JP5365491B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の蓄電素子を備えた蓄電装置に関するものである。
複数の単電池によって構成される組電池には、複数の単電池を一方向に並んで配置しているものがある。また、単電池の発熱によって単電池の入出力特性(充放電特性)が劣化してしまうのを抑制するために、組電池に対して冷却用の空気を供給しているものがある。
特開2003−109670号公報 特開平05−030662号公報 特開2005−158565号公報 特開2008−198525号公報 特開2008−247371号公報 特開2007−018933号公報
複数の単電池を一方向に並べて配置した構成では、組電池に対して冷却用の空気を供給したとしても、単電池の配列方向における温度分布にバラツキが生じるおそれがある。複数の単電池の温度分布にバラツキが生じると、単電池の入出力特性にもバラツキが生じてしまう。そして、温度分布にバラツキが生じたままの状態を放置しておけば、いずれかの単電池が他の単電池よりも劣化し易くなってしまう。
本発明の目的は、複数の蓄電素子を備えた蓄電装置において、蓄電素子を交換せずに、複数の蓄電素子の温度分布(入出力特性)のバラツキを抑制することができる蓄電装置を提供することにある。
本発明である蓄電装置は、一方向に並んで配置された複数の蓄電素子と、複数の蓄電素子を収容するケースと、複数の蓄電素子の配列方向において、各蓄電素子をスライドさせるスライド構造と、を有する。
ここで、ケースの側壁に対して、配列方向と直交する方向に蓄電素子をケースから取り出すための開口部を設けることができる。これにより、蓄電素子をケースから取り出したスペースを用いて、他の複数の蓄電素子をケース内で移動(ローテーション)させることができる。
スライド構造を、蓄電素子に設けられた腕部と、ケースに設けられ、腕部と係合して腕部を配列方向にガイドするガイド部と、で構成することができる。ここで、腕部としては、蓄電素子の正極端子として用いられる第1腕部と、第1腕部とは異なる外形を有し、蓄電素子の負極端子として用いられる第2腕部と、を用いることができる。また、腕部に、回転しながらガイド部に沿って移動するローラを設けることができる。
ケースの上面を覆うカバーを用いる場合において、カバーのうち、複数の蓄電素子と対向する内壁面に、互いに異なる位置に配置された蓄電素子を電気的に接続するための導電部を設けることができる。カバーを、締結部材によってケースに固定する場合において、締結部材を介して、導電部および蓄電素子を電気的に接続することができる。
配列方向で隣り合う2つの蓄電素子のそれぞれに、隣り合う蓄電素子に向かって突出する凸部と、凸部に沿った形状に形成された凹部と、を設けることができる。これにより、蓄電素子が誤った方向で組み込まれるのを防止することができる。
複数の蓄電素子に対して、蓄電素子の温度を調節するための熱交換媒体を供給することができる。また、配列方向と直交する方向にも複数の蓄電素子を並んで配置することができる。さらに、本発明の蓄電装置は、車両に搭載し、蓄電素子の出力を、車両の走行に用いられるエネルギとして用いることができる。
本発明である蓄電システムは、複数の蓄電素子の列が、配列方向と直交する方向にも並んで配置されている場合において、蓄電素子をスライド構造に沿って移動させるとともに、配列方向の両端に位置する蓄電素子を配列方向と直交する方向に移動させるための駆動機構と、駆動機構の駆動を制御するコントローラと、を有する。これにより、コントローラによる駆動機構の制御によって、各蓄電素子の位置を変化させることができる。蓄電素子の位置を変化させることにより、蓄電素子の温度環境を変化させることができ、温度のバラツキによって、蓄電素子の入出力特性にバラツキが生じるのを抑制することができる。
ここで、コントローラは、各蓄電素子の入出力状態を監視することによって劣化状態の蓄電素子を特定し、駆動機構の駆動によって劣化状態の蓄電素子を所定位置まで移動させることができる。これにより、例えば、劣化状態の蓄電素子を、作業者が容易に取り外せる位置まで移動させることができる。
各蓄電素子の入出力状態を監視することによって、各蓄電素子の劣化度合いを判別し、駆動機構の駆動によって、最も劣化していると判断した蓄電素子を、最も劣化していないと判断した蓄電素子の位置に移動させることができる。また、所定時間が経過するたびに、駆動機構の駆動によって各蓄電素子の位置を変化させることができる。さらに、蓄電装置を車両に搭載した場合において、車両の走行距離に応じて、駆動機構の駆動によって各蓄電素子の位置を変化させることができる。
本発明によれば、各蓄電素子を配列方向にスライドさせることにより、配列方向における各蓄電素子の位置を変化させることができる。これにより、各蓄電素子の放熱特性を変化させることができ、配列方向における蓄電素子の温度分布のバラツキを抑制することができる。
本発明の実施例1である電池パックの上面図である。 図1のA−A断面図である。 実施例1の電池パックで用いられるバンドの構成を示す概略図である。 実施例1において、複数の単電池の電気的な接続状態を示す図である。 実施例1において、単電池のローテーション動作を説明する図である。 実施例1における電池パックの内部構造を示す図であって、単電池のローテーション動作を説明する図である。 本発明の実施例2である電池パックで用いられるカバーの外観図である。 実施例2におけるカバーの断面図である。 本発明の実施例3である電池パックの構成を示す断面図である。 実施例3である電池パックの回路構成を示す図である。 実施例3の電池パックで用いられるカバーを示す側面図である。 実施例3の電池パックで用いられるカバーを示す断面図である。 実施例3における電池パックの内部構造を示す図であっって、単電池のローテーション動作を説明する図である。 本発明の実施例4における単電池の構成を示す外観図である。 実施例4である電池パックの一部の構成を示す上面図である。 実施例4において、プレートの形状を説明する図である。 本発明の実施例5において、単電池のローテーション動作を行う駆動機構を示す概略図である。 実施例5において、ベルトの構造を示す側面図である。 本発明の実施例6において、電池パックが搭載された車両における一部の構成を示すブロック図である。 実施例6において、劣化状態の単電池を取り出す処理を示すフローチャートである。 実施例6において、単電池の劣化状態を判断する方法を説明する図である。 実施例6において、単電池の劣化状態を判断する他の方法を説明する図である。 実施例6において、単電池の劣化状態を判断する他の方法を説明する図である。 実施例6において、単電池の劣化状態を判断する他の方法を説明する図である。 実施例6において、単電池の劣化状態を判断する構成を示す図である。 実施例6において、単電池の劣化状態を判断する他の構成を示す図である。 実施例6において、単電池の劣化状態を判断する他の構成を示す図である。 実施例6において、劣化状態の単電池を取り出し位置まで移動させるときの移動経路を説明する図である。 本発明の実施例7において、単電池のローテーション動作を説明するフローチャートである。 実施例7において、劣化リストを示す概略図である。 実施例7において、非劣化リストを示す概略図である。 実施例7において、単電池を移動させるときの移動経路を説明する図である。 本発明の実施例8において、単電池のローテーション動作を説明するフローチャートである。 実施例8において、単電池を移動させるときの移動経路を説明する図である。 実施例8の変形例において、単電池を移動させるときの移動経路を説明する図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例1である電池パック(蓄電装置)について説明する。図1は、本実施例の電池パック1の上面図である。図1において、X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する軸であり、本実施例では、Z軸を鉛直方向に相当する軸としている。
本実施例の電池パック1は、車両(不図示)に搭載することができる。この場合において、電池パック1は、車両の走行に用いられるエネルギを出力したり、車両の制動時に発生する運動エネルギを回生電力として蓄えたりすることができる。車両としては、電気自動車やハイブリッド自動車がある。
図1に示すように、電池パック1は、複数の単電池(蓄電素子に相当する)10を有しており、これらの単電池10は、X方向およびY方向に並んで配置されている。複数の単電池10は、パックケース20に収容されている。単電池10としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。
本実施例では、単電池10を並べて配置しているが、これに限るものではない。具体的には、複数の単電池をユニットして構成した電池モジュール(蓄電素子に相当する)を用い、この電池モジュールを少なくともX方向に並べて配置することができる。この場合において、電池モジュールには、本実施例で説明する単電池10と同様の構造を設けることができる。
