JP5349720B2 - ゴムを芯とする多層ペレット - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーブレンド等に用いることのできる、ゴムを芯とする多層ペレットに関する。より詳細には、芯鞘構造を持ち、当該芯がゴムを主成分とするものであり、鞘がゴムよりも粘着性の低い樹脂からなる多層ペレットに関する。
近年、常温ではゴム弾性体としての挙動をとるとともに、温度上昇によって塑性変形をする軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーが注目されている。それらは、加硫工程を要せず熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有する、補強材を加えなくても補強された加硫ゴムと同様もしくはそれ以上の強度特性を示す、軟質加硫ゴムからプラスチックスに近いものまで広範囲の物性を持つ弾性体が素材の化学構造を変化させることによって得られる、等の長所を有する(実用プラスチック事典、産業調査会)ので、自動車部品、家電部品、医療・食品用機械部品、電線および雑貨等の分野で使用されている。
このような軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーは、例えば、種々の樹脂(硬質相)とゴム等の弾性を有する成分(軟質相、ソフトセグメント)とをブレンドする等の方法により得られるが、その硬質相の種類に基づいて、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、塩化ビニル樹脂系等に分類され、それぞれ市販されている。
ポリオレフィン系の軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーは、ポリオレフィン樹脂に、ポリイソブチレンゴム(PIB)、エチレンプロピレンゴム(EPRまたはEPDM)、イソブチレンゴム(IIR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)等をブレンドしてその耐衝撃強度と低温脆性を改良したものである。
ポリオレフィン系以外の軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーでも、軟質相としてゴムが使用され、硬質相の樹脂等とブレンドすることにより得られる。
このように、ポリオレフィン系等の軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーは、ゴムと硬質相の樹脂等とのブレンド(混)により得ることができ、それを原料として成型加工され各種の製品とされることができる。混、成型加工に使用される合成樹脂は、一般に、「ペレット」と呼ばれる粒状形態で生産・供給されており、またペレットの形態で混練機や成型加工機へ供給される。これはペレットが連続的加工工程に適した固体材料の形態であることに起因している。しかし、ゴムを用いて混、成型加工等をする場合、原料となるゴムは粘着性が強いため、ペレット或いは粒状の形態で生産・供給されるものは極めて少なく、一般的には、「ベール」と呼ばれている15〜35kgの半溶融状(所謂ゴム状)の塊で供給されている。ベールは15〜35kgの大きさなので、バッチサイズが小さい場合は、カッター等にてブロック形状にカットして使用する。しかし、この場合でもバンバリーミキサー等を用いたバッチ型の生産方法によらなければならず、連続的工程は採用し難い。
連続的工程を採用して軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーを製造する方法として、ゴムを予め二本ロール等に巻き付けてからリボン状に切り出して押出機等に強制的に食込ませる方法が考えられている。しかしこの方法は、供給量が安定しないとの問題がある。
又、ゴムを粉砕して不定形にして使用する方法も考えられている。しかしゴムは、上述のように、通常の室温以上の温度領域で流動性が高く粘着性が極めて強い。そのためにペレット化或いは粉砕を一旦行っても、フレコンや紙袋に包装してから短時間の内に再び付着し合い、大きな塊の状態又は多数連結した粒やペレットの状態に変わり、押出機や射出成型機等の加工機械での使用ができなくなる。従って、粒状やペレット状の形態での供給は、極めて低い温度での保管・輸送を行うケースを除いて実際上不可能であった。
この問題を解決するため、
1.合成ゴムの場合は、それを構成するモノマーの組成比を偏らせ、粘着性を低下させる、
