JP5358346B2 - 磁性シートを用いたアンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)システムで使用するアンテナ装置に関し、特に磁性シートを用いたアンテナ装置に関する。
外部装置(リーダライター)から無線信号を送り、タグやICカードなどのメモリの記録情報などを読み取るRFIDシステムは、ユビキタス社会に向けた根幹技術として注目されている。日本国内においては、電波法で規定された13.56MHzや2.45GHzなどを搬送波周波数とするRFIDシステム用の無線通信技術が開発されており、特に、RFID用のアンテナ装置を用いたRFIDタグや非接触ICカードなどによる近接距離での通信システムが広く普及している。
更に近年では、電子情報通信分野の発達に伴い、この分野における通信機器に対する小型化・軽量化の要求は止まることなく、近接距離での通信システムを利用した携帯電話端末などの小型電子機器においても、そこに搭載する更に小型ないし薄型のアンテナ装置に対する開発要求が高まっている。また、小型化してもRFID用アンテナ装置として必要な通信距離を確保する必要がある。
アンテナ装置の小型化ないし薄型化のためには、アンテナ装置の構成部材となる軟磁性材料において、できるだけ高い透磁率と、適度に小さな損失をバランス良く有していることが望ましい。このような軟磁性材料を用いた場合に、小型化と通信距離の確保を同時に実現することができる。現在、このような要求を高いレベルで満たすことができる軟磁性材料は、フェライト焼結体、もしくは、軟磁性金属粉末と樹脂の混和物である。
一方、RFID用アンテナ装置は、小型薄型化が要求されると同時に、小型電子機器内部においてその設置のために許される体積も必然的に小さなものとなる。このため、アンテナ装置の周囲には、小型電子機器の筐体や基板の配線パターン等の導体が近接して配置されることとなる。
小型電子機器に組み込まれるRFID用アンテナ装置では、多くの場合、そのアンテナ部分であるアンテナ素子とリーダーライター間の電磁結合における共振周波数が、信号の搬送波の周波数と一致するように設計されている。具体的には、アンテナ素子のインダクタンスと、このアンテナ素子に並列接続されるコンデンサのキャパシタンスを調整することにより、所望の共振周波数を得る。ところが、前記のごとくアンテナ素子に近接して導体が多数存在するため、実効的なアンテナ素子のインダクタンスは、前記導体の表面に生ずる渦電流に起因する反磁場によって低下する。したがって、小型電子機器に組み込まれるRFID用アンテナ装置では、小型電子機器にアンテナ素子を組み込んだ状態での共振周波数が所望の値となるように、アンテナ素子のインダクタンスと、このアンテナ素子に並列接続されるコンデンサのキャパシタンスが調整されることになる。
しかしながら、アンテナ装置の組み立て工程、もしくは、当該アンテナ装置を小型電子機器に組み込む工程においては、何らかの組み立て精度のばらつきが存在する。このため必然的に、アンテナ素子の共振周波数にもばらつきが生ずることとなり、最悪の場合、必要な通信距離が得られない結果となる。
上記問題を解決するために、特許文献1においては、アンテナ装置の組み立て工程において発生する共振周波数の個体差を吸収するための調整手段として、アンテナモジュール上に周波数調整部を設ける手段が開示されている。また、特許文献2においては、小型電子機器にアンテナ装置を組み込んだ際に発生する共振周波数の変動を低減するために、磁性部材の寸法をできるだけ大きくする方法が開示されている。
以上のように、RFID用アンテナ装置においては、小型低背化のために、高透磁率かつ低損失な軟磁性材料を用い、また、共振周波数のずれを小さくするするために、アンテナ装置自体の組み立て精度を向上させ、同時に、アンテナ装置を小型電子機器に組み込む際の組込み精度も向上させることが求められる。
現在のところ、上記の要求に最も効果的に答えられる具体的な方法としては、磁性部材としてフェライトシートを用い、このフェライトシートと、ループアンテナパターンやRF制御回路が搭載された薄型シートを位置精度良く一体化して、高い形状精度を有するアンテナ素子を構成し、さらにこのアンテナ素子を備えるアンテナ装置を、高い組込位置精度で小型電子機器に組み込む方法が挙げられる。
図14はフェライトシートを用いた従来のRFID用のアンテナ装置のアンテナ素子を説明する図であり、図14(a)は打抜加工前のアンテナ素子の平面図、図14(b)は打抜加工後のアンテナ素子の平面図、図14(c)はそのAA断面図である。図14(a)のように、シート基材101上に導体によりループアンテナパターン102が形成されたアンテナシート3がフェライト焼結体シート1と貼り合わされて一体化され、その後、切断線103a、103bに沿って切断加工され、図14(b)、図14(c)に示すアンテナ素子105が完成する。
特開2005−234827号公報 特開2007−325054号公報
しかしながら、上記の方法で目的とする高い精度を実現しようとすると、アンテナ装置の低コスト化を妨げてしまうという問題がある。
