JP5360865B2 - 水栓における回転式吐水部材の組付構造 - Google Patents

水栓における回転式吐水部材の組付構造 Download PDF

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本発明は、例えばシンクの上面に設置して用いられるキッチン用のシングルレバー式湯水混合栓等の水栓におけるカラン(吐水管)やシャワセット等の吐水部を有する回転式吐水部材の組付構造に関する。詳しくは、内部に通水路を有する筒状の水栓本体と、内部に前記水栓本体の内部通水路に連通接続される通水路を有するとともに、この内部通水路に接続されて側方へ延びる吐水部が連設されてなり、前記水栓本体端部の小径円筒部の外側に水栓本体の軸心周りに回転可能に嵌合された筒状の吐水部材とを備え、この筒状の吐水部材と前記水栓本体との間に、前記吐水部材の所定範囲内での回転を許容し、所定範囲を超えると水栓本体側のストッパーが吐水部材側の当たり部に当接して回転を制限する回転制限機構が設けられている水栓における回転式吐水部材の組付構造に関するものである。
この種の組付構造において、回転式吐水部材の所定範囲を超える回転を制限する回転制限機構として、従来、外筒となる筒状の吐水部材の外側から筒状の水栓本体内部の通水路に向けて、例えばボルトなどの頭付きネジ部材からなるストッパーを、吐水部材の周壁を貫通させて突出させる一方、吐水部材が所定範囲を超えて回転されたとき、前記ストッパーの突出端部が当接してそれ以上の回転を制限する当たり部が形成された半円形状部材を水栓本体の内部に嵌合させて位置固定してなる構造を採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実公平6−30919号公報
上記特許文献1で示されている従来の水栓における回転式吐水部材の組付構造の場合は、吐水部材を予め設定した所定範囲内で自由に回転(首振り)させることが可能でありながら、所定範囲を超えての回転をストッパーと当たり部との当接により制限することが可能であるので、例えば水栓を壁面に近接して設置した状態で吐水部材を急激かつ急速に回転させたとき、吐水部材側の側方へ延出されたカラン等の吐水部が壁面に衝突して破損してしまうなどの不都合を防ぐことができる。
しかしながら、上記した従来の構造では、回転制限機構の構成要素であるストッパーとしてボルトなどの頭付きネジ部材が用いられ、少なくともその頭部が筒状吐水部材の外面に露出するために、特にキッチン用水栓などのように、外観的にスッキリとした仕上がりが求められるものにおいては、ストッパーの頭部露出により美観(意匠性)が損なわれるという問題があった。また、ストッパーとなる頭付きネジ部材が長期間の使用に伴い振動などの影響を受けて次第に緩んで外方への突出量が大きくなり、その大きく突出したネジ部材に使用者の手などが接触して負傷したり、衣服の一部が引掛って破れたりするなど不測のトラブルを招きやすいという問題もあった。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、吐水部材の回転を所定範囲に確実に制限して壁面等への衝突を確実に防止できるのはもとより、その回転制限機構による美観の低下及び不測のトラブル発生をなくすることができる水栓における回転式吐水部材の組付構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために創案された本発明に係る水栓における回転式吐水部材の組付構造は、内部に通水路を有する筒状の水栓本体と、内部に前記水栓本体の内部通水路に連通接続される通水路を有するとともに、この内部通水路に接続されて側方へ延びる吐水部が連設されてなり、前記水栓本体端部の小径円筒部の外側に水栓本体の軸心周りに回転可能に嵌合された筒状の吐水部材とを備え、この筒状の吐水部材と前記水栓本体との間には、前記吐水部材の所定範囲内での回転を許容し、所定範囲を超えると水栓本体側のストッパーが吐水部材側の当たり部に当接して回転を制限する回転制限機構が設けられている水栓と吐水部材の接続構造であって、前記水栓本体の小径円筒部には、前記回転制限機構のストッパーが前記筒状吐水部材の外方まで突出しない状態で固定されている一方、前記水栓本体の小径円筒部に同心状に嵌合する前記筒状吐水部材の円筒部分の内周面には、前記回転制限機