JP5350504B2 - リソグラフィ装置及び方法 - Google Patents

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Description

[0001] 本発明は、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスクとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に対応する回路パターンを生成することができる。このパターンを、放射感応性材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に結像することができる。一般的に、1枚の基板は、順次露光される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンデバイスを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナを含む。
[0003] リソグラフィ装置によるターゲット部分の露光後に、基板はスキャン方向と交差する方向に変移される。パターニングデバイスの進行方向が逆転され、基板の進行方向が逆転される。次に、基板上の新たなターゲット部分が露光される。基板を横方向に移動し、パターニングデバイス及び基板の進行方向を逆転させるためにかなりの時間を要することがある。
[0004] 本明細書に特定されているか、又はその他の場所で特定されているかに関わらず、例えば、上記問題点の1つ以上を防止し、又は軽減するリソグラフィ装置及びデバイス製造方法を提供することが望まれる。
[0005] 本発明の一態様によれば、放射ビームを提供するための照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与えるように働くパターニングデバイスを支持するための支持構造と、基板を保持するための基板テーブルと、基板のターゲット部分にパターニングされた放射ビームを投影するための投影システムとを備えるリソグラフィ装置であって、投影システムが、基板のターゲット部分にパターニングされた放射ビームを投影中に、可動レンズを移動するように構成されたアクチュエータに接続された可動レンズを含むリソグラフィ装置が提供される。
[0006] アクチュエータは、パターニングされた放射ビームがリソグラフィ装置のスキャン方向に移動するように可動レンズを移動させるように構成してもよい。
[0007] パターニングされた放射ビームの移動が、基板のスキャン速度とパターニングデバイスの有効スキャン速度との差を補償してもよい。
[0008] アクチュエータは、リソグラフィ装置のスキャン方向に可動レンズを移動するように構成してもよい。
[0009] アクチュエータは、可動レンズを回転させるように構成してもよい。可動レンズは、パターニングデバイスの位置にあるか、又はその近傍に回転点を有していてもよい。
[0010] リソグラフィ装置のコントローラは、支持構造と基板テーブルとを制御して、これらの一方又は両方がパターンを基板に投影中に加速又は減速するように構成してもよい。
[0011] リソグラフィ装置は、さらに、第2のパターニングデバイスを支持するために第2の支持構造を備えてもよい。
[0012] 可動レンズは、パターニングされた放射ビームと連続的に交差状態になるように構成された複数の可動レンズの1つであってもよい。
[0013] 本発明の一態様によれば、照明システムを使用して放射ビームを提供するステップと、スキャン方向に移動するパターニングデバイスを使用して放射ビームの断面に放射ビームを与えるステップと、スキャン方向に移動する基板のターゲット部分にパターニングされた放射ビームを投影するステップとを含み、パターニングされた放射ビームを基板のターゲット部分に投影中に可動レンズを移動して、パターニングされた放射ビームを移動させるステップをさらに含む方法が提供される。
[0014] パターニングされた放射ビームは、スキャン方向に移動されてもよい。
[0015] パターニングされた放射ビームの移動が、基板のスキャン速度とパターニングデバイスの有効スキャン速度との差を補償してもよい。
[0016] 可動レンズは、リソグラフィ装置のスキャン方向に移動してもよい。
[0017] 可動レンズは回転してもよい。
[0018] パターニングデバイス及び/又は基板は、パターンを基板に投影中に加速又は減速してもよい。
[0019] パターニングデバイス及び/又は基板は、パターンの90%までを基板に投影中に加速又は減速してもよい。
[0020] パターニングデバイス及び/又は基板は、実質的に正弦波形の加速又は減速を受けてもよい。
[0021] 第2のパターニングデバイスは、引き続き放射ビームの断面にパターンを与えるために使用されてもよく、第2のパターンはスキャン方向に移動し、第2のパターニングデバイスは、基板の速度よりも速い有効速度を有し、可動レンズの移動は第2のパターニングデバイスのより速い有効速度を補償する。
[0022] 第2のパターニングデバイスには、第1のパターニングデバイスとは異なるパターンを与えてもよい。
[0023] 可動レンズは、パターニングデバイス及び/又は基板の位置誤差を補償してもよい。
[0024] 本発明のさらなる特徴及び利点、さらに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照しながら以下で詳細に説明する。本発明は本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書では例示的目的のためにのみ提示されている。本明細書に含まれる教示に基づいて、追加の実施形態が当業者には明白になる。