パックケース20内に配置された複数の単電池10には、単電池10の温度を調節するための熱交換媒体を供給することができる。熱交換媒体は、単電池10と接触することにより、単電池10の熱を奪ったり、単電池10に熱を与えたりする。これにより、単電池10の温度上昇や過度の温度低下を抑制することができる。熱交換媒体としては、気体や液体を用いることができる。例えば、車室内の空気を熱交換媒体として用い、ファンの駆動によって車室内の空気を電池パック1に導くことができる。
図2は、図1のA−A断面図である。パックケース20内には、2つの単電池10がY方向に並んで配置されている。パックケース20は、樹脂といった絶縁性材料で形成されており、第1側壁21、第2側壁22および底部23を有している。第1側壁21および第2側壁22は、パックケース20において、Y方向で互いに向かい合う面(X−Z平面)を構成する。なお、パックケース20は、X方向で互いに向かい合う一対の側壁も有している。
第1側壁21の内壁面には、パックケース20の内側に向かって突出する第1ガイド(ガイド部に相当する)31が設けられており、第1ガイド31は、単電池10の配列方向(X方向)に延びている。Y−Z平面において、第1ガイド31の幅(Z方向の長さ)は、先端部の領域が基端部の領域よりも大きくなっている。
また、第1側壁21には、ボルト(締結部材)40を貫通させるための貫通孔21aが形成されており、第1ガイド31の先端部には、ボルト40が挿入される溝部31aが形成されている。溝部31aの内周面には、ボルト40と噛み合うネジ部が形成されている。貫通孔21a(溝部31aも同様)は、単電池10の配列方向(X方向)において所定の間隔を空けて複数設けられており、X方向に配列される単電池10の数だけ設けられている。
第2側壁22の上端部には、凹状に形成された第2ガイド(ガイド部に相当する)32が設けられている。第2ガイド32は、樹脂等といった絶縁性材料で形成されており、単電池10の配列方向(X方向)に延びている。また、第2ガイド32には、ボルト40を貫通させるための貫通孔32aが設けられている。貫通孔32aは、単電池10の配列方向(X方向)において所定の間隔を空けて複数設けられており、X方向で配列される単電池10の数だけ設けられている。
Y方向に並んで配置される2つの単電池10は、概ね同一の構造を有している。具体的には、単電池10は、外装を構成する電池ケース11と、電池ケース11内に収容される発電要素(不図示)とを有している。発電要素とは、充放電を行うことができる要素であり、例えば、正極素子と、負極素子と、正極素子および負極素子の間に配置されるセパレータ(電解液を含むもの、又は固体電解質)とによって構成することができる。
ここで、単電池10の代わりに、上述した電池モジュールを用いる場合には、電池モジュールのケース内に、複数の単電池が電気的に直列に接続された状態で配置される。なお、単電池としては、角型や円筒型の単電池を用いることができる。
電池ケース11内の発電要素は、負極端子12および正極端子13に接続されている。具体的には、負極端子12は、発電要素の負極素子と電気的および機械的に接続されている。正極端子13は、発電要素の正極素子と電気的および機械的に接続されている。
負極端子12は、Y−Z平面において、第1ガイド31に沿った形状に形成されている。また、Y−Z平面において、負極端子12は、第2ガイド32と略同一形状に形成されている。負極端子12には、ボルト40を貫通させるための貫通孔12aが形成されており、貫通孔12aの内周面には、ボルト40と噛み合うネジ部が形成されている。ここで、図2の左側に位置する単電池10では、貫通孔12aがY方向に延びており、図2の右側に位置する単電池10では、貫通孔12aがZ方向に延びている。
正極端子13は、Y−Z平面において、第1ガイド31と略同一形状に形成されており、腕部13aを有している。正極端子13の腕部13aには、ボルト40を貫通させるための貫通孔13bが形成されており、貫通孔13bの内周面には、ボルト40と噛み合うネジ部が形成されている。ここで、図2の左側に位置する単電池10では、貫通孔13aがZ方向に延びており、図2の右側に位置する単電池10では、貫通孔13aがY方向に延びている。
図2の左側に位置する単電池10において、負極端子12内に第1ガイド31を組み込み、ボルト40を、貫通孔21a,12aおよび溝部31aに挿入すれば、負極端子12を第1ガイド31に固定することができる。ここで、負極端子12および第1ガイド31に対して、Z方向にボルトを挿入できる構造を設けることもできる。具体的には、Y方向で隣り合う2つの単電池10において、互いに接続される負極端子12および正極端子13と同様の構造とすることができる。これにより、負極端子12および第1ガイド31の接続強度を向上させることができる。
一方、図2の右側に位置する単電池10において、第2ガイド32内に正極端子13を組み込み、ボルト40を貫通孔32aおよび溝部13aに挿入すれば、正極端子13を第2ガイド32に固定することができる。ここで、正極端子13および第2ガイド32に対して、Z方向にボルトを挿入できる構造を設けることもできる。これにより、正極端子13および第2ガイド32の接続強度を向上させることができる。
Y方向に並んで配置された2つの単電池10の接続においては、正極端子13の腕部13aを負極端子12の内側に組み込んだ状態において、ボルト40を貫通孔12aおよび溝部13bに挿入すれば、正極端子13および負極端子12を固定することができる。これにより、一方の単電池10における正極端子13は、ボルト40を介して、他方の単電池10における負極端子12と電気的に直列に接続される。ここで、貫通孔12aおよび溝部13bは、Z方向に延びており、電池パック1の上方からボルト40を取り付けることができるようになっている。
パックケース20の底部23には、X方向に延びる2つの位置決めピン24が設けられており、位置決めピン24は、Y方向に並んで配置される2つの単電池10の間に配置されている。位置決めピン24は、Y方向において、単電池10を位置決めするために用いられる。
電池パック1の上面には、図3に示すように、導電性材料で形成されたバンド50が配置される。バンド50の一端部50aは、ボルト40によって第1側壁21に固定され、バンド50の他端部50bは、ボルト40によって第2側壁22に固定される。ここで、バンド50の両端側の領域は、第1側壁21や第2側壁22の角部に沿って曲げられている。
バンド50の一端部50aを固定するボルト40は、上述したように、単電池10の負極端子12(貫通孔12a)に接触しているため、バンド50の一端部50aは、ボルト40を介して負極端子12と電気的に接続される。また、バンド50の他端部50bを固定するボルト40は、上述したように、単電池10の正極端子13(溝部13b)に接触しているため、バンド50の他端部50bは、ボルト40を介して正極端子13と電気的に接続される。なお、バンド50のうち、ボルト40と接触する領域を除く領域を、絶縁層で覆うことができる。
これにより、Y方向で隣り合う2つの単電池10の列(電池列という)をX方向に並べて配置した構成において、X方向で隣り合う電池列を、バンド50を介して電気的に直列に接続することができる。本実施例の電池パック1では、図4に示すように、複数の単電池10が電気的に直列に接続されている。
本実施例の電池パック1では、パックケース20内において、単電池10の位置を変化させることができる。言い換えれば、すべての単電池10を、パックケース20内でローテーションさせることができる。図5および図6を用いて、単電池10のローテーション動作について説明する。図5は、電池パック1の概略を示す上面図であり、ローテーション動作における単電池10の移動方向を示す図である。図6は、電池パック1内の構造を示す斜視図である。
単電池10のローテーション動作を行うときには、まず、すべてのボルト40をパックケース20から外しておく必要がある。ボルト40を取り外すと、バンド50をパックケース20から外すことができる。また、パックケース20に対する単電池10の固定や、Y方向で隣り合う2つの単電池10の固定を解除することができる。これにより、単電池10は、第1ガイド31や第2ガイド32に沿って移動することができる。
そして、以下に説明するように、パックケース20内において、単電池10をローテーションさせることができる。単電池10のローテーション動作は、パックケース20の上方からの作業によって行うことができる。
まず、図5に示す単電池10Aを電池パック1から取り外す。パックケース20の第1側壁21には、単電池10Aを外部に取り出すための取り出し口21bが設けられている。図2を用いて説明したように、単電池10Aの正極端子13は、単電池10Bの負極端子12と接続されているため、単電池10AをY方向にスライドさせると、単電池10Bもスライドすることになる。
ここで、パックケース20の底部23のうち、X方向における両端側の領域には、図2に示す位置決めピン24が設けられていない。また、第2ガイド32には、単電池10Bの正極端子13を第2ガイド32から取り外すための開口部が設けられている。このため、単電池10AをY方向にスライドさせることに応じて、単電池10BをY方向にスライドさせることができる。単電池10Bは、単電池10Aが配置されていた位置に移動する。
