JP5346225B2 - 高触感防汚樹脂組成物及び被膜形成品 - Google Patents

高触感防汚樹脂組成物及び被膜形成品 Download PDF

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Description

本発明は、汚れが除去しやすい防汚性能と、手触り感や肌触り感が良い高触感性能(上質感)とを長く維持できる被膜を形成することができる高触感防汚組成物、及びこのような被膜を形成した被膜形成品に関するものである。
住宅の内装設備部材(キッチン、バス、トイレなど)や家電商品を中心に、水垢や湯垢、手垢、汗など汚れが付着し難く、除去し易いといった防汚機能を表面に保持した製品への要求が高くなってきている。このような製品の防汚機能は防汚性の被膜で表面を被覆することによって形成することができるものであり、このような防汚性被膜を形成するためのコーティング材の開発が盛んに行なわれている(例えば特許文献1等参照)。
一方、触感塗料(俗称ソフトフィール塗料)といわれるものが提供されている。この触感塗料を製品の表面に塗装することによって、手を触れた際の手触り感がよいという触感性能を表面に付与することができるものである。しかし従来の触感塗料は、触感性能を付与することができるだけであり、使用頻度により手垢や汚れなどが付着すると、触感性能を維持することができなくなり、また汚れを除去することが難しいという問題があった。
特開2003−49111号公報
上記のように、防汚性能を有する被膜や、高触感性能を有する被膜は従来から提供されているが、高触感性能と防汚性能の両方を備える被膜はいまだ実用化されていないのが、現状である。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高触感性能と防汚性能の両方を備えた被膜を形成することができる高触感防汚樹脂組成物を提供することを目的とするものであり、また高触感防汚性の表面を有する被膜形成品を提供することを目的とするものである。
本発明に係る高触感防汚樹脂組成物は、フルオロオレフィンからなる単位を含むと共にOH価で100mg(KOH/g樹脂)を超えて230mg(KOH/g樹脂)を超えない量の反応に寄与する水酸基を有するアクリルポリオールと、高分子微粒子と、イソシアネート樹脂とを含有し、高分子微粒子は、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系から選ばれる材料からなり、平均粒子径が10μmを超えて20μmを超えないと共に、かつ含有量が組成物の全樹脂固形分に対して20質量%を超えて40質量%を超えないことを特徴とするものである。
本発明によれば、水酸基と反応するイソシアネート樹脂でアクリルポリオールを架橋することによって、高い硬度を保持した被膜を形成することができると共に、フルオロオレフィンとして含まれるフッ素によって、高い撥水・撥油性を有して防汚性を発揮する被膜を形成することができるものである。また高分子微粒子として、上記のようにアクリル系、ウレタン系、シリコン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系から選ばれる材料のものを用い、粒子径や含有量を上記の範囲に設定することによって、高触感性能を有する被膜を形成することができるものである。
また本発明において、上記アクリルポリオールは、式(1)、(2)に示すポリシロキサン骨格を有するシリコン基のうち少なくとも一方を側鎖に有するものであることを特徴とするものである。
Figure 0005346225
(式(1)中、R,R,R,R及びRは水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは2以上の整数である。
式(2)中、R,R,R,R及びR10は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。pは0〜10の整数、qは2以上の整数である。)
このように式(1)、(2)のポリシロキサン骨格を有することによって、撥水・撥油性を高めて防汚性を向上することができ、さらに高分子微粒子との組み合わせでさらさらでかつしっとりとした触感を保持させることができ、触感性能を向上することができるものである。
また本発明は、ジメチルポリシロキサン樹脂を、組成物の全樹脂固形分に対して20質量%超えない範囲で含有することを特徴とするものである。
このジメチルポリシロキサン樹脂としては、式(3)に示すものを用いることができる。
Figure 0005346225
(式(3)中、Yはメチル基または水酸基であり、互いに同一でも異なってもよい。nは1〜40の整数である)
