JP5356498B2 - 液体濾過のための容器 - Google Patents

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Description

本発明は、濾過材が少なくとも部分的に充填され、少なくとも1つの液体用の出口窓を有するカップと、このカップに装着され、少なくとも1つの液体用の入口窓及び少なくとも1つの空気用の排気窓を有するカバーとを具備しており、少なくとも前記入口窓及び前記排気窓は、格子開口を備えた格子構造体をそれぞれ有する、液体濾過のための容器に関わる。
このような容器は、濾過カートリッジとしても知られており、これらは、重力駆動の濾過装置に、一般的に使用される。このような濾過装置は、家庭で、特に水の濾過のために、主に使用される。
この濾過カートリッジには、特に粒子状の形態で多数の濾過材が、充填されている。
この濾過装置で、前記濾過カートリッジは、濾過される水が注入される水漏斗中に、挿入される。この水漏斗は、濾過された水を捕らえる水差し中に配置される。
この濾過カートリッジは、一時的にのみ、即ち濾過された水が必要である時に、使用される。濾過プロセスの開始時に、前記濾過カートリッジは、一方で、この濾過カートリッジ中に含まれている空気を、妨げられること無く外へ出すように、他方で、前記濾過材が、濾過される前の水中もしくは濾過された水中に入るのを防ぐように、欠陥のない流路を保証しなければならない。
濾過材が部分的に充填されるカップとこのカップの上に配置されているカバーとを有する濾過カートリッジが、特許文献1によって知られている。このカバーは、フードの形状であり、この側壁に、排気孔と突出形状の液体用開口とを有している。小さな粒子が前記カバーの開口を通って外に出て行かないように、また場合によっては前記カバーの開口をふさがないように、形状を維持するリブを備えた織物の挿入物が、与えられている。この織物の挿入物は、前記カバーの端の領域に固定されており、前記カップ内に突出している。表面張力部をこわすために、この織物の挿入物を、濾過材に接触させている。この接触する部分で、液体が、流れ始め、前記カバーの下のエアクッションを排出し、かくして、水柱の圧力に反する背圧を防ぐ。このことは、濾過される液体が、問題無く濾過材を通って流れることと、この濾過材の小さな粒子を有効な方法で留めることとが、意図される。
しかしながら、特許文献2に、織物の挿入物と濾過材との間の接触が確実でない場合に、流れの問題が生じる、ということが述べられている。
一方では、濾過材が乾燥することによって、濾過材の面の高さが下がる可能性があり、この結果、所望の接触が保証されなくなる。他方では、時として濾過材が、カップ中に過剰に充填される可能性があり、この結果、過剰な圧力が、内側に突出している前記織物の挿入物に与えられ、また、この圧力は、前記濾過材が硬水に触れると大いに膨張することによって、更に強められ、前記濾過カートリッジの破損を招き得る。
このような問題を未然に防ぐように、特許文献2では、水が流入する時に、前記カバー中に上方へ突出している軟性でスクリーンのような織物のシートの構造体を、硬性の織物の挿入物の代わりに与えることが、提案されている。水平面が下がるのに従って、このシートの構造体は、下方に引っ張られる。
両文献の解決法は、前記カバーの前記窓に加えて、前記カバーの開口全体を補うようにスクリーンのような織物の挿入物を、設けなければならない、という欠点を有している。両解決法のいずれも、セイル効果(the sail effect)と、これによる流れの妨げとを、完全に取り除くことができない。
EP0823276B1 WO01/32560
従って、本発明の課題は、液体、特に水の流入と同時に空気の排出とが問題無く行われ、そしてカバーが簡単な方法で形成され得る容器を提供することである。
この課題は、排気窓がこの窓の平面から内側に延びており少なくとも1つの格子構造体を少なくとも部分的に備えた少なくとも1つの凹部を有する容器によって、解決される。
前記排気窓の平面は、カバーの開口によって規定されている平面を意味している。従って、前記排気窓の平面は、前記開口の境を成すようにして、前記カバーの壁の平面に位置している。
本発明に従った解決方法は、前記排気窓の格子構造体が、濾過材に接触するのに十分な距離だけ内側に延びている凹部の形状である場合、容器は、カバーとカップとの間に更なるスクリーン状の構造体を必要としない、という認識に基づく。この凹部は、前記排気窓の平面から内側に延びている。そして、前記排気窓の平面に、前記排気窓は、構造体を有していないため、前記凹部は、上側が開口している。
前記凹部の深さTは、好ましくは、前記排気窓の最大の直径Dより大きい。
前記排気窓の格子構造体の領域は、前記凹部の大きさだけ広がっており、前記凹部が容器の内部の前記カバーの端部のところまで下方に延びている場合は特に大幅に、広がっている。
