JP5348339B2 - 半導体集積回路装置及びこれを用いた電子機器 - Google Patents

半導体集積回路装置及びこれを用いた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の充電制御回路及びこれを用いた充電制御装置に関し、特に、二次電池の温度を検出し、これに基づいて充電電流及び/又は充電電圧を制御する二次電池の半導体集積回路装置及びこれを用いた電子機器に関する。
従来から、定電圧源に接続され、定電圧源の電源電圧によって2次電池を充電する充電回路であって、2次電池の温度を抵抗値の変化として検出するサーミスタと、サーミスタの一端の電圧が所定の低電圧以下に降下したことを検出する電圧検出部とを有し、電圧検出部が所定の低電圧以下に降下したことを検出したとき、定電圧電源の電源電圧による2次電池の充電を停止する充電回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−274871号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、サーミスタの一端の電圧が所定の定電圧以下に降下したとき、つまり2次電池の高温を検出したときに充電を停止する制御しか行えないため、2次電池の過充電や加熱の防止しか対応できず、2次電池の温度変化に応じたきめ細かな制御を行うことができなかった。
そこで、本発明は、二次電池の温度に基づいて、きめ細かな制御を行うことができ、充電時の安全性を確保するとともに、温度範囲に応じた適切な制御を行ない、二次電池の充電効率を高めることができる半導体集積回路装置及びこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る半導体集積回路装置は、二次電池(81)の充電を制御する充電制御回路(50)を有する半導体集積回路装置において、
前記充電制御回路(50)は、前記二次電池(81)の電池温度を検出する温度センサ(82)からの検出電圧に対応した温度領域信号を出力する温度比較部(10)と、
前記温度領域信号に基づき充電電流と充電電圧とを制御する電池温度充電制御と、前記二次電池(81)の電池電圧に基づき定電流充電又は定電圧充電を行う電池電圧充電制御との両方の制御を行う制御部(20)と、
前記温度比較部(10)において電圧源としての役割を果たすレギュレータ(15)と、を備え、
前記充電制御回路(50)へ供給する電源電圧が入力される電源端子(VDD1)と、
前記制御部(20)から出力される充電電流と充電電圧とを前記二次電池(81)へ供給し、また前記二次電池(81)の電池電圧が入力される電池端子(BAT)と、
前記温度センサ(82)からの前記検出電圧が入力され、前記温度比較部(10)に前記検出電圧を供給するための温度検出端子(TDET)と、
前記レギュレータ(15)からの電圧を基準電圧として出力する基準電圧端子(VREG)と、を備えるパッケージ(70)を更に有することを特徴とする。
これにより、二次電池の温度に応じてきめ細かな充電制御を行うことができ、二次電池の負担と効率を最大限に考慮した適切な充電制御を行うことができる。また、簡素な回路構成により、温度に応じた適切な充電制御を行なうことが可能となる。更に、二次電池の端子電圧に基づいて行われる通常の定電流制御及び/又は定電圧制御と、本発明の二次電池の温度に基づく制御を組み合わせた制御を行うことができ、二次電池の端子電圧と温度の双方のパラメータを考慮して、最適な二次電池の充電制御を行うことができる。また、充電制御回路の搬送や、種々の電子機器への組み付け及び設置を容易に行うことができ、電子機器への搭載が容易になる。
の発明は、第1の発明に係る半導体集積回路装置において、
前記制御部(20)は、ロジック回路を含むロジック部(21)と、前記ロジック部(21)からの出力命令信号に従いこれに応じた充電電流を出力する出力コントロール部(22)とからなることを特徴とする。
の発明は、第1又は2の発明に係る半導体集積回路装置において、
前記制御部(20)は、前記充電制御回路(50)の温度が一定温度以上の過熱状態となったときに、前記充電電流を制御する加熱保護制御を行うことを特徴とする。
の発明に係る電子機器は、第1〜のいずれか1つの発明に係る半導体集積回路装置を搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、充電制御を二次電池の温度に応じてきめ細かく行うことができ、二次電池の負担と充電効率を考慮した適切な充電制御を行うことができる。
