JP5357005B2 - 機能性素材の製造方法、機能性素材およびそれを得るための連続加熱処理装置 - Google Patents

機能性素材の製造方法、機能性素材およびそれを得るための連続加熱処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、機能性素材の製造方法、機能性素材、それを得るための連続加熱処理装置および前記機能性素材から分離されたヒト型スフィンゴミエリンとプラズマローゲン型グリセロリン脂質に関する。さらに詳しくは、本発明は、家禽類、好ましくはニワトリの表皮部を効率よく加熱処理して、脱油・脱脂を行い、該表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮すると共に殺菌することにより、加熱・殺菌処理食材などの機能性素材を製造する方法、この方法で得られた機能性素材、該機能性素材を製造するための連続加熱処理装置、および該機能性素材から分離された食品、化粧品、医薬品などの素材として有用なヒト型スフィンゴミエリンとプラズマローゲン型グリセロリン脂質に関するものである。
脂質とは、分子中に長鎖脂肪酸または類似の炭化水素鎖をもち、生体内に存在するか、生物に由来する物質を指す。この脂質は、単純脂質と複合脂質に分類することができる。単純脂質は、C、HおよびOより構成され、一般にアセトンに可溶で、単純脂質のトリアシルグリセロールは動物体では、脂肪組織にエネルギーの貯蔵体として存在する。一方、複合脂質は、リン酸のPや塩基のNなどを含む脂質群である。したがって、複合脂質は、疎水性部分(脂肪酸部分)と親水性部分(リン酸や塩基の部分)からなり、両親媒性を示し、一般的には、前記単純脂質がアセトンに可溶であるのに対し、複合脂質はアセトンに不溶である。このような複合脂質は生体膜の構成成分となっている。
前記複合脂質は、(1)グリセロリン脂質[ホスファチジルコリン(別名レシチン)、ホスファチジルエタノールアミンなどが属する。]、(2)スフィンゴリン脂質(スフィンゴミエリン、セラミドシリアチンなどが属する。)、(3)スフィンゴ糖脂質(セレブロシド、スルファチド、ガングリオシドなどが属する。)、および(4)グロセロ糖脂質(微生物や高等植物に存在するジアシルグリセロールに種々の糖が結合したものなどがある。)に大別することができる。なお、前記(2)スフィンゴリン脂質および(3)のスフィンゴ糖脂質を総称してスフィンゴ脂質と呼ばれる。
前記グリセロリン脂質は、グリセロリン酸を骨格にもつリン脂質の総称で、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ジホスフィチジルグリセロールなどがある。このグリセロリン脂質は、非極性部分が脂肪酸のエステルであるものが多いがビニルエーテル結合をもつプラズマローゲン型のものもある。
このグリセロリン脂質は、生体膜の構成成分として重要であるが、中でもプラズマローゲン型のグリセロリン脂質は、ビニルエーテル結合のラジカル感受性が高いため、抗酸化性を有するリン脂質として、近年注目されている。最近、プラズマローゲン型グリセロリン脂質が、細胞膜の抗酸化性分であるα−トコフェロール(ビタミンE)とは異なった機構により、コレステロールを含むリン脂質膜の酸化安定性に寄与していることが報告されており(例えば、非特許文献1参照)、またプラズマローゲン型グリセロリン脂質は、細胞膜やリポタンパク質の抗酸化性に関与するだけでなく、細胞の情報伝達システムに重要な役割を有することが指摘されている(例えば、非特許文献2参照)。
このようなプラズマローゲン型グリセロリン脂質は、痴呆症における脳の神経細胞死を防止する作用が期待されているが、安全で大量に入手可能な供給源は見当たらないのが実状である。
一方、スフィンゴ脂質は、スフィンゴシンなどの長鎖塩基をもつ脂質の総称で、前述したように主としてスフィンゴ糖脂質とスフィンゴリン脂質からなる。スフィンゴ糖脂質は、糖と長鎖脂肪酸の外に、長鎖塩基であるスフィンゴシンまたはフィトスフィンゴシン、その他を含むものである。最も単純なスフィンゴ糖脂質は、セレブロシドであるが、さらにそれに硫酸基のついたスルファチド、中性糖が数分子ついたセラミドオリゴヘキソシド、シアル酸のついたガングリオシドなどがある。これらの物質は、細胞表層に存在し、認識機構に関与するものと考えられている。
スフィンゴリン脂質は、セラミド1−リン酸の誘導体とセラミド1−ホスホン酸の誘導体に分けられ、前者ではスフィンゴミエリン、後者ではセラミドシリアチン(セラミドアミノエチルホスホン酸)がよく知られている。
これらのスフィンゴ脂質は、近年、その分解代謝物であるセラミド、スフィンゴシン、スフィンゴシン−1−リン酸などが細胞内の情報伝達に関与することが明らかにされ、注目されている。また、スフィンゴ脂質は、コレステロールなどとともに、「ラフト」と呼ばれる膜微小ドメインの形成に関与し、この微小ドメインが情報伝達の場として重要な役割を果たすことが明らかにされてきたことにより、ますます注目の度を増している。
このようなスフィンゴ脂質は、従来牛脳から抽出され、利用されていたが、安全性の問題から、現在穀物や真菌由来のものが利用されている。しかしながら、これらの穀物や真菌由来のスフィンゴ脂質を構成するスフィンゴイド塩基組成は、哺乳動物のものとは異なるため、ヒト型のスフィンゴ脂質と比べて生体利用性が低いという問題があった。
一方、家禽類、特に鶏皮のリン脂質には、ヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン資質が多く含まれていることが知られている。
したがって、鶏皮などの家禽類の表皮部を加熱処理して、単純脂質などの不要部分を除去し、ヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮し、かつ殺菌処理したものは、加熱・殺菌処理食材などの機能性素材として有用である。
「J.Lipid Res.」、第44巻、第164〜171頁(2003年) 「J.Mol.Neurosci.」、第16巻、263〜272頁;discussion 279〜284頁(2001年)
本発明は、このような事情のもとで、家禽類、好ましくはニワトリの表皮部を効率よく加熱処理して、脱油・脱脂を行い、該表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮すると共に殺菌することにより、加熱・殺菌処理食材などの機能性素材を製造する方法、この方法で得られた機能性素材、該機能性素材を製造するための連続加熱処理装置、および該機能性素材から分離された食品、化粧品、医薬品などの素材として有用なヒト型スフィンゴミエリンとプラズマローゲン型グリセロリン脂質を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、家禽類の表皮部を加熱処理する方法として、特定の工程を含む手段を用いることにより、目的の機能性素材が効率よく得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 家禽類の表皮部を加熱処理し、脱油・脱脂を行い、上記表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮すると共に、殺菌することにより、機能性素材を製造する方法であって、上記加熱処理が、
(A)100℃以上に加熱された熱水および/または水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる工程、
(B)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、相対湿度95%以上及び酸素濃度0.2容量%以下の組成を有し、100〜115℃の温度領域に保持された気水で満たす工程、
(C)上記気体水に100%湿り状態の水蒸気を噴射させ、上記100%湿り状態の水蒸気から発生する熱水及び高湿度の湿熱水蒸気とその凝縮により部分的に生成する微細水滴との混合系からなる複合化加熱媒体を安定的に形成させる工程、および
(D)家禽類の表皮部に、上記複合化加熱媒体で、100〜115℃の温度および0.2容量%以下の酸素濃度雰囲気下において、少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して、上記表皮部を加熱処理する工程、
を含むことを特徴とする機能性素材の製造方法、
(2) 家禽類がニワトリである上記(1)項に記載の機能性素材の製造方法、
(3) 機能性素材が、加熱・殺菌処理食材である上記(1)または(2)項に記載の機能性素材の製造方法、
) 上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の機能性素材製造方法を実施するための装置であって、
(i)100℃以上に加熱された熱水および/または水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる手段、
(ii)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、相対湿度95%以上及び酸素濃度0.2容量%以下の組成を有し、
100〜115℃の温度領域に保持された気水で満たす手段、
(iii)上記気体水に100%湿り状態の水蒸気を噴射させ、上記100%湿り状態の水蒸気から発生する熱水及び高湿度の湿熱水蒸気とその凝縮により部分的に生成する微細水滴との混合系からなる複合化加熱媒体を安定的に形成させる手段、および
(iv)家禽類の表皮部に、上記複合化加熱媒体で、100〜115℃の温度および0.2容量%以下の酸素濃度雰囲気下において、少なくとも
10℃の温度差の連続振幅加熱を施して、上記表皮部を加熱処理する手段、
を備えていることを特徴とする連続加熱処理装置、
を提供するものである。
本発明によれば、家禽類、好ましくはニワトリの表皮部を効率よく加熱処理して、脱油・脱脂を行い、該表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮すると共に殺菌することにより、加熱・殺菌処理食材などの機能性素材を製造する方法、この方法で得られた機能性素材、該機能性素材を製造するための連続加熱処理装置、および該機能性素材から分離された食品、化粧品、医薬品などの素材として有用なヒト型スフィンゴミエリンとプラズマローゲン型グリセロリン脂質を提供することができる。
実施例1におけるhi−LOHS−R加熱条件と減量率との関係を示すグラフである。 実施例1におけるhi−LOHS−R加熱鶏皮の総脂質含有率を示すグラフである。 実施例1におけるhi−LOHS−Rの加熱条件と脱油・脱脂率との関係を示すグラフである。 実施例1におけるhi−LOHS−R加熱条件と複合脂質の濃縮率との関係を示すグラフである。 実施例1における繰り返し加熱処理回数と平均加熱減量率との関係を示すグラフである。 実施例1において、脱油・脱脂表皮から、複合脂質を得るためのフロー図である。 実施例1における複合脂質画分のTLCおよびHPLCの結果を示す図である。 実施例1において、脱油・脱脂鶏皮から、粗スフィンゴミエリンおよび粗プラズマローゲンを調製するためのフロー図である。 実施例1における粗スフィンゴミエリンおよび粗プラズマローゲンのELSD検出クロマトグラムである。 実施例1において、加熱終了時の装置およびシャワー洗浄後の装置の写真である。 実施例2における加熱温度と生皮ミンチの減量率との関係を示すグラフである。 実施例2における原料形状と加熱減量との関係を示すグラフである。 実施例2における原料生皮の形状と加熱減量との関係を示すグラフである。 実施例2において、同一ロット原料の繰り返し試験Iの結果を示すグラフである。 実施例2において、同一ロット原料の繰り返し試験IIの結果を示すグラフである。 実施例2において、同一ロット原料の繰り返し試験IIIの結果を示すグラフである。 実施例1及び2で使用したhi−LOHS−Rプロトタイプ装置(時間当たり4kg)の実用機の詳細図である。
まず、本発明の機能性素材の製造方法について説明する。
本発明の機能性素材の製造方法は、家禽類の表皮部を加熱処理し、脱油・脱脂を行い、該表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮すると共に、殺菌することにより、機能性素材を製造する方法であって、上記加熱処理として、以下に示す(A)〜(D)工程を含む手段を用いることを特徴とする。
本発明において、熱水と微細水滴及び水蒸気から成る「複合化加熱媒体」(h−AQGと略記することがある。)とは、100%湿り状態の水蒸気から発生する熱水及び高湿度の湿熱水蒸気とその凝縮により部分的に生成する微細水滴との混合系を意味し、乾熱水蒸気とは、上記湿熱水蒸気の乾燥により部分的に生成する高乾燥水蒸気を意味する。
[(A)、(B)、(C)工程]
本発明における(A)工程は、100℃以上に加熱された熱水および/または水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる工程であり、(B)工程は、上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、相対湿度95%以上及び酸素濃度0.2容量%以下の組成を有し、100〜115℃の温度領域に保持されたガス成分(気体水)で満たす工程である。
また、(C)工程は、上記気体水に100%湿り状態の水蒸気を噴射させ、熱水・微細水滴・水蒸気からなる複合化加熱媒体を安定的に形成させる工程である。
本発明において、上記加熱室は、被処理体を外気と遮断して加熱することができる所定の準閉鎖系空間で構成され、該加熱室として、好適には、例えば、被処理体を載せるためのプレート、一部にガラス窓部を形成した開閉可能なドア部を有する準密閉空間が例示される。加熱室は、好適には、ステンレス製の素材で形成される。本発明では、上記加熱室を100℃を越える所定の温度に加熱するが、この場合、好適には、該加熱室に導入する熱水及水蒸気の温度と同等又はそれ以上に加熱する。
本発明では、上記のように、加熱室を所定の温度に加熱すると共に、該加熱室で熱水と微細水滴及び水蒸気を発生させ、該加熱室内の空気をh−AQGで置換する。この場合、上記熱水と微細水滴及び水蒸気は、例えば、細管を通して所定の流速で送水された水を細管の外部からヒーターで加熱し、細管の端部に設けられたノズルを介して加熱室に導入することで生成される。上記熱水と微細水滴及び水蒸気は、100〜115℃に加熱された高温常圧の熱水とガス混合成分であり、被処理体を高いエネルギー効率で加熱する作用を有する。加熱された水は、加熱室内にノズルを介して噴霧・噴射される。加熱室内は常圧状態で100〜115℃の温度に加熱制御されており、噴霧された水滴は気化して、加熱室内を熱水と微細水滴及び水蒸気の混合状態にする。その際に、噴霧される水量及び水滴径を調整することで、水蒸気雰囲気に一部微細水滴を混合させる状態を作り出すことができ、このような状態をアクアガスと呼び、同時にこれに100%湿り状態の水蒸気を噴射して熱水を形成せしめて熱水と微細水滴及び水蒸気からなる「複合化加熱媒体」(ハイブリッド型アクアガス(商品名、以下、「h−AQG」という))を形成させる。
本発明では、給水タンクの水を給水ポンプで汲み上げ、細管からなる導管を通して水蒸気発生蓄熱パネルに供給し、加熱ヒーターにより、所定の温度に加熱し、そのまま、細管の先端に設置した水蒸気噴射ノズルから高速で熱水及び/又は水蒸気を噴射させる。この場合、水蒸気ノズルとしては、先端に微細噴射孔を形成してなる、熱水及び/又は水蒸気を微細化して噴出する機能を有するものであれば、適宜のものが用いられる。微細噴射孔の孔径、孔数、孔の穿設位置等は任意に設定できる。水蒸気噴射ノズルからの熱水及び/又は水蒸気の噴射速度は、好適には、噴射ノズル先端において160〜200/s程度であるが、これらに制限されるものではなく、装置の大きさ、種類及び使用目的等に応じて、例えば、微細噴射孔の孔径、孔数等を変更することにより任意に設定することができる。
本発明では、例えば、上記微細噴射ノズルから噴射された水蒸気を加熱室に導入するが、その際に、噴射ノズルの先端に近接して設置した循環ファンに水蒸気を噴射して、循環ファンの回転による衝撃力と風力により所定の風向にh−AQGを移送すると共に、それらの風向に合わせて設置された加熱ヒーターにh−AQGを接触させて、h−AQGをその温度を低下させずに加熱室全体に導入し、該加熱室を所定の温度に保持されたh−AQGで置換し、相対湿度95%以上、酸素濃度0.2容量%以下、より好適には、相対湿度99.0%以上、酸素濃度0.2容量%以下の熱水・ガス成分で加熱室を満たすことにより、加熱室内にh−AQG雰囲気を形成することができる。微細噴射口から噴射された熱水及び/又は水蒸気は、循環ファンに衝突することで更に微細化する。また、循環ファンにより形成された風向の風下に設置された加熱ヒーターは、その表面が噴射された熱水及び/又は水蒸気に直接的に、かつ広面積で接触するように、好適には、噴射された熱水及び/又は水蒸気をなるべく遮るような位置及び方向に設置する。それにより、加熱ヒーターによる熱を噴射された熱水及び/又は水蒸気に効率良く伝達し、噴射された熱水及び/又は水蒸気の温度低下を確実に防止することが可能となる。
上記循環ファンは、例えば、加熱室内部の後面側の中央に設置され、噴射された熱水及び/又は水蒸気を、加熱室内部の左側面部及び右側面部に位置するダクト内に設置された加熱ヒーターに直接接触するように移送する機能を有するものが例示されるが、これらに制限されるものではない。また、上記加熱ヒーターは、好適には、例えば、シーズヒーター等をヘアピン状に多数設置して、噴射された熱水及び/又は水蒸気との接触面積が増えるようにしたものが例示されるが、これらに制限されるものではなく、同様の機能を有するものであれば同様に使用することができる。上記循環ファンの回転数及び回転方向は、装置の大きさ、ダクトの位置、形状、加熱ヒーターの形状、設置位置等を考慮して、噴射された熱水及び/又は水蒸気がダクト内に循環風として循環し得るように設定される。
[(D)工程]
この(D)工程は、家禽類の表皮部に、上記複合化加熱媒体で、100〜115℃の温度および0.2容量%以下の酸素濃度雰囲気下において、少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して、該表皮部を加熱処理する工程である。
当該(D)工程においては、前記熱水と微細水滴及び水蒸気で被処理材料に100〜115℃の温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱処理するが、ここで、少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱とは、100〜115℃の温度範囲において、短時間に10℃を上回る温度差の振幅で連続的に加熱することを意味する。
加熱室がh−AQGで置換された段階で、被処理体を加熱室に導入し、上記h−AQGを熱媒体として利用して、所定の加熱処理を行う。
加熱室に導入した被処理体は、所定の加熱処理を施した後、適宜のタイミングで加熱室の外に搬出され、被処理体に接触したh−AQGは、h−AQG排出口から系外に排出される。加熱室内に噴射された熱水及び/又は水蒸気は、まず、循環ファンに衝突し、微細化され、ダクトに移送され、ダクト内に設置した加熱ヒーターに接触し、所定の温度に加熱された後、加熱室内に導入された被処理体に接触し、熱媒体として利用された後、系外に排出される。熱媒体としてのh−AQGの熱エネルギーは、被処理体の加熱処理の熱源として利用されるが、本発明では、噴射された熱水及び/又は水蒸気は、そのまま、被処理体に接触するのではなく、一旦、ダクト内に設置された加熱ヒーターにより加熱された後に、被処理体に接触し、噴射された熱水及び/又は水蒸気の熱量を低下させることなく、被処理体を加熱するので、被処理体を効率よく加熱することが可能となる。
また、噴射された熱水及び/又は水蒸気は、例えば、高速で循環ファンに衝突し、その衝突により衝撃で水滴が分割されて、更に、微細化されると共に、更に、加熱ヒーターで加熱されるので、この微細化された高温の気体水は、肉眼観察で完全に透明な高熱伝導率の高温の水粒子からなり、被処理体の内部への浸透性が高く、一旦、被処理体の内部へ浸透して熱交換を行った気体水に対し、後続の高温の気体水が熱エネルギーをたえず供給するので、高熱伝導率を有する熱が連続的に内部へ移動し、気体水が、効率よく被処理体の内部へ浸透し、短時間で被処理体を加熱することができる。更に、同時併行的に噴射される100%湿り状態の水蒸気から大量に発生する熱水が充満しているために、装置内面が常に熱水で覆われる結果、装置面への加熱副生物の飛沫付着を防止するとともに、特に、ヒーター面付着物の高熱変成による除去困難な皮膜の形成を抑制することができる。
本発明において、上記噴出された熱水及び/又は水蒸気の水滴は、必要により、循環ファンに衝突することで更に微細化され、界面活性を有する殺菌性の微細な水粒子として加熱室に充満する。実験の結果、給水タンクから採取された水のpHは約6.9〜7.1であったが、この界面活性な殺菌性微細水粒子のpHは、約8.5〜9.8であり、100℃以上の高温条件と協動して、加熱室内で高殺菌性h−AQG雰囲気を形成するのみならず、従来技術では不可能とされて来た加熱副生物の合理的な除外化が加熱処理と同時並行的に行うことが可能となる。
このような(A)〜(D)工程を含む手段を用いて、家禽類、好ましくはニワトリの表皮部を加熱処理することにより、効果的に脱油・脱脂が行われ、該表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質が濃縮されると共に、殺菌されることにより、機能性素材を効率よく製造することができる。
本発明の方法で製造された機能性素材は、ヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質が濃縮されており、それらの含有量は、家禽類がニワトリである場合、通常前者が0.3〜0.8質量%程度で、後者が0.5〜1.2質量%程度であって、加熱・殺菌処理食材などとして用いることができる。
本発明はまた、前記本発明の方法で得られたことを特徴とする機能性素材をも提供すると共に、該機能性素材を製造するための連続加熱処理装置をも提供する。
本発明の連続加熱処理装置は、家禽類の表皮を加熱処理し、脱油・脱脂を行い、該表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮すると共に、殺菌することにより、機能性素材を製造する装置であって、
(1)100℃以上に加熱された熱水および/または水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる手段、
(2)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、相対湿度95%以上及び酸素濃度0.2容量%以下の組成を有し、100〜115℃の温度領域に保持されたガス成分(気体水)で満たす手段、
(3)上記気体水に100%湿り状態の水蒸気を噴射させ、熱水・微細水滴・水蒸気からなる複合化加熱媒体を安定的に形成させる手段、および
(4)家禽類の表皮部に、上記複合化加熱媒体で、100〜115℃の温度および0.2容量%以下の酸素濃度雰囲気下において、少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して、該表皮部を加熱処理する手段、
を備えている。
次に、本発明のヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質について説明する。
本発明のヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質は、前述した本発明の機能性素材から分離されたものであって、例えば、以下に示す(a)、(b)、(c)および(d)工程を施すことにより、製造することができる。
[(a)工程]
この(a)工程は、前述の当該機能性素材から、溶剤を用いて、総脂質を抽出し、乾燥処理して、乾燥総脂質を得る工程である。総脂質の抽出に用いる溶剤としては、食品衛生上安全であって、かつ抽出効率のよいものが用いられる。このような溶剤としては、特にエタノールが好適である。この抽出処理は、常法に従って行うことができる。ただし、この抽出工程ではエタノール可溶の非脂質成分も抽出される。
抽出液は、常法に従い、ロータリエバポレーターなどを用いて溶剤を留去させることにより、あるいは窒素ガスを導入することなどにより、乾燥総脂質が得られる。
[(b)工程]
この(b)工程は、前記(a)工程で得られた乾燥総脂質を、脂肪族炭化水素系溶剤と水溶性ケトン系溶剤との混合溶剤で抽出処理し、スフィンゴミエリンを主体とする不溶部(以下、粗スフィンゴミエリンと称することがある。)と、可溶部とに分離する工程である。
当該(b)工程において、乾燥総脂質の抽出処理に用いられる混合溶剤の一成分である脂肪族系炭化水素系溶剤としては、例えばn−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、これらの中でn−ヘキサンが好適である。
また、前記混合溶剤の他方の成分である水溶性ケトン系溶剤としては、例えばアセトンおよび/またはメチルエチルケトンなどを用いることができるが、これらの中でアセトンが好適である。
混合溶剤として、n−ヘキサンとアセトンとの混合物を用いる場合、その割合は、容量比で4:6〜6:4が好ましく、4.5:5.5〜5.5:4.5がより好ましい。
また、この混合溶剤の使用量は、乾燥総脂質1g当たり、通常10〜30mL程度である。この混合溶剤の量が10mL未満では、抽出処理を十分に行うことができず、不溶部中のスフィンゴミエリンの純度低下や回収率の低下を招くおそれがある。一方30mLを超えると、その量の割にはスフィンゴミエリンの純度や回収率の向上効果が発揮されにくい。混合溶剤の好ましい使用量は、乾燥総脂質1g当たり、15〜25mLである。抽出処理は常法に従って行うことができる。
抽出処理液は、遠心分離処理を施すことにより、可溶部とスフィンゴミエリンを主体とする不溶部に分離することができる。
[(c)工程]
この(c)工程は、前記(b)工程で得られたスフィンゴミエリンを主体とする不溶部を、水と水溶性ケトン系溶剤との混合溶剤で抽出処理し、可溶部に含まれる非脂質成分を除去する工程である。
前記(b)工程で得られたスフィンゴミエリンを主体とする不溶部の粗スフィンゴミエリンの純度は、通常40質量%以上である。この粗スフィンゴミエリン中には、通常スフィンゴミエリン以外に、ホスファチジルコリンが6質量%以下の割合で混入しているが、その他のリン脂質は混入されにくい。
この(c)工程における水溶性ケトン系溶剤としてはアセトンが好ましく、混合溶剤として水とアセトンを用いる場合、その容量比は、3:7〜7:3が好ましく、5:5がより好ましい。また、この混合溶剤の使用量は、(b)工程で得られたスフィンゴミエリンを主体とする不溶部の乾燥処理物1g当たり、10〜30mL程度である。
抽出処理液は、遠心分離処理を施すことにより、可溶部とスフィンゴミエリンを主体とする不溶部に分離することができる。その後、不溶部に残存する水分は、アセトン処理により除去することができる。この粗スフィンゴミエリンの純度は、通常70質量%以上である。この粗スフィンゴミエリン中には、通常スフィンゴミエリン以外に、ホスファチジルコリンが12質量%以下の割合で混入しているが、その他のリン脂質は混入されにくい。
[(d)工程]
この(d)工程は、前記(b)工程で得られた可溶部を乾燥処理後、水溶性ケトン系溶剤で抽出処理し、プラズマローゲン型グリセロリン脂質を主体とする不溶部(以下、粗プラズマローゲン型グリセロリン脂質と称することがある。)を分離回収する工程である。
当該(d)工程においては、まず、前記(b)工程で得られた可溶部を、常法に従って乾燥処理する。例えばロータリエバポレーターを用いて、前記可溶部中の混合溶剤を留去させる方法などを用いることができる。次いで、このようにして得られた乾燥処理物を、水溶性ケトン系溶剤により、常法に従って抽出処理する。この際使用する水溶性ケトン系溶剤としては、アセトンおよび/またはメチルエチルケトンを挙げることができるが、アセトンが好適である。
抽出溶剤としてアセトンを使用する場合、乾燥処理物1g当たり、通常10〜30mL程度である。溶剤の使用量が10mL未満では、抽出処理を十分に行うことができず、不溶部中のプラズマローゲン型グリセロリン脂質の純度低下や回収率の低下を招くおそれがある。一方30mLを超えると、その量の割にはプラズマローゲン型グリセロリン脂質の純度や回収率の向上効果が発揮されにくい。溶剤の好ましい使用量は、乾燥処理物1g当たり、15〜25mLである。
抽出処理液は、遠心分離処理を施すことにより、可溶部とプラズマローゲン型グリセロリン脂質を主体とする不溶部(粗プラズマローゲン型グリセロリン脂質)に分離することができる。不溶部におけるプラズマローゲン型グリセロリン脂質の量は、通常40質量%以上である。
このような方法によれば、当該機能性素材の総脂質から、簡単な手段によって、スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を、高い純度で収率よく製造することができる。
この方法によれば、当該機能性素材から、通常、粗スフィンゴミエリンを0.1〜0.2質量%程度、および粗プラズマローゲン型グリセロリン脂質を0.6〜0.8質量%程度の割合で得ることができる。
スフィンゴミエリンは、セラミドの第一級アルコール性ヒドロキシル基とコリンリン酸がリン酸ジエステル結合したもので、下記の式(I)

(式中、R−COは脂肪酸残基を示す。)
の構造を有し、通常動物体の脳組織のみならず、臓器組織にも広く存在する。
前記方法で得られるニワトリ表皮由来のスフィンゴミエリンを構成するスフィンゴイド塩基は、大部分が4−トランス−スフィンゲニン(スフィンゴシン)であることから、当該スフィンゴミエリンは、生体利用性の高いヒト型スフィンゴミエリンである。
スフィンゴミエリンは、その分解代謝物であるセラミド、スフィンゴシン、スフィンゴシン−1−リン酸などが脂肪内の情報伝達に関与することが明らかにされており、またコレステロールなどとともに、「ラフト」と呼ばれる膜微小ドメインの形成に関与し、この微小ドメインが情報伝達の場として重要な役割を果たすことが明らかにされている。さらに、スフィンゴミエリンは、皮膚の保湿効果や大腸がん予防効果などが期待されている。
一方、前記方法で得られる粗プラズマローゲン型グリセロリン脂質には、主としてホスファチジルエタノールアミン(PE)が含まれており、一部ホスファチジルコリン(PC)が含まれている。前記PEは、約80質量%がプラズマローゲン型であり、またPCにも約30質量%のプラズマローゲン型が含まれている。
下記の式(II)および式(III)に、それぞれジアシル型グリセロリン脂質およびプラズマローゲン型グリセロリン脂質の構造を示す。
通常のグリセロリン脂質(レシチン)は、式(II)で示されるようにグリセロールのsn−1(1位)に脂肪酸アシル基とのエステル結合をもつが、プラズマローゲン型は、式(III)で示されるようにグリセロールのsn−1にアルケニル基をもつビニルエーテル結合を有している。
なお、Xがアミノエチル基である場合、ホスファチジルエタノールアミンであり、Xがトリメチルアミノエチル基である場合、ホスファチジルコリンである。
前記プラズマローゲン型グリセロリン脂質は、ビニルエーテル結合のラジカル感受性が高いため抗酸化性リン脂質として注目されており、コレステロールを含むリン脂質膜の酸化安定性に寄与していることが知られている。またプラズマローゲン型グリセロリン脂質は、細胞膜やリポタンパク質の抗酸化性に関与するだけでなく、細胞の情報伝達システムに重要な役割を有することが指摘されている。このようなプラズマローゲン型グリセロリン脂質は、痴呆症における脳の神経細胞死を防止する作用や、アテローム性動脈硬化症の発症予防効果などが期待されている。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、表および図における「%」は、「質量%」を示し、図における「m.」は「分間」を示す。
実施例1
(1)原料の調製
(a)廃鶏(成鶏)のチルド生皮
家禽の典型種の一つである産卵鶏の成鶏採肉処理工程から容易に得られる中抜き屠体、好ましくは「温屠体」((農事組合法人エヌチキン(鹿児島県知覧町))製)を使用して、該屠体の背皮部に切り込みを入れ、両側に引っ張って皮を剥ぎ、ハイバリアー性包材で真空パック後に冷蔵保存してチルド生皮を調製した。
(b)廃鶏(成鶏)のチルド生皮のミンチの調製
上記で調製したチルド生皮を、通常のミンチ調製方法である、冷凍→テンパリング→真空→冷凍を、冷凍変成を抑制するためにチルド生皮を市販のミンチ機器でミンチ化後に真空包装・冷凍する方式で実施した。尚、ミンチサイズは、4mm〜12mm、好ましくは6〜10mmである。
(2)廃鶏(成鶏)のチルド生皮を使った脱油・脱脂試験
下記により、廃鶏(成鶏)のチルド生皮6.7kgを使った脱油・脱脂試験を行った。
本技術で使用する装置((株)タイヨー製作所製)の一部を改良した、回転型加熱トレー(細かめの金網篭で半球の蓋付)を付帯した装置(「hi−LOHS−R」ということがある。)を用いて、加熱温度と加熱時間を変えて加熱減量とその総脂質減量を測定する脱油・脱脂の至適条件の設定検討を実施した。その結果を纏めて表1及び図1(加熱減量)と図2(総脂質含有率)並びに図3(脱油・脱脂率)と図4(複合脂質濃縮率)に示した。
これらの結果を解析した結果、好ましい温度帯は102〜107℃、加熱時間は15〜20分間で、105℃で15分間加熱が至適であることが判明した。この至適条件の再現性試験を実施し、その結果図5に示した様に、その再現性は良好であった。
(3)脱油・脱脂成鶏皮の目的機能性成分の品質検定とその分離試験
(a)品質検定
至適条件で処理した生皮に付き、目的成分であるスフィンゴミエリン(「SM」と言うことがある。)とプラズマローゲン(「PLL」と言うことがある。)の品質検定試験を実施した。チルド生皮(図5記載の5回繰り返し脱油・脱脂試験に供した成鶏生皮)をhi−LOHS−R105℃15分間脱油・脱脂後に図6の手法に従い、複合脂質を得た。当該複合脂質画分を常法に従って薄層クロマト(TLC)に付し、そのスポット位置から定性的にSMとPLLを同定した(図のTLC記録紙中記載用語の説明;PE:PLLを主成分とするフォスファチジルエタノールアミン、PC:フォスファチジルコリン)。更に、該画分をメタノリシス処理して高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定に供した。その結果を纏めて図7に示した(HPLC記録紙記載用語の説明;16:0:炭素数16の飽和脂肪族炭化水素残基、18:0:炭素数18の飽和脂肪族炭化水素残基、20:4:炭素数20で不飽和度4の脂肪酸類、22:3〜6:炭素数22で不飽和度3〜6の脂肪酸類)。この結果、至適条件で加熱脱油・脱脂した生皮には、SMとPLL由来物質である炭素数16と18の飽和直鎖脂肪族ジメチルアセタール、及びSM等のリン脂質由来の炭素数20と22の高度不飽和脂肪酸が、未加熱の生皮由来の複合脂質画分と同等以上のピーク強度で測定されたことから、目的2成分がその加熱処理による分解や変性を受けることなく、濃縮されていることが明らかになった。
(b)目的成分のSMとPLLの分離試験
図5記載の5回繰り返しhi−LOHS−R105℃15分間脱油・脱脂処理成鶏生皮750gを凍結乾燥して320gの脱油・脱脂鶏皮粉末を調製し、図8の手順に従って、各40gを用いて合計8回繰り返して溶剤分別を試みた結果、8回平均で粗SM0.13±0.02g(合計1.04g(回収率0.14質量%、対hi−LOHS−R105℃15分間脱油・脱脂処理成鶏生皮))と粗PLL0.65±0.09g(合計5.2g(回収率0.69質量%、対hi−LOHS−R105℃15分間脱油・脱脂処理成鶏生皮))が得られた。図9に示した順相HPLC分離・光散乱検出の結果、粗SMは90質量%、粗PLLは40質量%と各々の純度が検定された。従って、hi−LOHS−R105℃15分間脱油・脱脂処理成鶏生皮に対する純分換算回収率は、SMで0.13質量%、PLLでは0.26質量%と算定される。
(c)保存安定性
本試験の至適条件、105℃15分間加熱で得られた加熱生皮の初発一般生菌数は検出限界以下で、ハイバリアー性フィルムで真空包装して1ヶ月間冷蔵保存後においても、同じく生菌数は検出限界以下で、保存安定性に優れていることが実証された。
本試験の至適条件、105℃15分間加熱で得られた加熱生皮は、通常の凍結乾燥により、容易に乾燥され、粉末化され、密封状態では常温で長期間安定である。
(4)hi−LOHS−R加熱の装置汚染抑制作用
本加熱技術には、装置の防汚作用があり、当該試験終了後に庫内を水道水のシャワーだけで図10に示した様に簡便に洗浄可能であることが実証された。図10(a)は、本加熱技術による加熱終了時の装置の部分写真を示し、(b)は水道水シャワー洗浄後の該部分の写真である。
実施例2
実施例1(2)における廃鶏(成鶏)のチルド生皮を使った脱油・脱脂試験の代わりに、廃鶏(成鶏)のチルド生皮ミンチ凍結品2.5kgを使用した脱油・脱脂試験を行った。
本実施例では、成鶏生皮の形状変換によるhi−LOHS−R加熱脱油・脱脂試験への影響を検討した。
チルド屠体から剥いだチルド生皮を原料として、実施例1(1)と同様の操作で8mmのミンチを作り、ハイバリアー性フィルムで真空包装し、冷凍したものを3℃の冷蔵庫で一夜静置して解凍して試験に供した。
各加熱温度に対する減量は図11に示した様に生皮と類似の傾向、好適な温度帯が102〜107℃を示した。
図12に示す様に、原料形状を皮からそのミンチに変換することによって、加熱減量は大差ないものの、総脂質減量率が顕著に向上することが明らかにされた。
また、加熱減量に関する再現性を明らかにするため、至適条件の105℃15分間加熱スケールアップ試験を実施し、その結果を図13に示した様に、ミンチ化の優位性に関する再現性は良好であった。
さらに、3ロットの冷凍ミンチの解凍品のスケールアップ(各1kg)及び繰り返し試験を実施した結果を図14〜16図に示した。何れも良好な再現性を示した。
なお、前記実施例1及び2で使用したhi−LOHS−Rプロトタイプ装置(時間当たり4kg)の実用機の詳細図を図17に示すと共に、その仕様の概要を表2に示した。
本発明の機能性素材の製造方法は、家禽類、好ましくはニワトリの表皮部を効率よく加熱処理して、脱油・脱脂を行い、該表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮すると共に殺菌することにより、加熱・殺菌処理食材などの機能性素材を製造することができる。
図17における符号の説明は、以下のとおりである。
1. 加熱室
2. 原料供給ホッパー
3. スクロールミキサー
4. 処理品排出ダンパー
5. 蒸気発生蓄熱パネル
6. 加熱室温度制御ヒータ
7. スクロールミキサー駆動モータ
8. 電磁定量ポンプ
9. 純水製造装置
10. 純水貯蔵タンク
11. 撹拌送風機
12. 大気開放管

Claims (4)

  1. 家禽類の表皮部を加熱処理し、脱油・脱脂を行い、上記表皮部に含まれるヒト型スフィンゴミエリンおよびプラズマローゲン型グリセロリン脂質を濃縮すると共に、殺菌することにより、機能性素材を製造する方法であって、上記加熱処理が、
    (A)100℃以上に加熱された熱水および/または水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる工程、
    (B)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、相対湿度95%以上及び酸素濃度0.2容量%以下の組成を有し、100〜115℃の温度領域に保持された気水で満たす工程、
    (C)上記気体水に100%湿り状態の水蒸気を噴射させ、上記100%湿り状態の水蒸気から発生する熱水及び高湿度の湿熱水蒸気とその凝縮により部分的に生成する微細水滴との混合系からなる複合化加熱媒体を安定的に形成させる工程、および
    (D)家禽類の表皮部に、上記複合化加熱媒体で、100〜115℃の温度および0.2容量%以下の酸素濃度雰囲気下において、少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して、上記表皮部を加熱処理する工程、
    を含むことを特徴とする機能性素材の製造方法。
  2. 家禽類がニワトリである請求項1に記載の機能性素材の製造方法。
  3. 機能性素材が、加熱・殺菌処理食材である請求項1または2に記載の機能性素材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性素材製造方法を実施するための装置であって、
    (1)100℃以上に加熱された熱水および/または水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる手段、
    (2)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、相対湿度95%以上及び酸素濃度0.2容量%以下の組成を有し、100〜115℃の温度領域に保持された気水で満たす手段、
    (3)上記気体水に100%湿り状態の水蒸気を噴射させ、上記100%湿り状態の水蒸気から発生する熱水及び高湿度の湿熱水蒸気とその凝縮により部分的に生成する微細水滴との混合系からなる複合化加熱媒体を安定的に形成させる手段、および
    (4)家禽類の表皮部に、上記複合化加熱媒体で、100〜115℃の温度および0.2容量%以下の酸素濃度雰囲気下において、少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して、上記表皮部を加熱処理する手段、
    を備えていることを特徴とする連続加熱処理装置。
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