(第1の実施形態)
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。前枠14は、遊技球を貯留可能な上皿15を一体成形した構成とされているとともに、裏面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するガラス支持枠が組み付けられている。また、中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する下皿16が装着されているとともに、下皿16の右方には、遊技球を遊技盤13に発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル17が装着されている。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う電飾表示部(装飾ランプ)18と、各種音声を出力して音声演出を行う複数のスピーカ19が配置されている。
次に、遊技盤13の構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤13のほぼ中央には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口21aが形成されており、当該セット口21aに整合して表示枠体21には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置22が装着されている。演出表示装置22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
図2に示すように、表示枠体21の左下の遊技領域には、7セグメント型の特別図柄表示装置23が設けられている。特別図柄表示装置23では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームの開始により同時に特別図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾り図柄が一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特別図柄表示装置23と演出表示装置22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
本実施形態において特別図柄表示装置23には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果(大当り又ははずれ)に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。本実施形態における複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置22には、各列毎に[0]〜[9]の10種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、本実施形態においては、演出表示装置22の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置23の表示領域よりも遥かに大きく形成し、演出表示装置22を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置23よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置22の表示内容に注目し、該演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。演出表示装置22に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
また、演出表示装置22には、特別図柄表示装置23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。特別図柄表示装置23に表示される特別図柄と、演出表示装置22に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置22では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
図2の説明に戻り、表示枠体21の左下の遊技領域であって、特別図柄表示装置23の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置Raが設けられている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「特図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口25と下始動入賞口26)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を特図始動保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特図始動保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特図始動保留記憶数は、前記始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特図始動保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、特別図柄保留発光部の点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。
また、表示枠体21の左下の遊技領域であって、特別図柄表示装置23の左方には、普通図柄表示装置24が配設されている。この普通図柄表示装置24では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われるようになっている。本実施形態において普通図柄表示装置24は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図2では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置24では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否か(開閉羽根27の開動作により下始動入賞口26を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置24では、普図当り抽選で普図当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図当り用の図柄が確定停止表示(本実施形態では「○(丸)」側の普通図柄表示部が点灯)される。一方、本実施形態の普通図柄表示装置24では、普図当り抽選で普図はずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普通図柄からなる普図はずれ用の図柄が確定停止表示(本実施形態では「×(ばつ)」側の普通図柄表示部が点灯)される。
また、表示枠体21の左下の遊技領域であって、特別図柄表示装置23と普通図柄表示装置24の間には、複数個(本実施形態では4個)の普通図柄保留発光部を備えた普通図柄保留記憶表示装置Rbが設けられている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Rbは、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「普図始動保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の左方に配置される普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を普図始動保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普図始動保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普図始動保留記憶数は、普通図柄作動ゲート30に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球すると、普図始動保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Rbは、普通図柄保留発光部の点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。
また、図2に示すように、表示枠体21の下方の遊技領域には、遊技球の入球口25aを有する始動入賞手段としての上始動入賞口25と遊技球の入球口26aを有する始動入賞手段としての下始動入賞口26が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口26は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根27を備えており、開閉羽根27が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口26は、開閉羽根27が開動作して入球口26aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口25と下始動入賞口26の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動入賞手段としての始動口スイッチSW1,SW2(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口25と下始動入賞口26は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口26は開閉羽根27が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根27が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
また、図2に示すように、下始動入賞口26の下方の遊技領域には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた大入賞口(特別電動役物)29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口29が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉28の開動作により大入賞口29が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球するの何れか早く成立した方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、図2に示すように、表示枠体21の左方の遊技領域には、普通図柄作動ゲート30が配設されている。普通図柄作動ゲート30の奥方には、該普通図柄作動ゲート30へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図3に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート30は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
また、遊技盤13の遊技領域の最下方(大入賞口29よりも下方)には、遊技領域に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口31が形成されている。アウト球口31を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確変大当りに当選したことを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率状態を低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート30の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率状態(普通当りの当選確率)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する変短状態を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口26の開閉羽根27は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、300ms)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1800ms)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根27は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉羽根27が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口26への遊技球の入球率が向上するので、変短状態は入球率向上状態となる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、変短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変大当りに当選している場合、次回の大当りが生起するまでの間、変短状態が付与される一方で、非確変大当りに当選している場合、100回の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与される。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根27の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。一方、大当り遊技の終了後における開閉羽根27の単位時間あたりの開放時間を増加させない非変短状態が、開放時間非増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉羽根27が開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。そして、本実施形態では、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない場合に比して、遊技者が獲得可能な賞球数が増加する(有利となる)ことになる。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、電飾表示部18の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ19の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口25に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口26に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU35aには、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート30を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU35aには、特別図柄表示装置23、普通図柄表示装置24、特別図柄保留記憶表示装置Ra、及び普通図柄保留記憶表示装置Rbが接続されている。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、特図振分用乱数、普図当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる変動内容毎に分類されている。
大当り演出用の変動パターンに基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置22の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。また、はずれ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる演出である。
また、主制御用ROM35bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1470までの全1471通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。そして、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では36個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1471分の4となる一方で、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1471分の36となる。
また、主制御用ROM35bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。さらに、リーチ判定値は、遊技状態が非変短状態の時のリーチ抽選で用いる低確率用のリーチ判定値と、遊技状態が変短状態の時のリーチ抽選で用いる高確率用のリーチ判定値とがある。そして、図6に示すように、非変短状態時のリーチ判定値の数(本実施形態では特図始動保留記憶数の値に拘らず34個)は、変短状態時のリーチ判定値の数(本実施形態では特図始動保留記憶数の値に拘らず10個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態におけるリーチ抽選でリーチに当選する確率が、240分の34となる一方で、変短状態におけるリーチ抽選でリーチに当選する確率が、240分の10となる。
また、主制御用ROM35bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜106までの全107通りの整数)の中から定められている。さらに、普図当り判定値は、遊技状態が非変短状態の時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値と、遊技状態が変短状態の時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値とがある。そして、変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では106個)は、非変短状態の時の普図当り判定値の数(本実施形態では2個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、107分の2となる一方で、変短状態における普図当り抽選で普図当りに当選する確率が、107分の106となる。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用ROM36bには、統括制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置22が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御用CPU35aが、メイン制御プログラムに基づき所定の制御周期(本実施形態では4ms)毎に実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を図4に従って説明する。本実施形態では、主制御用RAM35cが、記憶手段として機能する。
主制御用CPU35aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口26に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ステップS1において主制御用CPU35aは、始動口スイッチSW1,SW2が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップS1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(特図始動保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理を終了する。
ステップS2の判定結果が肯定(特図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数を+1(1加算)し、特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS3)。また、主制御用CPU35aは、1加算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容を変更させる。続いて、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値と、特図振分用乱数の値を主制御用RAM35cから読み出して取得し、該値を特図始動保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM35cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。その後、主制御用CPU35aは、図7に示すコマンド設定処理を実行し(ステップS5)、特別図柄入力処理を終了する。なお、コマンド設定処理とは、特別図柄入力処理において上始動入賞口25又は下始動入賞口26で入賞検知されたときに取得した大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及びリーチ判定用乱数の値を図柄変動ゲームの開始時期よりも前にサブ統括制御基板36に把握させるための事前判定コマンドを生成及び出力するための処理となっている。このコマンド設定処理については、後に詳細に説明する。
次に、特別図柄開始処理について図5に基づき説明する。
本実施形態では、特別図柄開始処理を実行する主制御用CPU35aが、判定手段として機能する。
主制御用CPU35aは、まず、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動表示中であるか否か、及び大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS12)、特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定結果が否定の場合(特図始動保留記憶数=0の場合)、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合(特図始動保留記憶数>0の場合)、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数を−1(1減算)する(ステップS14)。そして、主制御用CPU35aは、当該特図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図振分用乱数の各値を取得する(ステップS15)。
より詳しくは、主制御用CPU35aは、最も早く記憶した特図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を読み出す。また、主制御用CPU35aは、乱数を読み出した後、特図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を特図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を特図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU35aは、特図始動保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を特図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する。また、主制御用CPU35aは、1減算後の特図始動保留記憶数を表すように特別図柄保留記憶表示装置Raの表示内容を変更させる。
次に、主制御用CPU35aは、取得した大当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS16)。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。
ステップS16の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU35aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」を設定する(ステップS17)。そして、主制御用CPU35aは、取得した特図振分用乱数の値に基づき、特別図柄による大当り図柄の中から特別図柄表示装置23に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップS18)。なお、特別図柄表示装置23に表示される特別図柄の大当り図柄は、確変図柄又は非確変図柄のいずれかに分類されている。その後、主制御用CPU35aは、決定した最終停止図柄から大当り遊技の種類を特定し、選択し得る大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS19)。その後、主制御用CPU35aは、ステップS20に移行する。
一方、ステップS16の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU35aは、リーチを形成させるか否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS21)。本実施形態では、主制御用CPU35aは、ステップS21の処理時において主制御用RAM35cから取得したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。
そして、ステップS21の判定結果が肯定の場合(リーチを形成する場合)、主制御用CPU35aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置23に確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS22)。次に、主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS23)。そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU35aは、ステップS20の処理に移行する。
一方、ステップS21の判定結果が否定の場合(リーチを形成しない場合)、主制御用CPU35aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置23に確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS24)。次に、主制御用CPU35aは、はずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS25)。そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU35aは、ステップS20の処理に移行する。
ステップS20に移行した主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に対し、出力処理にて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、決定された変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。同時に、主制御用CPU35aは、特別図柄を変動開始させるように特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、主制御用CPU35aは、最終停止図柄を指定する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。また、主制御用CPU35aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾り図柄の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための図柄停止コマンドを出力する。
そして、主制御用CPU35aは、大当りを決定した場合(大当りフラグに「1」が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始する。
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの状態移行判定の判定結果に基づき、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与し、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。そして、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態とする場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後に非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了後に変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU35aは、非確変大当りに当選している場合、作動回数に100回を設定し、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態を終了させ、作動フラグに「0」を設定する。この場合、主制御用CPU35aは、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。
また、確変フラグ及び作動フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU35aは、大当りが生起された場合、大当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。また、確変フラグ及び作動フラグは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドにより、統括制御用CPU36aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、又は変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU35aが実行する制御内容を説明する。
主制御用CPU35aは、普通図柄作動ゲート30へ遊技球が入球したか否か、すなわち、普通図柄変動スイッチSW4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている普図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が否定(普図始動保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU35aは、上限数を超える普図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。一方、保留判定の判定結果が肯定(普図始動保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数を+1(1加算)し、普図始動保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、1加算後の普図始動保留記憶数を表すように普通図柄保留記憶表示装置Rbの表示内容を変更させる。続いて、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから読み出して取得し、該値を普図始動保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM35cの所定の記憶領域に設定する。
そして、主制御用CPU35aは、まず、図柄(普通図柄)が変動表示中であるか否か、及び普図当り遊技中であるか否かを判定する。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、普図始動保留記憶数を読み出し、普図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数を−1(1減算)する。そして、主制御用CPU35aは、当該普図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を取得する。
より詳しくは、主制御用CPU35aは、最も早く記憶した普図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を読み出す。また、主制御用CPU35aは、乱数を読み出した後、普図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU35aは、普図始動保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を普図始動保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する。また、主制御用CPU35aは、1減算後の普図始動保留記憶数を表すように普通図柄保留記憶表示装置Rbの表示内容を変更させる。
次に、主制御用CPU35aは、取得した普図当り判定用乱数の値が主制御用ROM35bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定して普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、本実施形態において、普図当り判定値は、変短状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置24の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(普図当り図柄又は普図はずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、非変短状態の場合には変動時間として「10000ms」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1100ms」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。
また、主制御用CPU35aは、普図当りとなる普通図柄変動ゲームの終了後、開閉羽根27を開放させるための開放信号と開閉羽根27を閉鎖させるための閉鎖信号を出力し、開閉羽根27の開放態様を制御する。開放信号及び閉鎖信号は、開閉羽根27のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根27が開動作されるとともに、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根27が閉動作される。そして、主制御用CPU35aは、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根27の開放態様を制御する。
また、主制御用CPU35aは、開閉羽根27の開放中に下始動入賞口26に入球した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で閉鎖信号を出力して開閉羽根27を閉動作させ、普図当りに基づく開閉羽根27の開放制御を終了する。普図当りに基づく開閉羽根27の開放制御を終了した主制御用CPU35aは、その終了時点の普図始動保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普通図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU35aは、開閉羽根27の開放制御の終了時点の普図始動保留記憶数が「0」の場合、普通図柄作動ゲート30に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普通図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。
また、統括制御用CPU36aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンドを入力すると確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する一方で、非確変コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する。また、統括制御用CPU36aは、変短コマンドを入力すると変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定する一方で、非変短コマンドを入力すると非変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM36cに記憶維持させる。統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cの前記設定内容によって、パチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。また、統括制御用CPU36aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド及び非変短コマンドのこれらコマンドを入力すると、それぞれのコマンドを演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄用の停止図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄(特別図柄)に基づき、演出表示装置22に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。
統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
また、統括制御用CPU36aは、停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチの図柄組み合わせ(リーチ形成図柄)を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチの図柄組み合わせ(リーチ形成図柄)を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
そして、統括制御用CPU36aは、決定した飾り図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるように、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、当該コマンドを演出表示制御基板37に出力する。
次に、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。表示制御用CPU37aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を演出表示装置22に確定停止表示させるように表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、複数回の図柄変動ゲームに亘って所定の演出を実行させる連続演出を実行可能に構成されている。連続演出は、大当り演出が行われる可能性がある図柄変動ゲームよりも前に行われる図柄変動ゲームから、所定の演出を図柄変動ゲーム毎に1回行い、当該演出を数回の図柄変動ゲームを跨いで連続させるものである。なお、本実施形態では、所定の演出として、演出表示装置22において、花びらが落下する画像を画像表示する内容で行われる。そして、この演出は、連続演出の実行が決定された場合のみ実行される連続演出専用の演出となっている。つまり、連続演出以外の演出では、花びらが落下する画像を用いた演出は実行されないようになっている。
以下、連続演出を実行するための処理について図7に従って説明する。本実施形態では、以下に示すコマンド設定処理を実行する主制御用CPU35aが、入賞時大当り判定手段、入賞時リーチ判定手段として機能する。
最初に、主制御用CPU35aが実行するコマンド設定処理について説明する。なお、このコマンド設定処理は、特別図柄入力処理中に実行されるとともに、特別図柄開始処理前に実行されるようになっている。なお、コマンド設定処理は、上始動入賞口25又は下始動入賞口26へ遊技球が入賞したことを契機に実行されるので、ステップS1が否定判定された場合には、実行されないことになる。
主制御用CPU35aは、ステップS4(図4に示す)で取得した大当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを事前判定する(ステップS101)。このとき、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶された確変フラグの値を参照して遊技状態が確変状態であるか否かを判定し、確変状態である場合、確変状態時の大当り判定値を用いて判定する一方、通常状態である場合、通常状態時の大当り判定値を用いて判定するようになっている。これにより、主制御用CPU35aは、大当り抽選の実行前であっても、上始動入賞口25又は下始動入賞口26に遊技球が入賞検知したときに取得した大当り判定用乱数の値を用いて、大当りとなるか否かを事前判定することができる。
ステップS101の判定結果が肯定(大当り判定値と一致する)の場合、主制御用CPU35aは、大当り用コマンド設定処理を実行する(ステップS102)。ステップS102において主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている特図始動保留記憶数を指定すると共に、大当り演出を指示する事前判定コマンド「D6xxH」を作成し、所定の送信バッファに設定する。ちなみに、「xxH」は、コマンド設定処理を実行した時点における特図始動保留記憶数(01H〜04H)を示している。
また、ステップS102の処理の時点において、主制御用CPU35aは、特別図柄入力処理におけるステップS3で、上始動入賞口25又は下始動入賞口26に遊技球が入賞した結果として、特図始動保留記憶数に1加算して主制御用RAM35cの記憶内容をすでに書き換えている。また、特別図柄開始処理の実行前であるため、特図始動保留記憶数に1加算後、当該特図始動保留記憶数から1減算されてはいない。そして、主制御用CPU35aは、コマンド設定処理を終了する。
また、ステップS101の判定結果が否定(大当り判定値と一致しない)の場合、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数の値とともに取得したリーチ判定用乱数の値が、リーチ判定値と一致するか否かを事前判定する(ステップS103)。このとき、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶された作動フラグの値を参照して遊技状態が変短状態であるか否かを判定し、変短状態である場合、変短状態時のリーチ判定値を用いて判定する一方、非変短状態である場合、非変短状態時のリーチ判定値を用いて判定するようになっている。これにより、主制御用CPU35aは、リーチ抽選の実行前であっても、上始動入賞口25又は下始動入賞口26に遊技球が入賞検知したときに取得したリーチ判定用乱数の値を用いて、リーチとなるか否かを事前判定することができる。
ステップS103の判定結果が肯定(リーチ判定値と一致する)の場合、主制御用CPU35aは、はずれ用コマンド設定処理を実行する(ステップS104)。ステップS104において主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている特図始動保留記憶数を指定すると共に、はずれリーチ演出となることを指示する事前判定コマンド「D5xxH」を作成し、所定の送信バッファに設定する。一方、ステップS104の判定結果が否定(リーチ判定値と一致しない)の場合、主制御用CPU35aは、はずれ用コマンド設定処理(ステップS104)を実行することなく、コマンド設定処理を終了する。なお、所定の送信バッファにセットされたコマンドは、次回以降の制御周期において順次統括制御用CPU36aに出力される。
このように、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数及びリーチ判定用乱数を取得した時の遊技状態に応じた大当り判定値及びリーチ判定値を用いて事前判定を実行することで、特別図柄開始処理を実行するタイミングよりも前に、当該図柄変動ゲームが大当りとなるのか、又は、リーチ演出を伴うはずれ演出となるのか否かを把握することができる。ただし、この事前判定は、あくまでも大当り判定用乱数及びリーチ判定用乱数を取得した時の遊技状態における結果を示しており、実際に図柄変動ゲームが開始される時に、事前判定の結果どおりになるとは限らない。
次に、連続演出を実行させるか否かを決定するために、サブ統括制御基板36が実行する連続演出決定処理について、図8にしたがって説明する。本実施形態では、以下に説明する連続演出決定処理を実行する統括制御用CPU36aが、連続演出判定手段として機能する。
まず、統括制御用CPU36aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口26への入賞時に、事前判定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS201)。なお、本実施形態における事前判定コマンドは、はずれリーチ演出となることを指示する事前判定コマンド「D5xxH」及び大当り演出を指示する事前判定コマンド「D6xxH」となる。ステップS201の判定結果が肯定(事前判定コマンドを入力した)の場合、統括制御用CPU36aは、「最終リーチ保留球」の値を統括制御用RAM36cの所定の記憶領域から読み出す(ステップS202)。なお、「最終リーチ保留球」とは、事前判定コマンドを入力した時点で記憶されている特図始動保留記憶数の中で、リーチ演出を行う特別図柄変動ゲームが終了するまでに行われる特別図柄変動ゲーム数を特定するための値である。例えば、特図始動保留記憶数「2」に対応する図柄変動ゲームでリーチ演出が実行される可能性があるのであれば、最終リーチ保留球として「2」が設定されることになる。このとき、統括制御用CPU36aは、特図始動保留記憶数「1」に対応する図柄変動ゲームでリーチ演出が実行される可能性があるか否かを問わず、最終リーチ保留球として「2」を設定することになる。
そして、ステップS202において統括制御用CPU36aは、読み出した最終リーチ保留球の値が零(0)か否かを判定する。これにより、統括制御用CPU36aは、現在保留中の図柄変動ゲームにおいてリーチ演出が実行されるか否かを判断することができる。さらに、統括制御用CPU36aは、リーチ演出を行う図柄変動ゲームが終了するまでに行われる図柄変動ゲーム数も特定することができる。
そして、ステップS202の判定結果が肯定(最終リーチ保留球=0)の場合、統括制御用CPU36aは、入力した事前判定コマンドの下位バイトで特定される特図始動保留記憶数が「1」より大きいか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203の判定結果が肯定(特図始動保留記憶数>1)の場合、統括制御用CPU36aは、連続演出の実行可否を乱数抽選で決定する(ステップS204)。即ち、統括制御用CPU36aは、特図始動保留記憶数に基づく図柄変動ゲーム中にリーチがない場合に、今回の入賞検知を契機として記憶された特図始動保留記憶数に基づく図柄変動ゲームでリーチとなるのであれば、連続演出の実行可否を決定するための条件が成立したと認識することになる。
また、ステップS204における実行抽選では、「D5xxH」に関して、「xxH」で特定される特図始動保留記憶数が小さくなるほど「実行可」を決定する確率が高くなるように乱数を設定している。その一方で、「D6xxH」に関して、「xxH」で特定される特図始動保留記憶数が大きくなるほど「実行可」を決定する確率が高くなるように乱数を設定している。つまり、本実施形態では、連続演出を伴って実行される図柄変動ゲームの回数が多くなるほど最終的に大当りとなることに対して期待を持つことができる構成となっている。
そして、ステップS204の判定結果が肯定(実行抽選に当選した)の場合、統括制御用CPU36aは、入力した事前判定コマンドで特定される特図始動保留記憶数を、連続演出を伴わせて実行する図柄変動ゲームの回数(演出実行回数)として統括制御用RAM36cに設定する(ステップS205)。その後、統括制御用CPU36aは、ステップS206において、入力した事前判定コマンド(「D5xxH」又は「D6xxH」)により指定された特図始動保留記憶数を、最終リーチ保留球として統括制御用RAM36cに記憶する。そして、統括制御用CPU36aは、連続演出決定処理を終了する。
一方、統括制御用CPU36aは、ステップS201の判定結果が否定(事前判定コマンドを入力していない)の場合、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームでリーチ演出を実行させることができないので、連続演出の実行を決定することなく連続演出決定処理を終了する。また、ステップS202の判定結果が否定(最終リーチ保留球>0)、ステップ203の判定結果が否定(特図始動保留記憶数≦1)、及びステップS204の判定結果が否定(連続演出の実行否)の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS206に移行する。即ち、最終リーチ保留球が1以上であったり、特図始動保留記憶数が1以下であったり、連続演出の実行可に当選しなかったりしたとしても、連続演出決定処理の実行契機となった事前判定コマンドを入力したことにより、当該図柄変動ゲームではリーチ演出が行われる可能性がある。これにより、統括制御用CPU36aは、新たに入賞検知された遊技球に基づく図柄変動ゲームがリーチ演出を伴って実行される場合に、連続演出決定処理の実行契機となった事前判定コマンドで特定される図柄変動ゲームでリーチ演出が実行され、連続演出の途中にリーチ演出を挟むことがないようにステップS206の処理を実行している。
このような処理を実行することにより、統括制御用CPU36aは、事前判定コマンドを入力した時点で記憶されている特図始動保留記憶数の中でリーチ演出が実行されるか否かを事前に認識することができる。そして、統括制御用CPU36aは、事前判定コマンドを入力した時点で記憶されている特図始動保留記憶数の中でリーチ演出が実行される可能性がある場合、たとえ、連続演出が実行可となる図柄変動ゲームにおいて大当り又はリーチ演出の実行が確定している場合であっても、連続演出の実行否を決定することができる。ただし、この事前判定は、あくまでも大当り判定用乱数及びリーチ判定用乱数を取得した時の遊技状態における結果を示しており、実際に図柄変動ゲームが開始される時に、事前判定の結果どおりになるとは限らない。
そして、本実施形態のような制御を実行することにより、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームを実行させる度に(変動パターン指定コマンドを入力する毎に)、最終リーチ保留球の値を1ずつ減算し、最終的には最終リーチ保留球の値を「0」とする。この場合、遊技状態が変化しなければ、現在保留中の図柄変動ゲームにおいてリーチ演出が実行されないので、次回、遊技球が入賞検知された場合には、連続演出が実行可能となる。また、最終リーチ保留球の値が「0」となった後、新たに遊技球が入賞検知されるとする。この場合、統括制御用CPU36aは、最終リーチ保留球の値を、入力した事前判定コマンドで特定される特図始動保留記憶数に対応する値に書き換える。つまり、事前判定コマンドを入力したときの特図始動保留記憶数が「3」であるならば、統括制御用CPU36aは、最終リーチ保留球の値を「0」から「3」に書き換える。
次に、統括制御用CPU36aが変動パターン指定コマンドを入力した際に実行する連続演出実行処理について図9にしたがって説明する。本実施形態では、以下の制御を実行する統括制御用CPU36aが、演出制御手段として機能する。
統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、連続演出が実行中であることを示す連続演出実行中フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の判定結果が否定(連続演出実行中フラグ=0)の場合、統括制御用CPU36aは、連続演出を実行中ではないと判定し、連続演出を実行させることなく連続演出実行処理を終了する。一方、ステップ301の判定結果が肯定(連続演出実行中フラグ=1)の場合、統括制御用CPU36aは、演出実行回数を1減算して更新する(ステップS302)。続いて、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cに更新後の演出実行回数が1回以上設定されているか否かを判定する(ステップS303)。
ステップS303の判定結果が肯定(演出実行回数>0)の場合、統括制御用CPU36aは、入力した変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが、リーチを含む演出内容を特定する変動パターンであるか否かを判定する(ステップS304)。つまり、ステップS304において統括制御用CPU36aは、入力した変動パターン指定コマンドの値から大当り演出内容又ははずれリーチ演出内容であるかを判定している。なお、変動パターン指定コマンドの値から変動内容を把握する方法として、例えば、大当り演出用とはずれリーチ演出用で上位バイト又は下位バイトを異ならせて設定している場合には、上位バイト又は下位バイトの値によって判断することができる。
そして、ステップS304の判定結果が肯定(リーチを含む演出内容)の場合、統括制御用CPU36aは、連続演出実行中フラグに「0」を設定(クリア)するとともに、演出実行回数に「0」を設定する(ステップS305)。その後、統括制御用CPU36aは、連続演出を実行させるための演出実行コマンドを統括制御用RAM36cにおける所定の送信バッファに設定し(ステップS306)、連続演出実行処理を終了する。なお、所定の送信バッファにセットされた演出実行コマンドは、次回以降の制御周期において演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に順次出力される。
ステップS303を肯定判定した後、ステップS304を肯定判定するということは、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームでリーチ演出が実行されるということになる。したがって、統括制御用CPU36aは、連続演出実行中フラグに「0」を設定するとともに、演出実行回数に「0」を設定した後、演出実行コマンドを設定する。これにより、統括制御用CPU36aは、当初、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定してされた図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームで連続演出を終了させる。その一方で、統括制御用CPU36aは、当初、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定された図柄変動ゲームで連続演出を実行させないようにしている。これにより、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームでリーチ演出が実行されることがなくなる。
一方、ステップS303の判定結果が否定(演出実行回数=0)の場合、更新後の演出実行回数が「0」となるということは、入力した変動パターン指定コマンドに基づく図柄変動ゲームが、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲーム(リーチあり)となる。したがって、統括制御用CPU36aは、ステップS305に移行し、連続演出実行中フラグに「0」を設定するとともに、演出実行回数に「0」を設定した後、ステップS306の処理を実行することで、最終回の図柄変動ゲームの実行を以って連続演出を終了させることになる。
一方、ステップS304の判定結果が否定(リーチを含まない演出内容)の場合、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームでリーチ演出が実行されないということになる。この場合、連続演出の実行中であるとともに、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームでリーチ演出が実行されないので、連続演出を実行させることが可能となっている。したがって、統括制御用CPU36aは、演出実行コマンドを統括制御用RAM36cにおける所定の送信バッファに設定し(ステップS306)、連続演出実行処理を終了する。
そして、演出実行コマンドを入力した表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に所定の演出(本実施形態では、花びらが落下する画像)を実行させるように演出表示装置22を制御する。本実施形態では、表示制御用CPU37aが、演出制御手段として機能する。
次に、図9に示すフローチャートの流れに従った連続演出の実行タイミングについて図10(a),(b)に従って説明する。
図10(a),(b)に示す例では、4回の図柄変動ゲームが保留されているとともに、保留中の図柄変動ゲームが、大当り遊技終了後99回目、100回目、101回目、及び102回目の図柄変動ゲームにそれぞれ該当している。つまり、保留中の図柄変動ゲームが実際に実行される場合、途中で変短状態から非変短状態に状態が移行する例を示している。ただし、図10(a),(b)に示す例では、変短状態から非変短状態に状態が移行する一方で、大当り抽選の抽選確率状態は、変化しないものとする。そして、図10(a)に示す例では、変短状態から非変短状態に状態が移行した場合、事前判定の結果とゲーム開始時の判定結果が一致しない事例を示している。一方、図10(b)に示す例では、変短状態から非変短状態に状態が移行した場合、事前判定の結果とゲーム開始時の判定結果が一致する事例を示している。
なお、図10(a)において、1個目及び2個目の特図始動保留記憶数に対応するリーチ判定用乱数の値は、「34」〜「240」の値(リーチなし)であるとする。また、3個目の特図始動保留記憶数に対応するリーチ判定用乱数の値は、「10」〜「33」の値であるとする。なお、「10」〜「33」の値とは、変短状態時にはリーチ判定が否定判定されるが、非変短状態時にはリーチ判定が肯定判定される値となっている。また、4個目の特図始動保留記憶数に対応するリーチ判定用乱数の値は、「0」〜「3」の値であるとする。また、以下の説明では、連続演出が終了する迄、上始動入賞口25又は下始動入賞口26に遊技球が入賞しないものとして説明する。さらに、図中の○で囲まれた数字は、取得したリーチ判定用乱数の値を指す。
図10(a)では、変短状態が付与されてから98回目の図柄変動ゲーム中に遊技球(保留球hd)が入賞検知され、当該遊技球が4球目の特別図柄用の始動保留球(以下、特図始動保留球と示す)として記憶されたとする。この場合、保留球hdの入賞時に行われるコマンド設定処理では、変短状態中に遊技球が入賞したことにより、変短状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが事前判定されることになる。そして、前提により、当該事前判定では「リーチ判定値と一致する」と判定される。この場合、主制御用CPU35aは、事前判定コマンドとして、主制御用RAM35cに記憶されている特図始動保留記憶数を指定すると共に、はずれリーチ演出となることを指示する事前判定コマンド「D504H」を作成する。なお、保留球ha〜hcも、変短状態が付与されてから98回目の図柄変動ゲーム中に入賞検知されたものとする。
そして、当該事前判定コマンド「D504H」を入力した統括制御用CPU36aは、連続演出決定処理(図8)を実行し、最終リーチ保留球の値が「0」であって、かつ連続演出の実行を決定する実行抽選に当選した場合、連続演出の実行を決定することになる。連続演出の実行を決定した統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、1球目の特図始動保留球(保留球ha)に基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球haに基づく図柄変動ゲームは、変短状態が付与されてから99回目の図柄変動ゲームとなるため、特別図柄開始処理において、変短状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球haに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、変短状態が付与されているか否かを問わず、「リーチ」となり得ない値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致することになる。これにより、保留球haに基づく図柄変動ゲームでは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:NO)中に、1回目の連続演出が実行されることになる(ステップS306)。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、2球目の特図始動保留球(保留球hb)に基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球hbに基づく図柄変動ゲームは、変短状態が付与されてから100回目の図柄変動ゲームとなるため、特別図柄開始処理において、変短状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球hbに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、変短状態が付与されているか否かを問わず、「リーチ」となり得ない値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致することになる。これにより、保留球hbに基づく図柄変動ゲームでは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:NO)中に、2回目の連続演出が実行されることになる(ステップS306)。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、3球目の特図始動保留球(保留球hc)に基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球hcに基づく図柄変動ゲームは、変短状態が付与されてから101回目の図柄変動ゲームとなって変短状態が終了することになるので、特別図柄開始処理では、非変短状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球hcに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、変短状態時には「リーチなし」と判定されるが、非変短状態時には「リーチあり」と判定される値であるため、「リーチあり」と判定され、事前判定の判定結果と一致しないことになる。これにより、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームで、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームが実行されることになる(ステップS304:YES)。したがって、統括制御用CPU36aは、当初、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定していた図柄変動ゲームで連続演出を実行させないように、保留球hcに基づく図柄変動ゲームにおいて、連続演出実行中フラグに「0」を設定するとともに、演出実行回数に「0」を設定する(ステップS305)。その後、統括制御用CPU36aは、演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力するので(ステップS306)、保留球hcに基づく図柄変動ゲームでは、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:YES)中に、3回目の連続演出が実行されることになる。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、4球目の特図始動保留球(保留球hd)に基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。この場合、保留球hcに基づく図柄変動ゲームの実行時に連続演出実行中フラグに「0」を設定したので、統括制御用CPU36aは、演出実行コマンドを送信バッファに設定することなく、連続演出実行処理を終了する(ステップS301:NO)。これにより、演出実行コマンドが出力されないので、保留球hdに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出が実行されずに、リーチを形成した後、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。つまり、保留球hdに基づく図柄変動ゲームは、当初、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定されていたが、保留球hcに基づく図柄変動ゲームがリーチ演出を伴う内容で実行されたため、保留球hcに基づく図柄変動ゲームで連続演出を終了させるようになっている。これにより、当初予定していた連続演出の実行回数(この例では4回)よりも少なくなるが、連続演出を実行することができるとともに、連続演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
次に、図10(b)について説明する。
図10(b)において、1個目〜3個目の特図始動保留記憶数に対応するリーチ判定用乱数の値は、「34」〜「240」の値(リーチなし)であるとする。また、4個目の特図始動保留記憶数に対応するリーチ判定用乱数の値は、「0」〜「3」の値であるとする。また、以下の説明では、図10(a)に示す演出内容と同一の部分について説明を省略する。
統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hcに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球hcに基づく図柄変動ゲームは、変短状態が付与されてから101回目の図柄変動ゲームとなるため、特別図柄開始処理において、非変短状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球hcに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、変短状態が付与されているか否かを問わず、「リーチ」となり得ない値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致することになる。これにより、保留球hcに基づく図柄変動ゲームでは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:NO)中に、3回目の連続演出が実行されることになる(ステップS306)。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hdに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。このとき、保留球hcに基づく図柄変動ゲームの実行時に連続演出実行中フラグに「0」を設定しなかったので、統括制御用CPU36aは、更新後の演出実行回数を確認する。なお、保留球hdに基づく図柄変動ゲームは、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームであるため、更新後の演出実行回数が「0」となる(ステップS303:NO)。したがって、統括制御用CPU36aは、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定した図柄変動ゲームの実行を以って連続演出を終了させる。これにより、当初予定していた連続演出の実行回数どおり、連続演出を実行することができるとともに、連続演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから事前判定コマンドを入力した際に、連続演出の実行可否を決定する。そして、連続演出の実行を決定した場合、入力した事前判定コマンドで特定される図柄変動ゲームを連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定する。連続演出の実行を決定した統括制御用CPU36aは、その後、変動パターン指定コマンドを入力する度に、当該コマンドで指定される変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンであるか否かを判定する。このとき、リーチ演出を伴う変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力したのであれば、統括制御用CPU36aは、当該図柄変動ゲームが連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームよりも前に実行される図柄変動ゲームであっても、連続演出を終了させる。これにより、統括制御用CPU36aは、連続演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
(2)連続演出の開始時に、連続演出が終了する変動までリーチ演出を実行することがないと判断したことによって連続演出を開始させたのであれば、遊技状態が変化しない限り、予定していた最終変動よりも前にリーチ演出が実行されることがなくなる。これにより、途中でリーチ演出を挟むことなく連続演出を実行させることができる。
(3)事前判定コマンドを入力した場合、これらの事前判定コマンドで特定される特図始動保留記憶数に基づく図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームが大当りとなるとしても、最終リーチ保留球の値が零(0)となるまで連続演出を実行させないようにした。これにより、遊技状態が変化しない限り、連続演出が終了する最終回よりも前の図柄変動ゲームでリーチ演出が実行されることを確実に防止することができる。
(4)統括制御用CPU36aは、最終リーチ保留球の値が1以上の場合には、連続演出の実行否を決定し、最終リーチ保留球の値が零である場合には、連続演出の実行可否を抽選で決定する。これにより、統括制御用RAM36cに記憶されている最終リーチ保留球の数を確認するだけで連続演出の実行可否を決定することができるので、統括制御用CPU36aが実行する連続演出の実行可否に係る制御負担を軽減することができる。
(5)統括制御用CPU36aは、最終リーチ保留球の値によって、リーチ演出を行う図柄変動ゲームが終了するまでに行われるゲーム数を把握することができるので、保留中の図柄変動ゲームにおいてリーチ演出が実行される可能性があるか否かという判定に比べ、より具体的な制御を実行することができる。
(6)統括制御用CPU36aは、最終リーチ保留球を記憶する場合、現在保留中の図柄変動ゲームにおいて複数回の図柄変動ゲームでリーチ演出が実行される場合であっても、保留中の図柄変動ゲームのうち最後に取得した特図保留記憶数に対応する値を記憶する。これにより、連続演出を実行させる場合、遊技状態が変化しない限り、確実に途中でリーチ演出を挟んでしまうことを防止することができ、連続演出を実行させたとき、遊技者の期待感を十分に向上させることができる。
(7)変短状態が付与されているときに連続演出の実行可を決定して連続演出を実行させたとしても、連続演出の実行中に変短状態から非変短状態に移行した場合、変短状態中はリーチを含まないと判定されていたものが、非変短状態となったことでリーチを含むと判定される場合がある。このような場合であっても、途中でリーチ演出を挟むことなく連続演出を実行させることで遊技者の興趣を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成に同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態は、確変状態が付与されているか否かによってリーチ判定値の取り得る値を変更している点が、第1の実施形態とは異なる。また、本実施形態では、確変状態が、予め定めた回数(本実施形態では、50回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間付与される点が、第1の実施形態とは異なる。
具体的には、図11に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10におけるリーチ判定値は、遊技状態が非確変状態の時のリーチ抽選で用いる低確率用のリーチ判定値と、遊技状態が確変状態の時のリーチ抽選で用いる高確率用のリーチ判定値とがある。そして、図11に示すように、非確変状態時のリーチ判定値の数(本実施形態では特図始動保留記憶数の値に拘らず34個)は、確変状態時のリーチ判定値の数(本実施形態では特図始動保留記憶数の値に拘らず10個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態におけるリーチ抽選でリーチに当選する確率が、240分の34となる一方で、確変状態におけるリーチ抽選でリーチに当選する確率が、240分の10となる。
そして、本実施形態においても主制御用CPU35aは、図7に示すコマンド設定処理を実行する。ただし、本実施形態において主制御用CPU35aは、ステップS103において取得したリーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とを用いて事前判定を行う場合、主制御用RAM35cに記憶された確変フラグの値を参照して遊技状態が確変状態であるか否かを判定する。そして、確変状態である場合、確変状態時のリーチ判定値を用いて判定する一方、非確変状態である場合、非確変状態時のリーチ判定値を用いて判定するようになっている。これにより、主制御用CPU35aは、リーチ抽選の実行前であっても、上始動入賞口25又は下始動入賞口26に遊技球が入賞検知したときに取得したリーチ判定用乱数の値を用いて、リーチとなるか否かを事前判定することができる。
そして、ステップS103の判定結果が肯定(リーチ判定値と一致する)の場合、主制御用CPU35aは、はずれ用コマンド設定処理を実行する(ステップS104)。
このように、本実施形態においても主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数及びリーチ判定用乱数を取得した時の遊技状態に応じた大当り判定値及びリーチ判定値を用いて事前判定を実行する。これにより、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を実行するタイミングよりも前に、当該図柄変動ゲームが大当りとなるのか、又は、リーチ演出を伴うはずれ演出となるのか否かを把握することができる。ただし、本実施形態においてもこの事前判定は、あくまでも大当り判定用乱数及びリーチ判定用乱数を取得した時の遊技状態における結果を示しており、実際に図柄変動ゲームが開始される時に、事前判定の結果どおりになるとは限らない。
次に、図9に示すフローチャートの流れに従った連続演出の実行タイミングについて図12(a),(b)に従って説明する。
図12(a),(b)に示す例では、4回の図柄変動ゲームが保留されているとともに、保留中の図柄変動ゲームが、大当り遊技終了後49回目、50回目、51回目、及び52回目の図柄変動ゲームにそれぞれ該当している。つまり、保留中の図柄変動ゲームが実際に実行される場合、途中で確変状態から非確変状態に状態が移行する例を示している。ただし、図12(a),(b)に示す例では、確変状態から非確変状態に状態が移行する一方で、普通図柄変動ゲームの抽選確率状態についての変化はないものとする。そして、図12(a)に示す例では、確変状態から非確変状態に状態が移行した場合、事前判定の結果とゲーム開始時の判定結果が一致しない事例を示している。一方、図12(b)に示す例では、変短状態から非変短状態に状態が移行した場合、事前判定の結果とゲーム開始時の判定結果が一致する事例を示している。
なお、図12(a),(b)に示す特図始動保留記憶数、取得したリーチ判定用乱数の値は、図10(a),(b)で説明した値と同一であるため、ここでは説明を省略する。
図12(a)では、確変状態が付与されてから48回目の図柄変動ゲーム中に遊技球(保留球hd)が入賞検知され、当該遊技球が4球目の特図始動保留球として記憶されたとする。この場合、保留球hdの入賞時に行われるコマンド設定処理では、確変状態中に遊技球が入賞したことにより、確変状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが事前判定されることになる。そして、前提により、当該事前判定では「リーチ判定値と一致する」と判定される。この場合、主制御用CPU35aは、事前判定コマンド「D504H」を作成する。なお、保留球ha〜hcも、確変状態が付与されてから48回目の図柄変動ゲーム中に入賞検知されたものとする。
連続演出の実行を決定した場合、統括制御用CPU36aは図9に示す連続演出実行処理によって、保留球ha及び保留球hbに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球ha及び保留球hbに基づく図柄変動ゲームは、確変状態が付与されてから49回目及び50回目の図柄変動ゲームとなるため、特別図柄開始処理において、確変状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球ha及び保留球hbに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、確変状態が付与されているか否かを問わず、「リーチ」となり得ない値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致することになる。これにより、保留球ha及び保留球hbに基づく図柄変動ゲームでは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:NO)中に、1回目及び2回目の連続演出が実行されることになる(ステップS306)。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hcに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球hcに基づく図柄変動ゲームは、確変状態が付与されてから51回目の図柄変動ゲームとなって確変状態が終了することになるので、特別図柄開始処理では、非確変状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球hcに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、確変状態時には「リーチあり」と判定されるが、非確変状態時には「リーチなし」と判定される値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致しないことになる。これにより、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームで、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームが実行されることになる(ステップS304:YES)。したがって、統括制御用CPU36aは、当初、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定していた図柄変動ゲームで連続演出を実行させないように、保留球hcに基づく図柄変動ゲームにおいて、連続演出実行中フラグに「0」を設定するとともに、演出実行回数に「0」を設定する(ステップS305)。その後、統括制御用CPU36aは、演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力するので(ステップS306)、保留球hcに基づく図柄変動ゲームでは、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:YES)中に、3回目の連続演出が実行されることになる。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hdに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。この場合、保留球hcに基づく図柄変動ゲームの実行時に連続演出実行中フラグに「0」を設定したので、統括制御用CPU36aは、演出実行コマンドを送信バッファに設定することなく、連続演出実行処理を終了する(ステップS301:NO)。これにより、演出実行コマンドが出力されないので、保留球hdに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出が実行されずに、リーチを形成した後、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。したがって、当初予定していた連続演出の実行回数(この例では4回)よりも少なくなるが、連続演出を実行することができるとともに、連続演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
次に、図12(b)について説明する。
なお、以下の説明では、図12(a)に示す演出内容と同一の部分について説明を省略する。
統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hcに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球hcに基づく図柄変動ゲームは、確変状態が付与されてから51回目の図柄変動ゲームとなるため、特別図柄開始処理において、非確変状態時のリーチ判定値とリーチ判定用乱数の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球hcに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、確変状態が付与されているか否かを問わず、「リーチ」となり得ない値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致することになる。これにより、保留球hcに基づく図柄変動ゲームでは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:NO)中に、3回目の連続演出が実行されることになる(ステップS306)。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hdに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。このとき、保留球hcに基づく図柄変動ゲームの実行時に連続演出実行中フラグに「0」を設定しなかったので、統括制御用CPU36aは、更新後の演出実行回数を確認する。なお、保留球hdに基づく図柄変動ゲームは、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームであるため、更新後の演出実行回数が「0」となる(ステップS303:NO)。したがって、統括制御用CPU36aは、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定した図柄変動ゲームの実行を以って連続演出を終了させる。これにより、当初予定していた連続演出の実行回数どおり、連続演出を実行することができるとともに、連続演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(6)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8)大当り抽選の抽選確率状態が変化した場合であっても、途中でリーチ演出を挟むことなく連続演出を実行させ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成に同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態は、特別図柄開始処理実行時における特図始動保留記憶数に応じてリーチ判定値の取り得る値を変更している点が、第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なる。また、本実施形態では、事前判定コマンドを入力した時点で記憶されている特図始動保留記憶数の中で、リーチ演出が行われる可能性があるか否かを判定している点が、第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なる。
具体的には、図13に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10におけるリーチ判定値は、特別図柄開始処理における1減算後の特図始動保留記憶数によって異なっている。なお、1減算後の特図始動保留記憶数とは、図柄変動ゲーム実行前の特図始動保留球が「1」である場合、1減算後の特図始動保留記憶数は「0」となる。また、図柄変動ゲーム実行前の特図始動保留球が「2」である場合、1減算後の特図始動保留記憶数は「1」となる。また、図柄変動ゲーム実行前の特図始動保留球が「3」である場合、1減算後の特図始動保留記憶数は「2」となる。また、図柄変動ゲーム実行前の特図始動保留球が「4」である場合、1減算後の特図始動保留記憶数は「3」となる。
そして、図13に示すように、1減算後の特図始動保留記憶数が「0」「1」の時のリーチ判定値の数(この例では34個)は、1減算後の特図始動保留記憶数が、「2」の時のリーチ判定値の数(この例では19個)及び1減算後の特図始動保留記憶数が「3」の時のリーチ判定値の数(この例では10個)よりも多く設定されている。
このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、1減算後の特図始動保留記憶数が「0」「1」の場合におけるリーチ抽選でリーチに当選する確率が、240分の34となる。また、1減算後の特図始動保留記憶数が「2」の場合におけるリーチ抽選でリーチに当選する確率が、240分の19となる。また、1減算後の特図始動保留記憶数が「3」の場合におけるリーチ抽選でリーチに当選する確率が、240分の10となる。
このように、特図始動保留記憶数が多いほど、すなわち、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、リーチ判定の当選確率が低くなる。このため、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、保留されている図柄変動ゲームの消化を早くすることができる。その一方、特図始動保留記憶数が少ないほど、すなわち、保留されている図柄変動ゲームが少ないほど、リーチ判定の当選確率が高くなる。このため、特図始動保留記憶数が少ないときには、リーチ演出を実行させて変動時間を長くする確率を高くして、図柄変動ゲームが途切れないようにすることができる。なお、本実施形態では、はずれリーチ演出よりもはずれ演出の方が変動時間を短く設定している。
以下、本実施形態におけるコマンド設定処理について図14に従って説明する。なお、図14では、図7に示すコマンド設定処理と同一の処理内容については、同一の符号を付している。
主制御用CPU35aは、ステップS101の判定結果が否定(大当り判定値と一致しない)の場合、リーチ演出が実行されることを指示する上位バイトとして「D5」を主制御用RAM35cの所定領域にセットするとともに、リーチ判定値として「9」を主制御用ROM35bから読み出す。そして、主制御用CPU35aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口26に遊技球が入賞検知されたときに取得したリーチ判定用乱数の値が読み出した判定値(「9」)以下であるか否かを判定する(ステップS103a)。
ステップS103aの判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに最後にセットした上位バイト(この例では「D5H」)、及びその時点において主制御用RAM35cに記憶されている特図始動保留記憶数を指定する下位バイト「xxH」とから事前判定コマンドを生成する。そして、主制御用CPU35aは、事前判定コマンドを所定の送信バッファにセットする(ステップS104a)。また、ステップS104aの処理において主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている判定回数の値をクリア(「0」を設定)する。なお、この判定回数は、コマンド設定処理において、ステップS103aの判定処理を実行した回数を示しており、リーチ判定値に設定された区分数分(本実施形態では、2区分)の判定処理を繰り返し実行するために用いられる値である。ステップS104aの処理を終了した主制御用CPU35aは、コマンド設定処理を終了する。本実施形態では、リーチ判定値の数を、特図始動保留記憶数に応じて3つの区分に分けているが、ステップS103aにおける区分数は、特図始動保留記憶数に関係なく同じ値として設定されている「0」〜「9」までの値であるか、特図始動保留記憶数に応じてリーチ判定値となり得る「10」〜「33」までの値であるかの2区分となっている。
また、ステップS103aの判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶された判定回数の値を1加算して更新する(ステップS105)。続けて、主制御用CPU35aは、更新後の判定回数の値が「2」と等しいか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶されている判定回数をクリアする(「0」を設定する)とともに、コマンド設定処理を終了する。また、ステップS106の判定結果が否定の場合、主制御用CPU35aは、上位バイトとして「D4H」を設定するとともに、リーチ判定値として「33」を主制御用ROM35bから読み出す(ステップS107)。そして、主制御用CPU35aは、ステップS103a又はステップS106の判定結果が肯定となる迄、ステップS103a、及びステップS105〜ステップS107の処理を繰り返し実行するようになっている。即ち、本実施形態では、ステップS103a、及びステップS105〜ステップS107の処理を繰り返し実行することで、リーチ判定用乱数の値が「9」以下の場合には「D5」が上位バイトとして決定され、リーチ判定用乱数の値が「33」以下の場合には「D4」が上位バイトとして決定される。
このような構成から、本実施形態では、リーチ判定用乱数の値が「9」以下であるか、又は「33」以下であるかを入賞検知時に事前判定することによって、リーチ演出が実行される可能性を事前に把握することが可能となっている。本実施形態では、「10」〜「33」の値が第1のリーチ判定値となる一方で、「0」〜「9」の値が第2のリーチ判定値となる。
次に、本実施形態における連続演出決定処理について図8に従って説明する。 本実施形態において統括制御用CPU36aは、ステップS201において、主制御用CPU35aから事前判定コマンド(「D4xxH」〜「D6xxH」のうち何れか)を入力した際に連続演出決定処理を実行するようになっている。本実施形態では、以下の処理を実行する統括制御用CPU36aが、連続演出判定手段、変更手段として機能する。また、統括制御用RAM36cが、リーチ記憶手段として機能する。
なお、本実施形態におけるステップS204の実行抽選では、事前判定コマンド「D4xxH」を入力している場合、「実行否」のみが選択されるよう、つまり、連続演出が実行されないように乱数が設定されている。すなわち、事前判定コマンド「D4xxH」を入力したとしても、図柄変動ゲーム開始時に行われるリーチ判定実行時の特図始動保留記憶数によっては、リーチとならない場合がある。これにより、事前判定コマンド「D4xxH」を入力したからといって連続演出の実行可を決定してしまうと、リーチ判定実行時の特図始動保留記憶数に応じてリーチとならずに連続演出が終了してしまう場合もあるので、「実行否」のみに乱数を設定している。
そして、ステップS204の判定結果が肯定(連続演出の実行可)の場合、統括制御用CPU36aは、入力した事前判定コマンド(「D5xxH」又は「D6xxH」)の下位バイトに示される特図始動保留記憶数を演出実行回数として統括制御用RAM36cの所定領域に設定する(ステップS205)。その後、統括制御用CPU36aは、ステップS206において、入力した事前判定コマンド(「D4xxH」〜「D6xxH」のうちいずれか)により指定された特図始動保留記憶数を、最終リーチ保留球として統括制御用RAM36cに記憶する(ステップS206)。そして、統括制御用CPU36aは、連続演出決定処理を終了する。
本実施形態では、最終リーチ保留球が「1」以上に設定されている場合が、リーチ演出を含む図柄変動ゲームが存在する可能性があることを示すリーチ情報となる。また、最終リーチ保留球が「0」である場合が、リーチの可能性がないことを示す情報となる。
次に、図9に示すフローチャートの流れに従った連続演出の実行タイミングについて図15(a),(b)に従って説明する。
図15(a),(b)に示す例では、特図始動保留記憶数、取得したリーチ判定用乱数の値は、図10(a),(b)で説明した値と同一であるため、ここでは説明を省略する。ただし、図15(a),(b)に示す例では、特図始動保留記憶数は変化するが、大当り抽選の抽選確率状態や普通図柄変動ゲームの抽選確率状態についての変化はないものとする。なお、図15(a)に示す例では、特図始動保留記憶数の変化によって、事前判定の結果とゲーム開始時の判定結果が一致しない事例を示している。一方、図15(b)に示す例では、特図始動保留記憶数が変化した場合であっても、事前判定の結果とゲーム開始時の判定結果が一致する事例を示している。
図15(a),(b)では、図柄変動ゲーム中に遊技球(保留球ha〜hc)が続けて入賞検知され、当該遊技球が1球目〜3球目の特図始動保留球としてそれぞれ記憶されたとする。この場合、統括制御用CPU36aは、最終リーチ保留球の値を設定しない(すなわち、「0」が設定される)。続けて、図柄変動ゲーム中に遊技球(保留球hd)が入賞検知され、当該遊技球が4球目の特図始動保留球として記憶されたとする。この場合、保留球hdに基づく事前判定では、事前判定コマンド「D5xxH」が作成されることになる。
そして、統括制御用CPU36aは、最終リーチ保留球の値として「0」が設定されていることから、連続演出を実行させるか否かを決定する実行抽選に当選した場合、連続演出の実行可を決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、演出回数として「4」を設定するとともに、最終リーチ保留球の値として「4」を設定する。
連続演出の実行を決定した場合、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球haに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球haに基づく図柄変動ゲームの開始時に実行される特別図柄開始処理では、特図始動保留記憶数が「3」となるため、リーチ判定用乱数の値と「0」〜「9」の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球haに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、特図始動保留記憶数を問わず、「リーチ」となり得ない値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致することになる。これにより、保留球haに基づく図柄変動ゲームでは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:NO)中に、1回目の連続演出が実行されることになる(ステップS306)。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hbに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球hbに基づく図柄変動ゲームの開始時に実行される特別図柄開始処理では、特図始動保留記憶数が「2」となるため、リーチ判定用乱数の値と「0」〜「18」の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球hbに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、特図始動保留記憶数を問わず、「リーチ」となり得ない値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致することになる。これにより、保留球hbに基づく図柄変動ゲームでは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:NO)中に、2回目の連続演出が実行されることになる(ステップS306)。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hcに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球hcに基づく図柄変動ゲームの開始時に実行される特別図柄開始処理では、特図始動保留記憶数が「1」となるため、リーチ判定用乱数の値と「0」〜「33」の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前提により、当該判定では、「リーチ判定値と一致する」と判定され、事前判定の判定結果と一致しないことになる。そして、前述したように、保留球hcに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、特図始動保留記憶数が「2」「3」の場合には「リーチなし」と判定されるが、特図始動保留記憶数が「0」「1」の場合には「リーチあり」と判定される値であるため、「リーチあり」と判定され、事前判定の判定結果と一致しないことになる。これにより、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームで、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームが実行されることになる(ステップS304:YES)。したがって、統括制御用CPU36aは、当初、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定していた図柄変動ゲームで連続演出を実行させないように、保留球hcに基づく図柄変動ゲームにおいて、連続演出実行中フラグに「0」を設定するとともに、演出実行回数に「0」を設定する(ステップS305)。その後、統括制御用CPU36aは、演出実行コマンドを表示制御用CPU37aに出力するので(ステップS306)、保留球hcに基づく図柄変動ゲームでは、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:YES)中に、3回目の連続演出が実行されることになる。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hdに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。この場合、保留球hcに基づく図柄変動ゲームの実行時に連続演出実行中フラグに「0」を設定したので、統括制御用CPU36aは、演出実行コマンドを送信バッファに設定することなく、連続演出実行処理を終了する(ステップS301:NO)。これにより、演出実行コマンドが出力されないので、保留球hdに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出が実行されずに、リーチを形成した後、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。これにより、当初予定していた連続演出の実行回数(この例では4回)よりも少なくなるが、連続演出を実行することができるとともに、連続演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
次に、図15(b)について説明する。
なお、以下の説明では、図15(b)に示す演出内容と同一の部分について説明を省略する。
統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hcに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。なお、保留球hcに基づく図柄変動ゲームの開始時に実行される特別図柄開始処理では、特図始動保留記憶数が「1」となるため、リーチ判定用乱数の値と「0」〜「33」の値を比較してリーチとなるか否かが判定される。そして、前述したように、保留球hcに対応付けられたリーチ判定用乱数の値は、特図始動保留記憶数を問わず、「リーチ」となり得ない値であるため、「リーチなし」と判定され、事前判定の判定結果と一致することになる。これにより、保留球hcに基づく図柄変動ゲームでは、はずれ演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲーム(ステップS304:NO)中に、3回目の連続演出が実行されることになる(ステップS306)。
続いて、統括制御用CPU36aは、図9に示す連続演出実行処理によって、保留球hdに基づく図柄変動ゲームにおいて連続演出を実行させるか否かを判定する。このとき、保留球hcに基づく図柄変動ゲームの実行時に連続演出実行中フラグに「0」を設定しなかったので、統括制御用CPU36aは、更新後の演出実行回数を確認する。なお、保留球hdに基づく図柄変動ゲームは、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームであるため、更新後の演出実行回数が「0」となる(ステップS303:NO)。したがって、統括制御用CPU36aは、連続演出の対象となる最終回の図柄変動ゲームとして決定した図柄変動ゲームの実行を以って連続演出を終了させる。これにより、当初予定していた連続演出の実行回数どおり、連続演出を実行することができるとともに、連続演出が終了する最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチ演出が実行されてしまうことを防ぐことができる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(6)に加えて、以下の効果を得ることができる。
(9)統括制御用CPU36aは、最終リーチ保留球を確認した上で連続演出の実行を決定したにもかかわらず、連続演出の実行中に最終回よりも前の図柄変動ゲームでリーチを含むと判定されたとしても、途中でリーチ演出を挟むことなく連続演出を実行させることで遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 各実施形態において、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力することを契機に最終リーチ保留球の値を減算するようにしても良い。
・ 各実施形態において、リーチ判定値及びリーチ確率は、変短状態の有無、確変状態の有無、及び特図始動保留記憶数の組み合わせに応じて変更しても良い。なお、特図始動保留記憶数に応じてリーチ判定値及びリーチ確率を変更する場合、特図始動保留記憶数が多くなるほど、リーチ確率を低くすることが望ましい。これにより、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、保留されている図柄変動ゲームの消化を早くすることができる。
・ 各実施形態において、最終リーチ保留球での管理に代えて、事前判定コマンドを入力した時点で記憶されている特図始動保留記憶数の中でリーチ演出が行われる可能性があるか否かを示すサブ用判定フラグを用いて、リーチ演出が行われる可能性があるか否かを把握するようしても良い。この場合、統括制御用CPU36aは、事前判定コマンドを入力した時点で記憶されている特図始動保留記憶数の中でリーチ演出が行われる可能性があるのであれば、統括制御用RAM36cの所定の記憶領域に設定されているサブ用判定フラグに「1」を設定する。一方、統括制御用CPU36aは、事前判定コマンドを入力した時点で記憶されている特図始動保留記憶数の中でリーチ演出が実行される可能性がないのであれば「0」を設定する。なお、統括制御用CPU36aは、事前判定コマンドを入力した場合に、サブ用判定フラグに「1」を設定するようになっている。なお、サブ用判定フラグによる管理では、最終リーチ保留球での管理のように、リーチ演出を行う可能性のある図柄変動ゲームが終了するまでに行われる図柄変動ゲーム数を特定することはできない。すなわち、事前判定コマンドを入力した時点で記憶されている特図始動保留記憶数の中でリーチ演出が行われる可能性があるか否かのみを把握することになる。
・ 各実施形態において、連続演出中に実行される所定の演出を、その他の演出と同じ内容にしても良い。これにより、連続演出とその他の演出の区別を付け難くすることができる。
・ 各実施形態において、最終リーチ保留球は、リーチ判定用乱数の値として「0」〜「33」までの値のうちいずれかが取得された際に設定されるものとし、大当り判定用乱数の値として大当り判定値と一致する値が取得された際には、設定しないようにしても良い。
・ 各実施形態において、大当り遊技の種類は、任意に変更しても良い。例えば、大当り遊技のラウンド数、変短状態が付与される図柄変動ゲーム数を変更しても良い。
・ 各実施形態において、大当り判定値は、確変状態の有無にかかわらず同じ個数であっても良い。この場合、確変状態時の大当り判定値と非確変状態時の大当り判定値は、少なくとも1つ以上異なる値が設定されていれば良い。
・ 各実施形態において、リーチ判定値は、変短状態及び確変状態の有無に拘らず、同じ個数であっても良い。この場合、確変状態時及び変短状態時のリーチ判定値と非確変状態時及び非変短状態時のリーチ判定値は、少なくとも1つ以上異なる値が設定されていれば良い。
・ 第2の実施形態において、確変状態が付与されている回数と同数(本実施形態では、50回)の図柄変動ゲームが終了するまでの間、変短状態を付与するものとし、確変状態の終了とともに変短状態を終了させても良い。ただし、リーチ確率は、確変状態のみに応じて変更されるものとする。
・ 各実施形態において、サブ統括制御基板36を省略し、サブ統括制御基板36で実行する処理を演出表示制御基板37で実行するようにしても良い。また、サブ統括制御基板36と、音声・ランプ制御基板38と、音声・ランプ制御基板38とを単一の基板で構成しても良い。
・ 各実施形態では、演出表示装置22を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としてもよいし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としてもよい。
・ 各実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。