JP5363418B2 - 高熱伝導性複合材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートシンクに好適な高熱伝導性複合材料の製造技術に関する。
半導体基板にヒートシンクが付設される。このヒートシンクは、文字通り、放熱部品であるため、高い熱伝導率が求められる。
金属より炭素の熱伝導率が高いため、ヒートシンクとして、金属材料と炭素繊維との複合成形品が推奨され、それの製造技術は各種提案されている(例えば、特許文献1(請求項10、請求項13)参照。)。
特許文献1の請求項10に「請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の高熱伝導性放射材料の製造方法であって、複数のカーボンナノチューブと、炭化物形成用金属と、マトリックス用金属とを、カーボンナノチューブの含有量が14体積%以上として混合し、上記混合材を一軸プレス成形により多孔体を形成し、真空下、圧力無負荷又は加圧下で、上記多孔体の空孔中に、溶融された炭化物形成用金属とマトリックス用金属とを溶浸させることを特徴とする高熱伝導性放射材料の製造方法。」の記載がある。
すなわち、特許文献1の技術は、一軸プレス成形による多孔体の予備成形工程と、多孔体の空孔へ溶融金属を溶浸させる溶浸工程と、の2工程からなる。
溶融金属を溶浸させるために、多孔体が必須となる。しかし、空孔率(気孔率)を安定化させるには、高度な成形技術が必要となり、必然的に多孔体の製造コストが嵩む。
また、特許文献1の請求項13に「上記一軸プレス成形は100MPa以上の圧力で行われる・・・以下略」の記載がある。本発明者らの研究によれば、100MPa以上でプレスを行うと、カーボンナノチューブが切れることが判明した。カーボンナノチューブが短くなると、伝熱性能が低下し、所望の熱伝導率が得られなくなる。これは、カーボンナノチューブとマトリックス用金属との馴染みが不十分な段階で、単体状態のカーボンナノチューブに外力が加わるからであると推定される。加えて、カーボンナノチューブは外径がナノサイズであるため、微小な外力で切断されるとも推定される。
そこで、中間生成物としての多孔体が不要であって、且つ高熱伝導性能が良好に維持される高熱伝導性複合材料の製造が技術が望まれる。
特許第4304921号公報
本発明は、多孔体が不要であって、且つ高熱伝導性能が良好に維持される高熱伝導性複合材料を製造することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、高熱伝導性複合材料の製造方法であって、
マトリックス金属粉末に、カーボンファイバを添加して混合する工程と、
得られた混合材料を、真空、不活性ガス若しくは非酸化性ガス雰囲気中にて所定の加圧力で圧縮した状態で前記マトリックス金属の融点未満の焼結温度まで昇温し、この焼結温度に保ち焼結処理を行い一次成形体を得る工程と、
この一次成形体を前記マトリックス金属の融点に加熱して前記マトリックス金属の全てが溶融した形態の溶湯を得る工程と、
この溶湯を高圧鋳造金型へ移し、加圧することで二次成形体を得る工程と、
この二次成形体を押出成形することで高熱伝導性複合材料を得る工程と、からなることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、一次成形体を得る工程では、10〜45MPaで加圧しながら行うことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、高熱伝導性複合材料を得る工程での押出成形は、マトリック金属の再結晶温度以上で融点以下の条件で実施することを特徴とする。
請求項4に係る発明では、高熱伝導性複合材料の組成は、30質量%を上限とするカーボンファイバと、残部のマトリックス金属とからなることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、マトリックス金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金の何れかであることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、高熱伝導性複合材料は、ヒートシンク又はヒートシンク用素材であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、混合材料を、非酸化性ガス雰囲気中にて所定の加圧力で圧縮した状態で焼結温度まで昇温し、この焼結温度に保ち焼結処理を行い一次成形体を得る。マトリクス金属粉末同士が拡散接合作用により、互いに繋がり、カーボンファイバは移動が制限され、凝集が抑制され、分散状態が維持される。
