JP2005205421A - 溶接品質判定方法および溶接品質判定装置 - Google Patents

溶接品質判定方法および溶接品質判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 精度良く超音波溶接の品質の良否を判定できる超音波溶接の溶接品質判定方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも一部に凹部が形成されつつ該凹部において超音波溶接される二以上のワークの溶接部位の溶接品質を判定する溶接品質判定方法であって、前記凹部の深さおよび形状を、非接触または接触により測定する工程(ステップS1)と、前記凹部の深さおよび形状を評価パラメータとして溶接品質を判定する工程(ステップS2〜S8)と、を有することを特徴とする溶接品質判定方法。
【選択図】 図4

Description

本発明は、溶接品質判定方法および溶接品質判定装置に関し、特に、ワークを凹変形させつつ接合する超音波溶接の溶接品質判定方法および溶接品質判定装置に関する。
ワーク同士の接合手法の一つに、超音波溶接がある。超音波溶接では、作業台(アンビル)と超音波工具(ホーン)の間に、溶接対象であるワークを重ね合わせて配置し、超音波工具を超音波振動させる。これにより、ワークの接触部分が軟化、溶融され、接合される。
超音波溶接では、超音波工具からワークへ超音波振動が十分に伝達されない場合、接合強度が低下し、品質が不良となる。品質不良があっては、製品に適用できない。したがって、超音波溶接の良否の判定が必要である。
超音波溶接の良否の判定方法(1)としては、重ね合わされた2つのワークのうち、一方のワークに対する超音波工具の食込量と、他方のワークに対する作業台の食込量と、これらのワークの接合部の変形量と、を合計した変形量Lを測定するものがある(たとえば、特許文献1参照)。なお、超音波工具および作業台には、それぞれ、ワークに食込易いように、複数の細かいローレット(刻み)が形成されている。
この判定方法(1)では、ある時間の変形量Lが、基準値に対し小さい場合に、溶接品質が良好であると判定する。該方法(1)は、ワークが、超音波工具や作業台に形成されたローレットの高さよりも厚く、該ローレットの食込量がワークの表層に止まり、ワークの接合面に達しないような場合に適用できる。
また、他の超音波溶接の良否の判定方法(2)としては、遠赤外線の検出によってスポット測定が可能な放射温度計を用いて、ワーク間の接合部と作業台の温度を測定し、基準値と比較するものがある(たとえば、特許文献2)。
特開平11−10362号公報 特開2000−202644号公報
しかし、上記方法(1)では、超音波工具に上記ローレットよりも突出した複数の凸部を設け、ワークを該凸部により押圧して変形させつつ、超音波溶接するような場合には、判定の基準が逆転し、適切な良否が判定できないという問題がある。
また、上記方法(1)では、超音波工具および作業台のワークに対する食込量とワークの変形量との合計に基づいて良否を判定しているので、それらを個別に測定して評価できない。したがって、個別に見れば、明らかに溶接不良と判定できる場合でも、溶接不良と判定できないことがある。すなわち、精度良く判定できないという問題がある。
加えて、上記方法(1)では、超音波工具および作業台のローレットの食込量が溶接良品の判定の重要な要素である。しかし、ローレットの食込量は、繰り返し行われる超音波溶接によるローレット先端の磨耗により小さくなる。これでは、良好に溶接が行われていても、溶接不良と判定されてしまう。逆に、ローレットの食込量が小さいために、溶接不良が生じていても、溶接良好と判定される場合もある。これでは、精度良く判定できないという問題がある。
また、上記方法(2)では、超音波接合するワークがアルミや銅のように光沢のある金属の場合、接合時の光の放射率が非常に低く、また超音波溶接装置周辺の光の映りこみなどの影響を受け、測定した温度値がばらつき、溶接品質の良否を精度良く判定できないという問題がある。
また、熱電対を用いて温度を測定することも考えられるが、熱電対の接触ばらつきにより良否判定に影響が与えられ、製品にいちいち熱電対を設けるのでは煩雑に耐えないという問題もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、精度良く超音波溶接の品質の良否を判定できる超音波溶接の溶接品質判定方法および溶接品質判定装置を提供することを目的とする。