2.合成樹脂や各種無機フィラー類を練り込み、粘着性を低下させる、
3.一旦粉砕やペレット化したものの表面を、金属石鹸や樹脂パウダー等粉末性物質で覆い、粘着性を低下させ互着を防止する、
4.一旦粉砕やペレット化したものの表面に離型性物質を塗布して、粘着性を低下させ互着を防止する、
などの対策が考えられている。しかし、合成ゴムを構成するモノマーの組成比を偏らせれば、その物性も変化する。粉末性物質や離型性物質を使用する方法では、互着の防止をより完全にするには粉末性物質等の量を多くしなければならず、物性面や経済性の点で好ましくない。
しかも、このような方法によっても、長期保管などの条件下では不安定で、粒やペレット同士が互着し易く、使用できなくなるのが実態である。
発明が解決しようとする課題
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ゴムのペレットであって、長期保管などの条件下でもペレット同士の互着が起こらず安定であり、連続的工程による熱可塑性エラストマーの製造等に使用できるものを開発するために鋭意検討した結果、ゴムを芯とし鞘にゴムよりも粘着性の低い樹脂を使用した多層ペレットにより、ペレット同士の互着を防ぐことができ、ゴムの取扱性が改良され、連続生産や小ロットの生産にも対応できることを見出し本発明を完成した。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芯鞘構造を持ち、当該芯がゴムからなり、鞘がゴムよりも粘着性の低い樹脂からなることを特徴とする多層ペレットを提供する。この多層ペレットを用いることにより、ペレット同士の互着を防ぐことができ、ゴムの取扱性が改良されるので、軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマー等の製造に連続的工程や小ロットでのバッチ生産を容易に採用することができるようになる。従って、本発明は、芯鞘構造を持ち、当該芯がゴムからなり、鞘がゴムよりも粘着性の低い樹脂からなる多層ペレットを用いることを特徴とする軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーの製造方法も提供する。
本発明の多層ペレットは、芯層及び鞘層の少なくとも2層を有する。本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ他の層を有してもよい。
芯層は、ゴムを主成分とする。芯層に用いられるゴムは、常温でゴム弾性を有するものであれば特に限定されないが、芯層のムーニー粘度(ML1+4 100℃)が5〜200の範囲となるゴムについて、本発明がその効果を特に奏する。ここで、ムーニー粘度とは、ゴムの流動性の指標であり、ムーニー粘度値が小さいことは流動性が大きいことを表す。又、(ML1+4 100℃)とは、ムーニー粘度の測定条件を表し、測定時に仕様するローターのサイズが大型「L」サイズであり、サンプルセット後1分間静置予熱し、測定温度(供試サンプルの保持温度)が100℃であって、測定(ローター回転)開始後4分時点での数値であることを示す。
芯層に用いられるゴムの種類としては、スチレン・ブタジエン ラバー(SBR)、ブタジエン ラバー(BR)、イソプレン ラバー(IR)、クロロプレン ラバー(CR)、アクリロニトリル・ブタジエン ラバー(NBR)、イソブチレン・イソプレン ラバー(IIR、ブチルゴム)、エチレン・プロピレン ラバー(EPM、EPDM)、エチレン・ブテン ラバー(EBM、EBDM)、二種以上のαーオレフィンの共重合ラバー、シリコーン ラバー(Q)、フッ素 ラバー(FKM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリル ラバー(ACM、ANM)、エピクロルヒドリン ラバー(CO、ECO)、エチレン・酢酸ビニル ラバー(EVA)、天然ゴム(NR)、以上の合成ゴムおよび天然ゴムの二種以上のブレンド物、及び以上の材料に各種フィラーや添加剤などを加えた組成物等が例示される。さらに、ハロブチルゴム、p−アルキルスチレン及び4〜7の炭素原子を有するイソモノオレフィン例えばイソブチレンとのコポリマーであってハロゲン化(例えば臭素化)されたもの、ジビニルベンゼンに由来する繰り返し単位を含むブチルゴム、少なくとも一つの共役ジエンに由来するホモ又はコポリマー、これらの組合せを含み得る。さらに、アミン官能化された、カルボキシ官能化された、又はエポキシ官能化されたゴムも使用することが出来、これらの中には、マレイン酸化されたEPDM及びエポキシ官能化された天然ゴムも含まれる。これらの物質は入手可能である。
