JP4479368B2 - 接合方法およびその装置 - Google Patents

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Description

この発明は、金属材同士の接合方法およびその装置、特に、一方の金属材と他方の金属材の接合部分を僅かに重ね合わせておき、加圧・通電して接合を行う、所謂リングマッシュ接合の接合方法およびその装置に関する。
従来、金属材の接合方法として所謂マッシュシーム接合が知られている。この接合方法は、金属材の両端を重ね合わせて、その上でローラ状の電極で加圧して通電することで接合をなう方法である。マッシュとは「つぶす」、シームとは「合わせ目」を意味する。
この接合方法によると、突合せ接合と同様に板材の端面同士を溶接することができるが、一般的なマッシュシーム接合によると、一対のローラ電極を被接合部に沿って加圧、通電しながら走行させて接合を行うため、接合に時間がかかるといった問題があった。
そこで、下記特許文献1では、環状の接合部について一挙に接合が行える接合方法および装置が提案されている。
この特許文献1は、円形や角形状の穴部を有する第一接合材と、その穴部よりも僅かに大きい外形部を有する第二接合材とをマッシュ接合するにあたり、所定の重ね合せ代を設定した状態で、第一接合材の穴部と第二接合材の外形部を重ね合せ、両者の間に加圧力をかけて通電することで、瞬時に接合を行うものである。
この接合方法は、接合部の環状形状から所謂リングマッシュ接合と呼ばれる。このリングマッシュ接合によると、瞬時に接合が行われるため、接合時間、通電量を大幅に削減できるため、生産性を向上することができる。
特開2004−17048号公報
ところで、このリングマッシュ接合の接合を行うには、先程の重ね合せ代の幅が重要になる。すなわち、特許文献1にも記載されているが、重ね合せ代の幅が大きい場合は、熱歪みが大きくなり接合箇所の外観が悪化し、一方、重ね合せ代の幅が小さい場合は、充分な接合が行われないのである(特許文献1では、0.1〜0.7mmが望ましいとしている)。
そこで、接合作業の際には、この重ね合せ代の幅を如何に設定するかが問題となる。
この点、特許文献1には、具体的に記載されていないが、寸法を実際に計測し、この重ね合せ代の幅を設定することが考えられる。
しかし、量産性を考慮すると、重ね合せ代の幅を設定するために、製品の全数の寸法を計測し、しかも、0.1mm単位の細かい寸法を計測するのは、実際的ではなく、コストも増加してしまう。
また、ある一定間隔に一定数量の製品のみ寸法を計測して、製品寸法を擬制していくことも考えられるが、この場合には、必然的に適正値外の製品を生産してしまうことになる。
このとき、重ね合せ代の幅が大きい場合には、外観が悪化するため、作業者が目視で排除できるが、重ね合せ代の幅が小さい場合には、目視で排除することができないため、適正値外の接合不足の不良品を生産してしまうおそれが生じる。
そこで、この発明は、リングマッシュ接合で金属接合を行う接合方法、及び、その装置において、重ね合せ代の幅を量産性も考慮しつつ確実に確保して、確実に接合を行うことができる接合方法および、その装置を提供することを目的とする。
この発明の接合方法は、開口部を備えた環状の第一被溶接金属材に、該開口部より僅かに大きい外形部を備えた第二被溶接金属材を、所定の重ね合わせ代で位置合わせをし、両者を上下電極で加圧した状態で通電することで、接合部位である該開口部と該外形部を接合する接合方法であって、下部電極で、前記第一被溶接金属材と前記第二被溶接金属材の何れか一方の被溶接金属材の接合部位近傍の下面を受け、上部電極で、他方の被溶接金属材の接合部位近傍の上面を加圧した状態で接合電流を通電し、前記開口部に対して、前記外形部を押込むことで両者の接合を行うと共に、前記上部電極の加圧方向の変位量を検出して、所定の基準変位量であると判定をした場合には、接合品質を適正と判断し、前記所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定すると共に、前記設定値を、上部電極の加圧する他方の被溶接金属材が、ストッパ手段に当接する位置としたものである。
