JP5365080B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5365080B2
JP5365080B2 JP2008180060A JP2008180060A JP5365080B2 JP 5365080 B2 JP5365080 B2 JP 5365080B2 JP 2008180060 A JP2008180060 A JP 2008180060A JP 2008180060 A JP2008180060 A JP 2008180060A JP 5365080 B2 JP5365080 B2 JP 5365080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust
exhaust chamber
chambers
chamber
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008180060A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010021007A (ja
Inventor
公二 大津
彰秀 匂坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Original Assignee
Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd filed Critical Shin Kobe Electric Machinery Co Ltd
Priority to JP2008180060A priority Critical patent/JP5365080B2/ja
Publication of JP2010021007A publication Critical patent/JP2010021007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5365080B2 publication Critical patent/JP5365080B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Gas Exhaust Devices For Batteries (AREA)

Description

本発明は、電槽の蓋部内に排気室が形成された鉛蓄電池に関するものである。
モノブロック式の鉛蓄電池 は、全体がほぼ直方体状をなすように形成された電槽本体と該電槽本体の上端の開口部を閉じる蓋部とを有する電槽を備えていて、電槽の内部に、該電槽の長手方向に沿って並ぶ複数のセル室が形成されている。正極板と負極板とをセパレータを介して積層してなる極板群が各セル室内に電解液と共に収容されてセルが構成され、各セル室内のセルが、隣接するセル室内のセルにセル間接続部を通して接続されることにより蓄電池が構成されている。電槽の蓋部には、その長手方向の一端及び他端に位置させて、正極端子及び負極端子が取り付けられている。
この種の鉛蓄電池 においては、各セル室内のガス圧の上昇を防ぐために、各セル室内の圧力を解放し得るようにしておく必要がある。そのため、電解液 の漏出を防ぎながらガスを排出し得る構造の排気栓を各セル室毎に設けたものが広く用いられていたが、各セル室毎に排気栓を設けると、各セル室内から排気栓を通して外部に排出された電解液のミストがそのまま大気中に散逸してしまうため、定期的に電解液を補給することが必要になり、メンテナンスフリー化を図ることができない。このような問題を解決した鉛蓄電池として、電槽の蓋部内に排気室を設けて、各セル室内から出た電解液のミストを排気室内に留め、排気室内で液化した電解液を各セル室内に環流させるようにしたものが知られている。
この種の鉛蓄電池においては、特許文献1に示されているように、電槽の蓋部の一部に、該電槽の長手方向の一端と他端との間を延びる中蓋部が、その幅方向の一端を電槽の幅方向の一端寄りに位置させて設けられ、中蓋部の上に上蓋部が接合されている。中蓋部には上方に開口した中蓋側凹部が、また上蓋部には下方に開口した上蓋側凹部がそれぞれ形成されていて、これらの凹部により、中蓋部と上蓋部との間に空間が形成され、この空間が、複数のセル室にそれぞれ対応する複数の排気室に仕切られている。また各排気室と対応するセル室との間を区画する各排気室の底壁部を貫通して流通孔が設けられ、各セル室内のガス圧が上昇した際に各セル室内のガスが、各セル室内に連通している流通孔を通して対応する排気室内に排気されるようになっている。各セル室の底壁部には、流通孔が設けられた部分が最も低くなるように、傾斜がつけられている。
また複数の排気室相互間を仕切っている排気室間隔壁を貫通させて通気孔が形成され、これにより、複数の排気室内が相互に接続されている。また中蓋部の長手方向の両端にそれぞれ配置された両端の排気室にそれぞれ連通するようにして2つの集中排気室が設けられ、これらの集中排気室は、上蓋部または中蓋部に設けられた排気口を通して外部に連通させられている。各排気室内には、排気されたガスの移動を適宜に妨げる障壁部が形成され、各セル室内から流通孔を通して排気室内に排気されたガスが、障壁部に接触しながら集中排気室に向けて移動していく過程で、ガス中に含まれる電解液のミストを液化させるようになっている。液化させられた電解液は、排気室の傾斜した底壁部を伝って、流通孔からセル室内に環流させられるため、各セル室内の電解液の減少が抑制される。
この種の鉛蓄電池において、各セル室内からのガスの排気と、排気室内で液化した電解液の還流とを行わせるために、各排気室の底壁部に設ける流通孔は、基本的には各排気室の底壁部に一つだけあればよいが、流通孔をただ一つだけ設けた場合には、該流通孔が液膜で塞がれた場合に、セル室内からのガスの排気を行うことができなくなるおそれがある。従って、各排気室の底壁部には、流通孔を少なくとも2つ設けておくのが好ましい。
特許文献1に示された鉛蓄電池では、長孔からなる流通孔と、丸孔からなる流通孔との2つの流通孔を各排気室の底壁部に並べて設けて、長孔からなる流通孔を排気孔として用い、丸孔からなる流通孔を電解液還流孔として用いている。
特開2005−166318号公報
特許文献1に示されているように、排気室の底壁部に、長孔からなる流通孔と、丸孔からなる流通孔との2つの流通孔を設けた場合には、両流通孔の形状及び開口面積が異なるため、電槽が幅方向の一端を下にして倒れた場合に、各流通孔にかかる電解液の水頭圧に差が生じ、両流通孔に作用する大気圧に差が生じるため、2つの流通孔の間で空気の置換が行われて、セル室内から排気室内に電解液が漏れ出るおそれがあった。排気室内に大量の電解液が漏れ出ると、やがて集中排気室から外部に電解液が漏れ出して周囲を汚損させるので好ましくない。各排気室の底壁部に設ける2つの流通孔を、電槽の幅方向に位置をずらして配置した場合にも同様の問題が生じる。
