JP5357695B2 - 石英ガラスルツボ製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン単結晶等の製造に用いられる石英ガラスルツボを製造する石英ガラスルツボ製造装置に関する。
シリコン単結晶の代表的な製造方法の1つとしてチョクラルスキー法(CZ法)が挙げられる。このチョクラルスキー法は、石英ガラスルツボに収容された多結晶シリコンをヒータで加熱してシリコン融液とし、種結晶となる高純度単結晶シリコンを浸して引き上げながら成長させることでシリコン単結晶を製造する方法である。シリコン単結晶を製造する際に不純物が含有された石英ガラスルツボを使用すると、その不純物が混入されたシリコン単結晶が製造されてしまう。これを避けるため、シリコン単結晶の製造には不純物の極めて少ない石英ガラスルツボが用いられる。
シリコン単結晶の製造等に用いられる石英ガラスルツボは、高純度の石英粉末を加熱溶融して石英ガラス化することによって製造される。以下の特許文献1には、ルツボ形状に成形した原料石英粉をn相交流n電極アーク放電(ただし、n≧3)によって溶融し、溶融した原料石英を減圧条件で保持することによって、不透明石英ガラス層の内側に透明石英ガラス層が形成された石英ガラスルツボを製造する方法が開示されている。
特開平11−236233号公報
ところで、上記の特許文献1等に開示された技術においては、アーク放電を得るために、商用電力系統から供給される電力をアーク放電が得られる電力にする電源装置が必要になる。しかしながら、電源装置に供給される商用電力系統の電圧は変動する(例えば、±10%程度の変動する)ことがあるため、アーク放電を生じさせる電極に供給される電力も変動が生じてしまう。この結果として、原料石英粉の溶融状態が安定せず、厚みが均一で気泡の含有率が著しく低い透明石英ガラス層を有する高品質な石英ガラスルツボを安定して製造することが困難であるという問題があった。
また、特許文献1等に開示された技術においては、カーボンモールドと電極との距離、特に、電極の高さ位置を変化させて加熱している。ここでは、電極高さ(位置)変化により、局所加熱、すなわちモールド内面において原料石英の加熱状態を面内で所望の分布状態として、製造した石英ガラスルツボの内面特性を所望の状態とするように制御をおこなっている。
さらに、このような面内加熱分布制御に加えて、石英ガラスルツボ製造における重量制御のために、総加熱量制御(トータルでの入熱量制御)をおこなうことが必要である。これは、総加熱量は供給電力量の時間積分で概数が与えられるが、モールドと電極との距離(位置)変化は、原料粉末への入熱量の変化に対する影響が非常に大きいと考えられるからである。
回転モールド法によるルツボ製造においては、総加熱量が変化すると、モールド内面に積層された原料粉のうち、溶融する原料粉の量が原料粉積層体の厚み方向(ルツボ側壁部分ではモールド径方向、ルツボ底部では上下方向に対応するルツボ厚さ方向)において変化する。つまり、アーク溶融工程において、原料粉成形体はモールド内面の全面に対応する全表面が溶融するとともに、アーク溶融工程による加熱が終了した時点で溶融して一体化した溶融ガラス層の外側(モールド側)には未溶融の原料粉末の層が1mm程度(0.3〜1.5〜2mm)残っているが、ルツボ厚さ方向におけるこれら溶融ガラス層と未溶融層との厚さ寸法が変化する。このとき、溶融する面積が変わらないので結果的にルツボ厚さ寸法が変化し、製造されるルツボ重量が変動することになる。
このため、モールド面内における加熱状態分布制御のために電極位置制御をおこなった場合、総加熱量が変化してしまい、この加熱量にほぼ比例する溶融量によって影響されるルツボ重量が変動する可能性があるからである。この結果、ルツボ内表面特性を制御しようとすると、ルツボ重量が変化する場合がある。このようなルツボ重量変動の低減、つまり、総加熱量を所定の状態に制御するために、アーク加熱中での供給電力量を変化させることが考えられる。
しかし、石英ガラスルツボ製造では1000A〜3000A程度といった極めて大きな電流(電力)を供給して加熱するため、この供給電力量変化により電極間でのローレンツ振動発生など加熱状態に極めて大きな影響を与える変動が発生する可能性があり、このような悪影響の発生を防止してアーク加熱中での供給電力量の変化による加熱状態の状態変化制御をおこなうことは困難であった。このため、内面状態を所望の状態に制御し、同時に、所定の範囲に重量ばらつきの収まった状態でルツボ製造をおこないたいという要求が存在した。
特に、ルツボ口径が60cm以上の大口径ルツボを製造する場合、面内特性分布を考慮する面積が大きいため、ルツボ内面状態を所望の状態にするために電極高さ位置制御をおこなった際、結果的に総加熱量の変動による石英ガラスルツボ重量のバラツキが大きくなり、それよりも小口径のルツボとは比べものにならない程度の範囲で重量ばらつき発生の可能性があるという問題があった。
ここで、本発明において述べる、石英ガラスルツボの内表面特性とは、石英ガラスルツボで引き上げた半導体単結晶の特性に影響を与える全ての要因を意味し、特に、引き上げ時に単結晶原料となるシリコン融液と接しているかまたは引き上げ中における溶損によってシリコン融液と接する範囲であるルツボ内面側の特性、および、長時間加熱状態とされるルツボ強度に影響を与えるルツボの特性を含むものである。具体的には、石英ガラスルツボの内表面特性とは、ルツボの厚さ方向およびルツボ内表面に沿った方向における分布状態(均一性、不均一性)としての気泡密度、気泡の大きさ、不純物濃度、ルツボ内表面形状としての表面凹凸、ガラス化状態、OH基の含有量、シリコン融液濡れ性などを対象とするものである。また、石英ガラスルツボの内表面特性とは、ルツボの厚さ方向における気泡分布及び気泡の大きさ分布、ルツボ内表面付近における不純物の分布、表面の凹凸の他、ガラス化状態、OH基の含有量、及び、これらのルツボ高さ方向における不均一などの分布状態等、石英ガラスルツボで引き上げた半導体単結晶の特性に影響を与える要因を意味することもできる。
