が1分子中に有している重合性基の数で除した値が100以上270以下であり、且つ重合性基を1分子中に3以上有する化合物である。即ち、例えば、トリアクリレートのような3官能の光重合性化合物である場合、分子量が300〜800のもの、テトラアクリレートのような4官能の光重合性化合物である場合、分子量が400〜800のもの、ペンタアクリレートのような5官能の光重合性化合物である場合、分子量が500〜800のもの、ヘキサアクリレートのような6官能の光重合性化合物である場合、分子量が600〜800のものが、分子量が250以上800以下で、且つ光重合性化合物の分子量を該光重合性化合物が1分子中に有している重合性基の数で除した値が100以上270以下であり、且つ重合性基を1分子中に3以上有する化合物である。
このような光重合性化合物とは例えば、トリアクリレート化合物としては、ECH変性グリセロールトリアクリレート(分子中にECH繰り返し単位を3〜6有するもの)、EO変性グリセロールトリアクリレート(分子中にEO繰り返し単位を3〜12有するもの)、PO変性グリセロールトリアクリレート(分子中にPO繰り返し単位を3〜9有するもの)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(分子中にEO繰り返し単位を3〜9有するもの)、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、など、ペンタアクリレート化合物としては、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、など、ヘキサアクリレート化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
光重合性化合物は、三重項増感剤及び/又は光ラジカル開始剤より、発生したラジカルにより重合を行うことができる。重合反応を促進したい場合は、露光後加熱を施しても良い。
本発明に係る感光性樹脂組成物においては、現像時の膜減り改善、キュア後のフィルム機械物性、難燃性の観点から、ポリアミド酸100質量部に対して、重合性化合物が1質量部〜10質量部が好ましい。更に好ましくは2質量部〜8質量部である。更に好ましくは3質量部〜7質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに難燃剤(E)を含んでいても良い。本発明に係る感光性樹脂組成物は難燃剤成分の添加によって更に難燃性を高めることができる。難燃剤としては特に制限はなく、公知の難燃剤を用いることができる。
難燃剤成分はリン系の難燃剤が好ましく、なかでもリン酸エステル化合物及び/又はホスファゼン化合物が、感光性樹脂組成物の難燃性、柔軟性、屈曲性の観点より好ましい。リン酸エステル化合物もしくはホスファゼン化合物の中でも、耐熱安定性の観点より環状ホスファゼン化合物が更に好ましい。
リン酸エステル化合物としては、芳香族リン酸エステル又は、アルキルリン酸エステル又はアルコキシリン酸エステルが好ましい。
芳香族リン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリイソプロピルフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)などが挙げられる。
アルキルリン酸エステルとしては、例えば、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリイソブチルホスフェート、などが挙げられる。
アルコキシリン酸エステルとしてはトリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリス(ブトキシブチル)ホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどが挙げられる。
ホスファゼン化合物としては、耐熱安定性の観点より環状化合物が好ましい。例えば式(17)で示される化合物の中から選ばれる化合物が好ましい。これらの難燃剤成分は単独又は組み合わせて用いることができる。
Figure 0005368153
(式(17)中、xはそれぞれ3〜5の数である。)
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに可塑剤(F)を含んでいても良い。本発明の感光性樹脂組成物は可塑剤成分の添加によって更に低反り性を高めることができる。
可塑剤としては特に制限はないが、低反り性の観点から、エチレングリコール鎖及び/又はプロピレングリコール鎖を含む可塑剤が好ましい。更に好ましくは難燃性の観点からエチレングリコール鎖及び/又はプロピレングリコール鎖を有しイソシアヌル酸環有する化合物である。例えば式(18)に示す化合物などが挙げられる。
Figure 0005368153
(式(18)中Rはエチレングリコール鎖及び/又はプロピレングリコール鎖を含む有機基である。)
として、具体的に例えば式(19)で示される有機基が好ましい。
Figure 0005368153
(式(19)中、n’は2〜8の数であり、L’は2〜8の数である。)
本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の効果を逸脱しない量的、質的範囲内で、既に公知である添加剤を必要に応じて添加することができる。具体的に添加剤としては、密着性向上剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、ワックス類、充填剤、顔料、染料、発泡剤、消泡剤、脱水剤、帯電防止剤、抗菌剤、防カビ剤、レベリング剤、分散剤、重合禁止剤、重合抑制剤、などが挙げられる。