このようにジメチルポリシロキサン樹脂を含有することによって、撥水・撥油性を高めて防汚性をさらに向上することができ、また高分子微粒子との組み合わせで触感性能をさらに向上することができるものである。
また本発明に係る被膜形成品は、基材の最表層に、上記の高触感防汚樹脂組成物からなる被膜が形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、高触感性能と防汚性能の両方を備えた被膜で、高触感防汚性の表面を有する被膜形成品を得ることができるものである。
また本発明において、上記被膜は、「平均動摩擦係数」/「平均動摩擦係数の変動(平均偏差)」の値が4を超えるものであることを特徴とするものである。
被膜の動摩擦係数に関するこの値が4を超えることによって、高触感を人に与えることができるものである。
本発明によれば、水酸基と反応するイソシアネート樹脂でアクリルポリオールを架橋することによって、高い硬度を保持した被膜を形成することができると共に、フルオロオレフィンとして含まれるフッ素によって、高い撥水・撥油性を有して防汚性を発揮する被膜を形成することができるものである。また高分子微粒子として、上記のようにアクリル系、ウレタン系、シリコン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系から選ばれる材料のものを用い、粒子径や含有量を上記の範囲に設定することによって、高触感性能を有する被膜を形成することができるものである。
この結果、高触感性能と防汚性能の両方を備えた被膜を形成することができ、また高触感防汚性の表面を有する被膜形成品を得ることができるものであり、汚れが付着してもこの汚れ容易に除去することができ、触感性能を高く維持することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において用いるアクリルポリオールは、樹脂の分子骨格にフルオロオレフィンからなる単位を含むものである。このフルオロオレフィンの例としては、次の式(4)〜(7)のフルオロアルキル基が挙げられるものであり、アクリルポリオールの合成時にアクリルポリオール骨格に結合させることができる。
―(CF―CF)― (4)
―(CF―CFH)― (5)
―(CF―CH)― (6)
―(CFH―CH)― (7)
このフルオロオレフィンによって、アクリルポリオールにフッ素を含有させることができるものである。フッ素の量が多くなればなるほど、得られる被膜の撥水性能の持続性は向上していくものであり、所望する防汚性を得るためにフッ素の含有量は、アクリルポリオール(側鎖を含む)中、1質量%を超えるように設定するのが好ましい。しかし、フッ素の含有量が多くなるとアクリルポリオールの溶剤や他の樹脂との相溶性は低下していく傾向になるため、フッ素の含有量は60質量%以下であることが好ましく、フッ素の含有量のより好ましい範囲は5〜60質量%である。
またアクリルポリオールにおける反応性水酸基の量は、OH価(水酸基価)が100mg(KOH/g樹脂)を超えて230mg(KOH/g樹脂)を超えない範囲に設定されるものである。アクリルポリオールにおいて水酸基はイソシアネート樹脂のイソシアネート基と反応して架橋する架橋部位となるものであり、OH価が100mg(KOH/g樹脂)以下であると、被膜の架橋密度が低下し、高い硬度で被膜を形成することができなくなる場合があり、逆に水酸基価が230mg(KOH/g樹脂)を超えると、硬い被膜を得ることができるが、被膜クラックが発生したり、樹脂組成物の塗料可使時間が短くなったりする場合がある。
本発明において用いるアクリルポリオールは、分子骨格の側鎖に、上記の式(1)、(2)に示すポリシロキサン骨格を有したシリコン基を有していてもよい。式(1)、(2)に示すポリシロキサン骨格を有したシリコン基のうち、いずれか一方を有する他、両方を有してもよい。式(1),式(2)において、R〜R10は、互いに同一であっても異なっていてもよい水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基を挙げることができる。これらの炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。なかでも、好ましくはメチル基またはエチル基である。また式(1),式(2)のn及びqは2以上の整数であり、上限は特に設定されないが、nやqは30以下であることが好ましい。
アクリルポリオールにおいて、式(1)や式(2)で表されるジメチルシリコン基が撥水・撥油基となって、撥水・撥油性より高く発現されるものである。また後述の高分子微粒子との組み合わせによる効果で、さらさらでかつしっとりとした触感を保持した被膜を形成することができるものである。