そこで、本出願人には先に、排気室の底壁部に設ける複数の流通孔を同一の形状と同一の大きさとを有するように形成して、これらの流通孔を電槽の長手方向に延びる直線上に並べて配置した構造を有する鉛蓄電池を提案した。
このように構成すると、電槽がその幅方向(上面の輪郭をなす長方形の短辺方向)の一端側の側面を下にして転倒した際に、複数の流通孔に作用する電解液の水頭圧が同じになり、各流通孔を通して電解液に作用する大気圧が同じになるため、複数の流通孔相互間で空気が置換されて電解液が漏れ出るのを防ぐことができる。
しかしながら、上記既提案の鉛蓄電池では、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した場合に、各セル室内から流通孔を通して排気室内に電解液が流入するのを防ぐことができず、排気室内に流入した電解液が通気孔を通して集中排気室側に流れるのを防ぐことができない。通常電槽が外力を受けて転倒する際には、その幅方向(短辺方向)の一端側の側面を下にして転倒するのが普通であるから、上記の構成でも殆どの場合支障を来さないが、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒するこがあり得ないわけではないため、既提案の鉛蓄電池における液漏れ対策が万全であるとはいえなかった。
本発明の目的は、運搬中や使用中に電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した場合に、電解液が排気口から外部に漏れ出ることがないようにした鉛蓄電池を提供することにある。
本発明の他の目的は、運搬中や使用中に電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した場合にも、その幅方向(短辺方向)の一端側の側面を下にして転倒した場合にも、電解液が排気口から外部に漏れ出ることがないようにした鉛蓄電池を提供することにある。
本発明が対象とする鉛蓄電池は、全体がほぼ直方体状をなすように形成された電槽本体と、該電槽本体の上端の開口部を閉じる蓋部とを有する電槽を備えている。電槽の内部に該電槽の長手方向に沿って並ぶ複数のセル室が形成され、各セル室内には、極板群が電解液とともに収容されている。電槽の長手方向の一端と他端との間を延びる中蓋部が蓋部の一部に設けられて中蓋部の上に上蓋部が接合され、複数のセル室にそれぞれ対応する複数の排気室が、中蓋部と上蓋部との間に形成されている。各排気室と対応するセル室との間を区画する各排気室の底壁部を貫通した流通孔が各排気室毎に複数設けられ、各排気室と隣接する排気室との間を隔てている排気室間隔壁を貫通させて通気孔が形成されている。また、電槽の長手方向の両端にそれぞれ配置された端部排気室の少なくとも一方に連通させて集中排気室が設けられ、該集中排気室が排気口を通して外部に連通させられている。
本発明は、上記のような構成を有する鉛蓄電池において、電槽がその長手方向の一端を下にして倒れた場合に、排気口から外部に電解液が漏れることがないようにしたものである。そのため、本発明においては、複数の排気室の内、端部排気室以外の各排気室内に、電槽の長手方向に相対する各排気室の対の内面の間を伸びていて各排気室内を電槽の幅方向に仕切る第1の衝立部と第2の衝立部とが、各排気室に対して設けられた通気孔と流通孔との間に位置させた状態で電槽の幅方向に並べて設けられている。また上記端部排気室以外の各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の一方の上方位置に、第1の衝立部の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔が設けられ、端部排気室以外の各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の他方の上方位置に、第2の衝立部の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔が設けられている。更に、各端部排気室内には、電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の間を伸びていて各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る一つの端部排気室内衝立部が、各端部排気室に対して設けられた通気孔と流通孔との間に位置させた状態で設けられ、各端部排気室の下にある端部セル室と該端部セル室と隣接するセル室との間を隔てるセル間隔壁の上方位置に端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔が設けられている。
上記のように、電槽の長手方向の両端にそれぞれ配置された端部排気室以外の各排気室内に、各排気室内を電槽の幅方向に仕切る第1の衝立部と第2の衝立部とを設けて、各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の一方の上方位置に第1の衝立部の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けるとともに、各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の他方の上方位置に第2の衝立部の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けると、電槽がその長辺方向の端部の側面を下にして転倒した際に、第1の衝立部または第2の衝立部のいずれかが、各セル室から流通孔を通して排気室内に流入した電解液が通気孔側に流れるのを阻止するため、各セル室から流通孔を通して排気室内に流入した電解液が排気口側に流れて外部に漏出するのを防ぐことができる。各衝立部の両側の排気室内空間は連通孔を通して連通させられているため、各セル室から排気室を通して行われる排気が妨げられることはない。また各衝立部は電解液のミストを液化させるための障壁部としての機能も果たす。