[0025] 本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は本発明を図示し、説明とともに、さらに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成し、使用できるような働きをする。
[0026]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。 [0027]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置の投影システムの一部を示す図である。 [0028]レンズ11が別の位置にある図2の投影システムの一部を示す図である。 [0029]本発明の実施形態によるリソグラフィ装置の投影システムの一部を示す図である。 [0030]本発明の実施形態によるデバイス製造方法を示す図である。 [0030]本発明の実施形態によるデバイス製造方法を示す図である。 [0030]本発明の実施形態によるデバイス製造方法を示す図である。 [0030]本発明の実施形態によるデバイス製造方法を示す図である。 [0030]本発明の実施形態によるデバイス製造方法を示す図である。
[0031] 以下で述べる詳細な説明を図面との関連で理解することにより本発明の特徴及び利点がさらに明白になり、図面では全体を通して同様の参照文字が対応する要素を識別する。図面では、同様の参照番号が全体的に同一、機能的に同様、及び/又は構造的に同様の要素を示す。要素が最初に現れる図面を、対応する参照番号の最も左側の桁で示す。
[0032] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示する。開示される実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
[0033] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。さらに、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識にあることが理解される。
[0034] 本発明の実施形態はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその任意の組合せで実施することができる。本発明の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサで読み取り、実行することができる機械読み取り式媒体に記憶した命令として実施することもできる。機械読み取り式媒体は、機械(例えば、計算デバイス)で読み取り可能な形態で情報を記憶するか、又は伝送する任意の機構を含むことができる。例えば、機械読み取り式媒体は読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及びその他を含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を、本明細書では特定の行為を実行するものとして記述することができる。しかし、このような記述は便宜的なものにすぎず、このような行為は実際には計算デバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスの結果であることを認識されたい。
[0035] しかし、このような実施形態についてさらに詳細に説明する前に、本発明の実施形態を実施できる例示的環境を提示することが有益である。
[0036] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0037] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nmの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を含む。
[0038] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得るデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0039] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーの行列構成を使用し、ミラーの各々は、入射する放射ビームを様々な方向に反射するように個別に傾けることができる。このようにして、反射ビームがパターニングされる。
[0040] 支持構造はパターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造は、機械式クランプ、真空、又は他のクランプ技術、例えば真空条件下での静電クランプを使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0041] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸流体の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、及び反射屈折光学システムを含む様々なタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0042] また、照明システムは、放射ビームを誘導し、整形し、又は制御する屈折、反射、及び反射屈折光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントを含んでよく、そのようなコンポーネントも以下においては集合的に又は単独で「レンズ」とも呼ばれることがある。