すなわち、この構成において、フェライト焼結体シートは薄型のセラミック焼結体であるため、もっとも簡便な加工方法である打抜を行った場合、粉砕粉末の飛散が生じたり、打抜金型の寿命が短くなり、コスト上昇につながるという問題がある。また、この問題を回避するためには、焼結前のフェライトグリーンシートを、焼結時の収縮を考慮した寸法で打ち抜いた後、焼結を行い、所望の形状の焼結体を得ることが有効と考えられるが、この方法では、焼結時の収縮率のばらつきにより、所望の形状精度を得ることが難しいため共振周波数のばらつきが大きくなるという別の問題がある。
そこで、本発明の課題は、加工粉末の飛散がない打抜加工が可能であり、製造時の工程負担を軽減でき、かつ、共振周波数のばらつきが小さいRFID用の磁性シートを用いたアンテナ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるアンテナ装置は、軟磁性を有する磁性シートとループアンテナパターンが形成されたアンテナシートとが厚さ方向に一体化されてなるアンテナ素子を備えるアンテナ装置であって、前記磁性シートは少なくとも2種以上の軟磁性材料からなるシート面内方向に組み合わせてなり前記磁性シートの外縁部の少なくとも一部は、扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シートであり、かつ、前記外縁部以外の少なくとも一部はフェライトの焼結体からなるフェライト焼結体シートであり、前記アンテナ素子の外縁部の少なくとも一部は、前記磁性シートと前記アンテナシートが一体化され、一括して切断された切断面を有することを特徴とする。
ここで、前記磁性シートは少なくとも一カ所の開口部を有していてもよい。
また、前記アンテナ素子は少なくとも一カ所の開口部を有し、前記磁性シートの前記開口部の周辺部の少なくとも一部は、扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シートからなり、かつ、前記アンテナ素子の前記開口部の少なくとも一部は、前記磁性シートと前記アンテナシートが一体化され、一括して切断された切断面を有していてもよい。
また、前記フェライト焼結体シートの外縁部の端面の少なくとも一部は、前記フェライト焼結体シートが焼結される前のフェライトグリーンシートの状態において打抜もしくは切断され前記フェライトグリーンシートを焼結して形成された端面であってもよい。
また、前記フェライト焼結体シートは少なくとも一カ所の開口部を有し、かつ、前記フェライト焼結体シートの前記開口部の端面の少なくとも一部は、前記フェライト焼結体シートが焼結される前のフェライトグリーンシートの状態において打抜もしくは切断され前記フェライトグリーンシートを焼結して形成された端面であってもよい。
本発明は、上記のように、磁気特性に優れるが加工性に劣るフェライト焼結体シートと、磁気特性はフェライト焼結体シートに劣るが打抜加工性に優る軟磁性金属粉末と樹脂の混和物によりなる軟磁性シートを組み合わせた磁性シートを用い、かつ、この磁性シートと、ループアンテナパターンやRF制御回路が搭載された薄型のループアンテナシートを互いに接着し一体化した後、この一体化されたシートの構造物を一括して打ち抜くことにより、磁性シートとループアンテナパターンの位置関係のばらつきが少ないアンテナ装置を得るものである。
本発明によれば、磁性シートと、上記ループアンテナパターンやRF制御回路が搭載された薄型シートを一体化した構造物の打抜に際して、磁性シート上の打抜切断面となる部位のうち、可能な限り多くの部分を、打抜加工性の良い軟磁性金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シートとすることにより、フェライト焼結体の粉砕粉末の飛散を防止できるとともに、フェライト焼結体を打ち抜く場合と比較して打抜金型の寿命が長くなり、コストの低減が可能となる。
また、本発明によれば、上記のごとく打抜加工性を損なうことなく、磁性シートのうち、可能な限り打抜切断面となる部位以外の多くの部分を、高い透磁率と低い損失を具有するフェライト焼結体シートとすることができるため、より小型かつ薄型のアンテナ装置としても、通信距離の確保を図ることができる。
一方、小型電子機器にアンテナ装置を組み込む際の組込位置のばらつきに伴う共振周波数のばらつきは、特にアンテナ装置の外周部において、アンテナパターンと磁性シートの相対的位置のばらつきが大きいほど顕著となることが分かっている。本発明の構成を有するアンテナ装置の外周部は、磁性シートと、ループアンテナパターンが形成された薄型シートが一体化された構造物を一括して打ち抜いて形成されるため、特にこの外周部における磁性シートとアンテナパターンの相対的な位置ずれを低減することができる。この結果、小型電子機器に組み込む際の組込位置の変動による共振周波数の変動を低減することができる。
また、磁性シートに包含されるフェライト焼結体シートの外周部のうち、アンテナ装置の外周部に露出する部分を少なくできるため、フェライト焼結体シート部分における寸法精度要求が緩和される。このため、焼結前のフェライトグリーンシートを、焼結時の収縮を考慮した寸法で打ち抜いた後、焼結して得られるフェライト焼結体シートを用いることが可能となる。この結果、フェライト焼結体部分について、その外形加工は可能な限りグリーンシート段階で完了するようにして、工程負担の大きいフェライト焼結体の加工工程を減少させることができるため、コスト低減が可能となる。