本発明を適用した実施例に係る充電制御回路50及びこれを用いた充電制御装置100の全体構成図である。 電池温度と充電電圧及び充電電流の安全領域との関係を示した図である。 電池電圧に基づく定電流制御及び定電圧制御の各電流及び各電圧の変化を示すタイミングチャートである。図3(a)は、ACアダプタ電源電圧の時間変化を示した図である。図3(b)は、二次電池81の電圧の時間変化を示した図である。図3(c)は、充電電流の時間変化を示した図である。図3(d)は、LEDの点灯パターンの時間変化を示した図である。 二次電池81の電池温度に基づく充電制御の一例を示したタイミングチャートである。図4(a)は、VDD1端子に入力される充電器電圧の時間変化を示した図である。図4(b)は、BAT端子から検出される電池電圧の時間変化を示した図である。図4(c)は、温度検出端子TDETの端子電圧の時間変化を示した図である。図4(d)は、電池温度の時間変化を示した図である。図4(e)は、充電電流の時間変化を示した図である。図4(f)は、LEDの点灯パターンの時間変化を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
図1は、本発明を適用した実施例に係る充電制御回路50及びこれを用いた充電制御装置100の全体構成図である。
図1において、本実施例に係る充電制御回路50は、温度検出端子TDETと、温度比較部10と、制御部20とを備える。また、本実施例に係る充電制御装置100は、充電制御回路50を基板60上に備え、基板60を収容するパッケージ70を更に備える。基板60は、例えば半導体基板であってもよく、基板60をパッケージ70に収容した充電制御装置70は、例えば充電制御用の半導体集積回路装置として構成されてもよい。
本実施例に係る充電制御回路50及びこれを用いた充電制御装置100は、VDD1端子と、VREG端子と、BAT端子と、GND端子を備えてよい。VDD1端子には、ACアダプタ(図示せず)を搭載した充電器90が接続され、充電制御回路50に電源電圧が供給される。BAT端子には、電池パック80に収容された二次電池81の正端子が接続され、BAT端子から二次電池81に充電電流を供給できるように構成されている。VREG端子は、基準電圧を出力する端子であり、温度検出端子TDETに基準電圧を供給する。GND端子は、接地されてアース電位(0V)を充電制御回路50に供給する端子である。
温度検出端子TDETは、二次電池81の温度を検出する端子であり、電池パック80内に収容された二次電池81の負端子に接続されたサーミスタ82に接続される。サーミスタ82は、二次電池81の温度を検出する温度センサであり、温度の変化に応じて、その抵抗値が変化する。本実施例においては、温度が上昇するにつれて抵抗値が下がる、負の温度係数を有するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタを例に挙げて説明するが、他の態様であっても適用可能である。なお、通常は、電池パック80内にサーミスタ82が内蔵されており、電池パック80に設けられたサーミスタ端子THに温度検出端子TDETを接続することにより、温度検出端子TDETをサーミスタ82に接続できるように構成されている。
温度検出端子TDETは、抵抗R5を介してVREG端子にも接続されており、VREG端子で供給される基準電圧に対し、抵抗R5とサーミスタ82で分圧回路を構成し、サーミスタ82の両端に印加される分圧電圧を検出するように接続されている。上述のように、サーミスタ82にNTCサーミスタを適用した場合、サーミスタ82の抵抗値は温度が上昇するにつれて低くなるので、それにつれて温度検出端子TEDTで検出する検出電圧も低くなる。このように、二次電池81の温度が変化すれば、サーミスタ82の抵抗値も変化し、それにより温度検出端子TEDTに入力される検出電圧も変化するので、温度検出端子TEDTは、入力される検出電圧に基づいて二次電池81の温度を検出することができる。
温度比較部10は、温度検出端子TDETに入力された検出電圧を、4つの基準温度に対応して設定された閾値電圧と比較し、検出電圧の含まれる温度範囲を示す信号を出力する処理を行う回路部である。
温度比較部10の構成要素は、4つのコンパレータ11〜14と、レギュレータ15と、抵抗R0〜R4である。4つのコンパレータ11〜14は、温度検出端子TDETに入力された検出電圧を、4つの閾値電圧と比較を行うための比較手段である。コンパレータ11〜14は、各々1つの閾値電圧との比較のみを行うが、それらは同時に行われることが好ましいので、4つのコンパレータ11〜14の入力端子の一方は、総て温度検出端子TDETと並列に接続される。これにより、一度に4つの基準電圧との比較を行うことができる。