さらにまた、電極高さ位置制御と入熱量制御とを同時におこなう場合、供給電力(電流)制御のスイッチング応答時間が10−5〜10−6秒程度であることが必要であるが、石英ガラスルツボ製造装置における大電流制御においては、このような状態は実現されていなかった。
同時に、大電流用の装置として必要な制御性と耐久性とを両立して満たす手段はこれまで知られていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、アーク放電による熱の発生を安定させることにより、重量ばらつきの発生を低減し、内面特性が良質で、高品質な石英ガラスルツボを安定して製造することができる石英ガラスルツボ製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、石英ガラスルツボの形状を規定するモールド(11)と、当該モールドに積層された石英粉を溶融させるためのアーク放電を生じさせる電極(12a〜12c)とを備える石英ガラスルツボ製造装置(1)において、前記電極に対する電力の供給経路に設けられてリアクタンスが可変である可飽和リアクトル(21、31)と、当該可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させて前記電極に供給される電力の制御を行う制御装置(29、35)と有する電源装置(15)を備えることを特徴としている。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置から出力される電流及び電圧の少なくとも一方を検出する検出器(26)を備えており、前記制御装置が、前記検出器の検出結果に基づいて、前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させることを特徴としている。
ここで、前記制御装置は、前記検出器の検出結果を参照しつつ、前記電源装置から出力される電力あるいは電流の経時変化が前記石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき電力あるいは電流の経時変化に沿うように前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させることが望ましい。
或いは、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記アーク放電によって溶融される前記石英粉の温度を検出する温度検出器(14)を備えており、前記制御装置が、前記温度検出器の検出結果に基づいて、前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させることを特徴としている。
ここで、前記制御装置は、前記温度検出器の検出結果を参照しつつ、前記アーク放電によって溶融される前記石英粉の温度の経時変化が前記石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき温度の経時変化に沿うように前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させることが望ましい。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置が、一次巻線側に入力される電圧を降圧して二次巻線側に出力する降圧変圧器を備えており、前記可飽和リアクトルが、前記降圧変圧器の一次巻線側に設けられていることを特徴としている。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置が、前記可飽和リアクトルに対して並列接続可能なリアクタンスが固定である第1固定リアクトル(34a〜34c)と、前記第1固定リアクトルを前記可飽和リアクトルに対して並列に接続するか否かを切り替える接触器(33a〜33c)とを備えており、前記制御装置は、前記可飽和リアクトルの制御とともに前記接触器の切り替え制御を行って前記電極に供給される電力の制御を行うことを特徴としている。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記第1固定リアクトルが、前記可飽和リアクトルに対して複数並列接続可能であり、前記可飽和リアクトルのリアクタンスが、前記第1固定リアクトルのうちの最も大きなリアクタンスよりも大であることを特徴としている。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置が、前記可飽和リアクトルの出力側に直列接続されたリアクタンスが固定である第2固定リアクトル(24、32)を備えることを特徴としている。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置が、前記可飽和リアクトルの出力側に、アーク放電時にのみ通電される第3固定リアクトル(22)を備えることを特徴としている。