本発明においてポリマーとは、一つ以上の異なるモノマーに由来する繰り返し単位を有するもの、すなわちホモポリマー、コポリマーのいずれをも含む意味で用いる。
基本的には、芯材(芯層を構成する材料)と鞘材(鞘層を構成する材料)が同類の化学構造を持つか、化学的親和性があるもの同士が望ましいので、ポリオレフィン系合成ゴムを芯材とする場合は、鞘材としてはオレフィン系合成樹脂が好ましい場合が多い。
EPDM型ゴムは、通常は2〜10の炭素原子、好ましくは2〜4の炭素原子を有する少なくとも2種の異なるモノオレフィンモノマー、及び5〜20の炭素原子を有する少なくとも一つの多不飽和オレフィンに由来するターポリマーである。前記モノオレフインモノマーは、通常式CH2=CH−R(式中、RはH又は1〜12の炭素原子を有するアルキルである。)で表され、好ましくはエチレン及びプロピレンである。少なくとも2種のモノオレフィンに由来する繰り返し単位は好ましくはエチレン及びプロピレンに由来する繰り返し単位であるが、その2種の繰り返し単位の重量比は、10:90〜90:10の範囲が好ましい、又その少なくとも2種のモノオレフィンに由来する繰り返し単位は、ポリマーの約80〜約99.6重量%を構成することが好ましい。
多不飽和オレフィンは、直鎖、分岐鎖、環状、架橋環、二環式、融合環二環式化合物などで有り得、好ましくは非共役ジエンである。非共役多不飽和オレフィンに由来する繰り返し単位は、好ましくは、ポリマーの約0.4〜約20重量%である。
ブチルゴムは、架橋部位を提供するモノマーに由来する繰り返し単位を含む、主にイソブチレンに由来する繰り返し単位からなるポリマーである。架橋部位を提供するモノマーは、共役ジエン又はジビニルベンゼンのような多不飽和モノマーであり得る。好ましくは、ブチルゴムの約90〜約99.5重量%が、イソブチレンの重合に由来する繰り返し単位であり、繰り返し単位の約0.5〜約10重量%は、4〜12の炭素原子を有する一つ以上の多不飽和モノマーに由来する。多不飽和モノマーは、好ましくは、イソプレン又はジビニルベンゼンである。
本発明において芯材となり得るゴムは、ハロゲン化されたものでもよい。例えば、上述した、ハロブチルゴムやp−アルキルスチレン及び4〜7の炭素原子を有するイソモノオレフィン例えばイソブチレンとのハロゲン化(例えば臭素化)コポリマーを用いることができる。
天然ゴム及び一つ以上の共役ジエンに由来する合成ポリマーのような他のゴムは、EPDM及びブチルゴムよりも不飽和度が高い。天然ゴム及び一つ以上の共役ジエンに由来する合成ポリマーは、熱及び酸化安定性を増加させるために、任意に部分的に水素添加することができる。一つ以上の共役ジエンに由来する合成ポリマーは、共役ジエンと共重合するモノマーの種類により非極性又は極性であり得る。
好ましくは、一つ以上の共役ジエンに由来する合成ポリマーは、4〜8の炭素原子を有する少なくとも一つ以上の共役ジエンモノマーに由来する繰り返し単位を少なくとも50重量%有する。
この共役ジエンモノマーと共重合するモノマーとしては、好ましくは、不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物等が挙げられ、又8〜12の炭素原子を有するビニル芳香族モノマー(類)及び3〜8の炭素原子を有するアクリロニトリル又はアルキル置換されたアクリロニトリル(類)等も含まれる。さらに、ジビニルベンゼン、アルキルアクリレート、及び3〜20の炭素原子を有する他のモノマーも含まれる。
本発明の方法により、熱可塑性エラストマーを製造する場合、必要により流動性向上剤として鉱物油系軟化剤を用いることができる。例えば、ML1+4100℃が30〜350のEPDMを用い、鉱物油系軟化剤を大量に配合すると、柔軟性の確保と流動性の向上による加工性の改良、及び機械的特性の改良を同時に満足させることのできるオレフィン系熱可塑性エラストマーを得ることが出来る。この場合、鉱物油系軟化剤は、押出機等を用いて行うポリレフィン系樹脂との混合の過程で、押出機等の任意の箇所から供給することができる。
このように、流動性向上剤として鉱物油系軟化剤を用いる場合、鉱物油系軟化剤は、樹脂との混合の過程で供給することもできるし、あらかじめゴムと混合して油展ゴムを作りその油展ゴムと樹脂とを混合して、熱可塑性エラストマーを得ることもできるが、ゴムのML1+4 100℃が30〜80の場合は、前者の方法が好ましく、ML1+4 100℃が120〜350の場合は後者の方法が好ましい。