密着性向上剤としては、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、スルフィド化合物が挙げられるが、好ましくは2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イミダゾールシランなどのケイ素含有イミダゾールが挙げられる。イミダゾールシランとしては例えば、日鉱金属社製のIM−1000が好ましい。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、ポリアミド酸と光塩基発生剤と三重項増感剤及び/又は光ラジカル開始剤と光重合性化合物、及び必要に応じて難燃剤及び可塑剤とを任意の溶剤中にて混合して得ることができる。本発明に係る感光性樹脂組成物は溶液の状態でも良いが、フィルムを形成することが好ましい。フィルムを形成する際は、ポリアミド酸と光塩基発生剤と三重項増感剤及び/又は光ラジカル開始剤と光重合性化合物、及び必要に応じて難燃剤及び可塑剤とを任意の溶剤中にて混合後、任意の方法で乾燥することにより得ることができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は感光性インク又は感光性フィルムに好適に用いることができる。本発明に係る感光性樹脂組成物を感光性インク又は感光性フィルムに好適に用いた場合、ネガ型のフォトリソグラフィーが可能である。
本発明の感光性樹脂組成物を感光性インクとして用いる場合は、任意の基材上にスクリーン印刷にて塗布後乾燥して任意の基材上にカバーレイ形成することができる。スクリーン印刷法とは公知の印刷法で、パターンを形成したスクリーン上にスキージなどを用いてインクを通過させて印刷する方法である。
本発明の感光性樹脂組成物を感光性フィルムに用いる場合、まず、本発明に係る感光性樹脂組成物を基材にコートし感光性フィルムを作成する。前記基材としては、感光性フィルム形成の際に損傷しない基材であれば、限定されない。このような基材はキャリアフィルムとして用いられる。
キャリアフィルムとしては、例えば、耐熱性樹脂、ポリエチレンテレフタレートフィルムや金属フィルムなどが挙げられる。これらの中でも取扱いの良さから、耐熱性樹脂及びポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、基板圧着後の剥離性の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物で構成された感光性フィルムは、キャリアフィルムを具備する積層フィルムに加工することができる。また、この積層フィルムは、カバーフィルムを具備していても良い。
感光性樹脂組成物のキャリアフィルムへのコートは、例えば、バーコート、ローラーコート、ダイコート、ブレードコート、ディップコート、ドクターナイフ、スプレーコート、フローコート、スピンコート、スリットコート、はけ塗り、などによって行うことができる。コート後、必要に応じてオーブン、ホットプレートなどにより加熱処理を行い、溶剤を乾燥させ、キャリアフィルムと感光性フィルムとを有する積層フィルムとする。
また、本発明に係る感光性フィルム上に、任意の防汚用や保護用のカバーフィルムを少なくとも一層設けて積層フィルムとしても良い。本発明に係る積層フィルムにおいて、カバーフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレンなど任意の防汚用のフィルムや保護用のフィルムを用いることができる。
以上のようにして作成した本発明に係る感光性フィルムを、配線を有する基材に、前記配線を覆うように圧着することにより、基材上にカバーレイを備えた回路基板を形成することができる。また、上記の感光性フィルム以外に、キャリアフィルムと感光性フィルムとを備える積層フィルム若しくはこの積層フィルムの上に更にカバーフィルムを備えた積層フィルムを用いても同様に回路基板を形成することができる。
上記方法によって感光性インクまたは感光性フィルムを用いて形成された任意の基材上に形成されたカバーレイは、少なくとも露光、アルカリ現像の工程を経て、キュアなどの処理が施される。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて、回路基板を製造することができる。この回路基板の製造方法においては、回路基板を製造し、少なくとも配線を有する基材上に感光性樹脂組成物を塗布後乾燥して樹脂組成物層を形成し、樹脂組成物にパターン露光を行い、パターン露光後の樹脂組成物層に対してアルカリ水溶液を用いて現像処理を行い、現像処理後の樹脂組成物層をキュアする。
また、回路基板の製造方法においては、少なくとも、上記感光性フィルム、又は上記積層フィルムのいずれかを配線を有する基材上にラミネートして樹脂組成物層を形成し、前記樹脂組成物層にパターン露光を行い、前記パターン露光後の樹脂組成物層に対してアルカリ水溶液を用いて現像処理を行い、現像処理後の樹脂組成物層をキュアする。
配線を有する基材としては、ガラスエポキシ基板、ガラスマレイミド基板などのような硬質基材、あるいはポリイミドフィルムなどのフレキシブルな基板などの任意の基材上に配線を有するものが挙げられる。これらの中で、折り曲げ可能の観点からフレキシブルな基板上に配線を有するも基材が好ましい。
樹脂組成層の形成方法としては、感光性インクを用いる場合は前述したスクリーン印刷法が好適に用いられる。
感光性フィルムを用いる場合は、前記配線を有する基材の配線側と感光性フィルムを接触させた状態で、熱プレス、熱ラミネート、熱真空プレス、熱真空ラミネートなどを行う方法などが挙げられる。この中で、配線間への感光性フィルムの埋め込みの観点から、熱真空プレス、熱真空ラミネートが好ましい。前記配線を有する基材上に感光性フィルムを積層する際の加熱温度は、感光性フィルムが基材に密着し得る温度であれば限定されない。基材への密着の観点や感光性フィルムの分解や副反応の観点から、30℃〜400℃が好ましい。より好ましくは、50℃〜150℃である。