単電池10A,10BをX方向に相対的にずらせば、単電池10Aの正極端子13と単電池10Bの負極端子12との接続を解除することができる。本実施例では、図6に示すように、互いに接続された負極端子12および正極端子13は、X方向に相対的に移動可能となっており、X方向において所定量以上ずらすことにより、負極端子12および正極端子13の接続を解除することができる。
単電池10Bをスライドさせた後に形成されたスペースには、単電池10BとX方向に並んで配置されていた単電池10Cが移動する。そして、単電池10CとX方向に並んで配置された複数の単電池10Dを順にX方向にスライドさせる。複数の単電池10DをX方向にスライドさせた後は、単電池10EをX方向にスライドさせる。ここで、単電池10C,10D,10EをX方向にスライドさせるときには、単電池10F,10G,10Hは、図5に示す位置に停止している。
単電池10Eが移動した後に形成されたスペースには、単電池10EとY方向に並んで配置された単電池10Fが移動する。ここで、単電池10Fを停止させたままの状態で、単電池10EをX方向にスライドさせることにより、単電池10Fおよび単電池10Eの接続が解除される。すなわち、単電池10Eの負極端子12が、単電池10Fの正極端子13から外れるため、単電池10Eが配置されていたスペースに、単電池10Fだけを移動させることができる。
第2ガイド32の他端部には、図6に示すように、開口部32bが設けられている。このため、単電池10FをY方向にスライドさせたときには、単電池10Fの正極端子13を、開口部32bから第2ガイド32内に組み込むことができる。これにより、単電池10Fを第2ガイド32に沿って移動させることができる。
単電池10Fが移動した後に形成されたスペースには、単電池10FとX方向に並んで配置された単電池10Gが移動する。そして、単電池10GとX方向で並んで配置された複数の単電池10HをX方向に順にスライドさせる。単電池10G,10HをX方向にスライドさせるときには、単電池10D,10E,10Fは停止している。
電池パック1から取り外した単電池10Aについては、上述した単電池10のローテーション動作を行う際に、適当なタイミングでパックケース20内に組み込むことができる。具体的には、取り出し口21bから単電池10Aをパックケース20内に組み込むことができる。
また、外部からの衝撃を受けて単電池10が破損してしまったときには、ローテーション動作を行う際に、破損した単電池10をパックケース20から取り出して、新規な単電池10をパックケース20内に組み込むことができる。このように任意の単電池10を交換することができるため、電池パック1を交換する場合に比べて、コストを低減することができる。
ローテーション動作が完了した後は、ボルト40を用いることにより、パックケース20に対して単電池10やバンド50を固定する。ここで、X方向に配列される複数の単電池10は、X方向で隣り合う2つの負極端子12(又は正極端子13)が非接触の状態となるように固定される。すなわち、X方向で隣り合う2つの負極端子12(又は正極端子13)は、X方向において離れて配置されている。例えば、負極端子12の厚さ(X方向の長さ)を、電池ケース11の厚さ(X方向の長さ)よりも小さくすれば、X方向で隣り合う負極端子12を互いに離すことができる。一方、X方向で隣り合う2つの負極端子12(又は正極端子13)の間に絶縁層を設けておけば、負極端子12(又は正極端子13)が互いに接触してしまうのを防止することができる。
本実施例では、ローテーション動作を開始させる際に、単電池10Aをパックケース20から取り出しているが、これに限るものではない。例えば、単電池10Aを配置せずに、単電池10Aの配置スペースを空きスペースとして利用することもできる。この場合には、パックケース20内の空きスペースを用いることにより、単電池10をパックケース20から取り出すことなく、ローテーション動作を行うことができる。
ローテーション動作を行うタイミングは、適宜設定することができる。例えば、電池パック1が搭載された車両を定期点検する際に、ローテーション動作を行わせることができる。
本実施例によれば、ローテーション動作を行うことにより、パックケース20内の単電池10の位置を変更することができる。複数の単電池10を一方向(X方向)に並べて配置すると、X方向における位置に応じて、単電池10の放熱性にバラツキが生じてしまうおそれがある。この場合において、ローテーション動作によって単電池10の位置を変更させれば、単電池10の放熱性を変化させることができる。すなわち、単電池10の放熱性にバラツキが生じたとしても、このバラツキをキャンセルさせる方向に放熱性を変化させれば、放熱性のバラツキを結果的に抑制することができる。
放熱性のバラツキを抑制すれば、単電池10の入出力特性にバラツキが発生してしまうのを抑制することができ、電池パック1を構成するすべての単電池10を効率良く使用することができる。
また、本実施例では、単電池10の負極端子12および正極端子13が互いに異なる外形を有するため、単電池10の向きを間違えることなく、単電池10をパックケース20に組み込むことができる。
なお、本実施例では、図2に示すように、2つの単電池10をY方向に並べて配置しているが、これに限るものではない。具体的には、Y方向には単電池10を配列せずに、複数の単電池10をX方向にのみ配列することができる。この場合には、単電池10の負極端子12および正極端子13を同一形状に形成することができる。
具体的には、負極端子を、本実施例で説明した正極端子13と同一形状(凸形状)に形成するとともに、負極端子をガイドする部材として、第2ガイド32を用いることができる。また、正極端子を、本実施例で説明した負極端子12と同一形状(凹形状)に形成するとともに、正極端子をガイドする部材として、第1ガイド31を用いることができる。
一方、本実施例では、パックケース20における一対の側壁部21,22に、第1ガイド31および第2ガイド32を設けているが、これに限るものではない。例えば、パックケース20の上面や底面に、単電池10を配列方向(X方向)にガイドする部材を設けることができる。すなわち、本発明では、単電池10を配列方向(X方向)にスライドさせることができる構造を備えていればよい。
また、本実施例では、図4に示すように、パックケース20内に配置されるすべての単電池10を電気的に直列に接続しているが、これに限るものではない。具体的には、電気的に並列に接続された複数の単電池10が含まれていてもよい。単電池10を並列に接続する場合には、X方向で隣り合う2つの負極端子12(又は正極端子13)を互いに電気的に接続しておけばよい。
さらに、本実施例では、ボルト40を介して、負極端子12(又は正極端子13)およびバンド50を電気的に接続しているが、これに限るものではない。すなわち、負極端子12(又は正極端子13)およびバンド50を電気的に接続できる構造であればよい。例えば、バンド50および負極端子12を電気的に接続するために、第1側壁21の一部や第1ガイド31を導電性材料で形成することができる。
本発明の実施例2である電池パックについて説明する。ここで、実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。以下の説明では、実施例1と異なる点について主に説明する。
実施例1では、電池パック1の上面に配置されたバンド50を用いて、単電池10を電気的に直列に接続している。本実施例では、パックケース20の上部に、図7に示すカバー60を配置しており、カバー60を用いて単電池10を電気的に直列に接続するようにしている。カバー60の構造について、具体的に説明する。
カバー60は、パックケース20の上部に配置され、複数の単電池10の上面を覆う大きさに形成されている。カバー60は、樹脂といった絶縁性材料で形成されており、天板部61および一対の側板部62を有している。各側板部62は、複数の開口部62aを有しており、開口部62aは、X方向に並んで配置される単電池10の数だけ設けられている。
一方の側板部62に設けられる開口部62aは、第1側壁21の貫通孔21a(図2参照)と対応して設けられている。他方の側板部62に設けられる開口部62aは、第2ガイド32(第2側壁22)の貫通孔32aと対応して設けられている。ボルト40は、カバー60の外側から開口部62a内に挿入され、貫通孔21a,32aを貫通する。すなわち、本実施例では、ボルト40を用いることにより、カバー60をパックケース20に固定するとともに、パックケース20内において単電池10を固定することができる。
図8に示すように、カバー60の内壁面には、導電層(導電部に相当する)63が設けられており、導電層63は、実施例1で説明したバンド50(図3参照)と同一位置に配置されている。導電層63の一端部63aは、単電池10の負極端子12(図2参照)と接続されるボルト40と接触しており、ボルト40を介して、負極端子12と電気的に接続される。導電層63の他端部63bは、単電池10の正極端子13(図2参照)と接続されるボルト40と接触しており、ボルト40を介して、正極端子13と電気的に接続されている。