構の当たり部が形成されたリング状部材が筒状吐水部材に対して軸方向に抜け止めされた状態で、かつ、筒状吐水部材と一体回転可能な状態に取り付けられ、また、前記水栓本体の小径円筒部と吐水部材の円筒部分との間には、リング状のシール部が形成され、前記吐水部材の円筒部分の内周面側に取り付けられるリング状部材が、前記回転制限機構の当たり部が形成された硬質材料製の第1のリング状部材と、前記吐水部材の円筒部分内周面に形成の凹部に弾性的に係合して軸方向への抜け止めを行う係合爪が形成された軟質材料製の第2のリング状部材との二つの部材に分割されており、これら分割された第1及び第2のリング状部材間には両者を一体回転可能とする凹凸式の嵌合部が形成されていることを特徴としている。
上記のような特徴構成を有する本発明によれば、吐水部材の回転を所定範囲に制限するためのストッパー、当たり部及び該当たり部を形成するリング状部材といった回転制限機構を構成する全ての部品・部材が、筒状水栓本体の小径円筒部とその外側に同心状に嵌合される筒状吐水部材の円筒部分との間に組み込まれてストッパーが吐水部材の外面に露出したり、突出したりすることのない構成としているので、回転式吐水部材を含めて水栓全体を外観的にスッキリと仕上げて美観(意匠性)の向上を実現することができる。
しかも、前記回転制限機構のストッパーとして頭付きネジ部材を用いるとき、そのネジ部材が振動などの影響を受けて多少緩むことがあったとしても、外嵌する吐水部材の円筒部分の内周面に当接しそれ以上の緩みを防止してストッパーが吐水部材の外方にまで露出したり、長く突出したりすることはない。したがって、長期間の使用に際しても所期の美観を保てるだけでなく、ストッパーに使用者の手が接触するとか衣服の一部が引っ掛かるとかいった不測のトラブルの発生も皆無とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る水栓における回転式吐水部材の組付構造において、前記回転制限機構のストッパー及び当たり部としては、請求項2に記載のように、少なくとも回転軸心を中心とする対称位置に2組設けられていることが好ましい。
この場合は、吐水部材側が荒い操作により急激かつ強力に回転されたとき、ストッパー及び当たり部に加わる力を分散させて受け止めることが可能で、ストッパーや当たり部の破損や変形を極力防ぐことができる。
また、本発明に係る水栓における回転式吐水部材の組付構造おいて、前記吐水部材の円筒部分の内周面側に取り付けられるリング状部材としては、請求項に記載のように、前記回転制限機構の当たり部が形成された硬質材料製の第1のリング状部材と、前記吐水部材の円筒部分内周面に形成の凹部に弾性的に係合して軸方向への抜け止めを行う係合爪が形成された軟質材料製の第2のリング状部材との二つの部材に分割されており、これら分割された第1及び第2のリング状部材間には両者を一体回転可能とする凹凸式の嵌合部が形成されているという構成とする。
この場合は、ストッパーが繰り返し当接されることで損傷を蒙りやすい当たり部を形成する第1のリング状部材を硬質樹脂や金属などの硬質材料から作製することにより、ストッパーの繰り返し衝撃力にも十分に耐用させることができるとともに、吐水部材の円筒部分の内周面に形成の凹部に弾性的に係合して軸方向への抜け止め機能を発揮する係合爪を形成する第2のリング状部材を軟質樹脂などの軟質材料から作製することにより、前記係合爪の弾性変形量を大きく確保することが可能で、組付け時に吐水部材を嵌めやすく、かつ、軸方向への抜け止め機能を確保することができるといったように、耐久性能の向上とともに組付け性の向上を達成できる。
さらに、本発明に係る水栓における回転式吐水部材の組付構造おいて、請求項に記載のように、前記水栓本体の小径円筒部の軸方向両端部に、該小径円筒部の外側に前記吐水部材の円筒部分を嵌合させるとき、押し潰されて小径円筒部外周面と円筒部分の内周面との間の環状クリアランスを埋める複数個の小突起部を有するサポートリング及びガイドリングをそれぞれ嵌め込み保持させた構成とすることが望ましい。