以上のように、本発明により、加工粉末の飛散がない打抜加工が可能であり、製造時の工程負担を軽減でき、かつ、共振周波数のばらつきが小さいRFID用のアンテナ装置が得られる。
本発明によるアンテナ装置の第一の実施の形態に用いるアンテナ素子を説明するための図であり、図1(a)はアンテナシートの平面図、図1(b)は磁性シートの平面図、図1(c)は一体化された磁性シートとアンテナシートの平面図。 本発明によるアンテナ装置の第一の実施の形態に用いるアンテナ素子を説明するための図であり、図2(a)はアンテナ素子の平面図、図2(b)はアンテナ素子のBB断面図、図2(c)はアンテナ素子の変形例を示す断面図。 本発明によるアンテナ装置の第二の実施の形態に用いるアンテナ素子を説明するための図であり、図3(a)はアンテナシートの平面図、図3(b)は磁性シートの平面図。 本発明によるアンテナ装置の第二の実施の形態に用いるアンテナ素子を説明するための図であり、図4(a)は一体化された磁性シートとアンテナシートの平面図、図4(b)はアンテナ素子の平面図、図4(c)はアンテナ素子のCC断面図。 本発明によるアンテナ装置の第三の実施の形態に用いるアンテナ素子を説明するための図であり、図5(a)は磁性シートの平面図、図5(b)は一体化された磁性シートとアンテナシートの平面図、図5(c)はアンテナ素子の断面図。 作製したアンテナシートの形状を示す平面図であり、図6(a)はアンテナシートVを示す図、図6(b)はアンテナシートWを示す図。 作製したフェライト焼結体シートの形状を示す平面図であり、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)、図7(e)、図7(f)はそれぞれ、フェライト焼結体シートA、B、C、D、E,Fを示す図。 作製した軟磁性シートの形状を示す平面図であり、図8(a)は軟磁性シートXを示す図、図8(b)は軟磁性シートYを示す図、図8(c)は軟磁性シートZを示す図。 外縁部と開口部の両方を打抜加工する場合の作製手順を示す図であり、図9(a)は磁性シートとループアンテナシートが一体化された状態および打抜き加工の切断個所を示す平面図、図9(b)は完成後のアンテナ素子の平面図。 外縁部のみ打抜加工する場合の作製手順を示す図であり、図10(a)は磁性シートとループアンテナシートが一体化された状態および打抜き加工の切断個所を示す平面図、図10(b)は完成後のアンテナ素子の平面図。 開口部のみ打抜加工する場合の作製手順を示す図であり、図11(a)は磁性シートとループアンテナシートが一体化された状態および打抜き加工の切断個所を示す平面図、図11(b)は完成後のアンテナ素子の平面図。 各アンテナ素子を用いて作製したアンテナ装置の平面図。 アンテナ装置を支持するために用いた支持治具の構成を示す図。図13(a)は平面図。図13(b)は側面図。 フェライトシートを用いた従来のRFID用のアンテナ装置のアンテナ素子を説明する図であり、図14(a)は打抜加工前のアンテナ素子の平面図、図14(b)は打抜加工後のアンテナ素子の平面図、図14(c)はそのAA断面図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1、図2は本発明によるアンテナ装置の第一の実施の形態に用いるアンテナ素子を説明するための図であり、図1(a)はアンテナシートの平面図、図1(b)は磁性シートの平面図、図1(c)は一体化された磁性シートとアンテナシートの平面図である。図2(a)はアンテナ素子の平面図、図2(b)はアンテナ素子のBB断面図、図2(c)はアンテナ素子の変形例を示す断面図である。
図2(a)、図2(b)に示すように、本実施の形態のアンテナ装置は、軟磁性を有する磁性シート4とシート基材101上にループアンテナパターン102が形成されたアンテナシート3とが一体化されてなるアンテナ素子205を備えるアンテナ装置であって、その磁性シート4は2種の軟磁性材料を組み合わせてなる磁性シートであり、この磁性シート4の外縁部は、扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シート2で構成され、かつ、外縁部以外の部分はフェライトの焼結体からなるフェライト焼結体シート201で構成されている。また、アンテナ素子205の外縁部は、磁性シート4とアンテナシート3が一体化された後、一括して切断された切断面15を有している。
アンテナ素子205の作製は、先ず、図1(a)のように、ポリイミドなどからなるシート基材101上に金属などの導体により必要なターン数のループアンテナパターン102を形成し、その裏側に磁性シート4を貼り付けるための粘着層を形成する。磁性シート4は、図1(b)に示すように、打抜加工時に外縁部となる部分は扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シート2であり、その内側はフェライト焼結体シート201である。ここで、フェライト焼結体シート201の外縁部の端面は、該フェライト焼結体シートが焼結される前のフェライトグリーンシートの状態において打抜もしくは切断された後、該フェライトグリーンシートを焼結して形成された端面である。図1(c)のように、この磁性シート4とアンテナシート3を貼り合せて一体化し、外縁部の切断線103bに沿って打抜加工により切断され、図2(a)、図2(b)のアンテナ素子205を得る。
