JP3112555B2 - 高周波誘導加熱装置 - Google Patents

高周波誘導加熱装置

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JP3112555B2
JP3112555B2 JP04095891A JP9589192A JP3112555B2 JP 3112555 B2 JP3112555 B2 JP 3112555B2 JP 04095891 A JP04095891 A JP 04095891A JP 9589192 A JP9589192 A JP 9589192A JP 3112555 B2 JP3112555 B2 JP 3112555B2
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temperature
heating coil
heated
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高伸 天野
辰也 西野
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/12Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/16Gearing or controlling mechanisms specially adapted for glass presses

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
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  • General Induction Heating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの被加熱物を誘導
加熱コイルを用いて誘導加熱するための高周波誘導加熱
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学レンズの成形にあたっては、一般に
は研磨仕上げによる加工方法が用いられている。しか
し、この加工方法においては繁雑な工程を必要とするた
め、近時誘導加熱方式でガラス素材を加熱し可塑化して
精密プレスにより加工する方法が広く採用されている。
【0003】かかる誘導加熱方式を使用した光学レンズ
成形装置としては、例えば互いに接近あるいは離間でき
るように夫々保持された上側金型と下側金型を誘導加熱
コイルにより誘導加熱しながらこれらの金型間に介在さ
せたガラス素材を加熱,可塑化することにより光学レン
ズを成形するものが知られている。
【0004】ここで、上側及び下側金型の加熱にあたっ
ては、通常は各金型を同一温度に加熱する必要がある
が、そのために、各金型に誘導加熱コイルを夫々組込む
と共に、これらの誘導加熱コイルに夫々電源を接続する
構成が一般に考えられる。このようになせば、上側及び
下側金型における各温度制御を容易に行うことができる
が、その反面2つの電源が必要となりコストが上昇する
と共に、2つの誘導加熱コイルが非常に接近して配置さ
れる関係上、高周波の相互干渉が生じて各電源の動作が
不安定となる不都合を有する。
【0005】かかる不都合を解決するために、1つの誘
導加熱コイルの中に上側及び下側金型を収容すると共
に、この誘導加熱コイルを1つの電源で制御する構造の
ものが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように1つの誘導
加熱コイルにて上側及び下側金型を誘導加熱する構成で
は、以下に述べるような理由により上側及び下側金型を
同一温度に保つことが困難である。
【0007】 ガラス素材を金型に容易に保持させる
ために、一般に上側金型と下側金型は縦方向に配置され
る、つまり上側及び下側金型の移動方向が沿直線方向と
一致するように各金型を配置することから誘導加熱コイ
ル内で生じる対流現象により上側金型の温度が必然的に
高くなる。
【0008】 各金型は別々に支持されていることか
ら、各金型における熱伝導量が各々異なるため両者の温
度に違いが出やすい。
【0009】 誘導加熱コイルの巻回ピッチを全長に
わたって均一に成形することは困難であるため、上側金