上記構成によれば、下部電極で一方の被溶接金属材の接合部位の下面を受け、かつ上部電極で他方の被溶接金属材の接合部位の上面を加圧した状態で通電接合するため、加圧接合時の両接合部位の相対変位が精度良く上部電極の変位量として反映され、上部電極で他方の被溶接金属材を、加圧、通電する際の変位量を検出し、その検出した変位量が所定の基準変位量であるか否かを判定し、所定の基準変位量であれば溶接品質を適正と判断することが可能となる。すなわち、重ね合せ代の幅と相関が高い上部電極の変位量を検出することで、重ね合せ代の幅を実際に計測することなく、接合品質を確保するのである。
このため、重ね合せ代の幅、すなわち、製品の全数の寸法を実際に計測することなく、接合を確実に行うことができる。
また、前記所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定した方法である。このように、所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定する。このため、所定の基準変位量を、上部電極の時間当たりの変位量という「傾き」の値で、装置に設定しておくことができ、この傾きの所定範囲内では、接合品質を適正と判断し、所定範囲外では、接合品質を不適と判断することができる。
さらに、前記設定値を、上部電極の加圧する他方の被溶接金属材が、ストッパ手段に当接する位置とした方法である。このように、他方の被溶接金属材がストッパ手段に当接する位置を、設定値とすることで、第一被溶接金属材と第二被溶接金属材との接合位置を、確実に規定して管理できるため、製品寸法の品質管理を確実に行うことができる。
この発明の一実施態様においては、前記ストッパ手段を、一方の被溶接金属材に形成した方法である。
上記構成によれば、ストッパ手段を、一方の被溶接金属材に形成したため、第一被溶接金属材と第二被溶接金属材との相対的な位置を確実に規定でき、製品寸法の管理をより確実に行うことができる。
この発明の接合装置は、開口部を備えた環状の第一被溶接金属材に、該開口部より僅かに大きい外形部を備えた第二被溶接金属材を、所定の重ね合わせ代で位置合わせをし、両者を上下電極で加圧した状態で通電することで、接合部位である該開口部と該外形部を接合する接合装置であって、前記第一被溶接金属材と前記第二被溶接金属材の何れか一方の被溶接金属材の接合部位近傍の下面を受ける下部電極と、他方の被溶接金属材の接合部位近傍の上面を加圧した状態で接合電流を通電する上部電極と、接合時の該上部電極の加圧方向の変位置を検出する変位量検出手段と、該変位量検出手段が検出した変位量を所定の基準変位量かの判定を行い、所定の基準変位量であると判定した場合には、接合品質を適正と判断する接合品質判定手段とを備え、前記所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定したものである。
上記構成によれば、下部電極で第一被溶接金属材と前記第二被溶接金属材の何れか一方の被溶接金属材の接合部位近傍の下面を受け、上部電極で他方の被溶接金属材の接合部位近傍の上面を加圧した状態で接合電流を通電して接合を行うため、加圧接合時の両接合部位の相対変位が上部電極の変位量として精度良く反映される。したがって、接合時に、変位量検出手段で上部電極の加圧方向の変位量を検出して、接合品質判定手段でその変位量が所定の基準変位量かの判定を行って接合品質の適否を判断することができる。
すなわち、重ね合せ代の幅と相関が高い上部電極の加圧方向の変位量を検出することで、重ね合せ代の幅を実際に計測することなく、接合品質を確保するのである。
このため、重ね合せ代の幅、すなわち、製品の全数の寸法を実際に計測する必要がなく、接合を確実に行うことができる。
しかも、前記所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定したものである。このように、所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで規定する。このため、所定の基準変位量を、上部電極の時間当たりの変位量という「傾き」の値で装置に設定しておくことができ、この傾きの所定範囲内では、接合品質を適正と判断し、所定範囲外では、接合品質を不適と判断することができる。
この発明によれば、上部電極で他方の被溶接金属材を、加圧、通電する際の変位量を検出し、その検出した加圧方向の変位量が所定の基準変位量であるか否かを判定し、所定の基準変位量であれば溶接品質を適正とすることになる。すなわち、重ね合せ代の幅と相関が高い上部電極の加圧方向の変位量を検出することで、重ね合せ代の幅を実際に計測することなく、接合品質を確保するのである。
