JP5362389B2 - 酸素置換ダイカスト鋳造装置および鋳造方法 - Google Patents

酸素置換ダイカスト鋳造装置および鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主としてアルミニウム合金からなるダイカスト製品を鋳造する酸素置換ダイカスト鋳造装置および鋳造方法に関する。
従来、金型のキャビティ内の空気等の気体を酸素ガス(酸素という)と置換し、その状態でキャビティ内に溶湯を供給する酸素置換ダイカスト法(PF法)が知られている。また、金型のキャビティ内に溶湯を射出する前工程において、キャビティ内に高圧の酸素を充満した後、射出直前まで低圧の酸素を注入し続けて充満状態を維持するダイカスト法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
発明協会公開技報公技番号2005−502184号
前記酸素置換ダイカスト法(PF法)には、鋳造サイクル内において酸素供給量を可変させるという概念がなかった。このため、製造コストを低減しながらも生産性及び品質を向上することが困難であるという問題があった。また、前記非特許文献1のダイカスト法では、キャビティ内のガスを吸引した状態でキャビティ内に溶湯を射出する真空ダイカスト法を併用しているため、射出時にキャビティ内の酸素量が吸引により減る、または、金型の隙間から外部の空気や水分が侵入することによって、製品含有ガス量が増えて品質の低下を招くという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、製造コストを低減しながらも生産性及び品質を向上することのできる酸素置換ダイカスト鋳造装置および鋳造方法を提供することにある。
第1の発明は、キャビティを形成する金型と、キャビティ内に溶湯を射出する射出手段と、キャビティ内に置換用酸素を供給する置換用酸素供給手段と、キャビティ内に保圧用酸素を供給する保圧用酸素供給手段と、キャビティ内を一定圧に保持するように該キャビティ内の酸素を排出する酸素排出手段とを備えることを特徴とする酸素置換ダイカスト鋳造装置である。この構成によると、置換用酸素供給手段により金型のキャビティ内に置換用酸素を供給することによって、キャビティ内を酸素雰囲気とした後、射出手段によりキャビティ内に溶湯(溶融金属)を射出する。このとき、溶湯と酸素との反応によりキャビティ内の酸素圧が低下するため、保圧用酸素供給手段によりキャビティ内に保圧用酸素を供給することによって、キャビティ内を保圧用酸素で保圧する。キャビティ内に対する溶湯の射出が終了に近づくにつれて、キャビティ内の気相部の容積が減少するにともないキャビティ内の圧力が上昇するため、酸素排出手段によりキャビティ内の酸素が排出されることによって、キャビティ内が一定圧に保持される。したがって、キャビティ内に2段階で酸素の供給すなわち置換用酸素の供給と保圧用酸素の供給とがなされる。置換用酸素として高圧の酸素を用いることにより、キャビティ内の酸素の置換を短時間で行うことができる。このため、生産性を向上することができる。また、保圧用酸素として低圧で溶湯と酸素との反応に応じた量の酸素を用いることにより、酸素使用量を減少し、製造コストを低減することができるとともに、窒素、二酸化炭素等のガスの巻込みを抑えることにより、製品含有ガス量を低減し、品質を向上することができる。よって、製造コストを低減しながらも生産性及び品質を向上することができる。