本実施例では、カバー60をパックケース20から取り外した後に、実施例1で説明したように単電池10のローテーション動作を行うことができる。すなわち、ボルト40を外すだけで、カバー60をパックケース20から取り外すとともに、パックケース20に対する単電池10の固定を解除することができる。ローテーション動作を行った後は、カバー60をパックケース20に固定すればよい。カバー60をパックケース20に固定する際に、パックケース20に対する単電池10の固定も行われる。
本実施例によれば、カバー60を用いることにより、電池パック1の上面において、複数の単電池10を保護することができる。また、カバー60をパックケース20に取り付けるだけで、カバー60の導電層63によって、2つの単電池10を電気的に直列に接続することができる。
カバー60をパックケース20から取り外すときには、カバー60のすべての開口部62aに挿入されているボルト40を取り外すことになる。ボルト40を取り外せば、カバー60の導電層63と単電池10の電極端子(負極端子12又は正極端子13)との電気的な接続を遮断することができる。
なお、本実施例では、カバー60の内壁面に導電層63を露出させているが、カバー60の内部に導電層63を埋め込んだり、導電層63を絶縁層で覆ったりすることができる。すなわち、導電層63は、単電池10の電極端子(負極端子12又は正極端子13)と電気的に接続されていればよい。
本発明の実施例3である電池パックについて説明する。ここで、実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。以下の説明では、実施例1と異なる点について主に説明する。図9は、本実施例の電池パックの構成を示す断面図であり、図2に対応する図である。
パックケース20の第1側壁21には、X−Y平面を構成する支持面21cが形成されており、支持面21cには、X方向に延びるガイドレール(ガイド部に相当する)25が配置されている。また、パックケース20の第2側壁22には、X−Y平面を構成する支持面22aが形成されており、支持面22aには、X方向に延びるガイドレール25が配置されている。
パックケース20は、第1側壁21および第2側壁22の間において、支持突起26を有している。支持突起26は、底部23に対してZ方向に延びている。また、支持突起26の先端面26aには、X方向に延びるガイドレール25が2つ配置されている。第1側壁21および支持突起26の間に形成されたスペースには、単電池10が配置され、第2側壁22および支持突起26の間に形成されたスペースにも、単電池10が配置される。
電池ケース11は、2つの腕部11a,11bを有しており、腕部11a,11bには、ローラ14が配置されている。ローラ14は、腕部11a,11bによって回転可能に支持されており、ローラ14の外周面(回転軸周り)には、凹部14aが形成されている。凹部14aは、ガイドレール25の外周面に沿った形状に形成されており、ガイドレール25と係合する。凹部14aをガイドレール25に係合させることにより、単電池10をガイドレール25の延びる方向(X方向)にスライドさせることができる。
図9の左側に位置する単電池10において、腕部11a内のローラ14は、第1側壁21に設けられたガイドレール25と係合しており、このローラ14と隣り合う位置には、負極端子12が配置されている。ここで、ボルト40は、図9の点線で示すように、第1側壁21およびローラ14を貫通して、負極端子12の溝部12bと接続される。
ローラ14の回転軸上には、ボルト40を貫通させるための貫通孔が形成されている。これにより、ロータ14の回転を阻止することなく、ボルト40を配置することができる。溝部12bは、Y方向に延びており、内周面にボルト40と噛み合うネジ部が形成されている。これにより、ボルト40によって、腕部11aを第1側壁21に固定することができる。
図9の左側に位置する単電池10において、腕部11b内には、ローラ14と隣り合って配置された正極端子13が設けられており、正極端子13には、ボルト40が挿入される溝部13cが形成されている。溝部13cは、Z方向に延びており、内周面にボルト40と噛み合うネジ部が形成されている。腕部11bの上部には、バスバー41が配置されており、バスバー41は、ボルト40を貫通させる開口部を有している。バスバー41は、Y方向に配列された2つの単電池10を電気的に直列に接続するために用いられる。
図9の右側に位置する単電池10において、腕部11a内のローラ14は、第2側壁22に設けられたガイドレール25と係合しており、このローラ14と隣り合う位置には、正極端子13が配置されている。ここで、ボルト40は、図9の点線で示すように、第2側壁22およびローラ14を貫通して、正極端子13と接続される。ローラ14の回転軸上には、ボルト40を貫通させるための貫通孔が形成されている。正極端子13のうち、ボルト40が挿入される溝部13cは、Y方向に延びており、内周面にボルト40と噛み合うネジ部が形成されている。これにより、ボルト40によって、腕部11aを第2側壁22に固定することができる。
図9の右側に位置する単電池10において、腕部11b内には、ローラ14と隣り合って配置された負極端子12が設けられており、負極端子12には、ボルト40が挿入される溝部12bが形成されている。溝部12bは、Z方向に延びており、内周面にボルト40と噛み合うネジ部が形成されている。腕部11bの上部には、バスバー41が配置されており、バスバー41は、ボルト40を貫通させる開口部を有している。
本実施例の電池パック1でも、実施例1で説明したバンド50又は、実施例2で説明したカバー60を用いて、2つの単電池10を電気的に直列に接続することができる。
ここで、本実施例では、Y方向に並んで配置される2つの単電池10は、略同一の外形を有しているため、単電池10の向きを変えれば、負極端子12および正極端子13をX方向で隣り合うように配置することができる。この場合には、パックケース20内に配置される複数の単電池10を、図10に示すように、電気的に直列に接続することができる。
図10に示す回路構成では、図11および図12に示すカバー60を用いることができる。このカバー60では、側板部62に導電層63が形成されており、側板部62には、X方向において所定の間隔を空けて複数の導電層63が設けられている。
次に、本実施例の電池パック1における単電池10のローテーション動作について、図13を用いて説明する。本実施例でも、実施例1と同様に、パックケース20内において、単電池10をローテーションさせることができる。すなわち、実施例1で説明したように、単電池10を順にスライドさせることができる。
ここで、図13に示すように、支持突起26のうち、X方向における両端部は、パックケース20の側壁(Y−Z平面を構成する側壁)から離れている。これにより、パックケース20内において、単電池10をY方向にスライドさせることができる。また、ローテーション動作を行うときには、すべてのボルト40を取り外すことになる。
なお、本実施例では、腕部11a,11b内に、回転可能なローラ14を設けているが、これに限るものではない。すなわち、ガイドレール25に沿って単電池10をスライドさせることができればよい。例えば、腕部11a,11bに、ガイドレール25と係合する凹部を形成するだけでもよい。
本発明の実施例4である電池パックについて説明する。本実施例は、実施例3で説明した単電池10を用いたものである。ここで、上述した実施例で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。以下の説明では、本実施例の特徴点について主に説明する。
本実施例では、図14に示すように、実施例3で説明した単電池10の上面に、プレート70を固定している。プレート70は、X−Y平面内において、2つの凹部71と、2つの凸部72とを有している。2つの凹部71は、X方向において並んで設けられている。また、2つの凸部72は、X方向において並んで設けられている。Y方向においては、凹部71および凸部72が並んで設けられている。また、プレート70の凹部71は、単電池10の負極端子側に設けられており、凸部72は、単電池10の正極端子側に設けられている。
本実施例では、図15に示すように、負極端子および正極端子がX方向において隣り合うように、複数の単電池10を配置している。このとき、X方向において隣り合う2つのプレート70において、一方のプレート70は、他方のプレート70に沿って配置される。具体的には、一方のプレート70の凸部72が、他方のプレート70における凹部71の内側に位置する。
本実施例によれば、プレート70を用いることにより、単電池10が誤った方向でパックケース20に組み込まれるのを防止することができる。すなわち、単電池10を誤った方向で組み込むと、一方のプレート70の凸部72が、他方のプレート70の凸部72と干渉してしまい、2つの単電池10をX方向において、近接して配置することができなくなってしまう。
なお、プレート70の形状は、図14および図15に示す形状に限るものではない。すなわち、正極端子および負極端子がX方向において隣り合うように、複数の単電池10を配置した場合において、X方向で隣り合う2つの単電池10に設けられたプレート70が互いに噛み合う形状を有していればよい。そして、凹部71および凸部72に相当する部分の形状は、適宜設定することができる。