この場合は、水栓本体の小径円筒部の外側に吐水部材の円筒部分を嵌合させるといった組付け時に、ガイドリング及びサポートリングが有する複数個の小突起部を押し潰し変形させて、それら変形突起部分で小径円筒部外周面と円筒部分の内周面との間に形成されている環状クリアランスを埋めることが可能であるために、水栓本体や吐水部材の製作誤差等によって両者間に形成されるクリアランスが多少設計値よりも大きくなったとしても、両円筒部間でのガタツキの発生を防止することができる。特に、両者嵌合部の軸方向両端でガタツキをなくすることによって、吐水部が側方へ延びて連設されていることから、常に偏荷重が加わる状態にあり、さらに、吐水部材側の回転時には側方へ延びている吐水部に手を掛けて回転力を付与するために両者の嵌合部には一段と大きな偏荷重が加わることが多いにもかかわらず、その偏荷重に十分に対抗させて各構成部材に無理な力をかけずそれらの変形破損等を防いで耐久性の一層の向上が図れるとともに、吐水部材の傾きも防いで、所定範囲の回転性能を円滑に維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る水栓における回転式吐水部材の組付構造を適用したキッチン用のワンホール式混合水栓全体の外観斜視図、図2は、その混合水栓の組付け前の状態を示す要部の拡大斜視図、図3は、組付け状態の要部の拡大縦断面図である。
図1〜図3において、1は内部に通水路2を有し、その通水路2内に湯水供給ホース3が挿通されているとともに、湯水の混合量及び流量の調節及び吐水状態と止水状態の切り替えを行う弁(図示省略する)を開閉操作するための単一のレバー(シングルレバー)4が取り付けられている円筒状の水栓本体で、この水栓本体1は、図示省略する取付け金具、パッキン、ワッシャ及び締付けナット等の周知の取付け部材を介してシンクの上面に固定設置される。そして、この水栓本体1の上端部には、円筒状吐水部材5が外嵌する小径円筒部1Aが一体形成されている。
前記水栓本体1の小径円筒部1Aの外周面には、図4に明示するように、その軸方向下方部から上方部にかけて、例えば断面略U形の弾性シール12が嵌合する環状溝1a、後述するリング状部材の抜け止め係合爪の弾性変形用凹部1b、後述する回転制限機構におけるストッパーを水栓本体1の軸心に対して直径方向の二箇所に取り付ける(螺合する)ためのネジ孔1c、及び、後述するガイドリング嵌合用環状溝1dが形成されている。
前記円筒状吐水部材5には、前記水栓本体1の内部通水路2に接続される通水路6が形成されているとともに、その上端部には前記通水路6に接続されて水平方向の一側外方へ延びる吐水管(吐水部の一例)7が一体的に連設されている。また、円筒状吐水部材5の下端部には、前記通水路6よりも大径で前記水栓本体1の小径円筒部1Aの外側に該水栓本体1の軸心周りに回転可能な状態で同心に嵌合する円筒部分5Aが形成されている。この吐水部材5の大径円筒部分5Aの内周面には、図5に明示するように、その軸方向下方部から上方部にかけて、サポートリング嵌合用環状溝5a、後述するリング状部材の抜け止め係合爪が弾性的に係合して軸方向への抜け止めを行う環状凹溝部5b、同じくリング状部材の突起部が嵌合して該リング状部材を吐水部材5と一体回転可能とする凹部5c及びリング状部材と吐水部材5との周方向の位置決め用の縦向き溝5dが形成されている。
前記水栓本体1の小径円筒部1Aの外周面と前記吐水部材5の円筒部分5Aの内周面との間には、水栓本体1側の前記二つのネジ孔1cに螺合して吐水部材5の外方まで突出しないように固定された頭付きネジ部材からなるストッパー8と、吐水部材5と一体回転可能な状態に取り付けられるリング状部材11に形成された当たり部9bとからなり、吐水部材5の所定範囲内での回転を許容し、所定範囲を超えると、前記ストッパー8が当たり部9bに当接して回転を制限する回転制限機構が組み込まれている。
前記リング状部材11は、図6及び図7に明示するように、前記円筒状吐水部材5の大径円筒部分5Aの内周面に形成の凹部5cに嵌合して吐水部材5との一体回転を可能とすべくその外周面の直径方向二箇所に形成された突起部9a及び前記二つのストッパー8が当接して吐水部材5の所定範囲を超える回転を制限する回転制限機構の当たり部9bを形成すべく上方へ突出された円弧状突条片9cを有し、例えば硬質樹脂等の硬質材料から製作された第1のリング状部材9と、図8及び図9に明示するように、前記円筒状吐水部材5の大径円筒部分5Aの内周面に形成の環状凹溝部5bに弾性的に係合して軸方向への抜け止めを行う円周方向で4つの係合爪10a及び4つの爪なし円弧部分10b並びに前記断面略U形の弾性シール12の外面に摺接して水栓本体1の小径円筒部1Aの外周面と吐水部材5の大径円筒部分5Aの内周面との間にリング状のシール部を形成する円筒部分10cとを有し、例えば軟質樹脂等の軟質材料から製作された第2のリング状部材10とに分割されている。