また各端部排気室内に、各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る一つの端部排気室内衝立部を設けて、各端部排気室の下にある端部セル室と該端部セル室と隣接するセル室との間を隔てるセル間隔壁の上方位置に端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けておくと、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した際に、端部排気室内衝立部が電槽の長手方向の一端側の端部セル室から流通孔を通して端部排気室内に流入した電解液が通気孔側に流れるのを阻止するため、電解液が排気口を通して外部に漏出するのを防ぐことができる。上記端部排気室内衝立部も、電解液のミストを液化させるための障壁部としての機能を果たす。
なお上記のように、端部排気室内に端部排気室内衝立部を一つだけ設けた場合には、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した際に、最上端に配置される端部排気室では、流通孔を通して該端部排気室内に流入した電解液が通気孔側に流れ出すのを阻止できないが、転倒した際に最上端に配置される端部排気室は、最下端の排気口との間の距離が長く、上端に配置された端部排気室内に流出した電解液が最下端に配置された排気口に達するまでには時間がかかるため、電槽を転倒させたままの状態に長い時間放置しない限り(誤って電槽を転倒させた後、電槽をすぐに起こせば)問題は生じない。
本発明の好ましい態様では、各端部排気室内に、電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の間を伸びていて各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る更に他の端部排気室内衝立部が、各端部排気室に対して設けられた通気孔と流通孔との間に位置させた状態で設けられ、電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の内、中蓋部の長手方向の端部壁側に位置する内面に近接した位置に他の端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔が設けられている。
上記のように、各端部排気室内に更に他の端部排気室内衝立部を設けて、電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の内、中蓋部の長手方向の端部壁側に位置する内面に近接した位置に上記他の端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けておくと、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した際に、最上端に配置される端部排気室内でも、セル室から流通孔を通して該端部排気室内に流入した電解液が通気孔を通して下側の排気室内に流れ込むのを阻止できるか、または少なくとも下側の排気室に流れ込む電解液の量を僅かな量に抑えることができるため、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した状態でしばらくの間放置された場合でも、電解液が漏出するのを防ぐことができる。
本発明の好ましい態様では、上記の構成に加えて更に、電槽がその幅方向の一端側の側面を下にして倒れた際に、複数の流通孔相互間で空気が置換されて電解液が漏れ出ることがないように、複数の流通孔が同一の形状と同一の大きさとを有するように形成され、該複数の流通孔が電槽の長手方向に延びる直線上に並べて配置される。
上記のように構成すると、電槽がその幅方向(電槽の上面の輪郭がなす長方形の短辺方向)の一端側の側面を下にして転倒した際に、複数の流通孔に作用する電解液の水頭圧が同じになり、各流通孔を通して電解液に作用する大気圧が同じになるため、複数の流通孔相互間で空気が置換されて電解液が漏れ出るのを防ぐことができる。従って、このように構成すれば、電槽がいかなる方向に転倒した場合でも、電解液の漏出を防ぐことができる。
本発明の好ましい態様では、各通気孔が中蓋部の幅方向の一端寄りに形成され、流通孔は中蓋部の幅方向の他端寄りに位置させて各排気室内に2つ設けられる。この場合、各排気室内の第1及び第2の衝立部及び各端部排気室内の端部排気室内衝立部は、中蓋部の幅方向の中央寄りに配置される。
本発明の好ましい態様では、端部排気室の底面及び端部排気室以外の排気室の底面に、中蓋部の幅方向の一端側から他端側に向かって次第に低くなっていくように傾斜が付けられ、各衝立部は、連通孔が設けられた端部が連通孔が設けられた端部と反対側の端部よりも中蓋部の幅方向の他端により近い位置に配置されるように傾斜させられている。
上記のように構成すると、各衝立部に接触して液化させられた電解液をセル室側に円滑に環流させることができる。
請求項1に記載された発明によれば、電槽の長手方向の両端にそれぞれ配置された端部排気室以外の各排気室内に、各排気室内を電槽の幅方向に仕切る第1の衝立部と第2の衝立部とを設けて、各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の一方の上方位置に、第1の衝立部の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けるとともに、各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の他方の上方位置に、第2の衝立部の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けたので、電槽がその長辺方向の端部の側面を下にして転倒した際に、第1の衝立部または第2の衝立部のいずれかにより、各セル室から流通孔を通して排気室内に流入した電解液が通気孔側に流れるのを阻止して、電解液が排気口から外部に漏出するのを防ぐことができる。また各衝立部の両側の排気室内空間は連通孔を通して連通させられているため、各セル室から排気室を通して行われる排気が妨げられることはない。
また各端部排気室内に、各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る一つの端部排気室内衝立部を設けて、各端部排気室の下にある端部セル室と該端部セル室と隣接するセル室との間を隔てるセル間隔壁の上方位置に端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けたので、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した際に、電槽の長手方向の一端側の端部セル室から流通孔を通して端部排気室内に流入した電解液が通気孔側に流れるのを阻止して、電解液が排気口を通して外部に漏出するのを防ぐことができる。