広がった領域は、前記カバーの上面が湾曲され、且つ、例えばフードの形状である場合、特に有効であり得る。
前記排気窓は、好ましくは、前記カバーの最も高い位置に設けられている。また、この排気窓は、好ましくは、前記カバーの中央に配置されている。
前記凹部が前記濾過材に接触するならば、これによって前記排気窓の格子構造体のセイル効果が妨げられるので、好ましい。また、前記凹部は、前記濾過材中に部分的に延びることも可能である。
好ましくは、前記凹部は、垂直方向に延びている複数の溝を内面に有しており、各溝の底部には、複数の開口が配設されている。このことによって、空気が通って上昇するための流路が形成され、前記排気窓は、前記溝の底部に配設されている開口によって、有利に働く。
「内面」という用語は、前記凹部の、容器の内側に向いている面を意味している。従って、前記凹部の外面は、前記容器に対して外側にある面を意味している。
好ましくは、前記格子構造体は、前記凹部の内面に縦のリッジを有しており、また、前記凹部の外面に横のリッジを有している。この実施形態では、前記横のリッジ及び前記縦のリッジは、1つの平面に設けられているのではなく、互いにずらして配置されている。かくして、前記溝は、前記縦のリッジの間に形成されている。
前記開口は、互いに離間された前記横のリッジと、互いに離間された前記縦のリッジとによって境を規定されており、好ましくは矩形の形状を有している。この開口のディメンションは、好ましくは100μm乃至300μmの範囲、特に150μm乃至250μmの範囲である。
好ましくは、前記凹部は、底壁と周壁とを有しており、この格子構造体は、少なくともこの周壁に配置されている。
また、前記格子構造体は、前記周壁の全周に渡って延びていても良い。
好ましくは、前記底壁には、底壁用の格子構造体が形成されている。好ましくは、前記底壁の格子構造体と周壁の格子構造体とは、互いに異なっている。前記底壁の格子構造体は、好ましくは水平に1つの平面に設けられており、前記周壁の格子構造体は、好ましくは異なる複数の平面に、特に階段状に設けられている点で、違いがある。
この違いは、前記濾過材の粒子が前記底壁で詰まって前記開口をふさいでしまわないようにするために、必要である。
好ましくは、前記凹部は、円錐台の形状を有している。この形状は、前記凹部を濾過材中に延ばすために特に適している。これの構造体によっては、前記円錐台は、前記底壁に向かって多少細くなっていても良い。円錐形の形状は、外側の溝によって形成された凹部の流路中を上昇する空気が、前記排気窓に更に有効に運ばれる、という効果を有している。
前記横のリッジは、好ましくは、前記底壁に向かって狭くなっている三角形の横断面を有しており、このことが、通気に更に有利に働く。
前記縦のリッジは、有効な幅を全長に沿って常時保つようにして、上側から下側に向かって狭くなっていても良い。一定の断面を有する流路は、上昇する空気を、空気流を分離させずに、均一に上方に運ぶという効果を有している。
前記凹部の更に好ましい実施形態は、円筒形、立方形、角錐台形、もしくは部分的な球形即ち半球形とである。
球形の実施形態では、周壁と底壁とに区別がなく、このため、周壁のために設けられる格子構造体が、好ましくは球形の面に設けられる。特定の一実施形態に従えば、底壁の構造体は、球体の基盤を成している頂点の領域に設けられており、この底壁の構造体が、直接的もしくは間接的に、周壁の格子構造体に接合されることができる。
好ましくは、前記凹部は、形状が安定している(shape-stable)材料によって形成されている。これによって、前記濾過材との接触が、濾過の工程の間であっても保証される。前記凹部は、前記排気窓の領域に限定されており、従って前記濾過材の膨張に対して十分な容量が、前記カバーの下に得られるので、濾過材の膨張は問題ではないことが判っている。
プラスチックの材料が、前記凹部に対して好ましい。他の実施形態に従えば、前記カバーと凹部とは、互いに異なる材料によって形成され得る。
好ましくは、少なくとも液体用の入口窓の格子構造体と前記凹部の格子構造体とは、互いに異なる材料によって形成されている。
好ましくは、前記凹部を備えたカバーは、2つの構成部品を用いる射出成型法によって形成される。かくして、前記カバーの材料に関係なく、従って前記格子構造体の材料を流れの状態に適合させるように、前記凹部の材料を選択することができる。このことの効果は、織物構造体もしくは格子構造体の溶接が後に必要でないことである。
前記凹部の格子構造体が疎水性の材料によって形成され、前記入口窓の格子構造体が親水性の材料によって形成されることが、好ましい。
図1は、容器の縦断面図である。 図2は、図1に示されている容器の平面図である。 図3は、円錐形状の凹部の概観図である。 図4は、図3に示されている円錐形状の凹部の断面図である。 図5は、3つの異なる実施形態に係る凹部の概観図及び断面図である。 図6は、3つの異なる実施形態に係る凹部の概観図及び断面図である。 図7は、3つの異なる実施形態に係る凹部の概観図及び断面図である。