このため、重ね合せ代の幅、すなわち、製品の全数の寸法を実際に計測する必要がなく、接合作業を行うことができる。
よって、リングマッシュ接合で金属接合を行う接合方法、及び、その装置において、重ね合せ代の幅を量産性も考慮しつつ確実に確保して、確実に接合を行うことができる効果がある。
また、前記所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定したので、所定の基準変位量を、上部電極の時間当たりの変位量という「傾き」の値で、装置に設定しておくことができ、この傾きの所定範囲内では、接合品質を適正と判断し、所定範囲外では、接合品質を不適と判断することができる効果がある。
この発明の実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は、本実施態様の接合装置の概略正面図である。
本実施態様の接合装置1は、所謂リングマッシュ接合を行う接合装置1であり、接合装置1を設置する設置台2上には、接合装置1前部で上下方向に延びる左右一対のフレーム体3と、接合装置1内部に設けた接合台4と、その接合台4上で左右方向に延びるスライドレール5と、スライドレール5上でそれぞれ左右に移動する二つの下部電極6,6と、その上方に設けられ上下方向に移動可能な上部電極7と、その上部電極7に対して加圧力を付与する加圧シリンダ8と、前記上部電極7に対して図示しない接合トランスからの電流を送電する配線ケーブル9と、上部電極7の変位量を計測する変位計測センサ10と、アップセット(上部電極7の押込み、以下同様)波形を判定するアップセット波形判定手段11と、接合装置1の操作を行う操作盤12と、図示しない中央制御手段とを有する。
この接合装置1は、左右れか一方の下部電極6に後述するワーク21、22をセットして、そのワーク21、22をセットした下部電極6を中央に移動させ、この中央の位置で上部電極7を降下させて、加圧し、かつ通電することで、所謂リングマッシュ接合を行うものである。
図2、図3は、本実施形態におけるリングマッシュ接合の接合状態を示した詳細断面図で、図2、図3を参照してリングマッシュ接合について説明する。
下部電極6および上部電極7を共に円筒形状の電極体で構成し、この電極6,7間で第二ワーク22(自動変速機部品である円筒状のスリーブ)と第一ワーク21(自動変速機部品である円筒状のクラッチハブ)を接合する。
なお、第二ワーク22は、その円形のフランジ部22a外周端を接合部位とし、第一ワーク21は、その外周端部に対応した開口部を有し、そのフランジ部21a内周端を接合部位としている。
このうち下部電極6でこれらワーク21,22の位置決めがなされる。すなわち、下部電極6の内周面に第二ワーク22の位置決めを行う位置決め部61を設け、外周面に第一ワーク21の粗位置決めを行う粗位置決め部62を設け、これら位置決め部61,62によって第二ワーク22と第一ワーク21の相対的な位置決めを行う。
この相対的な位置決めによって、第二ワーク22の径方向に延びるフランジ部22aの外周端と、第一ワーク21の径方向に延びるフランジ部21aの内周端とを、所定の重ね合せ代の幅Wを持って重合させる(図2参照)。また、第二ワーク22のフランジ部22aの下面は、下部電極6の上面で受けるように配置されている。
こうした状態において、上部電極7に押込み方向の圧力を加えることにより、第一ワーク21のフランジ部21aの上面に上部電極7の下面を押圧し、第二ワーク22のフランジ部22aの外周端と第一ワーク21のフランジ部21aの内周端には、圧入方向の力が作用する。
この圧入方向の力が作用した状態で、上部電極7から下部電極6に対して通電を行うと、第二ワーク22のフランジ部22a外周端と第一ワーク21のフランジ部21a内周端の間には溶融に近い軟化が生じ、両者の間では互いに新生面が露出して拡散接合が行われることになる。
このようにして接合された状態が図3に示した状態である。図3に示すようにリングマッシュ接合が行われると、第二ワーク22のフランジ部22a外周端が第一ワーク21のフランジ部21a内周端に嵌合した状態となって、両者の間で接合が行われることになる。