具体的には、図16に示すように、X方向で隣り合う2つのプレートの境界線BLが、中心点Oを基準として、点対称の形状を有していればよい。図16中の点線は、点対称の対応関係を示している。中心点Oは、単電池10のうち、Y方向における中心点に相当する。
本発明の実施例5である電池パックについて説明する。ここで、上述した実施例で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
上述した実施例1,3は、手動によって単電池10のローテーション動作を行わせるものであるが、ローテーション動作を電動によって行わせることもできる。具体的には、図17に示す駆動機構を電池パック1に設けることができる。図17では、ローテーション動作を行わせる駆動機構を主に示しており、単電池10については省略している。
図17において、パックケース20の底部23には、モータ80が固定具83によって取り付けられており、本実施例では、2つのモータ80がY方向に並んで配置されている。モータ80の出力軸81は、ベルト82と噛み合っており、出力軸81が回転することにより、ベルト82を移動させることができる。
ベルト82は、X方向に延びており、底部23の内壁面および外壁面に沿って配置されている。これにより、ベルト82は、モータ80の駆動力を受けることにより、底部23の周囲に沿って移動する。ベルト82の外表面には、図18に示すように、単電池10を位置決めするための突起部82aが設けられており、ベルト82上に配置された単電池10は、突起部82aに押されることにより、図18の矢印で示す方向(X方向)に移動することができる。
図17に示す駆動機構を用いれば、ローテーション動作において、単電池10をX方向において自動で移動させることができる。実施例1で説明したローテーション動作においては、2つのベルト82は、互いに異なる方向に移動する。また、例えば、モータ80としてステッピングモータを用いれば、モータ80の駆動パルス数を制御することにより、X方向における所定位置に単電池10を停止させることができる。
なお、本実施例では、X方向に延びるベルト82だけを用いているが、Y方向に延びるベルトを追加することもできる。このように構成すれば、単電池10をX方向だけでなく、Y方向にもスライドさせることができる。これにより、図5等を用いて説明したローテーション動作を自動的に行うことができる。
ここで、Z方向から見たときに、X方向に延びるベルト82と、Y方向に延びるベルトとは、互いに交差することになる。例えば、Y方向に延びるベルトの表面(単電池10と接触する面)を、X方向に延びるベルト82の裏面(突起部82aが設けられた面と反対側の面)に接触させる構成において、ベルト82の裏面を摩擦抵抗の低い構成とすることができる。これにより、X方向に延びるベルト82とY方向に延びるベルトとをスムーズに移動させることができる。
本発明の実施例6について説明する。本実施例は、実施例5で説明したように、単電池10のローテーション動作を自動的に行わせる機構(ローテーション機構)を備えたものである。なお、上述した実施例で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
まず、電池パック1が搭載された車両における一部の構成について、図19を用いて説明する。
電池パック1は、システムメインリレー101a,101bを介して、昇圧回路102に接続されている。昇圧回路102は、電池パック1の出力電圧を昇圧してからインバータ103に出力する。インバータ103は、昇圧回路102からの直流電力を交流電力に変換してモータ・ジェネレータ(三相交流モータ)104に出力する。モータ・ジェネレータ104で生成された運動エネルギは、車両を走行させるエネルギとして用いられる。
また、車両の制動時には、モータ・ジェネレータ104によって電気エネルギが生成され、インバータ103に出力される。インバータ103は、モータ・ジェネレータ104からの交流電力を直流電力に変換して、昇圧回路102に出力する。昇圧回路102は、インバータ103の出力電圧を降圧してから電池パック1に出力し、電池パック1の充電を行う。
電池パック1の各単電池10には、電圧検出回路105が接続されており、電圧検出回路105は、各単電池10の電圧値に関する情報をコントローラ106に出力する。単電池10および電圧検出回路105を接続するための配線は、パックケース20とは別体として設けてもよいし、パックケース20と一体的に設けてもよい。電圧検出回路105の配線に対する単電池10の固定は、パックケース20に単電池10を固定する際に、同時に行うことができる。具体的には、上述した実施例で説明したように、ボルト40によって単電池10をパックケース20に固定する際に、単電池10に、電圧検出回路105の配線も固定することができる。
ローテーション機構(駆動機構)107は、単電池10のローテーション動作を行わせる機構であり、実施例5(図17および図18)で説明したモータ80やベルト82を含んでいる。コントローラ106は、ローテーション機構107(モータ80)の駆動を制御する。
ここで、図17に示す構成では、単電池10をX方向にスライドさせる機構だけを示しているが、本実施例では、X方向だけでなく、Y方向にも単電池10をスライドさせることができるようになっている。具体的には、X方向に並んで配置された複数の単電池10のうち、X方向の両端に位置する単電池10については、Y方向にスライドさせることができる。
単電池10をY方向にスライドさせる機構は、図17で説明した機構と同様の機構を用いることができる。具体的には、モータ80に接続されたベルト82を、Y方向に沿って配置しておき、Y方向に延びるベルト82によって単電池10をY方向に移動させることができる。X方向に延びるベルト82およびY方向に延びるベルト82は、パックケース20において、同一面内に配置することもできるし、互いに異なる面に配置することもできる。
2種類のベルト82を同一面内に配置する場合には、2種類のベルトが互いに干渉しないように配置する必要がある。例えば、X方向に延びるベルト82に突起部82a(図18参照)が設けられている場合には、ベルト82のうち、突起部82aが設けられている側とは反対側において、Y方向に延びるベルト82を配置することができる。ここで、Y方向に延びるベルト82には、突起部82aが設けられておらず、Y方向に延びるベルト82は、単電池10との摩擦力によって、単電池10をY方向に移動させることができる。
本実施例では、X方向に延びるベルト82およびY方向に延びるベルト82を、互いに異なるタイミングで動作させるようにしている。すなわち、2種類のベルト82のうち、一方のベルト82を動作させているときには、他方のベルト82を動作させないようにしている。これにより、後述するように、複数の単電池10を一方向においてローテーションさせることができる。
次に、ローテーション機構107の駆動制御について、図20を用いて説明する。
ステップS100において、コントローラ106は、電圧検出回路105の出力に基づいて、各単電池10の劣化状態を判定する。具体的には、コントローラ106は、電圧検出回路105の出力に基づいて、各単電池10の電圧値を監視し、各電圧値の変動状態に応じて、単電池10が劣化状態にあるか否かを判断する。ここでいう劣化状態とは、単電池10を交換しなければならない程度に劣化している状態をいう。
図21には、3つの単電池10A,10B,10Cにおける電圧値の挙動(一例)を示している。電池パック1の充放電に応じて、各単電池10の電圧値は変化するが、単電池10の入出力特性にバラツキが生じている場合には、単電池10の電圧値の挙動が互いに異なることがある。図21に示すように、単電池10Cは、時間の経過とともに、他の単電池10A,10Bよりも電圧値が低下しており、劣化が進んでいると判断することができる。このように単電池10の電圧値を監視することにより、単電池10Cが劣化状態にあるか否かを判断することができる。例えば、単電池10Cの電圧値が閾値(充放電の下限値)に到達したときに、単電池10Cが劣化状態にあると判断することができる。
単電池10が劣化状態であるか否かの判断は、例えば、図22および図23に示す単電池10の状態を監視することによって行うこともできる。すなわち、ステップS100の処理では、単電池10が劣化状態であることを判断できればよく、いかなる判断手法を用いてもよい。
図22には、3つの単電池10A,10B,10Cを強制的に放電させたときの電圧値の挙動を示している。図22に示すように、単電池10Cの電圧値は、他の単電池10A,10Bの電圧値よりも早いタイミングで低下し始めており、単電池10Cは、劣化が進んでいると判断することができる。このように、単電池10を強制放電させたときの単電池10の電圧値の低下を監視することにより、単電池10が劣化状態にあるか否かを判断することができる。