第2の発明は、金型のキャビティ内に置換用酸素を供給する第1工程と、キャビティ内に溶湯を射出する第2工程と、キャビティ内に保圧用酸素を供給する第3工程と、キャビティ内を一定圧に保持するように該キャビティ内の酸素を排出する第4工程とを備えることを特徴とする酸素置換ダイカスト鋳造方法である。この構成によると、第1工程で金型のキャビティ内に置換用酸素を供給することによって、キャビティ内を酸素雰囲気とした後、第2工程で射出手段によりキャビティ内に溶湯(溶融金属)を射出する。このとき、溶湯と酸素との反応によりキャビティ内の酸素圧が低下するため、第3工程でキャビティ内に保圧用酸素を供給することによって、キャビティ内を保圧用酸素で保圧する。キャビティ内に対する溶湯の射出が終了に近づくにつれて、キャビティ内の気相部の容積が減少するにともないキャビティ内の圧力が上昇するため、第4工程でキャビティ内の酸素が排出されることによって、キャビティ内が一定圧に保持される。したがって、キャビティ内に2段階で酸素の供給すなわち置換用酸素の供給と保圧用酸素の供給とがなされる。置換用酸素として高圧の酸素を用いることにより、キャビティ内の酸素の置換を短時間で行うことができる。このため、生産性を向上することができる。また、保圧用酸素として低圧で溶湯と酸素との反応に応じた量の酸素を用いることにより、酸素使用量を減少し、製造コストを低減することができるとともに、窒素、二酸化炭素等のガスの巻込みを抑えることにより、製品含有ガス量を低減し、品質を向上することができる。よって、製造コストを低減しながらも生産性及び品質を向上することができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記金型が型閉じする前から前記第1工程における置換用酸素の供給を行うことを特徴とする。この構成によると、金型が型閉じする前から第1工程における置換用酸素の供給を行うことにより、型閉じ完了に先立ってキャビティの周りに酸素雰囲気を形成することができる。このため、キャビティ内に酸素雰囲気の形成に要する時間を短縮することができる。なお、金型が型閉じする前とは、金型が型開き状態から型閉じを完了する直前までの全開状態から全閉直前状態までが相当する。
第4の発明は、第2又は3の発明において、前記第2工程における溶湯の射出時間のうちの初期と末期とを除いた時間において、前記第3工程における保圧用酸素の供給を行うことを特徴とする。この構成によると、第2工程における溶湯の射出時間のうちの初期と末期とを除いた時間において、第3工程における保圧用酸素の供給を行うことにより、保圧用酸素の使用量を必要最小限とすることができる。
本発明の一実施例に係る酸素置換ダイカスト鋳造装置を示す構成図である。 鋳造の開始から終了までの工程1〜4を示す説明図である。 鋳造の開始から終了までの動作を示すタイムチャートである。 実施例と比較例とを比較した結果を示す評価表である。 変更例に係る酸素置換ダイカスト鋳造装置を示す構成図である。 変更例に係る酸素置換ダイカスト鋳造装置を示す構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例では、アルミダイカスト製品を鋳造する酸素置換ダイカスト鋳造装置を例示する。図1は酸素置換ダイカスト鋳造装置を示す構成図である。
図1に示すように、酸素置換ダイカスト鋳造装置10は、ダイカストマシン(図示省略)に設けられた金型12を備えている。金型12は、固定ダイプレート14に設けられた固定型15と、可動ダイプレート17に設けられた可動型18とを備えている。可動ダイプレート17は、型締め装置(図示省略)により図1において左右方向に移動可能となっている。これにより、固定型15に対する可動型18の型閉じ(型締めを含む)及び型開きがなされるようになっている。固定型15に可動型18を型閉じすることにより、両型15,18間に閉鎖されたキャビティ20及び湯道22が形成される。また、固定ダイプレート14及び固定型15の下端部に、注湯口25を有する射出スリーブ24が設けられている。射出スリーブ24内には、溶湯射出用の射出チップ27が前後方向(図1において左右方向)に進退移動可能に設けられている。射出チップ27は、射出シリンダ(図示省略)に連接されており、その射出シリンダにより進退移動されるようになっている。射出シリンダにより射出チップ27が後退されることによって、射出スリーブ24の注湯口25が開放される。この状態で、ラドル29を用いて、アルミニウム合金の溶湯30が注湯口25から射出スリーブ24内に注湯すなわち流し込まれる。射出スリーブ24内に注湯された溶湯30は、射出シリンダにより射出チップ27が進出(図1において左方へ移動)されることによって、湯道22からキャビティ20内へ射出すなわち充填される。