請求項2に記載された発明によれば、各端部排気室内に更に他の端部排気室内衝立部を設けて、電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の内、中蓋部の長手方向の端部壁側に位置する内面に近接した位置に他の端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けたので、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した際に、端部排気室以外の排気室及び最下端に配置される端部排気室だけでなく、最上端に配置される端部排気室内でも、該端部排気室内に流入した電解液が通気孔側を通して下側の排気室内に流れ込むのを阻止することができ、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した状態で放置された場合でも、電解液が漏出するのを防ぐことができる。
請求項3に記載された発明によれば、排気室と対応するセル室とを連通させるために、排気室の底壁部に設ける複数の流通孔を、電槽がその幅方向の一端側の側面を下にして倒れた際に、複数の流通孔相互間で空気が置換されて電解液が漏れ出ることがないように、同一の形状と同一の大きさとを有するように形成して、該複数の流通孔を電槽の長手方向に延びる直線上に並べて配置したので、電槽がその幅方向の一端側の側面を下にして転倒した際に、複数の流通孔に作用する電解液の水頭圧を等しくするとともに、各流通孔を通して電解液に作用する大気圧を等しくして、各セル室内から排気室内に電解液が漏れ出るのを防ぐことができる。従って、本発明によれば、電槽がその長手方向の一端が下になるように転倒した場合、及びその幅方向の一端が下になるように転倒した場合のいずれの場合でも、電解液が外部に漏れ出すのを防ぐことができる。
以下図1ないし図4を参照して、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。図1は本実施形態に係わる鉛蓄電池の外観の一例を概略的に示した斜視図、図2は、同鉛蓄電池の上蓋部を取り外した状態での斜視図、図3は本実施形態に係わる鉛蓄電池の上蓋部を外した状態での平面図、図4は本実施形態に係わる鉛蓄電池で用いる上蓋部の裏返した状態での平面図である。これらの図において、1は鉛蓄電池の電槽を示しており、図示の電槽1は、全体がほぼ直方体状を呈するように形成されて上端が開口した電槽本体2と、電槽本体2の上端の開口部を閉じる蓋部3とからなっている。電槽1の内部は、セル間隔壁1aにより、その長手方向の一端から他端側に順次並ぶ第1ないし第6のセル室C1ないしC6(図3参照)に仕切られている。
蓋部3の一部には、電槽1の長手方向(図示のX方向)に延びる矩形状の中蓋部4が、その幅方向(Y方向)の一端4aを蓋部3の幅方向(電槽の幅方向)の一端3a寄りに位置させ、幅方向の他端4bを蓋部3の幅方向の他端3bの手前の位置に位置させ、かつその長手方向の一端4c及び他端4dをそれぞれ蓋部3の長手方向(電槽の長手方向)の一端3c及び3dに位置させた状態で設けられ、中蓋部4の上に上蓋部5が載せられている。中蓋部4には上方に開口した中蓋側凹部が、また上蓋部5には下方に開口した上蓋側凹部がそれぞれ設けられ、これらの凹部により、中蓋部4と上蓋部5との間に排気室を形成するための空間が形成されている。
図4に示された上蓋5を中蓋部4の上に配置する際には、図4に示された上蓋5の幅方向の一端5a及び他端5bがそれぞれ中蓋部4の幅方向の一端4a及び他端4bに一致した状態で配置され、長手方向の一端5c及び5dがそれぞれ中蓋部4の長手方向の一端4c及び4dに一致した状態で配置される。中蓋部4の長手方向の両端と、蓋部3の中蓋部4以外の部分との間には、上蓋部5の厚さ相当分の段差が形成され、上蓋部5を中蓋部4の上に配置して両者を溶着した際に、上蓋部5の上面が蓋部3の上面と面一になるようになっている。蓋部3の幅方向の他端3bと、中蓋部4の幅方向の他端4bとの間の部分には、正極端子6及び負極端子7が取り付けられている。
中蓋部4と上蓋部5との間の空間は、中蓋部4側及び上蓋部5側にそれぞれ設けられて、上蓋部5が中蓋部4に溶着される際に相互に接合される排気室間隔壁8により、第1乃至第6のセル室C1ないしC6にそれぞれ対応する第1ないし第6の排気室D1ないしD6に仕切られている。本明細書においては、一連の排気室D1ないしD6の内、電槽の長手方向の両端にそれぞれ配置された排気室D1及びD6を必要に応じて「端部排気室」と呼び、これらの排気室以外の排気室D2ないしD5は単に排気室と呼ぶ。同様に、第1ないし第6のセル室の内、電槽の長手方向の両端にそれぞれ配置されたセル室を必要に応じて「端部セル室」と呼び、これらのセル室以外のセル室は単にセル室と呼ぶ。
図3に示されているように、各排気室と対応するセル室との間を区画する各排気室の底壁部を貫通して2つの流通孔h1及びh2が設けられている。本実施形態においては、2つの流通孔h1及びh2が同一の形状(図示の例では円形)と同一の大きさとを有するように形成されて、電槽の長手方向に延びる直線O1−O1上に並べて配置されている。図示の例では、2つの流通孔h1及びh2が、各排気室を電槽の長手方向に2等分する平面O2−O2に対して左右対称に配置されている。
各排気室内で液化した電解液の還流を円滑に行わせるため、各排気室の底面に、流通孔h1,h2側に向って低くなっていくように傾斜が付けられるとともに、各流通孔の開口部の近傍に、液化した電解液を各流通孔に案内するための傾斜面S(図3参照)が形成されている。
図4に示されているように、上蓋部5側に設けられた仕切り壁8には、上蓋部5の幅方向の一端寄りに位置させて通気孔8Aを構成する切り欠きが形成され、通気孔8Aにより、一連の排気室D1ないしD6が相互に接続されている。
図3に示されているように、排気室D1ないしD6のそれぞれの底壁部(中蓋部4の底壁部)にはまた、排気室D1ないしD6の長手方向の一端側(中蓋部4の幅方向の一端側)に位置させた状態で、電槽内の第1のセル室ないし第6のセル室C1ないしC6にそれぞれ連通した円筒状の電解液注入口H1ないしH6が形成されている。
上蓋部5の排気室D1ないしD6の天井部を構成する部分には、該排気室の長手方向の一端側(上蓋部5の幅方向の一端側)に位置させた状態で、円筒状の突起P1ないしP6が形成されている。突起P1ないしP6は、上蓋部5が中蓋部4の上に配置されて両者が溶着される際に、それぞれの下端が中蓋部4に設けられた電解液注入口H1ないしH6の上端開口部に溶着されて、電解液注入口H1ないしH6を塞ぐように設けられている。
