JP5347344B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、携帯電話等の電子機器に対して大容量のデータを高速に処理して保存する要求が高まっている。データを保存する不揮発性メモリとしては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等が知られている。
このうち、FeRAMは、キャパシタ誘電体膜として強誘電体膜が形成された強誘電体キャパシタを備えており、その強誘電体膜の自発分極を利用して情報を記憶するものであって、DRAMと比較して動作電圧が低く、高速動作が可能である点で有利である。
そのFeRAMにおいても動作電圧の更なる低電圧化が求められる。低電圧化を実現するには、キャパシタ誘電体膜を薄膜化して強誘電体キャパシタの分極反転電圧を低くする方法がある。
但し、単にキャパシタ誘電体膜を薄膜化し、現状と同じ大きさの電圧を強誘電体キャパシタに印加したのでは、キャパシタ誘電体膜に印加される電界の強さが現状よりも大きくなり、キャパシタ誘電体膜におけるリーク電流が増大するおそれがある。
キャパシタ誘電体膜で発生するリーク電流の原因は、主にキャパシタ誘電体膜中の結晶粒界に存在する空隙であると考えられる。キャパシタ誘電体膜の上に上部電極を形成する際、この空隙に上部電極の材料が埋め込まれ、キャパシタ誘電体膜中にリークパスが形成されると考えられる。
したがって、このような空隙の大きさを小さくすることで、上部電極の材料が空隙中に入り込み難くなり、キャパシタ誘電体膜のリーク電流が低減されることになる。
この点に鑑み、結晶化した第1の強誘電体膜と非晶質の第2の強誘電体膜とをこの順に形成し、これらの積層膜をキャパシタ誘電体膜とする方法が提案されている(特許文献1)。この方法では、第2の強誘電体膜の上に上部電極用の導電膜を形成した後、非晶質の第2の強誘電体膜に対して結晶化アニールを行うことにより、第2の強誘電体膜を結晶化している。
これによれば、第1の強誘電体膜中の空隙が第2の強誘電体膜によって埋め込まれるため、第1の強誘電体膜の空隙が原因で発生するリーク電流を低減できる。しかも、第2の強誘電体膜は、上部電極用の導電膜を形成する際には非晶質であるから、その導電膜の材料が第2の強誘電体膜に入り込み難く、第2の強誘電体膜におけるリーク電流も低減できる。
このように、二層構造のキャパシタ誘電体膜を用いることでリーク電流は改善される。但し、FeRAMの信頼性を更に向上させるには、二層の強誘電体膜を形成することに伴う不具合を調査し、その改善を図ることが求められる。
例えば、上記の第1の強誘電体膜に対してアニールを行うことにより該第1の強誘電体膜に含まれる水分等の不純物を膜外に放出させた後、第1の強誘電体膜の上に第2の強誘電体膜を形成することにより、キャパシタ誘電体膜のスイッチング電荷量を向上させる方法も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法では、アニール行ってから第2の強誘電体膜を形成するまでの間に半導体基板が大気に曝されると、大気中の不純物が第1の強誘電体膜に吸着し、アニールによる不純物放出の実効が図れないおそれがある。
その他に、本願に関連する技術が特許文献3にも開示されている。
特開2006−318941号公報 特開2008−10775号公報 特開平11−54721号公報
強誘電体キャパシタを備えた半導体装置の製造方法において、半導体装置の信頼性を向上させることを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、半導体基板の上方に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜の上に、結晶化した第1の強誘電体膜を形成する工程と、前記第1の強誘電体膜に対して、前記半導体基板の温度を100〜350℃として、第1のアニールを行う工程と、前記第1のアニールの後、前記半導体基板を大気に曝さないように前記第1の強誘電体膜の上に非晶質の第2の強誘電体膜を形成する工程と、前記第2の強誘電体膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、前記第2の導電膜を形成した後、前記第2の強誘電体膜をアニールして結晶化する工程と、前記第1の導電膜、前記第1の強誘電体膜、前記第2の強誘電体膜、及び前記第2の導電膜をパターニングして強誘電体キャパシタを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、第1の強誘電体膜に含まれている大気中の水分等の不純物が、第1のアニールにより膜外に放出される。そのため、この不純物が原因で第2の強誘電体膜と第2の導電膜との界面で膜剥がれが発生するのを防止でき、半導体装置の信頼性を向上させることが可能となる。
(1)調査結果について
本発明の実施の形態の説明に先立ち、本願発明者が強誘電体キャパシタに関して調査について説明する。
まず、その調査に使用したサンプルの作製方法について説明する。
図1〜図2は、サンプルの作製方法を工程順に示す断面図である。
最初に、図1(a)に示すように、シリコン基板1の上にスパッタ法でプラチナ膜を厚さ150nmに形成し、そのプラチナ膜をキャパシタの下部電極用の第1の導電膜3とする。
そして、この第1の導電膜3の上に、第1の強誘電体膜5としてPZT(Pb(Zrx, Ti1-x)O3: 0≦x≦1)膜をRF(Radio Frequency)スパッタ法により厚さ約90nmに形成する。スパッタ法で形成された第1の強誘電体膜5は、成膜直後では非晶質であり、結晶化していない。
そこで、次の工程では、図1(b)に示すように、アニールにより第1の強誘電体膜5を結晶化する。このようなアニールは結晶化アニールと呼ばれ、酸素含有雰囲気となっているRTA(Rapid Thermal Anneal)チャンバにおいて基板温度を575℃として行われる。この結晶化アニールにより、第1の強誘電体膜5の膜中において(111)方向に配向したPZT結晶粒が成長し、第1の強誘電体膜5の残留分極電荷量等の強誘電体特性が高められる。
続いて、図1(c)に示すように、第1の強誘電体膜5の上にスパッタ法でPZT膜を厚さ約30nmに形成し、そのPZT膜を第2の強誘電体膜7とする。
スパッタ法で形成された第2の強誘電体膜7は、成膜の時点では結晶化しておらず、非晶質の状態である。そのため、後の工程において、第2の強誘電体膜7に対する結晶化アニールが必要となる。
但し、第2の強誘電体膜7の成膜温度を100℃以上の高温にすると、その結晶化アニール後の第2の強誘電体膜7中のPZTの配向が(101)方向等にランダムに配向し、強誘電体特性の向上に有利な(111)方向の配向が減少することがある。そのため、第2の強誘電体膜7の成膜温度は150℃以下、例えば50℃とするのが好ましい。
ここで、第2の強誘電体膜7の形成は、理想的には、第1の強誘電体膜5に対する結晶化アニール(図1(b))を行った後に、第1の強誘電体膜5を大気に曝すことなしに行うのが好ましい。このようにすれば、第1の強誘電体膜5の表面に大気中の水分や二酸化炭素等の不純物が吸着するのが防止され、その不純物が原因で第2の強誘電体膜7とその上に後で形成される膜との密着性が低下するのを抑制できる。
しかしながら、実際の量産工程においては、第2の強誘電体膜7を形成するためのスパッタチャンバと、結晶化アニール用のRTAチャンバとが別々の半導体製造装置に設けられている場合がある。その場合は、チャンバ間でシリコン基板1を搬送しなければならず、搬送途中で第1の強誘電体膜5が大気に曝され、その表面に大気中の不純物が吸着してしまう。
その不純物は、製造途中にシリコン基板1に印加される熱によって第1の強誘電体膜5からある程度は離脱するとも考えられる。そのような熱としては、例えば、第2の強誘電体膜7を形成するときの熱がある。
しかしながら、第2の強誘電体膜7は、既述のように50℃程度の低温で形成されるため、第2の強誘電体膜7の形成時に上記の不純物が十分に離脱するとは期待できない。
そこで、本例では、図2(a)に示すように、第2の強誘電体膜7の形成後にアニールを行う。これにより、第1の強誘電体膜5の表面に付着している大気中の不純物10が、第2の強誘電体膜7を通じて外部に脱離し、不純物10が原因で第2の強誘電体膜7とその上に後で形成される膜との密着性が低下するのを防止する。
このアニールは、減圧雰囲気となっているアニールチャンバにおいて基板温度を150℃とし、約60秒間行われる。
次いで、図2(b)に示すように、第2の強誘電体膜7の上に上部電極用の第2の導電膜9としてスパッタ法で酸化イリジウム膜を約50nmの厚さに形成する。
第2の導電膜9を形成する時点では、第2の強誘電体膜7は非晶質で膜中の空隙が非常に小さいため、第2の導電膜9の酸化イリジウムはその空隙に侵入し難く、酸化イリジウムによって第2の強誘電体膜7中にリークパスが形成されるのを防止できる。
その後に、図2(c)に示すように、第2の導電膜9が形成された状態で第2の強誘電体膜7に対して結晶化アニールを行い、非晶質となっていた第2の強誘電体膜7中のPZTを結晶化させる。
この結晶化アニールは、酸素含有雰囲気となっているRTAチャンバにおいて、基板温度を約710℃として約120分間行われる。
また、このように酸素含有雰囲気中において結晶化アニールを行うことで、第2の導電膜9を通じて酸素が第1、第2の強誘電体膜5、7に供給され、これらの強誘電体膜の酸素欠損を補うことも可能となる。
なお、第2の導電膜9を形成する前にこの結晶化アニールを行ったのでは、第2の強誘電体膜7中のPZT結晶粒の間に隙間が大きく形成され、その隙間に第2の導電膜9の酸化イリジウムが入り込んでしまう。そのため、その酸化イリジウムによって第2の強誘電体膜7の膜中にリークパスが形成され、リーク電流の低減を図ることができない。
その後に、図3に示すように、第2の導電膜9の上に上部電極用の第3の導電膜11としてスパッタ法により酸化イリジウム膜を約200nm程度の厚さに形成する。その第2の導電膜11は、第2の導電膜9と共に上部電極を構成し、上部電極の膜厚を稼ぐ役割を担う。
以上により、このサンプルの基本構造が得られた。
上記したサンプルの作製方法によれば、図2(a)で説明したアニールによって第1の強誘電体膜5に含まれていた大気中の不純物が離脱するので、その不純物に起因した膜剥がれは発生しないはずである。
ところが、このサンプルを調査したところ、欠陥が多数見受けられた。
図4は、欠陥検査装置を用いてこのサンプルを検査して得られたウエハマップである。
同図において黒印で示される部分が欠陥を表しており、シリコン基板1には多数の欠陥が発生している。
図5は、これらの欠陥の一つをSEM(Scanning Electron Microscope)により観察して得られた平面図である。
これに示されるように、欠陥は円形状の膨らみを有している。
図6(a)は、この欠陥の断面TEM(Transmission Electron Microscope)像を基にして描いた図である。また、図6(b)は、図6(a)の拡大断面図である。
図6(a)、(b)に示されるように、この欠陥は、第2の強誘電体膜7と第2の導電膜9との界面において発生した膜剥がれであることが明らかとなった。
本願発明者は、図2(a)のアニールを行ったにも関わらずこのような膜剥がれが発生した原因を探るべく、次のような調査を行った。
図7は、この調査で使用されたサンプルの断面図である。
図7に示されるように、このサンプルは、シリコン基板20の上にスパッタ法でPZT膜21を120nmの厚さに形成してなる。
図8は、このPZT膜21に含まれる水の量をTDS(Thermal Desorption Spectroscopy)で測定して得られたグラフである。このグラフの横軸は、測定中の基板温度を示し、縦軸は水イオンの強度を示す。
この調査では、成膜直後で非晶質となっているPZT膜21と、結晶化アニールによって結晶化した後のPZT膜21のそれぞれについて、膜中の水分量が調査された。
この結果、図8に示されるように、結晶化アニールによって結晶化したPZT膜21の方が、成膜直後で非晶質となっている場合よりも水分量が多いことが明らかとなった。
