JP5358235B2 - コンデンサ放電型スタッド溶接機の溶接良否判定方法及び判定装置 - Google Patents
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Description
しかし、溶接するスタッドの本数が多い場合、このような良否判定方法では効率が悪く、また、作業者にかける負担も大きい。そして、なにより、人が良否判定を行うと良否判定の基準が曖昧になり、熟練度が低い作業者では判定ができないという問題がある。
このような問題を解決するために、従来から、様々なスタッド溶接の良否判定の方法が提案されている(特許文献1〜3)。
特許文献2は、本願の出願人が先に提案した方法であり、この特許文献2では、溶接電流の通電時間と、溶接電流のピーク値と、母材へのスタッド押し付け時の電流上昇率とに基づいて溶接強度の判定を行うことが提案されている。
特許文献3には、スタッドと母材との抵抗接触のための圧接点における放電電流値が、溶接電流のピーク値の所定の範囲内にあるか否かに基づいて溶接強度の判定を行う判定方法が開示されている。
発明者等は、スタッド溶接によるスタッドの良否判定について、鋭意研究を重ね、上記した従来の方法とは異なる方法でスタッドの良否判定を行う方法を見出した。
本発明は、従来とは異なる方法でスタッド溶接によるスタッドの良否判定を行い得るコンデンサ放電型スタッド溶接機の溶接良否判定方法及び判定装置を提供することを目的としている。
該第一基準時点からアークがスタッド中心より外側に向って広がりエネルギがピークとなる第二基準時点、及び母材とスタッドとが溶接接合された第三基準時点の三つの時点において、溶接強度が許容され得る電流又は電圧の上限値及び下限値を、溶接条件に合わせてそれぞれ決めて、第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域とし、前記第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域が、各基準時点を中心とする時間的許容範囲を有し、実際のスタッド溶接毎に、前記各判定領域における電流値又は電圧値を測定し、測定結果が各判定領域の下限から上限の範囲内に入るか否かに基づいてスタッド溶接の良否判定を行うことを特徴とする。
前記スタッド溶接の良否判定は、実際のスタッド溶接を行う毎に自動的に実行され得る。
好ましくは、良否判定は実際のスタッド溶接毎に実行され、各良否判定の結果が、スタッドの溶接順番に関連付けして記憶され得る。
また、溶接条件に合わせて決めた第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域を、溶接条件と関連付けして記憶し、必要に応じて、これらの判定領域を良否判定に使用することができる。
本発明に係る溶接良否判定装置は、スタッドを母材に圧接した状態でコンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、スタッドと母材との間でアークを発生させてスタッドと母材を溶融させると同時に、スタッドを母材に押し付けて母材にスタッドを溶け込ませて溶接するコンデンサ放電型溶接機に用いられる溶接良否判定装置であって、コンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、スタッド先端チップ部が溶融する第一基準時点、該第一基準時点からアークがスタッド中心より外側に向って広がりエネルギがピークとなる第二基準時点、及び母材とスタッドとが溶接接合された第三基準時点の三つの時点において、溶接強度が許容され得る電流又は電圧の上限値及び下限値を、溶接条件に合わせてそれぞれ決めて、第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域として記憶する判定領域決定手段と、実際のスタッド溶接毎に、前記各判定領域における電流値又は電圧値を測定し、測定結果が各判定領域の下限から上限の範囲内に入るか否かに基づいてスタッド溶接の良否判定を行う良否判定手段とを備え、前記判定領域決定手段が、前記第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域について、各基準時点を中心とする時間的許容範囲を設定できるように構成されていることを特徴とする。
また、前記判定領域決定手段は、スタッド溶接の実行中に、スタッドにかかる電流又は電圧の変化を表す波形を検出する波形検出部を備え前記波形検出部で検出した波形に基づいて第一基準時点、第二基準時点及び第三基準時点を決めるように構成され得る。
さらにまた、溶接強度が許容され得るコンデンサ放電型溶接機の上限溶接電圧及び下限溶接電圧を、溶接条件に合わせて予め決めておき、前記上限溶接電圧及び下限溶接電圧でコンデンサ放電型溶接機を動作させてスタッド溶接を行い、前記波形検出部で前記上限溶接電圧及び下限溶接電圧でスタッド溶接を行った時の波形を検出し、前記検出した各波形に基づいて第一基準時点、第二基準時点及び第三基準時点の各基準時点における第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域を決めるように前記判定領域決定手段を構成することができる。