各排気室内には、中蓋部4側及び上蓋部5側にそれぞれ設けられて、上蓋部5が中蓋部4に溶着される際に相互に接合される対の障壁部9,9′が設けられている。図示の障壁部9,9′は、ほぼL字形に形成されて、各排気室のコーナ部に配置されている。障壁部9,9′は、各排気室を電槽の長手方向に2等分する平面O2−O2に対して左右対称に配置され、これらの障壁部の内側に各排気室の底壁部の流通孔h1,h2が開口させられている。障壁部9,9′は、それぞれの一辺が平行に配置され、これらの辺の間に細隙状のガス流路gaが形成されている。
排気室D1ないしD6の内、端部排気室D1,D2以外の各排気室内には、電槽の長手方向に相対する各排気室の対の内面F,F′の間を伸びていて各排気室内を電槽の幅方向に仕切る第1の衝立部10と第2の衝立部11とが、各排気室に対して設けられた通気孔8Aと流通孔h1,h2との間に位置させた状態で電槽の幅方向に並べて設けられている。
端部排気室D1,D6以外の各排気室(D2〜D5)の下にある各セル室(C2〜C5)とその両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁1a,1aの一方の上方位置に、第1の衝立部10の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔10aが設けられ、第1の衝立部10は、連通孔10a以外の部分では、その両側の排気室内空間を連通させないように設けられている。
また端部排気室D1,D6以外の各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁1a,1aの他方の上方位置に、第2の衝立部11の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔11aが設けられ、第2の衝立部11は、連通孔11a以外の部分では、その両側の排気室内空間を連通させないように設けられている。
各端部排気室D1,D6内には、電槽1の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面F,F′の間を伸びていて各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る一つの端部排気室内衝立部12が、各端部排気室に対して設けられた通気孔8Aと流通孔h1,h2との間に位置させた状態で設けられている。各端部排気室D1,D6の下にある端部セル室C1,C6と各端部セル室に隣接するセル室との間を隔てるセル間隔壁1aの上方位置に、端部排気室内衝立部12の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔12aが設けられている。各端部排気室内衝立部12は、連通孔12aの部分以外の部分では、その両側の端部排気室内空間を連通させないように設けられている。
上記各衝立部の内、第1の衝立部10は、電槽1がセル室C1側の端部を下にして転倒した際に、セル室C2ないしC5内から排気室D2ないしD5内に流入した電解液がそれぞれの排気室に対して設けられた通気孔8A側に流れるのを阻止するために設けられたものである。また 第2の衝立部11は、電槽1がセル室C6側の端部を下にして転倒した際に、セル室C2ないしC5内から排気室D2ないしD5内に流入した電解液がそれぞれの排気室に対して設けられた通気孔8A側に流れるのを阻止するために設けられている。
第1の衝立部10及び第2の衝立部11に上記のような機能を持たせるためには、電槽がセル室C1側の長手方向端部を下にして転倒した際に、各第1の衝立部10の両側の排気室内空間を連通させる連通孔10aが、各第1の衝立部が設けられた排気室に対応するセル室内の液面レベル以上の位置に配置され、電槽がセル室C6側の長手方向端部を下にして転倒した際に、各第2の衝立部11の両側の排気室内空間を連通させる連通孔11aが、各排気室に対応するセル室内の液面レベル以上の位置に配置されるように、連通孔10a及び11aを設ける位置を設定すればよい。
そのため、例えば第2の排気室D2に設ける第1の衝立部10の両側の排気室内空間を連通させる連通孔10aは、該排気室D2に対応するセル室C2と隣接するセル室C1及びC3との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁1a,1aの内、電槽1がセル室C1側の端部を下にして転倒した際に、上方に配置されることになるセル室C3側のセル間隔壁1aの内面よりも更にセル室C3側に寄った位置(転倒した際のセル室C2内の液面レベルより高い位置)に配置されるように設けることが好ましく、排気室D2に設ける第2の衝立部11の両側の排気室内空間を連通させる連通孔11aは、該排気室D2に対応するセル室C2と隣接するセル室C1及びC3との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁1a,1aの内、電槽1がセル室C6側の端部を下にして転倒した際に、上方に配置されることになるセル室C1側のセル間隔壁1aの内面よりも更にセル室C1側に寄った位置に配置されるように設けることが好ましい。
図示の例では、各排気室(D2〜D5)の下にある各セル室(C2〜C5)とその両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁1a,1aの内、電槽がその長手方向の一端側(セル室C1側)を下にして転倒した際に上方に配置されることになる一方のセル間隔壁1aの真上の位置に、各排気室を仕切る第1の衝立部10の両側の排気室内空間を連通させる連通孔10aを設け、各排気室(D2〜D5)の下にある各セル室(C2〜C5)とその両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁1a,1aの内、電槽がその長手方向の他端側(セル室C6側)を下にして転倒した際に上方に配置されることになる他方のセル間隔壁1aの真上の位置に、各排気室を仕切る第2の衝立部11の両側の排気室内空間を連通させる連通孔11aを設けている。
端部排気室内衝立部12は、電槽が長手方向の一端を下にして転倒した際に、最下端に配置されることになる端部排気室D1またはD6内に対応するセル室C1またはC6から流入した電解液が、最下端に配置された排気室の至近位置にある排気口eaまたはeb側に流れるのを阻止するために設けられている。各端部排気室内衝立部12の両側の端部排気室内空間を連通させる連通孔12aの設け方は、連通孔10a及び11aの設け方と同様である。
図示の例では、連通孔10a,11a及び12aを所定のセル間隔壁の真上に設けることを可能にするために、排気室間隔壁8に、衝立部10,11及び12の端部を受け入れる凹部を形成するための屈曲部8Bが形成されている。