本実施の形態のアンテナ装置では、上記のように磁性シート上の打抜切断面となる部位を、打抜加工性の良い軟磁性シートとすることにより、加工粉末の飛散を防止できるとともに、フェライト焼結体を打ち抜く場合と比較して打抜金型の寿命が長くなり、コストの低減が可能となる。また、磁性シートのうち、打抜切断面となる部位以外の多くの部分を、高い透磁率と低い損失を具有するフェライト焼結体シートとするため、より小型かつ薄型のアンテナ装置としても、通信距離の確保を図ることができる。さらに、アンテナ素子の外周部における磁性シートとアンテナパターンの相対的な位置ずれを低減することができるので、組込位置の変動による共振周波数の変動を低減することができる。
なお、本実施の形態の変形例としては、図2(c)に示すように、アンテナ素子のループアンテナパターン102の内側に開口部16を設けたアンテナ素子206としてもよい。この場合には開口部16を形成するために図1(c)に示すようにフェライト焼結体シート201の切断線103aでの打抜加工が必要であるが、従来に比べて、内縁部の打抜加工の工程負荷は低減される。
図3、図4は本発明によるアンテナ装置の第二の実施の形態に用いるアンテナ素子を説明するための図である。図3(a)はアンテナシートの平面図、図3(b)は磁性シートの平面図であり、図4(a)は一体化された磁性シートとアンテナシートの平面図、図4(b)はアンテナ素子の平面図、図4(c)はアンテナ素子のCC断面図である。
図4(b)、図4(c)に示すように、本実施の形態のアンテナ装置は、軟磁性を有する磁性シート304とシート基材101上にループアンテナパターン102が形成されたアンテナシート3とが一体化されてなるアンテナ素子305を備えるアンテナ装置であって、その磁性シート304は2種の軟磁性材料を組み合わせてなる磁性シートであり、この磁性シート304の外縁部は、扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シート302で構成され、かつ、外縁部以外の一部はフェライトの焼結体からなるフェライト焼結体シート301で構成されている。また、アンテナ素子305の外縁部は、磁性シート304とアンテナシート3が一体化された後、一括して切断された切断面17を有している。
また、本アンテナ素子305においては、ループアンテナパターン102の内側に開口部19を有し、磁性シートの開口部19の周辺部は、扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シート302からなり、かつ、アンテナ素子305の開口部19は、磁性シート304とアンテナシート3が一体化された後、一括して切断された切断面18を有している。
アンテナ素子305の作製は、先ず、第一の実施の形態と同様に図3(a)に示すアンテナシート3を形成する。磁性シート304は、図3(b)に示すように、打抜加工時に外縁部となる部分は扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シート302であり、その内側のアンテナ素子完成時にループアンテナパターンと近接する部分はフェライト焼結体シート301で構成されている。さらに、打抜加工時に開口部となる部分の周囲より内側の部分は軟磁性シート302で構成されている。フェライト焼結体シート301は開口部を有する形状である。ここで、フェライト焼結体シート301の外縁部の端面および開口部の端面は、該フェライト焼結体シートが焼結される前のフェライトグリーンシートの状態において打抜もしくは切断された後、該フェライトグリーンシートを焼結して形成された端面である。図4(a)のように、この磁性シート304とアンテナシート3を貼り合せて一体化し、外縁部の切断線103bおよび開口部の切断線103aに沿って打抜加工により切断され、図4(b)、図4(c)のアンテナ素子305を得る。
図5は本発明によるアンテナ装置の第三の実施の形態に用いるアンテナ素子を説明するための図である。図5(a)は磁性シートの平面図、図5(b)は一体化された磁性シートとアンテナシートの平面図、図5(c)はアンテナ素子の断面図である。
図5に示すように、本実施の形態のアンテナ装置は、軟磁性を有する磁性シート404と第一の実施の形態と同様なアンテナシート3とが一体化されてなるアンテナ素子405を備えるアンテナ装置であって、その磁性シート404は2種の軟磁性材料を組み合わせてなる磁性シートであり、この磁性シート404の外縁部は、扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シート402で構成され、かつ、外縁部以外はフェライトの焼結体からなるフェライト焼結体シート401で構成され、また、アンテナ素子405の外縁部は、磁性シート404とアンテナシート3が一体化された後、一括して切断された切断面20を有している。
また、本アンテナ素子405においては、フェライト焼結体シート401は中央部に開口部403を有している。