前記可動型18の上端部には、前記キャビティ20内を外部に連通するコモン通路31が形成されている。コモン通路31には、酸素ボンベ等で構成される酸素供給源33が酸素供給経路34を介して接続されている。酸素供給経路34には、酸素置換用レギュレータ45及び酸素置換用バルブ35が設けられている。また、酸素供給経路34には、酸素置換用レギュレータ45及び酸素置換用バルブ35をバイパスする迂回路37が設けられている。迂回路37には、酸素保圧用レギュレータ46及び酸素保圧用バルブ38が設けられている。酸素置換用バルブ35及び酸素保圧用バルブ38は、それぞれ電磁弁からなり、ダイカストマシンの制御装置40によって開閉制御されるように構成されている。また、酸素供給経路34の酸素置換用レギュレータ45は、酸素置換用バルブ35に流れる酸素供給圧を所定圧に調圧する。また、迂回路37の酸素保圧用レギュレータ46は、酸素保圧用バルブ38に流れる酸素供給圧を所定圧に調圧する。また、酸素供給経路34には、酸素供給源33から酸素置換用レギュレータ45及び酸素保圧用レギュレータ46に流れる酸素供給圧を前もって所定圧に調圧する前段用レギュレータ44が設けられている。なお、前段用レギュレータ44は、必要に応じて設けられるもので省略される場合もある。
また、コモン通路31には、ガス(主に酸素)を排出する酸素排出経路42が分岐されている。酸素排出経路42には、リリーフバルブからなる酸素排出用バルブ43が設けられている。酸素排出用バルブ43は、通常は閉止状態にあり、キャビティ20内の圧力が一定圧(規定圧)を越えたときに開くことによって、キャビティ20内のガス(酸素)を逃がす。なお、酸素排出用バルブ43は、リリーフバルブに代えて、図5に示すように、制御装置40によりキャビティ20内の圧力が一定圧となるように開閉制御される電磁弁48を用いてもよい。また、酸素排出経路42の下流端は大気に開放されているが、図6に示すように、キャビティ20内のガス(酸素)を吸引する真空ポンプ50に接続してもよい。
なお、射出スリーブ24、射出チップ27、射出シリンダは、本明細書でいう「射出手段」を構成している。また、酸素供給源33、酸素供給経路34、酸素置換用バルブ35、前段用レギュレータ44、酸素置換用レギュレータ45は、本明細書でいう「置換用酸素供給手段」を構成している。また、酸素供給源33、迂回路37を通る酸素供給経路34、酸素保圧用バルブ38、前段用レギュレータ44、酸素保圧用レギュレータ46は、本明細書でいう「保圧用酸素供給手段」を構成している。また、酸素排出経路42、酸素排出用バルブ43は、本明細書でいう「酸素排出手段」を構成している。また、制御装置40は、本明細書でいう「制御手段」に相当する。なお、制御装置40は、ダイカストマシンの型締め装置、射出シリンダ等の作動を制御するものである。
次に、前記酸素置換ダイカスト鋳造装置10の動作とともに酸素置換ダイカスト鋳造方法について説明する。図2は鋳造の開始から終了までの工程1〜4を示す説明図、図3は鋳造の開始から終了までの動作を示すタイムチャートである。なお、図2における図(A)は工程1(型閉じスタート工程)を示し、図(B)は工程2(型閉じ完了、注湯工程)を示し、図(C)は工程3(射出スタート工程)を示し、図(D)は工程4(射出完了直前工程)を示している。また、図3における時点t0〜t12は、便宜上、等間隔で表されているが、実際は等間隔とは限らない。また同様に、時間ΔT1、ΔT2も限定されない。なお、本実施例では、時間ΔT1、ΔT2は同じ時間となっている。
初期状態(図3の時点t0)において、金型12は型開き状態、酸素置換用バルブ35は閉じ状態、溶湯30の注湯は停止状態、射出チップ27は後退(戻り)状態、酸素保圧用バルブ38は閉じ状態にある(図2(A)参照)。この状態から酸素置換ダイカスト鋳造装置10の動作がスタートする。