本発明の溶接品質判定方法は、少なくとも一部に凹部が形成されつつ該凹部において超音波溶接される二以上のワークの溶接部位の溶接品質を判定する溶接品質判定方法であって、前記凹部の深さおよび形状を、非接触または接触により測定する工程と、前記凹部の深さおよび形状を評価パラメータとして溶接品質を判定する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の溶接品質判定装置は、なくとも一部に凹部が形成されつつ該凹部において超音波溶接される二以上のワークの溶接部位の溶接品質を判定する溶接品質判定装置であって、前記凹部の深さおよび形状を、非接触または接触により測定する測定手段と、前記凹部の深さおよび形状を評価パラメータとして溶接品質を判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
本発明の溶接品質判定方法および溶接品質判定装置によれば、測定した凹部の深さおよび形状を評価パラメータとするので、凹部が形成されつつ超音波溶接されたワークを、非破壊で精度良く溶接品質の良否を判定できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、説明する。
図1は本発明の超音波溶接の良否判定装置の概略構成図である。図2は製品の溶接部を示す概略図であり、図2(A)は溶接不良時の溶接部を示し、図2(B)は溶接良好時の溶接部を示す。図3は、溶接良好時および溶接不良時の溶接部を示す図である。
良否判定装置10は、超音波溶接装置20により超音波溶接されてできた製品30の溶接部位の溶接品質を判定する装置である。超音波溶接装置20は、超音波工具21と、作業台22の間に溶接対象であるワークを重ね合わせて配置し、超音波工具21を超音波振動させる。これにより、ワークの接触部分が軟化、溶融され、接合され、製品30が形成される。
超音波工具21には、先端に複数の凸部23が形成されており、該凸部23をワークに押し付けることにより、ワークの少なくとも一部に凹部を形成する。本発明では、凹部が形成されつつ該凹部において超音波溶接されてできる製品30の溶接品質を判定することを特徴としている。
溶接品質の良否は、超音波溶接後の凹部の形状に表れる。溶接不良の場合の凹部の形状は、図2(A)に示すように、超音波工具21の凸部23の表面形状と略合致する凹部が形成される。凹部の底が、略平らになる。一方、溶接良好の場合の凹部の形状は、図2(B)に示すように、凹部の底が複雑な形状となる。超音波溶接が良好に行われると、ワークの軟化、溶融あるいは塑性流動が生じるからである。
実際に、溶接良品時の製品の表面形状と、溶接不良時の製品の表面形状とを計測すると、図3に示すような結果が得られた。図3を参照すると、溶接OKの場合の方が溶接NGの場合よりも凹部が深く、先細りに形成されている。これは、上述の通り、凹部の底が軟化、溶融あるいは塑性流動するからである。
本発明では、上記溶接良好時および不良時に形成される凹部の形状の違いに基づいて、溶接の良否を判定する。
良否判定装置10は、図1に示すように、レーザ変位センサ11と、変位センサアンプ12と、ステージコントローラ13と、データリンクコントローラ14と、超音波溶接良否判定部15と、良否判定表示部16とを有する。
レーザ変位センサ11は、ステージ20に載置された製品40の表面をレーザ走査して、製品40の表面形状を検出する。本実施形態では、レーザ走査の際には、図中矢印で示す方向にステージ20が移動され、固定されたレーザ変位センサ11により走査される。レーザ変位センサ11が、固定された製品40上を移動されてもよい。なお、本実施形態では、非接触式のレーザ変位センサを用いて製品40の表面形状を検出しているが、これに限定されない。接触式のセンサを用いてもよい。
変位センサアンプ12は、レーザ変位センサ11およびデータリンクコントローラ14に接続されている。変位センサアンプ12は、レーザ変位センサ11により検出した製品40の表面形状データを増幅して、データリンクコントローラ14に送信する。
ステージコントローラ13は、レーザ変位センサ11による製品40のレーザ走査に同期して、ステージ30を水平方向に移動する。これにより、レーザ変位センサ11が移動することなく、製品40の表面を走査できる。ステージコントローラ13は、ステージ30を移動させる際の位置データをデータリンクコントローラ14に送信する。
データリンクコントローラ14は、変位センサ12からの凹凸形状データおよびステージコントローラ13からの位置データを合成して、製品40の表面の凹凸形状と、その位置とを対応させた合成データを作成する。合成データは、超音波溶接良否判定部15に送信される。
超音波溶接良否判定部15は、超音波溶接の良否を判定して、判定結果を良否判定表示部16に表示させる。特に、超音波溶接良否判定部15は、製品表面の凹部の深さおよび形状を評価パラメータとして溶接品質を判定する。