本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、石英ガラスルツボの形状を規定するモールドと、当該モールドに積層された石英粉を溶融させるためのアーク放電を生じさせる電極とを備える石英ガラスルツボ製造装置において、前記電極に対する電力の供給経路に設けられてリアクタンスが可変である可飽和リアクトルと、当該可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させて前記電極に供給される電力の制御を行う制御装置と有する電源装置を備えることにより、可飽和リアクトルのリアクタンスを連続的に変化させることができるため、電極に供給される電力も連続的に変化させることができる。この結果として、アーク放電による熱の発生を安定させることができ、高品質な石英ガラスルツボを安定して製造することができる。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置から出力される電流及び電圧の少なくとも一方を検出する検出器を備えており、前記制御装置が、前記検出器の検出結果に基づいて、前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させているため、電源装置から出力される電流及び電圧の少なくとも一方に基づいたフィードバック制御によって、電極に供給される電力の制御を精度良く行うことができる。
ここで、前記制御装置は、前記検出器の検出結果を参照しつつ、前記電源装置から出力される電流あるいは電力の経時変化が前記石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき電流あるいは電力の経時変化に沿うように前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させているため、厚みが均一で気泡の含有率が著しく低い透明石英ガラス層を有する高品質な石英ガラスルツボを安定して製造することができる。
或いは、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記アーク放電によって溶融される前記石英粉の温度を検出する温度検出器を備えており、前記制御装置が、前記温度検出器の検出結果に基づいて、前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させているため、溶融している石英粉の温度に基づいたフィードバック制御によって、アーク放電により発生する熱の制御を精度良く行うことができる。
ここで、前記制御装置は、前記温度検出器の検出結果を参照しつつ、前記アーク放電によって溶融される前記石英粉の温度の経時変化が前記石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき温度の経時変化に沿うように前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させているため、厚みが均一で気泡の含有率が著しく低い透明石英ガラス層を有する高品質な石英ガラスルツボを安定して製造することができる。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置が、一次巻線側に入力される電圧を降圧して二次巻線側に出力する降圧変圧器を備えており、前記可飽和リアクトルが、前記降圧変圧器の一次巻線側に設けられているため、降圧変圧器の二次巻線側に設ける場合よりも、可飽和リアクトルに流れる電流を小さくすることができる。尚、可飽和リアクトルに流れる電流を小さくする必要がなければ、降圧変圧器の二次巻線側に可飽和リアクトルを設けても良い。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置が、前記可飽和リアクトルに対して並列接続可能なリアクタンスが固定である第1固定リアクトルと、前記第1固定リアクトルを前記可飽和リアクトルに対して並列に接続するか否かを切り替える接触器とを備えており、前記制御装置は、前記可飽和リアクトルの制御とともに前記接触器の切り替え制御を行って前記電極に供給される電力の制御を行っているため、接触器の切り替えにより電源装置のリアクタンスの変更を段階的に行い、可飽和リアクトルの制御によって電源装置のリアクタンスの変更を連続的に行うことができる。これにより、電源装置のリアクタンスをより広い範囲に亘って変化させることができる。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記第1固定リアクトルが、前記可飽和リアクトルに対して複数並列接続可能であり、前記可飽和リアクトルのリアクタンスが、前記第1固定リアクトルのうちの最も大きなリアクタンスよりも大であるため、電源装置のリアクタンスをより広い範囲に亘って変化させる場合であっても、連続的にリアクタンスを変化させることができる。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置が、前記可飽和リアクトルの出力側に直列接続されたリアクタンスが固定である第2固定リアクトルを備えているため、電流が短時間で変動するのを抑制することができる。
また、本発明の石英ガラスルツボ製造装置は、前記電源装置が、前記可飽和リアクトルの出力側に、アーク放電時にのみ通電される第3固定リアクトルを備えているため、アーク放電開始時に流れる電流を安定させることができる。