このように接合が行われると、第一ワーク21が下方に落ち込み、第一ワーク21のフランジ部21aが下部電極6のストッパ部6aに当接するため、接合部位には、電流がそれ以上流れることはなく、接合が終了する。なお、ストッパ部6aを設けたことにより、これ以下に降下が生じないため、第一ワーク21の接合位置を規定することができ、製品の寸法精度も高めることができる。
以上のようにして行われるリングマッシュ接合であるが、この際、前述の重ね合せ代の幅Wが、その接合品質に大きな影響を与える。すなわち、重ね合せ代の幅Wが大きい場合には、押込みを充分に行うことができず、一方、重ね合せ代の幅Wが少ないか、または、全くない場合には、圧入状態にならないため、共に充分な接合を行うことができず、適切な接合品質を得ることができないのである。
この重ね合せ代の幅Wを確実に設定するには、0.1mm単位の微細な計測を行う必要がある。しかし、量産性を考慮すると、重ね合せ代の幅Wを設定するために、製品の全数の寸法を計測し、しかも、0.1mm単位の細かい寸法を計測するのは、実際的ではなく、コストも増加してしまう。
そこで、本実施態様の接合装置1では、図4に示すフローチャートに示す接合工程で接合を行うことにより、この問題を解決している。
まず、前述のように、第二ワーク22と第一ワーク21を下部電極6にセットした状態で、S1で作業者が起動スイッチをONにすると、S2で加圧シリンダ8によって上部電極7が降下する。
次に、S3で一旦上部電極7が第一ワーク21に当接した状態で待機をした後、S4で上部電極7が加圧を開始する。このように待機期間を設けたことで、第一ワーク21に当接する際の上部電極の衝撃による電極のへたり、変形を抑えることができる。
次に、S5で上部電極7の変位があるかの判定を行う。この判定で、上部電極7の変位があると判定した場合には、S10に移行して設備に対してNG信号を出力することになる。このように、加圧した段階で変位が生じた場合には、重ね合せ代が無いか、殆ど無いことが推測されるため、当該ワークでは充分な接合ができないと判断して、NG信号を出力するのである。
一方、S5で変位がないと判定した場合には、S6に移行して通電を開始する。この通電によって、リングマッシュ接合が行われる。
次に、S7で通電開始から規定時間で上部電極7の変位が完了しているかを判定する。この判定で完了していないとの判断をした場合にも、S10に移行して設備に対してNG信号を出力することになる。このように、規定時間内に変位が完了していない場合には、重ね合せ代の幅Wが大き過ぎて、押込みが充分になされていないことが推測されるため、この場合も当該ワークでは充分な接合ができないと判断してNG信号を出力するのである。
次に、S8で通電開始から上部電極7の変位完了までの変位時間が規定値内かの判定を行う。この判定で規定値外であると判定した場合には、S10に移行して設備に対してNG信号を出力する。変位時間が規定値外である場合、例えば、極端に短い時間で変位が生じた場合には、重ね合せ代の幅Wが充分でなかったものと推測されるため、ワークの接合が不充分であると判断して、NG信号を出力するのである。
一方、変位時間が規定値内であるとの判定を行った場合には、S9に移行して設備に対してOK信号を出力する。この場合には、重ね合せ代の幅Wが適切に確保されていたものと推測されるため、ワークの接合が確実に行われたと判断して、OK信号を出力するのである。
以上の接合工程で、接合作業を行うことにより、本実施形態では、実際にワーク21,22の寸法を計測しなくても、接合品質を確保することができるため、量産性を高めることができる。
この接合工程における上部電極7の変位状態を、図5のグラフによりさらに詳しく説明する。
このグラフの縦軸は、上部電極7の変位量および電流値を示し、横軸は時間を示している。
上部電極7の変位ラインL1は、まず上部電極7降下では(S2に対応)、一定の傾斜角を持って降下し、第一ワーク21に当接した時点で一定期間待機して(S3)、水平状態となる。そして、上部電極7を所定の加圧力で加圧した状態で(S4)、所定時間経過後通電を開始することで(S6)、また所定の傾斜角をもって降下する。この降下によって押込みがなされ、接合が行われる(S9)。その後、ストッパ部6aに当接した位置で、水平状態で移行していくことになる。
以上の過程を経て適正な接合を行うことになるが、グラフ中の斜線のハッチングで示した所定範囲が、所定の時間内に所定の変位量となった場合に、接合を適正と判断する適正基準領域Hである。