そして、請求項1に係る発明では、多孔体を生成させる必要はない。
また、一次成形体は、マトリックス金属の焼結品であり、この焼結品では拡散接合したマトリックス金属粉の間にカーボンファイバが挟まれている。一次成形体に外力が加わっても、マトリックス金属が保護作用を発揮するため、カーボンファイバが切れることはない。
さらには、カーボンナノチューブに比較してカーボンファイバは、外径が10〜1000倍であるため、この点からも本発明のカーボンファイバは切れにくくなる。
健全なカーボンファイバを含む一次成形体は、次に溶解され鋳造されるが、一次成形体でカーボンファイバの分散性が確保されていれば、カーボンファイバはネットワーク(構造体)を構成するため、凝集が起こる心配はない。
続いて、押出されると、カーボンファイバが押出方向に延びるように、整列される。ただし、固相のマトリックスで囲まれているカーボンファイバが凝集する心配はない。
以上により、多孔体が不要であって、且つ高熱伝導性能が良好に維持される高熱伝導性複合材料が提供される。
請求項2に係る発明では、一次成形体を得る工程では、10〜45MPaで加圧しながら行う。従来の技術では100MPa以上であったが、本発明では、半分以下の圧力で十分である。加圧力が小さいため、カーボンファイバの切断をより確実に防ぐことができる。
請求項3に係る発明では、高熱伝導性複合材料を得る工程での押出成形は、マトリック金属の再結晶温度以上で融点以下の条件で実施する。マトリック金属が柔かくなるため、カーボンファイバの整列をより促すことができる。
請求項4に係る発明では、高熱伝導性複合材料の組成は、30質量%を上限とするカーボンファイバと、残部のマトリックス金属とからなる。カーボンファイバの含有率を上げると、流動性が悪くなり、押出工程が円滑に実施できなくなる。そこで、カーボンファイバの含有率の上限を30質量%に留めることにした。
請求項5に係る発明では、マトリックス金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金の何れかである。本発明では、非酸化雰囲気下で一次成形体を製造する。そのため、強酸化物質であるアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金を、マトリックス金属とすることができる。
アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金は軽く、熱伝導性に優れているため、ヒートシンクに好適である。
請求項6に係る発明では、高熱伝導性複合材料は、ヒートシンク又はヒートシンク用素材である。ヒートシンク用素材に加工を施すことで、ヒートシンクが得られる。
本発明によれば、健全なカーボンファイバが整列しているヒートシンクが提供される。すなわち、カーボンファイバの伝熱作用が十分に発揮され得る高熱伝導性ヒートシンクが提供される。
本発明に係る混合工程から一次成形体を得る工程までを説明する図である。 溶湯を得る工程から二次成形体を得る工程までを説明する図である。 押出工程を説明する図である。 純アルミニウムとカーボンファイバとの複合材における、カーボンファイバ含有率と熱伝導率との相関図である。 マグネシウム合金とカーボンファイバとの複合材における、カーボンファイバ含有率と熱伝導率との相関図である。 焼結工程における加圧力と熱伝導率の相関図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、撹拌容器11に、エタノール12を満たす。撹拌羽根13で撹拌し且つエタノール12を超音波振動させながら、エタノール12へマトリクス金属粉末14とカーボンファイバ15とを投入する。
カーボンファイバ15は、ファイバ径が0.15〜20μm、ファイバ長さが10〜500μm、アスペクト比が5〜500の炭素繊維である。