図9は、図8と同じサンプルについて、膜中の二酸化炭素の量をTDS法により調査して得られたグラフである。グラフの縦軸と横軸の意味は図8と同じである。
図9に示されるように、水の場合(図8)と同様に、二酸化炭素の場合でも、結晶化したPZT膜21の方が、非晶質の場合よりも二酸化炭素の量が多い。
このように、水や二酸化炭素等の不純物は、非晶質のPZT膜21よりも、結晶化したPZT膜21から多く発生する。これは、PZT膜21を結晶化したことで、PZTの結晶粒界面に非晶質の場合よりも大きな空隙が形成され、その空隙に大気中の不純物が侵入したためと考えられる。
一方、図1〜図3で説明したサンプルの作製方法では、図2(a)の工程で非晶質の第2の強誘電体膜7に対してアニールをして不純物を脱離させているものの、結晶化した状態の第1の強誘電体膜8に対しては別工程でアニールをしていない。
そのため、第1の強誘電体膜8に吸着した大気中の不純物が膜外に十分に脱離しておらず、これが原因で図6(a)、(b)に示したような膜剥がれが発生したと考えられる。
図10は、その膜剥がれのメカニズムについて示す模式図である。
なお、図10において、図1〜図3で説明したのと同じ要素にはこれらの図面と同じ符号を付し、その説明は省略する。
図10に示されるように、第1の強誘電体膜5に対して結晶化アニールをした後に、該第1の強誘電体膜5に大気中の水分や二酸化炭素等の不純物10が吸着する。
その不純物10は、例えば第2の強誘電体膜7に対する結晶化アニール(図2(c))の熱によって第1の強誘電体膜5から脱離する。脱離した不純物10は、第2の強誘電体膜7を透過して第2の導電膜9の下面に至り、第2の導電膜9と第2の強誘電体膜7とを剥離させると考えられる。
また、酸化イリジウムよりなる第2の導電膜9のストレスが他の膜よりも強いので、これによって膜剥がれが助長されるとも考えられる。
本願発明者は、このような調査結果に鑑み、以下に説明するような本発明の実施の形態を着想した。
(2)第1実施形態
図11〜図24は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。この半導体装置はプレーナ型のFeRAMであり、以下のようにして製造される。
最初に、図11(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、n型又はp型のシリコン(半導体)基板30に素子分離用の溝を形成する。そして、その溝の中に素子分離絶縁膜31を形成し、この素子分離絶縁膜31でトランジスタの活性領域を画定する。このような素子分離構造はSTI(Shallow Trench Isolation)と呼ばれるが、これに代えてLOCOS(Local Oxidation of Silicon)を採用してもよい。
次いで、シリコン基板30の活性領域にp型不純物、例えばボロンを導入してpウェル32を形成した後、活性領域の表面を熱酸化することにより、ゲート絶縁膜33となる熱酸化膜を約6〜7nmの厚さに形成する。
続いて、シリコン基板30の上側全面に、厚さ約50nmの非晶質シリコン膜と厚さ約150nmのタングステンシリサイド膜を順に形成する。なお、非晶質シリコン膜に代えて多結晶シリコン膜を形成してもよい。その後に、フォトリソグラフィとエッチングによりこれらの膜をパターニングして、シリコン基板30上にゲート電極34を形成する。
pウェル32の上には二つのゲート電極34が間隔をおいて略平行に配置され、その各々はワード線の一部となる。
次いで、ゲート電極34をマスクにするイオン注入により、ゲート電極34の横のシリコン基板30にn型不純物としてリンを導入し、第1及び第2のソース/ドレインエクステンション35a、35bを形成する。
その後に、シリコン基板30の上側全面に絶縁膜を形成し、その絶縁膜をエッチバックしてゲート電極34の横に絶縁性スペーサ37として残す。その絶縁膜として、例えばCVD法により酸化シリコン膜を形成する。
続いて、この絶縁性スペーサ37とゲート電極34をマスクにしながら、シリコン基板30に砒素等のn型不純物を再びイオン注入することにより、ゲート電極34の側方のシリコン基板30に第1及び第2のソース/ドレイン領域36a、36bを形成する。このうち、二つのゲート電極34の間の第2のソース/ドレイン領域36bは、ビット線の一部となる。
更に、シリコン基板30の上側全面に、スパッタ法によりコバルト膜等の高融点金属膜を形成する。そして、その高融点金属膜を加熱させてシリコンと反応させることにより、第1及び第2のソース/ドレイン領域36a、36bにおけるシリコン基板30上にコバルトシリサイド層等の高融点シリサイド層38を形成し、各ソース/ドレイン領域36a、36bを低抵抗化する。なお、このような高融点金属シリサイド層は、ゲート電極34の表層にも形成される。
その後に、素子分離絶縁膜31の上等で未反応となっている高融点金属層をウエットエッチングして除去する。
ここまでの工程により、シリコン基板30の活性領域には、ゲート絶縁膜33、ゲート電極34、及び第1、第2ソース/ドレイン領域36a、36b等を有するMOSトランジスタTRが形成されたことになる。
次に、図11(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面に、プラズマCVD法で酸窒化シリコン(SiON)膜を厚さ約200nmに形成し、それをカバー絶縁膜41とする。
更に、TEOS(Tetra ethoxy silane)ガスを使用するプラズマCVD法により、このカバー絶縁膜41の上に第1の層間絶縁膜42として酸化シリコン(SiO2)膜を厚さ約1000nmに形成する。そして、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法で第1の層間絶縁膜42の上面を研磨して平坦化すると共に、第1の層間絶縁膜42の厚さを約785nmとする。
続いて、図11(c)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングによりカバー絶縁膜41と第1の層間絶縁膜42とをパターニングし、第1、第2ソース/ドレイン領域36a、36の上にコンタクトホール42aを形成する。
その後に、図12(a)に示すように、第1、第2ソース/ドレイン領域36a、36と電気的に接続された第1の導電性プラグ43をこれらのコンタクトホール42a内に形成する。
その第1の導電性プラグ43を形成するには、例えば、厚さが約30nmのチタン膜と厚さが約20nmの窒化チタン膜とをグルー膜としてこの順にスパッタ法でコンタクトホール42a内に形成する。そして、このグルー膜の上にCVD法によりタングステン膜を300nm程度の厚さに形成し、このタングステン膜でコンタクトホール42aを完全に埋め込む。その後に、第1の層間絶縁膜42の上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法により研磨して除去し、これらの膜を第1の導電性プラグ43としてコンタクトホール42a内に残す。
このようにして形成された第1の導電性プラグ43は、酸化され易いタングステンを主にしてなるため、酸素含有雰囲気中で容易に酸化してコンタクト不良を引き起こすおそれがある。
そこで、次の工程では、図12(b)に示すように、第1の導電性プラグ43の酸化を防ぐ酸化防止絶縁膜45として、第1の導電性プラグ43と第1の層間絶縁膜42のそれぞれの上にCVD法により酸窒化シリコン膜を厚さ約100nmに形成する。
そして、この酸化防止絶縁膜45の上に、TEOSガスを使用するCVD法で酸化シリコン膜を厚さ約130nmに形成し、この酸化シリコン膜を絶縁性密着膜46とする。
この後に、窒素雰囲気中で基板温度を約650℃とするアニールを絶縁性密着膜46に対して30分間行うことにより、絶縁性密着膜46の脱ガスを行う。
次いで、図12(c)に示すように、絶縁性密着膜46の上に下部電極密着膜47としてスパッタ法によりアルミナ膜を厚さ約20nmに形成する。その後、RTA(Rapid Thermal Anneal)により下部電極密着膜47のアルミナを十分に酸化する。この下部電極密着膜47は、後述のキャパシタ下部電極と絶縁性密着膜46との密着性を向上させるために形成される。
続いて、図13(a)に示すように、スパッタ法により第1の導電膜48としてプラチナ膜を厚さ約150nmに形成する。なお、プラチナ膜に代えて、イリジウム膜、ルテニウム膜、酸化ルテニウム(RuO2)膜、及びSrRuO3膜のいずれかの単層膜、或いはこれらの積層膜を第1の導電膜48として形成してもよい。
ここで、第1の導電膜48を形成する前に下部電極密着膜47を予め形成したので、第1の導電膜48と絶縁性密着膜46との密着力が高められる。
次に、図13(b)に示すように、PZTターゲットを用いるRFスパッタ法により、第1の導電膜48の上に第1の強誘電体膜49としてPZT(Pb(Zrx, Ti1-x)O3: 0≦x≦1)膜を厚さ約90nmに形成する。
第1の強誘電体膜49の成膜温度は特に限定されない。但し、その成膜温度が150℃以上となると、後述の結晶化アニール後の第1の強誘電体膜49中のPZTの配向が(101)方向等にランダムに配向し、強誘電体特性の向上に有利な(111)方向の配向が減少することがある。一方、成膜温度を低温で精度良く制御するのは困難である。これらに鑑み、第1の強誘電体膜49の成膜温度は0℃〜150℃、例えば50℃とするのが好ましい。
また、第1の強誘電体膜49はPZT膜に限定されない。PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir、及びWのいずれかを添加した材料よりなる膜を第1の強誘電体膜49として形成してもよい。更に、(Bi1-xRx)Ti3O12(Rは希土類元素で0<x<1)、SrBi2Ta2O9(SBT)、及びSrBi4Ti4O15等のBi層状化合物の膜を第1の強誘電体膜49として形成してもよい。
更に、第1の強誘電体膜49の成膜方法もスパッタ法に限定されず、ゾル・ゲル法やMOCVD(Metal Organic CVD)法で第1の強誘電体膜49を形成してもよい。
これらの成膜方法のうち、スパッタ法で形成された第1の強誘電体膜49は、成膜直後では結晶化しておらず非晶質であり、強誘電体特性に乏しい。
そこで、次の工程では、図14(a)に示すように、酸素含有雰囲気において第1の強誘電体膜49に対して結晶化アニールを行い、第1の強誘電体膜49中のPZTを結晶化させる。
その結晶化アニールは、酸素濃度が流量比1.25%となるように調整された酸素とアルゴンよりなる雰囲気においてRTAにより行われ、基板温度は約600℃、処理時間は約90秒とされる。
なお、MOCVD法により第1の強誘電体膜49を形成する場合は、第1の強誘電体膜49は成膜の時点で結晶化しているので、上記の結晶化アニールは不要である。
ところで、結晶化アニールの後は、結晶化した第1の強誘電体膜49の上に後続の膜を形成する工程に移るが、その膜を形成するための成膜チャンバが結晶化アニール用のRTAチャンバとは別の半導体製造装置に設けられている場合がある。
その場合は、結晶化アニールの後にRTAチャンバからシリコン基板30を出し、そのシリコン基板30を大気中で搬送して別の半導体装置に移す必要がある。
このとき、第1の強誘電体膜49の表面が大気中の水分や二酸化炭素等の不純物に曝され、これらの不純物が第1の強誘電体膜49の膜中に侵入することになる。
特に、図8及び図9で説明したように、結晶化後のPZT膜は非晶質の場合よりもこれらの不純物を多く吸収する。そして、図10で説明したように、膜中にこのように吸収された不純物が原因で後の工程で膜剥がれが発生してしまう。
このような膜剥がれを防止するため、本実施形態では、図14(b)に示すように、大気中を搬送された後の第1の強誘電体膜49に対して第1のアニールを行い、第1の強誘電体膜49に含まれている不純物を膜外に脱離させる。
そのアニールは、例えば5×10-6〜1×10-3Pa程度の減圧雰囲気において約60秒間行われる。このように減圧下でアニールを行うことにより、第1の強誘電体膜49の膜中の不純物が膜外に脱離され易くなる。