型と下側金型に対する誘導加熱の影響が夫々異なり両者
の温度を一定に保つことが困難である。
【0010】そこで、本発明はかかる点に鑑み、実質的
に1つの誘導加熱コイルを使用しても第1,第2の被加
熱物の温度を夫々同一の設定温度に維持できる誘導加熱
装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルの加熱領域
内に配置される第1,第2の被加熱物と、前記誘導加熱
コイルの両端間に直列に接続あるいは誘導加熱コイルの
中間点とこの各誘導加熱コイルの各々の端部との間に夫
々並列に接続された1つの電源と、前記第1,第2の被
加熱物の各温度を測定するための第1,第2の温度測定
手段と、該第1,第2の温度測定手段の各出力信号から
第1,第2の被加熱物の平均温度を算出するための平均
温度算出回路と、前記第1,第2の温度測定手段の出力
信号から第1と第2の被加熱物間の温度差を算出するた
めの温度差算出回路とを備え、前記平均温度算出回路か
らの出力信号に基づいて前記電源の出力を制御すると共
に、前記温度差算出回路からの出力信号に基づいて前記
誘導加熱コイルの中間点部分で実質的に2つに分割され
る各誘導加熱コイルに流れるコイル電流の比を変える手
段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】また、本発明は、誘導加
熱コイルと、該誘導加熱コイルの加熱領域内に配置され
る第1,第2の被加熱物と、前記誘導加熱コイルの両端
間に直列に接続あるいは誘導加熱コイルの中間点とこの
各誘導加熱コイルの各々の端部との間に夫々並列に接続
された1つの電源と、前記第1,第2の被加熱物の各温
度を測定するための第1,第2の温度測定手段と、該第
1,第2の温度測定手段の各出力信号から第1と第2の
被加熱物間の温度差を算出するための温度差算出回路と
を備え、前記第1あるいは第2の温度測定手段のいずれ
か一方の出力信号に基づいて前記電源の出力を制御する
と共に、前記温度差算出回路からの出力信号に基づいて
前記誘導加熱コイルの中間点部分で実質的に2つに分割
される各誘導加熱コイルに流れるコイル電流の比を変え
る手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
【0014】
【0015】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳
説する。
【0016】
【実施例】図1は、本発明に係る高周波誘導加熱装置の
一実施例を示す構成概略図であり、同図において1は誘
導加熱コイルであり、その中心軸が沿直線と一致するよ
うに配置されている。この誘導加熱コイルの両端には例
えばインバータからなる電源2が接続されている。ま
た、この誘導加熱コイルの内部には第1,第2の被加熱
物である上側金型3と下側金型4とが夫々略同心状にか
つ相対向するように配置されている。この上側金型と下
側金型とは図示外のエアーシリンダ等の往復移動駆動装
置に夫々支持され、各金型が沿直線に沿って互いに接近
あるいは離間できるように構成されており、また、図示
はしないが各金型の対向面には成形すべき光学レンズに
対応した凹部が夫々設けてある。
【0017】5及び6は前記上側金型3及び下側金型4
の各々の温度を検出するための例えば熱電対や放射温度
計からなる温度検出手段で、各温度検出手段で検出され
た温度信号に対応する信号は夫々増幅器7,8で増幅さ
れた後、平均温度算出回路9と温度差算出回路10に導
入される。前記平均温度算出回路9は前記上側金型3の
温度と下側金型4の温度との平均温度を算出した後、そ
の平均温度に対応する出力信号を発生して加熱温度制御
回路11に導入するものである。この加熱温度制御回路
は前記平均温度算出回路9からの出力信号と基準電源1
2からの基準信号とを比較し、その差信号に基づいて前
記電源2の出力を調整するものである。前記温度差算出
回路10は上側金型3の温度と下側金型4の温度との差
を算出した後、その差信号に対応する出力信号を発生し
て位置制御回路13に送るものである。
【0018】14は前記誘導加熱コイル1の外周部に固
定された電気絶縁体で形成された移動板で、この移動板
は図示外の前記誘導加熱コイル1の軸心と平行に配置さ
れた直線ガイドに上下動可能に支持されており、また、
この移動板の側面にはネジ棒15に螺合したナット16