なお、オレフィン系熱可塑性エラストマーの物性面からは、すなわち機械的特性が大きく、引張破断強度や破断伸びが飛躍的に向上し、圧縮永久歪みの向上した熱可塑性エラストマーを得るためには、油展前のゴムとして、ML1+4 100℃が80〜350のオレフィン系共重合体ゴムを用いることが好ましい。より好ましくは、ML1+4 100℃は120〜350、さらに好ましくは140〜300である。従って、ML1+4 100℃が80〜350のオレフィン系共重合体ゴムを用い、それに鉱物油系軟化剤を添加して油展オレフィン系共重合体ゴムとして、それをオレフィン系樹脂等と混合してオレフィン系熱可塑性エラストマーを作る方法が好ましい。
鉱物油系軟化剤の混合量としては、混合後の油展ゴムのML1+4 100℃が5〜200となる量が、好ましい。
鉱物油系軟化剤とは、加工性の改良や機械的特性を改良する目的で配合される高沸点の石油留分であり、パラフィン系、ナフテン系又は芳香族系等があるが、パラフィン系が好ましく用いられる。芳香族成分が多くなると汚染性が強くなり、透明製品或いは明色製品を目的とする用途に限界を生じることがある。
油展方法は公知の方法が用いられる。例えば、EPDMの油展の場合は、ロールやバンバリーミキサーのような装置を用い、EPDMと鉱物油系軟化剤を機械的に混練する方法、あるいはEPDM溶液に所定量の鉱物油系軟化剤を添加し、その後、スチームストリッピング等の方法により脱溶媒して得る方法などがある。このうち好ましい油展方法としてはEPDM溶液を用いる方法であり、EPDM溶液は重合で得られるEPDM溶液を用いる方が、操作が容易である。
このような油展ゴムも、本発明の多層ペレットの芯とすることができる。
本発明は、ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が5〜200の範囲のゴムについて、その効果を特に奏するが、油展ゴムのムーニー粘度も、ML1+4 100℃ 5〜200が好ましい。
本発明の多層ペレットの芯材を構成するゴムは、その成形性、物性を損なわない限りにおいて他の成分、例えば抗酸化剤、加工助剤、強化及び非強化充填剤、顔料、ロウ、ゴムプロセス油、エキステンダー油、粘着防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、可塑剤、発泡剤、難燃剤及びゴム配合分野において用いられている公知の他の加工助剤を含むことができる。
本発明の多層ペレットの鞘材は、芯材を構成するゴムよりも粘着性の低い樹脂を用いる。粘着性の低い樹脂を用いることにより、ペレットの互着を防止することができ、ゴムの取扱いを容易にすることができる。本発明の多層ペレットを、軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーの製造に用いる場合は、鞘材として、軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーの硬質相となる樹脂を用いることが好ましい。
このような樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール樹脂、アセチルセルロース、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アリル樹脂、シリコン樹脂、その他の各種熱可塑性合成樹脂、各種の熱可塑性エラストマー、以上の合成樹脂および熱可塑性エラストマーの二種以上のブレンド物、及び以上の材料に各種フィラーや添加剤などを加えた組成物等が例示される。
本発明の多層ペレットにおいて、芯材と鞘材の組合せは特に限定されないが、基本的には、芯材と鞘材が同類の化学構造を持つか化学的親和性があるもの同士が好ましい。例えば、スチレン・ブタジエン ラバー(SBR)とポリスチレン樹脂又はABS樹脂、ブタジエン ラバー(BR)とポリスチレン樹脂又はABS樹脂、アクリルニトリル・ブタジエン ラバー(NBR)とナイロン樹脂、イソブチレン イソプレン ラバー(IIR)とポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂、エチレン プロピレン ラバー(EPM,EPDM)又はエチレン ブテン ラバー(EBM,EBDM)又はαーオレフィン(二種以上)共重合ラバーとポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂、アクリル ラバー(ACM,ANM)とポリメチルメタクリレート樹脂等の組合せが挙げられる。
