以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明による列車情報表示システムの一実施形態を示す構成図であって、1は列車の車両、2は運行情報サーバ、3は情報配信サーバ、4,5は通信部、6はCPU(中央処理ユニット)、7はディスプレイ装置、8はセンサ、9は電源である。
同図において、列車の各車両1には、乗客が乗り降りする各ドア(図示せず)の上側にディスプレイ装置7が設けられている。このディスプレイ装置7はCPU6によって制御され、表示するこの列車の運行状況(ここで、この運行状況は、運転見合わせや遅れなどの運行状況(これを、以下、異常運行状況という)と異常運行状況ではないダイヤ通りの運行状況(これを、以下、平常運行状況という)とを含む)などに関する画面がこのCPU6で作成されてこのディスプレイ装置7で表示される。このCPU6は、各車両1に設けられていてもよいが、例えば、運転室がある特定の車両1のみに設けられていてもよく、この場合のCPU6は各車両1に設けられているディスプレイ装置7で表示される画面を作成する。
また、車両1には、情報配信サーバ3と通信する通信部4,5が設けられている。通信部5は、センサ8とともに、上記のような特定の車両1に設けられており、このセンサ8によるこの列車の状態(走行状態や停止状態,走行速度,停止位置や停止状態の時間的な長さなど)の検出結果(以下、列車状態検出情報D2という)を、予め決められた時間的な周期で、情報配信サーバ3に送信する。このセンサ8は、速度センサやGPS(Grobal Positioning System)の位置検出センサなどからなるものである。
この情報配信サーバ3は、この決められた地域内の路線全体の列車の平常運行状況に関する情報(以下、平常運行情報D1という)を管理する運行情報サーバ2からの平常運行情報D1とこの地域内の路線での各列車の通信部5からの列車状態検出情報D2とから、夫々の列車の運行に関連する情報(以下、列車運行関連情報D3という)を作成し、夫々の列車運行関連情報D3を該当する列車に上記の時間的な周期で送信する。この列車運行関連情報D3は、該当する列車に関する情報ばかりでなく、この列車の運行によってこの列車と直接関連付けられる他の列車(後述するように、例えば、この列車から乗り換えが可能な列車)に関する情報も含んでいる。
なお、情報配信サーバ3には、各列車からの列車状態検出情報D2ばかりでなく、路線上での事故や路線に関するの故障,列車の故障などの運行障害が発生した場合には、かかる障害に関する情報(以下、これを運行障害情報D4という)も送られてくる。情報配信サーバ3は、かかる運行障害情報D4があった場合、かかる運行障害の影響を受ける列車(かかる運行障害によって、運転見合わせや遅れが生ずる列車)に対しては、この運行障害情報D4も含めてこの列車の列車運行関連情報D3を作成する。この列車運行関連情報D3には、さらに、平常運行,運転見合わせ,遅れ、異常運行解除などの異常な運行状況を示す情報(運行状況種別通知情報D5)が付加されており、かかる運行状況種別通知情報D5により、列車運行関連情報D3が異常運行状況のものであるか否かを判別できるようにしている。
そこで、列車では、通信部4を備えた車両1がこの通信部4で情報配信サーバ3からの該当する列車運行関連情報D3を受信し、これをCPU6に転送する。これにより、CPU6は、この列車運行関連情報D3を用いてこの列車の運行状況を表わした画面(以下、運行状況表示画面Pという)を作成し、各車両1に設けられたディスプレイ装置7に供給する。これにより、ディスプレイ装置7では、その表示画面にこの列車の運行状況表示画面Pが表示される。この運行状況表示画面Pにこの列車と直接関連する上記の他の列車に関する情報も付加されて表示される。
なお、CPU6には、列車の運行状況(平常運転や運転見合わせ,遅れなど)毎の運行状況表示画面Pの基本画面が図示しない内蔵メモリに格納されており、通信部4で情報配信サーバ3から列車運行関連情報D3が受信されると、この列車運行関連情報D3に付加されている運行状況種別通知情報D5をもとに、この列車運行関連情報D3がいずれの運行状況のものであるかを判別し、該当する運行状況表示画面Pの基本画面とこの列車運行関連情報D3とから該当する運行状況の運行状況表示画面Pが作成される。
また、ティスプレイ装置7は各車両1のドア毎に設けられ、通信部4,5やセンサ8は、例えば、運転室がある特定の車両1のみに設けられているが、CPU6はかかる特定の車両1のみに設け、これによって各ティスプレイ装置7に表示する運行状況表示画面Pを作成して夫々のディスプレイ装置7に送るようにしてもよいが、車両1毎に、あるいはディスプレイ装置7毎にCPU6を設けるようにしてもよい。この場合には、通信部4で受信された情報配信サーバ3からの運行関連情報D3を夫々のCPU6に供給することになる。これら通信部4,5やCPU6,ティスプレイ装置7,センサ8などには、電源9から電源電圧が供給される。
なお、以上は、列車1内のCPU6で運行状況表示画面Pが作成されるものとしたが、情報配信サーバ3で各列車毎の運行状況表示画面Pが作成され、夫々を該当する列車に送信するようにしてもよい。この場合には、各列車では、通信部4で受信された該当する運行状況表示画面Pが、CPU6の制御のもとに、各車両1のディスプレイ装置7に転送されて表示される。但し、以下では、運行状況表示画面Pは列車1内のCPU6で作成されるものとして説明する。
次に、CPU6で作成されてディスプレイ装置7で表示される運行状況に応じた運行状況表示画面Pの具体例について説明する。
図2は平常運行時の運行状況表示画面Pの一具体例を示す図であって、10は運行状況表示画面、11は当列車エリア、12は接続列車エリア、13は当列車情報表示エリア、13aは列車種別/行先表示欄、13bは次到着駅表示欄、13cは車両番号表示欄、14は当列車運行状況表示エリア、14aは当列車路線図、14bは停車駅の駅名、14cは当列車マーク、14dは当列車到着予定時間表示マーク、15は接続列車路線図、15aは接続列車到着予定時間表示マーク、16は接続列車情報表示エリア、16aは乗換番線表示欄、16bは接続列車発車時刻表示欄、16cは接続列車種別表示欄、16dは接続列車行先表示欄である。