本発明によれば、電極に対する電力の供給経路に設けられた可飽和リアクトルのリアクタンスを連続的に変化させることができるため、電極に供給される電力も連続的に変化させることができ、アーク放電による熱の発生を安定させることができる。この結果として、厚みが均一で気泡の含有率が著しく低い透明石英ガラス層を有する高品質な石英ガラスルツボを安定して製造することができるという効果がある。
本発明の第1実施形態による石英ガラスルツボ製造装置を模式的示す図である。 本発明の第1実施形態による石英ガラスルツボ製造装置が備える電源装置の要部構成を示すブロック部図である。 可飽和リアクトルの一例を示す図である。 本発明の第1実施形態における石英ガラスルツボ製造時の温度の経時変化の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態による石英ガラスルツボ製造装置が備える電源装置の要部構成を示すブロック部図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による石英ガラスルツボ製造装置について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による石英ガラスルツボ製造装置を模式的示す図である。図1に示す通り、本実施形態の石英ガラスルツボ製造装置1は、回転モールド(モールド)11、炭素電極12a,12b,12c(電極)、電極位置設定部13、放射温度計14(温度検出器)、及び電源装置15を備えており、モールド11に積層された石英粉を、アーク放電を生じさせて溶融させて減圧条件で保持することにより、不透明石英ガラス層の内側に透明石英ガラス層が形成された石英ガラスルツボを製造する。
モールド11は、製造すべき石英ガラスルツボの形状を規定するもの(型)であり、カーボン等によって形成されて、不図示の回転手段によって回転可能にアーク炉FA内に収容されている。モールド11の内部に原料粉(石英粉)が所定厚さに充填されることによって石英粉成形体MBが形成される。このモールド11の内部には、その内表面に貫通するとともに図示しない減圧手段に接続された通気口11aが複数設けられており、この通気口11aを介して石英粉成形体MBの内部を減圧することが可能である。
炭素電極12a,12b,12cは、石英粉成形体MBを溶融させるためのアーク放電を生じさせる電極であり、電極位置設定部13に保持された状態で、アーク炉FAの内部であってモールド11の上方に配置されている。これら炭素電極12a,12b,12cは、例えば交流3相(R相、S相、T相)のアーク放電を行うよう同形状の電極棒とされ、下方に頂点を有する逆三角錐状となるように電極位置設定部13に保持されている。尚、本実施形態では、3つの炭素電極12a,12b,12cを備える構成を例に挙げて説明するが、炭素電極の本数、配置状態、供給電力方式が以上の例に限られる訳ではなく、他の構成にすることも可能である。
これら炭素電極12a,12b,12cは、電極位置設定部13によって、図中矢印Tを付して示す上下方向に移動可能であり、モールド11に対する高さ方向位置H(石英粉成形体MB上端位置(モールド開口上端位置)に対する高さ位置H)が可変である。また、炭素電極12a,12b,12cは、電極位置設定部13によって、その先端部の間隔(電極間距離D)が可変できるように構成されており、モールド11に対する高さ方向位置H以外の相対位置も可変である。
以上の炭素電極12a,12b,12cは、粒子径0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下、更に好ましくは粒子径0.05mm以下の高純度炭素粒子によって形成されており、その密度が1.30g/cm〜1.80g/cm或いは1.30g/cm〜1.70g/cmのとき、炭素電極12a,12b,12c相互の密度差が0.2g/cm以下とされている。このように、炭素電極12a,12b,12cは高い均質性を有している。
電極位置設定部13は、アーク炉FAの上部に配置されており、炭素電極12a,12b,12cをモールド11の上方に保持するとともに、電源装置15から供給される電力を炭素電極12a,12b,12cの各々に供給する。この電極位置設定部13は、炭素電極12a,12b,12cの電極間距離Dを可変可能に支持する支持部13aと、この支持部13aを水平方向に移動させる水平移動手段と、複数の支持部13a及びその水平移動手段を一体として上下方向に移動させる上下移動手段とを備える。
上記の支持部13aは炭素電極12aを角度設定軸13bの周りに回動可能に支持している。角度設定軸13bの周りの炭素電極12aの角度を制御し、水平移動手段により支部13aの水平位置を制御すれば電極間距離Dを調節することができる。また、上下移動手段によって支持部13aの高さ位置を制御すればモールド11に対する高さ方向位置Hを調整することができる。
尚、図1においては、炭素電極12aを支持する支持部13aのみを図示しているが、電極位置設定部13には炭素電極12b,12cを支持する支持部もそれぞれ設けられており、各々の支持部に対して上述した水平移動手段及び上下移動手段も設けられている。従って、炭素電極12a,12b,12cの角度設定軸の周りの角度、水平位置、及び高さ位置を個別に制御可能である。以上の各種制御は、不図示の制御装置によって行われる。