一方、炭素繊維に類似した材料としてカーボンナノ材料がある。
このカーボンナノ材は、繊維径が1.0nm(ナノメートル)〜150nm、すなわち、0.001〜0.15μmであり、サイズ的にカーボンファイバ15と異なる。
そこで、本発明では、カーボンファイバ15に、カーボンナノ材料を含めないことにする。
所定時間振動撹拌を実施したら、乾燥法によりエタノール12を除去する。これで、(b)に示すような混合材料16が得られる。
次に、(c)に示すホットプレス型焼結炉20で混合材料16を焼結処理する。
ホットプレス型焼結炉20は、耐圧炉体21と、この耐圧炉体21の底を貫通している下パンチ22と、耐圧炉体21の天井を貫通している上パンチ23と、上下パンチ22、23間に配置されるダイ24と、耐圧炉体21の内部を加熱するヒータ25と、耐圧炉体21の内部雰囲気ガスを排出する真空ポンプ26と、耐圧炉体21内へ不活性ガスの一種であるアルゴンガスを吹き込むアルゴンガス容器27とからなる。
混合材料16をダイ24に詰め、下パンチ22と上パンチ23とで10〜45MPaの加圧力で圧縮する。耐圧炉体21内を真空引きした後アルゴンガスで満たす。そして、ヒータ25でマトリクス金属粉末14の焼結温度まで加熱する。
すると、マトリクス金属粉末14同士が拡散接合作用により、互いに繋がる。この結果、カーボンファイバ15は移動が制限され、凝集が抑制され、分散状態が維持される。
一般に、アルミニウム粉末やマグネシウム粉末は、酸素に接触すると激しく酸化される。一方、本例のように焼結を施すと、酸素に触れる面積が極度に小さくなるため、酸化の影響が軽減される。(d)に示す一次成形体29は、ホットプレス型焼結炉20から大気中に取り出すことができる。
次に、図2(a)に示すように、底にシッター31が付いている鍋32に一次成形体29を入れた形態で、加熱炉33に一次成形体29を入れ、マトリックス金属の融点以上に加熱する。加熱により、固相のマトリックス金属が液相のマトリックス金属になる。カーボンファイバの融点は、マトリックス金属の融点より格段に高いため、カーボンファイバは固体のままである。
溶湯34が得られたら、(b)に示すように、下型35へ溶湯34を投下する。(c)に示すようにパンチを兼ねた上型36で溶湯34を加圧する。これで、(d)に示す二次成形体38が得られる。
次に、図3(a)に示すように、コンテナ41に二次成形体38を入れる。コンテナ41はマトリックス金属の再結晶温度以上で融点以下の温度に暖めておく。(b)に示すようにプランジャ42で二次成形体38を圧縮する。すると、二次成形体38はコンテナ41に設けられているノズル43から押し出される。結果、(c)に示すような高熱伝導性複合材料45が得られる。この高熱伝導性複合材料45では、カーボンファイバ15が押出し方向に延びるようにして配列される。カーボンファイバ15が熱の移動を促すため、高熱伝導性複合材料45は文字通り、高熱伝導性を有する押出品である。
ノズル43の断面形状が丸であれば丸棒が得られ、断面形状が矩形であれば、長方形の板が得られる。ノズル43の形状を変更することで、複雑な断面の長尺材が得られる。
高熱伝導性複合材料45は、高熱伝導性能を有するため、ヒートシンクに好適である。
高熱伝導性複合材料45は、高熱伝導性能を確認するために、実験を行った。この実験の内容及び結果を以下に説明する。
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○準備:
マトリックス金属粉末:純アルミニウム粉末、マグネシウム合金粉末(JIS MD1D)
カーボンファイバ:繊維径8μm、繊維長さ200μm
○混合工程:
5〜30質量%のカーボンファイバと残部の純アルミニウム粉末とをエタノール溶液内で撹拌及び超音波振動を付与して混合する。カーボンファイバの含有率は後述する表1、表2に示す。
○焼結工程:
加熱温度500℃、加圧力25MPa、アルゴンガス雰囲気の条件で、直径60mmの一次成形体(焼結品)を得る。
・熱伝導率の測定:一部の試料については、この段階の試料(一次成形体)で熱伝導率を測定する。
○高圧鋳造工程:
一次成形体を加熱温度700℃で溶解する。溶湯を金型で加圧力200MPaに加圧し、二次成形体(鋳造品)を得る。
