JP5366859B2 - 窒化珪素基板およびそれを用いた半導体モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、窒化珪素基板およびそれを用いた半導体モジュールに関する。
セラミックス基板は、高出力トランジスタ、パワーモジュールやペルチェ素子、ゼイベック発電モジュール等の実装に使用されるセラミックス回路基板の基材として多く使用されている。従来はセラミックス素体と金属回路をDBA法(アルミニウム接合)や、AMC法(活性金属法による銅接合)で接合し、その金属回路上に半導体チップを実装する方法が多く採用されている。
このうち、パワーモジュール分野については、産業用ロボットや高速エレベータ、ハイブリッド自動車用や電気自動車など、高機能、高信頼性化が急速に要求されており、構造も従来とは異なる方式が開発されつつある。この様な潮流のなかモジュール組立の簡素化も求められている。しかし、上記したセラミックス回路基板については、表裏面に金属板を接合する必要があり、材料費の高騰や、組立性の阻害要因と成っていた。この様な状況下においてモジュール組立工程では、モジュール構造の簡素化が進めており、セラミックス基板単体を金属電極板などの抑え部材で挟み込むいわゆる圧接構造も広まりつつある状況である。このような場合において、セラミックス基板と金属電極などの抑え部材の密着性を上げるため、セラミックス基板表面を研磨処理することなどが行われている。
セラミックス基板単体を金属電極板などの抑え部材で挟み込む圧接構造の場合、セラミックス基板と金属電極板の密着性を上げるため、セラミックス基板表面を研磨処理することなどが行われているが、金属電極端部に熱膨張差による応力集中が起こり、クラック発生の原因ともなっていた。
セラミックス基板のクラック発生を抑制するために強度の高いセラミックス基板が開発されている。例えば、特開2002−201075号公報(特許文献1)、特開2003−197836号公報(特許文献2)では、強度の高い窒化珪素基板が開発されている。窒化珪素基板の強度を高めることにより圧接構造に強くなることが確認されるが、窒化珪素基板は細長いβ型窒化珪素粒子が複雑に絡み合った組織構造であるために基板表面には微細な凹凸があり、抑え部材との密着性の向上には限界がある。窒化珪素基板と抑え部材の間に微細な隙間が形成されると、その隙間が熱抵抗領域になり、窒化珪素基板の放熱性の良さを生かせなくなる。圧接構造には、セラミックス基板を金属電極板などの抑え部材で挟みこむ構造やねじ止め様々な構造がある。
一方、抑え部材との密着性を向上させるには柔軟性のある樹脂基板が有効である。例えば、特開2005−119264号公報(特許文献3)では金属回路部を具備する樹脂フィルム回路基板が提案されている。樹脂フィルムは柔軟性があることから、抑え部材との密着性は良好である。
特開2002−201075号公報 特開2003−197836号公報 特開2005−119264号公報
しかしながら、樹脂フィルムは低熱伝導率材であることから放熱性は不十分である。放熱性を向上させるために樹脂フィルムを薄くし熱抵抗を上げる方法も考えられるが樹脂フィルムを薄くすると強度が低下する。
以上のように、従来のセラミックス基板は強度が十分であるものの、その表面は微細な凹凸があることから金属板などの抑え部材との密着性が不十分である。一方、樹脂フィルム基板は、熱伝導率や強度が不十分であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、窒化珪素基板と樹脂フィルム基板の両方の良さを生かした窒化珪素基板およびそれを用いた半導体モジュールを提供することを目的とするものである。
本発明の窒化珪素基板は、表面粗さRaが1μm以上の窒化珪基板の両面または片面に、樹脂層が直接密着した構造を有する窒化珪素基板において、当該樹脂層内に窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末の少なくとも一方が含有されていることを特徴とするものである。
また、窒化珪素基板の厚さが0.1mm以上2.0mm以下であることが好ましい。また、樹脂層の厚さが5μm以上20μm以下であることが好ましい。また、窒化珪素基板の端部と樹脂層の端部が合っていることが好ましい。また、窒化珪素基板の表面粗さRaが2.0〜6.0μmであることが好ましい。また、樹脂層内の窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末の平均粒径が0.5〜3μmであることが好ましい。