[0043] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上の支持構造)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0044] また、リソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように水などの比較的高い屈折率を有する液体内に基板が浸漬されるタイプであってもよい。投影システムの開口数を増加させる液浸技術は当技術分野で周知である。
[0045] 図1は、本発明の特定の実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームPB(例えば、DUV放射又はEUV放射)を調節する照明システムILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持し、部品PLに対してパターニングデバイスを正確に位置決めする第1の位置決めデバイスPMに接続された支持構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持し、部品PLに対して基板を正確に位置決めするように第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームPBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に結像するように構成された投影システム(例えば、屈折型投影レンズ)PLとを備える。
[0046] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する)。
[0047] 照明システムILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOから照明システムILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及び照明システムILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0048] 照明システムILは、放射ビームの角度強度分布を調整する調整手段AMを備えていてもよい。通常、照明システムの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。また、照明システムILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネントを備えていてもよい。照明システムを用いて放射ビームPBを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0049] 放射ビームPBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射する。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームPBは、レンズPLを通過し、レンズPLは、放射ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば放射ビームPBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動することができる。同様に、第1の位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームPBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、オブジェクトテーブルMTとWTの移動は、位置決めデバイスPMとPWの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。しかしながら、ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
[0050] 図示した装置は、ビームPBに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影されている間に、支持構造MTと基板テーブルWTとが同期的にスキャンされる(すなわち単一動的露光)スキャンモードで使用可能である。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの(縮小)拡大特性及び像反転特性によって決定される。単一動的露光では、露光フィールドの最大サイズがターゲット部分の幅(非スキャン方向)を制限し、一方、スキャン動作の長さがターゲット部分の高さ(スキャン方向)を決定する。
[0051] 従来のリソグラフィ装置では、マスク支持構造と基板テーブルとは、放射ビームを基板上に投影中に両方とも一定の速度を有するように制御される。従来は、リソグラフィ装置の投影システムの縮小係数は4であり、したがって、基板テーブルの移動速度は支持構造の移動速度の4分の1である。このようにリソグラフィ装置を動作させることによって、基板が移動する速度とマスクから投影されるパターンが移動する速度とが確実に一致するようにする。その結果、パターンは基板上で正確に露光される。マスクから投影されたパターンを異なる速度で基板へと進行させると、露光されたパターンはスキャン方向に伸張又は圧縮される。速度の不一致が十分に大きいと、露光されたパターンへの損傷(すなわち伸張又は圧縮)によって、パターンを使用して形成された集積回路又はその他のデバイスの適正な機能が妨げられる。マスク及び基板が所望の一定速度で移動する場合に、従来のリソグラフィ装置が基板だけを露光するのはこのような事態を避けるためである。