同図において、平常運行時の運行状況表示画面10は、情報配信サーバ3(図1)からの運行状況種別通知情報D5が平常運行状況を示すときの運行関連情報D3を基に作成されるものであって、当列車エリア11と接続列車エリア12とからなっている。当列車エリア11は当列車情報表示エリア13と当列車運行状況表示エリア14とからなり、接続列車エリア12は接続列車路線図15と接続列車情報表示エリア16とからなっている。
なお、ここでは、ここで着目している1つの列車を「当列車」といい、この当列車と同じ路線の少なくとも一部でも運行し、この当列車から最初に乗り継ぎ(乗り換え)できる列車を「接続列車」という。
当列車情報表示エリア13には、鉄道名や当列車の種別(各駅停車や急行,特急など),当列車の行先(例えば、「ZZZ」駅)が表示される列車種別/行先表示欄13aと、次の停車駅(ここでは、「AAA」駅)が表示される次到着駅表示欄13bと、車両番号表示欄13cとが設けられている。ここでは、この平常運行時の運行状況表示画面10が5号車のディスプレイ装置7に表示されているものとし、このため、車両番号表示欄13cに「5号車」が表示されており、また、まもなくこの列車が次の停車駅である「AAA」駅に到着することから、次到着駅表示欄13bに、例えば、「まもなくAAA駅」というように表示される。
当列車運行状況表示エリア14には、この当列車が運行される路線での終点駅までのこれから当列車が順に停車する駅で表わされる当列車路線図14aが、この路線に沿った停車駅の駅名14bとともに、表示される。ここでは、当列車がこれから最初に停車する駅(ここでは、「AAA」駅)から終着駅(ここでは、「ZZZ」駅)までの未到着の駅の駅名14bが配列されてなる当列車路線図14aが表示され、その配列の先頭(ここでは、左端)の駅がこの当列車が次に到着する駅となる。当列車が次の駅に到着して停車し、しかる後、その駅を発車する毎に、当列車路線図14a全体が1駅分スクロールしてこの発車した駅が除かれる。
なお、かかる当列車路線図14aとしては、当列車が停車する駅のうちの予め設定された個数以下の駅名が表示されるようにしてもよい。例えば、9個までの停車駅と終着駅の駅名14bが表示可能とすると、当列車が次の駅に到着して停車し、しかる後、その駅を発車する毎に、当列車路線図14aが1駅分スクロールしてこの発車した駅が除かれ、これまで表示されていた終着駅を除く最後の停車駅の駅名の次の表示されていない駅名が表示されるようになる。当列車の停車駅がこの9個以下で全ての停車駅の駅名14bが表示される場合には、当列車が1駅到着する毎に1駅分ずつスクロールすることにより、表示される駅名が1つずつ少なくなっていく。
当列車路線図14aには、当列車を表わす当列車マーク14cと、当列車が停車する各駅毎に、その駅に到着するまでの現時点からの所要時間が表示される丸枠状の当列車到着予定時間表示マーク14dとが表示される。この当列車到着予定時間表示マーク14dは、当列車運行状況表示エリア14での該当する駅名14bに対向する当列車路線図14a上の位置に表示され、その枠内に所要時間が表示される。ここで、当列車運行状況表示エリア14には、当列車が停車する全ての駅名14bが表示され、その駅名14b毎に当列車到着予定時間が表示された当列車到着予定時間表示マーク14dが表示されるが、図面を簡略化するために、接続列車が停車する駅名14bに対してだけ、当列車到着予定時間表示マーク14dを示している。当列車が次の駅(ここでは、「AAA」駅)に到着するまでは、当列車マーク14cはこの駅名14b(「AAA」)の手前側(ここでは、左側)に表示され、各停車駅毎に、現時点からの当列車到着予定時間表示マーク14dが表示される。ここでは、最初に到着する「AAA」駅については、当列車到着予定時間表示マーク14dの当列車到着予定時間を「2分間」としており、「EEE」駅,「HHH」駅,「III」駅,「ZZZ」駅については夫々、「18分間」,「26分間」,「29分間」,「47分間」としている。
当列車が次の「AAA」駅に到着すると、図示しないが、当列車マーク14cはこの「AAA」駅の駅名14bに対向した位置に表示され、この「AAA」駅に対する当列車到着予定時間表示マーク14dでの当列車到着予定時間は「0分間」に表示され、あるいはこの当列車到着予定時間表示マーク14dは消去される。また、当列車が「AAA」駅を発車すると、当列車路線図14aが1駅分スクロールとして「AAA」駅の駅名14bが消去され、これとともに、当列車路線図14aでは、当列車マーク14cが当列車路線図14aの1スクロール分左方に移動する。
なお、当列車が次の駅、例えば、「AAA」駅に到着すると、当列車情報表示エリア13の次到着駅表示欄13bでは、この「AAA」駅に到着したことを示す、例えば、「ただいま「AAA」駅」といったようなメッセージが表示され、この「AAA」駅を発車したときには、次の停車駅を示す、例えば、「次は「BBB」駅」といったメッセージが表示される。
接続列車エリア12には、当列車エリア11で表示される当列車から最も早く乗り換え(接続)可能な他の列車(接続列車)に関する情報が表示されるものであって、その接続列車情報表示エリア16には、当列車からこの接続列車に乗り換えができる駅でのホーム(番線)が表示される乗換番線表示欄16aと、乗換駅でのこの接続列車の発車時刻が表示される接続列車発車時刻表示欄16bと、この接続列車の種別(各駅停車や急行,特急など)が表示される接続列車種別表示欄16cと、この接続列車の行先が表示される接続列車行先表示欄16dとが設けられている。なお、この接続列車は、当列車と同じ路線上で乗換駅以外に1以上の停車駅があるものであり、他の路線のみで運行される列車は接続列車とはならない。
ここでは、この接続列車は、当列車の次の停車駅である「AAA」駅での当列車の停車番線の向い側の1番線で乗換可能とすると、この場合には、接続列車情報表示エリア16の乗換番線表示欄16aには、「向い側1番線」というように表示され、この接続列車がこの1番線から、例えば、12時34分に発車するとすると、接続列車発車時刻表示欄16bでは、「12:34」というように表示され、この接続列車が、例えば、特急である場合には、接続列車種別表示欄16cでは、「特急」というように表示され、接続列車行先表示欄16dには、この接続列車の行先が、例えば、「ZZZ」駅である場合には、接続列車行先表示欄16dには、「ZZZゆき」というように表示される。
