JP5358222B2 - エアフィルタ梱包体およびエアフィルタの梱包方法 - Google Patents
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特に、一般梱包袋から発するBHTなどは、梱包した間にエアフィルタに移り、クリーンルームなどに設置した後、エアフィルタから再放出され、およそ数週間〜数ヶ月に渡って下流側を汚染させる。これが、半導体製造工程の不良率を高くする原因と指摘されてきた。
そこで、本発明は、吸着材と脱気梱包を利用してフィルタのガス汚染などを防げるエアフィルタ梱包体およびエアフィルタの梱包方法を提供することを目的とする。
本発明のエアフィルタ梱包体とエアフィルタの梱包方法は、かかる知見に基づきなされたもので、本発明のエアフィルタ梱包体は、請求項1記載の通り、エアフィルタを梱包袋に収納したエアフィルタ梱包体において、前記エアフィルタの前後面と梱包袋の間にそれぞれガス吸着材を挿入したことを特徴とする。
また、請求項2記載のエアフィルタ梱包体は、請求項1記載のエアフィルタ梱包体において、前記ガス吸着材は、通気性シートで粒状吸着剤を挟持した板状ろ材を通気性袋体に収容してなるガス状汚染物質除去シートであることを特徴とする。
また、請求項3記載のエアフィルタ梱包体は、請求項2記載のエアフィルタ梱包体において、前記通気性袋体は、多孔膜を重ねてヒートシールして区画壁を形成したものであることを特徴とする。
また、請求項4記載のエアフィルタ梱包体は、請求項1乃至3の何れかに記載のエアフィルタ梱包体において、前記梱包袋は、ヒートシールが可能な合成樹脂フィルムからなることを特徴とする。
また、本発明のエアフィルタの梱包方法は、請求項5に記載の通り、エアフィルタの前後面と梱包袋の間にそれぞれガス吸着材を挿入してエアフィルタ梱包体とし、前記梱包体を脱気梱包したことを特徴とする。
特に、前記吸着材を、通気性シートで粒状吸着剤を挟持した板状ろ材を通気性袋体に収容してなるガス状汚染物質除去シートとして構成した場合は、厚さ寸法を比較的均一に保つことができる。
また、前記通気性袋体を、多孔膜を重ねてヒートシールして区画壁を形成した場合は、複数種類の吸着剤を収容することができる。
また、前記梱包袋を、ヒートシールが可能な合成樹脂フィルムとした場合は、密封梱包が簡単に行え、特に、脱気した状態での密封梱包が簡単、且つ、確実に行なえる。
また、本発明のエアフィルタの梱包方法によれば、エアフィルタの前後面と梱包袋の間にガス吸着材を挿入してエアフィルタ梱包体とし、前記梱包体を脱気梱包するようにしたため、フィルタ製品の発ガス量を極めて軽減することが可能であり、エアフィルタによる半導体製造工程等におけるガス汚染を防ぐことができる。
本発明のエアフィルタ梱包体は、エアフィルタ、ガス吸着材、梱包袋から構成される。
前記板状ろ材を構成するには、有機ガス除去用粒状活性炭、酸性ガス除去用イオン交換体、アルカリガス除去用イオン交換体等の粒状吸着剤を、通気性シートで挟持し、前記球状吸着剤の固定に使用した、粉末状ホットメルト樹脂や熱融着繊維等によって、前記シートを固定して、発生するガス量、ガス種等合わせて適切な大きさに裁断形成すればよい。
前記通気性シートを袋体にする方法は特に制限はなく、2枚のシートを重ね合わせ、周囲をシールしてもよく、或いは、1枚のシートを折り返して重ね合わせたものの周囲をシールするようにしてもよい。
前記通気性袋体は、例えば、ヒートシールによって、区画壁で仕切られた複数の区画室を備えるようにしてもよい。このように区画室を設けることにより、有機ガス用、酸性ガス用、アルカリ性ガス用の三種の板状ろ材から適宜選択して収容させることができる。
(エアフィルタ)
ULPAろ材をプリーツ形にしてアルミニウム製の枠内に挿入し、高性能ULPAフィルタ(巾150mm、高さ150mm、奥行35mm)10を作製した。