また、本発明の半導体モジュールは、本発明の窒化珪素基板に半導体素子を搭載したものである。また、半導体素子がパワー素子または熱電素子のいずれか1種であることが好ましい。また、圧接構造によりモジュール実装されることが好ましい。
本発明に係る樹脂層を設けた窒化珪素基板は、例えば、窒化珪素基板を金属電極板などの抑え部材で挟み込む圧接構造モジュールに採用するに際し、金属電極板による応力集中を防止する為、窒化珪素基板上へ樹脂層をあらかじめ形成しておくことで、緩衝効果を持たせ、金属電極による窒化珪素基板への応力集中を緩和し、窒化珪素基板のクラック発生を抑制することが可能となる。このため、本発明に係る半導体モジュールは信頼性を大幅に向上させることができる。
本発明の窒化珪素基板の一例を示す図。 本発明の窒化珪素基板の他の一例を示す図。 本発明の半導体モジュールの一例を示す図。 本発明の半導体モジュールの他の一例を示す図。 本発明の窒化珪素基板の製造方法の一例を示す図。
本発明の窒化珪素基板は、表面粗さRaが1μm以上の窒化珪基板の両面または片面に、樹脂層が直接密着した構造を有する窒化珪素回路基板において、当該樹脂層内に窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末の少なくとも一方が含有されていることを特徴とするものである。
まず、窒化珪素基板については、少なくとも樹脂層を設ける面の表面粗さRaは1μm以上である。窒化珪素基板の表面をRa1μm以上の粗面とすることにより樹脂層との接合強度および密着強度を向上させることができる。表面粗さRaは2.0〜6.0μmであることが好ましい。窒化珪素基板の表面粗さRaは1μm以上であれば焼き上がり面をそのまま用いてもよいし、ホーニング加工、ブラスト加工、研磨加工などの表面加工により表面を粗してもよい。樹脂層との密着性を向上させるには、ホーニング加工、ブラスト加工、研磨加工などの表面加工により粗面化する方が好ましい。窒化珪素基板は、通常、窒化珪素粉末を焼結する焼結法により製造される。焼結上がり面には焼結助剤成分が表面に滲み出ていることが多い。焼結助剤成分は、希土類酸化物が一般的に使われている。希土類酸化物は窒化珪素と比べて熱伝導率が低い。そのため、表面加工により表面に滲み出てきた焼結助剤成分を除去することが好ましい。
表面粗さRaの上限は特に限定されるものではないがRa6.0μm以下が好ましい。Ra6.0μmを超えると表面凹凸が大きすぎて樹脂層との密着性が低下するおそれがある。
窒化珪素基板の組成は特に限定されるものではないが、熱伝導率50W/m・K以上、3点曲げ強度600MPa以上の窒化珪素基板が好ましい。このような基板としては特許文献1に示された窒化珪素基板が挙げられる。
また、窒化珪素基板の厚さが0.1mm以上2.0mm以下であることが好ましい。窒化珪素基板の厚さが0.1mm未満では強度が不十分であるため圧接構造をとったときに基板が割れるおそれがある。一方、2.0mmを超えると基板が厚くなりすぎて、窒化珪素基板が熱抵抗体となり放熱性が低下する。好ましくは0.2〜0.8mmである。
本発明の窒化珪素基板は、表面粗さRa1μm以上の粗面に樹脂層を設けている。樹脂層を設けることにより、窒化珪素基板を圧接構造としたとき、窒化珪素基板そのものの表面凹凸を樹脂層で包含することができるので窒化珪素基板にクラックが入るのを防ぐことができる。
樹脂層は、樹脂ペーストを塗布・乾燥させたものでもよいし、樹脂フィルムを接合したものでもよい。樹脂層の厚さは5μm以上20μm以下であることが好ましい。樹脂層の厚さが5μm未満では、樹脂層を設ける効果が不十分であり、20μmを超えるとクラックの発生は防げるものの樹脂層が熱抵抗体となり放熱性が低下する。また、樹脂層としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などの熱硬化性樹脂、PETフィルム、などが挙げられる。
また、樹脂層には窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末の少なくとも一方が含有されている。
窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を含有させることにより、樹脂層と窒化珪素基板の熱膨張率の差を低減でき、また樹脂層の熱伝導率を上げることができるので放熱性が向上し、窒化珪素基板のクラック発生を抑制できる。