図23には、3つの単電池10A,10B,10Cにおいて、電流値および電圧値の関係(I−V特性)を示している。図23に示す例では、単電池10A〜10Cの電流値を、電流センサを用いて検出している。図24に示すように、単電池10A〜10Cの放電を間欠的に行うとともに、単電池10A〜10Cの放電電流(I1<I2<I3)を段階的に増加させた場合において、単電池10A〜10Cの電圧値を測定する。
ここで、単電池10A〜10Cの入出力特性にバラツキが生じている場合には、図23に示すように、電流値および電圧値の関係が互いに異なることになる。図23では、放電電流を電流値I1から電流値I3に変化させたときに、単電池10Cの電圧値が最も低下しており、単電池10Cは、劣化が進んでいると判断することができる。このように、単電池10における電流値および電圧値の関係(言い換えれば、単電池10の内部抵抗)を監視することにより、単電池10が劣化状態にあるか否かを判断することができる。
なお、図22〜図24に示す例では、単電池10A〜10Cを放電させた場合について説明したが、各単電池10を充電させたときの電圧値の変化に基づいて、単電池10が劣化状態にあるか否かを判断することもできる。
本実施例では、図25に示すように、車両200に搭載されたコントローラ106によって、図21から図24で説明した処理を行うことができる。ここで、ステップS100の処理で得られた情報は、有線又は無線を介して、車両200の外部に設けられたデータベース202に送信して格納しておくことができる。これにより、車両200に搭載された電池パック1の情報を、データベース202を用いて管理することができる。なお、ステップS100の処理で得られた情報を格納するためのメモリを、車両200に搭載しておくこともできる。
なお、本実施例では、車両200に搭載されたコントローラ106によって、単電池10が劣化状態であるか否かを判断しているが、これに限るものではない。例えば、図26に示すように、車両200に搭載された電池パック1に、外部装置201を接続しておき、外部装置201を用いて、単電池10の劣化状態を判断することができる。この場合には、例えば、図22〜図24で説明した処理を、外部装置201を用いて行うことができる。
また、図27に示すように、電池パック1を車両200から取り外しておき、電池パック1に外部装置201を接続することもできる。図26および図27に示す構成においても、外部装置201で取得された情報(単電池10の劣化状態を示す情報)をデータベース202に格納することができる。
図20に戻り、ステップS101において、コントローラ100は、ステップS100の処理に基づいて、劣化状態の単電池10が存在しているか否かを判別する。ここで、劣化状態の単電池10が存在していれば、ステップS102に進み、そうでなければ、本処理を終了する。劣化状態の単電池10が存在していれば、劣化状態の単電池10の位置を特定する。単電池10の位置とは、電池パック1内において、単電池10が配置されている位置であり、例えば、X−Y平面内の座標によって単電池10の位置を指定することができる。
単電池10の位置は、例えば、以下に説明する方法によって特定することができる。まず、電圧検出回路105と、電圧検出回路105が接続された単電池10の位置情報とを対応付けておく。すなわち、特定の電圧検出回路105は、特定の位置にある単電池10の電圧を検出することができるように構成しておく。単電池10の劣化状態は、電圧検出回路105の出力に基づいて判断することができるため、劣化状態と判断された単電池10に対応する電圧検出回路105を特定できれば、劣化状態の単電池10の位置を特定することができる。
ステップS102において、コントローラ100は、単電池10のローテーション動作を開始させる。具体的には、ローテーション機構107を動作させることにより、電池パック1内で、複数の単電池10をローテーションさせる。ローテーション動作を行う前には、単電池10および電圧検出回路105を非接続状態としておく必要がある。また、パックケース20に対する単電池10の固定を解除しておく必要がある。
図5を用いて説明したように、X方向に並んで配置された単電池10は、X方向にスライドさせ、X方向の端部に位置する単電池10は、Y方向にスライドさせる。これにより、パックケース20内に配置された複数の単電池10(2列の単電池10)を、一方向にローテーションさせることができる。
ステップS103において、コントローラ100は、劣化状態と判断された単電池10が取り出し位置まで移動したか否かを判断する。取り出し位置とは、パックケース20に設けられた取り出し口21bと隣り合う位置Poutである(図28参照)。単電池10が取り出し位置Poutまで移動したか否かは、ローテーション機構107のモータ80の駆動量に基づいて、判断することができる。モータ80の駆動量には、X方向に単電池10を移動させるためのモータ80の駆動量と、Y方向に単電池10を移動させるためのモータ80の駆動量とが含まれる。
モータ80の駆動量と単電池10の移動量との対応関係を予め決めておけば、モータ80の駆動量から単電池10の移動量を特定できる。そして、単電池10の移動量が分かれば、特定の位置にある単電池10が取り出し位置Poutまで移動したか否かを判断することができる。
劣化状態の単電池10が取り出し位置Poutに到達したと判断されるまで、単電池10のローテーション動作が行われ、単電池10が取り出し位置Poutに到達すれば、ステップS104において、コントローラ106は、ローテーション動作を停止させる。
図28(図5に対応する図)には、劣化状態の単電池10Xを取り出し位置Poutまで移動させるときの移動経路(一例)を示している。単電池10Xが劣化状態にあると判断したときには、まず、単電池10Xを図28の左方向(X方向)に移動させる。単電池10Xがパックケース20の端面(X方向における一端)に到達すると、単電池10Xを図28の下方向(Y方向)に移動させる。これにより、劣化状態の単電池10Xは、取り出し位置Poutまで移動することになる。なお、単電池10Xを除く他の単電池10は、単電池10Xの移動に応じて、パックケース20内で所定方向に沿って移動することになる。
劣化状態の単電池10を取り出し位置Poutまで移動させれば、作業者は、パックケース20の取り出し口21bから単電池10を容易に取り出すことができる。ここで、モータ80の駆動に伴うベルト82の動作によって、劣化状態の単電池10を取り出し口21bから電池パック1の外側に突出させる方向にスライドさせれば、単電池10を容易に取り出すことができる。劣化状態の単電池10を取り出した後は、新しい単電池10を取り出し口21bからパックケース20内に組み込むことになる。組み込まれた単電池10は、ベルト82の動作によって、X方向に移動する。
なお、ローテーション動作が終了した後は、複数の単電池10を電気的に接続したり、単電池10に対して電圧検出回路105を接続したりする。これにより、電池パック1の充放電を行うことができる。
本実施例では、劣化状態の単電池10Xを、取り出し口21bと隣り合う位置Poutまで移動させているが、これに限るものではない。すなわち、劣化状態の単電池10Xを、取り出し口21bから取り出しやすい位置まで移動させることができればよい。具体的には、取り出し位置Poutに対してY方向で隣り合う位置まで、単電池10Xを移動させるだけでもよい。
本発明の実施例7について説明する。本実施例は、実施例6と同様に、単電池10のローテーション動作を自動的に行わせるものである。なお、上述した実施例で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
図29は、本実施例における単電池10のローテーション処理を示すフローチャートである。図29に示す処理は、実施例6で説明したコントローラ106によって行われる。
ステップS201において、コントローラ106は、単電池10の劣化状態を判断する。ステップS201の処理は、実施例6(図20)で説明したステップS100の処理と同様である。
ステップS202において、コントローラ106は、単電池10の劣化順位を示すリスト(劣化リスト)を作成する。具体的には、電池パック1を構成する、すべての単電池10を、最も劣化している側から順番に並べることにより、劣化リストを作成する。例えば、実施例6の図21を用いて説明すると、単電池10Cが最も劣化しており、単電池10Bは、単電池10Aよりも劣化しており、単電池10Aは、最も劣化していないと判断することができる。この場合には、単電池10C、単電池10B、単電池10Aの順で劣化リストが作成される。
図30には、劣化リストを示しており、上欄は、劣化順位を示し、下欄は、単電池10の位置情報を示している。劣化リストでは、右側から左側に向かって、劣化の度合いが高くなっている。単電池10の位置とは、実施例6で説明したように、電池パック1内において、各単電池10が存在する位置である。
ステップS203において、コントローラ106は、単電池10の非劣化順位を示すリスト(非劣化リスト)を作成する。具体的には、電池パック1を構成する、すべての単電池10を、最も劣化していない側から順番に並べることにより、非劣化リストを作成する。すなわち、ステップS202で作成した劣化リストを、逆の順序で並べ替えれば、非劣化リストを作成できる。