が固定されている。前記ネジ棒15は前記誘導加熱コイ
ル1の軸心と平行に配置されており、また、このネジ棒
はモータ17の出力軸に回転可能に連結されている。前
記モータ17は前記位置制御回路13からの出力信号に
より制御される。従って、モータ17を右あるいは左方
向に回転させれば、ネジ棒15とナット16の螺合関係
により移動板14がガイドに沿って上下動するため、誘
導加熱コイル1が同方向、つまり沿直線に沿って上下動
し、それにより誘導加熱コイル1と各金型3,4との位
置が相対的に変化される。
【0019】かかる構成において、下側金型4上に所望
量のガラス素材(図示せず)を載置すると共に、基準電
源12の基準値を上側及び下側金型3,4の設定温度に
対応する値にセットする。この状態において、図示外の
メインスイッチをオンにすると、最初は各金型は常温で
あるため、基準電源12からの出力信号の方が平均温度
算出回路9からの出力信号よりも大きいので、加熱温度
制御回路11からは電源2の出力をアップさせるような
出力信号が送られる。これにより誘導加熱コイル1に供
給される電流が多くなるため、各金型3,4における渦
電流が増大して昇温される。そして、各金型の温度の上
昇に伴い平均温度算出回路9からの出力信号は増大し、
加熱温度制御回路11は平均温度算出回路9からの出力
信号と基準電源12からの基準信号との差が零になるよ
うに加熱電流を制御するため、平均温度は基準信号に対
応した所定値に維持される。
【0020】一方、この加熱温度制御回路11による誘
導加熱コイル1への供給加熱電流の制御に並行して、温
度差算出回路10による上側金型3と下側金型4との温
度差に基づいて誘導加熱コイル1が上下動される。これ
は、前述した理由により電源2の出力を制御しただけで
は、各金型の温度を同一に保つことはできずいずれかの
金型の温度が高くなるので、誘導加熱コイルを動かして
各金型3,4に流す誘導電流の割合を変えることにより
各金型の温度を同一に保つためである。そこで、スター
ト時に、例えば上側金型3の温度が高かった場合には、
温度差算出回路10は正の温度差信号を発生して位置制
御回路13に送られる。この位置制御回路は正の信号が
供給されると、モータ17を例えば右方向に回転させて
移動板14、即誘導加熱コイル1を下方向に動かして図
2(a)に示すように上側金型3の一部を誘導加熱コイ
ルの上端から露出させる。これにより上側金型3内を通
過する誘導加熱コイルからの磁束量が少なくなるため、
上側金型内に発生する誘導電流が少なくなり温度が下が
る。この温度低下により上側金型3の温度と下側金型4
の温度差が小さくなり零になると、位置制御回路13は
モータ17の駆動を停止させる。以後、位置制御回路1
3はこの温度差零が維持されるように誘導加熱コイル1
の位置を制御する。
【0021】逆に、スタート時に下側金型4の方の温度
が高かった場合には、温度差算出回路からの温度差信号
は負になるため、位置制御回路13はモータ17を左方
向に回転させて移動板14(誘導加熱コイル1)を上昇
させ、図2(b)に示すように下側金型4の一部を誘導
加熱コイルの下端から露出させる。これにより下側金型
内を流れる磁束量が少なくなり温度が低下するため、上
側金型と下側金型との温度差が小さくなり零になると、
位置制御回路13はモータの駆動を停止させる。以後、
位置制御回路13は温度差零が維持されるように誘導加
熱コイル1の位置を制御する。このように位置制御回路
において各金型の温度差が常に零となるようにモータへ
供給する駆動信号を制御すると同時に、前述した加熱温
度制御回路11において各金型の平均温度が設定温度に
なるように制御するため、上側金型と下側金型を夫々同
一の設定温度に保つことができる。そして、十分な加熱
を行なった後、図示外の往復移動駆動装置により各金型
を相対的に徐々に接近させて押圧すれば、上側金型4上
に載置されたガラス素材は押圧成形される。
【0022】なお、上述の説明は、各金型3,4の温度
を同一に保つ場合について述べたが、各金型に温度差を
持たせるような制御も可能である。例えば、上側金型3
の温度を210℃に、また、下側金型の温度を190℃
というように各金型の間に20℃の温度差を持たせたい
場合には、まず、基準電源12に両金型の温度の中間温
度である200℃に相当する値を設定すると同時に、位