超音波溶接良否判定部15は、さまざまな処理により、超音波溶接の良否を判定できる。以下では、超音波溶接良否判定部15の処理の態様ごとに、第1実施形態〜第3実施形態として、良否判定装置10の動作を説明する。
(第1実施形態)
図4は第1実施形態の良否判定装置10の動作の流れを示すフローチャート、図5は検出した製品の凹部形状を示す図、図6は図5に示す凹部形状を所定基準に修正した様子を示す図、図7は凹部の深さと確率密度分布の関係を示す図、図8は良否判定の基準を示す概念図である。
まず、レーザ変位センサ11により、製品40表面の凹部の深さおよび形状が測定される(ステップS1)。次に、超音波溶接良否判定部15は、データリンクコントローラ14を介して得た凹凸形状データおよび位置データの合成データに基づいて、凹部を挟む製品表面のピークポイント、すなわち、表面の凹凸の凸部となる頂点を、図5に示すように、選択する(ステップS2)。
そして、超音波溶接良否判定部15は、選択したピークポイントを結ぶ直線が、深さ0mmとなるように、測定された凹部形状を図6に示すように作成しなおす(ステップS3)。これにより、ステップS2で選択されたピークポイントが全て、深さ0mmの位置に移動される。
そして、超音波溶接良否判定部15は、図6に示す凹凸形状に基づいて、図7に示すように、深さに対する凹凸形状の確率密度分布を算出する(ステップS4)。ここでは、ある一定間隔、たとえば、深さ0.01mm間隔で、凹凸形状の表面の存在確率を算出する。図7では、深さを、最大深さ(図6参照)に対する深さ比率で表している。図7を参照すると、深さ比率0〜−20%、および深さ比率−80〜−100%で、確率密度分布が大きくなっていることがわかる。これは、凹凸形状の山の頂点または谷の底では、傾斜が緩やかになり、表面形状の存在確率が高いからである。
次に、超音波溶接良否判定部15は、図7に示す確率密度分布に基づいて、深さ比率−80〜−100%における確率密度値を抽出する(ステップS5)。ここで、深さ比率−80〜−100%の範囲に限ったのは、図3で示すように、溶接良好の場合と不良の場合とでは、特に製品40の底の深さおよび形状に差異が生じるからである。
そして、抽出した確率密度値が6%以下かどうかを判断する(ステップS6)。ここで、判断基準となる確率密度値6%とは、図8に示すように、溶接品質が良好なものと不良なものとを測定して得た基準確率密度分布に基づいて予め決定された基準値である。
図8に示すように、予め溶接品質が良好なものと不良なものとを測定して、深さ比率−80〜−100%における確率密度分布を比べると、溶接不良(溶接NG)の場合は、溶接良好(溶接OK)の場合よりも高いことがわかる。これは、図2で示したように、溶接不良の場合には、凹部の底が平らになり、ある深さに確率密度が集中するからである。これに対し、溶接良好の場合には、凹部の底が溶融等して先細り形状になり、溶接不良の場合ほど確率密度が集中しない。このような、予め実施した試験により、溶接良好品と溶接不良品との分ける基準値を予め6%と定めている。
超音波溶接良否判定部15は、抽出した確率密度値が6%以下である場合(ステップS6:YES)には、良品と判定し(ステップS7)、その結果を良否結果表示部16に表示させる。
一方、抽出した確率密度値が6%以下でない場合(ステップS6:NO)には、不良品と判定し(ステップS8)、その結果を良否結果表示部16に表示させる。
以上のように、第1実施形態では、検出した製品40の表面形状、特に凹部の深さおよび形状を評価パラメータとして、これらから確率密度分布を算出する。そして、確率密度分布に基づいて、溶接の良否を判定するので、非破壊で精度良く溶接品質の良否を判定できる。
なお、本実施形態では、溶接の良否を判定する基準値を6%としているが、これに限定されない。超音波溶接装置20の超音波工具21に形成される凸部23の形状等が変わると、良品と不良品との確率密度分布も変わるので、適宜基準値は変更される。
(第2実施形態)
第1実施形態では、確率密度分布を算出し、これに基づいて溶接の良否を判定していた。第2実施形態では、製品40表面の凹部の深さおよび形状に基づいて、累積確率密度分布を算出し、これに基づいて溶接の良否を判定する。
以下、第2実施形態における良否判定について説明する。
図9は凹部の深さと累積確率密度分布の関係を示す図、図10は深さ0.3mmにおける良品と不良品の累積確率密度分布を示す図、図11は第2実施形態の良否判定装置10の動作の流れを示すフローチャートである。また、図12は累積確率密度値が90%となる良品と不良品の深さを示す図、図13は第2実施形態の良否判定装置10の動作の流れを示すフローチャートである。