放射温度計14は、アーク炉FAの外部に配置されており、アーク炉FAの隔壁に設けられた窓部を覆うフィルタFIを介して、モールド11内部に形成された石英粉成形体MBの溶融部分の温度を測定する。この放射温度計14は、溶融部分等からの放射エネルギーを集光する光学系と、光学系で集光した光を分光する分光手段と、分光手段で分光された光を検出する検出素子とを備えており、検出素子の検出結果(温度の測定結果)を電源装置15に出力する。
具体的に、放射温度計14は、測定対象波長が波長4.8〜5.2μmに設定されており、測定対象温度が数百〜数千℃に設定されている。ここで、測定対象波長を波長4.8〜5.2μmに設定するのは、COの吸収帯である波長4.2〜4.6μm、及び石英ガラスルツボ製造雰囲気となる大気中に含まれるHOの吸収帯である波長5.2〜7.8μmを避けた波長4.8〜5.2μmの放射エネルギーを検出して温度を測定するためである。尚、上記のフィルタFIとして、この波長域の吸収が少ないBaF又はCaFからなるものを用いることが望ましい。
電源装置15は、商用の交流電源ACから電力が供給されており、放射温度計14の測定結果等に基づいて炭素電極12a,12b,12cに供給する電力を制御することにより、石英粉成形体MBを溶融させるためのアーク放電を生じさせる。具体的に、制御装置15は、炭素電極12a,12b,12cに供給する電力を、数百kVA〜数万kVAの範囲で制御する。
図2は、本発明の第1実施形態による石英ガラスルツボ製造装置が備える電源装置の要部構成を示すブロック部図である。図2に示す通り、電源装置15は、可飽和リアクトル21、交流リアクトル22(第3固定リアクトル)、接触器23、交流リアクトル24(第2固定リアクトル)、変圧器25(降圧変圧器)、検出器26、コンデンサ27、接触器28、及び制御装置29を備えている。以上の構成のうち、可飽和リアクトル21〜検出器26は、交流電源ACに接続される接続端子T11と炭素電極12a〜12cに接続される端子T12との間における電力の供給経路P上に配置されている。また、コンデンサ27及び接触器28は、その供給経路Pに対して並列に接続されている。尚、図2では図示を簡略化しているが、本実施形態では、交流電源ACから供給される電力及び炭素電極12a,12b,12cに供給する電力が共に3相交流であるとする。従って、供給経路Pは、実際には3相交流の各層の電流を供給する3本の線からなり、これら3本の線は、例えばY結線(スター結線)されている。
可飽和リアクトル21は、リアクタンスが可変であって交流電源ACから接続端子T11を介して供給経路Pに供給される電流を調整するものである。ここで、図2に示す例では、炭素電極12a,12b,12cに供給する電力を数百kVA〜数万kVAの範囲で制御するために2つの可飽和リアクトル21が並列接続されている。尚、1つの可飽和リアクトル21で上記の範囲における電力制御が可能であれば、可飽和リアクトル21を複数並列接続する必要は必ずしも無い。可飽和リアクトル21のリアクタンスは、制御装置29から出力される直流の制御信号C1によって制御される。
図3は、可飽和リアクトルの一例を示す図であって、(a)は基本構成の一例を示す図であり、(b)はリアクタンスの変化特性の一例を示す図である。図3(a)に示す可飽和リアクトル21は、接続端子T11に電気的に接続される一次巻線L1、交流リアクトル22に電気的に接続される二次巻線L2、制御信号C1が供給される制御巻線L3、並びにこれら一次巻線L1,二次巻線L2,制御巻線L3がそれぞれ巻回される柱部B1,B2,B3を有するトランス鉄心Crを備えている。
制御装置29から制御信号C1が出力されていない場合には、一次巻線L1に供給される電流に応じた磁束がトランス鉄心Cr内で発生する。これに対し、制御装置29から制御信号C1が出力された場合には、トランス鉄心Crの磁器飽和量が制御信号C1の大きさに応じて調整される。これにより、図3(b)に示す通り、制御信号C1が大きくなるにつれて可飽和リアクトル21のリアクタンスが減少する。リアクタンスが減少すれば電流が増大するため、制御信号C1によって可飽和リアクトル21から出力される電流量を制御することができる。
交流リアクトル22は、アーク放電開始時に流れる電流を安定させるために設けられたリアクタンスが固定のリアクトルであって、供給経路P上であって可飽和リアクトル21の出力側に配置されている。この交流リアクトル22には、制御装置29から出力される制御信号C2によって開閉状態が制御される接触器23が並列接続されている。接触器23が閉状態になれば、可飽和リアクトル21と交流リアクトル24とを短絡することができる。制御装置29の制御によって、接触器23はアーク放電開始時に開状態とされ、それ以外の時には閉状態とされる。このため、可飽和リアクトル21から出力される電流は、アーク放電開始時には交流リアクトル22を流れるものの、それ以外の時には接触器23を介して交流リアクトル24に流れ込み、交流リアクトル22に流れない。
交流リアクトル24は、電流が短時間で変動するのを抑制するために設けられたリアクタンスが固定のリアクトルであって、供給経路P上において交流リアクトル24の出力側に配置されている。変圧器25は、三相交流を変圧する三相変圧器であって、一次巻線側に入力される電圧を降圧して二次巻線側に出力する。尚、図2に示す通り、可飽和リアクトル21は変圧器25の一次巻線側に設けられている。これにより、変圧器25の二次巻線側に設ける場合よりも、可飽和リアクトル21に流れる電流を小さくすることができる。