上記のように二つに分割されたリング状部材11のうち、第1のリング状部材9の下端辺の直径方向二箇所には下向きに突出する凸片9dが形成されている一方、第2のリング状部材10の4つの爪なし円弧部分10bで直径方向で対向する爪なし円弧部分10bの上端辺には前記凸片9dが嵌合する凹部10dが形成されており、これら凸片9dと凹部10dとにより第1及び第2のリング状部材9,10を一体回転可能とする凹凸式の嵌合部が形成されている。
また、前記水栓本体1の小径円筒部1Aの最下端部には、軟質樹脂製のサポートリング13が嵌め込み保持されている。このサポートリング13は、図10に明示するように、その円周方向の一部に切欠部13aを有し、この切欠部13aに対し直径方向で対向する箇所には吐水部材5との周方向の位置決め用の溝13bが形成されているとともに、それら溝13bと切欠部13aとの間の立上り壁部分13cには、図11に拡大して示すように、前記水栓本体1の小径円筒部1A外側に前記吐水部材5の大径円筒部分5Aを嵌合させるとき、押し潰されて両者1A,5A間の環状クリアランスCを埋める略三角形状の小突起部13dが周方向に等間隔をおいて複数個形成されている。
さらに、前記水栓本体1の小径円筒部1Aの上端部近くのガイドリング嵌合用環状溝1dには、軟質樹脂製のガイドリング14が嵌め込み保持されている。このガイドリング14は、図12に明示するように、その円周方向の一部に切欠部14aを有しているとともに、この切欠部14aから円周方向に離れた外周壁部分14bには、図13に拡大して示すように、前記水栓本体1の小径円筒部1A外側に前記吐水部材5の大径円筒部分5Aを嵌合させるとき、押し潰されて両者1A,5A間の環状クリアランスCを埋める略三角形状の小突起部14cが周方向に等間隔をおいて複数個形成されている。
次に、上記のような各構成部材からなる回転式吐水部材付き水栓Aの組付け手順について簡単に説明すると、次のとおりである。
(1)水栓本体1の小径円筒部1Aの最下端部にサポートリング13を嵌め込み、環状溝1aに弾性シール12を嵌合したのち、その外側に第2のリング状部材10を嵌め込む。
(2)次いで、第1のリング状部材9を下向きに突出する凸片9dが第2のリング状部材10の凹部10bに嵌まり込むように嵌合するとともに、ネジ孔1cにストッパー8を螺合して固定し、かつ、環状溝1dにガイドリング14を嵌め込み保持する。
(3)この状態で、第1のリング状部材9の突起部9aに前記円筒状吐水部材5の大径円筒部分5Aの内周面に形成の縦向き溝5dを嵌め込んで該円筒状吐水部材5をその大径円筒部分5Aが前記水栓本体1の小径円筒部1Aの外側を包囲するように軸方向に移動させることにより、両者5,1を内外同心状に組み込む。
このような手順での組付けによって、第1のリング状部材9の突条片9c間にストッパー8が入り込んで該ストッパー8と第1のリング状部材9に形成の当たり部9bとにより回転制限機構が形成され、かつ、突起部9aが前記円筒状吐水部材5の大径円筒部分5Aの内周面に形成の凹部5cに嵌合して該第1のリング状部材9が吐水部材5と一体回転可能に連結されるとともに、第2のリング状部材10の係合爪10aが吐水部材5の大径円筒部分5Aの内周面に形成の環状凹溝部5bに弾性的に係合して該第2のリング状部材10が吐水部材5に対して軸方向へ抜け止めされる。また、第1のリング状部材9の凸片9dが第2のリング状部材10の凹部10dに嵌合されて第1及び第2のリング状部材9,10が一体回転可能な状態になる。
以上のように組付けられた回転式吐水部材付き水栓Aにおいては、吐水管7に手を当てて回転操作力を加えることにより、吐水部材5と第1及び第2のリング状部材9,10からなるリング状部材11を水栓本体1の軸心周りに所定範囲内で一体に自由に回転させることが可能であり、所定範囲を超えて回転されると、第1のリング状部材9側の突起部9aがストッパー8に当接してその回転が制限される。