本発明に係るカバーレイは、露光後、現像を行う前に必要に応じて加熱処理(以下PEBと表記)を施した後、未露光部位をアルカリ現像にて溶解することにより、ネガ型のフォトリソグラフィーが可能である。この場合において、露光に用いる光源は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、蛍光灯、タングステンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザーなどが挙げられる。この中で、高圧水銀灯、超高圧水銀灯が好ましい。
PEBを実施する際の温度は現像性の観点から100℃〜160℃が好ましい。加熱は、空気雰囲気下、窒素雰囲気下のいずれで行っても良い。また、加熱方法としては特に制限はないが、オーブン、焼成炉、ホットプレートなどを用いて行うことができる。
現像に用いるアルカリ水溶液としては、未露光部位を溶解し得る溶液であれば限定されない。このような溶液として、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液などが挙げられる。現像性の観点から、炭酸ナトリウム水溶液及び水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。現像方法としては、スプレー現像、浸漬現像、パドル現像などが挙げられる。
次いで、本発明のカバーレイを形成した回路基板を必要に応じてキュアすることによりカバーレイを具備する回路基板を形成する。キュアは、溶媒の除去の観点や副反応や分解、基材上の配線を傷めないなどの観点から、30℃〜400℃の温度で実施することが好ましい。より好ましくは、100℃〜200℃が好ましい。さらに好ましくは120℃〜180℃である。キュアは、空気雰囲気下、窒素雰囲気下のいずれで行っても良い。また、キュア方法としては特に制限はないが、オーブン、焼成炉、ホットプレートなどを用いて行うことができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、感光性インク或いは感光性フィルムとして現像後の膜減りを抑制でき、キュアを施した後は耐薬品性、屈曲耐性、難燃性を有することから、エレクトロニクス分野で各種電子機器の操作パネルなどに使用されるプリント配線板や回路基板の保護層形成、積層基板の絶縁層形成、半導体装置に使用されるシリコンウエハ、半導体チップ、半導体装置周辺の部材、半導体搭載用基板、放熱板、リードピン、半導体自身などの保護や絶縁及び接着に使用するための電子部品への膜形成用途に利用される。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
<ポリアミド酸合成例使用試薬>
ポリアミド酸合成例において用いた試薬である無水マレイン酸(和光純薬工業社製)、4−エチニルフタル酸無水物(富士フイルム社製、商品名:FF MONOMER301)、4−フェニルエチニルフタル酸無水物(マナック社製、商品名:PEPA)、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(東京化成工業社製)、オキシジフタル酸二無水物(マナック社製)、ペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル(黒金化成社製、商品名:5BTA)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(イハラケミカル工業社製、商品名:エラスマー1000、平均分子量1238)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(和歌山精化社製)は特別な精製を実施せずに反応に用いた。
<ポリアミド酸合成例1>
攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブルフラスコに、窒素気流下にて、γ−ブチロラクトン(42.16g)と無水マレイン酸(0.27g/2.8mmol)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れ、40℃で30分攪拌した。次いで、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(0.50g/2.0mmol)とペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル(8.14g/18mmol)を入れ、60℃で10分攪拌した。次いで、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(4.33g/3.5mmol)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れ、60℃で3時間攪拌した。反応液が褐色透明になったら室温に冷却し、孔サイズ10μmのろ紙を用いて反応液を加圧ろ過して回収し、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸含有率30質量%)を得た。数平均分子量は約13,000、重量平均分子量は約33,000であった。本ポリアミド酸溶液はそのまま感光性樹脂組成物の作製に用いた(以下ポリアミド酸A1と表記)。
<ポリアミド酸合成例2>
攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブルフラスコに、窒素気流下にて、γ−ブチロラクトン(39.01g)とオキシジフタル酸二無水物(3.41g/11mmol)とペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル(4.07g/9mmol)と無水マレイン酸(0.08g/0.8mmol)を入れ、室温で攪拌しながら1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れた後、60℃に加熱し30分攪拌した。ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(4.33g/3.5mmol)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れ、3時間攪拌した。反応液が褐色透明になったら室温に冷却し、孔サイズ10μmのろ紙を用いて反応液を加圧ろ過して回収し、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸含有率30質量%)を得た。数平均分子量は約19,000、重量平均分子量は約62,000であった。本ポリアミド酸溶液はそのまま感光性樹脂組成物の作製に用いた(以下ポリアミド酸A2と表記)。
<ポリアミド酸合成例3>
攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブルフラスコに、窒素気流下にて、γ−ブチロラクトン(32.37g)とオキシジフタル酸二無水物(3.41g/11mmol)とペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル(4.07g/9mmol)と無水マレイン酸(0.78g/8mmol)を入れ、室温で攪拌しながら1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れた後、60℃に加熱し30分攪拌した。ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(4.33g/3.5mmol)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れ、3時間攪拌した。反応液が褐色透明になったら室温に冷却し、孔サイズ10μmのろ紙を用いて反応液を加圧ろ過して回収し、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸含有率35質量%)を得た。数平均分子量は約6,000、重量平均分子量は約11,000であった。本ポリアミド酸溶液はそのまま感光性樹脂組成物の作製に用いた(以下ポリアミド酸A3と表記)。
<ポリアミド酸合成例4>
攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブルフラスコに、窒素気流下にて、γ−ブチロラクトン(39.15g)とオキシジフタル酸二無水物(3.41g/11mmol)とペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル(4.07g/9mmol)と4−エチニルフタル酸無水物(0.14g/0.8mmol)を入れ、室温で攪拌しながら1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れた後、60℃に加熱し30分攪拌した。ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(4.33g/3.5mmol)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れ、3時間攪拌した。反応液が褐色透明になったら室温に冷却し、孔サイズ10μmのろ紙を用いて反応液を加圧ろ過し回収し、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸含有率30質量%)を得た。数平均分子量は約16,000、重量平均分子量は約48,000であった。本ポリアミド酸溶液はそのまま感光性樹脂組成物の作製に用いた(以下ポリアミド酸A4と表記)。
<ポリアミド酸合成例5>
攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブルフラスコに、窒素気流下にて、γ−ブチロラクトン(42.04g)とオキシジフタル酸二無水物(3.41g/11mmol)とペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル(4.07g/9mmol)と4−エチニルフタル酸無水物(1.38g/8mmol)を入れ、室温で攪拌しながら1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れた後、60℃に加熱し30分攪拌した。ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(4.33g/3.5mmol)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れ、3時間攪拌した。反応液が褐色透明になったら室温に冷却し、孔サイズ10μmのろ紙を用いて反応液を加圧ろ過し回収し、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸含有率35質量%)を得た。数平均分子量は約16,000、重量平均分子量は約48,000であった。本ポリアミド酸溶液はそのまま感光性樹脂組成物の作製に用いた(以下ポリアミド酸A5と表記)。
<ポリアミド酸合成例6>
攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブルフラスコに、窒素気流下にて、γ−ブチロラクトン(46.15g)と4−フェニルエチニルフタル酸無水物(1.99g/8mmol)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)とを入れ、40℃にて30分攪拌した。その後、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(0.50g/2mmol)とペンタンジオール−ビス−無水トリメリット酸エステル(8.14g/18mmol)と、を入れ60℃にて20分攪拌した。その後ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(4.33g/3.5mmol)と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(2.41g/8.24mmol)を入れ、2時間攪拌した。反応液が褐色透明になったら室温に冷却し、孔サイズ10μmのろ紙を用いて反応液を加圧ろ過し回収し、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸含有率30質量%)を得た。数平均分子量は約4,500、重量平均分子量は約13,000であった。本ポリアミド酸溶液はそのまま感光性樹脂組成物の作製に用いた(以下ポリアミド酸A6と表記)。