また、樹脂層内の窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末の平均粒径が0.5〜3μmであることが好ましい。平均粒径が0.5μm未満では粉末が細かすぎて事前の粉砕処理などの特別な処理が必要になるのでコストアップの要因になる。また、3μmを超えると圧接構造をとったときに樹脂層から突出する粉末が出る恐れがあり、密着力が低下するので好ましくない。また、好ましい平均粒径は0.8〜2μmである。
また、窒化アルミニウム粉末は熱伝導率が高いことから、樹脂層の放熱性を上げることができる。熱伝導率の観点から窒化アルミニウム粉末中の酸素は2質量%以下の高純度窒化アルミニウム粉末を用いることが好ましい。また、窒化珪素粉末は、窒化珪素基板の原料粉と同じものを用いることが好ましく、特にα型窒化珪素粉末を用いることが好ましい。α型窒化珪素粉末は、アスペクト比2以下の球体状粉末であるから、圧接構造をとったときに樹脂層を突き抜けて飛び出ることが少ない。また、窒化珪素基板の原料と同じものであれば樹脂層の熱膨張率を窒化珪素基板に近づけることができる。また、熱伝導率の観点から酸素濃度は2質量%以下の窒化珪素粉末であることが好ましい。また、窒化アルミニウム粉末と窒化珪素粉末の両方を含有させてもよい。
窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末の樹脂層中の割合は特に限定されるものではないが、2〜30体積%の範囲であることが好ましい。2体積%未満では樹脂層中に粉末を含有させる効果が不十分である。一方、30体積%を超えると樹脂層中の粉末の割合が大きくなりすぎて樹脂層の柔軟性を低下させる原因になる。樹脂層の柔軟性が低下すると圧接構造をとったときの密着性が低下する。
また、窒化珪素基板上の樹脂層の設ける位置は任意である。図1は本発明の窒化珪素基板の一例を示す図である。図中、1は樹脂層を設けた窒化珪素基板、2は窒化珪素基板、3は樹脂層である。また、図2は、樹脂層を設けた窒化珪素基板の断面図である。
表面を粗面化した窒化珪素基板上に樹脂層を設けてあるので、樹脂層と窒化珪素基板の密着力が向上する。樹脂層は、窒化珪素基板の片面または両面の全面に設けてもよいし、目的とする箇所にパターン形状に設けてもよい。
本発明の樹脂層を設けた窒化珪素基板は半導体モジュールに好適である。特に圧接構造により半導体素子を実装するタイプに好適である。図3、図4に圧接構造を有する半導体モジュールの一例を示した。
図3、図4は放熱フィンにねじ止めする半導体モジュールを例として示すが、本発明の半導体モジュールは、このような構造に限定されるものではない。
まず、図3を用いて説明する。図3は窒化珪素基板1にねじ止め用の穴が設けられている。半導体素子7の両面を絶縁性スペーサ9,10で挟み、抑え部材8を介して窒化珪素基板1と放熱フィン11をワッシャ5を付けたねじ4でねじ止めする。抑え部材8は、銅板等の金属板でできている。窒化珪素1の抑え部材8側に樹脂層を設けておくことにより、窒化珪素基板と抑え部材とを圧接したときに柔軟な樹脂層が窒化珪素基板表面の微視的な凹凸を包み込むため窒化珪素基板と抑え部材を密着接触させることができる。密着接触により窒化珪素基板と抑え部材との間に微小な隙間が形成されることがないので、微小な隙間が熱抵抗体になることがなく放熱性が向上する。
次に図4について説明する。図4は、半導体素子7の両面を絶縁性スペーサ9,10で挟みこみ、窒化珪素基板1を介して抑え部材8と放熱フィン11をワッシャ5を付けたねじ4でねじ止めする。抑え部材8は銅板等の金属板、絶縁性スペーサ9,10はセラミックス基板などの絶縁物でできている。図4の窒化珪素基板1は、一方の面を抑え部材8、もう一方の面を絶縁性スペーサ9に面接触しているので窒化珪素基板の両面に樹脂層を設けてある。ねじ止めによる圧接構造をとったとき、柔軟な樹脂層が窒化珪素基板表面の微視的な凹凸を包み込むため窒化珪素基板と抑え部材、窒化珪素基板と絶縁性スペーサを密着接触させることができる。密着接触により窒化珪素基板と抑え部材との間に微小な隙間が形成されることがないので、微小な隙間が熱抵抗体になることがなく放熱性が向上する。
このように柔軟な表面層を設けることにより、圧接構造をとったときに窒化珪素基板と抑え部材等との間に微小な隙間を形成することなく、密着接触を実現することができる。
次に本発明の窒化珪素基板の製造方法について説明する。本発明の樹脂層を有する窒化珪素基板の製造方法は特に限定されるものではないが、効率よく得るための方法として次のものが挙げられる。
まず、表面粗さRaが1μm以上の窒化珪素基板を調製する工程を行う。窒化珪素基板は特許文献1などに示された製造工程により製造する。焼き上がり面の表面粗さRaが1μm以上であれば、そのまま用いてもよいし、必要に応じ、ホーニング加工、ブラスト加工、研磨加工などの表面加工により樹脂層を設ける表面を粗面化する。