本発明の実施例が、図面によってより詳細に説明される。
図1は、カップ2とカバー10とを有する容器1を示している。このカップ2は、底壁4と、シーリング端部としても使用可能であるカップの端部5と、周壁3とを有しており、このカップ2には濾過材9が充填されている。前記底壁4は、内側に固定部材7が設けられている凹部6を有している。この固定部材7によって、この容器1は、水漏斗(図示されていない)に固定され得る。更に、前記底壁4は、格子構造体が設けられている複数の出口窓8を有しており、この格子構造体は、前記濾過材9が、下方に流れて、濾過された水を受ける容器(図示されていない)中に入ってしまうのを防ぐ。
前記カバー10は、上面が湾曲されており、フードのような形状であり、ここに示されている図では、窓壁11a、11bとカバー壁13とを備えたほぼ台形の横断面を有している。前記窓壁11a、11bには、濾過される水が通って容器1に流入する入口窓16a、16bが、設けられている。排気窓20が、前記カバー壁13の中央に、即ち、前記カバー10の最も高い位置に、設けられている。
この排気窓20は、円錐台形状の凹部24を有しており、この凹部24は、前記排気窓の平面からこの内側に延びている。この凹部24は、円錐形状の周壁26と、円形であり水平な底壁28とを有している。この凹部24は、前記カバーの端部15より下方に延びており、この凹部24の下側の領域は、前記濾過材9中に延びている。
前記凹部24は、図3及び図4により密接に関連して説明される格子構造体30を有している。水が前記入口窓16a、16bを通って流入すると、容器1内の空気は、移動させられ、前記排気窓20を通って、即ち、前記凹部24の格子構造体30を通って、容器から出る。この場合、この空気は、前記凹部24内の水柱に抗して、外に出なければならない。
図2は、前記カバー10の平面図を示している。格子構造体をより明確に示すように、丸で囲まれた範囲が、拡大されて更に示されている。前記2つの窓壁11a、11bに、ほぼ全体の領域に格子構造体17を有する前記入口窓16a、16bが、示されている。好ましくは、前記格子構造体17は、親水性の材料、特にプラスチックによって形成されている。
前記カバー10の側壁12a、12bは、前記カバー10を、かくして容器1を握るための、凹型グリップ14a、14bを中央に有している。
前記カバー壁13の中央には、前記凹部24を有している前記排気窓20が、設けられている。前記カバー壁13の面、かくして前記排気窓の面21(図1参照)には、格子構造体が無く、従って、前記凹部24の内部は、自由に出入り可能である。
前記カバー10は、プラスチック材料によって形成されている。前記凹部24は、疎水性の材料によって好ましくは構成されており、このような材料は、水柱に抗して換気を有利に働かせる。前記凹部24を備えたカバー10は、好ましくは、2つの構成部品を用いる方法で、形成されている。
図3は、図1に示されており前記排気窓20に設けられている前記凹部24の、拡大された側面図である。前記円錐形の凹部24は、縦のリッジ32と横のリッジ34とから成る格子構造体30によって形成されている。前記縦のリッジ32は、空気案内溝もしくは空気管36が前記縦のリッジ間に形成されるようにして、前記凹部24の内面に配列されている。この結果、下側から上側に流される空気(矢印参照)が、円錐形の傾斜のおかげで、上方に、そして、各空気案内溝の底部38にある複数の開口40に、運ばれる。前記空気案内溝の底部38(拡大図参照)は、内側の環状の横のリッジ34によって形成されている。前記開口のディメンションは、100μm乃至300μmの範囲内である。
前記底壁28は、好ましくは面上に水平に設けられている格子構造体29を有しており、開口のディメンションは、100μm乃至300μmの範囲内、特に150μm乃至250μmの範囲内である。
図4は、図3の円錐形状の凹部の縦断面図を示している。見受けられるように、前記横のリッジ34は、三角形の外形の横断面を有している(拡大図参照)。このことは、矢印によって示されているような排気に有利に働く。
図5a、b、c乃至図7a、b、cは、更なる実施形態、即ち、図aに側面図、図bに縦断面図、図cに下面図を示している。図5は、矩形の底壁28を有する四角柱型の凹部24を示しており、図6は、半球形の底壁28を有する円筒形の凹部24を示しており、図7は、矩形の底壁28を有する角錐台形の凹部24を示している。
1…容器、2…カップ、3…周壁、4…底壁、6…凹部、8…出口窓、9…濾過材、10…カバー、16…入口窓、17…格子構造体、20…排気窓、24…凹部、30…格子構造体

Claims (20)

  1. 少なくとも部分的に濾過材(9)が充填され、少なくとも1つの液体用の出口窓(8)を有するカップと、