ここで、式(1)や式(2)で表されるシリコン基は、アクリルポリオール(側鎖も含む)中に1質量%以上含有されているのが好ましく、10〜70質量%の範囲で含有されているのがより好ましい。アクリルポリオール中のシリコン基の含有量が少なすぎると、撥水・撥油性が低下すると共に所望の触感が得られない場合があり、逆に含有量が多すぎると、基材に対する被膜の密着性が低下する場合や、所望する防汚性能が得られない場合がある。
上記のアクリルポリオールは、重量平均分子量(Mw)が20000〜500000のものが好適に用いられる。より好ましくは50000〜300000であり、更に好ましくは150000〜250000である。アクリルポリオールの分子量が高すぎると、溶剤や他の架橋剤との相溶性が悪くなる傾向があり、アクリルポリオールの分子量が低すぎると、得られる被膜の物性が低下する傾向がある。
次にイソシアネート樹脂は、アクリルポリオールに含有される水酸基と反応してアクリル樹脂を架橋し、緻密な被膜を形成する硬化剤として作用するものである。水酸基とイソシアネート基は低温で反応するため、低温での硬化が可能であり、高温をかけることができない基材にも被膜を形成することが可能になり、また耐薬品性や耐水性にも優れた被膜を形成することができるものである。
イソシアネート樹脂としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4、4−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート、リジントリイソシアネートなどの基本モノマーをプレポリマー化したものを使用することができ、イソシアヌレート体、アダクト体、ビウレット体などの構造体を使用することができる。イソシアネート樹脂の添加量が多すぎると、硬く緻密な被膜を形成できるが、逆に脆く密着性が悪い被膜となる傾向がある。従って、イソシアネート樹脂の添加量は、アクリルポリオールに対して、水酸基とイソシアネート基の当量が、イソシアネート基1に対して、水酸基0.9〜1.1の範囲になるように設定するのが好ましい。
また上記のアクリルポリオールに混合分散して使用される高分子微粒子としては、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系から選ばれる材料で形成したものを用いるものである。これらの材料のうち1種類の高分子微粒子を用いる他、2種類以上の高分子微粒子を混合して用いるようにしてもよい。このようにアクリル系、ウレタン系、シリコン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系で形成される高分子微粒子を用いることによって、高触感を有する被膜を形成することができるものである。ここで、材料の種類により触感が異なるものであり、例えば、アクリル系の高分子微粒子を使用すれば、硬さとしっとり感を保持させることができ、ウレタン系の高分子微粒子を使用すれば軟らかさとしっとり感、なめらか感を保持させることができ、シリコン系の高分子微粒子を使用すれば硬さと肌フィット感を保持させることができ、ポリエチレン系やポリプロピレン系の高分子微粒子を使用すれば、さらさら感を保持させることができるものである。
高分子微粒子は、平均粒子径が10μmを超えて20μmを超えない範囲の粒径のものを用いるものである。平均粒子径が10μm以下であると、粒径が小さすぎて分散性が悪くなったり、また所望する触感を得ることができなくなったりする場合があり、逆に平均粒子径が20μmを超えると、被膜の架橋度を低下させて所望する防汚性能が得られない場合がある。ここで、平均粒子径はレーザー回折・散乱法によって測定した値である。
また高分子微粒子の含有量は、組成物の全樹脂固形分に対して、20質量%を超えて40質量%を超えない範囲に設定されるものである。高分子微粒子の含有量が20質量%以下であると、所望する触感の被膜を得ることができない場合があり、逆に40質量%を超えると、所望する防汚性能を有する被膜を得ることができない場合がある。
上記のアクリルポリオールと、イソシアネート樹脂と、高分子微粒子を配合して混合することによって、本発明の高触感防汚樹脂組成物を調製することができるものであるが、さらに上記の式(3)に示すジメチルポリシロキサン樹脂を配合するようにしてもよい。このようにジメチルポリシロキサン樹脂を配合した高触感防汚樹脂組成物を塗布して被膜を形成すると、ジメチルポリシロキサン樹脂は被膜の表面に近い部分ほど含有率が高くなるよう傾斜配向されるものであり、被膜の撥水・撥油性を高めて、防汚性をさらに向上することができ、また高分子微粒子との組み合わせで触感性能をさらに向上することができるものである。