また、実際のスタッド溶接毎に良否判定を行い、各良否判定の結果をスタッドの溶接順番に関連付けして記憶するように構成してもよい。
前記判定領域決定手段は、決定した第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域を、その溶接条件に関連付けして記憶する記憶手段を備え得る。
該第一基準時点からアークがスタッド中心より外側に向って広がりエネルギがピークとなる第二基準時点、及び母材とスタッドとが溶接接合された第三基準時点の三つの時点において、溶接強度が許容され得る電流又は電圧の上限値及び下限値を、溶接条件に合わせてそれぞれ決めて、第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域とし、前記第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域が、各基準時点を中心とする時間的許容範囲を有し、実際のスタッド溶接毎に、前記各判定領域における電流値又は電圧値を測定し、測定結果が各判定領域の下限から上限の範囲内に入るか否かに基づいてスタッド溶接の良否判定を行うので、作業者による目視確認や破壊検査を行うことなく溶接後のスタッドの良否判定を行うことができる。
特に、コンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、スタッド先端チップ部が溶融する第一基準時点、該第一基準時点からアークがスタッド中心より外側に向かって広がりエネルギがピークとなる第二基準時点、及び母材とスタッドとが溶接接合された第三基準時点の三つの時点でスタッドにかかる電流値又は電圧値に基づいて溶接の良否判定を行っているので、正確な良否判定を行うことが可能になる。
また、良否判定に使用する電流又は電圧の上限値及び下限値を溶接条件に合わせて決めているので、様々な溶接条件(母材材質、母材表面処理、スパッターの出具合の許容範囲、スパッター付着防止液使用の有無、溶接焼けの程度、溶接ひずみの程度、品質管理水準の程度など)に合わせて良否判定を行うことが可能になる。
実際のスタッド溶接毎に良否判定を行い、各良否判定の結果をスタッドの溶接順番に関連付けして記憶するようにすることで、連続してスタッド溶接を行った後で、溶接の良否判定を行うことができるようになる。
溶接条件に合わせて決めた第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域を、溶接条件と関連付けして記憶し、必要に応じて、これらの判定領域を良否判定に使用できるようにすることで、同じ溶接条件で何度も判定領域を決め直す必要がなくなる。
また、本発明に係る溶接良否判定装置は、コンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、スタッドと母材との間でアークを発生させてスタッドと母材を溶融させると同時に、スタッドを母材に押し付けて母材にスタッドを溶け込ませて溶接するコンデンサ放電型溶接機に用いられる溶接良否判定装置であって、コンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、スタッド先端チップ部が溶融する第一基準時点、該第一基準時点からアークがスタッド中心より外側に向かって広がりエネルギがピークとなる第二基準時点、及び母材とスタッドとが溶接接合された第三基準時点の三つの時点において、溶接強度が許容され得る電流又は電圧の上限値及び下限値を、溶接条件に合わせてそれぞれ決めて、第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域として記憶する判定領域決定手段と、実際のスタッド溶接毎に、前記各判定領域における電流値又は電圧値を測定し、測定結果が各判定領域の下限から上限の範囲内に入るか否かに基づいてスタッド溶接の良否判定を行う良否判定手段とを備え、前記判定領域決定手段が、前記第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域について、各基準時点を中心とする時間的許容範囲を設定できるように構成されているので、作業者による目視確認や破壊検査を行うことなく溶接後のスタッドの良否判定を行うことができる。
特に、コンデンサに蓄積されたエネルギをスタッド先端部で放電する第一基準時点、母材とスタッドとの間にアークが発生する第二基準時点、及び母材とスタッドとが溶接接合された第三基準時点の三つの時点でスタッドにかかる電流値又は電圧値に基づいて溶接の良否判定を行っているので、正確な良否判定を行うことが可能になる。