第1の排気室(端部排気室)D1には、衝立部12に加えて、衝立部12よりも短い障壁部13が、衝立部12よりも中蓋部4の幅方向の一端4a寄りに位置させた状態で設けられている。なお障壁部13は省略することもできる。
端部排気室D1及びD6内には、障壁部9,9′と衝立部12とにより、流通孔h1,h2の近傍の領域と通気孔8Aの近傍の領域との間を接続する屈曲したガス流路が形成され、端部排気室以外の排気室D2ないしD5内には、障壁部9,9′及び衝立部10,11により、流通孔h1,h2の近傍の領域と通気孔8Aの近傍の領域との間を接続する屈曲したガス流路が形成されている。
本実施形態では、電槽の長手方向の一端側及び他端側にそれぞれ配置された端部排気室D1及びD6内に集中排気室Ea及びEbが設けられている。図示の例では、上蓋部5の端部排気室D1及びD6を構成する部分の内側に固定された円筒状の部材により集中排気室Ea及びEbが形成され、これらの集中排気室の下端が端部排気室D1及びD6内に開口させられている。集中排気室Ea及びEb内の空間は、上蓋部5の長手方向の両端に設けられた溝により形成された排気口ea及びebを通して外部に連通させられている。
上記の実施形態の鉛蓄電池を組み立てる際には、電槽本体2内の各セル室内に極板群を収容し、セル間を接続した後、蓋部3を電槽本体2の開口部の上に載せて、両者の突き合わせ部を溶着する。次いで、電解液 注入口H1ないしH6から第1乃至第6のセル室内に電解液を注入し、上蓋部5を中蓋部4の上に載せて、上蓋部5と中蓋部4との突き合わせ部を溶着する。
上記のようにして上蓋部5を中蓋部4に取り付けた状態で、上蓋部5と中蓋部4との間に第1ないし第6の排気室D1ないしD6が構成される。第1ないし第6の排気室D1ないしD6は、上蓋5に設けられた通気孔8Aを通して連通させられる。
上記の鉛蓄電池において、各セル室内のガス圧が上昇した際には、流通孔h1,h2から排気室内にガスが流出して各セル室内の圧力を低下させる。排気室内に流出したガス中に含まれる電解液のミストは、ガスが障壁部及び衝立部により妨げられながら集中排気室Ea及びEbに向けて移動する過程で障壁部及び衝立部に接触して液化し、液化した電解液は流通孔h1及びh2を通してセル室内に還流させられる。
上記のように、2つの流通孔h1及びh2が同一の形状と同一の大きさとを有するように形成されて、電槽の長手方向に延びる直線上に並べて配置されていると、電槽がその幅方向の一端側の側面を下にして倒れた際に、2つの流通孔h1及びh2が同じ高さの位置に配置されるため、流通孔h1及びh2に作用する電解液の水頭圧が同じになり、また各流通孔を通して電解液に作用する大気圧が同じになるため、複数の流通孔相互間で空気が置換されて電解液が漏れ出るのを防ぐことができる。
また上記実施形態のように、電槽の長手方向の両端にそれぞれ配置された端部排気室D1,D6以外の各排気室内に、各排気室内を電槽の幅方向に仕切る第1の衝立部10と第2の衝立部11とを設けて、各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の一方の上方位置に、第1の衝立部10の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔10aを設けるとともに、各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の他方の上方位置に、第2の衝立部11の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔11aを設けると、電槽がその長辺方向の端部の側面を下にして転倒した際に、第1の衝立部10または第2の衝立部11のいずれかが、各セル室から流通孔を通して排気室内に流入した電解液が通気孔側に流れるのを阻止するため、電解液が排気口側に流れて外部に漏出するのを防ぐことができる。
また上記のように,各端部排気室D1,D6内に、各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る一つの端部排気室内衝立部12を設けて、各端部排気室の下にある端部セル室C1,C2と該端部セル室と隣接するセル室との間を隔てるセル間隔壁1aの上方位置に端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔を設けると、電槽1がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した際に、電槽が転倒した際に最下端に配置される端部セル室から流通孔を通して端部排気室内に流入した電解液が通気孔側に流れるのを阻止して、電解液が排気口を通して外部に漏出するのを防ぐことができる。
例えば、電槽が排気室D1側の端部を下にして転倒した場合、セル室C1から流通孔h1,h2を通して排気室D1内に流入した電解液は、衝立部12により集中排気室Ea側に流れるのが阻止され、またセル室C2ないしC5から流通孔h1,h2を通して排気室D2ないしD5内にそれぞれ流入した電解液は、衝立部10により、通気孔8A側に流れるのが阻止されるため、排気口eaから外部に電解液が漏出するのが防止される。
この場合、最上端に配置される端部排気室D6では、流通孔h1,h2を通して該端部排気室D6内に流入した電解液が通気孔8A側に流れ出すのを阻止できないが、転倒した際に最上端に配置される端部排気室D6は、最下端の排気口eaとの間の距離が長く、上端に配置された端部排気室内に流出した電解液が最下端に配置された排気口eaに達するまでには時間がかかるため、電槽を転倒させたままの状態に長い時間放置しない限り、排気口eaから電解液が漏れるという問題は生じない。
電槽が排気室D6側の端部を下にして転倒した場合には、セル室C6から流通孔h1,h2を通して排気室D6内に流入した電解液が端部排気室内衝立部12により阻止され、またセル室C2ないしC5から流通孔h1,h2を通して排気室D2ないしD5内にそれぞれ流入した電解液は、第2の衝立部11により阻止されるため、下端に配置された排気口ebから外部に電解液が漏出するのが防止される。