[0052] 図2は、本発明の実施形態によるリソグラフィ装置の投影システムの一部の断面図を概略的に示す。図2は、結像位置調整装置を共に形成する投影システムの最後の3つのレンズ10〜12を示す。結像位置調整装置は、異なる数のレンズ(又は例えば反射光学系などの別の光学系)を備えてもよい。図2は、また、レンズの下に配置される基板Wを示す。投影システムの光軸OAは点線で示されている。矢印は、結像位置調整装置10〜12を通って進行し、基板W上に像Iを形成する放射ビームPBを概略的に示す。像Iは、基板に投影中のパターンを有するマスクMA(図1を参照)の一部の像である。スキャン露光中、マスクMAは放射ビームを通って移動するので、像I内のパターンは像を通るスキャン動作の領域に移動する。基板Wはパターンと同じ速度で移動し、それによってマスクMAからのパターンの基板上への正確な投影を容易にする。
[0053] 本発明を説明し易くするため、デカルト座標が図2(及びその他の図)に示されている。標準的な慣例に従って、スキャン方向はy方向(又は−y方向)であり、光軸OAはz方向に延在する。
[0054] 結像位置調整装置10〜12の中間のレンズ11は、レンズをリソグラフィ装置のスキャン方向に移動するように構成されたアクチュエータ13に接続される。図2には2つのアクチュエータ13が示されているが、中間レンズ11を移動するために任意の数のアクチュエータを使用してよい。以下、中間レンズ11を可動レンズ11と呼ぶ。3つのレンズ10〜12の上部レンズ10は、平坦な上面と凹面状の下面とを有し、放射ビームPBを拡散させるように構成される。可動レンズ11は、放射ビームPBをコリメートさせる。下部レンズ12は凸面状であり、放射ビームPBを合焦させて基板W上の像Iを形成する。本発明の実施形態は、図2に示したレンズよりも多いレンズ、又は少ないレンズを備えてもよい。レンズを異なる順序で備えてもよく、及び/又は異なる形状を有してもよい。
[0055] 図3は、図2と同じ装置を示す。しかし、図3では、可動レンズ11はアクチュエータ13によってy方向に移動されている。可動レンズ11がアクチュエータ13によって移動される前の可動レンズ11の位置は、図3には点線で示され、レンズの移動は矢印で示されている。図2と図3とを比較すると分かるように、可動レンズ11をy方向に移動すると、放射ビームPBが基板Wへと進行する方法が修正され、その結果、基板W上に形成される像Iはy方向に移行する。
[0056] 基板Wのスキャン速度と、パターンがそこから基板に投影されるマスクMA(図1を参照)の有効スキャン速度との差を補償するために可動レンズ11のy方向への移動を利用してもよい。この場合、マスクMAの有効スキャン速度は、マスクのスキャン速度をリソグラフィ装置の縮小係数(例えば縮小係数4)で除算した速度であると見なし得る。可動レンズ11によって行われる補償は、像内の基板に投影されるパターンが基板Wと同じ速度で移動し、したがって基板上に正確に投影されるようにするものである。
[0057] 本発明の代替実施形態を図4に概略断面図で示す。本発明の代替実施形態は、この場合も3つのレンズ10、11a、12を備える結像位置調整装置である(異なる数のレンズ又は別の光学系を使用してもよい)。図2及び図3と共通して、基板Wは図4では放射ビームPBがレンズを通過することを表す矢印と共に示されている。図4には光軸OAも示されている。図4に示す実施形態は、可動レンズ11がy方向に移動するのではなく、アクチュエータ13aが可動レンズ11aの向きを回転するように構成されている以外は図3に示す実施形態と対応している。可動レンズ11aは図4では回転位置で示されており、可動レンズの非回転位置は点線で示されている。可動レンズ11aが回転する回転軸は、例えば、放射ビームPBをパターニングするために使用されるマスクの位置にあるか、又はその近傍にあってもよい(図4にはマスクは図示せず)。図4から分かるように、可動レンズ11aの回転によって、放射ビームによって基板W上に形成される像Iがy方向に移動される。基板Wのスキャン速度と、放射をパターニングするために使用されるマスクの有効スキャン速度との差を補償するために、レンズ11aの回転を利用してもよい。マスクの近傍にある可動レンズ11aの回転点に言及するのは、パターンを基板に投影する精度の受け入れられない劣化を引き起こす可動レンズの回転に起因する合焦誤差を避けるため、回転点がマスクに十分に近接していることを意味するものであると解釈してもよい。
[0058] 図5a、図5b、図5c、図5d及び図5eは、リソグラフィ装置のスループット(スループットはリソグラフィ装置によって毎時パターニングされる基板数である)を高めるために本発明の実施形態を使用し得る1つの方法を一連のステップとして概略的に示している。図5は、第1及び第2のマスク21、22、可動レンズ11、及び3つの基板ダイ23〜25の断面図を概略的に示す。第1及び第2のマスク21、22には両方とも同じパターンを与えてもよく、異なるパターンを与えてもよい。図2〜図4に示すレンズ10、12は、図が過度に複雑になることを避けるために、投影システムPLの他の部分と同様に図5では省略されている。同様に、ダイ23〜25は基板テーブル上に保持された基板上にあるが、基板と基板テーブルの両方とも明瞭にするために省略されている。マスクの移動に言及することは、マスク支持構造の移動に言及することと解釈してもよく、ダイの移動に言及することは、基板と基板テーブルとの移動に言及することと解釈してもよい。
[0059] リソグラフィ装置の縮小係数が図5に概略的に示されており、マスク21、22の大きさはダイ23〜25の約4倍である。マスク21、22のy方向への移動はy方向を指す矢印によって示され、ダイ23〜25の移動は−y方向に延在する矢印によって示される。矢印のそれぞれのサイズは、マスク21、22及びダイ23〜25の速度を概略的に示す。マスク21、22の速度は、従来のリソグラフィ装置で予期されるようにダイ23〜25の速度の4倍ではなく、それよりも速い。マスク21、22の速度を高める理由は以下に説明する。
[0060] リソグラフィ基板からできるだけ多くのダイ(例えばウェーハ)を製造することが望ましく、そのため隣接するダイ間の間隔は小さくてよい。ダイ間の間隔は、例えばダイを損傷せずに基板を個々のダイに切断できるのに十分であればよい。2つのマスク21、22が備えられるリソグラフィ装置では(例えば図5に示すように)、マスク間の分離間隔は、基板上の隣接するダイ間の分離間隔の4倍以上でよい。これは例えば、マスク21、21を支持する支持構造(図5には図示せず)の機械的フィーチャを収容するためであってよい。マスク21、22間の分離間隔がダイ23〜25間の分離間隔の4倍以上であるため、同時にマスク21、22を一定速度でy方向に移動する間に、基板を一定速度で−y方向に移動することによって第1のダイ23と第2のダイ24とを露光することは不可能である。これを試みた場合は、第2のダイ24が第2のマスク22の前に放射ビームPBに到達するため、パターニングされない放射が第2のダイ24に入射する。
[0061] 本発明の実施形態は、マスク21、22をより高速度に加速して、放射ビームとの交差位置から離れる第1のマスク21と放射ビームPBとの交差位置に入る第2のマスク22の時間が、第1のダイ23が放射ビームとの交差位置から離れ、第2のダイ24が放射ビームとの交差位置に入る時間とが同じになるようにすることによって上記問題を克服する。マスク21、22はより高速度に加速されているので、第1のマスク21のパターンの最終部分が第1のダイ23に投影されると、第1のマスクは、第1のダイ23の速度の4倍以上の速度で進行する。したがって、マスク21の有効速度(すなわちリソグラフィ装置の縮小係数を考慮に入れた速度)は第1のダイ23の速度よりも速い。これは、可動レンズ11の移動がなければ、第1のマスク21から投影されるパターンは第1のダイ23よりも速く移動し、第1のダイ上に正確に投影されないことを意味する(パターンは圧縮される)。
[0062] 可動レンズ11のy方向への移動は、像Iが移動して、投影パターンが第1のダイに移動する速度が第1のダイの移動速度と等しくなるようにすることによって第1のマスク21の上昇した速度を補償する。その結果、第1のマスク21上のパターンは第1のダイ23上に正確に投影される。可動レンズ11によって与えられる像Iの移動速度は、第1のマスク21の移動速度の上昇と等価である(リソグラフィ装置の縮小係数を考慮に入れて)。したがって、像の移動速度と第1のダイ23の移動速度を合計すると、第1のマスクの移動速度に等しい(リソグラフィ装置の縮小係数を考慮に入れて)。可動レンズ11が移動する結果、可動レンズは光軸OAに対してy方向にオフセットされる。
[0063] 第1のマスク21及び第1のダイ23は、これらがy方向と−y方向にそれぞれ移動するため、放射ビームPBとの交差位置から移動して離れる。第1のマスク21も第1のダイ23も放射ビームPBと交差しない期間中は、可動レンズ11は−y方向に移動されるので、光軸OAに対して−y方向にオフセットされる。これが図5Bに示す可動レンズ11の位置である。可動レンズ11の−y方向への移動は、第2のマスク22及び第2のダイ24が放射ビームPBと交差する前に、可動レンズをオフセットした−y方向位置に移動させるのに十分に高い加速及び減速軌道を有するものでよい。
[0064] 第1のマスク21及び第2のマスク22の上昇速度は、第2のダイ24が放射ビームに入ると同時に第2のマスクが放射ビームPBに入るような速度である(すなわち、上昇速度は第1のマスク21と第2のマスク22との間のより大きい分離を補償する)。可動レンズ11は光軸OAに対して−y方向にオフセットしているので、像Iも光軸に対して−y方向にオフセットされる。第2のダイ24の第1の部分の露光中に、第2のマスク22の有効速度は第2のダイ24の速度よりも速い。この速度差は、可動レンズ11のy方向への移動によって補償される。可動レンズ11のy方向への移動は、像Iが移動して、投影パターンが第2のダイ24に移動する速度が第2のダイ24の移動速度と等しくなるようにすることによって第2のマスク22の上昇した速度を補償する。その結果、第2のマスク22上のパターンは第2のダイ24上に正確に投影される。
[0065] 第2のマスク22が放射ビームPB内を通過した後、第2のマスクが第2のダイ24の速度に対応する有効速度を有するまで、第2のマスクの速度を減速してもよい。第2のマスク22がこの速度に減速されると、可動レンズ11は(リソグラフィ装置の縮小係数を考慮に入れて)、等価量だけ減速されてもよい。その結果、投影パターンが第2のダイ24に移動する速度は、第2のマスク22の減速中に第2のダイが移動する速度と等しいままに留まる。第2のダイ24自体の移動速度は一定を保つ。
[0066] 第2のマスク22の速度が低下して、その有効速度が第2のダイ24の速度に等しくなると、可動レンズ11は停止される。これは、(図5Cに示すように)可動レンズが光軸OAに対して中心位置にある場合である。第2のマスク22が第2のダイ24の移動速度に対応する有効速度で移動している間は、可動レンズ11は停止状態に留まる。
[0067] 図5Dを参照すると、第2のマスク22の最終部分が到達すると、第2のマスクが放射ビームPBから引き離されることができ、第2のダイ24が放射ビームから離れ、第3のダイ25が放射ビームに入るのに要する時間に対応する期間中に第1のマスク21が放射ビームに入ることができるように、第2のマスクが加速される。さらに上述したように、第2のマスク22の上昇した速度を補償するために、可動レンズ11はy方向に移動する。
[0068] 図5Eでは、第1のマスク21は再び放射ビームとの交差位置にあり、第3のダイ25は放射ビームによってパターニングされた放射を受ける。第1のマスク21の有効速度は第3のダイ25の速度よりも速く、この速度差を補償するために可動レンズ11はy方向に移動する。第3のダイ25の露光は、第2のダイ24に関して上述したように継続する。
[0069] 図5に概略的に示すリソグラフィ装置は、2つの支持構造を含んでもよい(図1に示す1つの支持構造MTではなく)。支持構造は、マスク21、22をx方向に移動し、次に−y方向に移動し、その後−x方向に移動して、これらのマスクを連続的に放射ビームPB内に引き入れるように構成された1つ又は複数のアクチュエータ(図示せず)を含んでもよい。これによって第1及び第2のマスク21、22を連続的に放射ビームPB内に引き入れることができる。
[0070] 図5で示されるように、本発明の実施形態は、例えば新たなマスクを放射ビーム内に引き入れる時間を与えるために各々の露光の間に基板を減速する必要があるのではなく、リソグラフィ投影中に基板が一定速度で移動可能であるために、リソグラフィ装置のスループットを高める。
[0071] 図5に示す方法では、パターンが第2のマスク22の中央部から第2のダイ24に投影されている場合は、可動レンズ11は静止している。第2のマスク22の加速、及び補償のための可動レンズ11の移動は、(第1のマスクと第2のマスクの間のギャップを十分に迅速に埋めることができるようにするため)第2のマスクの縁部でのみ行われる。しかし、代替実施形態では、可動レンズ11は、パターン全体をマスクからダイに投影中に、(又はパターンの半分以上を投影中、又はパターンの4分の3以上を投影中に)移動してもよい。
[0072] 図5に示す方法は、マスク間の大きな分離間隔を収容するように、マスク21、22の移動速度を高めるために可動レンズ11を使用しているが、可動レンズを別の方法で使用してもよい。可動レンズ11は、マスクの有効速度が基板の有効速度とは異なる場合に(リソグラフィ装置の縮小係数を考慮に入れて)、基板へのパターン投影を行うことができるようにする。これによって、例えばマスクの有効速度が基板の速度よりも速い、又は遅いが、マスクと基板とが一定速度で移動する場合に、パターンを投影することが可能になる。これによって、さらに、マスク及び/又は基板の加速又は減速中にパターンを投影することが可能になる。理論上は、マスクと基板とを同じ比率で加速(又は減速)することが可能であり(縮小係数を考慮に入れて)、その場合、可動レンズ11を使用せずにパターンの投影を行うことができる。しかし、これを実際に達成することは困難、又は不可能であり、マスクと基板との加速(又は減速)の比率に差が生じるであろう。この差は、可動レンズ11を使用することによって収容し得る。
[0073] ある実施形態では、1対のマスクではなく単一マスクを使用するリソグラフィ装置に可動レンズ11を使用してもよい。従来のリソグラフィ装置では、基板上の隣接するダイの露光には、(基板をx方向に変位することに加えて)マスクと基板の両方のスキャン移動方向を逆転させる必要がある。基板へのパターンの投影は、マスクと基板の両方が一定速度で移動するまで開始されない。ある実施形態では、マスク及び基板の加速中にマスクと基板との間の(有効)速度の差を補償し、それによってマスクと基板とが加速中にパターンの基板への投影を開始できるようにするために可動レンズ11を使用してもよい。同様に、マスク及び基板の減速中にマスクと基板との間の(有効)速度の差を補償し、それによってマスクと基板とが減速中にパターンを基板に継続して投影できるようにするために可動レンズ11を使用してもよい。
[0074] 可動レンズ11は、マスク及び基板の移動速度の先行技術にはない柔軟性をもたらす。例えば、上記の単一マスクの実施形態では、マスク及び/又は基板は正弦波プロファイル(又はその他の何らかのプロファイル)を有してもよい。先行技術では、マスク及び基板の速度はできるだけ迅速に所望の投影速度まで上昇され、次に、できるだけ迅速に低下するまでその速度に保たれる。したがって、従来技術はマスク及び基板テーブルに迅速且つ断続的な加速と減速を加え、それによってリソグラフィ装置に不都合な振動を引き起こすことがある。マスクと基板とを正弦波プロファイル(又はその他の何らかのプロファイル)で移動できるようにすることによって、マスクと基板との迅速且つ断続的な加速と減速を回避でき、それによってリソグラフィ装置の不都合な振動が低減される。マスク及び/又は基板の移動は従来のリソグラフィ装置の場合よりもぎくしゃくしない。
[0075] 図5を参照すると、ある実施形態では、第1及び第2のマスクは一定速度で放射ビームを通って移動してもよく、隣接するマスク間のより大きい間隔を補償するため、ダイ23〜25の速度を調整してもよい。これは、パターンをダイの縁部に投影中にダイの速度を減速し、減速されたダイの速度を補償するために可動レンズ11を使用することによって達成し得る。