レギュレータ15は、所定の基準電圧を発生させるための手段であり、VREG端子から出力される基準電圧の電圧源としての役割と、コンパレータ11〜14に閾値電圧を供給するための電圧源としての役割を果たす。
抵抗R0〜R4は、コンパレータ11〜14で行われる比較において、基準となる閾値電圧を設定するための分圧回路を構成する分圧抵抗である。閾値電圧は、温度検出端子TDETに入力される検出電圧の温度換算値を考慮し、適切な4つの基準温度が設定されるように、これに対応した閾値電圧の設定がなされる。レギュレータ15から印加される基準電圧Vrefにより、各抵抗R0〜R4に一定電流I=Vref/(R0+R1+R2+R3+R4)が流れるので、コンパレータ11の閾値電圧は(R1+R2+R3+R4)・I、コンパレータ12の閾値電圧は(R2+R3+R4)・I、コンパレータ13の閾値電圧は(R3+R4)・I、コンパレータ14の閾値電圧はR4・Iで各々設定される。サーミスタ82は、温度が高くなるにつれて抵抗値が低くなり、温度が低い状態では抵抗値が高くその検出電圧は大きい状態であるので、コンパレータ11の閾値電圧が最も低い基準温度に対応し、コンパレータ14の閾値電圧は、最も高い基準温度に対応する。同様に、コンパレータ12の閾値電圧は2番目に低い温度に対応し、コンパレータ13の閾値電圧は、2番目に高い基準温度に対応することになる。この、4つの基準温度の設定については、後に詳説する。
抵抗R0〜R4で構成された分圧回路により設定された各コンパレータ11〜14の閾値電圧は、各コンパレータ11〜14の、検出電圧が入力されていない方の入力端子に入力され、検出電圧の比較対象の閾値電圧となる。なお、各コンパレータ11〜14に入力される検出電圧と閾値電圧は、一方が反転入力端子に入力され、他方が非反転入力端子に入力されるが、どちらが反転入力端子又は非反転端子に入力されるかは、用途に応じて定めてよい。つまり、検出電圧が閾値電圧を超えたときに、ハイレベルの信号を出力するかローレベルの信号を出力するかは、適宜用途に応じて定めることができる。
また、ノイズ等の影響を防ぐため、各コンパレータ11〜14には、ヒステリシスを持たせるようにしてよい。これにより、ハンチング等の状態を防止することができる。
かかる温度比較部10における処理により、検出電圧が含まれる温度領域を示す温度領域信号が出力され、二次電池82の温度が、4つの基準温度との関係で、どの温度領域にあるかを判定することができる。
制御部20は、ロジック部21と出力コントロール部(充電電流制御部)22を含み、温度比較部10のコンパレータ11〜14から出力された温度領域信号に基づき、充電電流及び/又は充電電圧の制御を行う。
ロジック部21は、ロジック回路を含み、温度領域信号に基づいて、検出された温度領域に応じた充電電流及び/又は充電電圧の制御を行う出力指令信号を出力する。かかる充電電流及び/又は充電電圧の制御は、温度領域に応じて、所定の小電流又は大電流を出力する指令を出すことにより行われてよい。リチウムイオン等を用いた二次電池81は、充電時、二次電池81自身の温度に応じて大電流を流すことの可能な温度領域と、大電流を流せず、小電流しか流せない温度領域と、電流を全く流せない温度領域とが存在する。よって、ロジック部21は、入力された温度領域信号が、どのような充電電流を流すのが適切なのかをロジック回路により判定し、適切なレベルの充電電流を流す出力指令を出す制御を行う。
出力コントロール部22は、トランジスタ素子を含み、ロジック部21からの出力指令信号に従い、これに応じた充電電流を出力する。例えば、ロジック部21から所定の低電流又は所定の高電流を出力する指令を受けた場合には、指令に応じた所定の低電流又は高電流等の定電流を出力する。
なお、ロジック部21は、温度領域信号のみではなく、二次電池81の電池電圧に基づく充電制御を行えるように構成してもよい。具体的には、例えば、図1において、二次電池81の正端子に接続されているBAT端子は、電池電圧検出部30に接続され、電池電圧検出部30の出力信号が、ロジック部21に入力されるように構成されている。電池電圧検出部30は、BAT端子から二次電池81の端子電圧を検出することができ、その端子電圧の大きさの範囲を検出することができる。すなわち、電池電圧検出部30は、例えばその内部には、温度比較部10と同じように、コンパレータにより比較の対象となる閾値電圧が設定され、検出された電池電圧が閾値電圧を超えたか否かを判定できるように構成されてよい。これにより、二次電池81の電池電圧をロジック回路のパラメータの対象に加えることができ、電池電圧の大きさを考慮しつつ充電電流及び/又は充電電圧の制御を行うことができる。