すなわち、この適正基準領域H内で、上部電極7の変位が生じた場合に、接合品質を適正と判断し、その領域外で上部電極7の変位が生じた場合には、接合品質を不適と判断するのである(S8)。この適正基準領域は、上部電極7の時間当たりの変位量という「傾き」の値で、アップセット波形判定手段11のメモリ内に、予め設定しておくことで規定している。
なお、点線で示した変位ラインL2は前述のS5でNGと判断した場合であり、2点鎖線で示した変位ラインL3はS7でNGと判断した場合、さらに、破線で示した変位ラインL4は、S8でNGと判断した場合である。共に接合品質が不適なものであり、本実施形態では不良品して処理される。
もっとも、以上の変位ライン以外にも、上部電極7の加圧が行われる前段階で、変位が生じるような場合であっても、接合品質を不適と判断して不良品として処理してもよい。
次に、以上のように構成した本実施態様の作用及び効果について詳述する。
この実施態様による接合方法は、環状の開口部を備えた第一ワーク21に、該開口部より僅かに大きい外周端部を備えた第二ワーク22を、所定の重ね合せ代で位置合わせをし、両者21,22を上下電極6,7で加圧した状態で通電することで、接合部位である該開口部と該外周端部を接合する接合方法であって、下部電極6の上面で、前記第二ワーク22の接合部位近傍のフランジ部22aの下面を受け、上部電極7の下面で、第一ワーク21の接合部位近傍のフランジ部21a上面を加圧した状態で接合電流を通電し、前記開口部に対して、前記外周端部を押込むことで、両者の接合を行うと共に、前記上部電極7の加圧方向の変位状態を検出して、適正基準領域Hであると判定をした場合には、接合品質を適正と判断する方法である。
この構成によれば、下部電極6で第二ワーク22の接合部位近傍のフランジ部22a下面を受け、かつ上部電極7で第一ワーク21の接合部位近傍のフランジ部21a上面を加圧した状態で通電接合するため、加圧接合時の両接合部位の相対変位が上部電極7の変位量として精度良く反映され、上部電極7で第一ワーク21を、加圧、通電する際の変位状態を検出し、その検出した変位状態を適正基準領域Hであるか否かを判定し、適正基準領域Hであれば溶接品質を適正と判断することが可能となる。すなわち、重ね合せ代の幅Wと相関が高い上部電極7の変位状態を検出することで、重ね合せ代の幅Wを実際に計測することなく、接合品質を確保するのである。
このため、重ね合せ代の幅W、すなわち、製品の全数の寸法を実際に計測することなく、接合を確実に行うことができる。
よって、リングマッシュ接合で金属接合を行う接合方法において、重ね合せ代の幅Wを量産性も考慮しつつ確実に確保して、確実に接合を行うことができる。
また、この実施態様では、前記適正基準領域Hを、上部電極7の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定した方法である。
この構成によれば、適正基準領域Hを、上部電極7の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定する。このため、適正基準領域Hを、上部電極7の時間当たりの変位量という「傾き」の値で、予めアップセット波形判定手段11のメモリ内に設定しておくことができ、この傾きの所定範囲内では、接合品質を適正と判断し、所定範囲外では、接合品質を不適と判断することができる。
また、この実施態様では、前記設定値を、上部電極7の加圧する第二ワーク22が、ストッパ部6aに当接する位置とした方法である。
この構成によれば、第一ワーク21がストッパ部6aに当接する位置を、設定値とすることで、第一ワーク21と第二ワーク22との接合位置を、確実に規定して管理できるため、製品寸法の品質管理を確実に行うことができる。
また、この実施態様による接合装置1では、環状の開口部を備えた第一ワーク21に、該開口部より僅かに大きい外周端部を備えた第二ワーク22を、所定の重ね合わせ代で位置合わせをし、両者21,22を上下電極6,7で加圧した状態で通電することで、接合部位である該開口部と該外周端部を接合する接合装置1であって、前記第二ワーク22の接合部位近傍の下面を受ける下部電極6と、第一ワーク21の接合部位近傍の上面を加圧した状態で接合電流を通電する上部電極7と、接合時の該上部電極7の変化状態を検出する変位計測センサ10と、該変位計測センサ10が検出した変位状態を適正基準領域Hかの判定を行い、適正基準領域Hであると判定した場合には、接合品質を適正と判断するアップセット波形判定手段11とを備えるものである。