接続列車エリア12での接続列車路線図15では、その停車駅の駅名として、当列車運行状況表示エリア14での駅名14bが兼用されている。但し、この接続列車は特急であって、その停車駅は表示される駅名14bの駅のうちの「AAA」駅,「EEE」駅,「HHH」駅,「III」駅,「ZZZ」駅の5駅としている。そして、当列車と同じ路線でのこの接続列車が停車する駅(即ち、「AAA」駅,「EEE」駅,「HHH」駅,「III」駅,「ZZZ」駅)に対して、接続列車路線図15上に現時点からこの接続列車がこれら駅に到着するまでに要する時間(接続列車到着予定時間)を分単位で示す丸枠状の接続列車到着予定時間表示マーク15aが表示される。これら到着駅に対する接続列車到着予定時間表示マーク15aは、該当する駅に対向する位置に表示される。従って、この接続列車が、例えば、「HHH」駅に現時点から16分後に到着するとすると、当列車路線図14aでのこの「HHH」駅に対向する接続列車路線図15での位置での接続列車到着予定時間表示マーク15a内に数字「16」が表示される。
なお、同じ駅で当列車と接続列車との到着予定時間14d,15aが等しいときには、接続列車路線図15では、例えば、「AAA」駅のように、当列車路線図14aでの当列車到着予定時間表示マーク14dに接続された接続列車到着予定時間表示マーク15aのみが表示され、重複する接続列車到着予定時間は表示されない。
ここでは、次駅に接続列車がある場合のみ、接続列車エリア12が表示されるものとする。従って、当列車が「AAA」駅に到着して、その後、接続列車がこの「AAA」駅に到着して乗換時間が経過すると、あるいは当列車がこの「AAA」駅を発車すると、接続列車エリア12は一旦表示されなくなり、次駅で接続列車がある状態になったタイミングで再び表示される。即ち、この例においては、「EEE」駅に接続列車があるので、「DDD」駅を発車したタイミングで次駅である「EEE」駅で接続する接続列車に関する情報が接続列車エリア12に表示される。接続列車エリア12の表示が現われることにより、次駅で接続列車があることが明確になるため、乗客は乗り換えの準備の要否を容易に把握することができる。
一方、次駅で接続列車がない場合でも、最初に乗り換え可能な接続列車に関する情報を表示するようにすることも可能である。この場合、当列車が「AAA」駅に到着して、その後、接続列車がこの「AAA」駅に到着して乗換時間が経過すると、あるいは当列車がこの「AAA」駅を発車すると、接続列車エリア12では、これまでの接続列車に代わって、この当列車から乗り換え可能な次の接続列車に関する情報が表示される。この場合、接続列車路線図15上では、この次の接続列車に最初に乗換可能な停車駅に対して、接続列車到着予定時間を表わした最初の接続列車到着予定時間表示マーク15aが表示され、この次の接続列車が停車する駅毎に順次接続列車到着予定時間を表わす接続列車到着予定時間表示マーク15aが表示される。乗客は、乗車中いつでも接続列車がある駅を予め把握することができる。
この平常運行時の運行状況表示画面10での当列車情報表示エリア13や当列車運行状況表示エリア14,接続列車路線図15,接続列車情報表示エリア16で表示される各情報は、情報配信サーバ3から平常時の列車運行関連情報D3としてこの列車に送信されたものであって、CPU6(図1)がかかる平常時の列車運行関連情報D3を平常運行時の運行状況表示画面10の基本画面に組み込むことにより、かかる平常運行時の運行状況表示画面10が作成される。
このように、平常運行時の運行状況表示画面10では、乗客が現在乗車している当列車の停車駅や夫々の停車駅までの所要時間を確認することができるとともに、この当列車から乗り換えできる接続列車の乗り換えのための情報や運行状況を確認することができ、乗り換え駅に到着する前にこの接続列車に乗り換えるか否かの判断を容易にすることができる。
図3は先行列車との間隔調整のために停止していることを通知する運行状況表示画面の一具体例を示す図であって、10aは先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面、17は自列車図柄、18は先行列車図柄、19はメッセージマーク、20は状況通知メッセージ、21は運行状況通知エリア、21aは運行状況通知メッセージであり、図2に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
事故などの異常運行状況によらずに先行列車に遅れが生じ、自列車が先行列車との間で間隔が詰まったときには、CPU6(図1)で図3に示す先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面10aが作成されて、ディスプレイ装置7(図1)に表示される。
この先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面10aでは、当列車運行状況表示エリア14での自列車の位置を含む所定区間(例えば、2駅区間)が選択されて拡大表示され、これにより、当列車路線部14aや駅名14b,当列車マーク14c,当列車到着予定時間マーク14dが拡大表示される。但し、当列車到着予定時間マーク14dには、その時間が未確定であるため、当列車到着予定時間は表示されない。
また、この拡大表示される当列車運行状況表示エリア14では、当列車路線図14a外の当列車マーク14cに対向する位置に当列車を示す当列車図柄17が表示され、当列車に先行する複数の先行列車を示す複数の先行列車図柄18が、自列車図柄17に先行した状態で、当列車路線図14aに沿って表示される。当列車図柄17と先行列車図柄18とは異なる表示方式(例えば、白黒反転や異なる色)で表示され、当列車と先行列車とが明確に区別できるようにしている。
なお、かかる拡大表示された当列車運行状況表示エリア14内の下側には、メッセージマーク19とともに、当列車の状況を示す、例えば、「先行列車との間隔が詰まっています」といったような状況通知メッセージ20が表示される。また、かかる拡大表示された当列車運行状況表示エリア14の片側、例えば、左側には、当列車の現状を通知する、例えば、「間隔調整中」といったような運行状況通知メッセージ21aが表示される運行状況通知エリア21が設けられる。