本実施例において、例えば、二次電池81がリチウムイオン電池の場合には、二次電池81の劣化を防ぐため、その端子電圧の大きさにより、充電電流を小電流で供給する必要があるのか、大電流で供給しても良いのかの判定を行い、これに基づいて充電電流制御を行う必要がある。そのような充電電流の充電制御を、ロジック部21は併せて行ってよい。例えば、二次電池81の端子電圧が所定電圧より低い場合には、充電電流を小電流に制御して充電を行う必要がある。一方、所定電圧を超えている場合には、大電流で充電を行っても問題ない。よって、制御部20は、二次電池81の端子電圧に応じて、所定の低電流で充電を行ったり、所定の高電流で充電を行ったりする2段階の定電流充電制御を行う。これにより、二次電池81の端子電圧に応じた適切な充電電流制御を実現でき、二次電池81の劣化を防ぐことができるが、このような電池電圧に基づく充電電流制御を、ロジック部21が行うことにより、二次電池81の温度及び電池電圧の双方を考慮した適切な制御を行うことができる。
なお、2段階の定電流制御は、出力コントロール部22に出力する信号を、所定の2段階の定電流に対応する指令信号を出力することにより、実行されてよい。
また、ロジック部21は、電池電圧に基づく定電圧制御を実行できるように構成されてよい。上述のように、二次電池81が所定電圧より高い場合には、高電流による定電流充電制御を行うが、二次電池81が満充電に近付き、満充電に近い所定の電圧を超えた場合には、定電流充電制御から、定電圧充電制御に切り換えることが好ましい。電池電圧検出部30で、そのような満充電付近の所定の電圧を閾値電圧として設定しておき、これを超えたときに対応する電池電圧信号を出力し、ロジック部21において、かかる電池電圧信号が出力されたら、定電圧制御に切り換えるようなロジック回路を備えていれば、かかる定電圧制御を実行することができる。
過熱保護部40は、充電制御回路50又は充電制御装置100自体の温度が上昇して一定温度以上の過熱状態となったときに、ロジック部21に充電電流の出力を停止する信号を出力する回路部であり、安全のために設けられてもよい。
次に、かかる構成を有する充電制御回路50及びこれを用いた充電制御装置100において、温度比較部10でなされる4つの基準温度の設定方法について説明する。
図2は、電池温度と充電電圧及び充電電流の安全領域との関係を示した図である。図2(a)は、電池温度に対する充電電流の関係を示した図であり、横軸が電池温度、縦軸が充電電流を示している。
図2(a)において、4つの基準温度T1〜T4が示されている。温度範囲T1〜T4が、充電可能な温度領域であり、温度範囲T1〜T2が低温度域、温度範囲T2〜T3が標準温度域、温度範囲T3〜T4が高温度域を表している。
標準温度域T2〜T3においては、二次電池81の温度条件としては安全領域にあるので、充電電流は、大電流に設定してよい。一方、低温度域T1〜T2及び高温度域T3〜T4においては、安全領域とはいえないので、小電流に設定する。更に、低温度域T1〜T2の下限T1より低い温度範囲、及び高温度域T3〜T4の上限T4より高い温度範囲においては、充電可能領域にはないので、充電電流をゼロに設定している。
このように、4つの基準温度を設けた設定により、二次電池81の特性と安全性を考慮して二次電池81の寿命を延ばすとともに、充電効率も高いきめ細かな充電制御を行うことができる。
図2(b)は、電池温度に対する充電電圧の関係を示した図であり、横軸が電池温度、縦軸が充電電圧を示している。図2(b)においては、標準温度域T2〜T3の間に、更に推奨温度域T5〜T6が示されている。
図2(b)においても、安全領域である標準温度域T2〜T3においては、最も高い充電電圧V3で充電し、高温度域T3〜T4では、それよりも低い充電電圧V2で充電し、低温度域T1〜T2では更に低い充電電圧V1で充電を行っている。また、低温度域の下限T1よりも低い温度範囲及び高温度域の上限T4よりも高い温度範囲では、充電可能温度領域にないので、充電を行わないこととしている。
なお、推奨温度域T5〜T6においては、特に標準領域T2〜T3の外側部分と異なる充電電圧の設定を行っていないが、必要に応じて、推奨温度域T5〜T6には更に高い充電電圧を設定する等の、更にきめ細かい基準温度及びこれに対応する閾値電圧の設定を行うようにしてもよい。二次電池81の特性に応じた、最適な充電電圧制御の実現が期待できる。