第1実施形態と同様に、図6に示すように、ピークポイントを結ぶ直線を深さ0mmにそろえる。そして、第2実施形態では、確率密度分布ではなく、図9に示すような累積確率密度分布を作成する。累積確率密度分布とは、深さ方向に一定間隔、たとえば0.01mmごとに確率密度分布を求め、これを深さの進行に従って累積した累積値を示す分布である。
第2実施形態では、上記累積確率密度分布を用いて、所定の深さにおける累積確率密度値に基づき溶接良否を判定する適用例1と、所定の累積確率密度値における深さに基づき溶接良否を判定する適用例2とに分けて説明する。
(適用例1)
予め良品と不良品との表面形状を測定して累積確率密度分布を算出すると、図9に示すようになった。図9および図10に示すように、溶接不良が生じた不良品は深さ−0.3mmにおいて、累積確率密度値が100%になっている。一方で、溶接良好の良品は深さ−0.3mmにおいて、累積確率密度値が80%程度である。このように、同様の深さにおける良品と不良品の累積確率密度値はそれぞれ異なる。
特に、不良品の累積確率密度値が100%になる深さでは、良品と不良品の累積確率密度値の差が最も大きくなる。これは、溶接不良の製品40の凹部の深さは、超音波工具21の凸部23の高さ分しかないが、溶接良好の製品40の凹部の深さは、溶融等により凸部23の高さ分よりも深くなるからである。
したがって、ある特定の深さ、たとえば、不良品の累積確率密度値が100%になる深さ−0.3mmにおける累積確率密度値を基準として、溶接の良否を判定できる。ここで、良否の判定のための基準値は、図9および図10の累積確立密度分布を勘案して決定される。たとえば、図10に示すように、深さ−0.3mmにおける累積確率密度値が、不良品の場合に100%で、良品の場合に80%であれば、その中間である、90%を基準値と決定し、基準値以下で溶接良好と判定し、基準値より大きい場合に溶接不良と判定できる。
図11に示すフローチャートに従って、溶接良否を判定できる。なお、ステップS11〜ステップS13は、図4のステップS1〜ステップS3と同様である。したがって、その説明は省略する。
超音波溶接良否判定部15は、図6に示すような製品40の表面形状のモデルに基づいて、深さ方向に対する凹部形状の累積確率密度分布を算出する(ステップS14)。そして、該累積確立密度分布に基づいて、深さ−0.3mmにおける累積確率密度値を抽出する(ステップS15)。
抽出した累積確率密度値が90%以下かどうかを判断する(ステップS16)。超音波溶接良否判定部15は、抽出した累積確率密度値が90%以下である場合(ステップS16:YES)には、良品と判定し(ステップS17)、その結果を良否結果表示部16に表示させる。
一方、抽出した累積確率密度値が90%以下でない場合(ステップS16:NO)には、不良品と判定し(ステップS18)、その結果を良否結果表示部16に表示させる。
(適用例2)
予め良品と不良品との表面形状を測定して累積確率密度分布を算出すると、図9に示すようになった。図9に示す通り、同一の累積確率密度値となる良品と不良品の深さはそれぞれ異なる。累積確率密度値90%のときに、良品と不良品の深さの差が最も大きい。累積確率密度値90%のときの深さを求めると、図12に示すように、良品の深さは−0.35mmで、不良品の深さは−0.26mmだった。
このような結果に基づいて、ある特定の累積確率密度値、たとえば、累積確率密度値が90%となる深さを基準として、溶接の良否を判定できる。ここで、良否の判定のための基準値は、図9および図12を勘案して決定される。図12に示すように、累積確率密度値が90%となる深さが、良品の場合に−0.35mm、不良品の場合に−0.26mmであれば、その中間である−0.305mmを基準値と決定し、基準値以下で溶接良好とし、基準値より大きい場合に溶接不良と判定できる。
図13に示すフローチャートに従って、溶接良否を判定できる。なお、ステップS21〜ステップS23は、図4のステップS1〜ステップS3と同様である。したがって、その説明は省略する。
超音波溶接良否判定部15は、図6に示すような製品40の表面形状のモデルに基づいて、深さ方向に対する凹部形状の累積確率密度分布を算出する(ステップS24)。そして、該累積確立密度分布に基づいて、累積確率密度値が90%となるときの深さを抽出する(ステップS25)。
抽出した深さが−0.305mm以下かどうかを判断する(ステップS26)。超音波溶接良否判定部15は、抽出した累積確率密度値が−0.305mm以下である場合(ステップS16:YES)には、良品と判定し(ステップS27)、その結果を良否結果表示部16に表示させる。