[0076] 基板の「ダブルパターニング」を効率的に行うために本発明の実施形態を使用してもよい。ダブルパターニングとは、ダイ上に第1のパターンを投影し、次にダイ上に第2のパターンを投影し、第1のパターンと第2のパターンとが互いに補って複合パターンを形成することである。図5を再び参照すると、第1のマスク21に第1のパターンを与え、第2のマスク22に第2のパターンを与えてもよく、第1のパターンと第2のパターンとは、両方がダイに投影されると複合パターンを形成するように配置される。基板上のダイの列を(例えば基板W上のすべてのダイが所与のx方向位置を有する)図5に示す方法を用いて露光してもよい。その結果、ダイの幾つかが第1のパターンを受け、他の幾つかは第2のパターンを受ける。次に、基板及びマスク21、22のスキャン方向が逆転され、ダイの列が第2の時間だけ露光される。マスク21、22は、列の第1のダイが未だ受けていないパターンで露光されるように配置される。第1及び第2のマスク21、22は交互に使用されるので、後続のダイは、未だ受けていないパターンで自動的に露光される。その結果、ダイ列の各ダイは第1のマスク21からのパターン及び第2のマスク22からのパターンで露光され、それによってダイのダブルパターニングが達成される。
[0077] 図5に示す方法は2つのマスクを使用しているが、この方法は3つ以上のマスクを使用してもよい。
[0078] 可動レンズ11、11aは、ダイ上にパターン全体を投影中に移動してもよい。あるいは、パターンの90%までをダイに投影中、パターンの60%までをダイに投影中、又はパターンの30%までをダイに投影中に移動してもよい。可動レンズ11、11aは、ダイの縁部にパターンを投影中に移動してもよい。ダイの縁部は例えば、ダイの10%まで、ダイの20%まで、ダイの30%まで、又はそれ以上の部分であってもよい。
[0079] 上記実施形態は、主としてマスク又は基板の速度が従来の速度以上に上昇するとそれを補償するために可動レンズ11、11aを使用することに向けられている。しかし、本発明の実施形態は、マスク又は基板の速度が従来の速度未満に低下するとそれを補償するために使用してもよい。
[0080] ある実施形態では、マスク及び/又は基板の位置誤差を補償するために可動レンズ11、11aを使用してもよい。例えば、可動レンズ11、11aを移動して、マスクの位置に生ずる誤差をリアルタイムで測定し、補償することによって基板に投影された像を移動してもよい。同様に、可動レンズ11、11aを移動して、基板の位置に生ずる誤差をリアルタイムで測定し、補償することによって基板に投影された像を移動してもよい。
[0081] 本発明の実施形態は、パターンをマスクから基板に投影中に像Iを移動する。像Iを露光スリットと呼んでもよい。
[0082] 理解し易くするため、上記の説明はマスクからダイへの投影放射に言及してきた。しかし、マスクに2つ以上のダイを含むパターンを与え、又はダイの一部であるパターンを与える場合もあり得る。本発明の実施形態はこれらの可能性を包含するものである。したがって、ダイへの言及はターゲット部分への言及であると解釈してもよい。
[0083] 理解し易くするため、上記の説明は1つ又は複数のマスクの移動に言及してきた。例えば図1を参照することによって理解されるように、1つ又は複数のマスクは、1つ又は複数の支持構造によって支持されてもよい。したがって、マスクの移動への言及は、マスクの支持構造への言及であると解釈してもよい。
[0084] 理解し易くするため、上記の説明はダイ又は基板の移動に言及してきた。例えば図1を参照することによって理解されるように、ダイ(又はターゲット部分)は、基板テーブルによって支持される基板の一部を形成する。したがって、ダイ又は基板の移動への言及は、基板テーブルの移動への言及であると解釈してもよい。
[0085] 本発明の図示した実施形態では、可動レンズ11は、ダイの露光中にy方向に移動する。しかし、可動レンズ11は、別のダイの露光中に−y方向に移動してもよい(基板Wのスキャン方向の逆転)。可動レンズは放射ビームPBをスキャン方向に移動するためのものでもよい。図の場合には、スキャン方向はy方向又は−y方向であると見なしてもよい。
[0086] 図示した実施形態では、基板に投影された像を移動するために単一の可動レンズ11、11aが使用される。図5に関連して上記でさらに説明したように、マスク2121、22が放射ビームPBと交差しない場合は、可動レンズ11の位置はリセットされる。ある実施形態では、可動レンズ11の位置をリセットする代わりに、複数の可動レンズが備えられる。図5Aを参照すると、第1のダイ23の露光が完了すると、可動レンズ11は、レンズをy方向に移動し続けることによって、放射ビームPBとの交差位置から離れるように移動してもよい。次に、新たな可動レンズを光軸OAから−y方向に変位された位置からy方向に移動することによって、新たな可動レンズ(図示せず)を放射ビームPBとの交差位置に移動してもよい。この実施形態では、図5Bに示す可動レンズが新たな可動レンズである。ある実施形態では、複数の可動レンズを備えてもよい。可動レンズの数は基板上の列に露光されるダイの数に等しいか、又はそれ以上であってもよい(又は、何らかの別の数であってもよい)。例えば列内に配置し、ディスク上に備えるなどして、複数の可動レンズを支持構造上に備えてもよい。
[0087] 図5では、マスクの移動方向はダイの移動方向と反対である。しかし、ある実施形態では、マスクとダイとは同じ方向に移動してもよい(これは別の実施形態にも当てはまる)。マスクとダイとを反対方向に移動することにより、リソグラフィ装置の重心の移動を低減し、それによってリソグラフィ装置をより安定させることが好ましい場合もある。
[0088] 基板テーブルWTのスキャン速度と、パターニングデバイスの支持構造MAのスキャン速度とは、コントローラCT(図1を参照)によって制御されてもよい。コントローラは例えば、プロセッサ又はその他の電子機器を備えてもよい。コントローラはリソグラフィ装置の一部を形成してもよい。
