JP5359294B2 - 車両のスライドレール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のスライドレール構造に関する。
従来から、自動車等の車両には、乗員が着座するシートをフロアに対して摺動させるスライドレールが配設されている。このスライドレールは、例えば、フロア側に固定されたロアレールと、シート側に固定されたアッパレールと、を互いにスライド可能に係合させたものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−67750号公報
しかしながら、前記背景技術に示された車両のスライドレール構造においては、ロアレールとアッパレールとを単にスライド可能に結合しているだけであるため、シートからアッパレールに対して車両上方に向かう荷重が入力されると、アッパレールがロアレールから上方へ外れるおそれがあった。
そこで、本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、シートからアッパレールに対して車両上方に向かう荷重が入力された場合でも、アッパレールがロアレールから外れることを抑制する車両のスライドレール構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係る車両のスライドレール構造にあっては、車体のフロア側にロアレールを配設し、車両用シートに固定されたアッパレールを、前記ロアレール上に摺動可能に係合し、前記アッパレールに係合部材を設ける一方、前記ロアレールに被係合部材を設け、該被係合部材を、前記アッパレールの係合部材に、その上方から係合するスライドレール構造であって、前記車両用シートに車両上方へ向けて荷重が入力されたときに、上方移動しようとする前記アッパレールの係合部材が前記ロアレールの被係合部材に支持されることにより、車両用シートの上方移動が阻止されるように構成し、また、前記アッパレールの係合部材は、ロッド材からなるロックバーであり、前記ロアレールの被係合部材は、ロッド材からなる係止ロッドを有するロックユニットであり、前記ロックユニットの係止ロッドの軸中心をアッパレールのロックバーの軸中心よりもスライドレール側に近づけた状態で、これらの係止ロッドとロックバーとを互いに係合させたことを主要な特徴としている。
本発明に係る車両のスライドレール構造によれば、シートに上方への移動荷重が入力された場合にも、前記アッパレールの係合部材が前記ロアレールの被係合部材に支持されるため、アッパレールがロアレールから外れることが抑制される。
本発明の実施形態によるスライドレールとシートを示す斜視図である。 本発明の実施形態によるスライドレールを示す斜視図である。 図2のスライドレールの分解斜視図である。 図2の正面図である。 アッパレールに上方移動荷重が作用した場合における要部を示す正面図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態によるスライドレールとシートを示す斜視図である。
車両のフロア81には、前後方向に沿って延びる左右一対のロアレール1,1が配設されている。これらのロアレール同士1,1は、車幅方向に所定間隔をおいて離間した状態で配設されている。前記ロアレール1,1の上には、アッパレール3,3がスライド可能に係合されている。アッパレール3,3には、シートバック9とシートクッション7からなるシート5が取り付けられている。シート5に着座した乗員は、操作レバー11を操作してロックを解除して、シート5をフロア81に対して車両前後方向にスライド移動させることができる。
図2は本発明の実施形態によるスライドレールを示す斜視図、および、図3は図2のスライドレールの分解斜視図である。
スライドレール2は、フロア81(図1および図4参照)に固定されたロアレール1と、該ロアレール1の上にスライド可能に係合されたアッパレール3と、を備えている。
前記ロアレール1は、フロア81に取り付けられる取付面23と、該取付面23の幅方向中央部から上方に延びる左右一対の保持フランジ29,29と、が一体に形成されており、前記取付面23には、ロックユニット(被係合部材)13が固定されている。
前記取付面23には、ロアレール取付孔27およびロックユニット取付孔25が穿設されている。また、保持フランジ29,29の間には、アッパレール3のスライド座面51に当接した状態で摺動するスライド支持面31が形成されている。このスライド支持面31は、幅方向中央部が最も高い略三角状に形成されている。
そして、ロックユニット13は、ロアレール1の取付面23のロックユニット取付孔25,25に図外のボルトを介して締結される支持ブラケット63と、該支持ブラケット63にボルト孔75に挿入および締結したボルト19を介して回動可能に軸支した回動ブラケット65と、を備え、回動ブラケット65は、支持軸77の外周に巻回したスプリング79を介してスライドレール側に向けて付勢されている。さらに、回動ブラケット65の上端には、スライドレール2に向けてアーム69が延びており、該アーム69の先端部には、取付孔が穿設されており、左右のアーム同士69,69を係止ロッド21によって連結してボルト61で保持している。この係止ロッド21は、円形断面のロッド材からなり、外周面には、長手方向に複数のねじ部21aが形成されている。また、前記アーム69における取付孔近傍の下面には、側面視略半円状の切欠部71が形成されている。該切欠部71の径の大きさは、ロックバー37の外径寸法にほぼ一致して、切欠部71にロックバー37の上半分が係合可能に構成されている。
一方、前記アッパレール3の上端部には、幅方向中央部に配置されて上方に延びるシート取付部49が配設されており、該シート取付部49の下端部には、幅方向両側に延びる左右一対の腕部43,43が延設されている。また、前述したように、アッパレール3の下端には、ロアレール1のスライド支持面31に係合するスライド座面51が形成されている。なお、シート取付部49には、前後方向に所定間隔をおいてロックバー取付孔41,41が穿設されており、該ロックバー取付孔41,41には、ロックバー(係合部材)37が挿入されてナット39で締結されている。また、ロックバー37は、円形断面のロッド材からなり、その外周面には、係合ねじ部83が形成されており、前記係止ロッド21のねじ部21aのピッチと同一ピッチに形成されている。従って、係止ロッド21のねじ部21aは、ロックバー37の係合ねじ部83に歯合可能に構成されている。
