JP5353689B2 - Cnt繊維及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のCNT繊維は、例えば、以下の方法で製造できる。すなわち、基板上に複数形成されているCNTの一部を引き出すとともに、引き出されたCNTの表面に微粒子を担持させる方法により製造できる。ここで、引き出されたCNTとは、引き出された結果基板から離れたCNTであってもよいし、一端が基板に結合した状態で引かれているCNTであってもよいし、その両方であってもよい。また、この製造方法では、引き出されたCNTとともに、未だ引き出されていないCNTにも、微粒子を担持させてもよい。この製造方法では、引き出されたCNTの表面に微粒子を担持させるので、CNTのうち、基板に近い側にも、微粒子を担持させることができる。
縦:8mm、横:2mm、厚さ1mmのSi基板の片面(面積:16mm2)に、1m2当り、Fe0.002モルを真空蒸着法により蒸着させ、活性Si基板を得た。この活性Si基板を電気炉に挿通し、700℃に加熱し、エチレンガスを30cc/分、水素ガスを70cc/分、アルゴンガスを400cc/分の流通速度で5分間流通させた。その結果、Si基板上には、多数のCNTが堆積した。電子顕微鏡で観察したところ、堆積したCNTは、その一端が基板に固定されており、基板に対して垂直方向に均一に配向していた。また、個々のCNTの直径は10nm程度であり、CNTの長さは約300μmであった。CNTは、多層CNTであった。
還元法によりトルエン溶液に分散した金ナノ粒子を作製した。この金ナノ粒子の平均粒径は5nmであり、金ナノ粒子の表面には、アルキル側鎖の保護膜が付着している。金ナノ粒子の粒径は、後述するように、金ナノ粒子をCNTに担持した状態で、TEMにより観察する方法で測定した。また、この分散液の溶媒はトルエンであり、金ナノ粒子の濃度は10wt%である。
図1(d)に示すように、基板上に配向しているCNTのマトリックスにおいて、基板の端部にあるCNTの束の一端を引出し具でつまみ、CNTの配向方向とは直交する方向に引出した。図1(e)〜図1(g)に示すように、引出されたCNTの束の端部(引出し方向に関して後方の端部)と、基板上で隣接するCNTの束の端部とは、ファンデルワールス力により接続し、結果として、CNTの束が安定して長くつながった。このとき、CNTの束が途中で切れてしまうこと(糸切れ)はほとんど生じなかった。これは、CNTの表面に担持された金ナノ粒子により、CNT間の摩擦力が強くなったためであると考えられる。なお、CNTの束は、基板上に配向しているCNTのマトリックスから、複数箇所で引き出した。そして、CNTの束を複数撚ることで、CNTから成るワイヤ(以下、CNTワイヤとする)が得られた。
上記のようにして製造したCNTワイヤの引張強度を測定した。測定装置としては、Instron Corp製の5848Micro Testerを用いた。測定方法は、長さ1cmのCNTワイヤを毎分1%伸長し、引張強度を測定する方法とした。その結果、引張強度は850MPaであった。比較例として、金ナノ粒子をCNTの表面に担持させない点以外は、上記と同じ方法で製造したCNTワイヤについても、同様に引張強度を測定したところ、その値は最大で570MPaに過ぎなかった。この結果から、本実施例で製造したCNTワイヤは、引張強度が顕著に高いことが確認できた。
前記実施例1と同様にして、CNTを製造した。このCNTは、図2(a)に示すように、基板上に複数配向している。
CNTが配向した基板を、真空系に収容した。この真空系は、基板上に配向しているCNTの一部をつまみ、引き出す引出機構と、金蒸着を行う蒸着機構とを備えている。
上記のようにして製造したCNTワイヤの引張強度を測定した。測定条件は前記実施例1と同様とした。その結果、引張強度は800MPaであった。比較例として、金ナノ粒子をCNTの表面に担持させない点以外は、上記と同じ方法で製造したCNTワイヤについても、同様に引張強度を測定したところ、その値は最大で570MPaに過ぎなかった。この結果から、本実施例で製造したCNTワイヤは、引張強度が顕著に高いことが確認できた。
前記実施例1と同様にして、CNTを製造した。このCNTは、基板上に複数配向している。
以下の、2種類の金ナノ粒子分散液を用意した。
金ナノ粒子分散液A:金ナノ粒子の平均粒径は5nm。金ナノ粒子に、配位子(HS-(CH2)11-N(CH3)3+)が配位している。溶媒はエタノールであり、金ナノ粒子の濃度は1wt%。
なお、 HS-(CH2)11-N(CH3)3+、及びHS-(CH2)10-COOHは市販されており、これを用いて、金ナノ粒子分散液A、及び金ナノ粒子分散液Bを調製することができる。
図3(a)に示すように、CNTの表面には、HS-(CH2)11-N(CH3)3+が配位した金ナノ粒子と、HS-(CH2)10-COOHが配位した金ナノ粒子とが担持されている。
4.CNTワイヤの特性評価
上記のようにして製造したCNTワイヤの引張強度を測定した。測定条件は前記実施例1と同様とした。その結果、引張強度は750MPaであった。比較例として、金ナノ粒子をCNTの表面に担持させない点以外は、上記と同じ方法で製造したCNTワイヤについても、同様に引張強度を測定したところ、その値は最大で570MPaに過ぎなかった。この結果から、本実施例で製造したCNTワイヤは、引張強度が顕著に高いことが確認できた。
前記実施例1と同様にして、CNTを製造した。このCNTは、基板上に複数配向している。
CNTが配向した基板を、真空系に収容した。この真空系は、蒸着を行う蒸着機構を備えている。この蒸着機構により、Ar雰囲気下、CNTの表面にトリメチルガリウム(TMGa)を蒸着した。その後、真空雰囲気下、900℃の条件で30分間焼結した。その結果、CNTの表面にガリウムのナノ粒子(微粒子)が担持された。後に電子顕微鏡で観察したところ、ガリウムのナノ粒子の粒径は約5nmであった。
前記実施例1と同様に、基板の端部にあるCNTの束の一端を引出し具でつまみ、CNTの配向方向とは直交する方向に引出す方法で、CNTワイヤを製造した。
上記のようにして製造したCNTワイヤの引張強度を測定した。測定条件は前記実施例1と同様とした。その結果、引張強度は820MPaであった。比較例として、ガリウムナノ粒子をCNTの表面に担持させない点以外は、上記と同じ方法で製造したCNTワイヤについても、同様に引張強度を測定したところ、その値は最大で570MPaに過ぎなかった。この結果から、本実施例で製造したCNTワイヤは、引張強度が顕著に高いことが確認できた。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
また、微粒子は、銀、銅、アルミ、アルミナ、シリカの微粒子でもよい。また、実施例2、4において、微粒子は、スパッタリングによりCNTに担持させてもよい。
Claims (6)
- 複数のCNTを含み、前記CNTの表面に、正の電荷を有する微粒子及び負の電荷を有する微粒子を担持していることを特徴とするCNT繊維。
- 複数のCNTを含み、前記CNTの表面に微粒子を担持しているCNT繊維の製造方法であって、
基板上に複数形成されているCNTの一部を引き出すとともに、引き出されたCNTの表面に蒸着又はスパッタリングにより前記微粒子を担持させることを特徴とするCNT繊維の製造方法。 - 複数のCNTを含み、前記CNTの表面に微粒子を担持しているCNT繊維の製造方法であって、
基板上に複数形成されているCNTの一部を引き出すとともに、前記微粒子の分散液を引き出されたCNTに接触させることでCNTの表面に前記微粒子を担持させることを特徴とするCNT繊維の製造方法。 - 複数のCNTを含み、前記CNTの表面に微粒子を担持しているCNT繊維の製造方法であって、
基板上に複数形成されているCNTの表面に前記微粒子を担持させる工程と、
前記微粒子を担持するCNTの一部を引き出す工程と、
を有することを特徴とするCNT繊維の製造方法。 - 前記微粒子のCNT表面への担持は、蒸着又はスパッタリングにより行うことを特徴とする請求項4に記載のCNT繊維の製造方法。
- 前記微粒子のCNT表面への担持は、前記微粒子の分散液を前記CNTに接触させることにより行うことを特徴とする請求項4に記載のCNT繊維の製造方法。
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