アンテナ素子405の作製は、先ず、第一の実施の形態と同様に図3(a)に示すアンテナシート3を形成する。磁性シート404は、図5(a)に示すように、打抜加工時に外縁部となる部分は扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シート402であり、その内側のアンテナ素子完成時にループアンテナパターンと近接する部分はフェライト焼結体シート401で構成されている。ここで、フェライト焼結体シート401の外縁部の端面および開口部の端面は、該フェライト焼結体シートが焼結される前のフェライトグリーンシートの状態において打抜もしくは切断された後、該フェライトグリーンシートを焼結して形成された端面である。図5(b)のように、この磁性シート404をアンテナシート3の裏側に貼り合せて一体化し、外縁部の切断線103cに沿って打抜加工により切断され、図5(c)のアンテナ素子405を得る。
上記の第二および第三の実施の形態のアンテナ装置においても、打抜切断面となる部位を軟磁性シートとすることにより、加工粉末の飛散を防止できるとともに、打抜金型の寿命が長くなり、コストの低減が可能となる。また、磁性シートのうちのループアンテナパターンに近接する部分を、高い透磁率と低い損失を具有するフェライト焼結体シートとするため、より小型かつ薄型のアンテナ装置としても、通信距離の確保を図ることができ、さらに、アンテナ素子の外周部における磁性シートとアンテナパターンの相対的な位置ずれを低減することができるので、組込位置の変動による共振周波数の変動を低減することができる。
以下では、上記の実施の形態のアンテナ装置の具体的な実施例および本発明の効果を確認するために作製した比較例のアンテナ装置について詳細に説明する。
先ず、実施例および比較例に共通に使用するループアンテナパターンが形成された薄型のアンテナシートの作製について説明する。ループアンテナパターンが形成されたアンテナシートとしては、4ターンのループアンテナパターンが形成されたFPC(Flexible Printed Circuits)を用いた。アンテナシートのシート基材となるポリイミドフィルムの厚みは35μmであり、ループアンテナを形成する導体は幅1mm、導体間隔500μmで4ターン巻き回され、その厚みは35μmである。ターンの終端部は、リード線をはんだ接合するためのパッドとなっている。ループアンテナパターンの開口は縦横32mm四方であり、ループアンテナパターンの最外周は44mm四方である。アンテナシートについては、以下のV,Wの2種類の形状を作製した。
図6は作製したアンテナシートの形状を示す平面図であり、図6(a)はアンテナシートVを示す図、図6(b)はアンテナシートWを示す図である。図6(a)に示すように、アンテナシートVは、打抜加工前の外形が65mm(v1寸法)の正方形であり、ループアンテナパターン外部に延長されたポリイミドフィルムの角部の四カ所には、打抜金型に設けられた突起部にはめ込んで位置合わせするための直径3mmの穴が設けられている。なお、v2寸法は44mm、v3寸法は32mmである。図6(b)に示すように、アンテナシートWは、打抜加工前の外形が44mm(w1寸法)の正方形である。なお、w2寸法は32mmである。
なお、アンテナシートVまたはアンテナシートWについては、各部の寸法ばらつきは最大で50μm以下である。また、アンテナシートVまたはアンテナシートWと、磁性シートを互いに接着するために、アンテナシートのループアンテナパターンが形成されている面と反対側の面上に、厚み30μmの粘着層を設けた。
次にフェライト焼結体シートの作製について説明する。化学式で22.5NiO―9.0CuO―20.0ZnO−49.5Feの組成を有し、平均粒径D50(粒径が小さい側から積算して重量比が50%となる粒径)が1.2μmのNi−Cu−Zn系軟磁性フェライトの粉末に、バインダーとしてポリビニルブチラールを5重量部、溶媒としてエタノールを35重量部、他に少量の可塑剤、増粘剤を添加して100重量部とした。次にボールミルを用いてこれらの混合物を20時間混練してスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード成型の方法によりポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗工して、焼結後の厚さが0.2mmとなる軟磁性フェライトのグリーンシートを得た。なおこの材料は1000℃での焼結により軟磁性フェライトとした場合に、グリーンシート時の寸法を基準とした焼結収縮率は約14.8%であり、室温での比透磁率が150となるものである。
上記のごとく作製したグリーンシートを金型によって打ち抜いた上で、1000℃、1000℃における保持時間4時間で焼成し、以下のE、F、G、H、I、Jの形状を有する6種類のフェライト焼結体シートを作製した。図7は作製したフェライト焼結体シートの形状を示す平面図であり、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)、図7(e)、図7(f)はそれぞれ、フェライト焼結体シートE、F、G、H、I、Jを示す。