図5及び図6は本発明の第2の実施形態を示している。この実施形態では、端部排気室D1及びD6内に、電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面F,F′の間を伸びていて各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る更に他の端部排気室内衝立部14が、各端部排気室に対して設けられた通気孔8Aと流通孔h1,h2との間に位置させた状態で設けられている。また電槽1の長手方向に相対する各端部排気室D1,D6の対の内面F,F′の内、中蓋部の長手方向の端部壁側に位置する内面に近接した位置に他の端部排気室内衝立部14の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔14aが設けられている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態のように、各端部排気室内に更に他の端部排気室内衝立部14を設けて、電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の内、中蓋部の長手方向の端部壁側に位置する内面に近接した位置に他の端部排気室内衝立部14の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔14aを設けておくと、電槽1がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した際に、最上端に配置される端部排気室内で、通気孔8A側に電解液が流れるのを阻止できるか、または少なくとも通気孔8A側に流れる電解液の量を僅かな量に抑えることができるため、電槽がその長手方向の一端側の側面を下にして転倒した状態で放置された場合に電解液が漏出するのを防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係わる鉛蓄電池の斜視図である。 同実施形態に係わる鉛蓄電池の上蓋部を外した状態での斜視図である。 同実施形態に係わる鉛蓄電池の上蓋部を外した状態での平面図である。 同実施形態に係わる鉛蓄電池で用いる上蓋部の裏返した状態での平面図であ る。 本発明の他の実施形態に係わる鉛蓄電池の上蓋部を外した状態での平面図で ある。 同実施形態に係わる鉛蓄電池で用いる上蓋部の裏返した状態での平面図であ る。
1 電槽
2 電槽本体
3 蓋部
4 中蓋部
5 上蓋部
8 仕切り壁
8A 通気孔
9,9′ 障壁部
10 第1の衝立部
10a 連通孔
11 第2の衝立部
11a 連通孔
12 端部排気室内衝立部
12a 連通孔
14 端部排気室内衝立部
14a 連通孔
C1〜C6 セル室
D1〜D6 排気室
Ea,Eb 集中排気室
ea,eb 排気口
h1,h2 流通孔

Claims (5)

  1. 全体がほぼ直方体状をなすように形成された電槽本体と該電槽本体の上端の開口部を閉じる蓋部とを有する電槽を備えて、前記電槽の内部に該電槽の長手方向に沿って並ぶ複数のセル室が形成され、前記電槽の長手方向の一端と他端との間を延びる中蓋部が前記蓋部の一部に設けられて前記中蓋部の上に上蓋部が接合され、前記中蓋部と上蓋部との間に前記複数のセル室にそれぞれ対応する複数の排気室が形成されて、各排気室と対応するセル室との間を区画する各排気室の底壁部を貫通した流通孔が各排気室毎に複数設けられ、各排気室と隣接する排気室との間を隔てている排気室間隔壁を貫通させて通気孔が形成され、前記電槽の長手方向の両端にそれぞれ配置された端部排気室の少なくとも一方に連通させて集中排気室が設けられて、該集中排気室が排気口を通して外部に連通させられている鉛蓄電池において、
    前記複数の排気室の内、前記端部排気室以外の各排気室内には、前記電槽の長手方向に相対する各排気室の対の内面の間を伸びていて各排気室内を前記電槽の幅方向に仕切る第1の衝立部と第2の衝立部とが、各排気室に対して設けられた通気孔と流通孔との間に位置させた状態で前記電槽の幅方向に並べて設けられ、
    前記端部排気室以外の各排気室の下にあるセル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている対のセル間隔壁の一方の上方位置に、前記第1の衝立部の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔が設けられ、
    前記端部排気室以外の各排気室の下にある前記セル室と該セル室の両側のセル室との間をそれぞれ隔てている前記対のセル間隔壁の他方の上方位置に、前記第2の衝立部の両側の排気室内空間を相互に連通させる連通孔が設けられ、
    各端部排気室内には、前記電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の間を伸びていて各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る一つの端部排気室内衝立部が、各端部排気室に対して設けられた通気孔と流通孔との間に位置させた状態で設けられ、
    各端部排気室の下にある端部セル室と該端部セル室と隣接するセル室との間を隔てるセル間隔壁の上方位置に前記端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔が設けられていること、
    を特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記各端部排気室内には、前記電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の間を伸びていて各端部排気室内を電槽の幅方向に仕切る更に他の端部排気室内衝立部が、各端部排気室に対して設けられた通気孔と流通孔との間に位置させた状態で設けられ、
    前記電槽の長手方向に相対する各端部排気室の対の内面の内、前記中蓋部の長手方向の端部壁側に位置する内面に近接した位置に前記他の端部排気室内衝立部の両側の端部排気室内空間を相互に連通させる連通孔が設けられていること、
    を特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記電槽がその幅方向の一端側の側面を下にして倒れた際に、複数の流通孔相互間で空気が置換されて電解液が漏れ出ることがないように、前記複数の流通孔は同一の形状と同一の大きさとを有するように形成されて、前記電槽の長手方向に延びる直線上に並べて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鉛蓄電池。
  4. 各通気孔は前記中蓋部の幅方向の一端寄りに形成され、
    前記流通孔は前記中蓋部の幅方向の他端寄りに位置させて各排気室内に2つ設けられ、
    各排気室内の第1及び第2の衝立部及び各端部排気室内の端部排気室内衝立部は、前記中蓋部の幅方向の中央寄りに配置されている請求項1,2または3に記載の鉛蓄電池。
  5. 前記端部排気室の底面及び端部排気室以外の排気室の底面には、前記中蓋部の幅方向の一端側から他端側に向かって次第に低くなっていくように傾斜が付けられ、