    このカップ(2)に取り付けられており少なくとも1つの液体用の入口窓(16a、16b)と少なくとも1つの空気用の排気窓(20)とを有するカバー(10)とを具備しており、少なくともこれら窓(16a、16b、20)は、複数の格子開口を有する格子構造体を有している、液体濾過のための容器において、
    前記排気窓(20)は、排気窓の平面から内側に延びている少なくとも1つの凹部(24)を有しており、凹部(24)には、少なくとも1つの格子構造体(29、30)が少なくとも部分的に設けられていることを特徴とする容器。
  2. 前記カバー(10)は、上面が湾曲されており、前記凹部(24)は、少なくともこのカバー(10)の端面(15)のところまで下方に延びていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記凹部(24)は、前記濾過材(9)に少なくとも接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
  4. 前記凹部(24)は、前記濾過材(9)中に部分的に延びることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の容器。
  5. 前記凹部(24)は、垂直方向に延びている内面に、複数の溝(36)を有しており、また、各溝の底部(38)には、複数の開口(40)が配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の容器。
  6. 前記格子構造体(30)は、前記凹部(24)の内面に複数の縦のリッジ(32)を有しており、また、前記凹部(24)の外面に複数の横のリッジ(34)を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の容器。
  7. 前記複数の開口(40)は、矩形であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の容器。
  8. 前記凹部(24)は、底壁(28)と周壁(26)とを有しており、前記格子構造体(30)は、少なくともこの周壁(26)に配設されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の容器。
  9. 前記底壁(28)には、少なくとも部分的に、底壁用の格子構造体(29)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の容器。
  10. 前記底壁(28)の格子構造体(29)と前記周壁(26)の格子構造体(30)とは、互いに異なることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の容器。
  11. 前記凹部(24)は、円錐台型の形状を有していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載の容器。
  12. 前記横のリッジ(34)は、三角形状の横断面を有していることを特徴とする請求項11に記載の容器。
  13. 前記縦のリッジ(32)は、上側から下側に向かって狭くなっていることを特徴とする請求項11又は12に記載の容器。
  14. 前記凹部(24)は、円筒形、立方形、角錐台形、もしくは、半球形の形状を有していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載の容器。
  15. 前記凹部(24)は、形状が安定している材料によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1に記載の容器。
  16. 前記カバー(10)は、プラスチック材料によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1に記載の容器。
  17. 前記入口窓(16a、16b)の格子構造体と前記凹部(24)の格子構造体とは、互いに異なる材料によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1に記載の容器。
  18. 凹部を備えている前記カバー(10)は、2つの構成部品を用いる射出成型法によって形成されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1に記載の容器。
  19. 前記排気窓(20)の格子構造体は、疎水性の材料によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1に記載の容器。
  20. 前記入口窓(16a、16b)の格子構造体は、親水性の材料によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1に記載の容器。
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