また、良否判定に使用する電流又は電圧の上限値及び下限値を溶接条件に合わせて決めているので、様々な溶接条件に合わせて良否判定を行うことが可能になる。
なお、コンデンサ放電式溶接によるスタッド溶接には、主に鋼製のスタッドでスタッド先端チップ部を母材に圧接した状態で溶接を開始するコンタコト方式と、アルミニウム製でスタッド先端チップ部を母材から離した状態からスタッドを母材に向けて押圧していくギャップ方式とがあるが、本発明はこれら両者に適用可能である。
横軸は時間を、縦軸は電圧を示している。図中、符号Lは下限溶接電圧を用いて溶接機でスタッド溶接をした時の下限電圧波形であり、符号Hは上限溶接電圧を用いてスタッド溶接をした時の上限電圧波形である。
ここで、「下限溶接電圧」とは、溶接後のスタッドの強度及び品質が許容され得る下限の溶接電圧であり、「上限溶接電圧」とは、溶接後のスタッドの強度及び品質が許容され得る上限の溶接電圧である。
これらの下限溶接電圧及び上限溶接電圧は、溶接条件(即ち、母材やスタッドの品質及び溶接後の品質等)に応じて、予め破壊試験や目視確認等により強度確認をして決めておくことができる。
また、図1中、D1は第一基準幅、D2は第二基準幅、そしてD3は第三基準幅をそれぞれ示している。
第一基準幅D1は、溶接機の溶接ガンのスイッチをONにし、溶接機のコンデンサに蓄積されたエネルギがスタッド1の先端チップ部1aで放電した後、チップ部1aが溶融するアークポイントAP(本発明に係る第一基準時点)を中心にして前後に許容時間を設定したことにより得られる幅である(図2(a)から(b)参照)。この第一基準幅D1と、下限電圧波形L及び上限電圧波形Hとで囲まれた範囲で第一判定領域J1が画定される。
続いて、スタッド1と母材2との間にメインアークが発生し、そのアークがスタッド1の中心より外側に向かって広がり放電エネルギがピークとなりスタッド1と母材2が溶融される(図2(b)参照)。また、この時、同時にスタッド1は母材2に向かって圧接させられる。第二基準幅D2は、この時のスタッド1にかけられる電流がピークに達する電流ピークポイントPP(本発明に係る第二基準時点)を中心にして前後に許容時間を設定したことにより得られる幅である。この第二基準幅D2と、下限電圧波形L及び上限電圧波形Hとで囲まれた範囲で第二判定領域J2が画定される。
第三基準幅D3は、母材2にスタッド1が溶け込んで溶接が完了するコンタクトポイントCP(本発明に係る第三基準時点)を中心にして前後に許容時間を設定したことにより得られる幅である(図2(c)参照)。この第三基準幅D3と、下限電圧波形L及び上限電圧波形Hとで囲まれた範囲で第三判定領域J3が画定される。
本発明に係る溶接良否判定方法は、スタッド溶接の実作業を行う前に、実作業の溶接条件で、上記したように、第一判定領域J1、第二判定領域J2及び第三判定領域J3を、それぞれ予め決めておき、実際にスタッド溶接の実作業を行う時に、スタッド溶接毎に実際の電圧波形Mを検出して、各判定領域J1〜J3に対応する実際の電圧値(実測値)が前記第一判定領域J1、第二判定領域J2及び第三判定領域J3の範囲内に入るか否かに基づいて溶接の良否判定を行う。
具体的には、実測値が全て各判定領域J1〜J3の範囲内であれば溶接が良好に行われていると判断し、何れか一つでも判定領域J1〜J3の範囲内に入らない場合には溶接不良と判断する。
図3は、本発明に係る溶接良否判定装置の概略ブロック図、図4は、図3に示した溶接良否判定装置の作用を示すフローチャートである。
図面に示すように、この溶接良否判定装置10は、判定領域決定手段11と、良否判定手段12とを有する。
判定領域決定手段11は、波形検出部11a、基準幅決定部11b、判定用下限値決定部11c、判定用上限値決定部11d、判定領域決定部11e及び記憶部11fを有する。
波形検出部11aは、溶接用電源3の出力ライン4に設けられたシャント抵抗5からの信号を取得して電圧波形を取得する。尚、図3中、符号4及び4’は、溶接電流をスタッドに流すための回路を構成する出力ラインを示しており、符号7は、溶接ガン6に制御信号を送る制御ケーブルを示している。
基準幅決定部11b、判定用下限値決定部11c及び判定用上限値決定部11dは、波形検出部11aで検出した電圧波形に基づいて判定領域を決めるためのパラメータを決定する。
使用者は、予め、溶接作業を行う溶接用電源3、溶接ガン6、スタッド1及び母材2を用いて、複数のスタッドの予備テスト溶接を行い、基準となる溶接ガン6の加圧力及び作業溶接電圧を破壊試験や目視確認等により強度と品質を確認して決める。
この基準となる溶接ガン6の加圧力及び作業溶接電圧は、予めデータとして提供されたり、経験値より決定することも可能である。
なお、この時に後述する下限溶接電圧、上限溶接電圧についても予備テストを行い目安を得ておくのが作業効率上好ましい。表1は、予備テストにより予め決めた加圧力及び溶接電圧の一例を示す表である。この表1は、作業溶接電圧に加えて下限溶接電圧及び上限溶接電圧についても予備テストを行い目安となる溶接電圧を決めた例を示すものである。