置制御回路13に上側金型の方が20℃高いことを示す
正の温度差信号をオフセット値として設定する。このよ
うになせば、加熱温度制御回路11は平均温度算出回路
9で算出される各金型の平均温度が中間温度の200℃
になるように誘導加熱コイル1への誘導電流の供給を制
御すると共に、位置制御回路13はオフセット値が差引
かれた温度差信号に基づいてモータ17を左方向に回転
させて誘導加熱コイル1を上昇させることにより下側金
型4が誘導加熱コイルの下端から徐々に露出するように
制御する。これにより下側金型4を流れる誘導電流が減
少するため、下側金型の温度が降下する。そして、上側
金型と下側金型の温度差がオフセット値の20℃になっ
た時点で、位置制御回路13は誘導加熱コイル1の移動
を停止し、以後この温度差20℃が維持されるように誘
導加熱コイルの位置を制御する。このようにして加熱温
度制御回路11により2つの金型の平均温度が200℃
に制御されると同時に、位置制御回路13により上側金
型の方が下側金型よりも20℃高くなるように温度差が
制御されるため、結局、上側金型の温度を210℃に、
下側金型の温度を190℃に夫々一定に維持することが
できる。
【0023】逆に下側金型4の温度を上側金型3の温度
よりも高くしたい場合には、位置制御回路13に負の温
度差信号をオフセット値としてセットすれば良い。
【0024】また、上記実施例では、誘導加熱コイル1
と電源2との接続にあたり、この誘導加熱コイルの両端
に電源を接続するようにしたが、図3に示すように1つ
の誘導加熱コイルを中点Aで分割された2つの誘導加熱
コイル1a,1bとして扱い、2つの誘導加熱コイルに
並列的に電源2を接続するようになしても良い。
【0025】さらに、上記実施例では、位置制御回路1
3により誘導加熱コイル1を移動させる場合について述
べたが、これに限定されることなく、誘導加熱コイルを
固定した状態で各金型3,4を一体に上下動させるよう
に構成しても良い。
【0026】さらに、上述の説明では、上側及び下側金
型3,4の平均温度を求め、その平均温度信号を加熱温
度制御回路11に導入することにより基準信号と比較
し、その差信号に基づいて電源2を制御する場合につい
て述べたが、上側と下側金型との平均温度を求めること
なく、検出した上側あるいは下側金型のいずれか一方の
温度信号のみを加熱温度制御回路11に導入するように
構成しても良い。例えば上側金型の温度信号を導入した
場合、上側金型の温度が制御回路11により基準信号に
対応した温度になるように制御されると共に、2つの金
型の温度差が所定の値になるように位置制御回路13に
よる制御が行われるため、結局2つの金型の温度を夫々
所望値に設定できる。このような構成の変形は、後述す
る実施例にも同様に実施することができる。
【0027】図4は本発明に係る誘導加熱装置の他の実
施例を示す概略構成図であり、図1と同一番号のものは
同一構成要素を示すものである。
【0028】同図において、図1の実施例と相違すると
ころは、温度差算出回路10からの出力信号に基づいて
誘導加熱コイル1と上側及び下側金型3,4との相対的
な位置を変化させるための構成を取除き、代わりにA点
で2分割した誘導加熱コイル1aと1bとに夫々可飽和
リアクトル18a,18bを並列に接続し、この各可飽
和リアクトルの1次側へ供給する出力信号を制御する可
飽和リアクトル制御回路19を設けることにより、各可
飽和リアクトルの2次側のインダクタンスを変化させて
各誘導加熱コイル1a,1bに流れる電流を変える点に
ある。
【0029】かかる構成において、電源2は図1で示す
実施例の場合と同様に温度平均算出回路9及び加熱温度
制御回路11によって制御される。つまり上側及び下側
金型3,4からの各温度に対応する出力信号に基づいて
求められた両金型の平均温度と基準電源12により設定
した基準温度とが等しくなるように誘導加熱コイル1に
流す電流が制御される。
【0030】この加熱温度制御回路11による平均温度
制御に並行して、温度差算出回路10からの温度差信号
に基づいて作動する可飽和リアクトル制御回路19によ
り分割された各誘導加熱コイル1a,1bに流れる電流
が個々に制御される。ここで、可飽和リアクトル制御回
路19による可飽和リアクトルの制御について、図5を
用いて説明する。
【0031】同図(a)は可飽和リアクトルの一次側の