検出器26は、電流センサ及び電圧センサを備えており、変圧器25の二次巻線側に設けられて、変圧器25の出力電流及び出力電圧(つまり、電源装置15の出力電流及び出力電圧)を検出する。尚、本実施形態では、検出器26が電源装置15の出力電流及び出力電圧の双方を検出するものである場合を例に挙げるが、これらの何れか一方のみを検出するものであってもよい。検出器26の検出結果は、制御装置29に出力される。
コンデンサ27は、力率調整用のコンデンサであり、接続端子T11と可飽和リアクトル21との間における供給経路Pに対し、制御装置29から出力される制御信号C3によって開閉状態が制御される接触器28を介して並列に接続される。コンデンサ27は、接触器28が閉状態になった場合に供給経路Pに接続され、接触器28が開状態になった場合に供給経路Pから切り離される。コンデンサ27及び接触器28からなる回路は、複数供給経路Pに対して並列に接続されており、検出器26の検出結果を用いて求められる有効電力及び無効電力に基づいて、各々の回路の接触器28の開閉状態が制御される。尚、コンデンサ27及び接触器28からなる回路の数及びコンデンサ27の容量は、力率調整の精度に応じて決定することができる。
制御装置29は、可飽和リアクトル21に対して制御信号C1を出力して可飽和リアクトル21のリアクタンスを制御することにより、炭素電極12a,12b,12cに供給される電力の制御を行う。ここで、制御装置29は、検出器26の検出結果及び放射温度計14の測定結果の少なくとも一方に基づいて可飽和リアクトル21のリアクタンスを制御する。
検出器26の検出結果に基づく場合には、制御装置29は、検出器26の検出結果した電流あるいは電流・電圧から計算した電力を参照しつつ、電源装置15から出力される電流あるいは電力の経時変化が石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき電流あるいは電力の経時変化に沿うように可飽和リアクトル21のリアクタンスを変化させる。放射温度計14の測定結果に基づく場合には、制御装置29は、放射温度計14の測定結果を参照しつつ、アーク放電によって溶融される石英粉成形体MBの温度の経時変化が石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき温度の経時変化に沿うように可飽和リアクトル21のリアクタンスを変化させる。
また、制御装置29は、アーク放電開始時に流れる電流を安定させるために、アーク放電開始時において制御信号C2を出力して接触器23の開閉状態を制御する。更に、制御装置29は、力率を調整するために、検出器26の検出結果を用いて有効電力及び無効電力を求め、制御信号C3を出力して複数の接触器28の開閉状態を制御する。
次に、石英ガラスルツボの製造時における石英ガラスルツボ製造装置の動作について説明する。まず、モールド11の内面に石英粉が所定の厚みで充填されて石英粉成形体MBが形成される(積層工程)。次に、アーク放電によってプラズマ塊が発生され、その熱によって石英粉成形体MBが溶融されて石英ガラス化される(溶融工程)。溶融工程を開始するときには、制御装置19から制御信号C2が出力されて接触器23が開状態とされる。これによって、可飽和リアクトル21から出力される電流は、交流リアクトル22及び交流リアクトル24を順に介して変圧器25に入力されるため、アーク放電開始時に流れる電流が安定する。
アーク放電が開始されて所定時間が経過すると、制御装置19から制御信号C2が出力されて接触器23が閉状態とされる。これによって、可飽和リアクトル21から出力される電流は、接触器23及び交流リアクトル24を順に介して変圧器25に入力される。かかる制御が終了すると、検出器26の検出結果及び放射温度計14の測定結果の少なくとも一方に基づき、制御装置29によって可飽和リアクトル21のリアクタンスが制御される。
具体的には、制御装置19から制御信号C2が出力されて、電源装置15から出力される電流あるいは電力の経時変化が石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき電流あるいは電力の経時変化に沿うように可飽和リアクトル21のリアクタンスが制御される。或いは、アーク放電によって溶融される石英粉成形体MBの温度の経時変化が石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき温度の経時変化に沿うように可飽和リアクトル21のリアクタンスが制御される。
例えば、検出器26で検出された電力が目標電力よりも小さい場合には、制御装置19が制御信号C2を出力して可飽和リアクトル21のリアクタンスを減少させて出力電流を増大させる。逆に、検出器26で検出された電力が目標電力よりも大きい場合には、制御装置19が制御信号C2を出力して可飽和リアクトル21のリアクタンスを増大させて出力電流を減少させる。図3(b)に示す通り、可飽和リアクトル21のリアクタンスは連続的に変化させることができるため、電源装置15の出力電流も連続的に変化させることができる。
図4は、本発明の第1実施形態における石英ガラスルツボ製造時の温度の経時変化の一例を示す図である。図4に示す通り、時刻t0から温度の上昇が開始され、温度がTM1に達すると時刻t1まで温度がTM1に維持される。時刻t1になると、再度温度の上昇が開始され、温度がTM3に達すると時刻t2まで温度がTM3に維持される。時刻t2なると、再々度温度の上昇が開始され、温度がTM4に達すると時刻t3まで温度がTM4に維持される。時刻t3なると、今度は温度の下降が開始され、温度がTM1とTM3との間のTM2に達すると時刻t4まで温度がTM2に維持される。その後は常温(例えば、25℃)まで温度が下降される。