なお、アニール時の基板温度が高すぎると、アニール後にシリコン基板30が自然冷却するまで長時間待たなければならず、量産効率が悪くなる。したがって、第1の強誘電体膜49の結晶化温度(450℃)よりも低い温度、例えば350℃以下の基板温度でこのアニールを行うのが好ましく、本実施形態では150℃で約60秒間アニールを行う。
このアニールチャンバも特に限定されず、デガスチャンバのような加熱用チャンバを使用してもよいし、スパッタチャンバのヒーターステージを流用してアニールを行ってもよい。ヒーターステージを流用する場合、スパッタにより第1の強誘電体膜49の上に膜が不必要に形成されるのを防止するため、チャンバにスパッタパワーを印加しないのが好ましい。或いは、RTAチャンバや炉を用いてこのような第1のアニールを行ってもよい。
また、アニール雰囲気は特に限定されず、非プラズマ雰囲気とプラズマ雰囲気のいずれであってもよい。
但し、アニール雰囲気に水素が含まれていると、水素によって第1の強誘電体膜49が還元されてその強誘電体特性が劣化してしまう。したがって、非プラズマ雰囲気とプラズマ雰囲気のどちらにおいても、水素を排除した雰囲気とするのが好ましく、H2プラズマやNH3プラズマを用いるのは好ましくない。
水素を排除した非プラズマ雰囲気としては、例えば、Ar、N2、及びO2のいずれかがある。非プラズマ雰囲気は、プラズマ雰囲気と比較して第1の強誘電体膜49に与えるダメージが少なく、FeRAMの製造工程に好適である。
一方、プラズマ雰囲気としては、例えば、O2プラズマ又はN2Oプラズマがある。
このうち、O2プラズマによるアニールは、例えばレジストを灰化して除去するためのアッシングチャンバを用いて行われる。この場合、チャンバ内の圧力は例えば133Paとされる。
非プラズマ雰囲気とプラズマ雰囲気のいずれにおいても、雰囲気中に酸素が存在すると、酸素によって第1の強誘電体膜49の酸素欠損を補うことができ、その強誘電体特性が向上するという利点が得られる。
このようにしてアニールした後は、第1の強誘電体膜49に大気中の不純物が再吸着するのを防止するために、第1の強誘電体膜49を大気に曝さずに次の工程を行う。
本実施形態では、第1の強誘電体膜49に対して第1のアニールを行うのに使用したアニールチャンバと同一の半導体製造装置に設けられたRFスパッタチャンバにシリコン基板30を移す。そのRFスパッタチャンバはアニールチャンバと同一の半導体装置に設けられているので、第1の強誘電体膜49が大気に曝されて不純物を吸収してしまうことはない。
そして、図15(a)に示すように、そのRFスパッタチャンバを用いて第1の強誘電体膜49の上にPZT膜を厚さ約10〜30nmに形成し、このPZT膜を第2の強誘電体膜50とする。
第2の強誘電体膜50の膜厚が厚すぎると、第1及び第2の強誘電体膜49、50を合わせた残留分極電荷量(QSW)が低下するので、第1の強誘電体膜49の膜厚の40%以下の厚さに第2の強誘電体膜50を形成するのが好ましい。
第2の強誘電体膜50はPZT膜に限定されない。PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir、及びWのいずれかを添加した材料よりなる膜を第2の強誘電体膜50として形成してもよい。更に、(Bi1-xRx)Ti3O12(Rは希土類元素で0<x<1)、SrBi2Ta2O9(SBT)、及びSrBi4Ti4O15等のBi層状化合物の膜を第2の強誘電体膜50として形成してもよい。
既述のように、スパッタ法で形成されたPZTは成膜直後では結晶化していない。よって、この時点では、第2の強誘電体膜50は非晶質の状態となっている。
また、第1の強誘電体膜49と同様に、0℃〜150℃程度の低い基板温度で第2の強誘電体膜50を形成することで、後述の結晶化アニール後の第2の強誘電体膜50のPZTの配向を(111)方向に揃えるのが好ましい。
0℃〜150℃の範囲のうち、150℃に近い温度で第2の強誘電体膜50を成膜する場合には、成膜時に第1の強誘電体膜49に熱が加わる。そのため、仮に図14(b)の第1のアニールを省いたとしても、本工程において第1の強誘電体膜49から不純物がある程度脱離する。よって、第1のアニールによる不純物脱離の実効を図るには、そのアニール時の基板温度を第2の強誘電体膜50の形成時の基板温度よりも高い温度、例えば150℃以上にするのが好ましい。
但し、減圧雰囲気下で基板温度を水の沸点である100℃以上とすれば、第1の強誘電体膜49から水分や有機物が十分に脱離すると考えられるので、減圧雰囲気で第1のアニールを行うときは、そのときの基板温度を100℃以上としてもよい。
このようにして第2の強誘電体膜50を形成した後は、その上に上部電極用の第2の導電膜を形成する工程に移る。
ところが、その第2の導電膜を成膜するためのチャンバが、上記の第2の強誘電体膜50の形成に使用したチャンバとは別の半導体製造装置に設けられている場合がある。この場合は、第2の強誘電体膜50を形成した後、大気中でシリコン基板30を搬送してその半導体製造装置に移す必要がある。
そのため、搬送途中に第2の強誘電体膜50が大気中の不純物を吸収してしまい、その不純物が原因で膜剥がれが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、図15(b)に示すように、第2の導電膜を成膜するための半導体製造装置にシリコン基板30を搬送した後、その半導体製造装置に設けられているアニールチャンバを利用して第2の強誘電体膜50に対して第2のアニールを行う。これにより、第2の強誘電体膜50の膜中に含まれている水分や二酸化炭素等の不純物が膜外に脱離し、不純物に起因した膜剥がれを防止できる。
この第2のアニールの条件としては、第1の強誘電体膜49に対する第1のアニールと同様の条件を採用し得る。例えば、5×10-6〜1×10-3Pa程度の減圧雰囲気において処理時間を約60秒としてこのアニールを行うことができる。
なお、第2のアニールのときの基板温度が第2の強誘電体膜50の結晶化温度(450℃)よりも高いと、第2のアニールによって第2の強誘電体膜50が結晶化し、その結晶粒界に空隙が形成されてしまう。しかしながら、その空隙に上部電極の材料が後で埋め込まれるとリークパスが形成され、第2の強誘電体膜50のリーク電流が増大してしまう。
そのため、第2のアニール時の基板温度は、第2の強誘電体膜50の結晶化温度よりも低い温度、例えば350℃以下とするのが好ましい。
一方、基板温度が低すぎると不純物脱離の効果が得られないので、100℃以上の基板温度で第2のアニールを行うのが好ましい。
第2のアニールの雰囲気は特に限定されず、Ar、N2、及びO2のいずれかの非プラズマ雰囲気、若しくはO2プラズマ又はN2Oプラズマの雰囲気でこのアニールを行ってよい。
更に、アニールチャンバも特に限定されず、デガスチャンバのような加熱用チャンバを使用してもよいし、スパッタチャンバのヒーターステージを流用してアニールを行ってもよい。或いは、RTAチャンバや炉を用いてアニールを行ってもよい。
この後に、図16(a)に示すように、上記の第2のアニールを行ったアニールチャンバと同一の半導体製造装置に設けられたスパッタチャンバにおいて、非晶質の第2の強誘電体膜50の上にスパッタ法により上部電極用の第2の導電膜51を形成する。
このように第2のアニール時と同一の半導体製造装置を用いるので、第2の導電膜51の形成前に第2の強誘電体膜50が大気に曝されない。よって、大気中の不純物が第2の強誘電体膜50に吸収されず、先に不純物を脱離させるために行った第2のアニールの実益を確保することが可能となる。
但し、第2の強誘電体膜50を大気に曝しても、膜中に取り込まれた不純物による膜剥がれが顕著に発生しない場合には、シリコン基板30を大気中で搬送して第2のアニールとは別の半導体製造装置において第2の導電膜51を形成してもよい。
第2の導電膜51としては、例えば、アルゴンガスと酸素ガスとの混合雰囲気中でイリジウムターゲットをスパッタすることにより、厚さ約50nmの酸化イリジウム膜を形成し得る。
なお、第2の導電膜51の成膜温度は、第1及び第2の強誘電体膜49、50の残留分極電荷量とリーク電流の双方に影響を与える。
例えば、第2の導電膜51の成膜温度が高くなると、リーク電流が増大するのに対し、残留分極電荷量は増大する。これとは逆に、成膜温度が低くなると、リーク電流が減少して残留分極電荷量が増大する。
第2の導電膜51の成膜温度は、残留分極電荷量とリーク電流のどちらを優先させるかにより定められる。本実施形態では、リーク電流の低減を優先させ、室温(20℃)程度の成膜温度で第2の導電膜51を形成する。
既述のように、第2のアニール(図15(b))における基板温度の上限を350℃と低くしたので、アニール後にシリコン基板30が第2の導電膜51の成膜温度に好適な室温まで自然冷却するのに長時間を要せず、半導体装置の量産効率の低下を防止できる。
続いて、図16(b)に示すように、非晶質の第2の強誘電体膜50に対して酸素含有雰囲気中で結晶化アニールを行い、第2の強誘電体膜50中のPZTを結晶化させると共に、その下の第1の強誘電体膜49の結晶性を更に高める。
この結晶化アニールの条件は特に限定されないが、本実施形態では基板温度を約710℃、処理時間を120秒とする。更に、アニール雰囲気として、酸素濃度が流量比で1%に調整された酸素ガスとアルゴンガスとの混合雰囲気を用いる。
この結晶化アニールの初期の時点では第2の強誘電体膜50は結晶化しておらず非晶質なので、第2の導電膜51の酸化イリジウムが第2の強誘電体膜50の結晶粒界に拡散し難い。これにより、拡散した酸化イリジウムが原因で第2の強誘電体膜50の膜中にリークパスが発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、図14(b)と図15(b)の工程において、第1の強誘電体膜49をアニールしてその膜中に含まれていた大気中の不純物を予め脱離させておいた。そのため、第2の強誘電体膜50に対する結晶化アニールの際に、上記の不純物が原因で第2の強誘電体膜50と第2の導電膜51とが膜剥がれを起こすのを防止することが可能となる。
更に、この結晶化アニールにより、第2の導電膜51を通じてアニール雰囲気中の酸素が第2の強誘電体膜50に供給され、第2の強誘電体膜50の酸素欠損が補われるという利点も得られる。このような利点を得るために、第2の導電膜51の厚さは酸素が透過しやすいようになるべく薄く、例えば10〜100nmとするのが好ましい。
但し、このように薄い第2の導電膜51が第2の強誘電体膜50上に形成されただけでは、後のエッチング工程におけるダメージが第2の導電膜51だけで吸収しきれず、第1及び第2の強誘電体膜49、50が劣化するおそれがある。
そこで、次の工程では、図17(a)に示すように、第1及び第2の強誘電体膜49、50を保護するための導電性保護膜52として、第2の導電膜51の上にスパッタ法で酸化イリジウム膜を厚さ約200nmに形成する。
この後に、第1及び第2の強誘電体膜49、50を形成するときにシリコン基板30の裏面に付着したPZTを洗浄して除去する。
続いて、図17(b)に示すように、ハードマスク53としてスパッタ法により窒化チタン膜を厚さ約34nmに形成する。
この窒化チタン膜は、例えば、基板温度を200℃とし、流量が30sccmのアルゴンガスと流量が90nmの窒素ガスとの混合雰囲気中でチタンターゲットをスパッタすることにより形成され得る。
また、ハードマスク53は窒化チタン膜に限定されず、TaN、TiON、TiOx、TaOx、TaON、TiAlOx、TaAlOx、TiAlON、TaAlON、TiSiON、TaSiON、TiSiOx、AlOx、及びZrOxのいずれかよりなる膜をハードマスク53として形成してもよい。
この後に、ハードマスク53の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第1のレジストパターン57を形成する。
次に、図18(a)に示すように、第1のレジストパターン57をマスクにしてハードマスク53を島状にパターニングする。
そして、図18(b)に示すように、島状のハードマスク53をマスクにして第2の導電膜51と導電性保護膜52とをドライエッチングし、エッチングされずに残存するこれらの膜51、52を上部電極63とする。