スタッド形状:ストレートタイプ(図2に示すスタッドで、先端のフランジのないタイプ)、スタッド材質:軟鋼、スタッドねじサイズ:M6、母材材質:SPCC(板厚:3.2mm)
溶接良否判定装置10の電源を入れ、始めに、スタッド1及び母材2の品種を選択する(ステップ1)。スタッド1及び母材2の品種は予め記憶部11fに登録されている。
次いで、溶接機1の加圧力及び溶接電圧を予備テスト溶接(又はデータ、経験値でもよい)で決めた作業用溶接電圧にセットして溶接を行う(ステップ2)。
溶接後、溶接性の確認を行い(ステップ3)、強度及び品質に問題がなければ、波形検出部11aで検出したその時の電圧波形を記憶する(ステップ4)。
記憶した電圧波形に基づいて基準幅決定部11bにて第一基準幅D1、第二基準幅D2及び第三基準幅D3を決める(ステップ5)。基準幅決定部11bにおける各基準幅D1〜D3の決定は、始めに第一基準時点、第二基準時点及び第三基準時点を特定し、その後、各基準時点に所定の許容時間を付与することで決められる。なお、各基準時点の特定は各基準時点において、図1の時間軸に対して垂線を表示することにより決定する。必要により、基準時点付近を拡大表示することと合わせて決められる。特に、第二基準時点は滑らかな曲線を示すため、予め拡大表示できるプログラムを設ける。尚、各基準時点について、許容時間を設けることは必須ではなく、許容時間をゼロとしてもよい。許容時間を設けない場合、基準時点を基準幅としてその後の処理が進められる。各基準幅D1〜D3の決定は、作業用溶接電圧で実際に溶接して得られる電圧波形に基づいて自動的に行ってもよく、検出した電圧波形をディスプレイに表示して、作業者が手動で行ってもよい。
次いで、溶接用電源3の溶接電圧を予備テスト溶接で決めた下限溶接電圧又は予想される下限溶接電圧にセットして溶接を行う(ステップ6)。
溶接後、溶接性の確認を行い(ステップ7)、強度及び品質に問題がなければ、波形検出部11aで検出したその時の下限電圧波形Lを記憶すると共に、判定用下限値決定部11cにて下限電圧波形Lに基づいて電圧の判定用下限値を決定する(ステップ8)。
次いで、溶接用電源3の溶接電圧を予備テスト溶接で決めた上限電圧又は予想される下限溶接電圧にセットして溶接を行う(ステップ9)。
溶接後、溶接性の確認を行い(ステップ10)、強度及び品質に問題がなければ、波形検出部11aで検出したその時の上限電圧波形Hを記憶すると共に、判定用上限値決定部11dにて上限電圧波形Hに基づいて電圧の判定用上限値を決定する(ステップ11)。
最後に、基準幅決定部11bで決めた第一基準幅D1、第二基準幅D2及び第三基準幅D3と、判定用下限値決定部11cで決定した判定用下限値と、判定用上限値決定部11dで決定した判定用上限値とに基づいて、判定領域決定部11eで、第一判定領域J1、第二判定領域J2及び第三判定領域J3を決定し(ステップ12)、初期設定を終了する。
上記したようにして決定された第一判定領域J1、第二判定領域J2及び第三判定領域J3は、必要に応じて溶接条件と関連付けして記憶部11fに記憶され得る。
溶接良否判定装置10は、スタッドを溶接する毎に、波形検出部11aで電圧波形を検出し、検出した電圧波形を良否判定手段12に送る。
良否判定手段12は、検出された電圧波形が、初期設定で決めた第一判定領域J1、第二判定領域J2及び第三判定領域J3の範囲内にあるか否かの判定を行い(ステップ14)、その判定結果を出力する(ステップ15)。
判定結果の出力は、例えば、ブザーやランプ等で行ってもよく、また、波形そのものを表示してもよい。さらに、判定結果をスタッドの溶接順番に関連付けして記憶しておくことで、連続してスタッド溶接作業を行った後に、良否判定を行って溶接不良のスタッドを見つけ出すことが可能になる。
H 上限電圧波形
M 実際の電圧波形
D1 第一基準幅
D2 第二基準幅
D3 第三基準幅
J1 第一判定領域
J2 第二判定領域
J3 第三判定領域
1 スタッド
1a 先端チップ部
2 母材
3 溶接用電源
4 出力ライン
4’ 出力ライン
5 シャント抵抗
6 溶接ガン
7 制御ケーブル
10 溶接良否判定装置
11 判定領域決定手段
11a 波形検出部
11b 基準幅決定部
11c 判定用下限値決定部
11d 判定用上限値決定部
11e 判定領域決定部
11f 記憶部
12 良否判定手段
Claims (9)
- コンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、スタッドと母材との間でアークを発生させてスタッドと母材を溶融させると同時に、スタッドを母材に押し付けて母材にスタッドを溶け込ませて溶接するコンデンサ放電型溶接機における溶接良否判定方法であって、
コンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、
スタッド先端チップ部が溶融する第一基準時点、