まず、図3の時点t1で、金型12の型閉じが開始される。また同時に、酸素置換用バルブ35が開かれることにより、酸素供給源33(図1参照)の酸素(酸素ガス)が置換用酸素として、酸素供給経路34、コモン通路31を通じて、固定型15と可動型18との間に供給される(図2(A)中、矢印参照)。このように、キャビティ20内に対する置換用酸素の供給を型開き状態から行うことにより、型閉じに先立ってキャビティ20の周りに酸素雰囲気が形成されることになる。なお、図3の時点t1からt5までの時間ΔT1の間において、酸素置換用バルブ35は開状態を継続する。また、時間ΔT1は、例えば2秒(2s)である。また、酸素置換用レギュレータ45により調圧された置換用酸素の供給圧力は、例えば0.4MPaである。
続いて、図3の時点t2で、金型12の型閉じ(型締めを含む)が完了する(図2(B)参照)。また、酸素置換用バルブ35が開かれたままであるため、置換用酸素が型締め状態のキャビティ20内に供給されることにより、キャビティ20内の既存のガスが湯道22から射出スリーブ24内を経て注湯口25から排出される(図2(B)中、矢印参照)。したがって、キャビティ20(湯道22、射出スリーブ24内を含む)内に酸素が充満すなわち置換される。なお、キャビティ20内に置換用酸素を供給する工程が本明細書でいう「第1工程」に相当する。
また、図3の時点t2で、射出スリーブ24内への溶湯30の注湯が開始される(図2(B)参照)。そして、図3の時点t4で、その注湯が終了する。また、注湯の終了後、射出チップ27の進出すなわち射出が開始される。しかしながら、この状態においても、酸素置換用バルブ35は開状態であるため、置換用酸素のキャビティ20内への供給が継続している。なお、キャビティ20内に溶湯30を射出する工程が本明細書でいう「第2工程」に相当する。
続いて、図3の時点t5で、酸素置換用バルブ35が閉じられることにより、置換用酸素のキャビティ20内への供給が停止される。また同時に、酸素保圧用バルブ38が開かれることにより、酸素供給源33(図1参照)の酸素(酸素ガス)が保圧用酸素として、迂回路37を通る酸素供給経路34、コモン通路31を通じて、キャビティ20内へ供給される(図2(C)中、矢印参照)。この保圧用酸素は、溶湯30と酸素との反応によりキャビティ20内の酸素圧が低下する分を補うものである。なお、図3の時点t5からt9までの時間ΔT2の間、酸素保圧用バルブ38は開状態を継続する。なお、キャビティ20内に保圧用酸素を供給する工程が本明細書でいう「第3工程」に相当する。また、時間ΔT2は、例えば2秒(2s)である。また、酸素保圧用レギュレータ46により調圧された保圧用酸素の供給圧力は、例えば0.05MPaである。
続いて、射出チップ27の進出が終了(図3の時点t10参照)に近づくにつれて、キャビティ20内の気相部の容積が減少するにともないキャビティ20内の圧力が上昇する。そして、図3の時点t8で、キャビティ20内の圧力が一定圧(規定圧)を越えると、酸素排出用バルブ43が開かれることによって、キャビティ20内の酸素がコモン通路31から酸素排出経路42を通じて排出いわゆるガス抜きされる(図2(D)中、矢印参照)。これにより、キャビティ20内の圧力を酸素排出用バルブ(リリーフバルブ)43で調圧することによって、キャビティ20内が一定圧に保持される。そして、図3の時点t10で、射出チップ27の進出が終了すると同時に酸素排出用バルブ43が閉じる。なお、キャビティ20内を一定圧に保持するように該キャビティ20内の酸素を排出する工程が本明細書でいう「第4工程」に相当する。
また、射出チップ27の進出の終了(図3の時点t10参照)の直前、すなわち図3の時点t9で、酸素保圧用バルブ38が閉じられることにより、保圧用酸素のキャビティ20内への供給が停止される。そして、図3の時点t10で、射出チップ27の進出が終了する。その後、所定時間経過し、キャビティ20内の溶湯30が冷却により凝固したダイカスト製品が取り外し可能になったならば、金型12を型開きしてからダイカスト製品を取り出せばよい。その後、射出チップ27が射出シリンダにより後退され、図3の初期状態(時点t0参照)に戻る。このようにして、1鋳造サイクルいわゆる1ショットが終了する。