このように、充電電圧においても、温度領域に応じた基準温度を4つ以上設定することにより、二次電池81の安全性を十分考慮した充電制御を行うことができる。
次に、本実施例に係る充電制御回路50及びこれを用い充電制御装置100の充電制御の具体的な制御の一例について説明する。
まず、理解の容易のため、従来から行われている二次電池81の電池電圧に基づく制御例について説明する。図3は、電池電圧に基づく定電流制御及び定電圧制御の各電流及び各電圧の変化を示すタイミングチャートである。図3(a)は、VDD1端子から供給されるACアダプタ電源電圧の時間変化、図3(b)は二次電池81の電圧の時間変化、図3(c)は充電電流の時間変化、図3(d)はLEDの点灯パターンの時間変化を各々示した図である。横軸は総て時間を示す。
図3において、時刻t1のとき、端子VDD1から5VのACアダプタ電圧が供給される。このとき、BAT端子から電池電圧検出部30により検出される電池電圧は、小電流I1で充電可能な閾値電圧V10=1.54V以下であるが、初回接続時は、初回接続時遅延時間を経てから、時刻t2において充電電流が小電流I1の設定値である45mA流れる。このとき、LEDはONとなって点灯し、充電中であることを表示する。
その後、時刻t3において電池電圧は小電流I1で充電可能な閾値電圧V10=1.54Vに上昇し、電圧検出遅延時間を経て、時刻t4において小電流I1が45mA流れる。次いで、電池電圧は上がり続け、時刻t5において、大電流I2による充電が可能な閾値電圧V20=3.10Vに達する。このとき、同時に時刻t5で充電電流は大電流I2=450mAに切り換わっている。このような切り換わり制御は、制御部20のロジック部21で行われ、大電流の出力は、出力コントロール部22でなされる。
その後、電池電圧は上昇し続け、時刻t6で満充電の上限電圧であるV4=4.20Vに達する。このとき、充電制御は定電圧制御に切り換わり、V40=4.20Vを維持するような定電圧制御がなされる。また、充電電流は、大電流I2=450mAから徐々に減少し始め、時刻t7で充電終了の閾値であるI0=38mAよりも減少する。充電電流が充電終了の閾値I0以下となって所定の電流遅延時間が経過したら、時刻t8において充電を完了する。このように、最後の充電終了は、充電電流が所定の閾値以下になって所定時間経過してから行う制御にしてもよい。なお、かかる制御は、定電圧制御に切り換わって以降は、出力コントロール部22において充電電流を検出し、これをロジック部21に入力し、ロジック部21で制御指令を出力するようにしてよい。
時刻t8において充電完了したら、充電電流の供給を停止するとともに、LEDをOFFにして消灯し、充電中でないことを表示するが、電池電圧の監視は、電池電圧検出部30により継続する。電池電圧が減少し、時刻t9において再充電開始の閾値V30=3.99V以下の状態となり、所定の再充電遅延が経過したら、時刻t10において再充電を開始する。この場合は、電池電圧は当然に大電流供給可能閾値のV20=3.10V以上であるので、大電流I2で再充電を行ってよい。また、LEDをONにして点灯させ、充電中であることを表示する。
時刻t10から大電流の充電を再開し、電池電圧が満充電の上限閾値電圧V40=4.20Vに時刻t11で達したら、その後は充電電流が減少してゆく。このときの充電電流は出力コントロール部22により監視され、充電電流が、充電終了の閾値であるI0=38mA以下となって所定の電流検出遅延時間が経過したら、時刻t13において充電完了となり、充電電流の供給も停止する。図3のタイミングチャートはここで終了するが、以下、同様の制御を繰返してよい。
このように、本実施例に係る充電制御回路50及び充電制御装置100は、二次電池81の電池電圧に基づく定電流制御及び/又は定電圧制御も可能なように構成してよい。このように構成することにより、二次電池81の電池電圧に基づく充電制御と、温度に基づく制御を組合せ、より安全で適切な充電制御を行なうことができる。
次に、図4を用いて、本実施例に係る充電制御回路50及びこれを用いた充電制御装置100により実行される、電池温度に基づく充電制御の一例を説明する。
図4は、二次電池81の電池温度に基づく充電制御の一例を示したタイミングチャートである。図4(a)は、VDD1端子に入力される充電器電圧の時間変化を示した図であり、図4(b)は、BAT端子から検出される電池電圧の時間変化を示した図であり、図4(c)は、温度検出端子TDETの端子電圧の時間変化を示した図である。また、図4(d)は、電池温度の時間変化、図4(e)は、充電電流の時間変化、図4(f)は、LEDの点灯パターンの時間変化を示した図である。なお、図4(a)〜(f)の横軸は総て時間を示す。