このように、当列車運行状況表示エリア14の当列車が停止している区間が拡大して表示されるため、当列車の乗客は、当列車が停止している区間を明確に認識することができ、また、当列車に先行する列車の先行列車図柄18が当列車図柄17に先行して表示されるから、当列車の乗客は、現在停止しているのが先行列車との間隔調整のためであることが容易に認識することができる。
図4は後続列車との間隔調整のために停止していることを通知する運行状況表示画面の一具体例を示す図であって、10bは後続列車との間隔調整時の運行状況表示画面、20’は状況通知メッセージ、22は後続列車図柄であり、図3に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
事故などの異常運行状況によらずに後続列車に遅れが生じ、自列車と後続列車との間隔が広まったときには、図4に示す後続列車との間隔調整時の運行状況表示画面10bが作成されて、ディスプレイ装置7(図1)に表示される。
この後続列車との間隔調整時の運行状況表示画面10bでも、当列車運行状況表示エリア14での自列車と最も近い後続列車の位置とを含む所定区間(例えば、2駅区間)が選択されて拡大表示され、これにより、当列車路線図14aや駅名14b,当列車マーク14c,当列車到着予定時間マーク14dが拡大表示される。ここで、当列車到着予定時間マーク14dには、その時間が未確定であるため、当列車到着予定時間は表示されない。
また、この拡大表示される当列車運行状況表示エリア14では、当列車路線図14a外の当列車マーク14cに対向する位置に当列車を示す当列車図柄17が表示されるとともに、当列車に最も近い後続列車を示す後続列車図柄22が、自列車図柄17から当列車路線図14aに沿って後続して表示される。当列車図柄17と後続列車図柄22とは異なる表示方式(例えば、白黒反転や異なる色)で表示され、当列車と後続列車とが明確に区別できるようにしている。
なお、かかる拡大表示された当列車運行状況表示エリア14内の下側には、メッセージマーク19とともに、当列車の状況を示す、例えば、「後続列車との間隔が空いております」といったような状況通知メッセージ20’が表示される。 以上の構成以外、図3に示す先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面10aと同様である。
このように、当列車運行状況表示エリア14の当列車が停止している区間が拡大して表示されるため、当列車の乗客は、当列車が停止している区間を明確に認識することができるし、また、当列車に後続する列車の後続列車図柄22が当列車図柄17に後続して表示されるから、当列車の乗客は、現在停止しているのが後続列車との間隔調整のためであることが容易に認識することができる。
図5は当列車が平常運行状況で緊急停止指令があったときにディスプレイ装置7(図1)で表示される緊急停止指令画面の一具体例を示す図であって、10cは緊急停止通知画面、23は緊急停止通知メッセージ、24は緊急停止案内メッセージである。
情報配信サーバ3(図1)から当列車に平常運行状況を表わす運行状況種別通知情報D5が送られてきているときに、走行している当列車が、その事故などにより、緊急停止しなければならない運行状況になったとき、当列車の車両1のCPU6(図1)は図5に示す緊急停止通知画面10cを作成してディスプレイ装置7に表示させる。
この緊急停止通知画面10cは、例えば、「安全確保のため緊急停止をしました」といったように、この当列車が緊急停止したことを通知する緊急停止通知メッセージ23が表示されており、これとともに、現在の状況を表わした緊急停止案内メッセージ24が表示される。その後、緊急停止の原因が明確になるまでこの緊急停止通知画面10cが継続して表示され、その原因や緊急停止解除などが明確になると、緊急停止案内メッセージ24にその原因なども表示される。
図6は図1での情報配信サーバ3から異常運行状況を示す運行状況種別通知情報が送信されたときにディスプレイ装置7に表示される非常停止通知画面の一具体例を示す図であって、30は非常停止通知画面、31は非常停止通知メッセージ、32は非常停止案内メッセージである。
情報配信サーバ3(図1)から当列車に異常運行状況を表わす運行状況種別通知情報D5が送られてきているときに、走行している当列車が、その事故などによって停止しなければならない運行状況(非常停止状況)になったとき、当列車の車両1のCPU6(図1)は図6に示す非常停止通知画面30を作成してディスプレイ装置7に表示させる。
この非常停止通知画面30は、例えば、「非常停止信号を受信しました」といったように、この当列車が非常停止したことを通知する非常停止通知メッセージ31が表示されており、これとともに、現在の状況を表わした非常停止案内メッセージ32が表示される。その後、非常停止の原因が明確になるまでの時間この非常停止通知画面30が継続して表示され、その原因や非常停止解除などが明確になると、その原因や非常停止解除などに応じた運行状況表示画面の表示に移る。
図7は当列車が運転見合わせ時に図1におけるディスプレイ装置7で表示される運行状況表示画面の一具体例を示す図であって、40は運転見合わせ時の運行状況表示画面、41は外枠、42は当路線運行状況表示エリア、42aは運行状況表示欄、42bは異常運行の原因表示欄であり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
他の列車の事故などにより、当列車が運転見合わせの異常運行状況となると、CPU6(図1)で図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40がディスプレイ装置7で表示される。
この運転見合わせ時の運行状況表示画面40では、図3,図4に示す間隔調整時の運行状況表示画面10a,10bのように、当列車運行状況表示エリア14での自列車の位置を含む所定区間(例えば、3駅区間)が選択されて拡大表示され、これにより、当列車路線図14aや駅名14b,当列車マーク14c,当列車到着予定時間マーク14dが拡大表示される。但し、当列車到着予定時間マーク14dには、その時間が未確定であるため、当列車到着予定時間は表示されない。この拡大表示される当列車運行状況表示エリア14では、当列車路線図14a外の当列車マーク14cに対向する位置に、当列車を示す当列車図柄17が表示されている。当列車路線図14aや駅名14b,当列車マーク14c,当列車到着予定時間マーク14dは停止した状態で表示されているし、従って、当列車図柄17も停止した状態で表示される。