このように組付け構成される回転式吐水部材付き水栓Aにおいて、前記吐水部材5の回転を所定範囲に制限するためのストッパー8、当たり部9b及び該当たり部9bを有する第1のリング状部材9、第2のリング状部材10等といった回転制限機構を構成する全ての部品・部材が、筒状水栓本体1の小径円筒部1Aとその外側に同心状に嵌合される筒状吐水部材5の円筒部分5Aとの間に組み込まれていて、ストッパー8が吐水部材5の外面に露出したり、突出したりすることがないため、回転式吐水部材5を含めて水栓A全体を外観的にスッキリと仕上げて美観(意匠性)の向上を図ることができる。
また、前記回転制限機構のストッパー8として頭付きネジ部材を用い、該頭付きネジ部材(ストッパー)8が振動などの影響を受けて多少緩むことがあったとしても、その頭部が外嵌する吐水部材5の円筒部分5Aの内周面に当接する位置まで緩むだけで該吐水部材5の外方にまで露出したり、突出したりすることが全くないので、長期間使用においても所期の美観を保てるだけでなく、外部に突出したストッパー8部分に使用者の手が接触するとか衣服の一部が引っ掛かるとかいった不測のトラブルの発生も皆無とすることができる。
また、前記回転制限機構のストッパー8及び当たり部9bが、直径位置、つまり、吐水部材5の回転軸心を中心とする対称位置に、つまり、直径方向の二箇所に設けられているので、吐水部材5側が手荒い操作により急激かつ強力に回転されたときでも、ストッパー8及び当たり部9bに加わる力を分散させることが可能で、それらの破損や変形を極力防ぐことができる。
さらに、前記吐水部材5の円筒部分5Aの内周面側に取り付けられるリング状部材11が、前記回転制限機構の当たり部9bの形成された硬質材料製の第1のリング状部材9と、前記吐水部材5の円筒部分5A内周面に形成の環状凹溝部5bに弾性的に係合して軸方向への抜け止めを行う係合爪10aの形成された軟質材料製の第2のリング状部材10との二つの部材に分割されていることにより、ストッパー8の繰り返し当接により損傷を蒙りやすい当たり部9bを形成する第1のリング状部材9をストッパー8の繰り返し衝撃力にも十分に耐用させるに足りる強度とすることができるとともに、第2のリング状部材10の係合爪10aの弾性変形量を大きく確保することが可能で、組付け時に吐水部材5を嵌めやすく、かつ、軸方向への抜け止め機能を確保することができる。
さらにまた、前記水栓本体1の小径円筒部1Aの軸方向両端部に嵌め込み保持されたサポートリング13及びガイドリング14の複数個の小突起部13d,14cが小径円筒部1A外側に前記吐水部材5の円筒部分5Aを嵌合させるとき、押し潰し変形されてそれら変形突起部分で小径円筒部1Aの外周面と円筒部分5Aの内周面との間の環状クリアランスCが埋められるために、水栓本体1や吐水部材5の製作誤差等によって両者1,5間に形成されるクリアランスCが多少設計値よりも大きくなったとしても、両円筒部1A,5A間でのガタツキの発生を防止することができる。特に、両者1,5の嵌合部の軸方向両端でガタツキをなくすることによって、吐水管7が側方へ延びて連設されていることから、常に偏荷重が加わる状態にあり、さらに、吐水部材5側の回転時には側方へ延びている吐水管7に手を掛けて回転力を付与するために両者1,5の嵌合部には一段と大きな偏荷が加わるものであるにもかかわらず、その偏荷重に十分に対抗させて各構成部材に無理な力をかけずそれらの変形破損等を防いで耐久性の一層の向上が図れるとともに、吐水部材5の傾きも防いで、所定範囲の回転性能を円滑に維持することができる。
なお、本実施の形態では、図14に示すように、当該水栓AをシンクSの上面でその長手方向のほぼ中央部に設置して用いる場合に適するように、吐水部材5の回転を許容する所定範囲を中心角で110°となるように設定したもので示したが、それに限定されるものでない。例えば、図15に示すように、当該水栓AをシンクSの上面でその長手方向の一方に片寄った位置に設置して用いるような場合に適するようにするために、第1のリング状部材9として、当たり部9bを形成するための突条片9cの周長が異なるものと交換するだけで、吐水部材5の回転許容範囲を、左右で例えば中心角75°と35°とに振り分けるなど回転許容範囲を容易かつ自由に設定変更することが可能である。
また、上記実施の形態では、リング状部材11を、硬質材料製の第1のリング状部材9と軟質材料製の第2のリング状部材10とに分割したもので説明したが、当たり部9a及び軸方向への抜け止め用係合爪10a並びに吐水部材5との一体回転を可能にする突起部を有する単一のリング状部材から構成したものであってもよい。
