JP5367918B1 - ガス器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バーナー3によるガスの燃焼熱により集熱部26が加熱され、集熱部26を有するバーナー側ヒートパネル25を介して熱電変換素子19の高温端子Hが加熱され、バーナー3へのガスの供給による液体ガスの気化熱によって液体ガスおよびガスボンベ17が冷却され、ガスボンベ17に密着されたガスボンベ側ヒートパネル18を介して熱電変換素子19の低温端子Lが冷却されて、熱電変換素子19の高温端子Hと低温端子Lとの間に所定の温度帯における所定の温度差が生じることで熱電変換素子19において発電がなされる。
【選択図】図5
Description
図1は、本発明の実施の形態1に係るガス器具の全体構成を示す平面図であり、図2は、図1に示す矢印方向からの側面図である。
図1および図2に示すように、実施の形態1に係るガス器具は、本体部1と容器部2とからなり、本体部1は、バーナー3と、バーナー3を支持する本体下部4と、本体下部4の上に設置された本体カバー5と本体カバー5に設けられた汁受け6と五徳7とを備え、容器部2は、容器支持体8と、容器支持体8に設置され、開閉可能な容器カバー9と、容器支持体8の端部に設置された器具栓つまみ10と、器具栓つまみ10の下側に設置された出力端子11とを備える。
本体部1の本体下部4は、バーナー3と、バーナー3の内部に設置される点火プラグ12と、同じくバーナー3の内部に設置されるフレームロッド13と、これら点火プラグ12およびフレームロッド13と接続される電池部14と、点火の可否を判断する制御部15とを備える。
容器部2の容器支持体8は、ガスボンベ設置機構16とガスボンベ設置機構16に設置されたカートリッジ式ガスボンベ17(以下、ガスボンベ17)と、ガスボンベ17の下側に設置されたガスボンベ側ヒートパネル18とガスボンベ側ヒートパネル18に接続された熱電変換素子19と、ガスボンベ設置機構16に接続された器具栓つまみ10と器具栓つまみ10に設置されたマイクロスイッチ20とを備える。
なお、バーナー側ヒートパネル25は、そのバーナー側の端部において集熱部26を備え、集熱部26は、バーナー3の直下から炎口近傍まで延びて、バーナー3の有する複数の炎口に対向する集熱壁27を有する。
本体下部4は、バーナー3をはじめとして、点火プラグ12、フレームロッド13、電池部14、および制御部15をそれぞれ設置支持するものであり、その上に本体カバー5が設置される。
汁受け6は、本体カバー5のバーナー3を通す孔を中心に設けられた窪みであり、鍋等の噴きこぼれによって、バーナー3の炎が消えないように、鍋等から噴きこぼれた所定量の液体を留める働きをする。
五徳7は、その上に設置される鍋等の加熱容器を支持し、バーナー3からの炎に十分に酸素が供給されるようにバーナー3と加熱容器との距離を維持するとともに、加熱容器からの吹きこぼれを本体カバー5の汁受け6にそらして、バーナー3からの炎を消さないようにする。
容器カバー9は、容器支持体8に開閉可能に設置され、容器カバー9を開いて、ガスボンベ設置機構16にガスボンベ17を設置する。
出力端子11は、熱電変換素子19において発電され、また、電池部14の蓄電池に充電された電力を外部に出力するものである。出力端子11は、直流電源として動作する直流端子であり、例えば、USB端子などでもよい。なお、インバータ等を用いれば、出力端子11を交流電源としても動作させることができる。
フレームロッド13は、バーナー3におけるガスの燃焼を感知し、点火後にも関わらずバーナー3の炎が消えている場合には、制御部15を通じて点火プラグ12に指示を出し、バーナー3を再点火させる。
制御部15は、マイクロスイッチ20からの信号により、器具栓つまみ10がガス供給の停止位置から反時計回りに回転されたことを検知して、点火プラグ12に対して電池部14から電力を供給し、点火指示を出す。また、制御部15は、フレームロッド13からの信号を受けて、同様に、点火プラグ12に対して点火指示を出す。
ガスボンベ17は、例えば、円筒状の側面を有する容器であり、円筒状の側面の一方にガス供給口が設けられ、もう一方が閉塞されており、内部にブタン、イソブタンまたはプロパンなどの可燃性ガスからなる液体ガスが充填されている。ガスボンベ17は、ガスボンベ設置機構16に対して所定の方向に正しく設置されることで、ガスボンベ設置機構16に気体の燃焼ガスを供給する。なお、ガスボンベ17は、ガスを供給し続けることで容器内部の液体ガスが気化し続け、その気化熱によって容器内部の液体ガスおよびガスボンベ17自らが冷却される。例えば、ガスボンベ設置機構16に対して、その円筒状の容器を水平方向に寝かされて設置されたガスボンベ17は、その円筒状の側面の下側の方が上側よりも冷却効果が大きい。ガスボンベ17の円筒容器内部では、重力の影響により、その下側には液体ガスが存在し、その上側には気化した気体ガスが存在し、液体ガスの方が気体ガスよりも熱伝導率が高いためである。
