JP5351699B2 - エンボス加工用版部の取付構造 - Google Patents
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Description
この抜型は、 型板の表面に抜刃が突出して配置される抜型において、前記型板の表面に対し、抜刃と重ならない位置にそれと別材料で文字や図形などが形成された腐食版を突設し、型板の表面から腐食版の先端までの突出量を、型板の表面から抜刃の先端位置までの突出量より若干低くしており、前記型板に金属台を上下貫通させて配設し、この金属台の上面にそれより小さな面積の腐食版を載せ、これら金属台の上面と腐食版とを固着した構成からなっている。
上記構成では、1つの抜型に専用の腐食板などの刻印部を金属台を介する等して固着しているため、打ち抜かれるブランクの輪郭形状が異なる場合には、別の抜型を用いることになり、この抜型にも専用の刻印部を金属台を介する等して固着する必要があった。
そのため同一形状の刻印であっても刻印部を共用することができず、コストアップを余儀なくされている。
そこで、同一の刻印部を用いて、異なる抜型の所定位置に着脱可能に固着することが考えられるが、刻印部を正確に位置決めするためには手間がかかるという欠点があった。
また、特開2009−96079号のエンボス加工の受版位置決め方法では、抜型側に取り付けて凹部を有する型版に対し、面版側に凸部を有する受版を凹凸が整合するように正確に位置決めするため、出没自在な位置決め具を設けた構造が開示されている。
しかし、上記構成は、型版と受版の凹凸を整合するための構造であって、型版自体を抜型の所定位置に正確に位置決めする構成については開示されていない。
抜型となる型版の基板にエンボス加工用版部を着脱可能に固定する取付構造において、
エンボス加工用版がベース部と刻印部とからなり、
前記ベース部に、ネジ等の締付具を通して基板に固定するための取付用孔部と、 該取付用孔部より小径に設定されると共に前記ベース部の外周に沿って相互に離間して穿設された3つ以上のガイド孔と、
基板の所定位置に、前記ガイド孔と同一の配置で、同一の横断面形状に設定された基板側ガイド孔と、
前記ガイド孔及びこれに整合する基板側ガイド孔と略同一の断面を有し、前記ガイド孔及びこれに整合する基板側ガイド孔に挿通可能な長さを備えたガイドピンとを設け、
前記ガイド孔が、ベース部の所定の点を中心に90度間隔で回転した際に、正しい1つの姿勢でのみ、全てのガイド孔が基板側ガイド孔と整合しうるように配置しており、
全てのガイド孔と整合した基板側ガイド孔に前記ガイドピンを挿通して、基板に対するエンボス加工用版部の取付位置を正確に位置決めしうることを特徴とする。
また、請求項2の発明では、
エンボス加工用版のベース部と基板との間に刻印部の高さを調整するため、1または複数のシム板を増減可能に介設しており、
該シム板に、ガイド孔と同一の配置で、同一の断面形状に設定された中継用のガイド孔部を穿設してなることを特徴とする。
更に、請求項3の発明では、
形状の異なる複数の型版の各基板に、所定のエンボス加工用版のガイド孔と同一の配置で、同一の断面形状に設定された基板側ガイド孔を形成し、
所定のエンボス加工用版を着脱して異なる型版の各基板に兼用しうることを特徴とする。
また、異なる形状の型版であっても同一の基板側ガイド孔を形成することで、同一のガイド孔を有するエンボス加工用版部を共用することができる。
本実施例では、ブランクは段ボールからなっており、箱形の展開形状に打ち抜かれ、同時にエンボス加工が行われる。
即ち、図1に箱の蓋に用いるブランク20の一例を示すと、中央で平面板となる矩形状の広面部21と、該広面部21の外周を囲む四本の折り曲げ線22と、各折り曲げ線22を介して外方へ延びて上下左右の四つの立面板となる周壁片部23と、対向する一対の周壁片部(図示例では左右の周壁片部)23のそれぞれ両側に補助折り曲げ線24を介して連接される一対の貼合せ片部25とからなっており、本実施例では前記広面部21に印刷された文字に沿って凹状に窪むエンボス部26が形成される。
上記ブランク20を成形するため、ダイカッタで打ち抜いて所定形状に成形する型版10は、図2、図5〜図6に示すように、ベニヤ板の基板11に、前記ブランクを所定輪郭線に沿って打ち抜くための切刃部12と、切刃部12の内側に配置されて前記折り曲げ線22や補助折り曲げ線24を形成するための押し罫部13、14とがそれぞれ立設して固定された公知構成からなっている。
そして、打抜機などのプレス機械からブランク20に対して押圧力が加わると、図6に示すようにブランクを打ち抜くと共にエンボス加工用版部1によりエンボス加工が行われる。
そして、図示例では、前記上記押し罫部12で囲まれた中に、エンボス加工用版部1が取り付けられる。
エンボス加工用版部1は、銅などの金属製からなっており、扁平面からなるベース部1aの上に腐食等によって成形された刻印部1bを突設した凸版構成となっているが、この発明で使用されるエンボス加工用版部1は上記実施例に限定されるものではなく、公知のエンボス加工用の版や刻印を用いることができる。
そして、上記取付用孔部2の近傍にはガイド孔3を穿設している。
取付用孔部2は、前記ベース部1aの四隅に略等間隔に形成されている。
この取付用孔部2は前記緊締具の径に対応するためやや大径(例えば直径約5〜10mm程度)の孔からなっている。
そこで、前記取付用孔部2は、ベース部1aの四隅のデッドスペースに配置する。
次に、ガイド孔3は小径に設定されているので、ベース部1aの余白個所に配置することができ、配置の自由度が高い。
このガイド孔3は、例えば直径約1〜2mm程度の小径の孔からなっており、ベース部1aの外周近傍で、前記取付用孔部2と重ならない離間した位置に配置される。
このガイド孔3は、前記型版10の基板11上で、切刃部11または押し罫部12で囲まれた領域内に、エンボス加工用版部1を正しい向きで正確に位置決めするために用いられ、ブランクの所定の印刷個所に整合させてエンボス加工を行えるようにしている。
即ち、前記型版10の基板11には、前記エンボス加工用版部1の取付位置に、前記4つのガイド用孔部3と全てが整合する個所に4つの基板側ガイド用孔部3’が形成されている。
基板側ガイド用孔部3’は整合するガイド用孔部3と同一の径または同一の横断面の孔からなっている。
この場合、ずらす間隔(となる角度)は、ガイド孔3の直径以上離間する間隔であれば異なる組合せのガイド孔3と基板側ガイド用孔部3’とが一部で重なって、位置決めを誤まることがない。
角度をずらす場合は、前述と同様に、ガイド孔3の直径以上離間する間隔(となる角度)であることが望ましい。
その他、要するにエンボス加工用版部1を中央の所定の1点Pを中心にして90度間隔で回転させたときに、単一の姿勢でしか全てのガイド孔3が基板側ガイド用孔部3’に一致しないように配置されればよい。
基板側ガイド用孔部3’上にガイド用孔部3を重ね、これらの孔3、3’にガイドピン5を挿通することでエンボス加工用版部1の正確な位置決めを行うことができる。
ここでガイドピン5は、前記ガイド用孔部3および基板側ガイド用孔部3’にほぼ隙間無く挿入可能な断面を有しており、且つガイド用孔部3から基板側ガイド用孔部3’に挿通可能な長さを有している。
ここで、基板11には、前記ネジの締付に際して何の構成を設けなくてもよいが、図示例では、取付用孔部2に対応した基板側取付用孔部2’や雌ネジ部を予め形成しておいてもよい(図4参照)。
そこで、形状の異なる型版10であっても基板11の所定位置に基板側ガイド用孔部3’を形成しておくことで、単一のエンボス加工用版部1を兼用することができる。
即ち、対向する2つのガイド用孔部3によって平面の1方向を決めることができ、残りの1つのガイド用孔部3によって平面の直交する他方向を決めることができ、同時に3つのガイドピン5の挿入によって、前記4つのガイドピンによるブレの抑えに準じて、正確なエンボス加工用版部1の位置決めを行うこともできる。
エンボス加工用版部1は、刻印部1bが所定の高さに突出しているが、ブランク20が紙製品の場合、湿度などの周囲の環境によって変形しやすいので、刻印部1bの高さを微調整しうることが好ましい。
そして、取付用孔部2にネジなどの締付具を通してエンボス加工用版部1をシム板6を介して基板11に締め付けて固定することができる。
その他の構成は前記実施例と同一であるので、同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
1a ベース部
1b 刻印部
2 取付用孔部
2’ 基板側取付用孔部
3 ガイド孔
3’ 基板側ガイド用孔部
3” 中継用の孔部
4
5 ガイドピン
6 シム板
10 型版
11 基板
12 切刃部
13、14 押し罫部
15 クッション材
20 ブランク
21 広面部
22 折り曲げ線
23 周壁片部
24 補助折り曲げ線
25 貼合せ片部
Claims (3)
- 抜型となる型版の基板にエンボス加工用版部を着脱可能に固定する取付構造において、
エンボス加工用版がベース部と刻印部とからなり、
前記ベース部に、ネジ等の締付具を通して基板に固定するための取付用孔部と、 該取付用孔部より小径に設定されると共に前記ベース部の外周に沿って相互に離間して穿設された3つ以上のガイド孔と、
基板の所定位置に、前記ガイド孔と同一の配置で、同一の横断面形状に設定された基板側ガイド孔と、
前記ガイド孔及びこれに整合する基板側ガイド孔と略同一の断面を有し、前記ガイド孔及びこれに整合する基板側ガイド孔に挿通可能な長さを備えたガイドピンとを設け、
前記ガイド孔が、ベース部の所定の点を中心に90度間隔で回転した際に、正しい1つの姿勢でのみ、全てのガイド孔が基板側ガイド孔と整合しうるように配置しており、
全てのガイド孔と整合した基板側ガイド孔に前記ガイドピンを挿通して、基板に対するエンボス加工用版部の取付位置を正確に位置決めしうることを特徴とするエンボス加工用版部の取付構造。 - エンボス加工用版のベース部と基板との間に刻印部の高さを調整するため、1または複数のシム板を増減可能に介設しており、
該シム板に、ガイド孔と同一の配置で、同一の断面形状に設定された中継用のガイド孔部を穿設してなることを特徴とする請求項1に記載のエンボス加工用版部の取付構造。 - 形状の異なる複数の型版の各基板に、所定のエンボス加工用版のガイド孔と同一の配置で、同一の断面形状に設定された基板側ガイド孔を形成し、
所定のエンボス加工用版を着脱して異なる型版の各基板に兼用しうることを特徴とする請求項1または2に記載のエンボス加工用版部の取付構造。
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