このようにハードマスク53を用いることで、第1のレジストパターン57のみで各膜51、52をエッチングする場合よりもこれらの膜を綺麗にパターニングすることができる。
この後に、第1のレジストパターン57を除去し、更にハードマスク53をドライエッチングにより除去する。
次いで、図19(a)に示すように、ここまでの工程で第1及び第2の強誘電体膜49、50が受けたダメージを回復させるために、これらの強誘電体膜49、50に対して酸素含有雰囲気中でアニールを行う。
このようなアニールは、回復アニールと呼ばれ、本実施形態では600〜700℃、例えば650℃の基板温度で約40分間行われる。
次に、図19(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第2のレジストパターン58を形成する。
そして、図20(a)に示すように、第2のレジストパターン58をマスクにして第1及び第2の強誘電体膜49、50をドライエッチングする。これにより、これらの強誘電体膜49、50を有するキャパシタ誘電体膜62が上部電極63の下に形成される。
この後に、第2のレジストパターン58は除去される。
なお、第2のレジストパターン58を除去した後に、キャパシタ誘電体膜62に対して回復アニールを行ってもよい。その回復アニールは、酸素含有雰囲気において基板温度を300〜400℃、処理時間を30〜120分として行われる。
次いで、図20(b)に示すように、第1の導電膜48、キャパシタ誘電体膜62、及び上部電極63のそれぞれの上にCVD法又はスパッタ法によりアルミナ膜を20〜50nm程度の厚さに形成し、そのアルミナ膜を第1の水素バリア絶縁膜65とする。
この第1の水素バリア絶縁膜65は、水素や水分等の還元性物質がキャパシタ誘電体膜62に侵入にするのを阻止し、これらの物質によってキャパシタ誘電体膜62が還元されて劣化するのを防止する役割を担う。
そして、酸素含有雰囲気において基板温度400〜600℃、処理時間30〜120分程度の回復アニールをキャパシタ誘電体膜62に対して行う。
その後に、この第1の水素バリア絶縁膜65の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第3のレジストパターン66を形成する。
次に、図21(a)に示すように、第3のレジストパターン66をマスクにして第1の水素バリア絶縁膜65と第1の導電膜48とをドライエッチングし、キャパシタ誘電体膜62の下に下部電極61を形成する。
なお、このドライエッチングでは、下部電極61で覆われていない部分の下部電極密着膜47もエッチングされて除去される。
そして、第3のレジストパターン66を除去した後、基板温度300〜400℃、処理時間30〜60分間の条件でキャパシタ誘電体膜62に対して回復アニールを行う。
ここまでの工程により、シリコン基板30のセル領域に、下部電極61、キャパシタ誘電体膜62、及び上部電極63を有する強誘電体キャパシタQが形成されたことになる。
次いで、図21(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面にスパッタ法又はCVD法によりアルミナ膜を厚さ約20nmに形成し、そのアルミナ膜を第2の水素バリア絶縁膜70とする。
第2の水素バリア絶縁膜70は、第1の水素バリア絶縁膜65と同様に、水素や水分等の還元性物質からキャパシタ誘電体膜62を保護する役割を担う。
この後に、酸素含有雰囲気中において基板温度を500〜700℃、処理時間を30〜60分間とする条件で、キャパシタ誘電体膜62に対して回復アニールを行う。このような回復アニールにより、アニール雰囲気中の酸素によってキャパシタ誘電体膜62の酸素欠損が補われ、キャパシタ誘電体膜62の強誘電体特性が回復する。
次に、図22(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2の水素バリア絶縁膜70の上に、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、第2の層間絶縁膜71として酸化シリコン膜を厚さ約1400nmに形成する。
そして、この第2の層間絶縁膜71の上面をCMP法により研磨して平坦化した後、N2Oプラズマ処理若しくはN2プラズマ処理により第2の層間絶縁膜71を脱水すると共に、その上面を窒化して水分の再吸着を防止する。
この脱水処理の条件は特に限定されないが、例えば、基板温度は約350℃、処理時間は約2分間とされる。
次いで、第2の層間絶縁膜71の上に、スパッタ法又はCVD法により第3の水素バリア絶縁膜72としてアルミナ膜を厚さ約20〜50nmに形成する。
更に、この第3の水素バリア絶縁膜72の上に、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により酸化シリコン膜を厚さ約20〜50nmに形成し、この酸化シリコン膜をキャップ絶縁膜73とする。
次に、図22(b)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより各絶縁膜45、46、65、70〜73をドライエッチングする。これにより、第1の導電性プラグ43の上には第1のホール71aが形成され、キャパシタQの上部電極63と下部電極61の上にはそれぞれ第2及び第3のホール71b、71cが形成される。
この後に、酸素含有雰囲気中で基板温度を400〜600℃、処理時間を30〜120分とする回復アニールを行う。この回復アニールによりキャパシタ誘電体膜62の酸素欠損が補われ、キャパシタ誘電体膜62の強誘電体特性が回復する。
なお、酸素含有雰囲気に代えてオゾン雰囲気でこの回復アニールを行うようにしてもよい。
次いで、図23(a)に示すように、各ホール71a〜71cの内面とキャップ絶縁膜73の上面に、スパッタ法によりグルー膜75として窒化チタン膜を50〜150nm程度の厚さに形成する。
ここで、第1の導電性プラグ43上の第1のホール71aは、他のホール71b、71cよりもアスペクト比が高い。したがって、SIP (Self Ionized Plasma)技術を用いたスパッタ法のように、アスペクト比が高いホールに良好なカバレッジで成膜可能なスパッタ法でこのグルー膜75を形成するのが好ましい。
なお、グルー膜75を形成する前に、不活性雰囲気中又は減圧雰囲気中において第2の層間絶縁膜71をアニールして脱ガスさせてもよい。更に、この脱ガスの後に各ホール71a〜71cの内面をRFエッチングすることにより、第1の導電性プラグ43の上面の自然酸化膜を除去してもよい。
また、グルー膜75は窒化チタン膜に限定されない。窒化チタン膜に代えて、TaN、CrN、HfN、ZrN、TiAlN、TaAlN、TiSiN、TaSiN、CrAlN、HfAlN、ZrAlN、TiON、TaON、CrON、HfON、ZrON、TiAlON、TaAlON、CrAlON、HfAlON、ZrAlON、TiSiON、TaSiON、Ir、Ru、IrOx、RuOxのいずれかよりなる膜をグルー膜75として形成してもよい。更に、Ti膜とTiN膜との積層膜、Ti膜とTaN膜との積層膜、Ta膜とTiN膜との積層膜、Ta膜とTaN膜との積層膜をグルー膜75として形成してもよい。
次に、図23(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、グルー膜75の上にCVD法でタングステン膜76を厚さ約300nmに形成し、そのタングステン膜で各ホール71a〜71cを完全に埋め込む。なお、タングステン膜76に代えてポリシリコン膜を形成してもよい。
そして、キャップ絶縁膜73の上の余分なタングステン膜76とグルー膜75とをCMPにより研磨して除去し、これらの膜を各ホール71a〜71c内のみに第2の導電性プラグ77として残す。
この後に、アルゴンプラズマを用いたエッチングにより第2の導電性プラグ77の上面の自然酸化膜を除去する。
次いで、図24に示すように、第2の導電性プラグ77とキャップ絶縁膜73の上に金属積層膜を形成し、この金属積層膜をパターニングして一層目金属配線78を形成する。
その金属積層膜として、例えば、スパッタ法により厚さ約50nmの窒化チタン膜、厚さ約550nmの銅含有アルミニウム膜、厚さ約5nmのチタン膜、及び厚さ約50nmの窒化チタン膜をこの順に形成する。
更に、この一層目金属配線78の上に、図示のように第3〜第6の層間絶縁膜83〜86と二層目〜五層目金属配線79〜82を交互に積層して多層配線構造を形成する。
そして、最上層の五層目金属配線82の上に、酸化シリコンよりなる第1のパッシベーション膜87と窒化シリコンよりなる第2のパッシベーション膜88をこの順に形成する。
その後、第2のパッシベーション膜88の上にポリイミド塗膜を形成し、それを熱硬化させて保護絶縁膜89とする。
以上により、本実施形態に係る半導体装置の基本構造が完成した。
図25は、上記した半導体装置の製造工程の主要ステップを示すフローチャートである。
これに示されるように、本実施形態では、ステップS1で非晶質の第1の強誘電体膜49を形成し(図13(b))、ステップS2において結晶化アニールにより第1の強誘電体膜49を結晶化する(図14(a))。なお、MOCVD法により成膜時点で既に結晶化している第1の強誘電体膜49を形成する場合は、ステップS2は不要である。
そして、ステップS3において、結晶化した第1の強誘電体膜49に対して第1のアニールを行うことで(図14(b))、第1の強誘電体膜49が吸収した大気中の水分や二酸化炭素等の不純物を脱離させる。
その後、ステップS4に移り、第1の強誘電体膜49の上に非晶質の第2の強誘電体膜50を形成する(図15(a))。
ステップS3とステップS4は、同一の半導体製造装置を用いることにより連続的に処理され、各ステップ間で第1の強誘電体膜49が大気に曝されることはない。
次いで、ステップS5に移り、非晶質の第2の強誘電体膜50に対してアニールを行うことで(図15(b))、第1及び第2の強誘電体膜49、50に残留する大気中の不純物を脱離させる。
そして、ステップS6に移り、第2の強誘電体膜50の上に第2の導電膜51を形成する(図16(a))。
ステップS5とステップS6は、同一の半導体製造装置を用いることにより連続的に処理され、各ステップ間で第2の強誘電体膜50は大気に曝されない。
その後にステップS7において第2の強誘電体膜50に対して結晶化アニールを行う(図16(b))。
このように、本実施形態では、ステップS3(図14(b))において、結晶化した第1の強誘電体膜49に吸着した大気中の不純物を第1のアニールにより脱離させる。これにより、ステップS7の結晶化アニール(図16(b))において、その不純物が原因で第2の強誘電体膜50と第2の強誘電体膜51との界面で膜剥がれが発生するのを防止できる。その結果、膜剥がれに起因した欠陥の数を低減でき、半導体装置の信頼性を向上させることが可能となる。
ところで、不純物を脱離させるアニールとしては、ステップS3の第1のアニール(図14(b))の他に、ステップS5の第2のアニール(図15(b))もある。
上記のように、第1のアニールは、結晶化した第1の強誘電体膜49に対して行うものである。そして、第2のアニールは、非晶質の第2の強誘電体膜50に対して行うものである。
本願発明者は、これらのアニールのうち、どちらのアニールが欠陥の低減に有効なのかについて以下のような調査を行った。
図26は、25枚のシリコン基板30の面内における膜剥がれによる欠陥の数を調査して得られたグラフである。
同図の横軸は、1ロット内におけるウエハ(シリコン基板)の番号を示す。そして、縦軸は、膜剥がれによる欠陥数を示す。
ここで、ハッチング付きのグラフで示されるウエハに対しては、図14(b)の第1のアニールと図15(b)の第2のアニールのどちらも行わなかった。
一方、ハッチングのないグラフに対しては、第2のアニールのみを行い、第1のアニールを行わなかった。
また、25枚のいずれのウエハに対しても、図14(a)のようにして第1の強誘電体膜49に対して結晶化アニールをした後、第1の強誘電体膜49を3時間大気に曝し、その後に第2の強誘電体膜50を形成した。そして、第2の強誘電体膜50を形成した後は、シリコン基板30を大気中に一日放置した。
その結果、図26に示されるように、二つのアニールのいずれも行わないウエハでは、膜剥がれに伴う欠陥が多数発生し、ウエハの中には面内に300個を超える欠陥が発生するものもある。