また、熱電変換素子19は、低温端子Lと高温端子Hとのそれぞれの温度を計測する温度計を備えてもよい。それぞれの温度を計測する温度計を備えることで、熱電変換素子19の単位時間あたりの発電量が最大となるように、低温端子Lおよび高温端子Hそれぞれの温度および端子間の温度差を調整することができる。
ガス導管21は、ガスボンベ設置機構16を通じてカートリッジ式ガスボンベ17から供給されるガスをバーナー3へ出力する。
バーナー側ヒートパネル25は、本発明の第2の伝熱部材であり、そのバーナー側の端部に集熱部26を有し、バーナー3の下から、ガスボンベ17の下にかけて延在し、そのボンベ側の端部が熱電変換素子19のもう一方の面に接続される。バーナー側ヒートパネル25は、動作中にガスの燃焼によって加熱されるバーナー3を発熱源として熱電変換素子19の高温端子Hを構成する。バーナー側ヒートパネル25は、ガスボンベ側ヒートパネル18と同様、例えば、アルミニウム等を含む熱伝導率に優れた材料で構成される。また、バーナー側ヒートパネル25は、ガスボンベ側ヒートパネル18と同様に、ヒートパネルというとおり板状の部材が好ましいが、バーナー3の燃焼熱を熱電変換素子19の高温端子Hに十分に伝えるものであればどのような部材でもよい。
ユーザが器具栓つまみ10をガス供給停止位置から反時計回りにひねることで、カートリッジ式ガスボンベ17から気化したガスが、ガスボンベ設置機構16、ガス導管21を通じてバーナー3の炎口から放出されるとともに、マイクロスイッチ20から信号線24を通じて制御部15にガス供給が開始された旨が伝えられ、制御部15の指示により電池部14から点火プラグ12に電力が供給され、ガスの点火がなされる。なお、炎が消えた場合には、フレームロッド13により消火が検知され、制御部15にその旨が伝えられ、同様に、制御部15の指示により、点火プラグ12を通じてガスの再点火がなされる。
バーナー3においてガスの点火がなされると、ガスの燃焼により集熱部26の集熱壁27が加熱され、バーナー側ヒートパネル25を介して熱電変換素子19の高温端子Hが加熱され、また、バーナー3へのガスの供給によりガスボンベ17の液体ガスがその気化熱によって冷却され、ガスボンベ17に密着されたガスボンベ側ヒートパネル18を介して熱電変換素子19の低温端子Lが冷却されて、熱電変換素子19の高温端子Hと低温端子Lとがそれぞれ所定の温度に維持され、高温端子Hと低温端子Lとの間に所定の温度帯における所定の温度差が生じる。
ガスボンベ17によって冷却されたボンベ側ヒートパネル18の温度は、例えば、5℃〜10℃となり、ボンベ側ヒートパネル18を介して、熱電変換素子19の低温端子Lを20℃〜30℃に冷却する。本実施形態に係る熱電変換素子19は、ボンベ側ヒートパネル18の直下に設置されて十分に冷却されるため、その低温端子Lとガスボンベ17との温度差が比較的小さい。
発電された電力は、第2の配線23を通じて電池部14の蓄電池に充電される。なお、蓄電池に充電された電力を用いれば、熱電変換素子19において発電が行われていなくとも、出力端子11に接続された電気機器を充電することができる。また、出力端子11に何らかの電気機器が接続されている場合には、電池部14の蓄電池への充電を行わず、直接、出力端子11を通じて電気機器に対して電力の供給を行ってもよい。また、電池部14の蓄電池に充電された電力は、点火プラグ12によるバーナー3でのガスの点火や、フレームロッド13の動作、制御部15の動作などに利用されてもよい。
図6は、本発明の実施の形態2に係るガス器具の側面方向の部分断面図である。実施の形態2の実施の形態1との構成上の違いは、熱電変換素子19がガスボンベ17の下に設置されておらず、ガスボンベ17からボンベ側ヒートパネル118がバーナー側に所定量延びて、そのバーナー側端部に熱電変換素子19が設置され、ボンベ側ヒートパネル118のバーナー側端部と、バーナー側ヒートパネル125のボンベ側端部とによって熱電変換素子19が狭持される構成にある。
実施の形態2に係るガス器具は、実施の形態1に比べて、若干冷却効率が下がるものの、燃焼ガスによる加熱効率は上がると考えられ、実施の形態1と同様に、接続された電気機器に対して電力を供給することができ、災害・非常時において、加熱調理に加えて、携帯情報端末等の通信機器の充電を行うことができるため、便利である。
また、本発明に係るガス器具は、熱電変換素子で発電した電力により、例えば、電動ファンを回して調理時に発生した煙を吸い込む構造を備えることで、無煙ロースターを構成することができる。