なお、図4(d)は、温度検出端子TDETで検出される検出電圧に基づいて、これを電池の温度に換算したタイミングチャートであるので、図4(c)の電圧変化と、逆の関係となる。つまり、温度検出端子TDETに入力された検出電圧が増加すれば電池温度は減少し、検出電圧が減少すれば電池温度は増加することになる。よって、電池温度の最も低い基準温度T1は、温度検出端子TDETの検出電圧の最も高い閾値電圧V1に対応し、電池温度の最も高い基準温度T4は、温度検出端子TDETの検出電圧の最も低い閾値電圧V4に対応する。同様に、電池温度の2番目に低い基準温度T2は、温度検出端子TDETの検出電圧の2番目に高い閾値電圧V2に対応し、電池温度の2番目に高い基準温度T3は、温度検出端子TDETの検出電圧の2番目に低い閾値電圧V3に対応する。このような関係を踏まえ、以下、充電制御の内容は、理解と説明の容易のため、温度検出端子TDETの検出電圧ではなく、電池温度に基づいて説明するが、電池電圧で表現しても同じ内容を説明できることは言うまでもない。
図4において、電池温度が最初に標準温度域T2〜T3の範囲内にあるときには、充電電流は、大電流I2=450mAで供給されている。また、VDD1端子の充電器電圧は最初から安定して5Vが供給され、BAT端子の電池電圧は、図3において説明した電池電圧に基づく制御における小電流供給可能閾値であるV20=3.1V以上の電圧値を示している。このとき、LEDはONであり、点灯して充電中を表示している。
時間が経過し、時刻t1に達して、電池温度が高温度域T3〜T4の範囲内に入ったときには、充電電流は、小電流であるI1=45mAの供給に切り換わる。このような切り替え制御は、温度比較部10のコンパレータ11〜14の出力に基づいて、ロジック部21で切り換えの指示がなされ、出力コントロール部22で小電流供給が行われて実行されてよい。
電池温度が上昇し続け、時刻t2において、電池温度が充電可能範囲である温度域を超えてしまった場合には、所定の充電停止検出時間経過後、時刻t3において充電電流の供給を停止する。また、LEDもOFFとなって消灯し、充電中ではないことを示す。このとき、BAT端子の電池電圧は、小電流I1の充電電流可能な範囲内にあるが、電池温度の条件が充電可能条件を満たしていないので、充電を停止する。このように、電池電圧が充電可能な範囲内であっても、電池温度が温度条件を満たしていないときは、安全性の観点から充電を停止する。このように、安全性に関わる電池温度に基づく制御を、電池電圧に基づく制御よりも優先させることにより、充電時の安全性を高め、二次電池81の寿命を確実に延ばすことができる。
次に、電池温度がまた下がってきて、時刻t4において電池温度が高温度域T3〜T4の範囲に入り、所定の充電停止解除遅延時間が経過したら、時刻t5において充電を再開し、小電流I1で充電電流を供給する。同時に、LEDをONとして点灯させ、充電中であることを表示する。このように、本実施例に係る充電制御回路50及び充電制御装置100では、電池温度が充電可能な温度域に入った場合でも、高温度域T3〜T4にある場合には、小電流I1で充電を行う。これにより、きめ細かに慎重を期す充電制御を行うことができ、安全性を向上させ、二次電池81の寿命を長持ちさせる適切な充電制御を行なうことができる。
電池温度が下がり続け、時刻t6において電池温度が標準温度域T2〜T3に入ったときには、大電流I2による充電電流制御を開始する。これにより、二次電池81の温度状態が良好な場合には、大電流I2で充電を行うことができ、安全性を考慮しつつ充電効率を高めることができる。
電池電圧が下降し続け、時刻t7で電池温度が低温度域T1〜T2に入ったら、充電電流を小電流I1に切り換える制御を行う。低温度域T1〜T2も、高温度域T3〜T4と同様に小電流I1による充電電流の供給を行う温度領域であるので、充電電流を小電流I1に切り換えて供給する。これにより、低温度域T1〜T2においても、充電の安全性を高めることができる。
電池温度が下降し続け、時刻t8において電池温度が低温度域T1〜T2の下限温度T1以下となり、所定の充電停止検出遅延時間が経過したら、時刻t9において充電電流の供給を停止し、LEDもOFFとして消灯する。充電可能温度範囲を下回った状態であるので、充電を停止し、二次電池81を保護する制御を行う。