該第一基準時点からアークがスタッド中心より外側に向って広がりエネルギがピークとなる第二基準時点、及び
母材とスタッドとが溶接接合された第三基準時点
の三つの時点において、溶接強度が許容され得る電流又は電圧の上限値及び下限値を、溶接条件に合わせてそれぞれ決めて、第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域とし、
前記第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域が、各基準時点を中心とする時間的許容範囲を有し、
実際のスタッド溶接毎に、前記各判定領域における電流値又は電圧値を測定し、測定結果が各判定領域の下限から上限の範囲内に入るか否かに基づいてスタッド溶接の良否判定を行う
ことを特徴とする溶接良否判定方法。 - 前記スタッド溶接の良否判定が自動的に行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接良否判定方法。 - 実際のスタッド溶接毎に良否判定を行い、各良否判定の結果をスタッドの溶接順番に関連付けして記憶する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接良否判定方法。 - 溶接条件に合わせて決めた第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域を、溶接条件と関連付けして記憶し、
必要に応じて、これらの判定領域を良否判定に使用できるようにした
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の溶接良否判定方法。 - コンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、スタッドと母材との間でアークを発生させてスタッドと母材を溶融させると同時に、スタッドを母材に押し付けて母材にスタッドを溶け込ませて溶接するコンデンサ放電型溶接機に用いられる溶接良否判定装置であって、
コンデンサに蓄積されたエネルギを放電し、
スタッド先端チップ部が溶融する第一基準時点、
該第一基準時点からアークがスタッド中心より外側に向って広がりエネルギがピークとなる第二基準時点、及び
母材とスタッドとが溶接接合された第三基準時点
の三つの時点において、溶接強度が許容され得る電流又は電圧の上限値及び下限値を、溶接条件に合わせてそれぞれ決めて、第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域として記憶する判定領域決定手段と、
実際のスタッド溶接毎に、前記各判定領域における電流値又は電圧値を測定し、測定結果が各判定領域の下限から上限の範囲内に入るか否かに基づいてスタッド溶接の良否判定を行う良否判定手段と
を備え、
前記判定領域決定手段が、前記第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域について、各基準時点を中心とする時間的許容範囲を設定できるように構成されている
ことを特徴とする溶接良否判定装置。 - 前記判定領域決定手段が、
スタッド溶接の実行中に、スタッドにかかる電流又は電圧の変化を表す波形を検出する波形検出部を備え、
前記波形検出部で検出した波形に基づいて第一基準時点、第二基準時点及び第三基準時点を決めるように構成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の溶接良否判定装置。 - 溶接強度が許容され得るコンデンサ放電型溶接機の上限溶接電圧及び下限溶接電圧を、溶接条件に合わせて予め決めておき、
前記上限溶接電圧及び下限溶接電圧でコンデンサ放電型溶接機を動作させてスタッド溶接を行い、前記波形検出部で前記上限溶接電圧及び下限溶接電圧でスタッド溶接を行った時の波形を検出し、
前記検出した各波形に基づいて
第一基準時点、第二基準時点及び第三基準時点の各基準時点における第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域を決めるように
前記判定領域決定手段を構成した
ことを特徴とする請求項6に記載の溶接良否判定装置。 - 実際のスタッド溶接毎に良否判定を行い、各良否判定の結果をスタッドの溶接順番に関連付けして記憶するように構成されている
ことを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の溶接良否判定装置。 - 前記判定領域決定手段が、決定した第一判定領域、第二判定領域及び第三判定領域を、その溶接条件に関連付けして記憶する記憶手段を備えている
ことを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載の溶接良否判定装置。
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