また、当列車路線図14aに所定の色(例えば、赤色)に色付けられた外枠41が設けられている。これにより、当列車の路線が異常運行状態にあることを乗客に即座に認識させることができる。
この運転見合わせ時の運行状況表示画面40には、また、図2に示す接続列車エリア12に相当するエリアは設けられないし、図3,図4に示すメッセージマーク19や状況通知メッセージ20,20’は表示されず、代わりに、拡大表示された当列車運行状況表示エリア14の片側、例えば、左側には、当路線の運行状況の現状を通知する当路線運行状況表示エリア42が設けられており、そこに、現状の運行状況、即ち、異常運行状況を示す運行状況表示欄42aと異常運行の原因表示欄42bとが設けられ、この運行状況表示欄42aでは、この異常運行状況を示す「運転見合わせ」というメッセージが、この異常運行状況の原因表示欄42bには、例えば、人身事故が原因でこの異常運行状況が生じたものとすると、「人身事故」という原因が夫々表示される。
このように、当列車運行状況表示エリア14の当列車が停止している区間が拡大して表示されるため、当列車の乗客は、当列車が停止している区間を明確に認識することができるし、当路線運行状況表示エリア42が同時に表示されていることから、当路線が運転の見合わせをしていること、その原因が、この場合、人身事故によるものてあることを乗客は容易に認識することができる。
図8は当列車が運転見合わせ時に図1におけるディスプレイ装置7で表示される運行状況表示画面の他の具体例を示す図であって、40aは運転見合わせ時の運行状況表示画面、43は進行マーク、44は状況通知メッセージであり、図7に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40が表示された状態で当列車が空いている次の駅まで進められると、このときには、この運転見合わせ時の運行状況表示画面40に代わって図8に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40aが表示される。
この運転見合わせ時の運行状況表示画面40aは、図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40とは殆ど同様であるが、当列車運行状況表示エリア14での自列車図柄17に進行マーク43が付され、自列車が次の駅(ここでは、「AAA」駅)に向かって進行していることが示される。この場合、これとともに、当列車マーク14cと自列車図柄17とを次の駅に向かって移動させるようにしてもよい。
また、運転見合わせ時の運行状況表示画面40aでは、当列車運行状況表示エリア14内の当列車路線図14aの下側にメッセージマーク19と状況通知メッセージ44とが表示される。この状況通知メッセージ44は、当列車が、異常運行状態にあるにもかかわらず、発車したことの理由を表わすものであって、例えば、「安全のため次駅まで運行しています」といったメッセージが表示される。当列車が次の駅に到着して停止すると、この運転見合わせ時の運行状況表示画面40aから図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40に表示される運行状況表示画面が変更される。
これにより、当列車の乗客は、当列車の運行が次駅への運行であること、運転見合わせはまだ解除されていないことを認識することができる。
図9は当列車が運転見合わせ時に図1におけるディスプレイ装置7で表示される運行状況表示画面のさらに他の具体例を示す図であって、40bは運転見合わせ時の運行状況表示画面、45は復旧作業表示エリア、45aは作業状況表示欄、45bは復旧見込み表示欄、46は復旧作業進捗状況表示エリア、46aは復旧作業「お客様救護」、46bは復旧作業「路線点検中」、46cは復旧作業「安全確認」であり、図8に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
図8に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40aが表示された状態で、情報配信サーバ3から、運転見合わせの運行状況種別通知情報D5とともに、復旧作業に関する情報を含む運行関連情報D3が当列車に送られてくると、当列車のCPU6(図1)は図9に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40bを作成し、この当列車のディスプレイ装置7で表示させる。
この運転見合わせ時の運行状況表示画面40bは、図8に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40aにおいて、当路線運行状況表示エリア42の下側に復旧作業表示エリア45が設けられるとともに、当列車運行状況表示エリア14で、状況通知メッセージ44の代わりに、復旧作業進捗状況表示エリア46が設けられた構成をなしている。
ここで、復旧作業表示エリア45では、作業状況表示欄45aと復旧見込み表示欄45bとが設けられており、作業状況表示欄45aには、現在の作業状況が、例えば、「線路点検中」などとして表示され、復旧見込み表示欄45bには、この復旧作業の復旧見込み時間が、例えば、「19:50以降」などとして表示される。
これにより、異常運行状況での復旧までの様子を乗客は確認することができ、乗客の不安感を和らげることができる。
さらにまた、拡大表示される当列車路線図14aの、例えば、下側に設けられている復旧作業進捗状況表示エリア46には、例えば、復旧作業「お客様救護」46a,復旧作業「路線点検中」46b及び復旧作業「安全確認」46cといった夫々の復旧作業よりなる一連の作業の流れが表示されるとともに、現在実行中の作業(例えば、ここでは、復旧作業「路線点検中」46b)がフォーカス表示される。