フェライト焼結体シートEは、焼結後の形状は50mm(e1寸法)角の正方形である。フェライト焼結体シートFは、焼結後の外形が50mm(f1寸法)角の正方形であり、その外形と中心を共有し、外形と各辺が平行な32mm(f2寸法)角の正方形の開口部を中央に設けた。フェライト焼結体シートGは、焼結後の形状が44mm(g1寸法)角の正方形である。フェライト焼結体シートHは、焼結後の外形が44mm(h1寸法)角の正方形であり、その外形と中心を共有し、外形と各辺が平行な32mm(h2寸法)角の正方形の開口部を中央に設けた。フェライト焼結体シートIは、焼結後の外形が40mm(i1寸法)角の正方形であり、その外形と中心を共有し、外形と各辺が平行な32mm(i2寸法)角の正方形の開口部を中央に設けた。フェライト焼結体シートJは、焼結後の外形が40mm(j1寸法)角の正方形であり、その外形と中心を共有し、外形と各辺が平行な34mm(j2寸法)角の正方形の開口部を中央に設けた。
なお、各々のフェライト焼結体シートEからJの寸法は、焼結収縮時の収縮率ばらつきを反映した寸法ばらつきを有しており、焼結体の寸法公差は100μmである。
次に、扁平形状を有する軟磁性金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シートの作製について説明する。軟磁性シートに用いる扁平金属粉末を作製するために、Siが3wt%、Crが5wt%、残部がFeの組成である、水アトマイズ法により製造された球状粒子からなるFe−Si−Cr系軟磁性合金粉末を用意した。この合金粉末の平均粒径D50は約15μmであった。この合金粉末を扁平化するためにアトライタを用いて粉砕加工を実施した。続いてこの扁平化工程で粒子内に生じる歪みを取り除くために、窒素雰囲気中にて400℃で2時間の焼鈍処理を行い、軟磁性を有する扁平金属粉末を得た。
この扁平金属粉末と、結合材であるポリアミドイミド系樹脂と、溶媒であるキシレンとを、それぞれ重量比が72対20対50となるように混合してスラリーとした。次いでこのスラリーを、離型材を塗布したPETフィルム上に乾燥後のシート厚さが0.11mmとなるようにドクターブレード法によって塗布した。その後この塗布物を60℃に保持した乾燥炉内に2時間放置して溶媒を除去し、軟磁性金属シートとした。この軟磁性金属シートをPETフィルムから剥離した後に、軟磁性金属シート2枚を積層して温度が100℃、圧力が200kg/cmの条件にて熱プレスを行って、厚さが0.2mmの軟磁性シートを得た。この軟磁性シートは透磁率の異方性を有しており、室温におけるシート面内での比透磁率は65であった。
上記のごとく作製した軟磁性シートを金型によって打ち抜くことで、以下のX,Y,Zの形状を有する3種類の軟磁性シートを作製した。
図8は作製した軟磁性シートの形状を示す平面図であり、図8(a)は軟磁性シートXを示す図、図8(b)は軟磁性シートYを示す図、図8(c)は軟磁性シートZを示す図である。図8(a)に示すように、軟磁性シートXは、打抜後の形状が50mm(x1寸法)角の正方形である。図8(b)に示すように、軟磁性シートYは、打抜後の外形が50mm(y1寸法)角の正方形であり、その外形と中心を共有し、外形と各辺が平行な40mm(y2寸法)角の正方形の開口部を中央に設けた。図8(c)に示すように、軟磁性シートZは、打抜後の形状が34mm(z1寸法)角の正方形である。なお、各々の軟磁性シートの打抜工程における寸法公差は50μmである。
次に、上記のアンテナシート、フェライト焼結体シート、軟磁性シートを組み合わせて下記の実施例1および2、比較例1〜5のアンテナ素子を用いたアンテナ装置を作製し、評価を行った。
磁性シートとアンテナシートについて、各実施例、比較例の構造となるように、貼付けとその後に金型を用いた打抜を行うか、もしくは、打抜を用いずに、磁性シートとループアンテナシートの貼付のみによる組立を行い、磁性シートとループアンテナシートが一体化したアンテナ素子を作製した。なお、前記貼付工程における貼付位置の寸法公差は100μmである。また、前記金型を用いた打抜工程における寸法公差は50μmである。図9〜図11は作製手順を示す図である。図9(a)、図10(a)および図11(a)は磁性シートとループアンテナシートが一体化された状態および打抜き加工の切断個所を示す平面図、図9(b)、図10(b)および図11(b)は完成後のアンテナ素子の平面図であり、図9は外縁部と開口部の両方を打抜加工する場合、図10は外縁部のみ打抜加工する場合、図11は開口部のみ打抜加工する場合を示す。
実施例1のアンテナ素子は上記の第三の実施の形態のアンテナ装置のアンテナ素子であり、フェライト焼結体シートI(図7(e))と軟磁性シートY(図8(b))とにより磁性シートが構成され、それとアンテナシートV(図6(a))とが一体化され、図10のように外縁部のみが打抜加工されたものである。
実施例2のアンテナ素子は上記の第二の実施の形態のアンテナ装置のアンテナ素子であり、フェライト焼結体シートJ(図7(f))と軟磁性シートY(図8(b))およびZ(図8(c))とにより磁性シートが構成され、それとアンテナシートV(図6(a))とが一体化され、図9のように外縁部および開口部が打抜加工されたものである。
比較例1のアンテナ素子はフェライト焼結体シートE(図7(a))のみにより磁性シートが構成され、それとアンテナシートV(図6(a))とが一体化され、図9のように外縁部および開口部が打抜加工されたものである。