    前記各衝立部は、連通孔が設けられた端部が連通孔が設けられた端部と反対側の端部よりも前記中蓋部の幅方向の他端により近い位置に配置されるように傾斜させられている請求項4に記載の鉛蓄電池。
JP2008180060A 2008-07-10 2008-07-10 鉛蓄電池 Expired - Fee Related JP5365080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008180060A JP5365080B2 (ja) 2008-07-10 2008-07-10 鉛蓄電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008180060A JP5365080B2 (ja) 2008-07-10 2008-07-10 鉛蓄電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010021007A JP2010021007A (ja) 2010-01-28
JP5365080B2 true JP5365080B2 (ja) 2013-12-11

Family

ID=41705693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008180060A Expired - Fee Related JP5365080B2 (ja) 2008-07-10 2008-07-10 鉛蓄電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5365080B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10135048B2 (en) 2015-02-27 2018-11-20 GS Yuasa Internationl Ltd. Lead-acid battery
US10319969B2 (en) 2015-03-30 2019-06-11 Gs Yuasa International Ltd. Lead-acid battery and method of manufacturing lid member of lead-acid battery

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5446326B2 (ja) * 2009-03-04 2014-03-19 新神戸電機株式会社 鉛蓄電池
KR101285055B1 (ko) * 2012-11-29 2013-07-10 세방전지(주) 축전지의 내누액 방지 커버
KR102225201B1 (ko) * 2019-08-12 2021-03-09 주식회사 한국아트라스비엑스 플러디드 배터리의 전해액 누출 방지를 위한 벤팅 구조

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4348466A (en) * 1981-01-27 1982-09-07 Varta Batteries Limited Anti-spill device for electrolyte battery
JPH0822815A (ja) * 1994-07-07 1996-01-23 Yuasa Corp 蓄電池の排気構造
JPH11233092A (ja) * 1998-02-19 1999-08-27 Yukio Uemichi 蓄電池
JP4715089B2 (ja) * 2003-11-28 2011-07-06 株式会社Gsユアサ 鉛蓄電池
JP5365046B2 (ja) * 2008-03-27 2013-12-11 新神戸電機株式会社 鉛蓄電池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10135048B2 (en) 2015-02-27 2018-11-20 GS Yuasa Internationl Ltd. Lead-acid battery
US10319969B2 (en) 2015-03-30 2019-06-11 Gs Yuasa International Ltd. Lead-acid battery and method of manufacturing lid member of lead-acid battery

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010021007A (ja) 2010-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5521390B2 (ja) 鉛蓄電池
US10629869B2 (en) Electronic apparatus case and battery pack including the same
JP5365080B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5365046B2 (ja) 鉛蓄電池
JP4715089B2 (ja) 鉛蓄電池
JPS6252854A (ja) 通気口装置を有する蓄電池
JP5760015B2 (ja) 蓄電池の内漏液防止カバー(batterycoverforpreventionelectrolyteleakage)
JP5446326B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5095992B2 (ja) 蓄電池の液漏れ防止装置
JP5396161B2 (ja) 蓄電池
US8586220B2 (en) Accumulator
JP6756093B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5148861B2 (ja) 蓄電池の排気構造
JP2015002166A (ja) 鉛蓄電池
JP5148862B2 (ja) 蓄電池の排気構造
JP2010282743A5 (ja)
CN109802156A (zh) 燃料电池用金属隔板以及燃料电池
JP4516098B2 (ja) 蓄電池
JP5183985B2 (ja) 蓄電池
JP2017182986A (ja) 鉛蓄電池
JP5148863B2 (ja) 蓄電池の排気構造
JP2008186690A (ja) 鉛蓄電池
JP4715091B2 (ja) 鉛蓄電池
JP5099415B2 (ja) 制御弁式鉛蓄電池
JP5184000B2 (ja) 蓄電池用排気構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees