JP5356964B2 - 圧延芯材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は圧延芯材の製造方法に関し、特に自動車用のボデイサイドウエルトあるいはウエザーストリップの取付基部に代表されるような断面略U字状のウエルト部に埋設されることになる金属製の圧延芯材の製造方法に関するものである。
この種の圧延芯材の製造方法として特許文献1,2に記載のものが古くから提案されている。ここに言う圧延芯材とは、上記のようにボデイサイドウエルト等に埋設されることを前提として、互いに平行な短冊状の多数の骨片同士が当該骨片同士の間に部分的に残されたブリッジ部を介して相互に連結されてなる略櫛形状のもので、ボデイサイドウエルトの断面形状と相似形をなすように後工程にて略U字状に曲折成形されることになる。
特許文献1に記載に製造方法は、例えば図13に記載のものと理解することができ、同図(A)に示すように、所定幅寸法の板状素材W1に線状で且つ未拡開状態の多数のスリット(切り込み)103aを形成して、多数の骨片104の領域に分割するとともに、板状素材W1の幅方向中央部にはブリッジ部102を切り残した上で、各スリット103aの端部に当該スリット103aと交差するように小穴hを打ち抜き形成する。その後に、切り残してあるブリッジ部102に圧延加工を施して、板状素材W1の長手方向にエキスパンド処理を施すべく伸展させると、同図(B)に示すように、それまで未拡開状態であった各スリット103aが小穴hとともに拡開してスリット103と化し、結果として互いに平行な短冊状の多数の骨片104,104同士が当該骨片104,104同士の間に部分的に残されたブリッジ部102を介して相互に連結されてなる略櫛形状の圧延素材101と化することになる。
また、特許文献2に記載に製造方法は、例えば図14に記載のものと理解することができ、同図(A)のスリット加工および同図(B)の圧延加工は共に図13に記載のものと共通していて、図13の(A)における小穴hの加工が廃止されている。
これらのいずれの加工方法においても、スリット加工は、歯車状の一対のスリッターローラを噛み合わせつつ同期回転させて、それらのスリッターローラ間に板状素材W1を送り込むことにより、上記ブリッジ部102となるべき部分を除いて板状素材W1の幅方向に延びる線状で且つ未拡開状態の多数のスリット103aを所定のピッチで形成するようにしている。そして、上記スリット加工のための各スリッターローラには、ブリッジ部102に相当する部分の歯を部分的に欠損させてあることで、未拡開状態のスリット103aの加工と同時にブリッジ部102を切り残すようにしている。
特開昭58−76343号公報 特開2001−232523号公報
図13に示した特許文献1に記載の技術では、予め未拡開状態のスリット103aに交差する小穴hを形成することによって、圧延加工の際に小穴h部分での応力集中が回避されて、当該小穴hに相当する部分でのクラックの発生を抑制できる利点がある反面、小穴hの打ち抜き加工のために工程数が増加するとともに、材料歩留まりの低下を招き、コストアップが余儀なくされる。
また、図14に示した特許文献2に記載の技術では、小穴hの加工の廃止によって工程数の削減が可能である反面、圧延加工に際に、図15に拡大して示すように、拡開されたスリット103の端部に引き裂かれるかたちでクラックQが発生する可能性があり、このクラックQに起因して事後的に芯材に破壊が発生しやすくなり、品質向上を図る上でなおも改善の余地を残している。
なお、このクラックQの発生は、図14の(A)に示すスリット加工の際に、その線状のスリット103aのブリッジ部102側の端部に綺麗なせん断面ではない微少な「ちぎれ」あるいは「裂かれ」といった非正規破断面103bが上記せん断面に連続するようにその直角方向に発生していて、これら非正規破断面103bが圧延加工の際に図15のクラックQに成長するものと推測され、後述するように、従来の加工方法ではその特殊性から上記非正規破断面103bの発生は不可避とされている。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、工程数の増加を招くことなく、上記のようなクラックの発生を未然に防止できるようにした圧延芯材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、従来とほぼ同様に、互いに平行な短冊状の多数の骨片同士が当該骨片同士の間に部分的に残されたブリッジ部を介して相互に連結されてなる圧延芯材を製造する方法を前提として、スリット加工のためのスリッターローラにわずかな改良を加えるだけでクラックの発生を未然に且つ確実に防止しようとするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、鋸歯状の刃を有する一対のスリッターローラを噛み合わせつつ同期回転させて、それらのスリッターローラ間に板状素材を送り込むことにより、上記ブリッジ部となるべき部分を除いて板状素材の幅方向に延びる線状で且つ未拡開状態の多数のスリットを所定のピッチで形成する工程と、上記スリット加工に続いてブリッジ部に圧延加工を施して、スリットを拡開させつつブリッジ部以外の部分で骨片同士を互いに離間させて略櫛歯状に伸展成形する工程と、を含んでいる。
その上で、上記スリット加工のための各スリッターローラには、ブリッジ部に相当する部分の刃を部分的に欠損させて溝状の凹状逃げ部を形成してあるとともに、この凹状逃げ部は、その幅方向両端の刃先相当位置から反刃先側に向かって漸次深さが大きくなるように設定してあり、上記スリッターローラによるスリット加工時に凹状逃げ部をもって上記ブリッジ部を切り残すようにしたものである。
この場合において、上記凹状逃げ部は、その幅方向両端の刃先相当位置から反刃先側に向かって漸次深さが大きくなるように設定されていれば良いから、例えば請求項2に記載のように、上記凹状逃げ部は、断面が円弧状をなす周溝をもって形成してあっても良く、さらには、請求項3に記載のように、上記凹状逃げ部は、断面がV字状または台形状をなす周溝をもって形成してあっても良い。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、スリット加工の際の挙動としては基本的には従来と同様であるものの、ブリッジ部を切り残すための凹状逃げ部の深さが反刃先側に向かって漸次大きくなるように、すなわち徐変するように形成してあることから、従来は不可避とされているスリットの端部での「ちぎれ」あるいは「裂かれ」と言った非正規破断面の発生が防止され、当該スリットの端部では綺麗なせん断面をもって収束させることができる。これによって、圧延加工の際にスリットが拡開されてもクラックが発生することはなくなる。
請求項1に記載の発明によれば、スリッターローラにわずかな改良を加えるだけで、工程数の増加を招くことなく、スリットを拡開させた際のクラックの発生を未然に且つ確実に防止して、圧延芯材の品質の向上に寄与できる。
本発明に係る圧延芯材の製造方法のより具体的な実施の形態を示す概略的な工程説明図。 図1に示した製造方法のもとでの圧延芯材の形状変化を示す平面説明図。 図1の圧延工程での加工形態を示す要部拡大説明図。 図1のスリット加工工程で使用される一対のスリッターローラの拡大説明図で、(A)は正面説明図、(B)は同図(A)の左側面説明図。 図4の(A)に示したスリッターローラの下刃および上刃の拡大説明図。 図4の(B)のA部拡大説明図。 図6の下刃側のみを拡大した斜視図。 スリット加工直後のコイル材とスリッターローラとの関係を示す要部斜視図。 図5のB−B線に沿う拡大断面図であって、(A)はコイル材が上刃と下刃とで拘束された状態の断面図、(B)はコイル材が上刃と下刃との拘束から解放された状態の断面図。 図2の(B)のD部の拡大図。 図6に示した凹状逃げ部の変形例を示す要部拡大説明図。 図6に示した凹状逃げ部の別の変形例を示す要部拡大説明図。 従来の圧延芯材の製造方法を示す説明図。 従来の他の圧延芯材の製造方法を示す説明図。 図14の(B)のE部拡大図。 図14の製造方法に用いられるスリッターローラの要部説明図で、図6と同等部位の拡大説明図。 図14の製造方法に用いられるスリッターローラの要部説明図で、図7と同等部位の拡大説明図。 図14の製造方法に用いられるスリッターローラの要部説明図で、図9と同等部位の拡大説明図。 図14のスリット加工直後のコイル材とスリッターローラとの関係を示す要部斜視図。
図1は本発明のより具体的な第1の実施の形態として圧延芯材の製造方法を概略的に示し、また図2は同製造方法にて製造される圧延芯材1の形状変化を示している。
この製造方法では、圧延芯材1となるべき板状素材として所定の厚みおよび幅寸法のコイル材(例えば帯状鋼板)Wを用いていて、このコイル材Wの送り方向(引き取り方向)に沿って、スリット加工工程S1とその後段の圧延工程S2および矯正工程S3を備える。
スリット加工工程S1では、後述する一対の鋸歯状のスリッターローラ(ランシングローラとも言う。)5,6を用いて、図2の(A)に示すように、コイル材Wに対して、幅方向中央部のブリッジ部2を除いて当該コイル材Wの幅方向に延びる線状で且つ未拡開状態の多数のスリット3aを所定のピッチで形成することを目的とするものである。これにより、未拡開状態の多数のスリット3aをもって、コイル材Wのうちブリッジ部2以外の部分が多数の骨片4としての領域に裁断または分割される。
なお、本実施の形態では、コイル材Wの幅方向のほぼ中央部にブリッジ部2を切り残すようにしているが、必要に応じて、すなわち圧延芯材1が埋設されることになるボデイサイドウエルト等の仕様に応じて、コイル材Wの幅方向の二箇所あるいはそれ以上の箇所にブリッジ部2を切り残すようにすることももちろん可能である。
スリット加工工程S1の後段の圧延工程S2では、一対の圧延ローラ(ストレッチローラとも言う。)7,8を用いて、図2の(B)に示すように、コイル材Wの幅方向中央部のブリッジ部2に圧延加工を施して、それぞれのスリット3aをコイル材Wの長手方向において所定幅寸法aまで拡開させつつ(所定幅寸法aまで拡開させたスリットを符号3で示す。)、ブリッジ部2以外の部分で骨片4,4同士をスリット3の幅寸法aをもって互いに離間させて略櫛歯状に伸展成形することを目的とするものである。これにより、コイル材Wは、互いに平行な短冊状の多数の骨片4,4同士が所定幅寸法aのスリット3を隔てて且つその骨片4,4同士の間に部分的に残されたブリッジ部2を介して相互に連結された略櫛形状のものとなる。
上記圧延加工のための一対の圧延ローラ7,8はコイル材Wの幅寸法よりも幅広の中実円筒状のもので、例えば図3に示すように、下側の圧延ローラ8が単純円筒状のものとして形成されているのに対して、上側の圧延ローラ7の外周面には上記ブリッジ部2に相当する部分にビード状の突条部7aが形成されていて、これら双方の圧延ローラ7,8もまたコイル材Wの送りに応じて互いに同期して回転駆動される。そして、一対の圧延ローラ7,8同士の間にスリット加工後のコイル材Wを通過させることにより、上記ブリッジ部2がそれに対応する突条部7aによって圧延される。
すなわち、コイル材Wのうち上記ブリッジ部2に対応する部分では、当該ブリッジ部2がコイル材Wの長手方向で連続したままでビード状の突条部7aによって上方から下方に向かって浅い凹溝状に押し潰されて相対的に薄肉化され、結果としてコイル材Wはエキスパンド処理またはストレッチ処理が施されたかの如く上記ブリッジ部2にて長手方向に伸展成形される。この伸展力を受けて、それまで未拡開状態であった各スリット3aが拡開して所定幅寸法aのスリット3に拡げられ、コイル材Wは先に述べたように略櫛形状のものに変化する。なお、ブリッジ部2が押し潰されて相対的に薄肉化されることより、当該ブリッジ部2には凹溝2aが形成される。
この後、コイル材Wは、その後段の矯正工程S3において、図1に示したように、例えばコイル材Wよりも幅広であって且つ単純円筒状の一対の矯正ローラ9,10間を通過することにより矯正される。すなわち、先に圧延加工を終えたコイル材Wが一対の矯正ローラ9,10間を通過することにより、コイル材Wのうち凹状に窪んだブリッジ部2以外の部分がいわゆる平押しの原理で全体的に印圧されて、先のスリット工程S1あるいは圧延工程S2で発生した歪みや変形(微妙な曲がりや凹凸等を含む)が除去されるように矯正されて、コイル材Wは櫛形状のものでありながらも平板状のものに仕上げられ、これをもって図2の(B)の圧延芯材1が製造されることになる。
図4の(A)は図1に示したスリット加工用の一対のスリッターローラ5,6の拡大図を、同図(B)は同図(A)の左側面図をそれぞれ示しており、これらのスリッターローラ5,6はコイル材Wよりも幅広で且つ相互にほぼ同じ直径のものであって、図5に拡大して示すように、全周にはそれぞれに鋸歯状の刃11または12を形成してある。なお、ここでは、便宜上、上側のスリッターローラ5側の刃を上刃11と言い、下側のスリッターローラ6側の刃を下刃12と言うものとする。
そして、双方のスリッターローラ5,6同士を噛み合わせた上で両者を矢印M方向に同期回転させるとともに、それらのスリッターローラ5,6間同士の間にコイル材Wを供給することにより、上刃11と下刃12との噛み合いに基づくせん断作用によって、コイル材Wには図2の(A)に示したようなスリット加工が連続的に施されることになる。なお、これらのスリッターローラ5,6同士によるスリット加工直後の状態を図8に示す。
また、上記のようなスリット加工の際に、コイル材Wの幅方向の中央部にブリッジ部2を切り残すために、各スリッターローラ5,6の幅方向中央部には周溝状の凹状逃げ部13,14を形成してある。この凹状逃げ部13,14は、図6,7に拡大して示すように、それぞれのスリッターローラ56の上刃11および下刃12について、ブリッジ部2に相当する位置であるところの刃すじ方向中央部を部分的に切除または欠損させたものと理解することができ、それによってそれぞれの周溝状の凹状逃げ部13,14の断面形状は円弧状または略半円状のものとしてある。これによって、先に述べたスリット加工の際には、図2の(A)に示すように、コイル材Wの幅方向中央部には未拡開状態のスリット3aが加工されることがなく、ブリッジ部2として切り残されることになる。
すなわち、図6,7に示すように、凹状逃げ部13,14は、上刃11および下刃12のそれぞれについてブリッジ部2に相当する刃すじ方向中央部を部分的に切除または欠損させるべく、刃先であるところの切刃11aまたは12a側から反切刃側(反刃先側)に向かって円弧状または略半円状に掘り下げて、その凹状空間が周方向で連続するように周溝状に仕上げたものである。そして、その凹状逃げ部13,14の深さは、当該凹状逃げ部13,14の幅方向両端の切刃相当位置から反切刃側に向かって、より具体的には凹状逃げ部13,14そのものの幅方向中央部に向かって漸次大きくなるいわゆる徐変形状としてある。つまり、凹状逃げ部13,14の断面形状が円弧状または略半円状のものであることによって、凹状逃げ部13,14の深さが当該凹状逃げ部13,14の幅方向両端の切刃相当位置から幅方向中央部に向かって漸次大きくなってはいても、その幅方向中央部が最深部となっている。
ここで、図6,7に示すように、下刃12の刃先面側では、凹状逃げ部14の円弧状または半円状の稜線14aが下刃12の切刃12aの長手方向において連続していて、後述するように円弧状または半円状の稜線14aは下刃12の切刃12aの一部を形成していることになる。このことは、上刃11側の凹状逃げ部13についても同様である。なお、図6において、符号Cは、上刃11と下刃12との噛み合い量がコイル材Wの板厚とほぼ等しいと仮定したときのその板厚を二分する中心線を示している。
したがって、本実施の形態によれば、図1および図4に示した一対のスリッターローラ5,6を用いて従来と同じ手順でコイル材Wにスリット加工を施した場合、図2の(A)および図8に示すように、コイル材Wにはその幅方向中央部にブリッジ部2を残すかたちでその両側に未拡開状態のスリット3aが規則正しく形成されて、ブリッジ部2以外の部分が多数の骨片4としての領域に裁断または分割される。
この場合において、未拡開状態の各スリット3aのうちブリッジ部2側の端部eには綺麗なせん断面をもって収束していて、実質的にその位置でスリット3aが消失しており、後述する理由から、図14に示した従来のように、未拡開状態のスリット3aの端部に当該スリット3a対して直角な非正規破断面103bが発生することはない。なお、図8では、未拡開状態の各スリット3aのうちブリッジ部2側の端部eが所定の曲率をもってあたかも湾曲しているかの如く描かれているが、これは、後述するように未拡開状態のスリット3aをもって裁断されたそれぞれの骨片4に所定の捻れが付与されているためで、未拡開状態のスリット3aとしては図2の(A)に示すように真直に形成されている。
より具体的には、図8は一対のスリッターローラ5,6によるスリット加工直後のコイル材Wの要部を拡大して示していて、当該コイル材Wは、鋸歯状の一対のスリッターローラ5,6同士の噛み合いに基づくせん断作用により、未拡開状態のスリット3aをもって多数の骨片4の領域に裁断または分割されており、多数の骨片4にはスリッターローラ5,6によるスリット加工の際の拘束によって捻れが生じている。つまり、スリット加工は、図5のような鋸歯状の上刃11と下刃12とのせん断によるものであるために、コイル材Wの送り方向前側よりも後側が下がり気味となるように各骨片4が捻られている。
そして、図9の(A)は図5のB−B線に沿う拡大断面図を、また図9の(B)は同図(A)の状態、すなわち上刃11と下刃12との拘束からコイル材Wが解放された状態をそれぞれ示しており、図7のほか図9の(A)に示すように、上刃11と下刃12とが噛み合ってコイル材Wが拘束された状態では、それらの上刃11および下刃12側の切刃11a,12a同士だけでなく、それらの切刃11a,12aの延長線上において、凹状逃げ部13,14側の円弧状または半円状の稜線13a,14a同士もまたその噛み合い深さが徐変しながらも互いに噛み合っている。なお、図5のほか図7および図9の(A)から明らかなように、上刃11と下刃12同士はその刃の高さH1,H2の全高が噛み合っているのではなく、刃先(切刃11aまたは12a)側の一部で噛み合っているだけであり、その実噛み合い量を符号mで示す。
結果として、片側の未拡開状態のスリット3aだけについてみれば、上刃11および下刃12側の切刃11a,12a同士の噛み合い長さLaに円弧状または半円状の稜線13a,14a同士の噛み合い長さLbを加えたものが総噛み合い長さLとなり、コイル材Wにはこの総噛み合い長さLに応じた未拡開状態のスリット3aが形成されることになる。故に、この未拡開状態のスリット3aをもってコイル材Wは複数の骨片4としての領域に裁断または分割されていることになる。
このように、凹状逃げ部13,14側の円弧状または半円状の稜線13a,14aが実質的に上刃11および下刃12の切刃11a,12aの一部として機能することで、図14の(A)に示した従来のように未拡開状態のスリット3aの端部に当該スリット3a対して直角な非正規破断面103bが発生することはない。
続いて、コイル材Wが上記上刃11と下刃12との噛み合いに基づく拘束から解放されると、先に未拡開状態のスリット3aをもって裁断された各骨片4はスリット加工の際に蓄えた自己弾性力をもって図9の(B)に示すように復元して変形する。つまり、コイル材Wのうち未拡開状態のスリット3aが形成されていない幅方向の中央部分であるところのブリッジ部2が相対的に下側に膨出するように変形する。この変形は、図8に示したように、未拡開状態のスリット3aをもって裁断されたそれぞれの骨片4に捻れが付与された結果にほかならない。
この後、上記スリッターローラ5,6によるスリット加工に続いて、図1の圧延工程S2にて一対の圧延ローラ7,8による圧延加工を施す。この圧延加工は基本的には従来と同様であって、図3に示すように、コイル材Wの幅方向中央部のブリッジ部2に圧延(印圧)加工を施して、それぞれの未拡開状態のスリット3aをコイル材Wの長手方向に所定幅寸法a(図2の(B)参照)まで拡開させてスリット3とし、ブリッジ部2以外の部分で骨片4,4同士をスリット3の幅寸法aをもって互いに離間させて略櫛歯状に伸展成形する。これにより、コイル材Wは、互いに平行な短冊状の多数の骨片4,4同士が所定幅寸法aのスリット3を隔てて且つその骨片4,4同士の間に部分的に残されたブリッジ部2を介して相互に連結された略櫛形状のものとなる。
この場合において、図2の(A)および図8に示すように、未拡開状態のスリット3aを形成した段階で、図14に示した従来のように、未拡開状態のスリット3aの端部に当該スリット3a対して直角な非正規破断面103bが発生していないことは先に述べたとおりである。したがって、未拡開状態の各スリット3aが幅寸法aの拡開状態のスリット3と化したとしても、それぞれのスリット3のブリッジ部2側の端部eは図10に示すように円弧状に綺麗に拡開され、図14,15に示したようなクラックQが発生することはない。
こうして、略櫛歯状に伸展整形されたコイル材Wは、図1の示した矯正工程S3にてフラットに矯正されて、図2の(B)のような圧延芯材1に仕上げられることになる。
なお、上記実施の形態では、凹状逃げ部13,14の断面形状が円弧状または半円状である場合について例示しているが、当該凹状逃げ部13,14の断面形状については、所期の目的を達成することができるならば、先に例示した形状のみに限定されない。要は、図9の(A)に示したところの噛み合い長さLa以外にそれに連続する噛み合い長さLbを確保できれば良く、よって先に例示した断面形状が円弧状または半円状の凹状逃げ部13,14に代えて、例えば図11に示すような断面V字状の凹状逃げ部13,14、あるいは図12に示すような断面台形状の凹状逃げ部13,14を採用することももちろん可能である。
このように本実施の形態によれば、図14,15に示したようなクラックQが発生することがないので、相対的にブリッジ部2の幅寸法を小さくすることができ、これによって圧延芯材がボデイサイドウエルト等に埋設された場合の柔軟性が一段と良好なものとなって、例えばコーナー部に対するボデイサイドウエルト等の追従性に優れたものとなる。