上記のジメチルポリシロキサン樹脂は、組成物の樹脂全固形分に対して20質量%超えない範囲で含有するのが好ましい。ジメチルポリシロキサン樹脂の含有量が20質量%を超えると、被膜の硬度が低下したり、所望する防汚性能が得られなくなったりする場合がある。ジメチルポリシロキサン樹脂の含有量の下限は特に設定されないが、ジメチルポリシロキサン樹脂を配合することによる効果を得るために、5質量%以上であることが望ましい。
そして、上記のように調製した高触感防汚樹脂組成物からなる被膜を基材の表面に形成することによって、高触感性と防汚性を有する被膜で、高触感防汚の表面を有する被膜形成品を得ることができるものである。被膜を基材の表面に形成する方法は特に限定されるものではなく、一般的なコーティング法など、基材に適した工法を採用することができる。また基材としては特に制限されることなく任意のものを用いることができるが、例えばポリカーボネート、ポリプロピレン、ABS樹脂、アクリル樹脂などのプラスチックで成形したものを挙げることができる。
上記のように基材の表面に形成した被膜にあって、被膜は、「平均動摩擦係数」/「平均動摩擦係数の変動(平均偏差)」の値が4を超えるものであることが望ましい。「平均動摩擦係数」/「平均動摩擦係数の変動(平均偏差)」の値は触感指標値であり、その値が大きいほど、触感が良い傾向がある。そして本発明では、「平均動摩擦係数」/「平均動摩擦係数の変動(平均偏差)」の値が4を超える被膜であることによって、高い触感を有する被膜形成品を得ることができるものである。値が4以下であると、所望の触感が得られない場合がある。この値は大きいほど望ましいので、上限値は特に設定されない。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
アクリルポリオールとして、フルオロオレフィンからなる単位と水酸基とを有するアクリル樹脂(関東電化工業株式会社製「KD200」:OH価100mg)を用いた。
またイソシアネート樹脂として、ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂(三井化学ポリウレタン株式会社製「タケネートD165N」)を用いた。
さらに高分子微粒子として、平均粒子径15μmのウレタン系高分子微粒子(大日精化株式会社製「UCN−5150D」)を用いた。
そしてアクリルポリオールとイソシアネート樹脂を当量比1:1で配合すると共に、高分子微粒子を組成物の樹脂全固形分の30質量%になるように配合し、これを混合することによって、請求項1の条件を満たす樹脂組成物を調製した。
次に、このように調製した樹脂組成物をABS樹脂製の基材の表面に塗布し、80℃雰囲気内に1時間放置して乾燥することによって、膜厚10μmの被膜を形成した被膜形成品を得た。
(実施例2)
高分子微粒子を、平均粒子径が12μmであるアクリル系高分子微粒子(積水化成品工業株式会社製「MBX−12」)に変更して用いるようにした他は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
(実施例3)
アクリルポリオールを、フルオロオレフィンからなる単位と水酸基を有し、かつ、上記式(1)及び(2)の側鎖を有するアクリル樹脂(富士化成工業株式会社製「ZX−022H」:OH価120mg)に変更して用いるようにした他は、実施例1と同様にして、請求項2の条件を満たす樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
(実施例4)
ジメチルポリシロキサン樹脂(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「YF3905」)を、実施例1の配合に加えて、全樹脂固形分に対して10質量%の量でさらに配合するようにした他は、実施例1と同様にして、請求項3の条件を満たす樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
(比較例1)
高分子微粒子を配合しないようにした他は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
(比較例2)
アクリルポリオールを、フッ素を含有しないアクリルポリオール(三井化学株式会社製「Q202」:OH価225、フッ素含有率0%)に変更して用いるようにした他は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
(比較例3)
高分子微粒子を、平均粒子径が7μmであるウレタン系高分子微粒子(大日精化株式会社製「UCN−5070D」)に変更して用いるようにした他は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
(比較例4)