前記した酸素置換ダイカスト鋳造装置10によると、置換用酸素供給手段(酸素供給源33、酸素供給経路34、酸素置換用バルブ35、前段用レギュレータ44、酸素置換用レギュレータ45)により金型12のキャビティ20内に置換用酸素を供給することによって、キャビティ20内を酸素雰囲気とした後、射出手段(射出スリーブ24、射出チップ27、射出シリンダ)によりキャビティ20内に溶湯30を射出する。このとき、溶湯30と酸素との反応によりキャビティ20内の酸素圧が低下するため、保圧用酸素供給手段(酸素供給源33、迂回路37を通る酸素供給経路34、酸素保圧用バルブ38、前段用レギュレータ44、酸素保圧用レギュレータ46)によりキャビティ20内に保圧用酸素を供給することによって、キャビティ20内を保圧用酸素で保圧する。キャビティ20内に対する溶湯30の射出が終了に近づくにつれて、キャビティ20内の気相部の容積が減少するにともないキャビティ20内の圧力が上昇するため、酸素排出手段(酸素排出経路42、酸素排出用バルブ43)によりキャビティ20内の酸素が排出されることによって、キャビティ20内が一定圧に保持される。したがって、キャビティ20内に2段階で酸素の供給すなわち置換用酸素の供給と保圧用酸素の供給とがなされる。置換用酸素として高圧(例えば、0.4MPa)の酸素を用いることにより、キャビティ20内の酸素の置換を短時間で行うことができる。このため、生産性を向上することができる。また、保圧用酸素として低圧(例えば、0.05MPa)で溶湯30と酸素との反応に応じた量の酸素を用いることにより、酸素使用量を減少し、製造コストを低減することができるとともに、窒素、二酸化炭素等のガスの巻込みを抑えることにより、製品含有ガス量を低減し、品質を向上することができる。よって、製造コストを低減しながらも生産性及び品質を向上することができる。
また、前記した酸素置換ダイカスト鋳造方法によると、第1工程で金型12のキャビティ20内に置換用酸素を供給することによって、キャビティ20内を酸素雰囲気とした後、第2工程で射出手段(射出スリーブ24、射出チップ27、射出シリンダ)によりキャビティ20内に溶湯30を射出する。このとき、溶湯30と酸素との反応によりキャビティ20内の酸素圧が低下するため、第3工程でキャビティ20内に保圧用酸素を供給することによって、キャビティ20内を保圧用酸素で保圧する。キャビティ20内に対する溶湯30の射出が終了に近づくにつれて、キャビティ20内の気相部の容積が減少するにともないキャビティ20内の圧力が上昇するため、第4工程でキャビティ20内の酸素が排出されることによって、キャビティ20内が一定圧に保持される。したがって、キャビティ20内に2段階で酸素の供給すなわち置換用酸素の供給と保圧用酸素の供給とがなされる。置換用酸素として高圧(例えば、0.4MPa)の酸素を用いることにより、キャビティ20内の酸素の置換を短時間で行うことができる。このため、生産性を向上することができる。また、保圧用酸素として低圧(例えば、0.05MPa)で溶湯30と酸素との反応に応じた量の酸素を用いることにより、酸素使用量を減少し、製造コストを低減することができるとともに、窒素、二酸化炭素等のガスの巻込みを抑えることにより、製品含有ガス量を低減し、品質を向上することができる。よって、製造コストを低減しながらも生産性及び品質を向上することができる。
また、金型12が型閉じする前から第1工程における置換用酸素の供給を行うことにより、型閉じ完了に先立ってキャビティ20の周りに酸素雰囲気を形成することができる(図2(A)中、矢印参照)。このため、キャビティ20内に酸素雰囲気の形成に要する時間を短縮することができる。
また、第2工程における溶湯30の射出時間のうちの初期(図3における時点t4〜t5が相当する)と末期(図3における時点t9〜t10が相当する)とを除いた時間(図3における時点t5〜t9が相当する)において、第3工程における保圧用酸素の供給を行うことにより、保圧用酸素の使用量を必要最小限とすることができる。