以上説明した通り、本実施形態においては、可飽和リアクトル21に流れる電流を連続的に変化させることができるため、交流電源ACから供給される電力の変動やアーク炉FA内におけるアーク雰囲気により変動する電源装置15の電力を連続的に制御することができる。これにより、炭素電極12a,12b,12cに供給される電力が安定するため、アーク放電による熱の発生も安定し、その結果として高品質な石英ガラスルツボを安定して製造することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態による石英ガラスルツボ製造装置について詳細に説明する。本実施形態の石英ガラスルツボ製造装置の全体構成は、図1に示す第1実施形態による石英ガラスルツボ製造装置1と同様であり、モールド11〜電源装置15を備える。但し、本実施形態の石英ガラスルツボ製造装置は、第1実施形態の石英ガラスルツボ製造装置1が備える電源装置(図2に示す電源装置15)とは異なる構成の電源装置を備えている。
図5は、本発明の第2実施形態による石英ガラスルツボ製造装置が備える電源装置の要部構成を示すブロック部図である。尚、図5において、図2に示すブロックと同様のブロックについては同一の符号を付してある。図5に示す通り、本実施形態の石英ガラスルツボ製造装置が備える電源装置15は、図2に示す電源装置15が備える可飽和リアクトル21〜交流リアクトル24に代えて、可飽和リアクトル31、交流リアクトル32(第2固定リアクトル)、接触器33a〜33c、交流リアクトル34a〜34c(第1固定リアクトル)を設けるとともに、制御装置29に代えて制御装置35を設けた構成である。
可飽和リアクトル31は、第1実施形態における可飽和リアクトル21と同様の構成であり、リアクタンスが可変であって交流電源ACから接続端子T11を介して供給経路Pに供給される電流を調整するものである。交流リアクトル32は、第1実施形態における交流リアクトル24と同様のものであり、電流が短時間で変動するのを抑制するために設けられたリアクタンスが固定のリアクトルであって、可飽和リアクトル31の出力側に配置されて直列接続されている。
この可飽和リアクトル31と交流リアクトル32とが直列接続されてなる回路に対し、接触器33aと交流リアクトル34aとが直列接続されてなる回路、接触器33bと交流リアクトル34bとが直列接続されてなる回路、及び接触器33cと交流リアクトル34cとが直列接続されてなる回路がそれぞれ並列接続されている。接触器33a〜33cは、制御装置29から出力される制御信号C4によって開閉状態が制御されて、可飽和リアクトル31と交流リアクトル32とが直列接続されてなる回路に対して交流リアクトル34a〜34cを並列接続するか否かを切り替える。接触器33aが閉状態になると交流リアクトル34aが、接触器33bが閉状態になると交流リアクトル34bが、接触器33cが閉状態になると交流リアクトル34cがそれぞれ交流リアクトル32に対して並列に接続される。
交流リアクトル34a〜34cは、電源装置15のリアクタンスの大きな変更を段階的に行うために設けられたリアクタンスが固定のリアクトルである。つまり、本実施形態では、接触器33a〜33cの制御によって可飽和リアクトル31に対して並列に接続される交流リアクトル34a〜34cの切り替えを行うことによって電源装置15のリアクタンスの変更を段階的に行い、可飽和リアクトル31の制御によって電源装置15のリアクタンスの変更を連続的に行っている。このため、上記の可飽和リアクトル31のリアクタンスは、交流リアクトル34a〜34cのうちの最も大きなリアクタンスよりも大に設定される。
尚、上記の交流リアクトル34a〜34cを設けることによって、アーク放電開始時に流れる電流が安定しやすくなるため、本実施形態では図2に示す交流リアクトル22が省略されている。但し、アーク放電開始時に流れる電流をより安定させるため、本実施形態においても、可飽和リアクトル31と交流リアクトル32との間に、図2に示す交流リアクトル22と接触器23とが並列接続されてなる回路を設けても良い。
制御装置35は、基本的には図2に示す制御装置29と同様のものである。但し、可飽和リアクトル31及び接触器28の制御に加えて、接触器33a〜33cの制御を行う。具体的には、制御信号C4を出力して接触器33a〜33cの開閉制御を行うことにより、交流リアクトル32に並列接続される交流リアクトル34a〜34cの個数を変更して電源装置15のリアクタンスを段階的に変更し、制御信号C1を出力して可飽和リアクトル31のリアクタンスを連続的に変化させる。
そして、電源装置15から出力される電流あるいは電力の経時変化が石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき電流あるいは電力の経時変化に沿うように電源装置15のリアクタンスが制御される。或いは、アーク放電によって溶融される石英粉成形体MBの温度の経時変化が石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき温度の経時変化に沿うように電源装置15のリアクタンスが制御される。