ここで、比較のために従来の圧延芯材の製造方法について検討してみる。
本実施の形態では、図6,7に示したように、双方のスリッターローラ5,6に形成される凹状逃げ部13,14の断面形状が円弧状または略半円状のものであるのに対して、従来の場合には、図16,17に示すように、凹状逃げ部113,114の断面形状は一般的には矩形状である。この相違にために、従来の方法では、図14の(A)に示すように、コイル材W1のうち未拡開状態の各スリット103aのブリッジ部102側の端部に、当該スリット103a対して直角な非正規破断面103bが発生している。
これは次のように説明できる。図17は図7と同等部位の拡大図を示しており、これらの図を比較すると明らかなように、従来の場合には、上刃および下刃側のそれぞれの切刃111a,112aが凹状逃げ部113,114に臨む位置(ブリッジ部102の幅方向両端に相当する位置)にて終わっているために、板状素材が未拡開状態のスリット103aに相当する位置で上刃と下刃112との噛み合いに基づくせん断力を受けると、そのせん断力はスリット103aと直交方向にも及ぶことになる。
図17において、上刃側の切刃111aと下刃側の切刃112aとの噛み合い位置が図14の(A)のスリット103aの位置にほかならないから、切刃111aと下刃側の切刃112aとが噛み合うと、その噛み合うに基づくせん断力が下側の切刃111aの直交方向に延びる稜線R側にも多かれ少なかれ及ぶことになり、その稜線Rに沿ったかたちで図14の(A)に示した非正規破断面103bがいわゆる「ちぎれ」あるいは「裂かれ」の形態をもって発生することになる。
かかるせん断時の挙動を図9と同等部位の断面図として示したのが図18であり、同図から明らかなように、切刃111a,112aの長手方向に直交する位置にて下刃に相当する稜線Rのみが存在するだけであっても、その稜線Rに相当する位置にて破断が発生し、これが図14の(A)にて不可避的に発生する非正規破断面103bを意味することになる。なお、先の図8と同等部位のを示している図19においても、上記非正規破断面103bの発生が顕著にあらわれている。
これに対して、本実施の形態では、図7および図9に基づいて先に述べたように、切刃11a,12aの長手方向において凹状逃げ部13,14の稜線13a,14aが当該切刃11a,12aの一部として機能するように連続していて、切刃11a,12a同士の噛み合い長さLaに加えて、これらの稜線13a,14a同士の噛み合い長さLbが確保されるために、図7の稜線Rに沿った位置にせん断力が作用することがなくなる。これによって、従来は不可避とされた非正規破断面103bの発生を未然に防止できることになる。
1…圧延芯材
2…ブリッジ部
3a…未拡開状態のスリット
3…拡開状態のスリット
4…骨片
5,6…スリッターローラ
11…上刃
12…下刃
13,14…凹状逃げ部
13a,14a…稜線
W…コイル材

Claims (3)

  1. 互いに平行な短冊状の多数の骨片同士が当該骨片同士の間に部分的に残されたブリッジ部を介して相互に連結されてなる圧延芯材を製造する方法であって、
    鋸歯状の刃を有する一対のスリッターローラを噛み合わせつつ同期回転させて、それらのスリッターローラ間に板状素材を送り込むことにより、上記ブリッジ部となるべき部分を除いて板状素材の幅方向に延びる線状で且つ未拡開状態の多数のスリットを所定のピッチで形成する工程と、
    上記スリット加工に続いてブリッジ部に圧延加工を施して、スリットを拡開させつつブリッジ部以外の部分で骨片同士を互いに離間させて略櫛歯状に伸展成形する工程と、
    を含んでいて、
    上記スリット加工のための各スリッターローラには、ブリッジ部に相当する部分の刃を部分的に欠損させて溝状の凹状逃げ部を形成してあるとともに、
    この凹状逃げ部は、その幅方向両端の刃先相当位置から反刃先側に向かって漸次深さが大きくなるように設定してあり、
    上記スリッターローラによるスリット加工時に凹状逃げ部をもって上記ブリッジ部を切り残すようにしたことを特徴とする圧延芯材の製造方法。
  2. 上記凹状逃げ部は、断面が円弧状をなす周溝をもって形成してあることを特徴とする請求項1に記載の圧延芯材の製造方法。
  3. 上記凹状逃げ部は、断面がV字状または台形状をなす周溝をもって形成してあることを特徴とする請求項1に記載の圧延芯材の製造方法。
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