[0089] 本明細書において「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0090] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることを理解されたい。上記説明は本発明を限定するものではない。
[0091] 特許請求の範囲を解釈するには、「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項を使用するよう意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者が想定するような本発明の1つ又は複数の例示的実施形態について述べることができるが、すべての例示的実施形態を述べることはできず、したがって本発明及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定するものではない。
[0092] 以上では、特定の機能の実施態様を例示する機能的構成要素及びその関係の助けにより、本発明について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的な境界を画定することができる。
[0093] 特定の実施形態に関する上記説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に修正する、及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書の言葉遣い又は用語は説明のためのもので、限定するものではなく、したがって本明細書の用語又は言葉遣いは、当業者には教示及び案内の観点から解釈されるべきことを理解されたい。
[0094] 本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。

Claims (10)

  1. リソグラフィ装置であって
    射ビームの断面にパターンを与えるパターニングデバイスを支持する支持構造と、
    板を保持する基板テーブルと、
    パターンを与えられた放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと、を備え、
    前記投影システムは、アクチュエータに接続された可動レンズを含み、前記アクチュエータは、前記パターンを与えられた放射ビームを前記基板の前記ターゲット部分に投影中に、前記可動レンズを移動させ、
    前記アクチュエータは、前記パターンを与えられた放射ビームが前記リソグラフィ装置のスキャン方向に移動するように前記可動レンズを移動させ、
    前記パターンを与えられた放射ビームの移動が、前記基板のスキャン速度と前記パターニングデバイスの有効スキャン速度との差を補償する、リソグラフィ装置。
  2. 前記アクチュエータが、前記可動レンズを前記リソグラフィ装置のスキャン方向に移動させる、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記アクチュエータが、前記可動レンズを回転させる、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記リソグラフィ装置のコントローラが、前記パターンを前記基板に投影中に前記支持構造及び前記基板テーブルの一方又は両方が加速又は減速するように、前記支持構造と前記基板テーブルとを制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記リソグラフィ装置が、第2のパターニングデバイスを支持するための第2の支持構造をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリソグラフィ装置。
  6. キャン方向に移動するパターニングデバイスを使用して放射ビームの断面にパターンを与えるステップと、
    パターンを与えられた放射ビームを、スキャン方向に移動する基板のターゲット部分に投影するステップと、を含む方法であって、
    パターンを与えられた放射ビームを前記基板の前記ターゲット部分に投影中に、可動レンズを移動させて、前記パターンを与えられた放射ビームを移動させるステップをさらに含み、
    前記パターンを与えられた放射ビームはスキャン方向に移動させられ、
    前記パターンを与えられた放射ビームの移動が、前記基板のスキャン速度と前記パターニングデバイスの有効スキャン速度との差を補償する、方法。
  7. 前記パターンを前記基板に投影中に前記パターニングデバイス及び/又は前記基板が加速又は減速する、請求項に記載の方法。
  8. スキャン方向に移動する第2のパターニングデバイスを引き続き使用して前記放射ビームの断面にパターンが与えられ、前記第2のパターニングデバイスの有効速度が前記基板の速度よりも速く、前記可動レンズの移動が、前記第2のパターニングデバイスのより速い有効速度を補償する、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記第2のパターニングデバイスに、前記パターニングデバイスとは異なるパターンが付与される、請求項に記載の方法。
  10. 前記可動レンズが、前記パターニングデバイス及び/又は前記基板の位置誤差を補償する、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
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