なお、復旧作業は、状況に応じて速まったり、遅くなったりするものであり、これに応じて復旧見込み時間も変化するが、この復旧見込み時間は情報配信サーバ3(図1)からの運行関連情報D3によって通知されるものであり、これにより、図9に示す運転見合わせの異常運行時の運行状況表示画面40bの復旧見込み表示欄45bで表示される復旧見込みも変化していく。
これにより、運転見合わせの異常運行状況が発生した場合、運転見合わせの異常運行時の運行状況表示画面40bが表示されることにより、自列車の乗客は自列車が停車している状況や復旧作業の状況を的確に把握することができ、しかも、自列車路線図14aや自列車マーク14cなどが拡大表示されるので、自列車の乗客は現在の位置を容易にかつ確実に認識することができて、乗客の不安感を和らげることができる。
図10は異常運行状況時で先行列車との間隔調整のために停止していることを通知するための運行状況表示画面の一具体例を示す図であって、50は異常運行状況での先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面であり、図3,図7に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
図9に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40bが表示された状態で、情報配信サーバ3から、運転再開の運行状況種別通知情報D5とともに、この運転再開による先行列車との間隔調整に関する情報を含む運行関連情報D3が当列車に送られてくると、当列車のCPU6(図1)は図10に示す異常運行状況時での先行列車との間隔調整のための運行状況表示画面50を作成し、この当列車のディスプレイ装置7で表示させる。
この先行列車との間隔調整のための運行状況表示画面50は、図3に示す先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面10aとほとんど同様の構成をなすものであるが、異常運行状況に関するものであることから、図3での運行状況通知エリア21の代わりに、図7〜図9に示す運転見合わせの運行状況表示画面40,40a,40bでの当路線運行状況表示エリア42が表示され、その運行状況表示欄42aに運転再開されたことを示す「運転再開」とのメッセージが、また、異常運行の原因表示欄42bに運転再開となった異常運行状況の原因が、例えば、「人身事故」というように表示される。
これにより、運転見合わせが解除されて当列車が運転再開となっても、当列車が運転開始しないで遅れが生じている場合には、この先行列車との間隔調整のための運行状況表示画面50が表示されることにより、乗客は当列車が遅れを生じていることの状況を把握することが可能となる。
図11は異常運行状況時で後続列車との間隔調整のために停止していることを通知するための運行状況表示画面の一具体例を示す図であって、50aは異常運行状況での後続列車との間隔調整時の運行状況表示画面であり、図3,図7に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
図9に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40bが表示された状態で、情報配信サーバ3から、運転再開の運行状況種別通知情報D5とともに、この運転再開による後続列車との間隔調整に関する情報を含む運行関連情報D3が当列車に送られてくると、当列車のCPU6(図1)は図11に示す異常運行状況時での後続列車との間隔調整のための運行状況表示画面50aを作成し、この当列車のディスプレイ装置7で表示させる。
この後続列車との間隔調整のための運行状況表示画面50aは、図4に示す後続列車との間隔調整時の運行状況表示画面10bとほとんど同様の構成をなすものであるが、異常運行状況に関するものであることから、図4での運行状況通知エリア21の代わりに、図7〜図9に示す運転見合わせの運行状況表示画面40,40a,40bと同様の当路線運行状況表示エリア42が表示され、その運行状況表示欄42aに運転再開されたことを示す「運転再開」とのメッセージが、また、異常運行の原因表示欄42bに運転再開となった異常運行状況の原因が、例えば、「人身事故」というように表示される。
これにより、運転見合わせが解除されて当列車が運転再開となっても、当列車が運転開始しないで遅れが生じている場合には、この後続列車との間隔調整のための運行状況表示画面50aが表示されることにより、乗客は当列車が遅れを生じていることの状況を把握することが可能となる。
図12は運転見合わせ以外の異常運行状況あるいは運転見合わせが解除された状況にあるときの当列車のトラブルで遅れが生じたときの運行状況表示画面の一具体例を示す図であって、50bはこれによる運行遅延の運行状況表示画面であり、図3,図7に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
運転見合わせが解除されて当列車の運転が再開されても、当列車にトラブルが発生して当列車に運行の遅れが生じた場合には、あるいは平常運行状態にあった当列車にトラブルが発生し、当列車に運行の遅れが生じた場合には、情報配信サーバ3(図1)からこの旨の運行状況種別通知情報D5が、運行関連情報D3とともに、当列車に送信されると、これらを受信した当列車のCPU6(図1)は図12に示す運行遅延の運行状況表示画面50bを作成し、この当列車のディスプレイ装置7で表示させる。
この運行遅延の運行状況表示画面50bは、図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40とほとんど同様の構成をなすものであるが、当路線運行状況表示エリア42では、運行状況表示欄42aに遅延という運行状況を示す「遅延」とのメッセージが、また、異常運行の原因表示欄42bにこの運行遅延の原因を示す、例えば、「車両トラブル」といったようなメッセージが表示されるが、さらに、この当路線運行状況表示エリア42には、現在の運行の遅れ時間を示す遅れ時間表示欄42cも表示される。
なお、当列車の遅延運行の遅れ時間は変化するものであるが、この遅れ時間は情報配信サーバ3(図1)からの運行関連情報D3によって通知されるものであり、これにより、図12に示す運行状況表示画面50bの当路線運行状況表示エリア42での遅れ時間表示欄42cで表示される遅れ時間も変化していく。