さらに、前記吐水部材5側に連設されて側方へ延びる吐水部は、吐水管に限らず、例えばシャワセットであってもよい。
さらにまた、上記実施の形態では、通水路2内に湯水供給ホース3が挿通されているもので説明したが、湯水供給ホース3が挿通されていないものであってもよい。この場合は、水栓本体1の小径円筒部1Aの軸方向上端部の外周面とこれの外側に対向位置する吐水部材5の円筒部分5A内周面との間に別の環状シールを介在させることが望ましい。
本発明に係る水栓における回転式吐水部材の組付構造を適用したキッチン用のワンホール式混合水栓全体の外観斜視図である。 同上混合水栓の組付け前の状態を示す要部の拡大斜視図である。 同上混合水栓の組付け状態の要部の拡大縦断面図である。 水栓本体の縦断面図である。 吐水部材の縦断面図である。 第1のリング状部材の外観斜視図である。 同上第1のリング状部材の平面図である。 第2のリング状部材の外観斜視図である。 同上第2のリング状部材の平面図である。 サポートリングの平面図である。 同上サポートリングの要部(図10のB部)の拡大詳細図である。 ガイドリングの平面図である。 同上ガイドリングの要部(図10のD部)の拡大詳細図である。 回転式吐水部材付き水栓のシンクへの設置例を説明する概略平面図である。 回転式吐水部材付き水栓のシンクへの他の設置例を説明する概略平面図である。
1 筒状の水栓本体
1A 小径円筒部
2,6 通水路
5 筒状の吐水部材
5A 大径円筒部分
5c 凹部
7 吐水管(吐水部)
8 ストッパー(頭付きネジ部材)
9 第1のリング状部材
9b 当たり部
9d 凸片(凹凸式嵌合部の一方)
10 第2のリング状部材
10a 係合爪
10d 凹部(凹凸式嵌合部の他方)
11 リング状部材
12 弾性シール(リング状シール部)
13 サポートリング
13d 小突起部
14 ガイドリング
14c 小突起部
A 回転式吐水部材付き水栓
C 環状クリアランス

Claims (3)

  1. 内部に通水路を有する筒状の水栓本体と、内部に前記水栓本体の内部通水路に連通接続される通水路を有するとともに、この内部通水路に接続されて側方へ延びる吐水部が連設されてなり、前記水栓本体端部の小径円筒部の外側に水栓本体の軸心周りに回転可能に嵌合された筒状の吐水部材とを備え、この筒状の吐水部材と前記水栓本体との間には、前記吐水部材の所定範囲内での回転を許容し、所定範囲を超えると水栓本体側のストッパーが吐水部材側の当たり部に当接して回転を制限する回転制限機構が設けられている水栓における回転式吐水部材の組付構造であって、
    前記水栓本体の小径円筒部には、前記回転制限機構のストッパーが前記筒状吐水部材の外方まで突出しない状態で固定されている一方、
    前記水栓本体の小径円筒部に同心状に嵌合する前記筒状吐水部材の円筒部分の内周面には、前記回転制限機構の当たり部が形成されたリング状部材が筒状吐水部材に対して軸方向に抜け止めされた状態で、かつ、筒状吐水部材と一体回転可能な状態に取り付けられ、
    また、前記水栓本体の小径円筒部と吐水部材の円筒部分との間には、リング状のシール部が形成され
    前記吐水部材の円筒部分の内周面側に取り付けられるリング状部材が、前記回転制限機構の当たり部が形成された硬質材料製の第1のリング状部材と、前記吐水部材の円筒部分内周面に形成の凹部に弾性的に係合して軸方向への抜け止めを行う係合爪が形成された軟質材料製の第2のリング状部材との二つの部材に分割されており、これら分割された第1及び第2のリング状部材間には両者を一体回転可能とする凹凸式の嵌合部が形成されていることを特徴とする水栓における回転式吐水部材の組付構造。
  2. 前記回転制限機構のストッパー及び当たり部は、少なくとも回転軸心を中心とする対称位置に2組設けられている請求項1に記載の水栓における回転式吐水部材の組付構造。
  3. 前記水栓本体の小径円筒部の軸方向両端部には、該小径円筒部の外側に前記吐水部材の円筒部分を嵌合させるとき、押し潰されて小径円筒部外周面と円筒部分の内周面との間の環状クリアランスを埋める複数個の小突起部を有するサポートリング及びガイドリングがそれぞれ嵌め込み保持されている請求項1または2に記載の水栓における回転式吐水部材の組付構造。
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