一方、抽出した累積確率密度値が−0.305mm以下でない場合(ステップS26:NO)には、不良品と判定し(ステップS28)、その結果を良否結果表示部16に表示させる。
以上のように、第2実施形態では、検出した製品40の表面形状、特に凹部の深さおよび形状を評価パラメータとして、これらから累積確率密度分布を算出する。そして、累積確率密度分布に基づいて、溶接の良否を判定するので、非破壊で精度良く溶接品質の良否を判定できる。
(第3実施形態)
図14は凹部の深さの平均値を算出する際の各凹部の深さを示す図、図15は複数の製品について算出した深さ平均値の絶対値を示す図である。図16は第3実施形態の良否判定装置10の動作の流れを示すフローチャートである。
第3実施形態では、上記第1、第2実施形態における良否判定の前に、予備的な良否判定を行う。該予備的な要否判定は、超音波溶接時に製品40に形成される複数の凹部の平均深さの絶対値を所定の深さ基準値と比較し、これより大きい場合に、第1実施形態または第2実施形態の良否判定を行う。
このような予備的な良否判定をできる理由は、次の通りである。超音波溶接時に製品40に形成される複数の凹部の深さの平均値の絶対値は、溶接不良が生じてワーク同士の剥がれが生じている場合の方が、剥がれが生じない場合よりも小さくなるからである。
たとえば、図14に示すような、製品40の表面形状が検出された場合、凹部形状の凹凸のピークデータを求め、隣り合うピークデータの位置が高い方から低い方を減算することによって、各凹部の深さを算出できる。算出した各凹部の深さを次の式1に当てはめることで、深さの平均値を算出できる。
深さの平均値=(h1+h2+h3+ … +H18)÷18 …(式1)
このようにして、良品と不良品を8個ずつ凹部の深さを計測し、平均値の絶対値を求めると、図15および次の表1のような結果が得られた。不良品の中には、凹部において、ワーク同士の剥がれが生じているもの(表1のNGグループ1、5)もあった。
Figure 2005205421
通常、溶接不良があっても、深さの平均値の絶対値は、超音波工具21の凸部23の高さ(本実施形態では0.3mm)よりも小さくはならない。図15および表1を参照すると、深さの平均値の絶対値は、良品、不良品のほとんどが、0.3mm以上である。しかし、剥がれが生じているNGグループ1、5だけは、いずれも深さの平均の絶対値が0.3mm以下であり、剥がれのない不良品よりもさらに絶対値が小さかった。
したがって、超音波工具21の凸部23の高さを深さ基準値として、該基準値よりも平均深さの絶対値が小さいものは、第1実施形態または第2実施形態の良否判定をするまでもなく、不良品と判定できる。
次に、予備的な良否判定を行う場合の良否判定装置10の動作の流れを説明する。
ステップS31は、図4のステップS1と同様である。超音波溶接良否判定部15は、データリンクコントローラ14を介して得た凹凸形状データおよび位置データの合成データに基づいて、凹部を挟む製品表面のピークポイント、ここでは、表面の凹凸の両方の頂点を、図14に示すように選択する(ステップS32)。そして、上記式1に従って、深さの平均値を算出し(ステップS33)、その絶対値が0.3mm以上かどうかを判定する(ステップS34)。
深さ平均値の絶対値が0.3mm以上でない場合(ステップS34:NO)、超音波溶接良否判定部15は、不良品と判定し(ステップS35)、その結果を良否結果表示部16に表示させる。
深さ平均値の絶対値が深さ基準値0.3mm以上である場合(ステップS34:YES)、超音波溶接良否判定部15は、上記第1実施形態および第2実施形態の良否判定に進み、より詳細な良否判定を実行する(ステップS36)。
なお、上記第3実施形態では、深さ基準値0.3mmの場合について説明したが、これに限定されない。超音波工具21の凸部23の高さに合わせて、適宜深さ基準値は変更される。
本発明の超音波溶接の良否判定装置の概略構成図である。 製品の溶接部を示す概略図であり、図2(A)は溶接不良時の溶接部を示し、図2(B)は溶接良好時の溶接部を示す。 溶接良好時および溶接不良時の溶接部を示す図である。 第1実施形態の良否判定装置の動作の流れを示すフローチャートである。 検出した製品の凹部形状を示す図である。 図5に示す凹部形状を所定基準に修正した様子を示す図である。 凹部の深さと確率密度分布の関係を示す図である。 良否判定の基準を示す概念図である。 凹部の深さと累積確率密度分布の関係を示す図である。 深さ0.3mmにおける良品と不良品の累積確率密度分布を示す図である。 第2実施形態の良否判定装置10の動作の流れを示すフローチャートである。 累積確率密度値が90%となる良品と不良品の深さを示す図である。 第2実施形態の良否判定装置の動作の流れを示すフローチャートである。 凹部の深さの平均値を算出する際の各凹部の深さを示す図である。 凹複数の製品について算出した深さ平均値の絶対値を示す図である。 第3実施形態の良否判定装置の動作の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10…良否判定装置、