これにより、当列車が運転再開となっても、あるいは平常に運転されているときに突然遅れが生じている場合には、この運行遅延の運行状況表示画面50bが表示されることにより、乗客は当列車が遅れを生じていることの状況を的確に把握することが可能となる。
次に、図1における車両1でのCPU6の制御動作について説明する。
図13は当列車が平常運行状況にあるときの図1における車両1でのCPU6の制御動作の一連の手順の一具体例の一部を示すフローチャートである。以下、図1などを参酌してかかる制御動作について説明する。
同図において、当列車が運行を開始し、その車両1のCPU6が動作開始すると、通信部5がセンサ8からの列車状態検出情報D2が周期的に情報配信サーバ3に送られる。このとき、情報配信サーバ3に運行障害情報D4が送られてこないときには、情報配信サーバ3は当列車が平常運行状態にあることを示す運行状況種別通知情報D5と運行関連情報D3とを当列車に送信する。
そこで、当列車の車両1では、この運行状態種別通知情報D5が通信部4で受信すると、CPU6は、この受信した運行状態種別通知情報D5を異常運行状態を示す異常発生情報ではないと判定し(ステップS100の“NO”)、当列車が停車していないとき(ステップS101の“NO”)、あるいは停車していても、停車駅で停車しているとき(ステップS101で“YES”、かつステップS102で“NO”)、当列車がダイヤ(時刻表)通りに運行されているか否かを判定する(ステップS103)。当列車が停車しているか否かの判定(ステップS101,S102)や当列車がダイヤ通りに運行されているか否かの判定(ステップS103)は、情報配信サーバ3から受信した運行関連情報D3を基に行なわれる。
当列車がダイヤ通りに運行されているときには(ステップS103の“YES”)、CPU6は、受信した運行障害情報D4を基に、図1に示す平常運行時の運行状況画面10を作成し(以下では、各画面が同様に作成されるため、必要な場合を除いて、この作成に関する説明を省略する)、ディスプレイ装置7に表示させる。当列車が平常運行状態にある限り、当列車が走行しているときには、ステップS100,S101,S103,S104の一連の手順が繰り返され、また、当列車の当着駅で停止しているときには、ステップS100,S101,S102,S103,S104の一連の手順が繰り返されて、車両1のディスプレイ装置7に図1に示す平常運行時の運行状況画面10が表示される。但し、当列車が運行されていくにつれて、この平常運行時の運行状況画面10での表示内容が、上記のように、変化していく。
当列車が駅に停車したままでダイヤ通りに運行されていないときには(ステップS102の“NO”でステップS103の“NO”)、あるいは、当列車が駅間で停止しているが(ステップS102の“YES”)、この停止が当列車での事故によるものではないときには(ステップS108の“NO”)、列車間の間隔を調整する必要があるためであって(ステップS105)、先行列車が詰まっていて列車間隔を調整する必要がある場合には、図3に示す列車間隔調整時の運行状況表示画面10aがディスプレイ装置7に表示され(ステップS106)、また、後続列車が遅れていて列車間隔を調整する必要がある場合には、図4に示す列車間隔調整時の運行状況表示画面10bがディスプレイ装置7に表示される(ステップS107)。
なお、当列車が駅間で停止し(ステップS102の“YES”)、この停止が当列車で生じた原因によるものであるときには(ステップS108の“NO”)、図5に示す緊急停止画面10cが表示される(ステップS109)。これにより、この当列車に緊急停止の状況が生じたことを乗客に通知する。
ステップS104で表示される運行状況表示画面10,ステップS106で表示される運行状況表示画面10a,ステップS107で表示される運行状況表示画面10b,ステップS109で表示される緊急停止画面10cは夫々、そのときの運行状況が変更するまで継続して表示され続け、新たな運行状況に変化すると、その運行状況に応じた画面が表示され、平常運行状況になると、運行状況表示画面10が表示された状態となる(ステップS104)。
以上は、情報配信サーバ3(図1)からの運行状況種別通知情報D5が平常運行状況を表わしている場合であったが、次に、運行状況種別通知情報D5が異常運行状況を表わしている場合について説明する。
図14は当列車が異常運行状況にあるときの図1における車両1でのCPU6の制御動作の一連の手順の一具体例を示すフローチャートであって、以下、図1などを参酌してかかる制御動作について説明する。
他の列車での事故などによって当列車の運行が影響を受ける状況となって、情報配信サーバ3(図1)から異常運行状況を示す運行状況種別通知情報D5が送られてくると(図13のステップS100の“YES”)、図14において、CPU6(図1)は、運行状況種別通知情報D5が当列車の運転見合わせを指令する非常停止信号であるか否かを判定する(ステップS200)。運行状況種別通知情報D5が当列車の運転見合わせを指令する非常停止信号であるときには(ステップS200の“YES”)、CPU6は図6に示す非常停止通知画面30を作成し、これをディスプレイ装置7に表示させて異常運行状況が発生したことを乗客に通知する。そして、当列車が運転中であるときには(ステップS201の“YES”)運行状況種別通知情報D5が当列車の運転見合わせを示すものでないとき(ステップS200の“NO”)、当列車が停車していて(ステップS201の“YES”)、先行列車が詰まっていてその間隔調整をするために停車したものであるときには(ステップS202の“YES”)、CPU6は図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40を作成し、図6に示す非常停止通知画面30に代えて、ディスプレイ装置7に表示させる(ステップS202)。この運転見合わせ時の運行状況表示画面40の表示により、当列車の乗客は、当列車が人身事故などによって運転見合わせ状態にあることや現在当列車がどこで停止しているのかを容易にかつ確実に認識することができる。