・熱伝導率の測定:一部の試料については、この段階の試料(二次成形体)で熱伝導率を測定する。
○押出工程:二次成形体を、再結晶温度未満の300℃、又は再結晶温度以上で且つ融点以下の400℃に加熱し、押出すことで高熱伝導性複合材料(押出品)を得る。
・熱伝導率の測定:試料(高熱伝導性複合材料)の熱伝導率を測定する。
以上に説明した手順で実験を実施した。その内容及び結果を、表1、表2に示す。
Figure 0005363418
Figure 0005363418
・試料01:比較対象のために、純アルミニウム(100質量%Al)の熱伝導率を測定した。熱伝導率は、237W/mKであった。
・試料02:95質量%の純アルミニウムと5質量%のカーボンファイバとを混合し、500℃、25MPa、アルゴンガス雰囲気の条件で焼結することで、一次成形品を得た。この一次成形品の熱伝導率は、222W/mKであり、試料01より低い値となった。
・試料03:95質量%の純アルミニウムと5質量%のカーボンファイバとを混合し、500℃、25MPa、アルゴンガス雰囲気の条件で焼結することで、一次成形品を得た。この一次成形品を溶解し、金型へ注湯し200MPaの条件で加圧し、二次成形品を得た。この二次成形品の熱伝導率は、238W/mKであり、試料01よりほぼ同じ値に留まった。
・試料04:95質量%の純アルミニウムと5質量%のカーボンファイバとを混合し、500℃、25MPa、アルゴンガス雰囲気の条件で焼結することで、一次成形品を得た。この一次成形品を溶解し、金型へ注湯し200MPaの条件で加圧し、二次成形品を得た。この二次成形品を300℃の条件で押出すことより、押出品、すなわち、高熱伝導性複合材料を得た。この高熱伝導性複合材料の熱伝導率は、244W/mKであり、試料01より、大きかった。
・試料05:押出温度300℃を400℃に変更し、その他の条件は試料04と同一にした。得られた高熱伝導性複合材料の熱伝導率は、252W/mKであり、試料01より、十分に大きく、且つ試料04より大きかった。
・試料06〜試料09:90質量%の純アルミニウムと10質量%のカーボンファイバとを混合し、試料02〜05と同様の実験を行った。得られた熱伝導率は表1に示す通りである。
・試料10〜試料13:80質量%の純アルミニウムと20質量%のカーボンファイバとを混合し、試料02〜05と同様の実験を行った。得られた熱伝導率は表2に示す通りである。
・試料14〜試料17:70質量%の純アルミニウムと30質量%のカーボンファイバとを混合し、試料02〜05と同様の実験を行った。得られた熱伝導率は表2に示す通りである。
試料04、05、08、09、12、13、16、17の熱伝導率が好ましい値であることが分かった。
そこで、これらの熱伝導率のさらなる評価を行う。
図4に示すように、押出温度(押出工程での加熱温度)が300℃での曲線と、押出温度が400℃での曲線は、共にカーボンファイバの含有率の増加に比例して熱伝導率が増大する。ただし、実験では示さなかったが、カーボンファイバの含有率が30質量%を超えると、試料が脆弱(ぼろぼろ)になり、押出品を作製することができなかった。
したがって、カーボンファイバの含有率は30質量%を上限として、マトリックス金属に添加することが推奨される。
次に、マトリックス金属を純アルミニウムからマグネシウム合金に変更し、他の条件は試料01、試料06〜17と同一にして、試料18〜試料30を作製し、熱伝導率を測定した。内容及び結果を表3に示す。
Figure 0005363418
試料21、22、25、26、29、30の熱伝導率が好ましい値であることが分かった。
そこで、これらの熱伝導率のさらなる評価を行う。
図5に示すように、押出温度(押出工程での加熱温度)が300℃での曲線と、押出温度が400℃での曲線は、共にカーボンファイバの含有率の増加に比例して熱伝導率が増大する。ただし、実験では示さなかったが、カーボンファイバの含有率が30質量%を超えると、試料が脆弱(ぼろぼろ)になり、押出品を作製することができなかった。
したがって、カーボンファイバの含有率は30質量%を上限として、マトリックス金属に添加することが推奨される。