この構成によれば、下部電極6で第二ワーク22の接合部位近傍の下面を受け、上部電極7で第一ワーク21の接合部位近傍の上面を加圧した状態で接合電流を通電して接合を行うため、加圧接合時の両接合部位の相対変位が上部電極7の変位量として精度良く反映される。したがって、接合時に、変位計測センサ10で上部電極7の変位状態を検出して、アップセット波形判定手段11でその変位状態が適正基準領域Hかの判定を行って接合品質の適否を判断することができる。
すなわち、重ね合せ代の幅Wと相関が高い上部電極7の変位状態を検出することで、重ね合せ代の幅Wを実際に計測することなく、接合品質を確保するのである。
このため、重ね合せ代の幅W、すなわち、製品の全数の寸法を実際に計測する必要がなく、接合を確実に行うことができる。
よって、リングマッシュ接合で金属接合を行う接合装置1において、重ね合せ代の幅Wを、量産性も考慮しつつ確実に確保して、確実に接合を行うことができる。
また、この実施態様では、前記適正基準領域Hを、上部電極7の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定したものである。
この構成によれば、適正基準領域Hを、上部電極7の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで規定する。このため、適正基準領域Hを、上部電極7の時間当たりの変位量という「傾き」の値でアップセット波形判定手段11に設定しておくことができ、この傾きの所定範囲内では、接合品質を適正と判断し、所定範囲外では、接合品質を不適と判断することができる。
次に、他の実施形態について説明する。図6は、図4に対応する他の実施形態(実施例開示構成)の接合工程のフローチャートを示したものである。なお、その他の接合装置1等については、前述の実施態様と同様であり、また、このフローチャートについても先の実施態様と同じ工程については、同一符号を付して説明を省略する。
この実施態様(実施例開示構成)では、接合工程での判定方法が前述の実施態様と異なる。すなわちS7、S8の替わりに、S17で、通電開始から変位完了までの変位波形が基準波形モデルのエリア内にあるか、の判定を行い、接合品質の適否の判断を行うものである。
この基準波形モデルとは、例えば、接合するフランジ部分において面取り等がなされ、複数の段階の傾斜角を持って上部電極7が降下するような場合に対応するため、その基準となる「波形モデル」を、アップセット波形判定手段11のメモリ内に、予め設定しておくものである。
このような基準波形モデルで接合品質を判定することで、前述の実施態様よりも、より詳細に上部電極7の降下状態を判定することができる。このため、より高い接合品質を確保することができる。
なお、この基準波形モデルの傾斜ラインは、直線だけではなく曲線のものも含み、特に形状が限定させるものではない。
次に、この実施態様(実施例開示構成)の作用、効果について説明すると、この実施態様の接合方法は、前記適正基準領域Hの代わりに、上部電極7の変化状態モデルを「波形モデル」としてアップセット波形判定手段11のメモリ内に予め規定した方法である。
この構成によれば、「波形モデル」で、上部電極7の変化状態モデルを予め規定する。このため、上部電極7の基準変化状態を、変化状態モデルという「波形モデル」の値で装置に設定しておくことができ、この波形モデルの所定範囲内では、接合品質を適正と判断し、所定範囲外では、接合品質を不適と判断することができる。
その他の作用効果については、前述の実施態様と同様の作用効果を奏する。
次に、さらに他の実施態様について説明する。図7、図8は図2、図3に対応する本実施形態の詳細断面図である。なお、その他の接合装置1等については、前述の実施態様と同様であり、また、断面図についても同じ構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
この実施態様では、第二ワーク122の形状と下部電極6の形状が異なる。すなわち、第二ワーク122のフランジ部122aの外周端に、第一ワーク21のフランジ部21aの内周端を受けるストッパ受部122bを径方向に延して形成する一方、下部電極6の表面を平坦面6bに形成している。
このように、下部電極6ではなく第二ワーク122のフランジ部122aに形成したストッパ受部122bによって、第一ワーク21の押込み位置を規定するように構成したことで、第一ワーク21と第二ワーク122との相対的な位置関係も確実に規定することができる。