電池温度が上昇し、時刻t10において電池温度が低温度域T1〜T2の範囲内に入ったら、所定の充電停止解除遅延時間経過後、時刻t11において充電電流の供給を開始し、LEDを点灯させる。このときの電池温度は、低温度域T1〜T2であるので、小電流I1の充電電流の供給を行う。
電池温度が上昇し続け、時刻t12において電池温度が標準温度域に入ったら、充電電流の供給を大電流I2に切り換え、急速充電を行う。
このように、本実施例に係る充電制御回路50及び充電制御装置100においては、4つの基準温度T1〜T4と、これに対応する4つの閾値電圧V1〜V4を設定し、検出された電池温度がどの温度範囲にあるかによって制御内容を切り換え、電池の安全性を考慮したきめ細かい制御を行うことができる。
また、図3で説明した電池温度に基づく制御も組み合わせた充電制御を行うことにより、更にきめ細かな安全性を充電効率の高い制御を行うことができる。本実施例においては、電池温度に基づく定電流制御も、電池温度に基づく定電流制御も、大電流I2と小電流I1の値を同じとしているので、電池電圧に基づく充電制御と電池温度に基づく充電制御を組合せても、定電流制御の出力は、ロジック部21内の出力の切り換え制御を行うだけで良いので、ロジック回路構成を簡素にすることができる。
なお、図3及び図4において、具体的な電流値や電圧値を例に挙げて説明したが、あくまで一例に過ぎず、用途に応じて種々の設定が可能であることは言うまでもない。本実施例においては、4つの基準温度及びこれに対応する4つの閾値電圧を設定する例について説明したが、もっと多く基準温度及び閾値電圧を設定し、更にきめ細かな充電制御を行うようにしてもよい。また、本実施例においては、電池温度が低温度域T1〜T2と高温度域T3〜T4にあるときには、同じ値の小電流I1を用いたが、電池の特性により、小電流I1の値を、低温度域T1〜T2と高温度域T3〜T4で異なる値としてもよい。これにより、二次電池81の特性に合わせて、更にきめ細かで適切な制御が期待できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
TDET 温度検出端子
10 温度比較部
11、12、13、14 コンパレータ
15 レギュレータ
R0、R1、R2、R3、R4、R5 抵抗
20 制御部
21 ロジック部
22 出力コントロール部
30 電池電圧検出部
40 過熱保護部
50 充電制御回路
60 基板
70 パッケージ
80 電池パック
81 二次電池
82 サーミスタ
90 充電器
100 充電制御装置

Claims (4)

  1. 二次電池の充電を制御する充電制御回路を有する半導体集積回路装置において、
    前記充電制御回路は、前記二次電池の電池温度を検出する温度センサからの検出電圧に対応した温度領域信号を出力する温度比較部と、
    前記温度領域信号に基づき充電電流と充電電圧とを制御する電池温度充電制御と、前記二次電池の電池電圧に基づき定電流充電又は定電圧充電を行う電池電圧充電制御との両方の制御を行う制御部と、
    前記温度比較部において電圧源としての役割を果たすレギュレータと、を備え、
    前記充電制御回路へ供給する電源電圧が入力される電源端子と、
    前記制御部から出力される充電電流と充電電圧とを前記二次電池へ供給し、また前記二次電池の電池電圧が入力される電池端子と、
    前記温度センサからの前記検出電圧が入力され、前記温度比較部に前記検出電圧を供給するための温度検出端子と、
    前記レギュレータからの電圧を基準電圧として出力する基準電圧端子と、を備えるパッケージを更に有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 前記制御部は、ロジック回路を含むロジック部と、前記ロジック部からの出力命令信号に従いこれに応じた充電電流を出力する出力コントロール部とからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路装置。
  3. 前記制御部は、前記充電制御回路の温度が一定温度以上の過熱状態となったときに、前記充電電流を制御する加熱保護制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体集積回路装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の半導体集積回路装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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