図4は図2の正面図、および、図5はアッパレールに上方移動荷重が作用した場合における要部を示す正面図である。
ロアレール1は、取付面23に穿設したロアレール取付孔27にボルト85を挿入してフロア81に締結されている。また、図5に示すように、ロックユニット13の係止ロッド21の軸中心C1は、ロックバー37の係合ねじ部83の軸中心C2よりもアッパレール3(シート取付部49)側に近づいて配置された状態で、係止ロッド21とロックバー37とを互いに係合させている。
従って、図5のように、シート5からアッパレール3に上方への移動荷重Fが入力されると、ロックバー37が上方移動しようとするが、ロックユニット13の係止ロッド21によって抑えられて移動が阻止される。また、上方への移動荷重Fが大きい場合は、ロックバー37と係止ロッド21との係合が解除されて、ロックバー37の係合ねじ部83がロックユニット13の切欠部71に嵌合する。
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
(1)車体のフロア側に固定されたロアレール1と、シート5に固定されて、前記ロアレール1上に摺動可能に係合されたアッパレール3と、該アッパレール3に設けられた係合部材であるロックバー37と、前記ロアレール1に設けられ、前記アッパレール3のロックバー37に、その上方から係合する被係合部材であるロックユニット13とを備えたスライドレール2の構造であって、前記シート5に車両上方へ向けて荷重Fが入力されたときに、上方移動しようとする前記アッパレール3のロックバー37が前記ロアレール1のロックユニット13に支持されることにより、シート5の上方移動が阻止されるように構成している。
このように、シート5に上方への移動荷重Fが入力された場合にも、前記アッパレール3のロックバー37が前記ロアレール1のロックユニット13に支持されるため、アッパレール3がロアレール1から外れることがない。
(2)前記アッパレール3の係合部材は、円形断面のロッド材からなるロックバー37であり、前記ロアレール1の被係合部材は、円形断面のロッド材からなる係止ロッド21を有するロックユニット13であり、前記ロックユニット13の係止ロッド21の軸中心C1をアッパレール3のロックバー37の軸中心C2よりもスライドレール側に近づけた状態で、これらの係止ロッド21とロックバー37とを互いに係合させている。
このように、前記ロックユニット13の係止ロッド21の軸中心C1をアッパレール3のロックバー37の軸中心C2よりもスライドレール側に近づけた状態で、これらの係止ロッド21とロックバー37とを互いに係合させているため、シート5に上方への移動荷重Fが入力された場合に、前記ロックバー37の係合ねじ部83が前記ロックユニット13の係止ロッド21の内側(幅方向外側)に係合されるため、アッパレール3がロアレール1から外れることが更に確実に阻止される。
(3)前記ロックユニット13の上部にスライドレール側に延びるアーム69を設け、該アーム69の先端部に前記係止ロッド21を設けると共に、前記アーム69における係止ロッド21の近傍に、前記ロックバー37が上方移動したときにロックバー37に係止可能な切欠部71を形成している。
従って、シート5に上方への移動荷重Fが入力された場合に、前記ロックバー37の係合ねじ部83が前記ロックユニット13のアーム69の切欠部71に係合されるため、アッパレール3がロアレール1から外れることが更に確実に阻止される。
(4)前記ロックバー37と係止ロッド21は、外周面に同一ピッチのねじが形成され、互いに歯合可能に形成されているため、ロックバー37と係止ロッド21の剛性を低下させることなく、それぞれの相対位置関係を保持することができる。
C1,C2…軸中心
1…ロアレール
2…スライドレール
3…アッパレール
5…シート
13…ロックユニット(被係合部材)
21…係止ロッド
37…ロックバー(係合部材)
69…アーム
71…切欠部
81…フロア

Claims (3)

  1. 車体のフロア側に固定されたロアレールと、車両用シートに固定されて、前記ロアレール上に摺動可能に係合されたアッパレールと、該アッパレールに設けられた係合部材と、前記ロアレールに設けられ、前記アッパレールの係合部材に、その上方から係合する被係合部材とを備えた車両のスライドレール構造であって、
    前記車両用シートに車両上方へ向けて荷重が入力されたときに、上方移動しようとする前記アッパレールの係合部材が前記ロアレールの被係合部材に支持されることにより、車両用シートの上方移動が阻止されるように構成し
    前記アッパレールの係合部材は、ロッド材からなるロックバーであり、前記ロアレールの被係合部材は、ロッド材からなる係止ロッドを有するロックユニットであり、
    前記ロックユニットの係止ロッドの軸中心をアッパレールのロックバーの軸中心よりもスライドレール側に近づけた状態で、これらの係止ロッドとロックバーとを互いに係合させたことを特徴とする車両のスライドレール構造。
  2. 前記ロックユニットの上部にスライドレール側に延びるアームを設け、該アームの先端部に前記係止ロッドを設けると共に、前記アームにおける係止ロッド近傍に、前記ロックバーが上方移動したときにロックバーに係止可能な切欠部を形成したことしたことを特徴とする請求項に記載の車両のスライドレール構造。
  3. 前記ロックバーと係止ロッドは、外周面に同一ピッチのねじが形成され、互いに歯合可能に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のスライドレール構
    造。
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