高分子微粒子を、平均粒子径が30μmであるアクリル系高分子微粒子(積水化成品工業株式会社製「ARX−30」)に変更して用いるようにした他は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
(比較例5)
ウレタン系高分子微粒子(大日精化株式会社製「UCN−5150D」)の含有量を、19質量%に変更するようにした他は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
(比較例6)
ウレタン系高分子微粒子(大日精化株式会社製「UCN−5150D」)の含有量を、41質量%に変更するようにした他は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、さらに実施例1と同様にして被膜形成品を得た。
上記の実施例1〜4及び比較例1〜6で得た被膜形成品について次の試験・評価を行なった。結果を表1に示す。
(1)「平均動摩擦係数」/「平均動摩擦係数の変動(平均偏差)」
カトーテック株式会社製「摩擦感テスター(KESSE)」を用い、測定条件を次のように設定して、「平均動摩擦係数」と「平均動摩擦係数の変動(平均偏差)」を測定し、表面特性を評価した。
・試料接触圧:25gの接触圧
・摩擦子移動速度:0.1cm/秒
・試料測定範囲:2cm
(2)触感性能
触感評価として、合計20人(男性10人、女性10人)によるSD法(Semantic Differential method)を用いた官能評価を行い、手触り感の5段階評価と触感用語の抽出を行なった。手触り感評価基準は、5点(非常に気持ちが良い)、4点(気持ちが良い)、3点(普通)、2点(気持ち悪い)、1点(非常に気持ち悪い)である。
(3)水性赤インク浸透性
被膜に水性赤インクを滴下したとき、インクが被膜に完全に浸透しない場合を「○」、わずかに浸透する場合を「△」、浸透する場合を「×」と評価した。
(4)カーボン水汚れ除去性
1質量%濃度のカーボン水の水滴を被膜の表面に付着させた後に乾燥させ、これを水洗した。この水洗いの際に、カーボン汚れが軽く取れる場合を「◎」、取れる場合を「○」、跡が残る場合を「△」、全く取れない場合を「×」と評価した。
(5)表面硬度
JISK5600−5−4に従う鉛筆法により、被膜の硬度を測定した。
Figure 0005346225
表1にみられるように、各実施例のものは、「平均動摩擦係数」/「平均動摩擦係数の変動(平均偏差)」が4以上であり、触感性能も高く、高触感性を有するものであった。またインクの浸透性が低く汚れ除去性が良好であり、防汚性も高いものであった。

Claims (5)

  1. フルオロオレフィンからなる単位を含むと共にOH価で100mg(KOH/g樹脂)を超えて230mg(KOH/g樹脂)を超えない量の反応に寄与する水酸基を有するアクリルポリオールと、高分子微粒子と、イソシアネート樹脂とを含有し、高分子微粒子は、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系から選ばれる材料からなり、平均粒子径が10μmを超えて20μmを超えないと共に、かつ含有量が組成物の全樹脂固形分に対して20質量%を超えて40質量%を超えないことを特徴とする高触感防汚樹脂組成物。
  2. 上記アクリルポリオールは、式(1)、(2)に示すポリシロキサン骨格を有するシリコン基のうち少なくとも一方を側鎖に有するものであることを特徴とする請求項1に記載の高触感防汚樹脂組成物。
    Figure 0005346225
    (式(1)中、R,R,R,R及びRは水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは2以上の整数である。
    式(2)中、R,R,R,R及びR10は水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。pは0〜10の整数、qは2以上の整数である。)
  3. ジメチルポリシロキサン樹脂を、組成物の全樹脂固形分に対して20質量%超えない範囲で含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高触感防汚樹脂組成物。
  4. 基材の最表層に、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高触感防汚樹脂組成物からなる被膜が形成されていることを特徴とする被膜形成品。
  5. 被膜は、「平均動摩擦係数」/「平均動摩擦係数の変動(平均偏差)」の値が4を超えるものであることを特徴とする請求項4に記載の被膜形成品。
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