情報配信サーバ3(図1)からこの異常運行状況に対する復旧に関する情報が運行関連情報D3として取得するまでは(ステップS205の“NO”)、ステップS201,S202,S205の一連の処理が繰り返され、この運転見合わせ時の運行状況表示画面40が継続して表示される(ステップS202)。
一方、上記の一連の処理が繰り返されて運転見合わせ時の運行状況表示画面40が表示されている異常運行状況にあるときに、次の駅が空いてこの駅に当列車を移動させると(ステップS201の“NO”)、この移動中、図8に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40aが表示される(ステップS203,S204の“NO”)。この運転見合わせ時の運行状況表示画面40aは、図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40と同様であるが、当列車がこの次の駅に到着して停車すると(ステップS204の“YES”)、再び図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40が表示される状態となる。
このようにして、当列車が異常運行状態にあっても、次の駅が空いている場合には、当列車を駅間で停止させておくよりも、次の駅まで移動させてこの駅に停車させて方が乗客にとっても、乗務員にとっても好ましいことであるから、当列車をこの次の駅まで運行させるが、この場合にも、この運行の理由を示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40aがディスプレイ装置7に表示されるので、この当列車の乗客としては、この当列車が発車した理由を認識することができ、異常運行状況が解消したといった乗客の誤認を防止することができる。
上記のように、図7に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40が表示されている状態で、情報配信サーバ3(図1)から、運転見合わせの異常運行状況を示す運行状況種別情報D5とともに、復旧に関する情報を含む運行関連情報D3が当列車に送られてくると(ステップS205の“YES”)、この当列車のCPU6(図1)は図9に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40bを作成し、この当列車のディスプレイ装置7(図1)に表示させる。この運転見合わせ時の運行状況表示画面40bは、この当列車の路線が運転再開するまで(ステップS207の“NO”)、ステップS206,S207,S205の一連の処理が実行されることにより、継続して表示される。
この図9に示す運転見合わせ時の運行状況表示画面40bが表示されることにより、異常運行状況に対して復旧作業が行なわれていることや、どの程度までその復旧作業が進んでいるかなどの復旧作業に関する状況を当列車の乗客が確実に把握することができる。
復旧作業が終了し、当列車の路線が再開したことを示す運行状況種別通知情報D5が付加された運行関連情報D3が情報配信サーバ3から送られてくると(ステップS207の“YES”)、あるいはまた、これまで当列車が平常運行状況にあって、図13に示す運行状況表示画面の表示処理が実行されているときに、運転見合わせ以外の異常運行状況を示す運行状況種別通知情報D5が付加された運行関連情報D3が情報配信サーバ3から送られてくると(ステップS200の“NO”)、当列車が停車しており(ステップS208の“YES”)、情報配信サーバ3からの運行状況種別通知情報D5により、先行列車との間隔調整のために当列車が停止しているものである場合には(ステップS209)、CPU6(図1)が図10に示す異常運行状況での先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面50を作成し、ディスプレイ装置7(図1)に表示させる(ステップS210)。ステップS210,S100(図13)の“YES”,S200の“NO”,S208の“YES”,S209の一連の処理動作は繰り返し実行されて、図10に示す異常運行状況での先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面50の表示が継続し、その間に当列車が平常運行状況となると(ステップS100の“N0”)、図13で示す上記の表示処理が行なわれる。
また、情報配信サーバ3からの運行状況種別通知情報D5により、後続列車との間隔調整のために当列車が停止しているものである場合には(ステップS209)、CPU6(図1)が図11に示す異常運行状況での後続列車との間隔調整時の運行状況表示画面50aを作成し、ディスプレイ装置7(図1)に表示させる(ステップS211)。この場合も、ステップS211,S100(図13)の“YES”,S200の“NO”,S208の“YES”,S209の一連の処理動作は繰り返し実行されて、図11に示す異常運行状況での後続列車との間隔調整時の運行状況表示画面50aの表示が継続し、その間に当列車が平常運行状況となると(ステップS100の“N0”)、図13で示す上記の表示処理が行なわれる。
さらにまた、当列車は走行してはいるが(ステップS208の“NO”)、当列車の運行に遅れが生じている場合には、その原因に応じた図12に示す運行遅延の運行状況表示画面50bが作成されてディスプレイ装置7に表示される。この場合も、ステップS212,S100(図13)の“YES”,S200の“NO”,S208の“NO”の一連の処理動作は繰り返し実行されて、図12に示す当列車のトラブルなどによる運行遅れの運行状況表示画面50bの表示が継続し、その間に当列車が平常運行状況となると(ステップS100の“N0”)、図13で示す上記の表示処理が行なわれる。
このようにして、運転見合わせが解除されて運転が再開されても、あるいは平常運行がなされていて突然、運行に当列車のトラブルなどによって当列車の運行に遅れが生じた場合には、上記のように、夫々の状況に応じて図10に示す異常運行状況での先行列車との間隔調整時の運行状況表示画面50や図11に示す異常運行状況での後続列車との間隔調整時の運行状況表示画面50a,図12に示す運行遅延の運行状況表示画面50bが表示されることになり、かかる運行状況表示画面から当列車の乗客はこの遅れの状況を的確に把握することができる。