しかし、親和性の無いあるいは乏しいもの同士を敢えて混合して、特異な性質を発現させる場合もあるので、芯材と鞘材の化学的親和性のよい組合せのみに限定されない。
本発明の多層ペレットにおける芯層と鞘層の比率は特に限定されない。
鞘層は、ゴムから構成される芯材を覆いゴム同士の互着を防止できる接着防止性能を発揮できる厚み以上であればよい。一方、芯材を構成するゴムと鞘材を構成する樹脂をブレンドして熱可塑性エラストマーを製造する場合等は、芯材と鞘材の比率をそのブレンド比率と同一にすることにより、熱可塑性エラストマーの製造を容易にすることができる。従って、鞘層の厚みもこのブレンド率に応じて変えることができその上限は特に限定されない。
通常の場合、芯層と鞘層の重量比率が10/90〜99/1の範囲であることが好ましく、50/50〜95/5の範囲であることがより好ましい。
本発明の多層ペレットの製造方法としては、ゴム及び、鞘層を構成する樹脂例えば合成樹脂を熔融した状態で二層又は多層ストランドダイ装置に供給し、ゴムを外層とし合成樹脂等を内層とする二層又は多層ストランドを押出し、冷却し、カッティングする方法が例示される。ゴム及び、鞘層を構成する樹脂を供給する方法は、特に制限はない。芯層を構成するゴムと鞘層を構成する樹脂をそれぞれ別個の押出機により供給する方法でも良く、又は合成ゴム重合装置の後ラインを利用しても良い。ゴムの供給装置としては、フィーダールーダー、コールドフィード押出機、二軸テーパ押出機等が挙げられ、押出機は1軸押出機でも2軸押出機でもよい。
熔融押出するストランドの太さは特に制限されるものではないが、直径が0.5〜20mmが好ましく、より好ましくは2〜8mmである。
冷却した芯鞘型のストランドを好ましくは長さ1〜5mm、より好ましくは2.5〜3.5mmに切断することにより、本発明の多層ペレットが得られる。本発明の多層ペレットはストランドと同様にゴムを含む芯層が接着性の少ない熱可塑性樹脂を含む鞘層により被覆された構造である。
ストランドの冷却、カッティングの方法としては、熔融押出後にストランドをカッティングした後それを水中に落として冷却する方法や、ストランドを冷却水槽に導入し冷却した後カッティングしペレットとする方法等が挙げられる。通常、ストランドを冷却水槽に導入する方法が一般的である。
ペレットの形状は、通常は、円柱状であるが、断面形状は任意であり、適当なダイスを選択することにより角柱状、楕円の断面等任意の形状にすることができる。
又、ペレットの生産性を向上するため、同心円状に配置された複数の押出口を有するストランド成型装置を使用して複数本のストランドを同時に製造する方法も採用できる。
このようにして得られた本発明の多層ペレットは、軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーの製造に用いることができる。これらは、本発明の多層ペレットと必要に応じて合成樹脂等とをブレンドし混することにより軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマーを得ることができる。その際の製造方法としては、熱可塑性を保持するEPDM等のゴム成分と硬質相の熱可塑性樹脂を熔融ブレンドする方法、EPDM等のゴム成分と熱可塑性樹脂を熔融ブレンドする時に同時にゴム成分に対する架橋剤を添加し熔融ブレンドと同時に部分架橋を行う方法等があるが、本発明ではいずれの方法も採用できる。すなわち、本発明のペレットの芯材となるEPDM等のゴム成分はある程度架橋されていてもよいし、又は本発明のペレットを混するときに架橋剤を添加してもよい。
芯材を構成するゴムと鞘材を構成する樹脂をブレンドして熱可塑性エラストマーを製造する場合、ペレット中のゴムと樹脂の比率が目的とする熱可塑性エラストマー中のゴムと樹脂の比率と異なる場合は、ペレットにゴムと樹脂の比率を調整するためのゴム又は樹脂を添加する工程を要する。一方、ペレット中のゴムと樹脂の比率が目的とする熱可塑性エラストマー中のゴムと樹脂の比率と同一の場合は、ペレットにゴムと樹脂の比率を調整するためのゴム又は樹脂を添加する必要はなく、ペレットをそのまま混することにより所望の熱可塑性エラストマーを得ることができるので、製造工程が短く合理的でコストダウン可能となり好ましい。このようにして製造された熱可塑性エラストマーは、従来の方法により製造された熱可塑性エラストマーと同様な長所を有し、自動車部品、家電部品、医療・食品用機械部品、電線および雑貨等の分野で使用することができる。
以下に、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