比較例2のアンテナ素子は軟磁性シートX(図8(a))のみにより磁性シートが構成され、それとアンテナシートV(図6(a))とが一体化され、図9のように外縁部および開口部が打抜加工されたものである。
比較例3のアンテナ素子はフェライト焼結体シートF(図7(b))のみにより磁性シートが構成され、それとアンテナシートV(図6(a))とが一体化され、図10のように外縁部のみが打抜加工されたものである。
比較例4のアンテナ素子はフェライト焼結体シートG(図7(c))のみにより磁性シートが構成され、それとアンテナシートW(図6(b))とが一体化され、図11のように開口部のみが打抜加工されたものである。
比較例5のアンテナ素子はフェライト焼結体シートH(図7(d))のみにより磁性シートが構成され、それとアンテナシートW(図6(b))とが一体化され、打抜加工を行なわないで作製されたものである。
上記のごとくして得られた各アンテナ素子において、図12に示すように、ループアンテナパターン102上のパット部に、ループアンテナパターン102と並列に、共振周波数を調整するためのトリマーコンデンサ501を取り付けると同時に、鉛フリー半田を用いてリード線502を接続してアンテナ装置500を作製した。作製数は、各アンテナ素子あたり20個である。なお、図12は各アンテナ素子を用いて作製したアンテナ装置の平面図である。
上記のごとくして得られたアンテナ装置における共振周波数を評価するための測定系につき以下に説明する。
アンテナ装置を支持するために用いた支持治具の構成の平面図および側面図を図13に示す。当該支持治具は、縦44mm(k寸法)、横50mm(l寸法)のガラスエポキシ製の平板510であって、アンテナ装置を取り付ける面上の幅広方向の両端には、断面形状が縦横2.5mm(m寸法)、長さが44mmのアルミ棒511を取り付けてある。当該支持治具の中央部に、プラスチック製のクリップを用いて、図12に示すアンテナ装置を固定して共振周波数を測定した。共振周波数の測定には、アジレントテクノロジー社のインピーダンスアナライザ4294Aを用いた。
ここで、前記支持治具上のアルミ棒511は、アンテナ装置を小型携帯機器に内蔵した際に渦電流の原因となる金属部品に対応しており、前記治具にアンテナ装置を取り付けることにより、アンテナ装置が小型携帯機器に搭載された状態を擬似的に再現できる。
以下、共振周波数の測定方法について詳述する。
まず、20個作製した単一種類のアンテナ装置から、基準となる基準アンテナ装置を1個任意に選択して、プラスチック製のクリップを用いて前記支持治具の中央部に取り付けた。次に当該基準アンテナ装置の共振周波数が13.56MHzとなるように、当該基準アンテナ装置上のトリマーコンデンサ501(図12)を調整した。次に、当該基準アンテナ装置を前記支持治具から取り外し、開放空間における当該基準アンテナ装置の共振周波数を測定した。
残りの19個のアンテナ装置については、当該アンテナ装置の開放空間における共振周波数が、前記基準アンテナ装置の開放空間における共振周波数と一致するように、19個各々のアンテナ装置上のトリマーコンデンサ501を個別に調整した。
他の6種類のアンテナ装置についても、各々の種類について上記と同様の調整を行い、同一種類のアンテナ装置20個の間では開放空間での共振周波数が全て同一となるように、各々のアンテナ装置上のトリマーコンデンサを調整した。以上の調整を7種類の計140個のアンテナ装置全てに対して施した後、各々のアンテナ装置を前記支持治具の中央部にプラスチック製のクリップを用いて固定して、共振周波数、ならびに共振周波数のばらつきを測定した。
ところで、各種類に属する20個のアンテナ装置間に形状ばらつき、すなわち、磁性シートとループパターンの位置ずれによるばらつきが無ければ、前記支持治具の中央部に当該アンテナ装置を貼り付けた上での共振周波数は13.56MHzとなるべきである。しかし、実際には形状ばらつきが存在するため、前記支持治具の中央部に当該アンテナ装置を貼り付けた上での共振周波数にもばらつきが生ずる。当該ばらつきが小さいアンテナ装置では、当該アンテナ装置を小型携帯機器に搭載する際に生ずる共振周波数のばらつきを小さく抑えることができるため、品質管理上有利となる。
次に、通信距離を評価するための測定系の構成について説明する。通信距離の評価に用いるリーダーライタとして、NECトーキン製のHF帯非接触ICカードリーダライタICT―3039−1を用いた。また、本発明のアンテナ装置を用いた疑似的なICタグを作製するため、図13に示す支持治具上に取り付けられたアンテナ装置のリード線502(図12)に、ISO/IEC15693に準拠するHF帯ICチップを接続して、擬似的なICタグとした。
通信距離の測定においては、前記リーダライタと、前記ICタグを対向させて、通信が可能となる両者間の最大距離を測定した。
以上のように測定した各アンテナ装置の共振周波数のばらつき、および擬似的なICタグを構成した場合の通信距離の測定結果を、各アンテナ装置の構成要素およびフェライト焼結体シートの打抜加工の要否とともに表1に示す。
Figure 0005358346
表1に示すように、従来例の標準的な技術である比較例1では、共振周波数のばらつきが少なく、かつ、通信距離が大きくなる利点があるが、フェライト焼結体シートを打ち抜くかもしくは切断する工程が必要なため、アンテナ装置製造時の工程負担が大きくなる難点がある。