<分子量測定>
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて下記の条件により測定をした。溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を用い、測定前に24.8mmol/Lの臭化リチウム一水和物(和光純薬工業社製、純度99.5%)及び63.2mmol/Lのリン酸(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を加えたものを使用した。
カラム:Shodex KD−806M(昭和電工社製)
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
ポンプ:PU−2080Plus(JASCO社製)
検出器:RI−2031Plus(RI:示差屈折計、JASCO社製)
UV―2075Plus(UV−VIS:紫外可視吸光計、JASCO社製)
また、分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリスチレン(東ソー社製)を用いて作成した。
<光塩基発生剤合成例使用試薬>
光塩基発生剤合成例において、用いた試薬であるα−テトラロン(東京化成工業社製)、1−インダノン(東京化成工業社製)、フェニルマグネシウムブロミド(東京化成工業社製)、メチルマグネシウムブロミド(東京化成工業社製)、p−トルエンスルホン酸(東京化成工業社製)、過ヨウ素酸ナトリウム(和光純薬工業社製)、塩化ルテニウム(III)水和物(和光純薬工業社製)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(和光純薬工業社製)、50%ヒドロキシルアミン水溶液(和光純薬工業社製)、2,4,6,−トリクロロベンゾイルクロリド(東京化成工業社製)、トリエチルアミン(和光純薬工業社製)、4−ジメチルアミノピリジン(東京化成工業社製)、5−ベンゾイルペンタノイックアシッド(東京化成工業社製)、ヒドロキシアンモニウムクロリド(和光純薬工業社製)、塩化チオニル(和光純薬工業社製)は特別な精製を実施せずに反応に用いた。
<光塩基発生剤合成例1>
(工程1)
窒素気流下、200mlの2つ口フラスコにα−テトラロン(5.0g/34.2mmol)、イソプロピルエーテル(70ml)を入れ、氷浴中にて攪拌した。シリンジを用いフェニルマグネシウムブロミド(34.2ml/68.4mmol)を滴下後、白色懸濁液となった。3時間攪拌した後、飽和食塩水を加え洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、溶媒をエバポレーターで留去し、析出物を回収した。
(工程2)
2つ口フラスコに工程1で回収した析出物と塩化メチレン(34ml)とp−トルエンスルホン酸(2.0g/10.5mmol)を入れ、室温にて3時間攪拌した。飽和食塩水を加え洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、溶媒をエバポレーターで留去し、析出物を回収した。
(工程3)
還流管を付けた1つ口フラスコに工程2で回収した析出物(2.0g/9.7mmol)と過ヨウ素酸ナトリウム(10.6g/50.0mmol)と塩化ルテニウム(III)水和物(0.2g/0.97mmol)とアセトニトリル(18ml)、ヘキサン(24ml)、水(18ml)を入れ水浴中にて攪拌した。4時間攪拌した後、得られた褐色懸濁液に塩化メチレン、2N塩酸を加え抽出した。有機層を取り出し、10%水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。水層を取り出し、2N塩酸を加え、塩化メチレンにて抽出した。有機層を取り出し、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、溶媒をエバポレーターで留去し、析出物を回収した。
(工程4)
還流管を付けたナスフラスコに得られた工程3で得られた析出物(0.93g/3.67mmol)と塩化ヒドロキシルアンモニウム(2.42g/34.8mmol)と水酸化ナトリウム(4.4g/110mmol)と水(12ml)とエチレングリコール(12ml)を入れ、還流条件下、5時間加熱した。室温まで冷却したのち、2N塩酸を加え、有機層を水層に分け、有機層を塩化メチレンにて抽出した。抽出した有機層を飽和食塩水で洗浄した後、ヘキサンと塩化メチレンによる再結晶で精製し、得られた結晶を回収した。
(工程5)
ナスフラスコに窒素気流下にて工程4で回収した結晶(1.02g/3.78mmol)と2,4,6,−トリクロロベンゾイルクロリド(2.77g/11.3mmol)とトリエチルアミン(1.91g/18.9mmol)とテトラヒドロフラン(38ml)を入れ、室温で一時間攪拌後、白色懸濁液を得た。得られた白色懸濁液を濾過し、濾液を4−ジメチルアミノピリジン(9.24g/75.6mmol)を加えたトルエン(380ml)に滴下し、室温にて12時間攪拌した。得られた懸濁液に飽和食塩水を加えよく洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。エバポレーターで溶媒を留去し、得られた固体をヘキサンと酢酸エチルで再結晶し、析出した結晶を回収した。得られた化合物は、1H−NMR、GC−MSにより式(20)と同定した。得られた化合物を以下PBG1と表記する。