これに対し、非晶質の第2の強誘電体膜50に対する第2のアニール(図15(b))を行ったウエハでは、アニールを行わない場合よりも欠陥の数が低減している。
次の表1は、この調査に基づいて、ウエハ面内の欠陥数の平均値と標準偏差(σ)とを算出して得られた表である。
Figure 0005347344
これに示されるように、非晶質の第2の強誘電体膜50に対してアニールを行うことで、アニールをしない場合よりも欠陥数の平均値が少なくなる。
但し、第2のアニールを行っても一枚あたり平均で13.4個の欠陥が発生しており、このアニールだけでは十分に欠陥を低減することができない。
図27は、上記の図26で調査したウエハのうち、ウエハ番号が11番のウエハマップである。このウエハマップにおいて、黒印が膜剥がれによる欠陥を示す。
このウエハは、非晶質の第2の強誘電体膜50に対して第2のアニールを行ったものであるが、ウエハ中央部に欠陥が発生している。
図28は、その欠陥の一つをSEMにより観察して得られた平面像である。同図のように、この欠陥は、膜剥がれによって発生した膜の膨らみである。
一方、図29は、本実施形態のように、結晶化した第1の強誘電体膜49に対する第1のアニール(図14(b))と、非晶質の第2の強誘電体膜50に対する第2のアニール(図15(b))の両方を行った場合のウエハマップである。
この調査では、図14(a)のようにして第1の強誘電体膜49に対して結晶化アニールをした後、第1の強誘電体膜49を三日間大気に曝し、その後に図14(b)の第1のアニールを行った。そして、この第1のアニールの後に第2の強誘電体膜50を形成し、シリコン基板30を一旦大気に出した後、更に第2の強誘電体膜50に対して図15(b)の第2のアニールを行った。
図29に示されるように、第1及び第2のアニールの両方を行うと、膜剥がれに伴う欠陥がウエハ面内に発生しなかった。
この結果から、結晶化した第1の強誘電体膜49に対する第1のアニール(図14(b))が、膜剥がれの防止に効果的であることが裏付けられた。
これは、図8及び図9を参照して説明したように、結晶化しているPZTの方が、非晶質のPZTよりも大気中の不純物を吸収し易いため、結晶化したPZTに対してアニールを行った方が不純物の脱離が促進されるためと推測される。
よって、非晶質の第2の強誘電体膜50に対する第2のアニール(図15(b))を省き、結晶化した第1の強誘電体膜49に対する第1のアニール(図14(b))のみを行っても、膜剥がれに伴う欠陥をある程度は低減できると期待される。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
・第1変形例
図30は、本実施形態の第1変形例に係るフローチャートである。
なお、図30において、図25におけるのと同一のステップには図25と同じ番号を付し、以下ではその説明を省略する。
本変形例では、既述のステップS3の前に、結晶化した第1の強誘電体膜49の表面を水洗するステップS8を行う。これ以外は第1実施形態と同じである。
このような水洗により、第1の強誘電体膜49の表面に付着している大気中の不純物が洗浄され、その不純物に起因した膜剥がれを一層抑制することが可能となる。
水洗の方法は特に限定されず、純水が溜められた液槽内に複数のシリコン基板30を一括して浸漬するバッチ式の洗浄装置を用いてもよいし、スピンナー上で回転しているシリコン基板30に純水を滴下して洗浄する枚葉式の洗浄装置を用いてもよい。
バッチ式の洗浄装置を用いる場合、純水中へのシリコン基板30の浸漬時間は例えば30秒とされる。
また、このようにして水洗を行った後は、例えばIPA(isopropyl alcohol)を含有する雰囲気内で第1の強誘電体膜49を乾燥させる。このような乾燥方法はIPA乾燥とも呼ばれる。なお、IPA乾燥に代えて、大気中における自然乾燥や、大気中でシリコン基板30を150℃に加熱する加熱乾燥を行うようにしてもよい。また、乾燥前に、ブラシにより第1の強誘電体膜49上に残留する水を掻き落とすブラシスクラバ処理を行ってもよい。
・第2変形例
図31は、本実施形態の第2変形例に係るフローチャートである。
なお、図31において、図25におけるのと同一のステップには図25と同じ番号を付し、以下ではその説明を省略する。
本変形例では、ステップS3、S4、S6の全てを同一の半導体装置内で連続的に処理することにより、これらのステップの間でシリコン基板30を大気に出さないようにする。
このようにすると、ステップS4において形成された第2の強誘電体膜50が大気に曝されないので、大気中の不純物が第2の強誘電体膜50に吸収されない。そのため、第2の強誘電体膜50中の不純物を第2のアニールにより脱離させるために第1実施形態で行ったステップS5が不要となり、第1実施形態よりも工程の簡略化が図られる。
(3)第2実施形態
第1実施形態ではプレーナ型のFeRAMについて説明した。
これに対し、本実施形態では、下部電極の直下に導電性プラグが形成されるスタック型のFeRAMについて説明する。スタック型のFeRAMは、プレーナ型と比較してキャパシタの占有面積が少なく、高集積化に有利である。
図32〜図43は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
この半導体装置は以下のようにして製造される。
まず、図32(a)に示すように、第1実施形態の図11(a)、(b)の工程に従い、シリコン基板30にMOSトランジスタTRを形成すると共に、そのMOSトランジスタTRをカバー絶縁膜41と第1の層間絶縁膜42で覆う。
次いで、図32(b)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより各絶縁膜41、42にコンタクトホールを形成し、その中に第1の導電性プラグ43を形成する。
第1実施形態で説明したように、この第1の導電性プラグ43はタングステンを主成分にしており、酸素含有雰囲気中で容易に酸化してコンタクト不良を起こし易い。
そこで、次の工程では、図32(c)に示すように、第1の導電性プラグ43の酸化を防止する酸化防止絶縁膜92としてCVD法により酸窒化シリコン膜を厚さ約130nmに形成する。
なお、酸窒化シリコン膜に代えて、窒化シリコン膜やアルミナ膜を酸化防止絶縁膜92として形成してもよい。
更に、この酸化防止絶縁膜92の上に、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により酸化シリコン膜を厚さ約300nmに形成し、この酸化シリコン膜を第2の層間絶縁膜93とする。
そして、フォトリソグラフィとエッチングにより、第1のソース/ドレイン領域36aの上方の各絶縁膜92、93に第1のホール93aを形成し、第1の導電性プラグ43と電気的に接続された第2の導電性プラグ91をその第1のコンタクトホール93a内に形成する。
第2の導電性プラグ91の形成方法は特に限定されない。
本実施形態では、第2の層間絶縁膜93の上面と第1のホール93aの内面に窒化チタン膜とタングステン膜とをこの順に形成し、これらをCMP法により研磨して第1のホール93a内にのみ第2の導電性プラグ91として残す。
そのCMPでは、研磨対象である窒化チタン膜とタングステン膜の研磨速度が下地の第2の層間絶縁膜93の研磨速度よりも速くなるようなスラリ、例えばCabot Microelectronics Corporation製のSSW2000を使用する。そして、第2の層間絶縁膜93の上に研磨残を残さないために、このCMPの研磨量は窒化チタン膜とタングステン膜との合計膜厚よりも厚く設定され、このCMPはオーバー研磨となる。
その結果、第2の導電性プラグ91の上面の高さが第2の層間絶縁膜93のそれよりも低くなり、第2の導電性プラグ91の周囲の第2の層間絶縁膜93にリセスが形成されることがある。そのリセスの深さは20〜50nmであり、典型的には約50nm程度である。
次に、図33(a)に示すように、第2の層間絶縁膜93の表面に対してNH3プラズマ処理を行い、第2の層間絶縁膜93の表面の酸素原子にNH基を結合させる。
このNH3プラズマ処理は、例えば、シリコン基板30に対して約9mm離間した位置に対向電極を有する平行平板型プラズマ処理チャンバを用い、266Paの圧力下で基板温度を400℃とし、チャンバにNH3ガスを350sccmの流量で供給して行われる。この場合、シリコン基板30側に13.56MHzの高周波電力を100Wのパワーで、そして対向電極に350kHzの高周波電力を55Wのパワーで60秒間供給する。
次いで、図33(b)に示すように、第2の層間絶縁膜93と第2の導電性プラグ91のそれぞれの上に下地導電膜94としてスパッタ法によりチタン膜を厚さ100〜300nm、例えば100nmに形成する。
このチタン膜の成膜条件は特に限定されない。本実施形態では、チタンターゲットとシリコン基板30との間隔を60mmに設定したスパッタチャンバにおいて、0.15Paのアルゴン雰囲気下で基板温度を20℃とする。そして、2.6kWのDC電力をスパッタ雰囲気に35秒間印加し、上記のチタン膜を形成する。
また、下地導電膜94はチタン膜に限定されず、タングステン膜、シリコン膜、及び銅膜のいずれかを下地導電膜94として形成してもよい。
ここで、図33(a)の工程で予めNH3プラズマ処理により第2の層間絶縁膜93の表面の酸素原子にNH基を結合させておいたので、下地導電膜94のチタンが酸素原子に捕獲され難くなる。そのため、チタンが第2の層間絶縁膜93の表面を自在に移動でき、(002)方向に自己組織化されたチタンからなる下地導電膜94が得られる。
この後に、窒素雰囲気中で下地導電膜94に対してアニールをし、下地導電膜94のチタンを窒化する。このように窒化により得られた窒化チタンは、後述のPZTを(111)方向に揃えるのに好適は(111)配向となる。
なお、このアニールの条件は特に限定されないが、本実施形態ではRTAにより基板温度を約650℃、処理時間を約60秒としてこのアニールを行う。
ところで、第2の層間絶縁膜93の上面には、図32(c)の工程におけるCMPをオーバー研磨で行ったことにより、第2の導電性プラグ91の周囲に既述のようなリセスが形成されている場合がある。よって、下地導電膜94の上面には、このリセスを反映した凹凸が形成されることがある。
しかしながら、このような凹凸があると、下地導電膜94の上方に後で形成される強誘電体膜の結晶性が劣化するおそれがある。
そこで、次の工程では、図33(c)に示すように、CMP法により下地導電膜94の上面を研磨して平坦化する。このCMPで使用されるスラリは特に限定されないが、本実施形態ではCabot Microelectronics Corporation製のSSW2000を使用する。
このCMPを行った後の下地導電膜94の厚さは、研磨誤差に起因して、シリコン基板30の面内や、複数のシリコン基板30間でばらつく。そのばらつきを考慮して、本実施形態では、研磨時間を制御することによりCMP後の下地導電膜94の厚さの目標値を50〜100nm、より好ましくは50nmとする。
このように下地導電膜94に対してCMPを行った後では、下地導電膜94の上面付近の結晶が研磨によって歪んだ状態となっている。しかし、このように結晶に歪が発生している下地導電膜94の上方にキャパシタの下部電極を形成すると、その歪みを下部電極が拾ってしまって下部電極の結晶性が劣化し、ひいてはその上の強誘電体膜の強誘電体特性が劣化することになる。
このような不都合を回避するため、次の工程では、図34(a)に示すように、下地導電膜94に対してNH3プラズマ処理を行うことにより、下地導電膜94の結晶の歪みがその上の膜に伝わらないようにする。
なお、このNH3プラズマ処理の条件は、図32(a)のNH3プラズマ処理におけるのと同様なので、ここでは省略する。
次に、図34(b)に示すように、上記のNH3プラズマ処理によって結晶の歪みが解消された下地導電膜94の上に、結晶性導電膜95としてスパッタ法によりチタン膜を厚さ約20nmに形成する。更に、窒素雰囲気中で基板温度を650℃、処理時間を60秒とするRTAを結晶性導電膜95に対して行い、結晶性導電膜95を窒化する。
これにより、(111)方向に配向した窒化チタンよりなる結晶性導電膜95が得られる。