EPDMゴム(住友化学工業製エスプレンE−201、ML1+4 100℃:43、エチレン49%、プロピレン51%、25kgのベール形状)を裁断機にてカットした後、粉砕機にて粉砕し不定形状のEPDMゴムを得た。この不定形状のEPDMゴムを二軸押出機にて180℃で熔融押出し、二層ストランドダイ装置に供給した。同時に鞘用単軸押出機からポリプロピレンを200℃にて熔融押出し二層ストランドダイ装置に供給した。EPDMゴムとポリプロピレンの供給比率は、85重量部:15重量部であった。
二層ストランドダイ装置から出てきたストランドを水槽にて冷却しペレタイザーにてカッティングし、ペレットを得た。
得られたペレット 25kgを紙袋に入れて1ヶ月間倉庫に保管しても、ブロッキングや互着は発生しない。
(実施例2)
コールド重合スチレン・ブタジエンゴム(住友化学製 住友SBR1502、35kgベール形状)をバンバリーミキサーにて素練りを行い熔融させた後、フィーダールーダーを用いて二層ストランドダイ装置に供給した。同時に鞘用単軸押出機から200℃でポリスチレン樹脂(日本ポリスチレン製 日本ポリスチ G590、MFR=3.5g/10分、d=1.04)を二層ストランドダイ装置に供給した。スチレン・ブタジエンゴムとポリスチレン樹脂の供給比率は、80重量部:20重量部であった。
二層ストランドダイ装置にて20本の二層ストランドに成形し、水槽にて冷却後、ペレタイザーにてカッティングし芯鞘構造のゴムペレットを得た。得られたゴムペレット 25kgを紙袋に入れて1ヶ月間倉庫に保管して保管状態を確認したところ、ブロッキングや互着の発生はなく良好な状態のままであった。
(実施例3)
実施例1又は実施例2と同様な方法により、芯材が合成ゴムであり、鞘材が合成樹脂であり、芯層と鞘層の重量比が80:20である二層ペレットを作成する。
このようにして得られる二層ペレットの50kg(組成:合成ゴム40kgと合成樹脂10kg)に、鞘材と同じ合成樹脂を50kg追加・混練して熱可塑性エラストマーが得られる。その最終組成は、合成ゴム40kgと合成樹脂60kgである。
一方、実施例1又は実施例2と同様な方法により、芯材が合成ゴムであり、鞘材が合成樹脂であり、芯層と鞘層の重量比が40:60である二層ペレットを作成する。このようにして得られる二層ペレットの100kgを混練して、合成ゴム40kgと合成樹脂60kgの最終組成からなる熱可塑性エラストマーを、合成樹脂を追加することなしに得られる。この方法は、工程が短く合理的でコストダウンが可能である。
発明の効果
本発明の多層ペレットは、ゴムの芯層の外側を接着性の少ない層で被覆した芯鞘構造を有し、ゴムのペレットのブロッキングや互着が防止され、その取扱性が向上したものである。
このゴムを芯材とするペレットは、ブロッキングや互着が起こらないので、このペレットを用いることにより軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマー製造等において、連続生産工程を採用でき、又小ロットの生産にも対応できる。
この多層ペレットを使用する本発明の軟質性合成樹脂や熱可塑性エラストマー製造方法では、連続生産工程を採用できるので、従来の方法より製造コストの削減が可能となる。

Claims (4)

  1. 芯鞘構造を持ち、当該芯がゴムからなり、鞘がゴムよりも粘着性の低いポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする熱可塑性エラストマー製造用の多層ペレット。
  2. 芯材のムーニー粘度(ML1+4100℃)が、5〜200であることを特徴とする請求項1の多層ペレット。
  3. ゴムとポリプロピレン樹脂との混練により得られる熱可塑性エラストマーの製造方法であって、
    芯鞘構造を持ち、当該芯がゴムからなり、鞘がゴムよりも粘着性の低いポリプロピレン樹脂からなる多層ペレットを混練することを特徴とする熱可塑性エラストマーの製造方法。
  4. ゴムとポリプロピレン樹脂との混練により得られる熱可塑性エラストマーの製造方法であって、
    芯鞘構造を持ち、当該芯がゴムからなり、鞘がゴムよりも粘着性の低いポリプロピレン樹脂からなる多層ペレットと合成樹脂とをブレンドし混練する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性エラストマーの製造方法。
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