(ガス状汚染物質除去シート)
活性炭からなる粒状吸着剤を有機繊維製不織布からなる通気性シートで挟持して、粉末状ホットメルト樹脂で通気性シートと粒状吸着剤、通気性シート同士を固定して目付500〜1000g/m2の吸着ろ材を用意した。次に、この吸着ろ材を、縦90mm×横90mm×厚み1.2mmの大きさに裁断して板状ろ材1を得た。
このようにして得られた板状ろ材1を、ULPA用ろ材(PTFE膜)からなる袋体2に収容した。尚、この袋体2は、粗面を内側にして2枚のULPA用ろ材2a,2aを重ね合わせ、その周囲の一辺を残し三辺をヒートシールし、この一辺に形成された開口2bを介して前記板状ろ材1を袋体2内に収容させ、その後、前記開口2bもヒートシールしてガス状汚染物質除去シート3を作成した。
図3の通り、前記の高性能エアフィルタ10の前後面にガス状汚染物質除去シート3,3を挿入してポリエチレン袋(200mm×300mm)11で梱包し、ポリエチレン袋折返部11aの口を介して図略のオート脱気シーラの脱気ノズル20で脱気して、その後、ヒートシールしてポリエチレン袋11にヒートシール部11bを設けてエアフィルタ梱包体30とし、50日間保管した。
前記のエアフィルタの前後面にガス状汚染物質除去シートを挿入してポリエチレン袋(200mm×300mm)で梱包し、その後、脱気することなく、ポリエチレン袋の口をヒートシールしたものを50日間保管した。
前記のエアフィルタの前後面にガス状汚染物質除去シートを挿入してポリエチレン袋(200mm×300mm)で梱包し、ポリエチレン袋の口をシールせずにテープで止めたものを50日間保管した。
前記のエアフィルタを挿入してポリエチレン袋(200mm×300mm)で梱包し、ポリエチレン袋の口をオート脱気シーラ(富士インパルス製V301)で脱気ヒートシールしたものを50日間保管した。
前記のエアフィルタを挿入してポリエチレン袋(200mm×300mm)で梱包し、その後、脱気することなく、ポリエチレン袋の口をヒートシールしたものを50日間保管した。
各梱包方法が異なるフィルタを50日間保管した後、フィルタから60mm×30mmの大きさでろ材サンプルを切り出して、ダイナミックヘッドスペース及びGC−MSにより発ガス量を測定した。測定方法は、サンプルをチャンバーに入れ、Heガスを200ml/minで流通させ、TENAX−GR管に捕集し、GC−MSで分析した。この時、サンプリング時間は60分、サンプリング温度は80℃にした。
表1で各梱包方法によるろ材の発ガス量を示した。
2 袋体
2a ULPA用ろ材
2b 開口
3 ガス状汚染物質除去シート
10 高性能ULPAフィルタ
11 ポリエチレン袋
11a ポリエチレン袋折返部
11b ヒートシール部
20 脱気ノズル
Claims (5)
- エアフィルタを梱包袋に収納したエアフィルタ梱包体において、
前記エアフィルタの前後面と梱包袋の間にそれぞれガス吸着材を挿入したことを特徴とするエアフィルタ梱包体。 - 前記ガス吸着材は、通気性シートで粒状吸着剤を挟持した板状ろ材を通気性袋体に収容してなるガス状汚染物質除去シートであることを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ梱包体。
- 前記通気性袋体は、多孔膜を重ねてヒートシールして区画壁を形成したものであることを特徴とする請求項2記載のエアフィルタ梱包体。
- 前記梱包袋は、ヒートシールが可能な合成樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエアフィルタ梱包体。
- エアフィルタの前後面と梱包袋の間にそれぞれガス吸着材を挿入してエアフィルタ梱包体とし、前記梱包体を脱気梱包したことを特徴とするエアフィルタの梱包方法。
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