よって、前述の実施形態のワークよりも、製品寸法をより高めて接合することができるため、製品寸法の管理をより確実に行うことができる。
次に、この実施態様の作用、効果について説明すると、この実施態様の接合方法では、第一ワーク21の接合位置を規定するストッパ受部122bを、第二ワーク122に形成した方法である。
この構成によれば、ストッパ受部122bを、第二ワーク122に形成したので、第一ワーク121と第二ワーク22との相対的な位置を確実に規定でき、製品寸法の管理をより確実に行うことができる。
その他の作用効果については、前述の実施態様と同様の作用効果を奏する。
なお、以上の実施形態では、円形の開口部を有する場合のワークを前提に説明したが、本発明は、この円形の開口部のワークの接合に限定されるものではなく、例えば、四角形等の矩形状の開口部のワークにも適用できる。さらに、開口部に対して外形の一部を接合するようなリングマッシュ接合にも適用できる。
この発明の構成と、前述の実施態様との対応において、
この発明の第一被溶接金属材は、実施態様の第一ワーク21に対応し、
以下同様に、
第二被溶接金属材は、第二ワーク22、122に対応し
所定の基準変位量は、適正基準領域H等に対応するも、
この発明は、前述の実施態様の構成のみに限定されるものではなく、様々な接合方法および接合装置の実施態様を含むものである。
本実施態様の接合装置を示した全体正面図。 リングマッシュ接合の接合状態を示した詳細断面図。 リングマッシュ接合の接合状態を示した詳細断面図。 本実施態様の接合方法を示すフローチャート。 上部電極の変位状態を示すグラフ。 実施例開示構成の接合方法を示すフローチャート。 他の実施態様の接合状態を示した詳細断面図。 他の実施態様の接合状態を示した詳細断面図。
1…接合装置
6…下部電極
7…上部電極
10…変位計測センサ(変位量検出手段)
11…アップセット波形判定手段(接合品質判定手段)
21…第一ワーク(第一被溶接金属材)
22,122…第二ワーク(第二被溶接金属材)

Claims (3)

  1. 開口部を備えた環状の第一被溶接金属材に、該開口部より僅かに大きい外形部を備えた第二被溶接金属材を、所定の重ね合わせ代で位置合わせをし、両者を上下電極で加圧した状態で通電することで、接合部位である該開口部と該外形部を接合する接合方法であって、
    下部電極で、前記第一被溶接金属材と前記第二被溶接金属材の何れか一方の被溶接金属材の接合部位近傍の下面を受け、
    上部電極で、他方の被溶接金属材の接合部位近傍の上面を加圧した状態で接合電流を通電し、
    前記開口部に対して、前記外形部を押込むことで両者の接合を行うと共に、
    前記上部電極の加圧方向の変位量を検出して、所定の基準変位量であると判定をした場合には、接合品質を適正と判断し、
    前記所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定すると共に、
    前記設定値を、上部電極の加圧する他方の被溶接金属材が、ストッパ手段に当接する位置とした
    接合方法。
  2. 前記ストッパ手段を、一方の被溶接金属材に形成した
    請求項1記載の接合方法。
  3. 開口部を備えた環状の第一被溶接金属材に、該開口部より僅かに大きい外形部を備えた第二被溶接金属材を、所定の重ね合わせ代で位置合わせをし、両者を上下電極で加圧した状態で通電することで、接合部位である該開口部と該外形部を接合する接合装置であって、
    前記第一被溶接金属材と前記第二被溶接金属材の何れか一方の被溶接金属材の接合部位近傍の下面を受ける下部電極と、
    他方の被溶接金属材の接合部位近傍の上面を加圧した状態で接合電流を通電する上部電極と、
    接合時の該上部電極の加圧方向の変位量を検出する変位量検出手段と、
    該変位量検出手段が検出した変位量を所定の基準変位量かの判定を行い、所定の基準変位量であると判定した場合には、接合品質を適正と判断する接合品質判定手段とを備え、
    前記所定の基準変位量を、上部電極の変位量と、変位量が設定値に達するまでの接合時間とで予め規定した
    接合装置。
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