Figure 0005368153
<光塩基発生剤合成例2>
5−ベンゾイルペンタノイックアシッド(7.5g/36mmol)、ヒドロキシアンモニウムクロリド(3.75g)、メタノール30mlをフラスコに入れ、KOH5.6gを含む水溶液15mlを加え、攪拌しながら60℃で10分間加熱した後、室温まで冷却した後、氷浴で冷却し、1.2N塩酸水溶液で中和した。析出した白色固体をトルエンで再結晶し、5.4g(24mmol)の6−ヒドロキシイミノ−6−フェニルヘキサノイックアシッドを得た。
得られた6−ヒドロキシイミノ−6−フェニルヘキサノイックアシッド3.06g(13.8mmol)、ピリジン45ml、ジエチルエーテル60mlをフラスコ中に入れ、−20℃〜−30℃に冷却し、攪拌しながら塩化チオニル(1.20ml/16.4mmol)(和光純薬工業社製)を含むジエチルエーテル120mlを滴下した。室温で一晩撹拌した後、溶媒をエバポレーターで留去した。析出物に50mlのクロロホルムを加え、このクロロホルム溶液を1.2N塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、クロロホルムをエバポレーターで留去し、得られた淡黄色固体をカラムクロマトグラフィーで分離し、式(21)で表される光塩基発生剤を得た。得られた化合物を以下PBG2と表記する。
Figure 0005368153
<配合例使用試薬>
(C)成分として用いた2,4−ジエチル−9H−チオキサンテン−9−オン(和光純薬工業社製)(略称ジエチルチオキサントン、以下DETXと表記)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン社製、商品名:IRG−819)(以下IRG−819と表記)、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製、商品名:KAYACURE EPA)(以下EPAと表記)、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](チバ・ジャパン社製、商品名:OXE−01)(以下OXE−01と表記)は特別な精製を実施せずに配合に用いた。
(D)成分として用いたε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亞合成社製、商品名:アロニックスM−327)(以下M−327と表記)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成社製、商品名:アロニックスM−305)(以下M−305と表記)は特別な精製を実施せずに配合に用いた。
(E)成分として用いた式(22)に示す化合物(伏見製薬社製、商品名:ラビトルFP−100)(以下FP−100と表記)、は特別な精製を実施せずに配合に用いた。
(F)成分として用いた式(23)に示す化合物(東邦化学社製、商品名:サンプルC)(以下サンプルCと表記)、は特別な精製を実施せずに配合に用いた。
Figure 0005368153
Figure 0005368153
<感光性樹脂組成物配合例1>
Figure 0005368153
(表中、数字は質量部を表す。(A)成分の配合量はポリアミド酸溶液中に含まれるポリアミド酸の値である。)
Figure 0005368153
(表中、数字は質量部を表す。(A)成分の配合量はポリアミド酸溶液中に含まれるポリアミド酸の値である。)
Figure 0005368153
(表中、数字は質量部を表す。(A)成分の配合量はポリアミド酸溶液中に含まれるポリアミド酸の値である。)
<感光性樹脂組成物フィルム作製>
上記表1〜表3に示した配合で作製した樹脂組成物ワニスを25μm厚のPETフィルム(R−310−25/三菱化学ポリエステルフィルム社製)にブレードコーターで塗工後、95℃/12分間オーブン(ESPEC社製、SPHH−10l)で乾燥しPETフィルムと感光性樹脂組成物で構成されたフィルムの積層フィルムを得た。感光性樹脂組成物で構成されたフィルム層の厚みは何れの配合も20μmであった。以下感光性樹脂組成物で構成されたフィルム層を感光性フィルムと表記する。
<膜厚測定>
膜厚測定は、膜厚計(Mitutoyo社製、ID−C112B)を用いて行った。
<フィルム積層>
フィルム積層は、真空プレス機(テスター産業社製)を用いて行った。プレス温度100℃、プレス圧0.5MPa、プレス時間1分間にて行った。
<FPCカバーレイの作製>
上記条件にてFPC基板上に感光性フィルムを積層した後、PETフィルムを剥離した。FPC基板上に得た感光性フィルム層を感光性カバーレイと表記する。
<フォトリソグラフィー評価例>
得られた感光性カバーレイに、ネガ型のマスクを用い超高圧水銀灯(オーク社製、商品名:HMW−201KB)でコンタクト露光を行った。露光量は1,000mJ/cmとした。露光後110℃のオーブンにて30分間加熱した(以下PEBと表記)。比較例2、5、7はPEBを施さず現像した。1%の炭酸ナトリウム水溶液で現像温度30℃、スプレー圧0.2MPaでスプレー現像を行った。30℃の蒸留水にてスプレー圧0.2MPaでスプレー水洗を行い、得られたパターンを光学顕微鏡で観察した。100μmの円孔パターンの形成が可能であったものを○、パターン形成が困難であったものを×として評価を行った(表4〜表6、及び表8の100μm円孔の欄に記載)。
また残膜率については、同一の(A)成分を用いた対応する比較例1〜比較例5より20%以上の残膜率向上が認められたもの、または残膜率が90%以上のものを◎、残膜率が90%未満80%以上のものを○、残膜率が80%未満10%以上のものを△、残膜率が10%未満のものを×として評価を行った(表4〜表6の残膜率の欄に記載)。