なお、実験の説明は省略するが、アルミニウム合金、純マグネシウムについても実験を行い、図4、図5と同様の結果が確認できた。したがって、マトリクス金属はアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金の何れであってもよい。
さらには、マトリックス金属はチタン、チタン合金、銅、銅合金であってもよく、適宜変更可能である。
以上の実験では一次成形体を得る工程での加圧を、25MPaとした。この加圧力の好適範囲を確認するために、追加実験を行った。
25MPaの加圧力を0、10、45、50、100MPaに変更し、他の条件は表1に示す試料09と同じにして、試料を作製し、熱伝導率を測定した。結果を、表4に示す。
Figure 0005363418
取扱い性の欄で△は、一次成形体が、ぼろぼろであったことを示す。○は取扱い性が良好であったことを示す。
すなわち、試料31は、圧縮不足から、取扱いに支障がでるほどぼろぼろになった。このことから、加圧力がゼロでは好ましくないことが判明した。
取扱い性が良好な試料32、09、33〜35について、加圧力と熱伝導率の相関をグラフにより調べた。
図6に示すように、加圧力が50MPa以上になると、熱伝導率が低下することが判明した。これは、加圧力によりカーボンファイバが切断されたためと考えられる。
したがって、焼結の工程における加圧力は、10〜45MPaが好適範囲である。従来の技術では100MPa以上であったが、本発明では、半分以下の圧力で十分であり、加圧力が小さいため、カーボンファイバの切断をより確実に防ぐことができる。
尚、本発明で製造される高熱伝導性複合材料は、ヒートシンク又はヒートシンク用素材に好適であるが、高温仕様の部品(高温バルブ、内燃機関部品など)に供することができ、用途を格別に限定するものではない。
本発明はヒートシンク又はヒートシンク用素材の製造技術に好適である。
14…マトリックス金属粉末、15…カーボンファイバ、16…混合材料、29…一次成形体、34…溶湯、35…高圧金型(下型)、36…高圧金型(上型)、38…二次成形体、45…高熱伝導性複合材料。

Claims (6)

  1. 高熱伝導性複合材料の製造方法であって、
    マトリックス金属粉末に、カーボンファイバを添加して混合する工程と、
    得られた混合材料を、真空、不活性ガス若しくは非酸化性ガス雰囲気中にて所定の加圧力で圧縮した状態で前記マトリックス金属の融点未満の焼結温度まで昇温し、この焼結温度に保ち焼結処理を行い一次成形体を得る工程と、
    この一次成形体を前記マトリックス金属の融点に加熱して前記マトリックス金属の全てが溶融した形態の溶湯を得る工程と、
    この溶湯を高圧鋳造金型へ移し、加圧することで二次成形体を得る工程と、
    この二次成形体を押出成形することで高熱伝導性複合材料を得る工程と、からなることを特徴とする高熱伝導性複合材料の製造方法。
  2. 前記一次成形体を得る工程では、10〜45MPaで加圧しながら行うことを特徴とする請求項1記載の高熱伝導性複合材料の製造方法。
  3. 前記高熱伝導性複合材料を得る工程での押出成形は、前記マトリック金属の再結晶温度以上で融点以下の条件で実施することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の高熱伝導性複合材料の製造方法。
  4. 前記高熱伝導性複合材料の組成は、30質量%を上限とするカーボンファイバと、残部のマトリックス金属とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の高熱伝導性複合材料の製造方法。
  5. 前記マトリックス金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金の何れかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の高熱伝導性複合材料の製造方法。
  6. 前記高熱伝導性複合材料は、ヒートシンク又はヒートシンク用素材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の高熱伝導性複合材料の製造方法。
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