直流電流I1 に対する2次側のインダクタンスLの関係
を示すグラフで、電流I1 が零のとき、インダクタンス
Lは最高値Lmax で、電流I1 を可飽和リアクトルへ供
給することのできる最高値I1maxにすれば、インダクタ
ンスLは最低値Lmin となる。また、同図(b)は可飽
和リアクトルの1次側の電流I1 と誘導加熱コイル1に
流れる電流I2 との関係を示すグラフで、電流I1 が零
のとき可飽和リアクトルの2次側のインダクタンスが最
高値L1maxとなり可飽和リアクトルに流れる電流が最低
となるので電流I2 は最高のI2maxとなり、電流I1
最高値I1maxにすれば、インダクタンスが最小になるの
で電流I2 は最低のI2minとなる。そこで、温度制御の
スタートにあたっては、可飽和リアクトル制御回路19
は各可飽和リアクトル18a,18bに同図(b)中の
電流I1maxの1/2の電流値を夫々供給するようにした
状態で各誘導加熱コイル1a,1bに流れる電流の変化
の方向が互いに逆になるように、つまり1a側の電流が
増大すれば1b側の電流が減少するように可飽和リアク
トル18a,18bへの供給電流を相反的に制御する。
なお、図5に示す可飽和リアクトルの1次側の直流電流
と2次側のインダクタンスや誘導加熱コイルに流れる電
流との関係を示すグラフについては、その説明を分かり
易くすることから直線で近似させた場合を示したが、実
際には使用する可飽和リアクトルの特性に応じた種々の
カーブとなることは言うまでもない。
【0032】今、スタート時に例えば上側金型3の温度
が高かった場合には、温度差算出回路10から正の温度
差信号が可飽和リアクトル制御回路19に導入されるた
め、可飽和リアクトル制御回路は可飽和リアクトル18
a,18bの1次側にI1maxの1/2の電流値を中心に
して、18a側には誘導加熱コイル1aの電流が減少す
るように、また、18b側には誘導加熱コイル1bの電
流が増加するように供給電流I1 を変化させる。これに
より上側金型に生じる誘導電流が少なくなると共に、下
側金型に生じる誘導電流が多くなるので各金型の温度差
が縮まりやがて零になると、可飽和リアクトル制御回路
19は可飽和リアクトル18a,18bへの供給電流I
1 の変化を停止させる。以後、可飽和リアクトル制御回
路19は温度差零が維持されるように各可飽和リアクト
ルへ供給する電流を制御する。
【0033】逆に、スタート時に、下側金型4の温度が
高かった場合には、負の温度差信号が可飽和リアクトル
制御回路19に導入されるため、この可飽和リアクトル
制御回路は可飽和リアクトル18a,18bの1次側に
は、I1maxの1/2の電流値を中心にして、18aの方
が誘導加熱コイル1aの電流を増大させるように、ま
た、18bの方が誘導加熱コイル1bの電流を減少させ
るように供給電流I1 を変化させる。これにより上側金
型3の方が下側金型4よりも強く加熱されるため、温度
差が零となり各可飽和リアクトルへの電流変化が停止さ
れ、以後、温度差零が維持できるように各可飽和リアク
トルへの電流が制御される。このような可飽和リアクト
ル制御回路による制御に並行して前述した加熱温度制御
回路11において各金型の平均温度が設定温度に保たれ
るように制御するため、上側金型の温度と下側金型の温
度を夫々同一の設定温度に保つことができる。
【0034】なお、上述の説明は上側及び下側金型3,
4を夫々同一の温度に保つ場合について説明したが、両
金型の加熱温度に温度差を持たせるように制御すること
もできる。例えば、上側金型3の温度を210℃に、ま
た、下側金型4の温度を190℃というように各金型の
間に20℃の温度差を持たせたい場合には、まず、基準
電源12には各金型温度の中間温度である200℃に相
当する値をセットすると同時に、可飽和リアクトル制御
回路19に上側金型の方が20℃高いことを示す正の温
度差信号をオフセット値として設定する。このようにな
せば、加熱温度制御回路11は平均温度算出回路9で算
出される各金型の平均温度が中間温度の200℃になる
ように誘導加熱コイル1への誘導電流の供給を制御する
と共に、可飽和リアクトル制御回路はオフセット値が差
引かれた温度差信号に基づいて誘導加熱コイル1aの電
流が多くなり誘導加熱コイル1bの電流が少なくなるよ
うに可飽和リアクトル1a,1bに供給する電流I1