また、前記実施例の酸素置換ダイカスト鋳造方法と従来のダイカスト法とによる酸素使用量、マシンサイクルタイム、製品含有ガス量とを比較し、コスト、生産性、品質、トータルを評価したところ、図4の評価表に示す結果が得られた。
図4において、比較例1は、従来の真空ダイカスト法によるものである。また、比較例2〜5は、従来の酸素置換ダイカスト法によるもので、酸素供給量を一定の制御したものである。また、比較例2は酸素供給量が0.4MPa×4sの場合、比較例3は酸素供給量が0.1MPa×4sの場合、比較例4は酸素供給量が0.1MPa×5sの場合、比較例5は酸素供給量が0.1MPa×6sの場合である。また、実施例は、実施例の酸素置換ダイカスト鋳造方法によるもので、酸素供給量を可変制御したものである。実施例は、置換用酸素供給量が0.4MPa×2sで、保圧用酸素供給量が0.05MPa×2sの場合である。また、コスト、生産性、品質の評価は○印、×印の2段階で表記され、また、トータルの評価はコスト、生産性、品質の評価の○印の数が3個のものに○印、×印の数が1個のものに△印、×印の数が2個のものに×印が付されている。
比較例2は、酸素使用量(l/shot)がその他の例と比較して格段に多いため、コストが高い。また、比較例4、5は、マシンサイクルタイム(MCT(s))がその他の例と比較して長いため、生産性が低い。また、比較例1、3、4は、製品含有ガス量(cc/100g)がその他の例と比較して多いため、品質が劣る。したがって、トータルの評価から分かるように、実施例がその他の例と比較して、コスト、生産性、品質の面で優れていると認められる。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、置換用酸素のキャビティ20内への供給開始は、型締め後で注湯の開始前、注湯開始直後、注湯中でもよい。また、酸素供給量を2段階で制御したが、3段階以上で制御することもできる。
10…酸素置換ダイカスト鋳造装置
12…金型
20…キャビティ
30…溶湯
24…射出スリーブ
27…射出チップ
33…酸素供給源
34…酸素供給経路
35…酸素置換用バルブ
37…迂回路37
38…酸素保圧用バルブ
42…酸素排出経路
43…酸素排出用バルブ
44…前段用レギュレータ
45…酸素置換用レギュレータ
46…酸素保圧用レギュレータ

Claims (4)

  1. キャビティを形成する金型と、
    前記キャビティ内に溶湯を射出する射出手段と、
    前記キャビティ内に置換用酸素を供給する置換用酸素供給手段と、
    前記キャビティ内に保圧用酸素を供給する保圧用酸素供給手段と、
    前記キャビティ内を一定圧に保持するように該キャビティ内の酸素を排出する酸素排出手段と
    を備えることを特徴とする酸素置換ダイカスト鋳造装置。
  2. 金型のキャビティ内に置換用酸素を供給する第1工程と、
    前記キャビティ内に溶湯を射出する第2工程と、
    前記キャビティ内に保圧用酸素を供給する第3工程と、
    前記キャビティ内を一定圧に保持するように該キャビティ内の酸素を排出する第4工程と
    を備えることを特徴とする酸素置換ダイカスト鋳造方法。
  3. 請求項2に記載の酸素置換ダイカスト鋳造方法であって、
    前記金型が型閉じする前から前記第1工程における置換用酸素の供給を行うことを特徴とする酸素置換ダイカスト鋳造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の酸素置換ダイカスト鋳造方法であって、
    前記第2工程における溶湯の射出時間のうち、射出の開始からキャビティ内への置換用酸素の供給の停止までの初期と射出の終了の直前から射出の終了までの末期とを除いた時間において、前記第3工程における保圧用酸素の供給を行うことを特徴とする酸素置換ダイカスト鋳造方法。
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