結晶性導電膜95は、自身の配向の作用によってその上に後で形成される膜の配向を高める機能の他に、密着膜としての機能も有する。
結晶性導電膜95は窒化チタン膜に限定されない。例えば、20nm程度の薄いイリジウム膜やプラチナ膜等の貴金属膜を結晶性導電膜95として形成してもよい。
次いで、図34(c)に示すように、結晶性導電膜95の上に導電性酸素バリア膜96として窒化チタンアルミニウム(TiAlN)膜を厚さ約100nmに形成する。
この窒化チタンアルミニウム膜は、チタンとアルミニウムの合金よりなるターゲットをアルゴンガスと窒素ガスとの混合雰囲気中でスパッタする反応性スパッタ法により形成され得る。その場合、アルゴンガス流量は約40sccmに設定され、窒素ガス流量は約10sccmとされる。また、圧力は約253.3Pa、基板温度は400℃、スパッタパワーは1.0kWとされる。
次に、図35(a)に示すように、導電性酸素バリア膜96の上にスパッタ法でイリジウム膜を形成し、そのイリジウム膜を第1の導電膜97とする。
このイリジウム膜は、例えば、0.11Paの圧力下、500℃の基板温度で、0.5kWのスパッタパワーで約100nmの厚さに形成される。
なお、第1の導電膜97はイリジウム膜に限定されず、イリジウム膜以外の貴金属膜、例えばプラチナ膜であってもよい。更に、PtO、IrOx、SrRuO3等の導電性酸化金属よりなる膜を第1の導電膜97として形成してもよい。
次いで、図35(b)に示すように、第1の導電膜97の上に、第1の強誘電体膜98としてMOCVD法によりPZT膜を厚さ約100nmに形成する。
そのMOCVD法は次のようにして行われる。
まず、Pb(DPM)2(化学式Pb(C11H19O2)2))、Zr(dmhd)4(化学式Zr(C9H15O2)4)、及びTi(O−iOr)2(DPM)2(化学式Ti(C3H7O)2(C11H19O2)2)のそれぞれをTHF(Tetra Hydro Furan: C4H8O)溶媒中にいずれも0.3mol/lの濃度で溶解し、Pb、Zr、及びTiの各液体原料を作成する。次いで、これらの液体原料をMOCVD装置の気化器にそれぞれ0.326ml/分、0.200ml/分、および0.200ml/分の流量で供給して気化させることにより、Pb、Zr、及びTiの原料ガスを得る。なお、上記の気化器には、各液体原料と共に、流量が0.474ml/分のTHF溶媒も供給される。
更に、上記の原料ガスをチャンバに供給しながら、チャンバ内の圧力を665Paにし、基板温度を620℃に維持する。そして、このような状態を620秒間維持することにより、上記したPZT膜が100nmの厚さに形成される。
MOCVD法により形成された第1の強誘電体膜98は、成膜の時点で結晶化しているので、結晶化アニールは不要である。
なお、第1の強誘電体膜98の成膜方法はMOCVD法に限定されず、スパッタ法、ゾル・ゲル法、有機金属分解(MOD: Metal Organic Deposition)法、CSD(Chemical Solution Deposition)法、及びエピタキシャル成長法で第1の強誘電体膜98を形成してもよい。これらのうち、例えばスパッタ法では、成膜の時点では第1の強誘電体膜98は結晶化していないので、その成膜の後に第1実施形態のように結晶化アニールを行うことになる。
また、第1の強誘電体膜98はPZTに限定されない。PZTにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir、及びWのいずれかを添加した材料よりなる膜を第1の強誘電体膜98として形成してもよい。更に、(Bi1-xRx)Ti3O12(Rは希土類元素で0<x<1)、SrBi2Ta2O9(SBT)、及びSrBi4Ti4O15等のBi層状化合物の膜を第1の強誘電体膜98として形成してもよい。
ところで、この後は、第1の強誘電体膜98の上に後続の膜を形成する工程に移るが、その膜を形成するための成膜チャンバが第1の強誘電体膜98用のMOCVDチャンバとは別の半導体製造装置に設けられている場合がある。
その場合は、第1の強誘電体膜98を形成した後にMOCVDチャンバからシリコン基板30を出し、そのシリコン基板30を大気中で搬送して別の半導体装置に移す必要がある。
このとき、第1の強誘電体膜49の表面が大気中の水分や二酸化炭素等の不純物に曝され、これらの不純物が第1の強誘電体膜49の膜中に侵入することになる。その不純物は、後の工程で膜剥がれが発生する原因となる。
このような膜剥がれを防止するため、本実施形態では、図35(c)に示すように、大気中を搬送された後の第1の強誘電体膜98に対してアニールを行い、第1の強誘電体膜98に含まれている不純物を膜外に脱離させる。
そのアニールは、例えば5×10-6〜1×10-3Pa程度の減圧雰囲気において約60秒間行われる。このように減圧下でアニールを行うことにより、第1の強誘電体膜49の膜中の不純物が膜外に脱離され易くなる。また、アニール時の基板温度は、100〜350℃、例えば150℃とされる。
このアニールに使用されるチャンバは特に限定されず、デガスチャンバのような加熱用チャンバを使用してもよいし、スパッタチャンバのヒーターステージを流用してアニールを行ってもよい。或いは、RTAチャンバや炉を用いてアニールを行ってもよい。
また、アニール雰囲気は特に限定されず、非プラズマ雰囲気とプラズマ雰囲気のいずれであってもよい。
このうち、非プラズマ雰囲気としては、例えば、Ar、N2、及びO2のいずれかがある。一方、プラズマ雰囲気としては、例えば、O2プラズマ又はN2Oプラズマがある。
このようにしてアニールした後は、第1の強誘電体膜98に大気中の不純物が再吸着するのを防止するために、第1の強誘電体膜98を大気に曝さずに次の工程を行う。
本実施形態では、第1の強誘電体膜98をアニールするのに使用したアニールチャンバと同一の半導体製造装置に設けられたRFスパッタチャンバにシリコン基板30を移す。そのRFスパッタチャンバはアニールチャンバと同一の半導体装置に設けられているので、第1の強誘電体膜98が大気に曝されることはない。
そして、図36(a)に示すように、そのRFスパッタチャンバを用いて第1の強誘電体膜98の上にPZT膜を約1〜30nm、例えば20nmに形成し、このPZT膜を第2の強誘電体膜99とする。このようにスパッタ法で形成されたPZTは成膜直後では結晶化していないので、この時点では第2の強誘電体膜99は非晶質となっている。
また、第1実施形態で説明したように、後で結晶化した後の第2の強誘電体膜の配向が(111)方向に揃うようにするため、第2の強誘電体膜99の成膜温度は0℃〜150℃程度であるのが好ましい。
次いで、図36(b)に示すように、第2の強誘電体膜99の上に第2の導電膜100としてスパッタ法で酸化イリジウム膜を厚さ10〜75nm、例えば50nmに形成する。
そのスパッタ法では、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスでイリジウムターゲットをスパッタすることにより、イリジウムターゲットから飛散したイリジウムをスパッタ雰囲気中で酸化し、上記の酸化イリジウム膜を形成する。
このとき、全スパッタガスに占める酸素ガスの割合は、流量比で10〜60%であるのが好ましい。本実施形態では、アルゴンガスと酸素ガスの流量をいずれも100sccmとする。
基板温度については、20〜400℃の範囲内で第2の導電膜100を形成し得る。その範囲内において高温側と低温側のどちらを選択するかは、第1実施形態で説明したように、第1及び第2の強誘電体膜98、99の残留分極電荷量とリーク電流のどちらを優先させるかによる。
第1実施形態ではリーク電流の低減を優先させるべく室温程度の低温で成膜したが、本実施形態では残留分極電荷量を優先させるべく300℃の基板温度で第2の導電膜100を形成する。この場合、スパッタパワーは1〜2kW程度とする。このような条件を採用することで、成膜の時点で結晶化した酸化イリジウム膜が形成される。
300℃程度の高温で第2の導電膜100を成膜すると、その成膜の最中に、第1及び第2の強誘電体膜99、100に含まれる大気中の不純物が成膜雰囲気に脱離する。そのため、本実施形態では、第1実施形態で説明したような第2の強誘電体膜50に対する第2のアニール(図15(b))を行わなくとも、不純物の低減を図ることができる。
但し、不純物の低減の万全を期すために、第1実施形態と同じようにして第2の強誘電体膜100に対してアニールを行ってもよい。
なお、第2の導電膜100は酸化イリジウム膜に限定されない。プラチナ、ルテニウム、ロジウム、レニウム、オスミウム、及びパラジウムのいずれかよりなるスパッタターゲットを用い、これらの金属が酸化する条件でスパッタをすることで、第2の導電膜100を形成してもよい。
続いて、図37(a)に示すように、第2の導電膜100が形成されている状態で第2の強誘電体膜99に対して結晶化アニールを行い、第2の強誘電体膜99のPZTを結晶化させる。
この結晶化アニールは酸素含有雰囲気中で行われるため、アニール雰囲気から第2の強誘電体膜99に酸素が供給され、第2の強誘電体膜99の酸素欠損が補償される。更に、この結晶化アニールによって、第2の導電膜100の形成時に第2の強誘電体膜99が受けたプラズマダメージを回復できるという利点も得られる。
本実施形態では、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガス雰囲気中でRTAによりこのアニールを行う。この場合、全アニール雰囲気中で酸素ガスが占める割合を流量比で1〜50%とする。例えば、酸素ガスの流量を20sccm、アルゴンガスの流量を2000sccmとする。また、処理時間は60秒とし、基板温度は650〜750℃、例えば725℃とする。
この後に、図37(b)に示すように、第2の導電膜100の上にスパッタ法により酸化イリジウム膜を厚さ約100〜300nmに形成し、その酸化イリジウム膜を第1の導電性保護膜101とする。
この第1の導電性保護膜101の成膜条件は特に限定されない。
本実施形態では、スパッタガスとしてアルゴンガスと酸素ガスを使用すると共に、成膜圧力を0.8Paとする。そして、1.0kWのスパッタパワーで成膜時間を79秒とすることで、厚さが約200nmの酸化イリジウムよりなる第1の導電性保護膜101を形成する。
その第1の導電性保護膜101の膜中で酸素が不足すると、還元作用のあるイリジウムが第1の導電性保護膜101で占める割合が増えてしまう。こうなると、水分等が第1の導電性保護膜101で還元されて水素となり、その水素によって第1及び第2の強誘電体膜98、99が劣化するおそれがある。
そのため、第1の導電性保護膜101の酸化イリジウムとして、その組成が酸化イリジウムの化学量論的組成(IrO2)になるべく近いものを用いることで、膜中でイリジウムが占める割合を低減し、水素による強誘電体膜98、99の劣化を防止するのが好ましい。その酸化イリジウムの組成は、スパッタガス中の酸素ガスの流量比を調節することである程度制御できる。
なお、第1の導電性保護膜101の材料は酸化イリジウムに限定されない。酸化イリジウムに代えて、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、レニウム、オスミウム、及びパラジウムのいずれかの膜、又はこれらの酸化物よりなる膜、若しくはSrRuO3膜のいずれかの単層膜又はこれらの積層膜を第1の導電性保護膜101として形成してもよい。
次に、図38(a)に示すように、第1の導電性保護膜101の上に第2の導電性水素バリア膜102としてイリジウム膜をスパッタ法で厚さ約100nmに形成する。
そのスパッタ法では、スパッタガスとしてアルゴンガスを使用すると共に、成膜圧力を1Pa、スパッタパワーを1.0kWとする。
なお、イリジウム膜に代えて、プラチナ膜或いはSrRuO3膜を第2の導電性水素バリア膜102として形成してもよい。
この後に、第1及び第2の強誘電体膜98、99を形成するときにシリコン基板30の裏面に付着したPZTを洗浄して除去する。
次に、図38(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2の導電性水素バリア膜102の上にスパッタ法で窒化チタン膜を形成し、その窒化チタン膜を第1のハードマスク103とする。
第1のハードマスク103は窒化チタン膜に限定されない。窒化チタンアルミニウム膜、窒化タンタルアルミニウム(TaAlN)膜、窒化タンタル(TaN)膜のいずれかの単層膜或いはこれらの積層膜を第1のハードマスク103として形成してもよい。
そして、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、第1のハードマスク103の上に第2のハードマスク104として酸化シリコン膜を形成する。
その後に、フォトリソグラフィとエッチングにより第1及び第2のハードマスク103、104をパターニングし、これらのマスクを図示のような島状とする。
次いで、図39(a)に示すように、HBr、O2、Ar、及びC4F8の混合ガスをエッチングガスとするプラズマエッチングにより、第1及び第2のハードマスク103、104で覆われていない部分の各膜97〜102をドライエッチングする。
これにより、第1の導電膜97と第2の導電膜100がそれぞれ下部電極97a及び上部電極100aとなり、第1及び第2の強誘電体膜98、99がキャパシタ誘電体膜98aとなる。
ここまでの工程により、シリコン基板30のセル領域に、下部電極97a、キャパシタ誘電体膜98a、及び上部電極100aを備えた強誘電体キャパシタQが形成されたことになる。
次いで、図39(b)に示すように、ドライエッチング又はウエットエッチングにより第2のハードマスク104を除去する。
そして、図40(a)に示すように、キャパシタQで覆われていない部分の下地導電膜94、結晶性導電膜95、及び導電性酸素バリア膜96をドライエッチングして除去する。
このエッチングは、例えば、ダウンフロー型プラズマエッチングチャンバを用い、流量比で5%のCF4ガスと95%のO2ガスとの混合ガスをエッチングガスとして行われる。また、チャンバの上部電極には周波数が2.45GHzでパワーが1400Wの高周波電力が供給され、基板温度は200℃とされる。
なお、第1のハードマスク103は、このエッチングでは除去されず、キャパシタQの上に残存する。
続いて、図40(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面に第1の水素バリア絶縁膜110としてスパッタ法でアルミナ膜を厚さ約20nmに形成する。なお、スパッタ法に代えて、MOCVD法により厚さ約2〜5nmのアルミナ膜を形成するようにしてもよい。
その後に、ここまでの工程でキャパシタ誘電体膜98aが受けたダメージを回復させる目的で、酸素含有雰囲気中でキャパシタ誘電体膜98aに対して回復アニールを施す。この回復アニールの条件は特に限定されないが、本実施形態では、炉内において基板温度550〜700℃、例えば600℃として行われる。
また、この回復アニールによって、上部電極100aの上に残存する窒化チタンよりなる第1のハードマスク103も酸化する。このように酸化された第1のハードマスク103では、その上層の酸素含有量が下層におけるよりも多くなる。
続いて、図41(a)に示すように、第1の水素バリア絶縁膜110の上に第2の水素バリア絶縁膜111としてMOCVD法によりアルミナ膜を厚さ約38nmに形成する。
第1及び第2の水素バリア絶縁膜110、111は、水素や水分等の還元性物質の透過を阻止する機能に優れたアルミナよりなり、還元性物質によってキャパシタ誘電体膜が還元されてその強誘電体特性が劣化するのを防止する役割を担う。
そのような機能を有する膜としては、アルミナ膜の他に、酸化チタン膜、酸化タンタル膜、酸化ジルコニウム膜、窒化アルミニウム膜、窒化タンタル膜、及び酸窒化アルミニウム膜があり、これらのいずれかを第1及び第2の水素バリア絶縁膜110、111として形成してもよい。
次に、図41(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2の水素バリア絶縁膜111の上にプラズマCVD法により酸化シリコン膜を厚さ約1500nmに形成し、その酸化シリコン膜を第3の層間絶縁膜112とする。そのプラズマCVD法では、例えば、TEOSガスと酸素ガスとヘリウムガスとの混合ガスが成膜ガスとして使用される。
その後に、この第3の層間絶縁膜112の上面をCMP法により研磨して平坦化する。
次いで、N2Oプラズマ又はN2プラズマの雰囲気において第3の層間絶縁膜112をアニールすることにより、第3の層間絶縁膜112を脱水すると共に、その上面を窒化して水分の再吸着を防止する。
次に、第3の層間絶縁膜112の上に、スパッタ法又はMOCVD法により第3の水素バリア絶縁膜113としてアルミナ膜を厚さ約20〜100nmに形成する。
更に、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、この第3の水素バリア絶縁膜113の上に酸化シリコン膜を厚さ約800〜1000nmに形成し、この酸化シリコン膜をキャップ絶縁膜114とする。
なお、酸化シリコン膜に代えて、酸窒化シリコン膜又は窒化シリコン膜をキャップ絶縁膜114として形成してもよい。
次いで、図42(a)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより各絶縁膜110〜114をパターニングし、上部電極100aの上方のこれらの絶縁膜に第2のホール112aを形成する。
そして、ここまでの工程でキャパシタ誘電体膜98aが受けたダメージを回復させるために、酸素含有雰囲気中で基板温度を約450℃として回復アニールを行う。
次に、図42(b)に示すように、フォトリソグラフィとエッチングにより、第2のソース/ドレイン領域36bの上方の各絶縁膜92、93、110〜114に第3のホール112bを形成する。
その後に、アニールにより第3の層間絶縁膜113等を脱水する。そのアニールは、第3のホール112bから露出している第1の導電性プラグ43の酸化を防ぐために、不活性ガス雰囲気中又は減圧雰囲気中で行うのが好ましい。
次に、図43に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、RFエッチングにより各ホール112a、112bの内面をエッチングして清浄化する。
そして、各ホール112a、112bの内面とキャップ絶縁膜114の上面に、グルー膜としてスパッタ法により窒化チタン膜を厚さ約125nmに形成する。
なお、第2のソース/ドレイン領域36bの上方の第3のホール112bのアスペクト比は第2のホール112aよりも高い。よって、第1実施形態で説明したSIP(Self Ionized Plasma)技術を用いたスパッタ法を用いることで、各ホール112a、112b内にカバレッジの良好なグルー膜を形成するのが好ましい。
なお、グルー膜は窒化チタン膜に限定されない。窒化チタン膜に代えて、TaN、CrN、HfN、ZrN、TiAlN、TaAlN、TiSiN、TaSiN、CrAlN、HfAlN、ZrAlN、TiON、TaON、CrON、HfON、ZrON、TiAlON、TaAlON、CrAlON、HfAlON、ZrAlON、TiSiON、TaSiON、Ir、Ru、IrOx、RuOxのいずれかよりなる膜をグルー膜として形成してもよい。更に、Ti膜とTiN膜との積層膜、Ti膜とTaN膜との積層膜、Ta膜とTiN膜との積層膜、Ta膜とTaN膜との積層膜をグルー膜として形成してもよい。
そして、このグルー膜の上にCVD法でタングステン膜を厚さ約300nmに形成し、そのタングステン膜で各ホール112a、112bを完全に埋め込む。なお、タングステン膜に代えて銅膜を形成してもよい。
そして、キャップ絶縁膜114の上面の余分なタングステン膜とグルー膜とをCMP法により研磨して除去し、これらの膜を各ホール112a、112b内に第3及び第4の導電性プラグ116、117として残す。
これらの導電性プラグのうち、第3の導電性プラグ116は、キャパシタQの上部電極100aと電気的に接続される。一方、第4の導電性プラグ117は、第2のソース/ドレイン領域36bの上の第1の導電性プラグ43と電気的に接続される。
各導電性プラグ116、117の構造は特に限定されない。例えば、上記のタングステン膜を更にエッチバックしてその上面を各ホール112a、112bの途中の深さにまで下げ、更にその上に銅膜を形成することで、ホール112a、112bの上部を銅膜で充填するようにしてもよい。その場合、タングステンに代えてポリシリコン膜を形成してもよい。
次いで、導電性プラグ116、117の上面の自然酸化膜を除去するために、該上面をアルゴンプラズマのスパッタエッチングによりエッチングする。
そして、導電性プラグ116、117とキャップ絶縁膜114のそれぞれの上にスパッタ法で金属積層膜を形成し、それをパターニングして一層目金属配線115を形成する。
その金属積層膜として、例えば、厚さ約50nmの窒化チタン膜、厚さ約550nmの銅含有アルミニウム膜、厚さ約5nmのチタン膜、及び厚さ約50nmの窒化チタン膜をこの順に形成する。
この後は、二層目〜五層目金属配線と層間絶縁膜とを交互に積層して多層配線構造を得るが、その詳細については省略する。
以上説明した本実施形態では、図35(c)を参照して説明したように、結晶化した第1の強誘電体膜98に対してアニールを行う。結晶化した強誘電体膜は非晶質の膜よりも大気中の二酸化炭素や水分等の不純物を吸収し易い。その不純物は上記のアニールによって第1の強誘電体膜98から脱離される。これにより、不純物が原因で第2の強誘電体膜99と第2の導電膜100との界面で膜剥がれが発生するのが防止され、強誘電体キャパシタQを備えた半導体装置の信頼性が向上する。
以下に、本発明の諸態様を付記にまとめる。
(付記1) 半導体基板の上方に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜の上に、結晶化した第1の強誘電体膜を形成する工程と、
前記第1の強誘電体膜に対して第1のアニールを行う工程と、
前記第1のアニールの後、前記半導体基板を大気に曝さないように前記第1の強誘電体膜の上に非晶質の第2の強誘電体膜を形成する工程と、
前記第2の強誘電体膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、
前記第2の導電膜を形成した後、前記第2の強誘電体膜をアニールして結晶化する工程と、
前記第1の導電膜、前記第1の強誘電体膜、前記第2の強誘電体膜、及び前記第2の導電膜をパターニングして強誘電体キャパシタを形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2) 前記第1のアニールにおける基板温度を、前記第2の強誘電体膜を形成するときの基板温度よりも高くすることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3) 前記第1のアニールにおける基板温度を、前記第1の強誘電体膜の結晶化温度よりも低くすることを特徴とする付記1又は付記2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4) 前記第1のアニールにおける基板温度を150℃〜350℃とすることを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記5) 前記第1のアニールを、水素が排除された雰囲気内で行うことを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6) 前記第1のアニールを、酸素が含まれる雰囲気内で行うことを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記第1のアニールを、O2プラズマ又はN2Oプラズマの雰囲気内で行うことを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記8) 前記第1のアニールを、Ar、N2、及びO2の非プラズマ雰囲気内で行うことを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記第1のアニールの前に、前記第1の強誘電体膜の表面を水洗する工程を更に有することを特徴とする付記1〜8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記第2の強誘電体膜を形成する工程の後であって、前記第2の導電膜を形成する工程の前に、前記第2の強誘電体膜に対して第2のアニールをする工程を更に有することを特徴とする付記1〜付記9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記11) 前記第2のアニールにおける基板温度を、前記第2の強誘電体膜の結晶化温度よりも低くすることを特徴とする付記10に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12) 前記第2のアニールの後、前記第2の強誘電体膜を大気に曝すことなしに、前記第2の導電膜を形成する工程に移ることを特徴とする付記10又は付記11に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13) 前記第1のアニールを行う工程、前記第2の強誘電体膜を形成する工程、及び前記第2の導電膜を形成する工程の各々を同一の半導体製造装置で行うことにより、これらの工程間で前記半導体基板を大気に曝さないようにすることを特徴とする付記1〜9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記14) 前記結晶化した第1の強誘電体膜を形成する工程は、非晶質の前記第1の強誘電体膜を形成する工程と、前記第1の強誘電体膜をアニールして結晶化させる工程とを有することを特徴とする付記1〜13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記15) 前記結晶化した第1の強誘電体膜を形成する工程は、MOCVD法により成膜の時点で結晶化した強誘電体膜を形成することにより行われることを特徴とする付記1〜13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記16) 前記第1の強誘電体膜と前記第2の強誘電体膜の少なくとも一方を、0℃〜150℃の基板温度でスパッタ法により形成することを特徴とする付記1〜13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記17) 前記第1のアニールを行う工程の前に、前記第1の強誘電体膜が大気に曝されることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
図1(a)〜(c)は、調査に使用したサンプルの作製方法を工程順に示す断面図(その1)である。 図2(a)〜(c)は、調査に使用したサンプルの作製方法を工程順に示す断面図(その2)である。 図3は、調査に使用したサンプルの作製方法を工程順に示す断面図(その3)である。 図4は、欠陥検査装置を用いてサンプルを検査して得られたウエハマップである。 図5は、図4の欠陥の一つをSEMにより観察して得られた平面図である。 図6(a)は、図5の欠陥の断面TEM像を基にして描いた図であり、図6(b)は、図6(a)の拡大断面図である。 図7は、TDSによる調査に使用されたサンプルの断面図である。 図8は、PZT膜に含まれる水の量をTDSで測定して得られたグラフである。 図9は、図8と同じサンプルについて、PZT膜の膜中の二酸化炭素の量をTDS法により調査して得られたグラフである。 図10は、膜剥がれのメカニズムについて示す模式図である。 図11(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図12(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図13(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図14(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図15(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図16(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その6)である。 図17(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その7)である。 図18(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その8)である。 図19(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その9)である。 図20(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その10)である。 図21(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その11)である。 図22(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その12)である。 図23(a)、(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その13)である。 図24は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その14)である。 図25は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程の主要ステップを示すフローチャートである。 図26は、25枚のシリコン基板の面内における膜剥がれによる欠陥の数を調査して得られたグラフである。 図27は、図26で調査したウエハのなかの一枚のウエハマップである。 図28は、図26の欠陥の一つをSEMにより観察して得られた平面像である。 図29は、第1のアニールと第2のアニールの両方を行った場合のウエハマップである。 図30は、本発明の第1実施形態の第1変形例に係るフローチャートである。 図31は、本発明の第1実施形態の第2変形例に係るフローチャートである。 図32(a)〜(c)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その1)である。 図33(a)〜(c)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その2)である。 図34(a)〜(c)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その3)である。 図35(a)〜(c)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その4)である。 図36(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その5)である。 図37(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その6)である。 図38(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その7)である。 図39(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その8)である。 図40(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その9)である。 図41(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その10)である。 図42(a)、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その11)である。 図43は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図(その12)である。
符号の説明
1、20、30…シリコン基板、3…第1の導電膜、5…第1の強誘電体膜、7…第2の強誘電体膜、10…不純物、11…第3の導電膜、21…PZT膜、31…素子分離絶縁膜、32…pウェル、33…ゲート絶縁膜、34…ゲート電極、35a、35b…第1、第2のソース/ドレインエクステンション、36a、36b…第1、第2のソース/ドレイン領域、37…絶縁性スペーサ、38…高融点シリサイド層、41…カバー絶縁膜、42…第1の層間絶縁膜、42a…コンタクトホール、43…第1の導電性プラグ、45…酸化防止絶縁膜、46…絶縁性密着膜、47…下部電極密着膜、48…第1の導電膜、49…第1の強誘電体膜、50…第2の強誘電体膜、51…第2の導電膜、52…導電性保護膜、53…ハードマスク、57…第1のレジストパターン、61…下部電極、62…キャパシタ誘電体膜、63…上部電極、65…第1の水素バリア絶縁膜、70…第2の水素バリア絶縁膜、71…第2の層間絶縁膜、71a〜71c…第1〜第3のホール、72…第3の水素バリア絶縁膜、73…キャップ絶縁膜、75…グルー膜、76…タングステン膜、77…第2の導電性プラグ、78〜62…一層目〜五層目金属配線、83〜86…第3〜第6の層間絶縁膜、87、88…第1、第2のパッシベーション膜、91…第2の導電性プラグ、92…酸化防止絶縁膜、93…第2の層間絶縁膜、93a…第1のホール、94…下地導電膜、95…結晶性導電膜、96…導電性酸素バリア膜、97…第1の導電膜、98…第1の強誘電体膜、99…第2の強誘電体膜、100…第2の導電膜、101…第1の導電性保護膜、102…第2の導電性水素バリア膜、103…第1のハードマスク、104…第2のハードマスク、110…第1の水素バリア絶縁膜、111…第2の水素バリア絶縁膜、112…第3の層間絶縁膜、112a、112b…第2、第3のホール、113…第3の水素バリア絶縁膜、114…キャップ絶縁膜、115…一層目金属配線、116、117…第3、第4の導電性プラグ。

Claims (5)

  1. 半導体基板の上方に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜の上に第1の導電膜を形成する工程と、
    前記第1の導電膜の上に、結晶化した第1の強誘電体膜を形成する工程と、
    前記第1の強誘電体膜に対して、前記半導体基板の温度を100〜350℃として、第1のアニールを行う工程と、
    前記第1のアニールの後、前記半導体基板を大気に曝さないように前記第1の強誘電体膜の上に非晶質の第2の強誘電体膜を形成する工程と、
    前記第2の強誘電体膜の上に第2の導電膜を形成する工程と、
    前記第2の導電膜を形成した後、前記第2の強誘電体膜をアニールして結晶化する工程と、
    前記第1の導電膜、前記第1の強誘電体膜、前記第2の強誘電体膜、及び前記第2の導電膜をパターニングして強誘電体キャパシタを形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1の強誘電体膜を形成する工程は、スパッタ法により前記第1の強誘電体膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1のアニールの前に、前記第1の強誘電体膜の表面を水洗する工程を更に有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第2の強誘電体膜を形成する工程の後であって、前記第2の導電膜を形成する工程の前に、前記第2の強誘電体膜に対して第2のアニールをする工程を更に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1のアニールを行う工程、前記第2の強誘電体膜を形成する工程、及び前記第2の導電膜を形成する工程の各々を同一の半導体製造装置で行うことにより、これらの工程間で前記半導体基板を大気に曝さないようにすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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