相反的に変化させることにより上側金型に発生する誘導
電流を増加させ下側金型に発生する誘導電流を減少させ
るように制御する。そして、以後、上側金型と下側金型
の温度差がオフセット値の20℃になるように各誘導加
熱コイルに流れる電流を個々に制御する。このようにし
て加熱温度制御回路11により2つの金型の平均温度が
200℃に制御されると同時に、可飽和リアクトル制御
回路19により上側金型の方が下側金型よりも20℃高
くなるように温度差が制御されさるため、結局、上側金
型の温度を210℃に、下側金型の温度を190℃に夫
々一定に維持することができる。
【0035】逆に、下側金型4の温度を上側金型3の温
度よりも高くしたい場合には、可飽和リアクトル制御回
路19に負の温度差をオフセット値としてセットすれば
良い。
【0036】また、上記実施例では、分割した誘導加熱
コイルに夫々可飽和リアクトルを接続した場合を示した
が、これに限定されることなく、誘導加熱コイルを任意
部分で分割し、その分割したいずれか一方の誘導加熱コ
イルに1つの可飽和リアクトルを接続することにより分
割した1つの誘導加熱コイルに流れる電流を制御するよ
うになしても前述と同様な動作を得ることができること
は言うまでもない。この場合、可飽和リアクトルを接続
している誘導加熱コイルには可飽和リアクトルを接続し
たことによる加熱能力の低下が避けられないため、可飽
和リアクトルを接続していない方の誘導加熱コイルのタ
ーン数を接続している方に比べて少なくして予め加熱能
力を低下させることにより2つの誘導加熱コイルのバラ
ンスをとるようにすれば良い。このようになせば、使用
する可飽和リアクトルの数を少なくすることができるた
め、コストの低下を図ることができる。
【0037】さらに、図4の実施例では、誘導加熱コイ
ル1の両端に電源2を接続したが、これに限定されるこ
となく、図3と同様に誘導加熱コイル1aと1bに電源
2を並列に接続しても良い。
【0038】さらに、上記実施例では、2つに分割した
誘導加熱コイル1a,1bに夫々並列に可飽和リアクト
ル19a,19bを接続したが、これに限定されること
なく、図6に示すように誘導加熱コイル1a,1bに電
源2を並列に接続すると共に、各誘導加熱コイルと電源
との間に可飽和リアクトル20a,20bを夫々設ける
ように構成しても良い。
【0039】さらに、以上の説明は本発明の一例であ
り、実施にあたっては幾多の変形が考えられる。例え
ば、上記各実施例では、 さらに、上記各実施例におい
ては、電源を並列的に接続するために誘導加熱コイルを
分割するにあたって図3及び図6で示すように1つの誘
導加熱コイルの中点Aで実質的に分割させた場合を示し
たが、別々に巻回した2つの誘導加熱コイルを直列に接
続して構成しても良い。この場合、2つの誘導加熱コイ
ルのターン数は必ずしも一致させる必要はない。
【0040】さらに、上記各実施例では、各金型の外周
に誘導加熱コイルを配置したが、これに限定されること
なく、各金型の内側に誘導加熱コイルを組込むようにし
ても良く、また、図4のように可飽和リアクトルを用い
た実施例においては、各金型の上方あるいは下方に誘導
加熱コイルを配置することも可能である。
【0041】さらに、上記各実施例では各金型を沿直線
方向に配置した場合を示したが、水平方向に配置した場
合でも同様に実施することができる。
【0042】さらに、上記実施例では、本発明を光学レ
ンズの成型装置に実施した場合について述べたが、これ
に限定されることなく、互いに接近した第1,第2の被
加熱物を高周波誘導加熱するものであれば何でも良い。
さらに、上記各実施例で示した誘導加熱コイルを2組以
上隣接して配置し、一方の誘導加熱コイルで加熱してい
る間に他方の誘導加熱コイルで加熱が済んだ被加熱物を
交換するというように交互に使用することも可能であ
る。この場合には、平均温度差で制御される電源及び温
度差に基づいて被加熱物の加熱状態を制御する手段(コ
イル上下移動手段や可飽和リアクトル)を1組だけ用意
すると共に、これらを切換スイッチにより切換えて所望
とする誘導加熱コイルに接続するように構成すれば、コ
ストの低下を図ることができる点で有利である。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明においては、
第1,第2の被加熱物の温度を検出することにより平均
温度を算出して誘導加熱コイル用加熱電源の出力を制御
すると共に、両者の温度差に基づいて各被加熱物に対す
る加熱状態を制御して温度差が一定になるように制御し
ているため、容易に第1,第2の被加熱物の温度を夫々
同一の設定した温度に維持することができる。また、第
1,第2の被加熱物における平均温度により誘導加熱コ
イル用電源を制御することなく、第1,第2の被加熱物
のいずれか一方の検出温度に基づいて誘導加熱コイル用
電源を制御するように構成すれば、第1,第2の被加熱
物の平均温度を算出する手段が不要となるため、コスト
の低減を図ることができる。さらに、第1と第2の被加
熱物の間に温度差をもたせながら各被加熱物を夫々同一
の設定温度に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波誘導加熱装置の一実施例を
示す構成概略図である。
【図2】図1で示す実施例の動作を説明する図である。
【図3】図1で示す実施例に使用される誘導加熱コイル
の他の例を説明する図である。
【図4】本発明に係る高周波誘導加熱装置の他の実施例
を示す構成概略図である。
【図5】図4で示す実施例の動作を説明する図である。
【図6】図4で示す実施例に使用される誘導加熱コイル
の他の例を説明する図である。
【符号の説明】
1 誘導加熱コイル 2 電源 3,4 上側,下側金型 5,6 温度検出手段 9 平均温度算出回路 10 温度差算出回路 11 加熱温度制御回路 12 基準電源 13 位置制御回路 14 移動板 15 ネジ棒 16 ナット 17 モータ 18a,18b 可飽和リアクトル 19 可飽和リアクトル制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−83725(JP,A) 特開 昭64−45734(JP,A) 特開 平2−267170(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 11/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルの
    加熱領域内に配置される第1,第2の被加熱物と、前記
    誘導加熱コイルの両端間に直列に接続あるいは誘導加熱
    コイルの中間点とこの各誘導加熱コイルの各々の端部と
    の間に夫々並列に接続された1つの電源と、前記第1,
    第2の被加熱物の各温度を測定するための第1,第2の
    温度測定手段と、該第1,第2の温度測定手段の各出力
    信号から第1,第2の被加熱物の平均温度を算出するた
    めの平均温度算出回路と、前記第1,第2の温度測定手
    段の出力信号から第1と第2の被加熱物間の温度差を算
    出するための温度差算出回路とを備え、前記平均温度算
    出回路からの出力信号に基づいて前記電源の出力を制御
    すると共に、前記温度差算出回路からの出力信号に基づ
    いて前記誘導加熱コイルの中間点部分で実質的に2つに
    分割される各誘導加熱コイルに流れるコイル電流の比を
    変える手段を設けたことを特徴とする高周波誘導加熱装
    置。
  2. 【請求項2】 誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルの
    加熱領域内に配置される第1,第2の被加熱物と、前記
    誘導加熱コイルの両端間に直列に接続あるいは誘導加熱
    コイルの中間点とこの各誘導加熱コイルの各々の端部と
    の間に夫々並列に接続された1つの電源と、前記第1,
    第2の被加熱物の各温度を測定するための第1,第2の
    温度測定手段と、該第1,第2の温度測定手段の各出力
    信号から第1と第2の被加熱物間の温度差を算出するた
    めの温度差算出回路とを備え、前記第1あるいは第2の
    温度測定手段のいずれか一方の出力信号に基づいて前記
    電源の出力を制御すると共に、前記温度差算出回路から
    の出力信号に基づいて前記誘導加熱コイルの中間点部分
    で実質的に2つに分割される各誘導加熱コイルに流れる
    コイル電流の比を変える手段を設けたことを特徴とする
    高周波誘導加熱装置。
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