図31には、非劣化リストを示しており、上欄は、非劣化順位を示し、下欄は、単電池10の位置情報を示している。非劣化リストでは、左側から右側に向かって、劣化の度合いが高くなっている。なお、非劣化リストを作成してから、劣化リストを作成することもできる。
ステップS204において、コントローラ106は、ローテーション動作の基準となる単電池10を特定する。本実施例では、ローテーション動作の基準となる単電池10を、最も劣化していると判断された単電池(以下、劣化電池という)10と、最も劣化していないと判断された単電池(以下、非劣化電池という)10とに設定している。そして、ステップS202で作成された劣化リスト(図30参照)を用いて、劣化電池10の位置を特定する。また、ステップS203で作成された非劣化リスト(図31参照)を用いて、非劣化電池10の位置を特定する。
ステップS205において、コントローラ106は、単電池10のローテーション動作を開始させる。本実施例では、劣化電池10が非劣化電池10の位置に移動するように、ローテーション動作が行われる。この場合において、劣化電池10および非劣化電池10の位置を特定できればよいため、劣化リストや非劣化リストの作成を省略することもできる。
劣化電池10および非劣化電池10の位置が分かれば、ローテーション機構107(モータ80)の駆動を制御することにより、劣化電池10を、非劣化電池10の位置まで移動させることができる。すなわち、実施例6でも説明したように、モータ80の駆動量に基づいて、単電池10を目標位置まで移動させることができる。
ステップS206において、コントローラ106は、劣化電池10が、非劣化電池10の位置(目標位置)まで移動したか否かを判断する。劣化電池10が目標位置に到達するまで、ローテーション動作が行われ、劣化電池10が目標位置に到達すると、ステップS207において、コントローラ106は、ローテーション動作を停止させる。
なお、本実施例では、劣化電池10を、非劣化電池10の位置に移動させているが、これに限るものではない。すなわち、移動対象となる単電池10や、単電池10の移動先(位置)は、適宜設定することができ、この設定は、予め行っておくこともできるし、作業者の操作入力を受けて行うこともできる。操作入力を行う場合には、劣化リストおよび非劣化リストを作業者に提示することにより、作業者は、移動対象となる単電池10や、単電池10の移動先を選択することができる。
図32には、単電池10aが劣化電池であり、単電池10zが非劣化電池である場合におけるローテーション動作の概要(一例)を示している。ローテーション機構107は、劣化電池10aをX方向にスライドさせることにより、非劣化電池10zが配置されていた位置に移動させる。ここで、劣化電池10aを除く他の単電池10については、劣化電池10aの移動に応じて、所定方向でローテーションすることになる。
ローテーション動作が終了した後は、複数の単電池10を電気的に接続したり、単電池10に対して電圧検出回路105を接続したりする。これにより、電池パック1の充放電を行うことができる。
本実施例では、劣化電池10を非劣化電池10の位置に移動させることにより、温度のバラツキに伴う単電池10の入出力特性のバラツキを抑制することができる。劣化電池10および非劣化電池10における入出力特性のバラツキは、劣化電池10および非劣化電池10における温度のバラツキによって生じることがある。温度のバラツキは、各単電池10の放熱性や、各単電池10に供給される冷却空気の状態に応じて発生することがある。
例えば、複数の単電池10を一方向に並べて配置した場合において、配列方向における中央部に位置する単電池10は、配列方向における両端に位置する単電池10よりも放熱性が低いことがある。また、単電池10の配列方向に沿って冷却空気を移動させると、冷却空気の移動経路の上流側および下流側において、冷却空気の温度が異なることがある。
このように単電池10の冷却状態に応じて、単電池10の入出力特性にバラツキが生じている場合には、単電池10の位置を変更することにより、単電池10の入出力特性のバラツキを抑制することができる。なお、上述した説明では、単電池10を冷却する場合について説明したが、加温用の空気を単電池10に供給して、単電池10を温める場合においても同様である。
本発明の実施例8について説明する。本実施例では、実施例6と同様に、単電池10のローテーション動作を自動的に行わせるものである。なお、上述した実施例で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
図33は、本実施例における単電池10のローテーション処理を示すフローチャートである。図33に示す処理は、実施例6で説明したコントローラ106によって行われる。
ステップS301において、コントローラ106は、電池パック1のユーザ(言い換えれば、電池パック1が搭載された車両のユーザ)に関する識別情報を取得する。具体的には、作業者による識別情報の操作入力を受けて、コントローラ106は識別情報を取得することができる。識別情報としては、例えば、電池パック1が搭載された車両の情報(ナンバープレート等)がある。
ステップS302において、コントローラ106は、ホストコンピュータ(不図示)との通信によって、ステップS301で取得した識別情報に対応したデータベースがホストコンピュータに存在するか否かを判断する。識別情報に対応したデータベースが存在すれば、ステップS303に進み、そうでなければ、ステップS304に進む。
データベースには、過去の電池パック1(現在使用している電池パック1とは異なるもの)に関する情報が格納されている。この情報には、過去の電池パック1が寿命に到達するまでの車両の走行距離Lmaxおよび経過時間Tmaxが含まれる。
電池パック1が搭載された車両を使用した場合において、電池パック1が寿命に到達したと判断されたときには、電池パック1を交換することになる。この場合には、電池パック1を使用し始めてから交換するまでの間において、車両の走行距離Lmaxおよび経過時間Tmaxを取得することができる。そして、取得した走行距離Lmaxおよび経過時間Tmaxは、過去の電池パック1に関する情報として、特定ユーザの識別情報に対応したデータベースに格納される。経過時間としては、電池パック1が実際に使用された時間であってもよいし、電池パック1が搭載された車両の使用時間であってもよい。
データベースは、電池パック1が搭載される車両の種類に応じて、用意しておくことができる。電池パック1が搭載される車両としては、例えば、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車および電気自動車がある。ハイブリッド自動車は、車両の動力源として、電池パック1に加えて、内燃機関又は燃料電池を備えた車両である。プラグインハイブリッド自動車は、ハイブリッド自動車であって、車両の外部から電力供給を受けることができる車両である。電気自動車は、車両の動力源として電池パック1だけを備えた車両である。
ステップS303において、コントローラ106は、ユーザに対応したデータベースから、車両の走行距離Lmaxおよび経過時間Tmaxを取得する。また、ステップS304では、ユーザに対応したデータベースが存在しないため、コントローラ106は、ユーザと同一地域の他のユーザに対応したデータベースから、車両の走行距離Lmaxおよび経過時間Tmaxを取得する。
同一地域では、車両(電池パック1)の使用環境が似ているため、車両の走行に伴う電池パック1の劣化状態を同一視することができることもある。なお、他のユーザに対応したデータベースも存在していない場合には、予め設けた基準データベースから、予め定めた走行距離(一定値)Lmaxおよび経過時間(一定値)Tmaxを取得することができる。
ステップS305において、コントローラ106は、単電池10のローテーション動作を行わせるための判断基準を演算によって求める。この判断基準には、走行距離Lrefおよび経過時間Trefが含まれ、下記(1),(2)式によって求められる。
Lref=Lmax/M ・・・(1)
Tref=Tmax/M ・・・(2)
ここで、Mは、電池パック1を構成する単電池10の数である。なお、実施例1で説明したように、複数の単電池によって構成された電池モジュールをローテーションさせるときには、電池モジュールの数となる。Lrefは、1つの単電池10に割り振られた走行距離となり、Trefは、1つの単電池10に割り振られた経過時間となる。
ステップS306において、コントローラ106は、現在の車両の走行距離Laが、判断基準としての走行距離Lrefよりも短いか否かを判別する。本処理を初めて行う場合における現在の走行距離Laは、車両を初めて走行させたときから現在までの走行距離である。走行距離Laが走行距離Lrefよりも短い場合には、ローテーション動作を行う必要が無いと判断して、本処理を終了する。また、走行距離Laが走行距離Lrefよりも長い場合には、ステップS307に進む。
ステップS307において、コントローラ106は、現在における経過時間Taが、判断基準としての経過時間Trefよりも短いか否かを判別する。本処理を初めて行う場合における現在の経過時間Taは、車両を初めて走行させたときから現在までの経過時間である。経過時間Taが経過時間Trefよりも短い場合には、ローテーション動作を行う必要が無いと判断して、本処理を終了する。また、経過時間Taが経過時間Trefよりも長い場合には、ステップS308に進む。