<評価例1>
表4〜表6にそれぞれ同一の(A)成分を用いた実施例および比較例の評価結果を記載する。この評価例から明らかな様に、同一の(A)成分に対し本発明に係る(B)成分、(C)成分、(D)成分の添加が効果的に現像後の膜減りを改善していることがわかる。比較例2、比較例5に示すように、(B)成分を添加しない場合、100μm円孔、残膜率共に悪化する。また、比較例1、3、4に示すように、(B)成分を添加することにより100μm、残膜率共に改善する。実施例1〜6に示すように(D)成分を添加することにより、さらに、膜減りが改善する。
Figure 0005368153
Figure 0005368153
Figure 0005368153
<感光性樹脂組成物配合例2>
Figure 0005368153
(表中、数字は質量部を表す。(A)成分の配合量はポリアミド酸溶液中に含まれるポリアミド酸の値である。)
<キュアフィルム低反り性評価例>
反りの評価は、カプトン(登録商標:東レ・デュポン社製、膜厚25μm)フィルム上に感光性フィルムを上記の積層条件で積層し、前述の方法によりフォトマスクを用いずに両面に1,000mJ/cmの露光を施した。次いで、後述の方法にてキュアを行いサンプルを作成した。作成したサンプルを50mm×50mmの大きさに切り出し、水平な面に静置した際、裾部分の浮きが10mm以下の場合を○とし、10mmより大きい場合を×とした。
<キュアフィルム屈曲耐性評価例>
パターンのないFPC(新日鐵化学社製、商品名:エスパネックス、ポリイミド20μm/銅12μm)の銅面に、感光性フィルムを上記の積層条件でラミネートし、感光性カバーレイを得た後に前述の方法によりフォトマスクを用いずに1,000mJ/cmの露光を施した。次いで、後述の方法にてキュアを5サイクル繰り返して行いサンプルを作成した。得られたサンプルをはぜ折りし、クラック若しくは剥離が発生せず10回以上はぜ折りが可能であったものを○とし、9回以下のものを×とした。
<キュア>
オーブン(ESPEC社製、SPHH−10l)で感光性フィルムを積層したカプトンフィルム、あるいは感光性カバーレイを積層したFPC基板を120℃にて1時間、次いで180℃にて1時間の加熱処理を施し室温まで冷却した(これを1サイクルとする)。
<キュアフィルム難燃性試験評価例>
上記の積層条件でカプトンフィルムの両面に感光性フィルムを積層した後、前述の方法によりフォトマスクを用いずに両面に1,000mJ/cmの露光を施した。次いで、前述の方法にてキュアを行いサンプルを作成した。このサンプルフィルムを20cm×5cmに切り取り、UL94 VTM試験により難燃性の評価を行った。各試料の残炎時間が10秒以下で、かつ12.5cmの標線まで燃焼しなかったサンプルを○と評価し、各試料の残炎時間が10秒以上あるいは12.5cmの標線まで燃焼したサンプルを×と評価した。
<キュアフィルム耐薬品性試験評価例>
パターンのないFPC(新日鐵化学社製、商品名:エスパネックス、ポリイミド20μm/銅12μm)の銅面に、感光性フィルムを上記の積層条件でラミネートし、感光性カバーレイを得た。その後、前述の方法によりフォトマスクを用いずに、1,000mJ/cmの露光を施した。次いで、後述の方法にてキュアを1サイクル施し、サンプルを作成した。得られたサンプルを25mm角に切り出し、室温にてメチルエチルケトンに5分浸漬した。膜減りが認められないものを○とし、膜減りが10%以上認められたものおよび表面にタックが発生したものを×とした。
<評価例2>
表8に評価例結果を記載する。実施例7が示すように本発明の感光性樹脂組成物は、現像後の膜減り改善、及び200℃以下での低温キュアで、屈曲耐性、難燃性、耐薬品性を満たし得る。比較例7に示すように、(B)成分を添加しない場合、(D)成分の添加量を増加しなくてはならない為、屈曲耐性、難燃性が悪化する。また、比較例8に示すように、(D)成分を添加しない場合、耐薬品性が悪化する。
Figure 0005368153
本発明は、アルカリ現像可能なフォトリソグラフィーを利用したパターニング工程に適用することができる。

Claims (26)

  1. ポリアミド酸(A)と、光塩基発生剤(B)と、三重項増感剤及び/又は光ラジカル開始剤(C)と、光重合性化合物(D)と、を含有する感光性樹脂組成物であって、前記ポリアミド酸100質量部に対して、前記光塩基発生剤が1質量部〜10質量部、前記増感剤及び/又は前記光ラジカル開始剤が0.1質量部〜7質量部、前記重合性化合物が1質量部〜10質量部であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記光重合性化合物が、アクリル基または、メタクリル基のいずれかの重合性基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記光重合性化合物が、光重合性化合物の分子量が250以上800以下である化合物、を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記光重合性化合物が、前記光重合性化合物の分子量を該光重合性化合物が1分子中に有している重合性基の数で除した値が100以上270以下である化合物、を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記光重合性化合物が、前記重合性基を1分子中に3以上有する化合物、を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記三重項増感剤及び/又は前記光ラジカル開始剤が、芳香族ケトンと水素供与体とを含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記芳香族ケトンが、ベンゾフェノン類、ケトクマリン類、チオキサントン類、アントラキノン類であることを特徴とする請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記水素供与体が、ミヒラーズケトン類、ジアルキルアミノ安息香酸エステル類であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記光塩基発生剤が、アシルオキシイミノ基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記アシルオキシイミノ基を有する化合物が、アシルオキシイミノ基を環構造内に有する環状化合物、であることを特徴とする請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記アシルオキシイミノ基を有する化合物が、アシルオキシイミノ基を1分子中に2以上有する化合物、であること特徴とする請求項9または請求項10に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 前記ポリアミド酸が、ジアミンと酸二無水物とを用いて得られるポリアミド酸であり、式(1)で表されるジアミンを用いて得られることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005368153
    (式(1)中Rは炭素数が1〜50の2価の有機基である。kは1〜50の数を表す。)
  13. 前記ポリアミド酸が、さらに式(2)で表される酸二無水物を用いて得られることを特徴とする請求項12に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005368153
    (式(2)中lは1〜20の数を表す。mは2〜50の整数を表す。)
  14. 前記ポリアミド酸が、更に式(3)で表されるジアミンを用いて得られることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005368153
    (式(3)中、Zは2価の有機基であり、式(4)に示す有機基から選ばれる。)
    Figure 0005368153
    (式(4)中pは3〜5の整数を表す。)
  15. 前記ポリアミド酸が更に、オキシジフタル酸二無水物を用いて得られることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  16. 前記ポリアミド酸が更に、式(5)で表される酸二無水物を用いて得られることを特徴とする請求項12から請求項15のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005368153
  17. 前記ポリアミド酸が重合性末端を有するポリアミド酸であり、前記重合性末端が式(6)で表される化合物を用いて得られる重合性末端であることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005368153
    (式(6)中、Rはフェニル基もしくは水素であり、Rは式(7)から選ばれる2価の有機基であり、Rはそれぞれ独立に水素またはメチル基であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。)
    Figure 0005368153
  18. 前記ポリアミド酸が分子量の異なる少なくとも2種のポリアミド酸を混合したものであり、それぞれの分子量が重量平均分子量で3万以上と3万未満とであることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  19. さらに難燃剤(E)を含有することを特徴とする請求項1から請求項18のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  20. さらに可塑剤(F)を含有することを特徴とする請求項1から請求項19のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  21. 請求項1から請求項20のいずれかに記載の感光性樹脂組成物で構成されたことを特徴とする感光性フィルム。
  22. キャリアフィルムと、前記キャリアフィルム上に設けられた請求項21に記載の感光性フィルムと、を具備することを特徴とする積層フィルム。
  23. 前記感光性フィルム上に形成されたカバーフィルムを具備することを特徴とする請求項22に記載の積層フィルム。
  24. 配線を有する基材と、請求項21に記載の感光性フィルム、又は請求項22もしくは請求項23に記載の積層フィルムを用いて構成されたカバーレイと、を具備することを特徴とする回路基板。
  25. 請求項1から請求項20のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて、少なくとも配線を有する基材上に樹脂組成物層を形成する工程と、前記樹脂組成物層にパターン露光を行う工程と、前記パターン露光後の樹脂組成物層に対してアルカリ水溶液を用いて現像処理を行う工程と、現像処理後の樹脂組成物層をキュアする工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
  26. 少なくとも、請求項21に記載の感光性フィルム、又は請求項22もしくは請求項23に記載の積層フィルムのいずれかを配線を有する基材上にラミネートして樹脂組成物層を形成する工程と、前記樹脂組成物層にパターン露光を行う工程と、前記パターン露光後の樹脂組成物層に対してアルカリ水溶液を用いて現像処理を行う工程と、現像処理後の樹脂組成物層をキュアする工程と、を具備することを特徴とする回路基板の製造方法。
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