次に樹脂層を窒化珪素基板上に設ける工程を行う。樹脂層の設けた方は様々である。第一の方法は、窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を混合した樹脂ペーストを調製し、塗布、乾燥させて樹脂層を設ける方法である。また、必要に応じ、乾燥工程にて樹脂層に押圧力を掛けながら乾燥させることも有効である。または、乾燥後に、再度、熱および押圧力を付加して密着力を向上させることも有効である。
第二の方法は、樹脂フィルムを使う方法である。予め窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を混合した樹脂フィルムを用意して、窒化珪素基板上に配置し熱圧着させる方法である。
第三の方法は、窒化珪素基板上に窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を配置し、その上から樹脂ペーストを塗布または樹脂フィルムを乗せ、乾燥または熱圧着する方法である。この方法であれば、樹脂層の表面部には窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末が存在せずに、窒化珪素基板と樹脂層の境界部に窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末が多く存在することになるので放熱性や密着強度を向上させた上で、樹脂層の柔軟性を生かせる。
また、量産性を向上させるには、目的とするサイズよりも大きな窒化珪素基板の全面に樹脂層を設け、レーザー加工により切断する切断工程を行うことが有効である。レーザー加工により切断する方法を使えば多数個取り可能となり量産性が向上する。このような多数個取りにより製造した基板は、窒化珪素基板の端部と樹脂層の端部が合っているものとなる。また、レーザーの出力によっては樹脂層が縮むこともある。窒化珪素基板の表面全面を樹脂層で覆うことにより、ねじや抑え部材などの圧接構造部材との端部に熱応力が集中することを防ぐことができる。
また、樹脂層を設ける工程は、片面ずつ行ってもよいし、両面を一度に行ってもよい。窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を予め含有させた樹脂フィルムを熱圧着させる方法であれば両面に一度の熱圧着で接合することができる。
[実施例]
(実施例1〜10、比較例1)
酸素量1.1質量%、不純物陽イオン元素としてAl,Li,Na,K、Fe、Ba,Mn,Bを合計で0.10質量%含有し、α相型窒化珪素97%を含む平均粒径0.55μmの窒化珪素原料粉末86質量%に、焼結助剤として平均粒径0.9μmの酸化イットリウム粉末10質量%と、平均粒径0.5μmの酸化マグネシウム粉末2質量%、平均粒径1.0μmの酸化ハフニウム粉末2質量%を添加し、エチルアルコール中で粉砕媒体として窒化珪素製ボールを用いて96時間湿式混合したのち乾燥して原料混合体を調製した。
次に得られた原料粉末混合体に有機バインダを所定量添加し調合造粒粉としたのち、130MPaの成形圧力でプレス成形し、成形体を多数製作した。次に得られた成形体を450℃の空気気流中において4時間脱脂したのち、常温から加熱し10−2Pa以下の真空雰囲気中にて温度1420℃で2.5時間にわたる途中保持操作を実施した後、0.7MPaの窒素ガス雰囲気中にて温度1840℃で6時間焼結した後に、1500℃まで温度降下するまでの冷却速度をそれぞれ80℃/hrとなるように調整して焼結体を徐冷し、窒化珪素基板を調製した。なお、各基板のサイズは縦40mm×横40mm×厚さ0.3mmに統一した。また、得られた窒化珪素基板は、熱伝導率82W/m・K、3点曲げ強度740MPa、破壊靭性6.9MPa・m1/2であった。
また、焼き上がり面の表面粗さRaは2.3μmであった。これをホーニング加工、ブラスト加工、ダイヤモンド砥石を使った研磨加工を行うことにより表面粗さを変えたものを用意した。
次に樹脂層として、エポキシ樹脂ペーストに窒化アルミニウム粉末(酸素量0.8質量%)または窒化珪素粉末(酸素量1.1質量%)を添加して、窒化珪素基板の片面に35mm×35mmの範囲となるようスクリーン印刷により塗布、その後、乾燥させて表1に示した樹脂層を設けた。
Figure 0005366859
また、実施例6〜8として窒化珪素基板上に窒化アルミニウム粉末(酸素量1.2質量%)または窒化珪素粉末(酸素量0.7質量%)を引いた後にシリコーン樹脂を縦35mm×横35mmにスクリーン印刷して、乾燥させることにより表2に示した樹脂層を設けた。