なお、熱電変換素子による発電によって安定した電力が得られるまでには、高温端子と低温端子との間に所定の温度帯における所定の温度差が維持される必要があるため、一定の時間が掛かる。また、上述のとおり、バーナーの火力によって熱電変換素子において発電される電力にムラが出るため、これらを調整して蓄電池に蓄電するための電気回路が必要となる。実施の形態1および実施の形態2に係るガス器具1では、制御部15が、電気回路の役割を果たしている。
Claims (9)
- 液体ガスの充填されたガスボンベと、
前記ガスボンベからガス供給を受けるバーナーと、
低温端子と高温端子とを有する熱電変換素子と、
前記熱電変換素子の前記低温端子と前記ガスボンベと接続する第1の伝熱部材と、
前記バーナー近傍に設置された集熱部を有し、前記集熱部から延びて前記熱電変換素子の前記高温端子と接続する第2の伝熱部材と、
前記熱電変換素子に接続され、前記熱電変換素子によって発電された電力を取り出す出力端子とを備え、
前記熱電変換素子の前記低温端子は、前記ガスボンベにおける前記液体ガスの気化熱によって前記第1の伝熱部材を介して冷却され、前記熱電変換素子の前記高温端子は、前記バーナーによる燃焼熱によって前記集熱部が加熱されることで前記第2の伝熱部材を介して加熱され、前記熱電変換素子は、前記低温端子と前記高温端子との間に所定の温度帯における所定の温度差を維持することで発電を行うことを特徴とするガス器具。 - 前記熱電変換素子と前記出力端子との間に、前記熱電変換素子によって発電された電力を蓄積する蓄電池を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のガス器具。
- 前記バーナーは、その近傍に設置される点火プラグを更に有し、
前記蓄電池から前記点火プラグへ電力を出力することで前記バーナーの点火を行うことを特徴とする請求項2に記載のガス器具。 - 前記ガスボンベが設置される容器部を更に備え、
前記ガスボンベは円筒状の側面を有し、前記円筒状の側面の一端を閉塞し、もう一端をガス供給口とした着脱可能なカートリッジ式ガスボンベであり、
前記第1の伝熱部材および前記第2の伝熱部材は金属からなる板状部材であり、
前記ガスボンベが前記容器部に対して水平方向に寝かされて設置された際に、前記第1の伝熱部材は、前記ガスボンベの前記円筒状の側面の下部に沿って密着することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス器具。 - 前記第1の伝熱部材および前記第2の伝熱部材はアルミニウムを含む金属からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス器具。
- 前記第2の伝熱部材の前記集熱部は、前記バーナーの有する複数の炎口からの炎による熱を集める集熱壁を更に有し、
前記熱電変換素子による所定時間あたりの発電量は、前記集熱壁と前記バーナーとの距離、前記集熱壁の面積、前記集熱壁の厚さ、前記集熱壁の幅、および前記集熱壁の高さの少なくとも1つを変更することで調整されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス器具。 - 前記熱電変換素子は、前記ガスボンベの直下に設置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のガス器具。
- 前記熱電変換素子の前記低温端子と前記高温端子とのそれぞれの温度を計測する温度計を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガス器具。
- 液体ガスの充填されたガスボンベと、
前記ガスボンベからガス供給を受けるバーナーと、
低温端子と高温端子とを有する熱電変換素子と、
前記熱電変換素子の前記低温端子と前記ガスボンベと接続する第1の伝熱部材と、
前記バーナー近傍に設置された集熱部を有し、前記集熱部から延びて前記熱電変換素子の前記高温端子と接続する第2の伝熱部材と、
前記熱電変換素子に接続され、前記熱電変換素子によって発電された電力を蓄積する蓄電池と、
前記蓄電池に接続され、前記蓄電池から前記熱電変換素子によって発電された前記電力を取り出す出力端子とを備え、
前記熱電変換素子の前記低温端子は、前記ガスボンベにおける前記液体ガスの気化熱によって前記第1の伝熱部材を介して冷却され、前記熱電変換素子の前記高温端子は、前記バーナーによる燃焼熱によって前記集熱部が加熱されることで前記第2の伝熱部材を介して加熱され、前記熱電変換素子は、前記低温端子と前記高温端子との間に所定の温度帯における所定の温度差を維持することで発電を行うことを特徴とするガス器具。
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