以上説明した通り、本実施形態においては、接触器33a〜33cの制御によってリアクタンスを段階的に変化させるとともに、可飽和リアクトル31の制御によってリアクタンスを連続的に変化させることが可能である。このため、容量が小さな可飽和リアクトル31を用いても電源装置15のリアクタンスを広い範囲で連続的に変更することができる。ここで、一般的には、交流リアクトル及び接触器よりも可飽和リアクトルの方が高価であるため、本実施形態の構成にすることでコスト削減を図ることができる。
以上、本発明の実施形態による石英ガラスルツボ製造装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、検出器26の検出結果のみ、或いは放射温度計14の測定結果のみならず、これらの双方の結果を用いて制御を行っても良い。また、上記実施形態では、電源装置15から出力される電力(炭素電極12a,12b,12cに供給される電力)のみを制御して石英ガラスルツボを製造する例について説明したが、この電力制御に加えて、炭素電極12a,12b,12cの高さ位置や電極間距離Dの制御を行って石英ガラスルツボの製造を行っても良い。
1 石英ガラスルツボ製造装置
11 モールド
12a〜12c 炭素電極
14 放射温度計
15 電源装置
21 可飽和リアクトル
22 交流リアクトル
24 交流リアクトル
25 変圧器
26 検出器
29 制御装置
31 可飽和リアクトル
32 交流リアクトル
33a〜33c 接触器
34a〜34c 交流リアクトル
35 制御装置
MB 石英粉成形体

Claims (8)

  1. 石英ガラスルツボの形状を規定するモールドと、当該モールドに積層された石英粉を溶融させるためのアーク放電を生じさせる電極と、
    前記電極に対する電力の供給経路に設けられてリアクタンスが可変である可飽和リアクトルと、当該可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させて前記電極に供給される電力の制御を行う制御装置と有する電源装置と、
    前記電源装置から出力される電流及び電圧の少なくとも一方を検出する検出器を備え、
    前記制御装置は、前記検出器の検出結果に基づいて、前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させ、前記電源装置から出力される電流あるいは電力の経時変化が前記石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき電流あるいは電力の経時変化に沿うように前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させることを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置。
  2. 前記アーク放電によって溶融される前記石英粉の温度を検出する温度検出器を備えており、前記制御装置は、前記温度検出器の検出結果に基づいて、前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させることを特徴とする請求項1記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  3. 前記制御装置は、前記温度検出器の検出結果を参照しつつ、前記アーク放電によって溶融される前記石英粉の温度の経時変化が前記石英ガラスルツボを製造するために変化させるべき温度の経時変化に沿うように前記可飽和リアクトルのリアクタンスを変化させることを特徴とする請求項記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  4. 前記電源装置は、一次巻線側に入力される電圧を降圧して二次巻線側に出力する降圧変圧器を備えており、
    前記可飽和リアクトルは、前記降圧変圧器の一次巻線側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  5. 前記電源装置は、前記可飽和リアクトルに対して並列接続可能なリアクタンスが固定である第1固定リアクトルと、
    前記第1固定リアクトルを前記可飽和リアクトルに対して並列に接続するか否かを切り
    替える接触器とを備えており、
    前記制御装置は、前記可飽和リアクトルの制御とともに前記接触器の切り替え制御を行って前記電極に供給される電力の制御を行う
    ことを特徴とする請求項記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  6. 前記第1固定リアクトルは、前記可飽和リアクトルに対して複数並列接続可能であり、
    前記可飽和リアクトルのリアクタンスは、前記第1固定リアクトルのうちの最も大きなリアクタンスよりも大である
    ことを特徴とする請求項記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  7. 前記電源装置は、前記可飽和リアクトルの出力側に直列接続されたリアクタンスが固定である第2固定リアクトルを備えることを特徴とする請求項4から請求項6の何れか一項に記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  8. 前記電源装置は、前記可飽和リアクトルの出力側に、アーク放電時にのみ通電される第3固定リアクトルを備えることを特徴とする請求項4から請求項7の何れか一項に記載の石英ガラスルツボ製造装置。
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