Figure 0005366859
また、実施例9〜10として、縦120mm×横120mm×厚さ0.8mmの窒化珪素基板を用意した。次に、窒化アルミニウム粉末(酸素量0.8質量%)および窒化珪素粉末(酸素量1.1質量%)を混合したエポキシ樹脂ペーストを調整して、窒化珪素基板表面全面にスクリーン印刷して乾燥させたることにより表3に示す樹脂層を形成した。その後、レーザー加工により縦40mm×横40mmに切り出した。実施例9〜10のものは樹脂層の端部と窒化珪素基板の端部が合った形状である。
Figure 0005366859
実施例1〜10および比較例1に係る樹脂層を有する窒化珪素基板の樹脂層の接合強度を調べた。接合強度はテープテストにより行った。テープテストはスコッチテープ法で行い、具体的には幅1cmのスコッチテープ(住友スリーエム社製)を樹脂層を横断するように樹脂層表面に張り、テープを一気に剥がした際に樹脂層の?れの有無を確認した。その結果を表4に示す。
Figure 0005366859
表から分かる通り、表面粗さRaを1μm以上に粗面化した実施例に係る樹脂層を有する窒化珪素基板は樹脂層の接合強度が高いことが確認された。
次に実施例1〜10の基板の両面に同様の樹脂層を設けて図4の半導体モジュールを形成した。このときのねじ止めトルクは25kNとした。各半導体モジュールの放熱性を測定した。具体的には、それぞれ樹脂層に窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を添加しない樹脂層を有する窒化珪素基板を製造し、樹脂層に窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を添加しないものの熱抵抗を100としたときの比で示した。数値が小さい方が熱抵抗が小さく放熱性が良いことを示すものである。その結果を表5に示した。
Figure 0005366859
表から分かる通り、樹脂層に窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末を含有させることにより熱抵抗が20〜30%程度改善されている。放熱性が上がればクラックの発生も低減できる。このため、実施例に係る半導体モジュールは放熱性が良く信頼性を向上させることができる。
1…樹脂層を有する窒化珪素基板
2…窒化珪素基板
3…樹脂層
4…ねじ
5…ワッシャ
7…半導体素子
8…抑え部材(接触部材)
9,10…絶縁スペーサ
11…放熱フィン
12…ねじ止め穴

Claims (9)

  1. 窒化珪素基板の両面または片面に、樹脂層が直接密着した構造を有する窒化珪素基板において、当該樹脂層内に窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末の少なくとも一方が含有されていることを特徴とする窒化珪素基板。
  2. 窒化珪素基板の厚さが0.1mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1記載の窒化珪素基板。
  3. 樹脂層の厚さが5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の窒化珪素基板。
  4. 窒化珪素基板の表面粗さがRa1.0μm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の窒化珪素基板。
  5. 窒化珪素基板の表面粗さRaが2.0〜6.0μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の窒化珪素基板。
  6. 樹脂層内の窒化アルミニウム粉末または窒化珪素粉末の平均粒径が0.5〜3μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の窒化珪素基板。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の窒化珪素基板に半導体素子を搭載したことを特徴とする半導体モジュール。
  8. 半導体素子がパワー素子または熱電素子のいずれか1種であることを特徴とする請求項7記載の半導体モジュール。
  9. 圧接構造によりモジュール実装されることを特徴とする請求項7または請求項8のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
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