また、従来例の標準的な技術である比較例2では、共振周波数のばらつきが少なく、焼結体を打ち抜くかもしくは切断する工程が不要となる利点があるが、通信距離が短くなる難点がある。
比較例3では、共振周波数のばらつきが少なく、かつ、通信距離が大きくなる利点があるが、フェライト焼結体を打ち抜くかもしくは切断する工程が必要なため、アンテナ装置製造時の工程負担が大きくなる難点がある。
比較例4では、通信距離が大きくなる利点があるが、共振周波数のばらつきが大きいため、アンテナ装置を搭載する小型電子機器製造時における通信機能の品質管理に際する負担が増す難点があり、また、焼結体を打ち抜くかもしくは切断する工程が必要なため、アンテナ装置製造時の工程負担が大きくなる難点がある。
比較例5では、通信距離が大きくなり、焼結体を打ち抜くかもしくは切断する工程が不要となる利点があるが、共振周波数のばらつきが非常に大きいため、アンテナ装置を搭載する小型電子機器製造時における通信機能の品質管理に際する負担が増す難点がある。
本発明に対応する実施例1、もしくは実施例2の構成とすれば、共振周波数のばらつきが少なく、かつ、金属軟磁性シートだけを用いた比較例2よりも通信距離が大きなアンテナ装置を実現できることが分かる。特に、本発明に対応する実施例1、もしくは実施例2の構成では、焼結体を打ち抜くかもしくは切断する工程が不要であるため、アンテナ装置製造時の工程負担が大幅に軽減されることが最大の特徴である。
以上のように、本発明に係るアンテナ装置においては、フェライト焼結体の打抜によって形成された断面がアンテナ装置の外周部に露出することがないため、打抜による加工粉末の飛散を防止することができる。さらに、磁性シートとループアンテナを一体化した後、一括して打ち抜いた外周側面を有するため、磁性シートとループアンテナの位置ずれを低減できる結果、小型電子機器に組み込んだ際の共振周波数のばらつきを低減できる。
なお、本発明は、上記の実施の形態や実施例に限定されるものではないことはいうまでもなく、本発明の範囲内で様々な設計変更が可能である。磁性シートやアンテナシートの形状、材料、製造方法などそれぞれアンテナ装置の用途に合わせて最適な構成をとることができる。
1、201、301、401 フェライト焼結体シート
2、302、402 軟磁性シート
3 アンテナシート
4、304、404 磁性シート
15、17、18、20 切断面
16、19、403 開口部
101 シート基材
102 ループアンテナパターン
103a、103b、103c 切断線
105、205、206、305、405 アンテナ素子
500 アンテナ装置
501 トリマーコンデンサ
502 リード線
510 平板
511 アルミ棒

Claims (5)

  1. 軟磁性を有する磁性シートとループアンテナパターンが形成されたアンテナシートとが厚さ方向に一体化されてなるアンテナ素子を備えるアンテナ装置であって、前記磁性シートは少なくとも2種以上の軟磁性材料からなるシート面内方向に組み合わせてなり前記磁性シートの外縁部の少なくとも一部は、扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シートであり、かつ、前記外縁部以外の少なくとも一部はフェライトの焼結体からなるフェライト焼結体シートであり、前記アンテナ素子の外縁部の少なくとも一部は、前記磁性シートと前記アンテナシートが一体化され、一括して切断された切断面を有することを特徴とする磁性シートを用いたアンテナ装置。
  2. 前記磁性シートは少なくとも一カ所の開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の磁性シートを用いたアンテナ装置。
  3. 前記アンテナ素子は少なくとも一カ所の開口部を有し、前記磁性シートの前記開口部の周辺部の少なくとも一部は、扁平形状を有する金属粉末と樹脂の混和物からなる軟磁性シートからなり、かつ、前記アンテナ素子の前記開口部の少なくとも一部は、前記磁性シートと前記アンテナシートが一体化され、一括して切断された切断面を有することを特徴とする請求項2に記載の磁性シートを用いたアンテナ装置。
  4. 前記フェライト焼結体シートの外縁部の端面の少なくとも一部は、前記フェライト焼結体シートが焼結される前のフェライトグリーンシートの状態において打抜もしくは切断され前記フェライトグリーンシートを焼結して形成された端面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性シートを用いたアンテナ装置。
  5. 前記フェライト焼結体シートは少なくとも一カ所の開口部を有し、かつ、前記フェライト焼結体シートの前記開口部の端面の少なくとも一部は、前記フェライト焼結体シートが焼結される前のフェライトグリーンシートの状態において打抜もしくは切断され前記フェライトグリーンシートを焼結して形成された端面であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の磁性シートを用いたアンテナ装置。
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