11…レーザ変位センサ、
12…変位センサアンプ、
13…ステージコントローラ、
14…データリンクコントローラ、
15…超音波溶接良否判定部、
16…良否判定表示部、
20…超音波溶接装置、
21…超音波工具、
22…作業台、
23…凸部、
30…製品。

Claims (10)

  1. 少なくとも一部に凹部が形成されつつ該凹部において超音波溶接される二以上のワークの溶接部位の溶接品質を判定する溶接品質判定方法であって、
    前記凹部の深さおよび形状を、非接触または接触により測定する工程と、
    前記凹部の深さおよび形状を評価パラメータとして溶接品質を判定する工程と、
    を有することを特徴とする溶接品質判定方法。
  2. 前記溶接品質を判定する工程では、
    実際の前記凹部の深さ方向に対する前記形状の確率密度分布を算出し、溶接品質が良好なものと不良なものとを測定して得た基準確率密度分布に基づいて予め決定された基準値と比較して、溶接品質の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載の溶接品質判定方法。
  3. 前記溶接品質を判定する工程では、
    前記確率密度分布の所定の深さ範囲内の確率密度の最大値を、前記基準確率密度分布の所定の深さ範囲内の確率密度の最大値として得られた前記基準値と比較して、溶接品質の良否を判定することを特徴とする請求項2に記載の溶接品質判定方法。
  4. 前記所定の深さ範囲とは、最大深さの80〜100%の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の溶接品質判定方法。
  5. 前記溶接品質を判定する工程では、
    実際の前記凹部の深さ方向に対する前記形状の累積確率密度分布を算出し、溶接品質が良好なものと不良なものとを測定して得た基準累積確率密度分布に基づいて予め決定された基準値と比較して、溶接品質の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載の溶接品質判定方法。
  6. 前記溶接品質を判定する工程では、
    前記累積確率密度分布の所定の深さにおける累積確率密度値と、前記基準累積確率密度分布の前記所定の深さにおける累積確率密度値に基づいて得られる前記基準値と比較して、溶接品質の良否を判定することを特徴とする請求項5に記載の溶接品質判定方法。
  7. 前記溶接品質を判定する工程では、
    前記累積確率密度分布の所定の累積確率密度における深さと、前記基準累積確率密度分布の所定の累積確率密度における深さに基づいて得られる前記基準値と比較して、溶接品質の良否を判定することを特徴とする請求項5に記載の溶接品質判定方法。
  8. 前記溶接品質を判定する工程は、
    超音波溶接の際に形成される複数の凹部の深さの平均値を、溶接品質が良好なものの複数の凹部の深さを測定して予め定められた深さ基準値と比較して、前記平均値が前記深さ基準値以下の場合に、溶接不良と判定する工程を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の溶接品質判定方法。
  9. 少なくとも一部に凹部が形成されつつ該凹部において超音波溶接される二以上のワークの溶接部位の溶接品質を判定する溶接品質判定装置であって、
    前記凹部の深さおよび形状を、非接触または接触により測定する測定手段と、
    前記凹部の深さおよび形状を評価パラメータとして溶接品質を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする溶接品質判定装置。
  10. 前記判定手段は、
    超音波溶接の際に形成される複数の凹部の深さの平均値を、予め溶接品質が良好なものの複数の凹部の深さを測定して定められた深さ基準値と比較して、前記平均値が前記基準値以下の場合に、溶接不良と判定し、さらに、
    実際の前記凹部の深さ方向に対する前記形状の確率密度分布を算出し、溶接品質が良好なものと不良なものとを測定して得た基準確率密度分布に基づいて予め決定された基準値と比較して、溶接品質の良否を判定することを特徴とする請求項9に記載の溶接品質判定装置。
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