ステップS308において、コントローラ106は、ローテーション動作を行う。ローテーション動作では、実施例6で説明したように、電池パック1を構成する複数の単電池10を一方向にローテーションさせる。本実施例では、図34に示すように、位置P1に配置された単電池10が位置P2に移動するように、すべての単電池10をローテーションさせる。位置P1の単電池10および位置P2の単電池10は、X方向において互いに隣り合っている。ローテーション動作は、ローテーション機構107のモータ80を制御することによって行うことができる。
ローテーション動作が終了すると、ステップS309に進み、走行距離Laおよび経過時間Taをリセットする。そして、ローテーション動作を終了したときから、車両の走行距離Laおよび経過時間Taを改めて計測し始める。そして、計測結果としての走行距離Laおよび経過時間Taは、ステップS306,307で用いられる走行距離Laおよび経過時間Taとなる。
本実施例では、実際の走行距離(Laの合計)が走行距離Lmaxに到達するとともに、実際の経過時間(Taの合計)が経過時間Tmaxに到達するまでの間に、単電池10の数だけローテーション動作を行うようにしている。言い換えれば、実際の走行距離が走行距離Lmaxに到達し、実際の経過時間が経過時間Tmaxに到達したときに、単電池10は、最初の位置に戻るようになっている。
このようなローテーション動作を行えば、すべての単電池10のそれぞれを、すべての単電池10に対応した位置に移動させることができる。これにより、すべての単電池10に与えられる温度環境(放熱性や、温度調節用の空気の供給状態)を等しくすることができる。そして、単電池10の温度のバラツキに伴って、単電池10の入出力特性にバラツキが生じてしまうのを抑制することができる。
実施例7でも説明したように、単電池10の位置が異なると、単電池10の放熱性や、単電池10に供給される冷却空気の状態が異なることがある。すなわち、単電池10の位置に応じて、単電池10の温度にバラツキが発生してしまうことがある。そこで、本実施例では、単電池10の位置を変化させることにより、温度のバラツキをキャンセルさせることができ、単電池10の入出力特性のバラツキを抑制することができる。
なお、ローテーション動作を終了した時点において、判断基準となる走行距離Lrefおよび経過時間Trefをユーザに知らせることもできる。これにより、ユーザは、次回のローテーション動作を行う時期を予測することができる。
また、図33に示す処理では、ステップS306の条件およびステップS307の条件を満たしていない場合にのみ、ローテーション動作を行うようにしているが、これに限るものではない。例えば、ステップS306の条件又はステップS307の条件だけで、ローテーション動作を行ったり、行わなかったりすることができる。
さらに、経過時間Trefとは異なる所定の時間を、ローテーション動作を開始させるための条件とすることもできる。この場合には、例えば、タイマを用いて所定時間をカウントし、所定時間に到達したときに、音や表示によってユーザに知らせることができる。これにより、単電池10のローテーション動作を定期的に行うことができ、温度のバラツキによって入出力特性にバラツキが発生するのを抑制することができる。
また、本実施例では、図34に示すように、各単電池10を、1つの単電池10に相当する距離だけ移動させているが、これに限るものではない。各単電池10を移動させる距離は、適宜設定することができ、この移動距離は、予め設定しておいてもよいし、ローテーション動作を行うときに設定するようにしてもよい。
例えば、図35に示すように、位置P3に配置された単電池10が位置P4に移動するように、すべての単電池10をローテーションさせることができる。ここで、電池パック1を構成する単電池10の数の半分の数に対応した距離だけ、位置P3の単電池10を移動させれば、位置P3の単電池10を位置P4に停止させることができる。
1:電池パック(蓄電装置) 10:単電池(蓄電素子)
11:電池ケース 12:負極端子
13:正極端子 14:ローラ
20:パックケース 21:第1側壁
22:第2側壁 23:底部
24:位置決めピン 25:ガイドレール(ガイド部)
31:第1ガイド(ガイド部) 32:第2ガイド(ガイド部)
40:ボルト(締結部材) 41:バスバー
50:バンド 60:カバー
63:導電層(導電部) 80:モータ
82:ベルト 105:電圧検出回路
106:コントローラ 107:ローテーション機構(駆動機構)

Claims (16)

  1. 一方向に並んで配置された複数の蓄電素子と、
    前記複数の蓄電素子を収容するケースと、
    前記複数の蓄電素子の配列方向において、前記各蓄電素子をスライドさせるスライド構造と、を有することを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記ケースの側壁は、前記配列方向と直交する方向に前記蓄電素子を前記ケースから取り出すための開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記スライド構造は、
    前記蓄電素子に設けられた腕部と、
    前記ケースに設けられ、前記腕部と係合して前記腕部を前記配列方向にガイドするガイド部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
  4. 前記腕部は、
    前記蓄電素子の正極端子として用いられる第1腕部と、
    前記第1腕部とは異なる外形を有し、前記蓄電素子の負極端子として用いられる第2腕部と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の蓄電装置。
  5. 前記腕部は、回転しながら前記ガイド部に沿って移動するローラを有することを特徴とする請求項3に記載の蓄電装置。
  6. 前記ケースの上面を覆うカバーを有しており、
    前記カバーは、前記複数の蓄電素子と対向する内壁面において、互いに異なる位置に配置された前記蓄電素子を電気的に接続するための導電部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄電装置。
  7. 前記カバーは、締結部材によって前記ケースに固定されており、
    前記導電部は、前記締結部材を介して前記蓄電素子と電気的に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の蓄電装置。
  8. 前記配列方向で隣り合う2つの前記蓄電素子のそれぞれは、隣り合う前記蓄電素子に向かって突出する凸部と、前記凸部に沿った形状に形成された凹部と、を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電装置。
  9. 前記蓄電素子の温度を調節するための熱交換媒体が、前記複数の蓄電素子に供給されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の蓄電装置。
  10. 前記複数の蓄電素子の列は、前記配列方向と直交する方向にも並んで配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の蓄電装置。
  11. 前記蓄電装置は、車両に搭載され、前記車両の走行に用いられるエネルギを出力することを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の蓄電装置。
  12. 請求項10に記載の蓄電装置と、
    前記蓄電素子を前記スライド構造に沿って移動させるとともに、前記配列方向の両端に位置する前記蓄電素子を前記配列方向と直交する方向に移動させるための駆動機構と、
    前記駆動機構の駆動を制御するコントローラと、
    を有することを特徴とする蓄電システム。
  13. 前記コントローラは、前記各蓄電素子の入出力状態を監視することによって劣化状態の前記蓄電素子を特定し、前記駆動機構の駆動によって劣化状態の前記蓄電素子を所定位置まで移動させることを特徴とする請求項12に記載の蓄電システム。
  14. 前記コントローラは、
    前記各蓄電素子の入出力状態を監視することによって、前記各蓄電素子の劣化度合いを判別し、
    前記駆動機構の駆動によって、最も劣化していると判断した前記蓄電素子を、最も劣化していないと判断した前記蓄電素子の位置に移動させることを特徴とする請求項12に記載の蓄電システム。
  15. 前記コントローラは、所定時間が経過するたびに、前記駆動機構の駆動によって前記各蓄電素子の位置を変化させることを特徴とする請求項12に記載の蓄電システム。
  16. 前記蓄電装置は、車両に搭載されており、
    前記コントローラは、前記車両の走行距離に応じて、前記駆動機構の駆動によって前記各蓄電素子の位置を変化させることを特徴とする請求項12に記載の蓄電システム。
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